JP3165627B2 - ワイパ装置の制御回路 - Google Patents

ワイパ装置の制御回路

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動開始信号によ
りワイパモータを所定時間駆動するようにしたワイパ装
置の制御回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用ワイパ装置に於いて、ワ
イパブレードの連続往復運動の他に、スイッチ操作によ
り所定時間だけワイパブレードを動かすウォッシャ連動
モードや所定時間間隔でワイパブレードを動かす間欠作
動モードがある。これらの装置において、通常、タイマ
を用いて所定時間を取り出すようにしているが、タイマ
の誤動作などでワイパの停止位置にずれを生じてしまう
ことがある。
【0003】そこで、本出願人は、ワイパ装置の制動域
でタイムアップした場合には、制動域での位置判別信号
によりリレー励磁保持回路を介してリレー駆動トランジ
スタをオン状態に保持して、制動域の途中でのタイムア
ップによる制動停止を生じることがなく、駆動域から制
動域に切り替わった時点から正規の制動・停止を行わせ
るようにしたワイパ装置を特願平7−167913号で
提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記自動車用ワイパ装
置において、降雪時などのワイパモータへの過大な負荷
によりワイパモータのロック状態を生じた場合、間欠ス
イッチやウォッシャスイッチを介さずにリレー励磁保持
回路が作動するため、モータの通電を停止させるために
は、間欠スイッチやウォッシャスイッチを切った後にイ
グニッションスイッチを切るという動作が必要となり、
操作が煩雑となっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決し
て、簡単な回路構成でワイパモータのロック時にワイパ
モータに電流が流れないようにし得るワイパ装置の制御
回路を実現するために、本発明に於いては、操作開始信
号によりワイパモータを所定時間駆動可能にする駆動用
タイマ信号を出力するワイパ駆動用タイマ回路と、前記
ワイパモータに励磁時閉接点を介して駆動電流を流し得
るリレーと、前記タイマ信号の出力によりオンして前記
リレーを励磁するリレー駆動トランジスタと、前記ワイ
パモータの駆動域と制動域との各位置を判別可能に前記
ワイパモータに連動して切り替わる位置判別スイッチと
を有し、前記位置判別スイッチの前記駆動域判別時には
前記リレーの非励磁時閉接点を介して前記ワイパモータ
に駆動電流を流し得るように前記位置判別スイッチの前
記駆動域判別接点を介して前記非励磁時閉接点と電源と
を接続すると共に、前記位置判別スイッチの前記制動域
判別時には前記リレーの励磁時閉接点を介して入力され
る励磁時閉接点信号の入力開始から所定時間前記リレー
駆動トランジスタをオン状態にするタイマ手段を有する
リレー励磁タイマ保持回路を前記リレー駆動トランジス
タに対して前記ワイパ駆動用タイマ回路と並列に設け
前記リレー励磁タイマ保持回路の前記タイマ手段が、そ
のタイムアップ前に前記制動域判別状態から前記駆動域
判別状態になった場合にはリセットされるものとした。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面に示された具体
例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明す
る。
【0007】図1は、本発明が適用された自動車用ワイ
パ装置の制御回路の要部を示す図である。本ワイパ装置
は、例えば低速・高速の連続往復運動の各モードを選択
し得るものであって良く、それらの動作を行わせる回路
は図示省略されている。本ワイパ装置にあっては上記低
速・高速モードの他に、図に示されるように間欠動作モ
ード及びウォッシャ連動モードを行わせるためのワイパ
駆動用タイマ回路としてのウォッシャ連動タイマ1及び
間欠作動タイマ2を有している。なおウォッシャ連動モ
ードは、ウォッシャの噴射時に所定回数ワイパブレード
を往復動させるものである。
【0008】図1に示されるように、電源としてのバッ
テリBTの正端子に、イグニッションスイッチIGを介
して制御電源ラインVLが接続されており、その制御電
源ラインVLには、操作開始信号を出すためのウォッシ
ャスイッチSW1を介してウォッシャ連動タイマ1が、
操作開始信号を出すための間欠スイッチSW2を介して
間欠作動タイマ2がそれぞれ互いに並列に接続されてい
る。
【0009】上記制御電源ラインVLにはリレー駆動ト
ランジスタTr1及びリレーRYのコイルが接続されて
おり、リレー駆動トランジスタTr1のオンによりリレ
ーRYのコイルが励磁されるようになっている。また上
記制御電源ラインVLにはリレーRYの励磁時閉接点の
常時開端子NOが接続されている。上記リレーRYのコ
モン端子はワイパモータMの電圧側端子と接続されてい
る。
【0010】ワイパモータMには、2位置選択式の位置
判別スイッチASがモータの回転に連動して切り替わる
ように連結されている。位置判別スイッチASは、ワイ
パの所定の停止位置を含む比較的狭い範囲の制動域にお
いては制動端子(図の黒丸)側に切り替わり、ワイパの
動作中の比較的広い範囲の駆動域においては駆動端子
(図の白丸)側に切り替わる。位置判別スイッチASの
制動端子はワイパモータMの接地されている接地側端子
と接続され、位置判別スイッチASの駆動端子は制御電
源ラインVLと接続されている。位置判別スイッチAS
のコモン端子はリレーRYの非励磁時閉接点の常時閉端
子NCと接続されている。
【0011】上記ウォッシャ連動タイマ1と間欠作動タ
イマ2との各出力端子(タイマオン時に接地状態にな
る)がリレー駆動トランジスタTr1のベースと接続さ
れているが、そのリレー駆動トランジスタTr1のベー
スには、リレー励磁タイマ保持回路3を構成する制御ト
ランジスタTr2のコレクタが接続されている。その制
御トランジスタTr2のエミッタはリレーRYの常時閉
端子NCと接続されている。また制御トランジスタTr
2のベースには、ワイパモータMの電圧側端子とリレー
RYのコモン端子とのノードが、そのノード側から直列
に設けられた抵抗R1及びタイマ手段としてのコンデン
サCを介して接続されている。なお、抵抗R2はコンデ
ンサCの放電抵抗である。また、トランジスタTr2の
エミッタが間欠作動タイマ2に接続されており、両者間
のノードが抵抗R3を介して接地されている。
【0012】このようにして構成されたワイパ装置の動
作を間欠操作について以下に示す。間欠スイッチSW2
をオンすると、間欠作動タイマ2が起動し、図2のタイ
ムチャートに示されるように、位置判別スイッチASが
駆動端子側に切り替わっている間にタイムアップし、リ
レーRYが非励磁状態になる。しかしながら、位置判別
スイッチASが駆動端子側に切り替わっている間は、そ
の駆動端子及びリレーRYの常時閉端子NCを介してワ
イパモータMに電流が流れ得るため、ワイパモータMが
回転し続け、位置判別スイッチASが制動端子側に切り
替わったら上記ラインが遮断されて、ワイパモータMが
発電制動により停止する。
【0013】なお、その切り替わりを起点として上記停
止させる場合には、常に所定の位置にワイパモータMが
停止し得る。上記間欠モードにあっては、間欠作動タイ
マ2が所定の駆動・休止時間を繰り替えし、それに応じ
て上記動作を繰り返すことになる。また、本発明に基づ
くコンデンサCの充電中にあってはその充電電流が制御
トランジスタTr2に流れるため、その間制御トランジ
スタTr2がオン状態になるようにされている。また、
図2に示されるように、位置判別スイッチASが制動域
から駆動式に切り替わった際にコンデンサCの充電が停
止され、コンデンサC(タイマ手段)が放電(リセッ
ト)される。
【0014】ところで、図2のタイミングT1におい
て、停止中にワイパモータMが何らかの原因によりロッ
クしてしまった場合には、間欠作動タイマ2がタイミン
グT2でオンし、リレーRYが励磁されてワイパモータ
MにリレーRYの常時開端子NOを介して電流が流れ得
る。また、位置判別スイッチASが制動端子に切り替わ
ったままであることから、上記コンデンサCの充電状態
が続いて制御トランジスタTr2がオンし続ける。
【0015】通常状態では、位置判別スイッチASが制
動端子側から駆動端子側に切り替わった際に制御トラン
ジスタTr2がオフになり、次に駆動端子側から制動端
子側に切り替わった際にワイパモータMが停止するが、
上記ロック状態時には間欠スイッチSW2やウォッシャ
スイッチSW1を切っても、制御トランジスタTr2が
オンし続けるため、ワイパモータMに電流が流れ続ける
ことになるが、コンデンサCが充電完了(所定時間t経
過)すると制御トランジスタTr2がオフになるため、
リレーRYが非励磁状態になってワイパモータMに電流
が流れなくなる。そして、コンデンサCは抵抗R2を介
して放電される。なお、上記抵抗R3により、位置判別
スイッチASが制動端子側から駆動端子側に切り替わる
際の空走域でワイパモータMが停止しないように、制御
トランジスタTr2を空走域でオン状態にさせている。
【0016】このように、コンデンサCにより定められ
た時間tだけ制御トランジスタTr2をオンさせ、その
充電完了によるタイムアップ後に制御トランジスタTr
2をオフさせることができ、ワイパモータMがロック状
態になって電流が流れ続けることを防止する制御を、図
に示されるように極めて簡単な回路で実現し得る。
【0017】なお、上記動作は間欠作動モードに限るも
のではなく、本回路によれば、図1に示したようにウォ
ッシャ連動タイマ1に間欠作動タイマ2を並列に設ける
のみで、ウォッシャ連動モードにおいても同様に制御す
ることが可能である。また、コンデンサC(タイマ手
段)を設けたリレー励磁タイマ保持回路3をウォッシャ
スイッチSW1と同様に独立した回路構成としているこ
とから、ウォッシャ連動作動中にロックが生じても、上
記したようにして駆動をオフ状態にすることができる。
【0018】
【発明の効果】このように本発明によれば、ワイパモー
タに駆動電流を流し得るリレーに、駆動用タイマ信号を
出力するワイパ駆動用タイマ回路と並列にリレー励磁タ
イマ保持回路を設けて、位置判別スイッチの制動域判別
時にリレーの励磁時から所定時間リレー駆動トランジス
タをオン状態にすることにより、制動域判別状態でワイ
パモータがロックした場合でも上記所定時間経過後にリ
レー駆動トランジスタをオフ状態にすることができ、ワ
イパモータへの過電流を防止し得る。そして、正常動作
において制動域判別状態から駆動域判別状態になったら
リレー励磁タイマ保持回路のタイマ手段がリセットされ
ることから、何ら問題なく通常の制御を行うことがで
き、ワイパモータへの過電流を防止する回路を簡単な回
路構成で実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された自動車用ワイパ装置の制御
回路の要部を示す図。
【図2】本発明が適用された自動車用ワイパ装置の作動
要領を示すタイムチャート。
【符号の説明】
1 ウォッシャ連動タイマ 2 間欠作動タイマ 3 リレー励磁タイマ保持回路 AS 位置判別スイッチ M ワイパモータ RY リレー SW1 ウォッシャスイッチ SW2 間欠スイッチ Tr1 リレー駆動トランジスタ Tr2 制御トランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60S 1/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操作開始信号によりワイパモータを所
    定時間駆動可能にする駆動用タイマ信号を出力するワイ
    パ駆動用タイマ回路と、前記ワイパモータに励磁時閉接
    点を介して駆動電流を流し得るリレーと、前記タイマ信
    号の出力によりオンして前記リレーを励磁するリレー駆
    動トランジスタと、前記ワイパモータの駆動域と制動域
    との各位置を判別可能に前記ワイパモータに連動して切
    り替わる位置判別スイッチとを有し、 前記位置判別スイッチの前記駆動域判別時には前記リレ
    ーの非励磁時閉接点を介して前記ワイパモータに駆動電
    流を流し得るように前記位置判別スイッチの前記駆動域
    判別接点を介して前記非励磁時閉接点と電源とを接続す
    ると共に、 前記位置判別スイッチの前記制動域判別時には前記リレ
    ーの励磁時閉接点を介して入力される励磁時閉接点信号
    の入力開始から所定時間前記リレー駆動トランジスタを
    オン状態にするタイマ手段を有するリレー励磁タイマ保
    持回路を前記リレー駆動トランジスタに対して前記ワイ
    パ駆動用タイマ回路と並列に設け 前記リレー励磁タイマ保持回路の前記タイマ手段が、そ
    のタイムアップ前に前記制動域判別状態から前記駆動域
    判別状態になった場合にはリセットされる ことを特徴と
    するワイパ装置の制御回路。
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