JP3774007B2 - 車両用ワイパ制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車速連動間欠ワイパ機能を備えた車両用ワイパ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用ワイパ制御装置に設けられる車速連動間欠ワイパ機能は、ワイパの間欠払拭動作時におけるインターバル時間(休止時間)を、車両の走行速度が高くなるのに応じて漸次短くする制御を行う構成となっている。このような車速連動間欠ワイパ機能を安価なアナログ方式で実現する場合、一般的には、間欠払拭動作時におけるインターバル時間を調節するためのコンデンサに対する充電時定数を、車両の走行速度が高い状態時ほど短くなるように自動的に調節する回路構成を採用するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような車速連動間欠ワイパ機能を設ける場合であっても、車両の走行速度がある程度以上高くなったときには、ワイパを連続払拭動作へ自動的に切り換えることが望ましいものである。ところが、このような自動切換機能をアナログ方式で実現しようとすると、その切換のための専用のリレーや関連部品などを追加して設ける必要があるため、全体の回路構成が大幅に複雑化してコストの上昇を招くという問題点がある。また、上記自動切換機能を専用リレーを追加することなく実現する構成も可能ではあるが、斯様な構成を採用した場合には、ワイパスイッチが一旦停止位置へ操作された後に間欠払拭モード位置へ戻されたときに直ちにワイパの払拭動作を開始させるという所謂即動機能が得られなくなるものであり、このような点が未解決の課題となっていた。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ワイパの間欠払拭動作時におけるインターバル時間を車両の走行速度に応じて自動的に調節するという車速連動間欠ワイパ機能が働いている状態において、車両の走行速度が予め設定された速度より高くなった場合にワイパを連続払拭動作へ自動的に切換える機能を安価なアナログ方式の下で回路構成の大幅な複雑化を来たすことなく実現できると共に、ワイパの即動機能をも同時に得られるようになる車両用ワイパ制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、ワイパの払拭動作開始後から当該ワイパが待機位置へ戻るまでの期間だけ動作されてワイパモータの通電路形成状態を保持する定位置停止スイッチを備えた車両用ワイパ制御装置において、
前記定位置停止スイッチの動作停止期間に当該定位置停止スイッチ及びインターバル時間調節用のボリュームを介して充電されると共に、上記定位置停止スイッチの動作期間に充電電荷を放電する間欠払拭モード用コンデンサと、
間欠払拭モード位置へ操作されたときにオン状態となる第1接点回路及び第2接点回路、並びに停止位置へ操作されたときにオン状態となる第3接点回路を有したワイパスイッチと、
動作状態で前記ワイパスイッチの第1接点回路を介したワイパモータの通電路を形成するスイッチ要素、並びに通電状態で上記スイッチ要素を動作させる駆動手段を有した開閉手段と、
前記間欠払拭モード用コンデンサの端子電圧が印加されるように設けられ、その端子電圧が所定レベル以上となったときにオンして前記駆動手段の通電路を前記ワイパスイッチの第2接点回路を介して形成するスイッチング素子と、
前記第2接点回路がオン状態にあるときには前記定位置停止スイッチの動作状態時に前記スイッチング素子をオン状態に保持する保持回路と、
車両の走行状態で周期的にオンオフされる補助スイッチング素子を有し、そのオンデューティ比が車両の走行速度が高い状態時ほど高くなるように構成された車速検知回路と、
前記補助スイッチング素子のオン期間に前記間欠払拭モード用コンデンサに充電電流を供給する第1の補助充電回路と、
前記車速検知回路内の補助スイッチング素子のオン期間に充電される電圧監視用コンデンサを有し、この電圧監視用コンデンサの端子電圧が所定レベル以上ある状態で前記スイッチング素子を強制的にオンさせる車速監視回路と、
前記ワイパスイッチの第3接点回路がオン状態となったときに前記間欠払拭モード用コンデンサに対する充電時定数が小さくなるように機能する第2の補助充電回路とを備えた構成としたものである。
【0006】
このような構成によれば、定位置停止スイッチが動作停止された期間(つまりワイパが待機位置にある期間)において、間欠払拭モード用コンデンサに対し、当該定位置停止スイッチ及びボリュームを介して充電されるようになり、上記間欠払拭モード用コンデンサの端子電圧が印加されるスイッチング素子は、その端子電圧が所定レベル以上となったときにオンする。
【0007】
このとき、ワイパスイッチが間欠払拭モード位置へ操作されていた場合、つまり当該ワイパスイッチの第1接点回路及び第2接点回路がオン状態を呈していた場合には、上記スイッチング素子が動作されるのに応じて、開閉手段が有する駆動手段に対する通電路が上記第2接点回路を介して形成されるため、当該開閉手段が有するスイッチ要素がオンされる。このスイッチ要素が動作されると、前記第1接点回路を介したワイパモータの通電路が形成されるため、ワイパの払拭動作が開始される。
【0008】
このようにワイパの払拭動作が開始されたときには、定位置停止スイッチが動作状態となって前記間欠払拭モード用コンデンサの充電電荷が放電されるが、この場合には、第2接点回路がオン状態にあるため、保持回路が当該スイッチング素子をオン状態に保持するようになり、ワイパモータの通電路がそのまま形成されることになる。
【0009】
この後にワイパが待機位置まで戻ったときには、保持回路によるスイッチング素子のオン状態保持機能が解除されると共に、間欠払拭モード用コンデンサに対する充電が再開されるようになる。この充電再開時点では、当該コンデンサの端子電圧が前記所定レベルに達していないため、スイッチング素子がオフされることになり、これによりワイパモータが断電されてワイパの払拭動作が停止されるようになる。
【0010】
上記のような間欠払拭モード用コンデンサに対する充電再開後に所定時間経過し、以て当該コンデンサの充電レベルが所定レベル以上となったときには、スイッチング素子が再オンされるようになる。従って、これ以降においては、上述したような間欠払拭モード用コンデンサの充電及び放電に応じてワイパモータの通電路が間欠的に形成されるものであり、以てワイパによる間欠払拭動作が継続されるようになる。尚、このときのインターバル時間は、ボリュームの抵抗値が大きい場合ほど長くなる。
【0011】
車両の走行状態では、車速検知回路内の補助スイッチング素子が周期的にオンオフされ、そのオン期間には、第1の補助充電回路が前記間欠払拭モード用コンデンサに対し充電電流を供給するようになる。この場合、上記補助スイッチング素子は、車両の走行速度が高い状態時ほどオンデューティ比が高くなるように構成されているから、その走行速度が高くなるのに応じて間欠払拭モード用コンデンサに対する充電速度が早くなるものである。従って、間欠払拭動作時におけるインターバル時間は、車両の走行速度が高い場合ほど短くなるものであり、以て車速連動間欠ワイパ機能が得られるようになる。
【0012】
また、車両の走行に伴い車速検知回路内のスイッチング素子が周期的にオンオフされる状態では、そのオン期間において、車速監視回路内の電圧監視用コンデンサに充電されるようになる。この場合、前にも述べたように、上記補助スイッチング素子のオンデューティ比は車両の走行速度が高い状態時ほど高くなるから、上記電圧監視用コンデンサの端子電圧は、車両の走行速度が高い場合ほど上昇するようになる。
【0013】
そして、車両の走行速度が高くなるのに応じて、電圧監視用コンデンサの端子電圧が所定レベル以上となったときには、車速監視回路が前記スイッチング素子を強制的にオンさせるようになる。このため、ワイパが間欠払拭動作された状態で車両の走行速度がある程度以上高くなったときには、上記スイッチング素子が間欠払拭モード用コンデンサの充放電と無関係に連続的にオンされて、ワイパモータの通電路が形成された状態が保持されるものであり、以てワイパの連続的な払拭動作が行われる状態へ自動的に切換えられる。
【0014】
つまり、ワイパの間欠払拭動作時におけるインターバル時間を車両の走行速度に応じて自動的に調節するという車速連動間欠ワイパ機能が働いている状態において、車両の走行速度が設定速度以上となったときにワイパを連続払拭動作へ自動的に切換えるという機能を安価なアナログ方式で実現できることになる。
【0015】
一方、ワイパスイッチが、上記のような間欠払拭モード位置から停止位置へ操作されたときには、その第3接点回路がオン状態を呈するようになる。すると、第2の補助充電回路が、間欠払拭モード用コンデンサに対する充電時定数が小さくなるように機能するため、そのコンデンサの端子電圧が比較的短い時間で上昇することになる。
【0016】
従って、ワイパスイッチが間欠払拭モード位置から停止位置へ操作された直後に間欠払拭モード位置へ戻されたときには、間欠払拭モード用コンデンサの端子電圧が比較的早いタイミング所定レベル以上となってスイッチング素子がオンされるようになるから、これに応じてワイパの払拭動作が開始される。この結果、ワイパスイッチが一旦停止位置へ操作された直後に間欠払拭モード位置へ操作されたときに直ちにワイパの払拭動作を開始させるという所謂即動機能が得られようになる。
【0017】
また、前記電圧監視用コンデンサは、前記補助スイッチング素子のオン期間に前記ボリュームを介して充電される構成としても良い(請求項2)。この構成によれば、ボリュームの抵抗値が小さくなるのに応じて(ワイパの間欠払拭動作時のインターバル時間が短くなるのに応じて)、電圧監視用コンデンサに対する充電速度が早くなるから、ワイパを間欠払拭動作から連続払拭動作へ自動的に切換えるときの車両走行速度を自動的に変更できることになる。
【0018】
つまり、設定されたインターバル時間が短い場合ほど、ワイパが間欠払拭動作から連続払拭動作へ切換えられるときの車両走行速度が低くなるものであり、また、インターバル時間がある程度以上長い状態に設定されていた場合には、車両の走行速度が設定速度以上となったときにワイパを連続払拭動作へ自動的に切換える機能が働かないように構成できるものであり、結果的に、インターバル時間の設定状況及び車両の走行速度の双方に即した実用的な車速連動ワイパ機能が得られることになる。
【0019】
さらに、前記車速監視回路を、前記電圧監視用コンデンサの端子電圧が所定レベル以上になった状態でブレークダウンして前記スイッチング素子をオンさせる定電圧ダイオードを含んた構成としても良く(請求項3)、このような構成によれば、車速監視回路を簡単な回路構成で実現できることになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を自動車のフロントワイパ制御用の装置に適用した一実施例について図面を参照しながら説明する。
即ち、図1において、ワイパスイッチ1は、図示しない操作レバーの操作に応じて、停止位置OFF、間欠払拭モード位置INT、低速払拭モード位置LO、高速払拭モード位置HIへそれぞれ切換え可能な構成となっている。この場合、ワイパスイッチ1は、接点T1〜T7を備えており、上記した各位置OFF、INT、LO、HIへそれぞれ切換えられた状態では、接点T1〜T7間を、図中に「○−○」印で示すように選択的に接続する。
【0021】
尚、ワイパスイッチ1において、間欠払拭モード位置INTへ操作された状態で互いに接続された状態となる接点T3・T4間が本発明でいう第1接点回路に相当し、同じく互いに接続された状態となる接点T6・T7間が本発明でいう第2接点回路に相当する。また、停止位置OFFへ操作された状態で互いに接続された状態となる接点T5・T6間が本発明でいう第3接点回路に相当する。
【0022】
ワイパモータ2は、回転速度を二段階に切り換え可能に設けられたもので、その高速回転端子H及び低速回転端子Lがワイパスイッチ1の接点T2及びT3にそれぞれ接続され、共通端子Cがグランド端子に接続されている。
【0023】
定位置停止スイッチ3は、ワイパが待機位置にあるときに接点(c−b)間をオンした動作停止状態に保持されると共に、ワイパモータ2に一旦通電されてワイパが上記待機位置から移動されたときに接点(c−a)間をオンした動作状態に切換えられる周知構成のものであり、その常開接点aが電源ライン+Bに接続され、常閉接点bがグランド端子に接続される。
【0024】
上記電源ライン+Bは、マイナス側端子がアースされた車載バッテリ4からイグニッションスイッチ5を介して給電されるものであり、ワイパスイッチ1の接点T1は、この電源ライン+Bに接続される。また、ワイパスイッチ1の接点T7はグランド端子に接続される。
【0025】
車速センサ回路6は、自動車の走行速度を示す信号を発生するためのもので、その入力端子6aに図示しない車速センサからの検出パルス列が与えられるようになっている。この車速センサ回路6は、出力端子6b及びグランド端子間に抵抗6c及びnpn形トランジスタ6dのコレクタ・エミッタ間を直列に接続すると共に、そのトランジスタ6dのベースを入力端子6aに抵抗6eを介して接続した構成となっている。尚、上記図示しない車速センサは、例えばホール素子とマグネットとを組み合わせて構成されたもので、自動車走行速度に比例した数の検出パルスを発生するようになっている。
【0026】
ボリューム7は、ワイパの間欠払拭動作時におけるインターバル時間を調節するためのもので、後述の説明から明らかとなるように、その抵抗値が大きくなるのに応じて上記インターバル時間が長くなる。このボリューム7は、一端が電源ライン+Bに接続され、他端が抵抗8及び前記ワイパスイッチ1の接点T6・T7間を介してグランド端子に接続されており、それらボリューム7及び抵抗8の直列回路と並列に抵抗9が接続されている。
【0027】
この場合、ワイパスイッチ1の接点T6・T7間は、当該ワイパスイッチ1が間欠払拭モード位置INTへ切り換えられた状態においてのみ互いに接続される構成となっている。従って、上記ボリューム7及び抵抗8の直列回路にあっては、ワイパスイッチ1が間欠払拭モード位置INTへ切り換えられた状態において、電源ライン+Bの出力電圧を分圧した電圧信号Vdを、それらの共通接続点から出力することになる。尚、上記分圧電圧Vdのレベルは、ボリューム7の抵抗値が大きい場合(間欠払拭動作時のインターバル時間が長くなる状態に相当)ほど低くなる。
【0028】
上記ボリューム7及び抵抗8の共通接続点は、定位置停止スイッチ3の共通接点cに対し、図示極性の充電用ダイオード10a、抵抗11及び間欠払拭モード用コンデンサ12を直列に介して接続されている。また、上記抵抗11及び間欠払拭モード用コンデンサ12の共通接続点は、ワイパスイッチ1の接点T5に対し抵抗13を介して接続されている。
【0029】
尚、上記抵抗13と抵抗9とによって本発明でいう第2の補助充電回路14が構成されるものである。この場合、ワイパスイッチ1の接点T5・T6間は、当該ワイパスイッチ1が停止位置OFFへ切り換えられた状態においてのみ互いに接続される構成となっている。従って、上記第2の補助充電回路14にあっては、ワイパスイッチ1がオフ位置OFFへ切り換えられた状態において、間欠払拭モード用コンデンサ12の充電回路に直列に介在されたボリューム7及び抵抗11に対して抵抗9及び13の直列回路が並列に接続されるものであり、以て間欠払拭モード用コンデンサ12に対する充電時定数が小さくなるように機能することになる。
【0030】
リレー15(本発明でいう開閉手段に相当)は、ワイパモータ2の通電路を形成するためのもので、そのリレースイッチ15a(本発明でいうスイッチ要素に相当)は、常開接点a及び常閉接点bを備えたトランスファ形に構成されている。この場合、リレースイッチ15aの常開接点aは電源ライン+Bに接続され、常閉接点bは定位置停止スイッチ3の共通接点cに接続され、共通接点cはワイパスイッチ1の接点T4に接続される。
【0031】
上記リレー15の励磁コイル15bは、一端が電源ライン+Bに接続され、他端がnpnトランジスタ16(本発明でいうスイッチング素子に相当)のコレクタ・エミッタ間を介してワイパスイッチ1の接点T6に接続される。上記トランジスタ16のベース・エミッタ間には抵抗17が接続され、当該トランジスタ16のコレクタは、過電圧保護のための図示極性の定電圧ダイオード18を介してグランド端子に接続される。
【0032】
また、トランジスタ16のベースには、間欠払拭モード用コンデンサ12及び抵抗11の共通続点が、図示極性の放電用ダイオード10b及び抵抗19を直列に介して接続される。尚、放電用ダイオード10b、抵抗19及び17、ワイパスイッチ1の接点T6・T7間を介した間欠払拭モード用コンデンサ12の放電時定数は、比較的短い値(具体的には、ワイパの低速払拭周期より十分に短く、且つワイパの動作開始後に定位置停止スイッチ3が動作されるまでの時間よりは長い値)に設定されている。
【0033】
ここで、充電用ダイオード10a、抵抗11、放電用ダイオード10b、抵抗19及び17により保持回路20が構成されるものである。
車速検知回路21は、以下のような構成となっている。即ち、車速検知回路21にあっては、出力端子21aの他に、ボリューム7及び抵抗8の共通接続点及び車速センサ回路6の出力端子6bにそれぞれ接続された入力端子21b及び21cを備えた構成となっている。
【0034】
車速検知回路21にあっては、入力端子21bと出力端子21aとの間に、図示極性のダイオード22及びpnp形トランジスタ23(本発明でいう補助スイッチング素子に相当)のエミッタ・コレクタ間を直列に接続すると共に、そのトランジスタ23のエミッタと入力端子21cとの間に、抵抗24、25、コンデンサ26及び図示極性のダイオード27を直列に接続しており、その抵抗24及び25の共通接続点をトランジスタ23のベースに接続している。
【0035】
さらに、抵抗24及び25の直列回路と並列に、抵抗28及び図示極性のダイオード29の直列回路を接続し、抵抗24、25及びコンデンサ26の直列回路と並列に抵抗30を接続している。
【0036】
このように構成された車速検知回路21にあっては、車速センサ回路6内のトランジスタ6dが間欠的にオンされる状態(自動車の走行状態に相当)では、コンデンサ26に対する充電動作と放電動作とが交互に行われて、微分パルスを間欠的に発生するものであり、その微分パルスによりトランジスタ23のオンオフ動作が周期的に行われる。このときのトランジスタ23のオンデューティ比は、微分パルスの発生周期が短い状態時、つまり自動車の走行速度が高い状態時ほど高くなる。
【0037】
第1の補助充電回路31は、車速検知回路21の出力端子21aと、間欠払拭モード用コンデンサ12及び抵抗11の共通続点との間に、図示極性のダイオード31a及び抵抗31bを直列に接続した構成となっている。
【0038】
一方、車速監視回路32は以下のような構成となっている。即ち、車速監視回路32にあっては、車速検知回路21の出力端子21a及びグランド端子間に、図示極性のダイオード32a、抵抗32b及び電圧監視用コンデンサ32cを直列に接続すると共に、それら抵抗32b及び電圧監視用コンデンサ32cの共通接続点を、図示極性の定電圧ダイオード32d、抵抗32e及び図示極性のダイオード32fを介して前記トランジスタ16のベースに接続している。また、電圧監視用コンデンサ32cと並列に抵抗32gを接続している。
【0039】
次に、上記した実施例による作用のうち本発明の要旨に関係した部分についてのみ説明する。
今、イグニッションスイッチ5がオンされ且つワイパスイッチ1が停止位置OFFへ操作された状態において、定位置停止スイッチ3が接点(c−b)間をオンした動作停止状態にある期間には、間欠払拭モード用コンデンサ12に対し、電源ライン+Bからボリューム7、充電用ダイオード10a、抵抗11及び定位置停止スイッチ3の接点(c−b)間を介して正方向(矢印A方向)に充電された状態にある。
【0040】
この状態から、ワイパスイッチ1が間欠払拭モード位置INTへ操作されたときには、間欠払拭モード用コンデンサ12の充電電荷が、放電用ダイオード10b、抵抗19及び17、ワイパスイッチ1の接点T6・T7間を通じて放電されるようになり、その放電に応じてトランジスタ16が直ちにベースバイアスされてオンするようになる。このようにトランジスタ16がオンしたときにはリレー15の励磁コイル15bに通電されるため、リレースイッチ15aが動作されて、その接点(c−a)間がオンされるようになる。
【0041】
このため、ワイパモータ2の通電路が、電源ライン+Bから上記リレースイッチ15aの接点(c−a)間、ワイパスイッチ1の接点T4・T3間及び当該ワイパモータ2の低速回転端子Lを通じて形成されるようになり、以てワイパの払拭動作が開始される。
【0042】
上記のような間欠払拭モード用コンデンサ12の放電電流は比較的短い時間で消失するが、ワイパの払拭動作が一旦開始されたときには、定位置停止スイッチ3が接点(c−a)間をオンした動作状態に切換わるため、当該コンデンサ12に対し充電電流が流れ込むことがなくなる。このため、トランジスタ16のオン状態が、電源ライン+Bからボリューム7、保持回路20(充電用ダイオード10a、抵抗11、放電用ダイオード10b、抵抗19及び17)、ワイパスイッチ1の接点T6・T7間を通じて流れる電流により保持されるため、ワイパモータ2への通電が継続される。
【0043】
このような通電継続に応じてワイパが待機位置まで復帰し、以て定位置停止スイッチ3が接点(c−b)間をオンさせた状態に戻ると、間欠払拭モード用コンデンサ12に対する充電が、ボリューム7、充電用ダイオード10a及び抵抗11を介して再開されることになる。このようにして、ワイパが待機位置へ復帰した瞬間に間欠払拭モード用コンデンサ12への充電が開始される結果、トランジスタ16のベース電位が低下するようになって、そのトランジスタ16がオフされるため、励磁コイル15bの断電に応じてリレースイッチ15aが接点(c−b)間をオンした状態に復帰し、ワイパモータ2が断電される。
【0044】
尚、この場合には、ワイパモータ2の低速回転端子L及びコモン端子C間が、ワイパスイッチ1の接点T3・T4間、リレースイッチ15aの接点(c−b)間、定位置停止スイッチ3の接点(c−b)間を介して短絡されるようになるから、ワイパモータ2に制動がかけられてワイパが待機位置に確実に停止するようになる。
【0045】
上記のように間欠払拭モード用コンデンサ12に対する充電が開始された後には、所定時間(ボリューム7などを通じた充電時定数に応じた時間)が経過して、そのコンデンサ12の端子電圧が所定レベル以上となった段階でトランジスタ16が再オンされることになる。従って、これ以降においては、上述したような間欠払拭モード用コンデンサ12の充電及び放電に応じてワイパモータ2の通電路が間欠的に形成されるものであり、以てワイパによる間欠払拭動作が継続的に行われるようになる。
【0046】
さて、自動車が走行している状態では、車速検知回路21内のトランジスタ23が微分パルスにより周期的にオンオフされるものであり、そのオン期間には、間欠払拭モード用コンデンサ12に対し、電源ライン+Bからボリューム7、ダイオード22、上記トランジスタ23及び第1の補助充電回路31を通じて充電電流が供給されるようになる。つまり、トランジスタ23のオン期間には、第1の補助充電回路31内の抵抗31bが、間欠払拭モード用コンデンサ12への充電のための抵抗11と並列に接続された状態となるものであり、そのコンデンサ12に対する充電時定数が短くなる。
【0047】
この場合、上記トランジスタ23のオンデューティ比は、自動車の走行速度が高くなるのに応じて高くなる構成となっている。従って、自動車の走行中には、その速度が高くなるのに応じて間欠払拭モード用コンデンサ12に対する充電速度が早くなるものであり、これにより、自動車の走行速度が高い場合ほど間欠払拭動作時におけるインターバル時間が短くなる。
【0048】
また、上記のような間欠払拭モード用コンデンサ12に対する充電は、ボリューム7を通じて行われる構成となっているから、そのボリューム7の抵抗値が小さくなるのに応じて、換言すればワイパの間欠払拭動作時のインターバル時間が短くなるのに応じて、上記コンデンサ12に対する充電速度が早くなるから、自動車の走行速度に対するインターバル時間の変化度合いが大きくなる。
【0049】
以上のように、ワイパスイッチ1が間欠払拭モード位置INTへ操作された状態では、ワイパによる間欠払拭動作が行われると共に、そのインターバル時間(休止時間)が自動車の走行速度が高くなるのに応じて自動的に短縮されるという車速連動間欠ワイパ機能が得られることになる。
【0050】
さらに、自動車の走行状態では、車速検知回路21内のトランジスタ23が周期的にオンされる期間に、車速監視回路32内の電圧監視用コンデンサ32cに対し、電源ライン+Bからボリューム7、ダイオード22、上記トランジスタ23、ダイオード32a及び抵抗32bを介して充電されるようになる。このときの電圧監視用コンデンサ32cの端子電圧(充電電位)は、トランジスタ23のオンデューティ比が高い場合、つまり自動車の走行速度が高い場合ほど上昇するようになり、また、その上昇度合いはボリューム7の抵抗値が小さい場合ほど大きくなる。
【0051】
そして、自動車の走行速度が設定速度(この速度値は抵抗32b及び電圧監視用コンデンサ32cの充電時定数の調節により適宜に設定できる)以上に高くなって、電圧監視用コンデンサ32cの端子電圧が定電圧ダイオード32dのツェナー電圧を越えたときには、当該定電圧ダイオード32dのブレークダウンに応じてトランジスタ16が強制的にオンされるようになる。
【0052】
このため、ワイパが間欠払拭動作された状態で自動車の走行速度が設定速度を越えたときには、上記トランジスタ16が間欠払拭モード用コンデンサ12の充放電と無関係に連続的にオンされるようになって、励磁コイル15bに対する通電状態、つまりリレースイッチ15aの接点(c−a)間がオンされた状態が保持される。この結果、上記接点(c−a)間及びワイパスイッチ1の接点T4・T3間を介してワイパモータ2の通電路が形成された状態が保持されるようになり、ワイパの連続的な払拭動作が行われる状態へ自動的に切換えられる。尚、このようにワイパが間欠払拭動作から連続払拭動作へ自動的に切換えられるときの自動車の走行速度は、ボリューム7の抵抗値が小さい場合、つまり当該ボリューム7により設定されたインターバル時間が短い場合ほど低くなる。
【0053】
そして、上記のような状態から自動車の走行速度が設定速度以下に低下したときには、電圧監視用コンデンサ32cの端子電圧が低下して定電圧ダイオード32dのブレークダウン状態が解除されるため、前記トランジスタ16の強制的なオン状態が解消される。この結果、これ以降は、前述したような間欠払拭モード用コンデンサ12の充電及び放電動作が再開されるようになり、以てワイパが間欠払拭動作される状態に戻されることになる。
【0054】
尚、図2には、本実施例の構成において、ワイパの間欠払拭動作が行われた場合における自動車の走行速度とインターバル時間との関係の一例について、ボリューム7の抵抗値をパラメータとして示した。
【0055】
一方、ワイパスイッチ1が、上記のような間欠払拭モード位置INTから停止位置OFFへ操作されたときには、その接点T3・T4間及び接点T5・T6(第3接点回路に相当)がオン状態を呈するようになる。すると、間欠払拭モード用コンデンサ12の充電回路に直列に介在されたボリューム7及び抵抗11に対して、第2の補助充電回路14を構成する抵抗9及び13の直列回路が並列に接続された状態となって、当該間欠払拭モード用コンデンサ12に対する充電時定数が小さくなるため、そのコンデンサ12の端子電圧が比較的短い時間で上昇することになる。
【0056】
従って、ワイパスイッチ1が間欠払拭モード位置INTから停止位置OFFへ操作された直後に間欠払拭モード位置INTへ戻されたときには、間欠払拭モード用コンデンサ12の端子電圧が比較的早いタイミング所定レベル以上となってトランジスタ16がオンされるようになるから、これに応じてワイパの払拭動作が開始される。この結果、ワイパスイッチ1が一旦停止位置OFFへ操作された直後に間欠払拭モード位置INTへ操作されたときに直ちにワイパの払拭動作を開始させるという所謂即動機能が得られようになる。
【0057】
要するに、上記した本実施例の構成によれば、ワイパの間欠払拭動作時におけるインターバル時間を自動車の走行速度に応じて自動的に調節するという車速連動間欠ワイパ機能が働いている状態において、自動車の走行速度が設定速度を越えて早くなった場合にワイパを連続払拭動作へ自動的に切換えるという機能を、電圧監視用コンデンサ32cや定電圧ダイオード32dなどのディスクリート回路部品を利用した安価なアナログ方式で実現できることになる。つまり、上記のような車速連動間欠ワイパ機能を得るために、ディスクリート回路より成る車速検知回路21及び車速監視回路32を追加するだけで済むから、比較演算処理機能を備えたデジタル回路を用いる構成に比べて製造コストの抑制を図り得るようになる。しかも、このような構成とした場合でも、ワイパの即動機能をも同時に得られるという利点がある。
【0058】
また、ワイパを間欠払拭動作から連続払拭動作へ自動的に切換えるときの自動車の走行速度は、ボリューム7により設定されたインターバル時間が短い場合ほど低くなるものであり、また、上記インターバル時間がある程度以上長い状態に設定されていた場合には、自動車の走行速度が設定速度以上となったときにワイパを連続払拭動作へ自動的に切換える機能が働かないように構成できるものであり、結果的に、インターバル時間の設定状況及び自動車の走行速度の双方に即した実用的な車速連動ワイパ機能が得られることになる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば以上の説明によって明らかなように、車速連動間欠ワイパ機能が働いている状態において、車両の走行速度が予め設定された速度より高くなった場合にワイパを連続払拭動作へ自動的に切換える機能を、それぞれディスクリート回路により構成できる車速検知回路、第1及び第2の補助充電回路、車速監視回路などを設けるだけの安価なアナログ方式の下で実現できて、装置全体のコストの低減を促進できるものであり、また、ワイパの即動機能をも同時に得られるという有益な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回路構成図
【図2】自動車の走行速度とワイパ間欠払拭動作時におけるインターバル時間の関係をを示す特性図
【符号の説明】
図面中、1はワイパスイッチ、2はワイパモータ、3は定位置停止スイッチ、5はイグニッションスイッチ、6は車速センサ回路、7はボリューム、10aは充電用ダイオード、10bは放電用ダイオード、12は間欠払拭モード用コンデンサ、14は第2の補助充電回路、15はリレー(開閉手段)、15aはリレースイッチ(スイッチ要素)、15bは励磁コイル(駆動手段)、16はトランジスタ(スイッチング素子)、20保持回路、21は車速検知回路、23はトランジスタ(補助スイッチング素子)、31は第1の補助充電回路、32は車速監視回路、32cは電圧監視用コンデンサ、32dは定電圧ダイオードを示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車速連動間欠ワイパ機能を備えた車両用ワイパ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用ワイパ制御装置に設けられる車速連動間欠ワイパ機能は、ワイパの間欠払拭動作時におけるインターバル時間(休止時間)を、車両の走行速度が高くなるのに応じて漸次短くする制御を行う構成となっている。このような車速連動間欠ワイパ機能を安価なアナログ方式で実現する場合、一般的には、間欠払拭動作時におけるインターバル時間を調節するためのコンデンサに対する充電時定数を、車両の走行速度が高い状態時ほど短くなるように自動的に調節する回路構成を採用するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような車速連動間欠ワイパ機能を設ける場合であっても、車両の走行速度がある程度以上高くなったときには、ワイパを連続払拭動作へ自動的に切り換えることが望ましいものである。ところが、このような自動切換機能をアナログ方式で実現しようとすると、その切換のための専用のリレーや関連部品などを追加して設ける必要があるため、全体の回路構成が大幅に複雑化してコストの上昇を招くという問題点がある。また、上記自動切換機能を専用リレーを追加することなく実現する構成も可能ではあるが、斯様な構成を採用した場合には、ワイパスイッチが一旦停止位置へ操作された後に間欠払拭モード位置へ戻されたときに直ちにワイパの払拭動作を開始させるという所謂即動機能が得られなくなるものであり、このような点が未解決の課題となっていた。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ワイパの間欠払拭動作時におけるインターバル時間を車両の走行速度に応じて自動的に調節するという車速連動間欠ワイパ機能が働いている状態において、車両の走行速度が予め設定された速度より高くなった場合にワイパを連続払拭動作へ自動的に切換える機能を安価なアナログ方式の下で回路構成の大幅な複雑化を来たすことなく実現できると共に、ワイパの即動機能をも同時に得られるようになる車両用ワイパ制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、ワイパの払拭動作開始後から当該ワイパが待機位置へ戻るまでの期間だけ動作されてワイパモータの通電路形成状態を保持する定位置停止スイッチを備えた車両用ワイパ制御装置において、
前記定位置停止スイッチの動作停止期間に当該定位置停止スイッチ及びインターバル時間調節用のボリュームを介して充電されると共に、上記定位置停止スイッチの動作期間に充電電荷を放電する間欠払拭モード用コンデンサと、
間欠払拭モード位置へ操作されたときにオン状態となる第1接点回路及び第2接点回路、並びに停止位置へ操作されたときにオン状態となる第3接点回路を有したワイパスイッチと、
動作状態で前記ワイパスイッチの第1接点回路を介したワイパモータの通電路を形成するスイッチ要素、並びに通電状態で上記スイッチ要素を動作させる駆動手段を有した開閉手段と、
前記間欠払拭モード用コンデンサの端子電圧が印加されるように設けられ、その端子電圧が所定レベル以上となったときにオンして前記駆動手段の通電路を前記ワイパスイッチの第2接点回路を介して形成するスイッチング素子と、
前記第2接点回路がオン状態にあるときには前記定位置停止スイッチの動作状態時に前記スイッチング素子をオン状態に保持する保持回路と、
車両の走行状態で周期的にオンオフされる補助スイッチング素子を有し、そのオンデューティ比が車両の走行速度が高い状態時ほど高くなるように構成された車速検知回路と、
前記補助スイッチング素子のオン期間に前記間欠払拭モード用コンデンサに充電電流を供給する第1の補助充電回路と、
前記車速検知回路内の補助スイッチング素子のオン期間に充電される電圧監視用コンデンサを有し、この電圧監視用コンデンサの端子電圧が所定レベル以上ある状態で前記スイッチング素子を強制的にオンさせる車速監視回路と、
前記ワイパスイッチの第3接点回路がオン状態となったときに前記間欠払拭モード用コンデンサに対する充電時定数が小さくなるように機能する第2の補助充電回路とを備えた構成としたものである。
【0006】
このような構成によれば、定位置停止スイッチが動作停止された期間(つまりワイパが待機位置にある期間)において、間欠払拭モード用コンデンサに対し、当該定位置停止スイッチ及びボリュームを介して充電されるようになり、上記間欠払拭モード用コンデンサの端子電圧が印加されるスイッチング素子は、その端子電圧が所定レベル以上となったときにオンする。
【0007】
このとき、ワイパスイッチが間欠払拭モード位置へ操作されていた場合、つまり当該ワイパスイッチの第1接点回路及び第2接点回路がオン状態を呈していた場合には、上記スイッチング素子が動作されるのに応じて、開閉手段が有する駆動手段に対する通電路が上記第2接点回路を介して形成されるため、当該開閉手段が有するスイッチ要素がオンされる。このスイッチ要素が動作されると、前記第1接点回路を介したワイパモータの通電路が形成されるため、ワイパの払拭動作が開始される。
【0008】
このようにワイパの払拭動作が開始されたときには、定位置停止スイッチが動作状態となって前記間欠払拭モード用コンデンサの充電電荷が放電されるが、この場合には、第2接点回路がオン状態にあるため、保持回路が当該スイッチング素子をオン状態に保持するようになり、ワイパモータの通電路がそのまま形成されることになる。
【0009】
この後にワイパが待機位置まで戻ったときには、保持回路によるスイッチング素子のオン状態保持機能が解除されると共に、間欠払拭モード用コンデンサに対する充電が再開されるようになる。この充電再開時点では、当該コンデンサの端子電圧が前記所定レベルに達していないため、スイッチング素子がオフされることになり、これによりワイパモータが断電されてワイパの払拭動作が停止されるようになる。
【0010】
上記のような間欠払拭モード用コンデンサに対する充電再開後に所定時間経過し、以て当該コンデンサの充電レベルが所定レベル以上となったときには、スイッチング素子が再オンされるようになる。従って、これ以降においては、上述したような間欠払拭モード用コンデンサの充電及び放電に応じてワイパモータの通電路が間欠的に形成されるものであり、以てワイパによる間欠払拭動作が継続されるようになる。尚、このときのインターバル時間は、ボリュームの抵抗値が大きい場合ほど長くなる。
【0011】
車両の走行状態では、車速検知回路内の補助スイッチング素子が周期的にオンオフされ、そのオン期間には、第1の補助充電回路が前記間欠払拭モード用コンデンサに対し充電電流を供給するようになる。この場合、上記補助スイッチング素子は、車両の走行速度が高い状態時ほどオンデューティ比が高くなるように構成されているから、その走行速度が高くなるのに応じて間欠払拭モード用コンデンサに対する充電速度が早くなるものである。従って、間欠払拭動作時におけるインターバル時間は、車両の走行速度が高い場合ほど短くなるものであり、以て車速連動間欠ワイパ機能が得られるようになる。
【0012】
また、車両の走行に伴い車速検知回路内のスイッチング素子が周期的にオンオフされる状態では、そのオン期間において、車速監視回路内の電圧監視用コンデンサに充電されるようになる。この場合、前にも述べたように、上記補助スイッチング素子のオンデューティ比は車両の走行速度が高い状態時ほど高くなるから、上記電圧監視用コンデンサの端子電圧は、車両の走行速度が高い場合ほど上昇するようになる。
【0013】
そして、車両の走行速度が高くなるのに応じて、電圧監視用コンデンサの端子電圧が所定レベル以上となったときには、車速監視回路が前記スイッチング素子を強制的にオンさせるようになる。このため、ワイパが間欠払拭動作された状態で車両の走行速度がある程度以上高くなったときには、上記スイッチング素子が間欠払拭モード用コンデンサの充放電と無関係に連続的にオンされて、ワイパモータの通電路が形成された状態が保持されるものであり、以てワイパの連続的な払拭動作が行われる状態へ自動的に切換えられる。
【0014】
つまり、ワイパの間欠払拭動作時におけるインターバル時間を車両の走行速度に応じて自動的に調節するという車速連動間欠ワイパ機能が働いている状態において、車両の走行速度が設定速度以上となったときにワイパを連続払拭動作へ自動的に切換えるという機能を安価なアナログ方式で実現できることになる。
【0015】
一方、ワイパスイッチが、上記のような間欠払拭モード位置から停止位置へ操作されたときには、その第3接点回路がオン状態を呈するようになる。すると、第2の補助充電回路が、間欠払拭モード用コンデンサに対する充電時定数が小さくなるように機能するため、そのコンデンサの端子電圧が比較的短い時間で上昇することになる。
【0016】
従って、ワイパスイッチが間欠払拭モード位置から停止位置へ操作された直後に間欠払拭モード位置へ戻されたときには、間欠払拭モード用コンデンサの端子電圧が比較的早いタイミング所定レベル以上となってスイッチング素子がオンされるようになるから、これに応じてワイパの払拭動作が開始される。この結果、ワイパスイッチが一旦停止位置へ操作された直後に間欠払拭モード位置へ操作されたときに直ちにワイパの払拭動作を開始させるという所謂即動機能が得られようになる。
【0017】
また、前記電圧監視用コンデンサは、前記補助スイッチング素子のオン期間に前記ボリュームを介して充電される構成としても良い(請求項2)。この構成によれば、ボリュームの抵抗値が小さくなるのに応じて(ワイパの間欠払拭動作時のインターバル時間が短くなるのに応じて)、電圧監視用コンデンサに対する充電速度が早くなるから、ワイパを間欠払拭動作から連続払拭動作へ自動的に切換えるときの車両走行速度を自動的に変更できることになる。
【0018】
つまり、設定されたインターバル時間が短い場合ほど、ワイパが間欠払拭動作から連続払拭動作へ切換えられるときの車両走行速度が低くなるものであり、また、インターバル時間がある程度以上長い状態に設定されていた場合には、車両の走行速度が設定速度以上となったときにワイパを連続払拭動作へ自動的に切換える機能が働かないように構成できるものであり、結果的に、インターバル時間の設定状況及び車両の走行速度の双方に即した実用的な車速連動ワイパ機能が得られることになる。
【0019】
さらに、前記車速監視回路を、前記電圧監視用コンデンサの端子電圧が所定レベル以上になった状態でブレークダウンして前記スイッチング素子をオンさせる定電圧ダイオードを含んた構成としても良く(請求項3)、このような構成によれば、車速監視回路を簡単な回路構成で実現できることになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を自動車のフロントワイパ制御用の装置に適用した一実施例について図面を参照しながら説明する。
即ち、図1において、ワイパスイッチ1は、図示しない操作レバーの操作に応じて、停止位置OFF、間欠払拭モード位置INT、低速払拭モード位置LO、高速払拭モード位置HIへそれぞれ切換え可能な構成となっている。この場合、ワイパスイッチ1は、接点T1〜T7を備えており、上記した各位置OFF、INT、LO、HIへそれぞれ切換えられた状態では、接点T1〜T7間を、図中に「○−○」印で示すように選択的に接続する。
【0021】
尚、ワイパスイッチ1において、間欠払拭モード位置INTへ操作された状態で互いに接続された状態となる接点T3・T4間が本発明でいう第1接点回路に相当し、同じく互いに接続された状態となる接点T6・T7間が本発明でいう第2接点回路に相当する。また、停止位置OFFへ操作された状態で互いに接続された状態となる接点T5・T6間が本発明でいう第3接点回路に相当する。
【0022】
ワイパモータ2は、回転速度を二段階に切り換え可能に設けられたもので、その高速回転端子H及び低速回転端子Lがワイパスイッチ1の接点T2及びT3にそれぞれ接続され、共通端子Cがグランド端子に接続されている。
【0023】
定位置停止スイッチ3は、ワイパが待機位置にあるときに接点(c−b)間をオンした動作停止状態に保持されると共に、ワイパモータ2に一旦通電されてワイパが上記待機位置から移動されたときに接点(c−a)間をオンした動作状態に切換えられる周知構成のものであり、その常開接点aが電源ライン+Bに接続され、常閉接点bがグランド端子に接続される。
【0024】
上記電源ライン+Bは、マイナス側端子がアースされた車載バッテリ4からイグニッションスイッチ5を介して給電されるものであり、ワイパスイッチ1の接点T1は、この電源ライン+Bに接続される。また、ワイパスイッチ1の接点T7はグランド端子に接続される。
【0025】
車速センサ回路6は、自動車の走行速度を示す信号を発生するためのもので、その入力端子6aに図示しない車速センサからの検出パルス列が与えられるようになっている。この車速センサ回路6は、出力端子6b及びグランド端子間に抵抗6c及びnpn形トランジスタ6dのコレクタ・エミッタ間を直列に接続すると共に、そのトランジスタ6dのベースを入力端子6aに抵抗6eを介して接続した構成となっている。尚、上記図示しない車速センサは、例えばホール素子とマグネットとを組み合わせて構成されたもので、自動車走行速度に比例した数の検出パルスを発生するようになっている。
【0026】
ボリューム7は、ワイパの間欠払拭動作時におけるインターバル時間を調節するためのもので、後述の説明から明らかとなるように、その抵抗値が大きくなるのに応じて上記インターバル時間が長くなる。このボリューム7は、一端が電源ライン+Bに接続され、他端が抵抗8及び前記ワイパスイッチ1の接点T6・T7間を介してグランド端子に接続されており、それらボリューム7及び抵抗8の直列回路と並列に抵抗9が接続されている。
【0027】
この場合、ワイパスイッチ1の接点T6・T7間は、当該ワイパスイッチ1が間欠払拭モード位置INTへ切り換えられた状態においてのみ互いに接続される構成となっている。従って、上記ボリューム7及び抵抗8の直列回路にあっては、ワイパスイッチ1が間欠払拭モード位置INTへ切り換えられた状態において、電源ライン+Bの出力電圧を分圧した電圧信号Vdを、それらの共通接続点から出力することになる。尚、上記分圧電圧Vdのレベルは、ボリューム7の抵抗値が大きい場合(間欠払拭動作時のインターバル時間が長くなる状態に相当)ほど低くなる。
【0028】
上記ボリューム7及び抵抗8の共通接続点は、定位置停止スイッチ3の共通接点cに対し、図示極性の充電用ダイオード10a、抵抗11及び間欠払拭モード用コンデンサ12を直列に介して接続されている。また、上記抵抗11及び間欠払拭モード用コンデンサ12の共通接続点は、ワイパスイッチ1の接点T5に対し抵抗13を介して接続されている。
【0029】
尚、上記抵抗13と抵抗9とによって本発明でいう第2の補助充電回路14が構成されるものである。この場合、ワイパスイッチ1の接点T5・T6間は、当該ワイパスイッチ1が停止位置OFFへ切り換えられた状態においてのみ互いに接続される構成となっている。従って、上記第2の補助充電回路14にあっては、ワイパスイッチ1がオフ位置OFFへ切り換えられた状態において、間欠払拭モード用コンデンサ12の充電回路に直列に介在されたボリューム7及び抵抗11に対して抵抗9及び13の直列回路が並列に接続されるものであり、以て間欠払拭モード用コンデンサ12に対する充電時定数が小さくなるように機能することになる。
【0030】
リレー15(本発明でいう開閉手段に相当)は、ワイパモータ2の通電路を形成するためのもので、そのリレースイッチ15a(本発明でいうスイッチ要素に相当)は、常開接点a及び常閉接点bを備えたトランスファ形に構成されている。この場合、リレースイッチ15aの常開接点aは電源ライン+Bに接続され、常閉接点bは定位置停止スイッチ3の共通接点cに接続され、共通接点cはワイパスイッチ1の接点T4に接続される。
【0031】
上記リレー15の励磁コイル15bは、一端が電源ライン+Bに接続され、他端がnpnトランジスタ16(本発明でいうスイッチング素子に相当)のコレクタ・エミッタ間を介してワイパスイッチ1の接点T6に接続される。上記トランジスタ16のベース・エミッタ間には抵抗17が接続され、当該トランジスタ16のコレクタは、過電圧保護のための図示極性の定電圧ダイオード18を介してグランド端子に接続される。
【0032】
また、トランジスタ16のベースには、間欠払拭モード用コンデンサ12及び抵抗11の共通続点が、図示極性の放電用ダイオード10b及び抵抗19を直列に介して接続される。尚、放電用ダイオード10b、抵抗19及び17、ワイパスイッチ1の接点T6・T7間を介した間欠払拭モード用コンデンサ12の放電時定数は、比較的短い値(具体的には、ワイパの低速払拭周期より十分に短く、且つワイパの動作開始後に定位置停止スイッチ3が動作されるまでの時間よりは長い値)に設定されている。
【0033】
ここで、充電用ダイオード10a、抵抗11、放電用ダイオード10b、抵抗19及び17により保持回路20が構成されるものである。
車速検知回路21は、以下のような構成となっている。即ち、車速検知回路21にあっては、出力端子21aの他に、ボリューム7及び抵抗8の共通接続点及び車速センサ回路6の出力端子6bにそれぞれ接続された入力端子21b及び21cを備えた構成となっている。
【0034】
車速検知回路21にあっては、入力端子21bと出力端子21aとの間に、図示極性のダイオード22及びpnp形トランジスタ23(本発明でいう補助スイッチング素子に相当)のエミッタ・コレクタ間を直列に接続すると共に、そのトランジスタ23のエミッタと入力端子21cとの間に、抵抗24、25、コンデンサ26及び図示極性のダイオード27を直列に接続しており、その抵抗24及び25の共通接続点をトランジスタ23のベースに接続している。
【0035】
さらに、抵抗24及び25の直列回路と並列に、抵抗28及び図示極性のダイオード29の直列回路を接続し、抵抗24、25及びコンデンサ26の直列回路と並列に抵抗30を接続している。
【0036】
このように構成された車速検知回路21にあっては、車速センサ回路6内のトランジスタ6dが間欠的にオンされる状態(自動車の走行状態に相当)では、コンデンサ26に対する充電動作と放電動作とが交互に行われて、微分パルスを間欠的に発生するものであり、その微分パルスによりトランジスタ23のオンオフ動作が周期的に行われる。このときのトランジスタ23のオンデューティ比は、微分パルスの発生周期が短い状態時、つまり自動車の走行速度が高い状態時ほど高くなる。
【0037】
第1の補助充電回路31は、車速検知回路21の出力端子21aと、間欠払拭モード用コンデンサ12及び抵抗11の共通続点との間に、図示極性のダイオード31a及び抵抗31bを直列に接続した構成となっている。
【0038】
一方、車速監視回路32は以下のような構成となっている。即ち、車速監視回路32にあっては、車速検知回路21の出力端子21a及びグランド端子間に、図示極性のダイオード32a、抵抗32b及び電圧監視用コンデンサ32cを直列に接続すると共に、それら抵抗32b及び電圧監視用コンデンサ32cの共通接続点を、図示極性の定電圧ダイオード32d、抵抗32e及び図示極性のダイオード32fを介して前記トランジスタ16のベースに接続している。また、電圧監視用コンデンサ32cと並列に抵抗32gを接続している。
【0039】
次に、上記した実施例による作用のうち本発明の要旨に関係した部分についてのみ説明する。
今、イグニッションスイッチ5がオンされ且つワイパスイッチ1が停止位置OFFへ操作された状態において、定位置停止スイッチ3が接点(c−b)間をオンした動作停止状態にある期間には、間欠払拭モード用コンデンサ12に対し、電源ライン+Bからボリューム7、充電用ダイオード10a、抵抗11及び定位置停止スイッチ3の接点(c−b)間を介して正方向(矢印A方向)に充電された状態にある。
【0040】
この状態から、ワイパスイッチ1が間欠払拭モード位置INTへ操作されたときには、間欠払拭モード用コンデンサ12の充電電荷が、放電用ダイオード10b、抵抗19及び17、ワイパスイッチ1の接点T6・T7間を通じて放電されるようになり、その放電に応じてトランジスタ16が直ちにベースバイアスされてオンするようになる。このようにトランジスタ16がオンしたときにはリレー15の励磁コイル15bに通電されるため、リレースイッチ15aが動作されて、その接点(c−a)間がオンされるようになる。
【0041】
このため、ワイパモータ2の通電路が、電源ライン+Bから上記リレースイッチ15aの接点(c−a)間、ワイパスイッチ1の接点T4・T3間及び当該ワイパモータ2の低速回転端子Lを通じて形成されるようになり、以てワイパの払拭動作が開始される。
【0042】
上記のような間欠払拭モード用コンデンサ12の放電電流は比較的短い時間で消失するが、ワイパの払拭動作が一旦開始されたときには、定位置停止スイッチ3が接点(c−a)間をオンした動作状態に切換わるため、当該コンデンサ12に対し充電電流が流れ込むことがなくなる。このため、トランジスタ16のオン状態が、電源ライン+Bからボリューム7、保持回路20(充電用ダイオード10a、抵抗11、放電用ダイオード10b、抵抗19及び17)、ワイパスイッチ1の接点T6・T7間を通じて流れる電流により保持されるため、ワイパモータ2への通電が継続される。
【0043】
このような通電継続に応じてワイパが待機位置まで復帰し、以て定位置停止スイッチ3が接点(c−b)間をオンさせた状態に戻ると、間欠払拭モード用コンデンサ12に対する充電が、ボリューム7、充電用ダイオード10a及び抵抗11を介して再開されることになる。このようにして、ワイパが待機位置へ復帰した瞬間に間欠払拭モード用コンデンサ12への充電が開始される結果、トランジスタ16のベース電位が低下するようになって、そのトランジスタ16がオフされるため、励磁コイル15bの断電に応じてリレースイッチ15aが接点(c−b)間をオンした状態に復帰し、ワイパモータ2が断電される。
【0044】
尚、この場合には、ワイパモータ2の低速回転端子L及びコモン端子C間が、ワイパスイッチ1の接点T3・T4間、リレースイッチ15aの接点(c−b)間、定位置停止スイッチ3の接点(c−b)間を介して短絡されるようになるから、ワイパモータ2に制動がかけられてワイパが待機位置に確実に停止するようになる。
【0045】
上記のように間欠払拭モード用コンデンサ12に対する充電が開始された後には、所定時間(ボリューム7などを通じた充電時定数に応じた時間)が経過して、そのコンデンサ12の端子電圧が所定レベル以上となった段階でトランジスタ16が再オンされることになる。従って、これ以降においては、上述したような間欠払拭モード用コンデンサ12の充電及び放電に応じてワイパモータ2の通電路が間欠的に形成されるものであり、以てワイパによる間欠払拭動作が継続的に行われるようになる。
【0046】
さて、自動車が走行している状態では、車速検知回路21内のトランジスタ23が微分パルスにより周期的にオンオフされるものであり、そのオン期間には、間欠払拭モード用コンデンサ12に対し、電源ライン+Bからボリューム7、ダイオード22、上記トランジスタ23及び第1の補助充電回路31を通じて充電電流が供給されるようになる。つまり、トランジスタ23のオン期間には、第1の補助充電回路31内の抵抗31bが、間欠払拭モード用コンデンサ12への充電のための抵抗11と並列に接続された状態となるものであり、そのコンデンサ12に対する充電時定数が短くなる。
【0047】
この場合、上記トランジスタ23のオンデューティ比は、自動車の走行速度が高くなるのに応じて高くなる構成となっている。従って、自動車の走行中には、その速度が高くなるのに応じて間欠払拭モード用コンデンサ12に対する充電速度が早くなるものであり、これにより、自動車の走行速度が高い場合ほど間欠払拭動作時におけるインターバル時間が短くなる。
【0048】
また、上記のような間欠払拭モード用コンデンサ12に対する充電は、ボリューム7を通じて行われる構成となっているから、そのボリューム7の抵抗値が小さくなるのに応じて、換言すればワイパの間欠払拭動作時のインターバル時間が短くなるのに応じて、上記コンデンサ12に対する充電速度が早くなるから、自動車の走行速度に対するインターバル時間の変化度合いが大きくなる。
【0049】
以上のように、ワイパスイッチ1が間欠払拭モード位置INTへ操作された状態では、ワイパによる間欠払拭動作が行われると共に、そのインターバル時間(休止時間)が自動車の走行速度が高くなるのに応じて自動的に短縮されるという車速連動間欠ワイパ機能が得られることになる。
【0050】
さらに、自動車の走行状態では、車速検知回路21内のトランジスタ23が周期的にオンされる期間に、車速監視回路32内の電圧監視用コンデンサ32cに対し、電源ライン+Bからボリューム7、ダイオード22、上記トランジスタ23、ダイオード32a及び抵抗32bを介して充電されるようになる。このときの電圧監視用コンデンサ32cの端子電圧(充電電位)は、トランジスタ23のオンデューティ比が高い場合、つまり自動車の走行速度が高い場合ほど上昇するようになり、また、その上昇度合いはボリューム7の抵抗値が小さい場合ほど大きくなる。
【0051】
そして、自動車の走行速度が設定速度(この速度値は抵抗32b及び電圧監視用コンデンサ32cの充電時定数の調節により適宜に設定できる)以上に高くなって、電圧監視用コンデンサ32cの端子電圧が定電圧ダイオード32dのツェナー電圧を越えたときには、当該定電圧ダイオード32dのブレークダウンに応じてトランジスタ16が強制的にオンされるようになる。
【0052】
このため、ワイパが間欠払拭動作された状態で自動車の走行速度が設定速度を越えたときには、上記トランジスタ16が間欠払拭モード用コンデンサ12の充放電と無関係に連続的にオンされるようになって、励磁コイル15bに対する通電状態、つまりリレースイッチ15aの接点(c−a)間がオンされた状態が保持される。この結果、上記接点(c−a)間及びワイパスイッチ1の接点T4・T3間を介してワイパモータ2の通電路が形成された状態が保持されるようになり、ワイパの連続的な払拭動作が行われる状態へ自動的に切換えられる。尚、このようにワイパが間欠払拭動作から連続払拭動作へ自動的に切換えられるときの自動車の走行速度は、ボリューム7の抵抗値が小さい場合、つまり当該ボリューム7により設定されたインターバル時間が短い場合ほど低くなる。
【0053】
そして、上記のような状態から自動車の走行速度が設定速度以下に低下したときには、電圧監視用コンデンサ32cの端子電圧が低下して定電圧ダイオード32dのブレークダウン状態が解除されるため、前記トランジスタ16の強制的なオン状態が解消される。この結果、これ以降は、前述したような間欠払拭モード用コンデンサ12の充電及び放電動作が再開されるようになり、以てワイパが間欠払拭動作される状態に戻されることになる。
【0054】
尚、図2には、本実施例の構成において、ワイパの間欠払拭動作が行われた場合における自動車の走行速度とインターバル時間との関係の一例について、ボリューム7の抵抗値をパラメータとして示した。
【0055】
一方、ワイパスイッチ1が、上記のような間欠払拭モード位置INTから停止位置OFFへ操作されたときには、その接点T3・T4間及び接点T5・T6(第3接点回路に相当)がオン状態を呈するようになる。すると、間欠払拭モード用コンデンサ12の充電回路に直列に介在されたボリューム7及び抵抗11に対して、第2の補助充電回路14を構成する抵抗9及び13の直列回路が並列に接続された状態となって、当該間欠払拭モード用コンデンサ12に対する充電時定数が小さくなるため、そのコンデンサ12の端子電圧が比較的短い時間で上昇することになる。
【0056】
従って、ワイパスイッチ1が間欠払拭モード位置INTから停止位置OFFへ操作された直後に間欠払拭モード位置INTへ戻されたときには、間欠払拭モード用コンデンサ12の端子電圧が比較的早いタイミング所定レベル以上となってトランジスタ16がオンされるようになるから、これに応じてワイパの払拭動作が開始される。この結果、ワイパスイッチ1が一旦停止位置OFFへ操作された直後に間欠払拭モード位置INTへ操作されたときに直ちにワイパの払拭動作を開始させるという所謂即動機能が得られようになる。
【0057】
要するに、上記した本実施例の構成によれば、ワイパの間欠払拭動作時におけるインターバル時間を自動車の走行速度に応じて自動的に調節するという車速連動間欠ワイパ機能が働いている状態において、自動車の走行速度が設定速度を越えて早くなった場合にワイパを連続払拭動作へ自動的に切換えるという機能を、電圧監視用コンデンサ32cや定電圧ダイオード32dなどのディスクリート回路部品を利用した安価なアナログ方式で実現できることになる。つまり、上記のような車速連動間欠ワイパ機能を得るために、ディスクリート回路より成る車速検知回路21及び車速監視回路32を追加するだけで済むから、比較演算処理機能を備えたデジタル回路を用いる構成に比べて製造コストの抑制を図り得るようになる。しかも、このような構成とした場合でも、ワイパの即動機能をも同時に得られるという利点がある。
【0058】
また、ワイパを間欠払拭動作から連続払拭動作へ自動的に切換えるときの自動車の走行速度は、ボリューム7により設定されたインターバル時間が短い場合ほど低くなるものであり、また、上記インターバル時間がある程度以上長い状態に設定されていた場合には、自動車の走行速度が設定速度以上となったときにワイパを連続払拭動作へ自動的に切換える機能が働かないように構成できるものであり、結果的に、インターバル時間の設定状況及び自動車の走行速度の双方に即した実用的な車速連動ワイパ機能が得られることになる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば以上の説明によって明らかなように、車速連動間欠ワイパ機能が働いている状態において、車両の走行速度が予め設定された速度より高くなった場合にワイパを連続払拭動作へ自動的に切換える機能を、それぞれディスクリート回路により構成できる車速検知回路、第1及び第2の補助充電回路、車速監視回路などを設けるだけの安価なアナログ方式の下で実現できて、装置全体のコストの低減を促進できるものであり、また、ワイパの即動機能をも同時に得られるという有益な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回路構成図
【図2】自動車の走行速度とワイパ間欠払拭動作時におけるインターバル時間の関係をを示す特性図
【符号の説明】
図面中、1はワイパスイッチ、2はワイパモータ、3は定位置停止スイッチ、5はイグニッションスイッチ、6は車速センサ回路、7はボリューム、10aは充電用ダイオード、10bは放電用ダイオード、12は間欠払拭モード用コンデンサ、14は第2の補助充電回路、15はリレー(開閉手段)、15aはリレースイッチ(スイッチ要素)、15bは励磁コイル(駆動手段)、16はトランジスタ(スイッチング素子)、20保持回路、21は車速検知回路、23はトランジスタ(補助スイッチング素子)、31は第1の補助充電回路、32は車速監視回路、32cは電圧監視用コンデンサ、32dは定電圧ダイオードを示す。
Claims (3)
- ワイパの払拭動作開始後から当該ワイパが待機位置へ戻るまでの期間だけ動作されてワイパモータの通電路形成状態を保持する定位置停止スイッチを備えた車両用ワイパ制御装置において、
前記定位置停止スイッチの動作停止期間に当該定位置停止スイッチ及びインターバル時間調節用のボリュームを介して充電されると共に、上記定位置停止スイッチの動作期間に充電電荷を放電する間欠払拭モード用コンデンサと、
間欠払拭モード位置へ操作されたときにオン状態となる第1接点回路及び第2接点回路、並びに停止位置へ操作されたときにオン状態となる第3接点回路を有したワイパスイッチと、
動作状態で前記ワイパスイッチの第1接点回路を介したワイパモータの通電路を形成するスイッチ要素、並びに通電状態で上記スイッチ要素を動作させる駆動手段を有した開閉手段と、
前記間欠払拭モード用コンデンサの端子電圧が印加されるように設けられ、その端子電圧が所定レベル以上となったときにオンして前記駆動手段の通電路を前記ワイパスイッチの第2接点回路を介して形成するスイッチング素子と、
前記第2接点回路がオン状態にあるときには前記定位置停止スイッチの動作状態時に前記スイッチング素子をオン状態に保持する保持回路と、
車両の走行状態で周期的にオンオフされる補助スイッチング素子を有し、そのオンデューティ比が車両の走行速度が高い状態時ほど高くなるように構成された車速検知回路と、
前記補助スイッチング素子のオン期間に前記間欠払拭モード用コンデンサに充電電流を供給する第1の補助充電回路と、
前記補助スイッチング素子のオン期間に充電される電圧監視用コンデンサを有し、この電圧監視用コンデンサの端子電圧が所定レベル以上ある状態で前記スイッチング素子を強制的にオンさせる車速監視回路と、
前記ワイパスイッチの第3接点回路がオン状態となったときに前記間欠払拭モード用コンデンサに対する充電時定数が小さくなるように機能する第2の補助充電回路とを備えたことを特徴とする車両用ワイパ制御装置。 - 前記電圧監視用コンデンサは、前記補助スイッチング素子のオン期間に前記ボリュームを介して充電されることを特徴とする請求項1記載の車両用ワイパ制御装置。
- 前記車速監視回路は、前記電圧監視用コンデンサの端子電圧が所定レベル以上になった状態でブレークダウンして前記スイッチング素子をオンさせる定電圧ダイオードを含んで構成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用ワイパ制御装置。
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