JP4457462B2 - プロトン伝導膜の製造方法及びそれからなる燃料電池 - Google Patents

プロトン伝導膜の製造方法及びそれからなる燃料電池 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池等の電気化学素子に好適なプロトン伝導膜の製造方法及びそれからなる燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロトン伝導膜は、燃料電池、湿度センサー、ガスサンサー、エレクトクロミック表示素子等の電気化学素子の主要な構成材料である。これら電気化学素子の中でも、燃料電池は、将来の新エネルギー技術の柱の一つとして期待されている。電解質として高分子からなるプロトン伝導体を用いた固体高分子型燃料電池(PEFC又はPEMFC)は、低温における作動、小型軽量化が可能等の特徴から、自動車等の移動体及び携帯型への適用が検討されおり、特に、PEFCを搭載した燃料電池自動車は究極のエコロジーカーとして社会的な関心が高まってきた。
【0003】
高分子化合物から成るプロトン伝導膜としては、1950年代に開発された、スチレン系の陽イオン交換膜があるが、燃料電池動作環境下における安定性に乏しく、本膜を用いての実用上、充分な寿命を有する燃料電池を製造するには至っていない。実用的な安定性を有するプロトン伝導膜として、ナフィオン(Nafion,デュポン社の登録商標。以下同様)に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸膜が開発され、PEFC燃料電池をはじめとする多くの電気化学素子へ応用が提案されている。しかし、パーフルオロカーボンスルホン酸膜は、耐酸性、耐酸化性に優れている反面、製造が困難で、非常に高価である。又、パーフロカーボンスルホン酸膜は、高温での含水率の低下によりプロトン伝導性が低下することより、燃料電池用膜として使用する際には、水分管理を充分に行う必要がある。更に、含フッ素化合物は合成時及び廃棄時の環境へ負荷が大きく、環境問題を考慮した燃料電池等の構成材料として必ずしも望ましいものではない。
【0004】
このような背景から、フッ素含有量を低減したスルホン化部分フッ素化膜或いはスルホン化芳香族系高分子膜等の非パーフルオロカーボンスルホン酸型プロトン伝導膜が種々提案されいる。その代表的なものとしては、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(特開平6−93114号公報)、スルホン化ポリエーテルスルホン(特開平10―45913号公報)やスルホン化ポリスルホン(特開平9−245818号公報)等の耐熱芳香族高分子のスルホン化物、又、炭化フッ素系ビニルモノマーと炭化水素系ビニルモノマーからなる共重合体構造とスルホン酸基を有する芳香族系炭化水素構造からなる、スルホン酸型ポリスチレン−グラフト−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体膜(特開平9−102322号公報)等が挙げられる。又、特表平10−503788号公報には、安価で、機械的、化学的に安定な、SEBS(スチレン−(エチレン−ブチレン)−スチレンの略)のスルホン化体からなるプロトン伝導膜が提案されている。
【0005】
従来提案されている、非パーフルオロカーボンスルホン酸膜、即ち、スルホン化部分フッ素化膜、或いは、スルホン化芳香族系高分子膜は、製造が容易であり、低コスト化が可能であるとされている。しかしながら、燃料電池用膜として使用する場合には、化学的安定性、特に、耐酸化性が充分でなく、長期間使用における膜劣化、電極―膜接合体構造の剥離等による性能低下が起きることが知られている。
【0006】
一方で、無機化合物から成るプロトン伝導体の開発も実施されている。このような無機プロトン伝導体を薄膜状に形成するには、一般的な方法として蒸着法や、キャスト法等が挙げられる。しかしながら、このような方法で得られた膜は、大面積化が困難であったり、溶媒除去時に細孔が形成され易いため、例えば、ガス遮断性が要求される燃料電池用プロトン伝導膜には使用できないのが現状である。これらの問題点を改善するため、酸化ケイ素とブレーンステッド酸を主体とする無機化合物を、有機化合物で結着したプロトン伝導体(特開平11−203936、特開平10−69817)が提案されている。しかしながら、ここに開示されている方法では、無機化合物の合成、結着剤である有機化合物と混合や膜加工等が別途に行われるため、製造が煩雑である等の問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、固体高分子型燃料電池を始めとする電気化学素子材料としての使用に充分なプロトン伝導性を有し、かつ、実用上充分な耐久性を有する高分子化合物−無機化合物複合のプロトン伝導膜の製造方法及び該プロトン伝導膜を用いてなる燃料電池を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、スルホン酸基を有する芳香族系高分子化合物を含有する溶液中で、ケイ素酸化物とリン酸誘導体を主成分とする無機化合物を合成し、溶媒を乾燥除去することにより調製される複合プロトン伝導膜の製造方法であり、スルホン酸基を有する芳香族系高分子化合物が5〜50重量%含有する溶液中で、前記芳香族系高分子化合物100重量部に対し、ケイ素酸化物1〜60重量部、リン酸誘導体1〜60重量部を添加するのが好ましい。
【0009】
また本発明の燃料電池は、上記のプロトン伝導膜を用いてなる燃料電池である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のプロトン伝導膜は、スルホン酸基を有する芳香族系高分子化合物を含有する溶液中において、ケイ素酸化物とリン酸誘導体を主成分とする無機化合物を合成し、溶媒を乾燥除去することにより調製される、高分子化合物−無機化合物複合プロトン伝導膜である。具体的には、スルホン酸基を有する芳香族高分子化合物を溶解してなる溶液に、ケイ素アルコキシドのごときケイ素酸化物前駆体とリン酸誘導体を加え、水、更には必要に応じて触媒量の酸を添加した後に、室温又は加熱下に攪拌することにより、ケイ素酸化物前駆体及びリン酸誘導体を加水分解・重合し、ケイ素、酸素及びリンを主たる成分とする無機化合物を合成し、本反応液をガラス等の基板に流延又は塗布し、溶媒を除去することにより調製される。
【0011】
前記芳香族系高分子化合物を溶解してなる溶液とは、芳香族系高分子化合物が溶解しうる有機溶媒中に、高分子化合物を均一に溶解させた溶液である。このとき使用する有機溶媒は、芳香族系高分子化合物の溶媒溶解性等を考慮し、適宜選択すればよい。本発明において、この溶液は下記に示す無機化合物を合成する場となる。溶液の高分子化合物濃度は、高分子化合物濃度が5〜50重量%であることが望ましい。5重量%未満では、無機化合物を含有する複合膜を形成させることが困難であり、50重量%より多いと、溶液粘度が高くなり、本溶液中でのケイ素酸化物及びリン酸誘導体からなる無機化合物の合成反応の進行が円滑でなく、又、生成する無機化合部の高分子化合物溶液中での均一な分散が困難となり、最終的に調製されるプロトン伝導膜中における無機化合物の分散状態が不均一となる傾向がある。
【0012】
本発明のプロトン伝導膜に用いられる無機化合物は、ゾルーゲル法により合成されるのが好ましい。ゾルーゲル法とは、一般に、金属アルコキシドのような金属有機化合物の溶液を出発原料とし、加水分解、重合、乾燥、焼成等の工程を経て、固体(ゲル、ガラス、結晶状態等の物質)を得る方法である。又、ケイ素酸化物とは、主としてケイ素と酸素よりなる基本骨格を有するものを意味する。本発明における、ケイ素酸化物とリン酸誘導体の添加量は、スルホン酸基を有する芳香族系高分子化合物100重量部に対して、各々1〜60重量部、特に好ましくは5〜40重量部であることが好ましい。上記添加量が1重量部未満では、実用上充分な耐酸化性を有する膜を調製することが困難であり、一方、上記添加量が60重量より多い場合には膜が脆くなり好ましくない。更に、ケイ素酸化物とリン酸誘導体の添加量比は、ベースとするスルホン酸基を有する芳香族系高分子化合物の選択により、適宜変更することが可能であるが、リン酸誘導体添加量がケイ素酸化物添加量の0.1重量部から5重量部であることが好ましい。0.1重量部未満では、充分な耐酸化性を有することができず、又、5重量部より多い場合においては、添加したリン酸誘導体のケイ素酸化物との反応が不充分であり、添加したリン酸誘導体に由来するリン成分の充分量が最終的に調製される高分子化合物−無機化合物複合体として、膜中に固定化されることが困難となる。又、無機化合物を合成する場として使用するスルホン酸基を有する芳香族系高分子化合物を溶解せしめた溶液の高分子化合物濃度については、高分子化合物濃度が5〜50重量%であることが望ましい。5重量%未満では、無機化合物を含有する複合膜を形成させることが困難であり、又、50重量%より多いと、溶液粘度が高くなり、本溶液中でのケイ素酸化物及びリン酸誘導体からなる無機化合物の合成反応の進行が円滑でなく、又、生成する無機化合部の高分子化合物溶液中での均一な分散が困難となり、最終的に調製されるプロトン伝導膜中における無機化合物の分散状態が不均一となる。
【0013】
本発明のプロトン伝導膜の膜厚については、膜の用途に応じて適宜選択されるが、固体高分子型燃料電池用膜として使用する場合には、10〜500μmが好ましく、10μ〜100μmがより好ましい。膜厚が500μmを越えると、膜の抵抗性が増大し、又、10μm未満では、膜の機械強度が不充分である。又、溶媒を除去する条件は、本発明のスルホン酸基を有する高分子化合物が脱スルホンする温度以下で、溶媒が完全に除去できる条件であれば任意に選択することが可能である。所望の物性を発現させるため、複数の温度を任意に組み合わせたり、常圧下と減圧下等を任意に組み合わせても良い。具体的には、常圧下で、室温から200℃にて数時間予備乾燥した後、80℃以上の真空条件下、好ましくは80〜200℃で12時間程度の乾燥条件で溶媒を除去する方法等が挙げられるが、これに限定させるものではない。
【0014】
本発明に使用するスルホン酸基を含有する芳香族高分子化合物は、芳香族炭化水素部を有する高分子化合物をスルホン化することにより調製される。芳香族炭化水素部を有する重合体の具体的な例としては、ポリ(スチレン−(エチレン−ブチレン)−スチレン)樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンスルフィドスルホン樹脂、ポリフェニレンスルホン樹脂、ポリアリールエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ(2、3−ジフェニル−1、4−フェニレンオキシド)樹脂、ポリ(アリルエーテルケトン)樹脂、ポリ(アリレンエーテルスルホン)樹脂、ポリ(フェニルキノサンリン)樹脂、ポリ(ベンジルシラン)樹脂、ポリスチレン−グラフト−エチレンテトラフルオロエチレン樹脂、ポリスチレン−グラフト−ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリスチレン−グラフト−テトラフルオロエチレン樹脂、等を挙げることができる。中でも、ポリ(スチレン−(エチレン−ブチレン)−スチレン)樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂は、安価であり、薄膜化したときに充分な強度を有し、しかもスルホン基の導入量を調節することによりプロトン伝導率を容易に制御することができることより好ましい。
【0015】
芳香族系高分子化合物のスルホン化は、公知のスルホン化の方法により実施できる。具体的には、芳香族炭化水素部を有する重合体の有機溶媒溶液や縣濁液を調製し、硫酸、硫酸と脂肪族酸無水物との混合物系、クロロスルホン酸、クロロスルホン酸と塩化トリメチルシリルとの混合物系、三酸化硫黄、三酸化硫黄とトリエチルホスフェート、更に2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸に代表される芳香族有機スルホン酸等のスルホン化剤を添加、混合する方法等が挙げられる。
【0016】
本発明で使用するケイ素酸化物前駆体としては、下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物である。
(R1X―Si(OR24-X (1)
[但し、式中、R1は水素原子又は炭素数1〜8の1価の有機基を示し、R 2 は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜6のアシル基又はフェニル基を示し、xは0〜2の整数である]
一般式(1)において、R1の炭素数1〜8の1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等のアルキル基や、ビニル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、アシル基、グリシジル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アミド基、フルオロアセトアミド基、イソシアナート基等の他、これらの基の置換誘導体を挙げることができる。
また、一般式(1)において、R2の炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等を挙げることができ、炭素数1〜6のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、カプロイル基等を挙げられる。
【0017】
一般式(1)において、xは0〜2の整数であるが、xが0である有機ケイ素化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラアセチルオキシシラン、テトラフェノキシシラン等を挙げられる。
また一般式(1)において、xが1である有機ケイ素化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類の他、メチルトリアセチルオキシシラン、メチルトリフェノキシシラン等を挙げることができる。これらのオルガノシランのうち、トリアルコキシシラン類が好ましく、更に好ましくはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランエチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシランである。
【0018】
更に、一般式(1)のxが2である有機ケイ素化合物の具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、n−ペンチル・メチルジメトキシシラン、n−ペンチル・メチルジエトキシシラン、シクロヘキシル・メチルジメトキシシラン、シクロヘキシル・メチルジエトキシシラン、フェニル・メチルジメトキシシラン、フェニル・メチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン類の他、ジメチルジアセチルオキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン等を挙げることができる。
【0019】
リン酸化合物としては、リン酸、亜リン酸化合物であるが、下記一般式(2)で表されるリン酸誘導体、或いは下記一般式(3)で表される亜リン酸誘導体が好ましい。
PO(OR)3-Y (OH)Y (2)
[但し、式中、Rは炭素数1〜6の1価の有機基を示し、は0〜3の整数である。]
P(OR)3-Z (OH)Z (3)
[但し、式中、Rは炭素数1〜6の1価の有機基を示し、は0〜3の整数である。]
一般式(2)における、炭素数1〜6の1価の有機基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、フェニル基等を挙げることができる。
【0020】
一般式(2)においてyは0〜3であるが、yが0の具体的な例としては、リン酸トリメチルエステル、リン酸トリエチルエステル、リン酸トリプロピルエステル、リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフェニルエステル等を挙げることができる。
また、一般式(2)においてyが1又は2の具体的な例としては、リン酸ジメチルエステル、リン酸ジエチルエステル、リン酸ジプロピルエステル、リン酸ジブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル、リン酸メチルエステル、リン酸エチルエステル、リン酸プロピルエステル、リン酸ブチルエステル、リン酸フェニルエステル等に加え、P25をメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、フェノール等に溶解することにより調製されるものが挙げられる。更にyが3の具体的な例としては、オルトリン酸を挙げることができる。
【0021】
一般式(3)における、炭素数1〜6の1価の有機基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、フェニル基等を挙げることができる。
【0022】
一般式(3)においてzは0〜3であるが、zが0の具体的な例としては、亜リン酸トリメチルエステル、亜リン酸トリエチルエステル、亜リン酸トリプロピルエステル、亜リン酸トリブチルエステル、亜リン酸トリフェニルエステル等を挙げることができる。
【0023】
また、一般式(3)においてzが1の具体的な例としては、亜リン酸ジメチルエステル、亜リン酸ジエチルエステル、亜リン酸ジプロピルエステル、亜リン酸ジブチルエステル、亜リン酸ジフェニルエステル等、又、zが2の具体的な例としては、亜リン酸メチルエステル、亜リン酸エチルエステル、亜リン酸プロピルエステル、亜リン酸ブチルエステル、亜リン酸フェニルエステル、
更にzが3の具体的な例としては、亜リン酸を挙げることができる。本発明において使用される溶媒としては、スルホン酸基を有する芳香族系高分子化合物を溶解するものであれば特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性溶媒等が挙げられ、必要に応じてこれら溶媒を混合して使用できる。
【0024】
次に、本発明のプロトン伝導膜を使用した燃料電池について、一例として、図面を引用して説明する。
【0025】
図1は、本発明のプロトン伝導膜を使用した燃料電池の要部断面図である。
これは、図中央部のプロトン伝導膜(1)と、(1)の膜に接触する触媒担持ガス拡散電極(2)、セパレーター(4)に形成された燃料ガス又は液体、並びに、酸化剤を送り込む流路(3)、の構成よりなるものである。
【0026】
プロトン伝導膜(1)に、触媒担持ガス拡散電極(2)を接合する方法は、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸膜からなるプロトン伝導膜で行われる公知の方法が適用可能である。
具体的には、市販のガス拡散電極(米国E−TEK社ガス社製、等)を用いる方法が例示できるが、これに限定されるものではない。
【0027】
実際の方法としては、本発明のプロトン伝導膜(1)の両面に、パーフルオロカーボンスルホン酸高分子のアルコール溶液をバインダーとして、触媒担持ガス拡散電極(2)の触媒層側の面を合わせ、ホットプレス機やロールプレス機等のプレス機を使用して、一般的には120〜250℃程度のプレス温度で接合できる。又、別途下記に示すような材料を使用して触媒担持ガス拡散電極(2)を調製し、プロトン伝導膜(1)に接合させて使用しても構わない。
【0028】
ここで、触媒担持ガス拡散電極(2)を調製するのに使用する材料としては、触媒として、燃料の酸化反応及び酸素の還元反応を促進する、白金、ルテニウム等の金属あるいはそれらの合金、導電材として、微粒子の炭素材料等の導電性物質等、結着剤として、撥水性を有する含フッ素樹脂等、必要に応じて、上記材料の支持体として、カーボンペーパー等、更に、含浸・被覆材として、パーフルオロカーボンスルホン酸系高分子が例示できるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0029】
上記のような方法で得られたプロトン伝導膜(1)と、触媒担持ガス拡散電極(2)の接合体を、燃料ガス又は液体、並びに、酸化剤を送り込む流路(3)が形成された一対のグラファイト製等のガスセパレーター(4)等の間に挿入することにより、請求項3記載の本発明の燃料電池が得られる。これに燃料ガス又は液体として、水素を主たる成分とするガスや、メタノールを主たる成分とするガス又は液体を、酸化剤として、酸素を含むガス(酸素あるいは空気)を、それぞれ別個の流路(3)より、触媒担持ガス拡散電極(2)に供給することにより、本発明の燃料電池は作動する。
【0030】
本発明の燃料電池を単独で、あるいは複数積層して、スタックを形成し、使用することや、それらを組み込んだ燃料電池システムとすることもできる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更実施可能である。
尚、実施例に先立ち測定法等について説明する。
【0032】
(イオン交換容量の測定方法)
試験体を塩化ナトリウム飽和水溶液に浸漬し、ウォーターバス中で90℃、3時間反応させる。室温まで冷却した後、サンプルをイオン交換水で充分に洗浄し、フェノールフタレイン溶液を指示薬として、0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、イオン交換容量を算出する。
【0033】
(フェントン反応)
28.5mgの硫酸アンモニウム鉄(II)・6水和物を3%過酸化水素水1Lに溶解させ、フェントン試薬を調製する。フェントン試薬の温度がウォーターバス中で60℃で一定になったことを確認して、試験体を添加し、1時間反応させる。室温まで冷却後、フェントン試薬が完全に除かれるまで、イオン交換水で洗浄する。
【0034】
(プロトン伝導度)
イオン交換水中に保管した試験体を取り出し、試験体表面の水をろ紙で拭き取る。電極面積2.0cm2の白金電極間に試験体を装着し、2極密閉系のセルに設置した後、室温下で電圧0.5Vの条件で、交流インピーダンス法(周波数:42Hz〜5MHz)により、試験体の膜抵抗を測定し、プロトン伝導度を算出した。
【0035】
(実施例1)
以下の方法に従って、スルホン化ポリエーテルスルホンを合成した。
ポリエーテルスルホン(住友化学社製。以下「PES」という)を100℃、終夜減圧乾燥する。乾燥したPES:100gを濃硫酸500mLに溶解する。室温、窒素気流下でクロロスルホン酸192mLを徐々に滴下し、更に室温で6時間反応を行った。反応終了後、反応液を2Lのイオン交換水に滴下し、析出するスルホン化PESをろ過回収した。更にイオン交換水で洗浄した後、80℃で真空乾燥し、スルホン化PESを得た。得られたスルホン化PESのイオン交換基量は0.56meq/gであった。
【0036】
(実施例2)
Dais Co.より入手したスルホン化ポリ(スチレン−(エチレン−ブチレン)−スチレン)(以下「スルホン化SEBS」という)7.5gをn―プロパノール42.5gに溶解する。本溶液にテトラエトキシシラン0.75g、85%リン酸0.75g、イオン交換水0.5gを添加し、室温にて攪拌する。本溶液を90℃に加熱し、更に3時間攪拌する。本反応液をガラス板上に1000μmの厚みでキャストし、120℃にて12時間乾燥後、更に80℃、12時間減圧乾燥して、厚さ66μmのプロトン伝導膜を得た。
【0037】
(実施例3)
スルホン化SEBS:7.5gをn―プロパノール42.5gに溶解する。本溶液にテトラエトキシシラン0.75g、リン酸トリプロピルエステル0.75g、イオン交換水0.5gを添加し、室温にて攪拌する。本溶液を90℃に加熱し、更に3時間攪拌した。本反応液をガラス板上に1000μmの厚みでキャストし、120℃にて12時間乾燥後、更に80℃、12時間減圧乾燥して、厚さ83μmのプロトン伝導膜を得た。
【0038】
(実施例4)
実施例1で得られたスルホン化PES:12gをN―メチルピロリドン48gに溶解し、本溶液にテトラエトキシシラン1.2g、85重量%リン酸1.2g、イオン交換水1.0gを添加し室温で攪拌した。本溶液を90℃に加熱し、更に3時間攪拌した。本反応液をガラス板上に1000μmの厚みでキャストし、150℃にて12時間乾燥後、更に80℃、12時間減圧乾燥して、厚さ76μmのプロトン伝導膜を得た。
【0039】
(比較例1)
スルホン化SEBS 7.5gをn―プロパノール42.5gに溶解し、本溶液をガラス板上に1000μmの厚みでキャストし、80℃、12時間減圧乾燥して、厚さ60μmのプロトン伝導膜を得た。
【0040】
(比較例2)
実施例1で得られたスルホン化PES:12gをN―メチルピロリドン48gに溶解し、本溶液をガラス板上に1000μmの厚みでキャストし、80℃にて12時間減圧乾燥後、更に150℃、3時間減圧乾燥して、厚さ57μmのプロトン伝導膜を得た。
【0041】
(比較例3)
スルホン化SEBS:7.5gをn―プロパノール42.5gに溶解する。本溶液にテトラエトキシシラン0.75g、イオン交換水0.5gを添加し、室温にて攪拌する。本溶液を90℃に加熱し、更に3時間攪拌した。本反応液をガラス板上に1000μmの厚みでキャストし、120℃にて12時間乾燥後、更に80℃、12時間減圧乾燥して、厚さ76μmのプロトン伝導膜を得た。
【0042】
(比較例4)
スルホン化SEBS:7.5gをn―プロパノール42.5gに溶解する。本溶液に85重量%リン酸1.2gを添加し、室温にて攪拌する。本溶液を90℃に加熱し、更に3時間攪拌した。本反応液をガラス板上に1000μmの厚みでキャストし、120℃にて12時間乾燥後、更に80℃、12時間減圧乾燥して、厚さ73μmのプロトン伝導膜を得た。
【0043】
(比較例5)
以下の方法に従って、ケイ素酸化物とリン酸誘導体を主成分とする無機化合物を合成した。エタノール9.2g(0.2mol)、テトラエトキシシラン10.4g(0.05mol)、イオン交換水7.2g(0.4mol)、3.6wt%塩酸水溶液0.5g(0.0005mol)、テトラフルオロほう酸テトラエチルアンモニウム0.11g(0.0005mol)の混合溶液を5分間攪拌後、85wt%リン酸を2.9g(0.025mol)加え、3時間攪拌した。5時間ゲル化後、150℃で2時間加熱し、ケイ素酸化物とリン酸誘導体を主成分とする無機化合物を得た。
【0044】
スルホン化SEBS:7.5gをn―プロパノール42.5gに溶解する。この溶液に、上記無機化合物を1.5g添加し、室温で0.5時間攪拌した。本反応液をガラス板上に1000μmの厚みでキャストし、120℃にて12時間乾燥後、更に80℃、12時間減圧乾燥して、厚さ70μmのプロトン伝導膜を得た。
【0045】
実施例2〜4で得られた膜及び比較例1〜2で得られた膜のプロトン伝導性を表1に示す。
【0046】
【表1】
Figure 0004457462
【0047】
実施例2〜4と比較例1〜2の比較から、ケイ素酸化物とリン酸誘導体を主成分とする無機化合物を含む本発明のプロトン伝導膜は、無機化合物非添加の場合と同等のプロトン伝導性を有している。
【0048】
実施例2〜3と比較例3〜4の比較から、ケイ素酸化物とリン酸誘導体を主たる成分とする無機化合物を含む本発明のプロトン伝導膜は、ケイ素酸化物又はリン酸誘導体をそれぞれ単独で添加した場合と同等以上のプロトン伝導性を有している。
【0049】
実施例2と比較例5の比較から、スルホン酸基を有する芳香族系高分子化合物の溶液中において、ケイ素酸化物とリン酸誘導体を主成分とする無機化合物を合成し、溶媒を乾燥除去することにより調製した本発明のプロトン伝導膜は、前記無機化合物を調製後、高分子化合物に添加した膜と同等以上のプロトン伝導性を有している。
【0050】
上記比較から、本発明のプロトン伝導膜は、固体高分子型燃料電池を始めとする電気化学素子材料としての使用に充分なプロトン伝導性を有することが明らかとなった。
【0051】
実施例2〜4で得られた膜及び比較例1〜5で得られた膜のフェントン反応により耐酸化性評価した結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
Figure 0004457462
【0053】
実施例2と比較例1の比較から、無機化合物を含んでいない膜(比較例1)は、フェントン反応条件下、短時間で膜の溶解及びイオン交換基量が減少するのに対し、無機化合物を含んでいる膜(実施例2)は、膜の分解及びイオン交換基量の低下が全く観察されていない。又、実施例3と比較例1、実施例4と比較例2の比較から、無機化合物を含んでいる膜(実施例3、4)は、無機化合物を含んでいない膜(比較例1、2)と比較して、膜の一部溶解は認めれれるものの、イオン交換量低下が抑制されている。
【0054】
実施例2と比較例3〜4の比較から、ケイ素酸化物とリン酸誘導体を主成分とする無機化合物を含む本発明のプロトン伝導膜(実施例2、3)は、ケイ素酸化物を単独で添加した膜(比較例3)と比較して、膜の溶解及びイオン交換基量の低下が著しく抑制されている。又は、リン酸誘導体を単独で添加した膜(比較例4)と比較して、膜の溶解が抑制されている。
【0055】
実施例2と比較例5の比較から、スルホン酸基を有する芳香族系高分子化合物の溶液中において、ケイ素酸化物とリン酸誘導体を主成分とする無機化合物を合成し、溶媒を乾燥除去することにより調製した本発明のプロトン伝導膜(実施例2)は、前記無機化合物を調製後、高分子化合物に添加した膜(比較例5)と比較して、膜の溶解及びイオン交換基量の低下が著しく抑制されている。
【0056】
上記比較から、本発明のプロトン伝導膜は、燃料電池を始めとする電気化学素子材料としての使用に充分な化学的安定性を有することが明らかとなった。
【0057】
以上の結果より、本発明のスルホン酸基を含有する芳香族系高分子化合物の溶液中において、ケイ素酸化物とリン酸誘導体を主成分とする無機化合物を合成し、溶媒を乾燥除去することにより調製される、有機化合物−無機化合物複合プロトン伝導膜は、実用的なプロトン伝導性を有し、かつ、従来のスルホン酸基含有芳香族炭化水素系膜と比較して、高い耐酸化性を有することが明らかとなった。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、スルホン酸基を有する芳香族系高分子化合物を含有する溶液中で、ケイ素酸化物とリン酸誘導体を主成分とする無機化合物を合成し、溶媒を乾燥除去することにより調製される製造方法で得られる、高分子化合物−無機化合物複合プロトン伝導膜により、安価で化学的安定性の高いプロトン伝導膜を提供することができる。又、それを使用した燃料電池は、純水素型、改質メタノール型、直接メタノール型等の固体高分子型燃料電池として有用なものが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池の要部断面図
【符号の説明】
1:プロトン伝導膜
2:触媒担持ガス拡散電極
3:流路
4:セパレーター
5:ガスケット

Claims (3)

  1. スルホン酸基を有する芳香族系高分子化合物を含有する溶液中で、ケイ素酸化物とリン酸誘導体を主成分とする無機化合物を合成し、溶媒を乾燥除去することを特徴とするプロトン伝導膜の製造方法。
  2. スルホン酸基を有する芳香族系高分子化合物を5〜50重量%含有する溶液中で、前記芳香族系高分子化合物100重量部に対し、ケイ素酸化物1〜60重量部、リン酸誘導体1〜60重量部を添加することを特徴とする請求項1記載のプロトン伝導膜の製造方法。
  3. 請求項1又は2の製造方法により得られるプロトン伝導膜を用いてなる燃料電池。
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