JP3687038B2 - プロトン伝導ゲル、プロトン伝導体及びこれらの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロトン伝導ゲル、プロトン伝導体及びこれらの製造方法に関する。本発明に係るプロトン伝導ゲルやプロトン伝導体は、水素を燃料とする燃料電池、水素センサ等に用いて好適である。特に、燃料電池は、電気自動車、ハイブリッドカー、据置型電源、コジェネシステム等への応用が期待されている。
【0002】
【従来の技術】
電圧を印加することによりイオンが移動するイオン伝導体が知られている。このイオン伝導体は、電池や電気化学センサ等の電気化学デバイスの構成物として利用できるものであるため、極めて多くの研究がなされている。イオン伝導体の一種であるプロトン伝導体は、水素イオンを伝導イオン種とするものであり、水素を燃料とする燃料電池や水素センサ等の構成物として特に大きな期待が寄せられている。例えば、燃料電池用の電解質として採用され得るプロトン伝導体は、取り扱いの容易さや耐熱性等の要求から、室温付近で高いイオン伝導度を示すことが望まれている。
【0003】
従来、このような性質を有するプロトン伝導体として、ウラニルリン酸水和物やモリブドリン酸水和物等の無機結晶系プロトン伝導体や、フッ化ビニル系高分子にパースルホン酸基を含む側鎖を有する高分子イオン交換膜(「NAFION」(登録商標))等の有機系プロトン伝導体が知られている。さらに最近では、ケイ酸塩を主成分とし、リン酸が少量添加され、ゾル−ゲル法によって製造されるゾル−ゲル多孔質ガラスも、室温付近で高いイオン伝導度を示すものとして知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の無機結晶系プロトン伝導体は、プロトン伝導性を示す結晶が微小な固体であることから、薄肉化及び大型化され難い。このため、この無機結晶系プロトン伝導体を例えば燃料電池用の電解質として採用したとしても、その燃料電池は、電解質が厚くて小さいものとなることから、大きな出力を発揮し難い。また、その燃料電池は、内部抵抗が大きく、発電効率も十分でない。このため、電気自動車用あるいは据置型電源用の燃料電池にはこの無機結晶系プロトン伝導体は不向きである。
【0005】
一方、有機系プロトン伝導体やゾル−ゲル多孔質ガラスは、それらの溶液を平面上で薄く延ばして溶媒を蒸発させれば、容易に薄肉化及び大型化され得る。このため、こうして得られたプロトン伝導体を例えば燃料電池用の電解質として採用すれば、その燃料電池は大きな出力と優れた発電効率とを実現し得る。このため、現在、電気自動車用あるいは据置型電源用の燃料電池として、イオン交換膜を用いた高分子固体電解質型のものの開発が盛んとなっている。
【0006】
しかしながら、現存する高分子イオン交換膜やゾル−ゲル多孔質ガラスは、イオン伝導度を高めるため、それらの周囲の水蒸気圧を飽和状態に近い程度まで高めなければならない。それらのプロトン伝導体には微小な孔が存在しており、その孔に吸着している水がイオン伝導度を高める役割を担っていることから、プロトン伝導体の周囲の水蒸気圧が高い程、その水の吸着量が多くなり、イオン伝導度が高くなるからである。このため、公知の高分子イオン交換膜やゾル−ゲル多孔質ガラスを例えば燃料電池用の電解質とするのであれば、その燃料電池に加湿器等が必須となってシステムが大型化し、実用化の大きな障害になる。また、この燃料電池は、周囲の湿度によってイオン伝導度が大きく変化するため、そのような加湿器等を安定して制御する必要があり、この点でも実用化の大きな障害になる。
【0007】
また、高分子イオン交換膜やゾル−ゲル多孔質ガラスを例えば燃料電池用の電解質とする場合、その燃料電池では、高分子イオン交換膜等に存在する微小な孔により、水素を供給するためのメタノール等の燃料自体を透過してしまいやすい。このため、例えば、メタノールを直接アノード側に導入するタイプの燃料電池では、カソード側においてメタノールが直接酸化剤と化学反応を起こす現象(クロスオーバ現象)を生じやすく、発電効率が悪化しやすい。
【0008】
さらに、ゾル−ゲル多孔質ガラスは、非常に脆く、小さな衝撃を与えるだけでも破壊されてしまうため、衝撃に弱い燃料電池等となってしまう。
【0009】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、イオン伝導度が室温付近で高く、薄肉化及び大型化しやすく、燃料電池等の製品にとって優れた実用的効果を奏することのできるプロトン伝導ゲル、プロトン伝導体及びこれらの製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
発明者は、以前、リン酸塩ガラスの粉末が常温で急速に水と反応して粘調なゲルに変化するという特異な現象を見出している(ケミストリー レターズ(Chemistry Letters)、西暦2001年、第820〜821頁)。発明者は、この粘調なゲルについてさらに鋭意研究を行った結果、このゲルが高いイオン伝導度を有するプロトン伝導ゲルであることを発見し、本発明を完成するに至った。なお、プロトン伝導ゲル又はプロトン伝導体のイオン伝導度は、プロトン以外のイオンの伝導がない場合には、プロトン伝導度と等しい。
【0011】
本発明のプロトン伝導ゲルは、溶融法によって得られた2価金属イオンを含有するリン酸塩ガラスが水と反応することによりリン原子にOH基が結合してなる直鎖状構造又は環状構造のリン酸塩分子鎖からなる分散相と、該リン酸塩分子鎖の各OH基の周囲に存在する水からなる分散媒とを有することを特徴とする。
【0012】
公知の高分子イオン交換膜やゾル−ゲル多孔質ガラスに代表される従来のプロトン伝導体は、通常OH基を多量に含むか、外部から水蒸気等の水を付与することにより、プロトンの伝導経路が確保され、プロトンを伝導させる。発明者の研究によれば、本発明のプロトン伝導ゲルでは、溶融法によって得られた2価金属イオンを含有するリン酸塩ガラスが水と反応することによりリン原子に多量のOH基が結合してなる直鎖状構造又は環状構造のリン酸塩分子鎖が分散相として存在し、リン酸塩分子鎖の各OH基の周囲に多量の水が分散媒として存在していると考えられる。リン酸塩分子鎖のOH基は、リン酸が強酸性であることから、プロトンを解離しやすく、解離したプロトンは、周囲に配位している水分子及び他のOH基からなるプロトン伝導経路を介して順次伝達されることになると考えられる。発明者の研究によれば、このプロトン伝導ゲルは、室温付近において優れたプロトン伝導性を有している。
【0013】
このプロトン伝導ゲルを適当な形状に成形すればプロトン伝導体になる。例えば、プロトン伝導ゲルを平面上で薄く延ばしたり、厚みの薄い容器に充填したりして成形すれば、容易に薄肉化及び大型化されたプロトン伝導体が得られる。
【0014】
また、水を分散媒としているこのプロトン伝導ゲルには微小な孔がほとんど存在せず、プロトン伝導経路が常に確保されている。特に、発明者の研究によれば、このプロトン伝導ゲルは、大気等の周囲に存在する水を自ら取り入れて安定するため、周囲の湿度によってイオン伝導度が大きく変化しない。
【0015】
さらに、ゲル状物質のプロトン伝導ゲルを成形したプロトン伝導体は、柔軟性を有し、衝撃に対して強いものである。
【0016】
したがって、本発明のプロトン伝導ゲルは、イオン伝導度が室温付近で高く、薄肉化及び大型化しやすい。
【0017】
このため、本発明のプロトン伝導ゲルによって得られたプロトン伝導体を例えば燃料電池の電解質として採用すれば、その燃料電池は、大きな出力を発揮するとともに、発電効率も十分となる。また、この燃料電池は、プロトン伝導ゲルがプロトン伝導経路を自律的に常に確保することから、イオン伝導度を高めるために加湿器等を設ける必要がなくなり、システムの小型化を実現する。特に、プロトン伝導ゲルは周囲の湿度によってイオン伝導度が大きく変化しないため、燃料電池において湿度調整のための複雑な制御がほとんど不要となる。さらに、その燃料電池では、水を分散媒としているプロトン伝導ゲルが微小な孔をほとんど有さないことから、メタノール等の燃料自体を透過し難い。このため、例えば、その燃料電池がメタノールを直接アノード側に導入するタイプのものであっても、クロスオーバ現象を生じ難く、高い発電効率を維持しやすい。こうして、このプロトン伝導ゲル又はプロトン伝導体は、燃料電池にとって優れた実用的効果を奏する。
【0018】
また、高分子イオン交換膜やゾル−ゲル多孔質ガラスからなるプロトン伝導体は、製造過程が比較的複雑であり、これらを燃料電池用の電解質等として採用した場合、製造コストの高騰化を招来するという欠点を有する。これに対し、本発明のプロトン伝導ゲルは、リン酸等比較的安価な無機化合物を原料としており、かつその製造方法も比較的簡単であるため、製造コストの低廉化が可能である。
【0019】
本発明のプロトン伝導ゲルは次の本発明のプロトン伝導ゲルの製造方法により製造され得る。この製造方法は、溶融法により2価金属イオンを含有するリン酸塩ガラスを得るガラス化工程と、該リン酸塩ガラスを粉砕したリン酸塩ガラス粉末と水とを反応させ、リン原子にOH基が結合してなる直鎖状構造又は環状構造のリン酸塩分子鎖からなる分散相と、該リン酸塩分子鎖の各OH基の周囲に存在する水からなる分散媒とを有するプロトン伝導ゲルを得るゲル化工程とからなることを特徴とする。
【0020】
本発明のプロトン伝導ゲルの製造方法では、まず、ガラス化工程として、溶融法により2価金属イオンを含有するリン酸塩ガラスを得る。例えば、リン酸塩ガラスがCa2+、Mg2+及びZn2+の少なくとも1つ等の2価金属イオンを含有する場合は、例えば、正リン酸と炭酸カルシウムのような金属炭酸塩等とを混合し、加熱溶融し、これを急冷することによりリン酸塩ガラスを得る。
【0021】
そして、ゲル化工程として、リン酸塩ガラスを粉砕したリン酸塩ガラス粉末と水とを反応させ、リン原子にOH基が結合してなる直鎖状構造又は環状構造のリン酸塩分子鎖からなる分散相と、リン酸塩分子鎖の各OH基の周囲に存在する水からなる分散媒とを有する本発明のプロトン伝導ゲルを得る。例えば、リン酸塩ガラスが2価金属イオンを含有する場合は、例えば、上記リン酸カルシウムガラスを粉砕して粉末とし、この粉末と水とを反応させてプロトン伝導ゲルとすることができる。リン酸塩ガラスと水とが接すると、リン酸塩ガラスはその表面から急速に加水分解を生じ、リン酸塩の長鎖の切断が起こり、結果としてリン酸塩グループが溶出する。この結果、プロトンの活量が増し、プロトンは、ガラス網目修飾イオンの配位部分の一部を切断し、リン酸塩分子鎖に結合する。これをきっかけに水素結合によりリン酸塩分子鎖に水分子が配位する結果、流動性のあるリン酸塩縮合体であるプロトン伝導ゲルが得られる。
【0022】
こうして、リン酸塩ガラスは水を自ら取り入れてプロトン伝導ゲルになる。例えば、過剰の水中にリン酸塩ガラス粉末を混合すれば、プロトン伝導ゲルが水中に沈降する。このため、本発明のプロトン伝導ゲルは、リン酸塩ガラス中におけるリン以外の金属の酸化物、リン酸塩分子鎖の構造、他の組成物等によって影響を受けつつ、リン酸塩分子鎖からなる分散相と、水からなる分散媒との割合を自ら決定する。発明者の研究によれば、プロトン伝導ゲルは10〜70質量%、より具体的には40〜50質量%の水を有して安定する。
【0023】
原料となるリン酸塩ガラスには、種々の金属酸化物を含有させることができるが、発明者の研究によれば、2価金属の酸化物、特にCa、Mg、及びZnの酸化物を少なくとも1つ含むことが望ましい。換言すれば、リン酸塩分子鎖は2価金属イオン、特にCa2+、Mg2+及びZn2+の少なくとも1つを含有することが好ましい。リン酸塩ガラスが2価金属の酸化物を含まない場合、つまりリン酸塩分子鎖が2価金属イオンを含有しない場合には、プロトン伝導ゲルの製造時にリン酸塩ガラスのゲル化が生じ難い場合があるからである。これは、ガラスと水とが反応してゲル化する上記機構から説明される。したがって、2価金属のようにリン酸塩ガラス中のリン酸塩分子鎖に配位しているイオンの結合力が比較的高くない元素でなければ、リン酸塩ガラスのゲル化が起こり難い。発明者はCa、Mg、及びZnについて効果を確認している。他方、NaやKのように、1価の金属からなるアルカリ酸化物の場合には、イオンの結合力が低すぎるため、リン酸塩分子鎖に配位したアルカリイオンとプロトンとが完全にイオン交換してしまう。このため、リン酸塩ガラスは溶解するのみであり、リン酸成分とアルカリ酸化物とのみからなるリン酸塩ガラスはゲル化し難い。また、AlやBのように、3価の金属からなる酸化物の場合には、イオンの結合力が高すぎるため、リン酸塩ガラスの加水分解が困難となり、プロトン伝導ゲルを製造することが困難となる。また、Ca2+、Mg2+及びZn2+は、毒性が低く、これらの金属イオンを含む化合物は安価であるために製造コストの低廉化も可能である。
【0024】
ガラスは種々の元素を導入できる利点がある。例えば、成分に硫酸塩組成物を混入させてガラスを製造し、これを粉砕した粉末と水とを反応させれば、スルホン基を含有するプロトン伝導ゲルを得ることができる。このプロトン伝導ゲルはリン酸塩分子鎖がスルホン基を含有する。スルホン基はリン酸よりもさらにプロトンが解離しやすいため、こうして得られるプロトン伝導ゲルはさらに高いプロトン伝導性を発揮する。
【0025】
発明者の研究によれば、プロトン伝導ゲル中に存在するリン酸塩分子鎖には、直鎖状構造のリン酸塩分子鎖及び環状構造のリン酸塩分子鎖の二種類が存在する。これらの鎖長は一義的には決まらない。これらの構成については、高速液体クロマトグラフ測定装置等を用いて検出することができる。
【0026】
このうち直鎖状構造のリン酸塩分子鎖は加熱されることにより結晶化する。このため、分散相が直鎖状構造のリン酸塩分子鎖を含有しているプロトン伝導ゲルを加熱すれば、層状結晶が析出した機械的強度の大きいプロトン伝導体を製造することができる。直鎖状構造のリン酸塩分子鎖の場合、鎖長が長い程、ゲル状態を維持しやすい。これは鎖長が短いと粘性が低くなり、形状を維持することができなくなるためである。このため、用途によって、直鎖状構造のリン酸塩分子鎖を含有して分散相を選択することができる。
【0027】
他方、分散相が環状構造のリン酸塩分子鎖は、極端に短い鎖長で構成されることがないため、ゲル状態が長期に亘って保たれる。このため、分散相が環状構造のリン酸塩分子鎖を含有しているプロトン伝導ゲルを用いれば、温度によってゲル状態が変化し難いプロトン伝導体を製造することができる。このため、やはり用途によって、環状構造のリン酸塩分子鎖を含有している分散相を選択することができる。
【0028】
発明者の研究によれば、プロトン伝導ゲル又はプロトン伝導体のイオン伝導度はリン酸成分を多く含有する方が高くなる。この点、リン酸塩分子鎖はリン酸をP2O5換算で30〜75mol%の範囲内で含有していることが好ましい。30mol%以上であればある程度のプロトン伝導性が得られる一方、30mol%未満ではリン酸塩ガラスが得られ難く、75mol%を超えるプロトン伝導ゲル又はプロトン伝導体は、化学的に不安定であり、空気中の水分を吸収して分解しやすい。特に、リン酸塩分子鎖はリン酸をP2O5換算で40〜70mol%の範囲内で含有していることが好ましい。40mol%未満では未だプロトン伝導性が低いからである。より好ましくは、リン酸塩分子鎖はリン酸をP2O5換算で50〜60mol%の範囲内で含有していることである。この範囲のリン酸塩分子鎖を含有するプロトン伝導ゲルは、高いプロトン伝導性を示するとともに、化学的安定性も高いものとなる。
【0029】
また、本発明のプロトン伝導ゲルの製造方法において、ゲル化工程では、プロトン伝導ゲルに他のプロトン伝導組成物も介在させることもできる。他のプロトン伝導組成物としては、公知のウラニルリン酸水和物、モリブドリン酸水和物、高分子イオン交換膜、ゾル−ゲル多孔質ガラス等を用いることができる。こうであれば、プロトン伝導ゲルと、他のプロトン伝導組成物との性質を併せ持つプロトン伝導ゲルを得ることができる。ゾル−ゲル多孔質ガラスは非常に機械的に脆いという問題点があるが、本発明のプロトン伝導ゲルと複合すれば、本発明のプロトン伝導ゲルをバインダーとして用いることができ、プロトン伝導性を低下させることなく、脆さを克服したプロトン伝導体が構成され得る。また、スルホン基含有の高分子イオン交換膜と本発明のプロトン伝導ゲルとを複合すれば、加湿による高分子の膨潤を防ぐことができる。さらに、Zr(HPO4)2・2H2O等に代表される層間に水をもつ層状化合物は、プロトン伝導性を示すものの、粉体として得られるものであるため、適当な形状に成形されて使用することが難しいが、これと本発明のプロトン伝導ゲルとを複合すれば、やはりプロトン伝導性を低下させることなく、脆さを克服したプロトン伝導体が構成され得る。
【0030】
本発明のプロトン伝導体は、上記プロトン伝導ゲルと、他のプロトン伝導組成物とからなることを特徴とする。このプロトン伝導体では、上記プロトン伝導ゲルと、他のプロトン伝導組成物との性質を併せ持つプロトン伝導体となり、機械的強度等の特性をさらに向上させることが可能となる。
【0031】
本発明のプロトン伝導体の第1の製造方法は、上記プロトン伝導ゲルを成形してプロトン伝導体とすることを特徴とする。この製造方法では、上記プロトン伝導ゲルから任意形状のプロトン伝導体を製造することができる。
【0032】
また、本発明のプロトン伝導体の第2の製造方法は、溶融法により2価金属イオンを含有するリン酸塩ガラスを得るガラス化工程と、該リン酸塩ガラスを粉砕したリン酸塩ガラス粉末により成形体を得る成形工程と、該成形体を水と反応させ、リン原子にOH基が結合してなる直鎖状構造又は環状構造のリン酸塩分子鎖からなる分散相と、該リン酸塩分子鎖の各OH基の周囲に存在する水からなる分散媒とを有するプロトン伝導体とする反応工程とからなることを特徴とする。この製造方法では、予め成形工程により成形体を得ておき、反応工程においてその成形体を水と反応させてプロトン伝導体とするため、成形体の取り扱いが容易であるという利点を有する。
【0033】
本発明のプロトン伝導体の第2の製造方法において、成形工程では、成形体に他のプロトン伝導組成物も介在させることもできる。こうであれば、他のプロトン伝導組成物の性質を併せ持つプロトン伝導体とすることができ、機械的強度等の特性をさらに向上させることが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を試験1〜9により説明する。
【0035】
【試験1】
(試験品1)
<ガラス化工程>
炭酸カルシウムと正リン酸とを用意し、正リン酸がP2O5換算で50mol%となり、全体で30gとなるようにそれぞれを量り取る。これらをビーカに入れて水を加え、充分に攪拌混合した後、乾燥機に入れ、100°Cで24時間の乾燥を行う。こうして得られた乾燥混合粉末を白金ルツボに入れ、これを1350°Cに保持された電気炉中に入れて30分間の加熱を行い、溶融する。その後、電気炉から白金ルツボを取出し、溶融物を黒鉛板上に流し出し、その状態で室温まで冷却する。こうしてリン酸カルシウムガラスを得る。得られたリン酸カルシウムガラスをアルミナ乳鉢によって最大粒子径が10μm以下になるまで粉砕し、リン酸カルシウムガラス粉末を得る。
【0036】
<ゲル化工程>
次に、このリン酸カルシウムガラス粉末2gをプラスチック容器に入れ、蒸留水を2mL加えて攪拌した後、施蓋し、室温で3日間放置する。こうして粘調なプロトン伝導ゲルを得る。
【0037】
(試験品2)
試験品2では、試験品1における炭酸カルシウムの替わりに酸化マグネシウムを用いてリン酸マグネシウムガラスを得、プロトン伝導ゲルを得る。他の条件は試験品1と同様である。
【0038】
(試験品3)
試験品3では、試験品1における炭酸カルシウムの替わりに酸化亜鉛を用いてリン酸亜鉛ガラスを得、プロトン伝導ゲルを得る。他の条件は試験品1と同様である。
【0039】
(比較品)
比較品では、以下のようにしてゾル−ゲル多孔質ガラスを製造する。まず、テトラメトキシシラン13.28mLと蒸留水7.92mLとエタノール6mLと0.15mol/Lの塩酸水溶液5mLとをビーカ中で混合し、混合溶液とする。この混合溶液を1時間攪拌した後、テトラメトキシリン酸を2.30mL加え、さらに1時間攪拌する。その後、さらにホルムアミドを12mL加え、1時間攪拌した後、ビーカ内のゾルをプラスチック容器に入れる。このプラスチック容器を室温で1ヶ月静置し、プラスチック容器内のゾルを乾燥して乾燥ゲルを得る。
【0040】
得られた乾燥ゲルを電気炉内に入れ、600°Cで3時間の加熱を行う。その後、電気炉への通電を停止し、電気炉内で自然冷却する。こうしてゾル−ゲル多孔質ガラスを得る。このゾル−ゲル多孔質ガラスは、BET法による比表面積が400m2/g、平均細孔半径が2nmであった。
【0041】
(評価1)
試験品1〜3のプロトン伝導ゲルについて、以下の交流インピーダンス法によりイオン伝導度の測定を行った。すなわち、10mmφの円形の穴が形成された厚さ1mmのガラス製の型枠を用意し、この穴に試験品1〜3のプロトン伝導ゲルを充填する。次に、穴に充填したプロトン伝導ゲルの両面を10mmφの金電極で挟み、これを測定用セルとし、交流インピーダンス測定装置によってイオン伝導度を測定した。なお、測定は、プロトン伝導ゲルが乾燥しないように相対湿度を70%に保ちつつ温度を変化させて行なった。結果を図1に示す。
【0042】
図1に示すように、試験品1のプロトン伝導ゲルでは30〜80°Cという室温に近い低温において、20〜30mS/cmという非常に高いイオン伝導度を示した。また、試験品2のプロトン伝導ゲルではイオン伝導度が1.7〜4.2mS/cmであり、試験品3のプロトン伝導ゲルではイオン伝導度が0.01〜2mS/cmであり、いずれも、試験品1のプロトン伝導ゲルほど高くないものの、従来報告されているプロトン伝導体よりも、かなり高いイオン伝導性を示した。本実験の場合、高いイオン伝導性は高いプロトン伝導性を意味する。また、リン酸塩分子鎖がCa2+、Mg2+及びZn2+の少なくとも1つを含有しておれば、リン酸塩ガラスがゲル化しやすいこともわかる。Ca2+、Mg2+及びZn2+は、毒性が低く、これらの金属イオンを含む化合物は安価であるために製造コストの低廉化も可能である。これら試験品1〜3のプロトン伝導ゲルから任意形状のプロトン伝導体を製造することが可能である。
【0043】
(評価2)
また、試験品1のプロトン伝導ゲル及び比較品のゾル−ゲル多孔質ガラスについて、温度を50°Cとし、相対湿度20〜90%で変化させてイオン伝導度を測定した。結果を図2に示す。
【0044】
図2に示すように、比較品のゾル−ゲル多孔質ガラスは、相対湿度70%以上では非常に高いイオン電導度を示し、試験品1のプロトン伝導ゲルとほぼ同程度であったが、相対湿度20%では試験品1のプロトン伝導ゲルのイオン電導度に比べて3桁以上も低いイオン電導度であった。これに対し、試験品1のプロトン伝導ゲルでは、相対湿度20%でさえも、1mS/cmという高いイオン電導度を示す。試験品1のプロトン伝導ゲルは内部に水を含有しているためである。また、試験品1のプロトン伝導ゲルは周囲の湿度変化にも大きく影響されにくい。試験品1のプロトン伝導ゲルは周囲に存在する水を自ら取り入れて安定するためである。他方、ゾルゲル法多孔質ガラスのイオン電導度は周囲の湿度変化に大きく影響されることがわかる。
【0045】
(評価3)
試験品1のプロトン伝導ゲルをエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム0.012mol/L水溶液に溶解し、高速液体クロマトグラフ測定装置によりリン酸塩鎖の構造を調べた。結果を図3に示す。
【0046】
図3に示すように、試験品1のプロトン伝導ゲルの分散相には、直鎖状構造のリン酸塩分子鎖(P1(単量体)、P2(二量体)、P3(三量体)、P4(四量体)、Pn(長鎖体))と、環状構造のリン酸塩分子鎖(cP3(三量体)、cP4(四量体)、cP6(六量体)、cP8(八量体))とが混在していることがわかる。
【0047】
【試験2】
(試験品4)
試験品4では、正リン酸の割合をP2O5換算で28mol%とし、プロトン伝導ゲルを得る。他の条件は試験品1と同様である。
【0048】
(試験品5)
試験品5では、正リン酸の割合をP2O5換算で30mol%とした。他の条件は試験品1と同様である。
【0049】
(試験品6)
試験品6では、正リン酸の割合をP2O5換算で35mol%とした。他の条件は試験品1と同様である。
【0050】
(試験品7)
試験品7では、正リン酸の割合をP2O5換算で40mol%とした。他の条件は試験品1と同様である。
【0051】
(試験品8)
試験品8では、正リン酸の割合をP2O5換算で45mol%とした。他の条件は試験品1と同様である。
【0052】
(試験品9)
試験品9では、正リン酸の割合をP2O5換算で47.5mol%とした。他の条件は試験品1と同様である。
【0053】
(試験品10)
試験品10では、正リン酸の割合をP2O5換算で55mol%とした。他の条件は試験品1と同様である。
【0054】
(試験品11)
試験品11は、正リン酸の割合をP2O5換算で60mol%とした。他の条件は試験品1と同様である。
【0055】
(試験品12)
試験品12では、正リン酸の割合をP2O5換算で65mol%とした。他の条件は試験品1と同様である。
【0056】
(試験品13)
試験品13では、正リン酸の割合をP2O5換算で70mol%とした。他の条件は試験品1と同様である。
【0057】
(試験品14)
試験品14では、正リン酸の割合をP2O5換算で75mol%とした。他の条件は試験品1と同様である。
【0058】
(試験品15)
試験品15では、正リン酸の割合をP2O5換算で80mol%とした。他の条件は試験品1と同様である。
【0059】
(評価4)
上記試験品1及び試験品4〜15について、評価1と同様、相対湿度70%、80°Cにおけるイオン伝導度を測定した。結果を図4に示す。
【0060】
図4に示すように、各試験品は、リン酸塩分子鎖がリン酸をP2O5換算で30mol%以上含有している場合にある程度のイオン伝導性を示し、特に40mol%以上含有している場合に10mS/cm以上という高いイオン伝導性を示し、より特に50mol%以上含有する場合にほぼ50mS/cmという非常に高いイオン伝導度を示すことがわかる。なお、リン酸含有量が多い程、得られたリン酸塩ガラスの水に対する反応性が増大し、リン酸含有量が80mol%と最も高い試験品15では、ゲル化工程でリン酸塩ガラスに水を加えた場合、リン酸塩ガラスが急速に溶解し、ゲル状態を保つことが困難であった。また、試験品4については、ガラス化工程で溶融することができず、リン酸塩ガラスを得ることができなかった。
【0061】
【試験3】
(試験品16)
<ガラス化工程>
炭酸カルシウムと正リン酸とを用意し、正リン酸がP2O5換算で60mol%となり、全体で30gとなるようにそれぞれを量り取る。これらをビーカに入れて水を加え、充分に攪拌混合した後、乾燥機に入れ、100°Cで24時間の乾燥を行う。こうして得られた乾燥混合粉末を白金ルツボに入れ、これを1350°Cに保持された電気炉中に入れて30分間の加熱を行い、溶融する。その後、電気炉から白金ルツボを取出し、溶融物を黒鉛板上に流し出し、その状態で室温まで冷却する。こうしてリン酸カルシウムガラスを得る。得られたリン酸カルシウムガラスをアルミナ乳鉢によって最大粒子径が500μm以下となるように粉砕し、リン酸カルシウムガラス粉末を得る。
【0062】
また、このリン酸カルシウムガラス粉末とCaSO4・0.5H2 Oとを重量比で1:0.1となるように混合し、この混合物を白金ルツボに入れ、これを800°Cに保持された電気炉中に入れて10分間の加熱を行い、溶融する。その後、電気炉から白金ルツボを取出し、溶融物を黒鉛板上に流し出し、その状態で室温まで冷却する。こうしてリン酸塩ガラスを得る。得られたリン酸塩ガラスをアルミナ乳鉢によって最大粒子径が10μm以下になるように粉砕し、リン酸塩ガラス粉末を得る。
【0063】
<ゲル化工程>
このリン酸塩ガラス粉末2gをプラスチック容器に入れ、蒸留水を2mL加えて攪拌した後、施蓋し、3日間放置する。こうして粘調なプロトン伝導ゲルを得る。
【0064】
(評価5)
試験品16に係るリン酸塩ガラスの成分をエネルギー分散型の蛍光X線分析装置により分析した。この結果、イオウ成分の存在が確認された。このことから、イオウ成分は揮散することなく、リン酸塩ガラス中に含まれていることがわかり、スルホン基の存在が推定される。
【0065】
また、試験品16のプロトン伝導ゲルについて、評価1と同様、相対湿度70%、80°Cにおけるイオン伝導度を測定した。その結果、56mS/cmという非常に高いイオン伝導度が得られた。スルホン基がリン酸よりもさらにプロトンを解離しやすいためである。
【0066】
【試験4】
(試験品17)
試験品1のプロトン伝導ゲルをテフロン(登録商標)製の容器に入れ、120°Cで1時間の加熱を行った。こうして白濁した粘調なプロトン導電体を得た。
【0067】
(評価6)
試験品17のプロトン導電体のX線回折測定を行った。この結果、Ca(H2PO4)2・H2Oの生成が確認された。上記評価3より、プロトン伝導ゲル中に存在するリン酸塩分子鎖には直鎖状構造のリン酸塩分子鎖及び環状構造のリン酸塩分子鎖の二種類が存在することが明らかであることから、試験品17のプロトン導電体はゲルと結晶との複合体である。この試験品17のプロトン導電体について、評価1と同様、相対湿度70%、80°Cにおけるイオン伝導度を測定した。その結果、68mS/cmという非常に高いイオン伝導度が得られた。また、試験品17のプロトン導電体は、ゲルと結晶との複合体であることから、脆さを克服している。
【0068】
【試験5】
(試験品18)
試験品1のプロトン伝導ゲルをそのまま30日間放置し、試験品18の粘調なプロトン伝導ゲルを得る。
(評価7)
試験品18のプロトン導電ゲルのX線回折測定を行った。この結果、試験品17のプロトン伝導ゲルと同様、Ca(H2PO4)2・H2Oの生成が確認された。この試験品18のプロトン導電ゲルについて、評価1と同様、相対湿度を70%とし、温度を変化させた場合のイオン伝導度を測定した。結果を図5に示す。
【0069】
図5に示すように、試験品18のプロトン導電体は高いイオン伝導度を示した。この値は、従来知られている高分子型固体電解質のなかで最も高いイオン伝導度を示すものと同等である。
【0070】
【試験6】
(試験品19)
<ガラス化工程>
試験品1に係るリン酸カルシウムガラス粉末を得る。
<成形工程>
一方、酸化ジルコニウムと正リン酸とを用意し、正リン酸がP2O5換算で60mol%となるように混合し、その混合物をテフロン(登録商標)容器に入れ、200°Cで5時間のオートクレーブ処理を行う。得られた粉末は、X線回折測定によれば、γ型Zr(HPO4)2・2H2Oの結晶であった。この結晶は11.6Åの層間距離をもつ層状化合物である。
【0071】
上記リン酸カルシウムガラス粉末とγ型Zr(HPO4)2・2H2Oとを重量比で1:1に混合した後、金型に充填し、30MPaでプレス成形する。こうして、直径10mm、厚さ1mmのペレットを得る。
【0072】
<反応工程>
ペレットに2mLの蒸留水を添加し、施蓋して、室温で3日間保持する。こうして、試験品1のプロトン伝導ゲルとγ型Zr(HPO4)2・2H2Oとが複合された試験品19のプロトン伝導体を得る。こうして、予め成形工程によりペレットを得ておき、反応工程においてそのペレットを水と反応させてプロトン伝導体とするため、ペレットの取り扱いが容易であるという利点を有する。
【0073】
(評価8)
試験品19のプロトン伝導体について、評価1と同様、相対湿度70%、90°Cにおけるイオン伝導度を測定した。この結果、試験品19のプロトン伝導体は55mS/cmという高いイオン伝導度を示した。また、試験品19のプロトン伝導体は脆さを克服したものである。
【0074】
【試験7】
(試験品20)
<ガラス化工程>、<ゲル化工程>
試験品1、19と同様、試験品1のリン酸カルシウムガラス粉末とγ型Zr(HPO4)2・2H2O結晶とを得る。
【0075】
次に、リン酸カルシウムガラス粉末1gに蒸留水を1mL加え、施蓋し、室温で1日保持することにより、プロトン伝導ゲルを得る。また、プロトン伝導ゲル中にγ型Zr(HPO4)2・2H2O結晶を2g加え、十分に練りこんだ後、2日間静置する。こうして、試験品20のプロトン伝導ゲルを得る。
【0076】
(評価9)
試験品20のプロトン伝導ゲルについて、評価1と同様、相対湿度70%、90°Cにおけるイオン伝導度を測定した。この結果、試験品20のプロトン伝導ゲルは、52mS/cmという高いイオン伝導度を示した。
【0077】
【試験8】
(試験品21)
<ガラス化工程>
試験品1と同様、リン酸カルシウムガラス粉末を得る。このリン酸カルシウムガラス粉末5gをプラスチック容器に入れる。一方、比較品と同様、ゾルを得る。
【0078】
リン酸カルシウムガラス粉末の入ったプラスチック容器にこのゾルを加え、充分に攪拌する。その後、これを一ヶ月乾燥させ、リン酸カルシウムガラス粉末とゾル−ゲル多孔質ガラスとからなる複合体を得る。この複合体を電気炉に入れ、600°Cで3時間の加熱を行った後、電気炉への通電を止めて自然放冷させ、ガラス複合体を得る。
【0079】
<ゲル化工程>
このガラス複合体に蒸留水を10mL加え、室温で3日間放置する。こうして、プロトン伝導ゲルとゾル−ゲル多孔質ガラスとが複合された試験品21のプロトン伝導ゲルを得る。
【0080】
(評価10)
試験品21のプロトン伝導ゲルについて、評価1と同様、相対湿度70%、90°Cにおけるイオン伝導度を測定した。この結果、試験品21のプロトン伝導ゲルは、47mS/cmという高いイオン伝導度を示した。また、試験品21のプロトン伝導ゲルのイオン伝導度は、相対湿度30%、50°Cでは、1mS/cmであった。このことから、試験品21のプロトン伝導ゲルは、高いイオン伝導度を有しているとともに、周囲の湿度の影響を受け難いことがわかる。
【0081】
(評価11)
また、BET法により試験品21のプロトン伝導ゲルの比表面積を測定したところ、それは5m2/gであった。一方、上記比較品のゾル−ゲル多孔質ガラスの比表面積は400m2/gであったことから、試験品21のプロトン伝導ゲルは、非常に緻密であって、孔がほとんど存在しないことがわかる。このため、メタノールを直接アノード側に導入するタイプの燃料電池に試験品21のプロトン伝導ゲルを用いた場合であっても、クロスオーバ現象を生じ難く、高い発電効率を維持しやすいことが予測される。
【0082】
【試験9】
(試験品22)
<ガラス化工程>
試験品1と同様、リン酸カルシウムガラス粉末を得る。一方、比較品と同様、乾燥ゲルを得、この乾燥ゲルを粉砕した乾燥ゲル粉末を得る。
【0083】
<成形工程>
リン酸カルシウムガラス粉末と乾燥ゲル粉末とを1:1の重量比で混合した後、金型に充填し、40MPaでプレス成形する。こうして直径10mm、厚さ1mmのペレットを得る。このペレットを電気炉に入れ、600°Cで3時間の加熱を行う。その後、電気炉への通電を停止し、電気炉内で自然冷却させることにより焼結ガラスペレットを得る。
【0084】
<ゲル化工程>
この焼結ガラスペレットに蒸留水を10mL加え、室温で3日間放置する。こうして、プロトン伝導ゲルとゾル−ゲル多孔質ガラスとが複合された試験品22のプロトン伝導体を得る。こうして、予め成形工程により焼結ガラスペレットを得ておき、反応工程においてその焼結ガラスペレットを水と反応させてプロトン伝導体とするため、焼結ガラスペレットの取り扱いが容易であるという利点を有する。
【0085】
(評価12)
試験品22のプロトン伝導体について、評価1と同様、相対湿度70%、90°Cにおけるイオン伝導度を測定した。この結果、試験品22のプロトン伝導体は、50mS/cmという高いイオン伝導度を示した。試験品22のプロトン伝導体は、乾燥ゲル粉末を用いたペレットを熱処理して得た焼結ガラスペレットを用いていることから、試験品21のプロトン伝導体に比して、やや高いイオン伝導度を示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験品1〜3のプロトン伝導ゲルに関する温度とイオン伝導度との関係を示すグラフである。
【図2】試験品1のプロトン伝導ゲル及び比較品のゾル−ゲル多孔質ガラスに関する相対湿度とイオン伝導度との関係を示すグラフである。
【図3】試験品1の高速液体クロマトグラフの測定結果を示すグラフである。
【図4】試験品1、4〜15のプロトン伝導ゲルに関するP2O5換算のmol%とイオン伝導度との関係を示すグラフである。
【図5】試験品18のプロトン導電体に関する相対湿度70%における室温範囲内のイオン伝導度を示すグラフである。
Claims (14)
- 溶融法によって得られた2価金属イオンを含有するリン酸塩ガラスが水と反応することによりリン原子にOH基が結合してなる直鎖状構造又は環状構造のリン酸塩分子鎖からなる分散相と、該リン酸塩分子鎖の各OH基の周囲に存在する水からなる分散媒とを有することを特徴とするプロトン伝導ゲル。
- 2価金属イオンは、Ca2+、Mg2+及びZn2+の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載のプロトン伝導ゲル。
- リン酸塩分子鎖は、スルホン基を含有していることを特徴とする請求項1又は2記載のプロトン伝導ゲル。
- 分散相は、直鎖状構造のリン酸塩分子鎖を含有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のプロトン伝導ゲル。
- 分散相は、環状構造のリン酸塩分子鎖を含有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のプロトン伝導ゲル。
- リン酸塩分子鎖は、リン酸をP2O5換算で30〜75mol%の範囲内で含有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のプロトン伝導ゲル。
- リン酸塩分子鎖は、リン酸をP2O5換算で40〜70mol%の範囲内で含有していることを特徴とする請求項6記載のプロトン伝導ゲル。
- リン酸塩分子鎖は、リン酸をP2O5換算で50〜60mol%の範囲内で含有していることを特徴とする請求項7記載のプロトン伝導ゲル。
- 溶融法により2価金属イオンを含有するリン酸塩ガラスを得るガラス化工程と、
該リン酸塩ガラスを粉砕したリン酸塩ガラス粉末と水とを反応させ、リン原子にOH基が結合してなる直鎖状構造又は環状構造のリン酸塩分子鎖からなる分散相と、該リン酸塩分子鎖の各OH基の周囲に存在する水からなる分散媒とを有するプロトン伝導ゲルを得るゲル化工程とからなることを特徴とするプロトン伝導ゲルの製造方法。 - ゲル化工程において、プロトン伝導ゲルに他のプロトン伝導組成物も介在させることを特徴とする請求項9記載のプロトン伝導ゲルの製造方法。
- 請求項1乃至8のいずれか1項記載のプロトン伝導ゲルと、他のプロトン伝導組成物とからなることを特徴とするプロトン伝導体。
- 請求項9又は請求項10記載のプロトン伝導ゲルを成形してプロトン伝導体とすることを特徴とするプロトン伝導体の製造方法。
- 溶融法により2価金属イオンを含有するリン酸塩ガラスを得るガラス化工程と、
該リン酸塩ガラスを粉砕したリン酸塩ガラス粉末により成形体を得る成形工程と、
該成形体を水と反応させ、リン原子にOH基が結合してなる直鎖状構造又は環状構造のリン酸塩分子鎖からなる分散相と、該リン酸塩分子鎖の各OH基の周囲に存在する水からなる分散媒とを有するプロトン伝導体とする反応工程とからなることを特徴とするプロトン伝導体の製造方法。 - 成形工程において、成形体に他のプロトン伝導組成物も介在させることを特徴とする請求項13記載のプロトン伝導体の製造方法。
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