JP3682729B2 - 尿素窒素測定用試薬 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、尿素窒素(以下、UNと略称する)測定用試薬組成物に関する。更に詳しくは、溶液状態で長期間安定なUN測定用の改良された液状試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】
病院の検査室や検査センターで使用されている臨床検査薬のうち、不安定な酵素などを使用している試薬は、安定化を図るため、凍結乾燥品にし、使用時に溶解使用するのが主流になっている。しかしながら、このような臨床検査施設では、多項目を測定し、検体数も多いため、凍結乾燥品の溶解作業が負担になる事が多い。そのため、使用時に試薬を調製する必要のない、溶液状態で長期間安定な測定用試薬の開発が望まれている。UN測定用試薬に関しても例外ではなく、溶液状態で長期間安定なUN測定用試薬の開発が望まれている。
【0003】
現在、よく用いられているUN測定方法は、(1)検体試料をα−ケトグルタル酸(以下、α−KGと略称する)又はその塩、及び還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(以下、NADHと略称する)又は還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(以下、NADPHと略称する)の存在下に、グルタミン酸脱水素酵素(以下、GlDHと略称する)を作用させ、検体試料中に最初から存在する微量の内因性アンモニアを予め除去する予備工程と、(2)その反応液にウレアーゼを加え、検体試料中の尿素をアンモニアに分解し、このアンモニアの生成量に対応するNADH又はNADPH〔以下、NAD(P)Hと略称する〕の減少速度を測定する主工程とからなり、NAD(P)Hの減少速度からUN量を求めることを特徴とするUN測定方法である。
【0004】
この測定方法の主工程の基礎となる反応式を以下に示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記UN測定方法に用いられるUN測定用試薬は、α−KG又はその塩、NAD(P)H、及びGlDHを含有する予備工程反応を実施するための第一溶液と、ウレアーゼを含有する第二溶液とから構成するのが一般的であるが、第一溶液に含まれるNAD(P)H及びGlDHの溶液中での安定性の条件が異なるため、溶液状態で長期間安定に保存することができるUN測定用試薬の開発は困難であった。
例えば、NAD(P)Hは、アルカリ性領域で安定で、pH8.5〜11.0が好ましく、GlDHは、中性から弱アルカリ性領域で安定で、pH6.5〜9.5が好ましく、α−KGは、広いpH領域で安定であることがわかっている。そこで、α−KG又はその塩、NAD(P)H、及びGlDHを含有する溶液において、NAD(P)Hが安定で、且つGlDHも安定である条件は、弱アルカリ性からアルカリ性領域、特にpH8.5〜9.5が好ましいことが予想される。しかしながら、後述する比較例に示すように、pH条件のみでは、α−KG又はその塩、NAD(P)H、及びGlDHの全てを十分に安定化することはできなかった。
従って、本発明の目的は、溶液中においてNAD(P)H及びGlDHを共存させた条件で、NAD(P)H及びGlDHとα−KGとを共に安定化させ、溶液状態で長期間安定なUN測定用試薬を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明は、少なくとも、(a)α−ケトグルタル酸又はその塩、(b)還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド又は還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸、(c)グルタミン酸脱水素酵素、(d)牛血清アルブミン、(e)アデノシン−5’−三リン酸、(f)酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド又は酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸を補酵素とする脱水素酵素、並びに(g)前記脱水素酵素(f)の基質を含有する第一試薬と、少なくとも、(h)ウレアーゼを含有する第二試薬とからなり、それぞれ液状試薬であることを特徴とする尿素窒素測定用試薬に関する。
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
第一試薬に含まれるα−ケトグルタル酸(α−KG)又はその塩は、好ましくは0.1〜50mM、更に好ましくは、1.0〜10mMの濃度の範囲で用いる。0.1mM未満だとUN値の高い検体で不足してしまい、50mMを越えると溶解性が悪くなる。用いることのできるα−KGの塩は、グルタミン酸脱水素酵素の基質となるものである限り特に限定されないが、例えば、アルカリ金属(特にナトリウム、カリウム)との塩を用いるのが好ましい。
【0008】
第一試薬に含まれるグルタミン酸脱水素酵素(GlDH)は、好ましくは1〜100U/ml、更に好ましくは、10〜50U/mlの濃度の範囲で用いる。1U/ml未満だと反応速度が遅くなり、100U/mlを越えると、プロテアーゼや他の脱水素酵素のコンタミネーションによる、組成成分の劣化が起こることがある。
用いることのできるGlDHは、NAD(P)Hを補酵素とし、α−ケトグルタル酸とアンモニアを基質とするものであれば、由来は特に限定されない。具体的には、例えば、酵母やプロテウス属(Proteus)に属する微生物由来のGlDHを好適に使用することができる。
【0009】
第一試薬に含まれる還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)又は還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)は、好ましくは0.1〜1.0mM、更に好ましくは、0.2〜0.5mMの濃度の範囲で用いる。0.1mM未満だとUN値の高い検体で不足してしまい、1.0mMを越えると吸光度が分光光度計の限界を越える。NADHを補酵素とするGlDHを使用する場合にはNADHを用い、NADPHを補酵素とするGlDHを使用する場合にはNADPHを用い、NADHとNADPHを両方共に補酵素とするGlDHを使用する場合にはNADH又はNADPHを用いる。
【0010】
第一試薬に、少なくとも一方、又は両方同時に含まれる牛血清アルブミン(以下、BSAと略称する)及びアデノシン−5’−三リン酸(以下、ATPと略称する)は、GlDHを安定化させる作用がある。それぞれ単独でも安定化作用があり、BSAとATPとを共存させると相加的な効果を得ることができる。BSAを単独で用いる場合は、好ましくは0.01重量%以上、更に好ましくは0.1重量%〜1.0重量%の範囲で用いることができる。0.01重量%未満だとGlDHを安定化させる作用が不充分になり、1.0重量%を越えると試薬の粘性が高くなり、反応の再現性が良くないことがある。ATPを単独で用いる場合は、好ましくは0.1mM以上、更に好ましくは0.5mM〜50mMの範囲で用いることができる。0.1mM未満だとGlDHを安定化させる作用が不充分になり、50mMを越えると溶解性が悪くなることがある。BSAとATPとを共存させる場合には、好ましくはBSA0.005重量%以上とATP0.05mM以上、更に好ましくはBSA0.05%〜1.0重量%とATP0.25mM〜50mMの範囲で用いることができる。BSAが0.005重量%未満でATPが0.05mM未満だとGlDHを安定化させる作用が不充分になり、BSAが1.0重量%を越え、ATPが50mMを越えると、試薬の粘性が高くなり、反応の再現性が良くないことや、溶解性が悪くなることがある。
【0011】
第一試薬に含まれる緩衝液は、特に限定されないが、pH8.5〜9.5の範囲の任意の緩衝液を、測定条件に応じて選択することが可能である。例えば、トリエタノールアミン若しくはその塩酸塩、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、又はグッド(Good’s)緩衝液(例えば、Tricine、Bicine、TAPS、CHES、CAPSO)等の緩衝液を用いることが可能であり、特に、トリエタノールアミン塩酸塩が好ましい。
【0012】
また、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(以下、NADと略称する)又は酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(以下、NADPと略称する)を補酵素とする脱水素酵素及びその基質の組合せを第一試薬に含ませることにより、保存期間中のNAD(P)Hの減少を抑えることができる。それらの組合せは特に限定されないが、例えば、グルコース−6−リン酸脱水素酵素(以下、G6PDHと略称する)及びグルコース−6−リン酸(以下、G6Pと略称する)又はその塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、バリウム塩)、イソクエン酸脱水素酵素(以下、ICDHと略称する)及びイソクエン酸又はその塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)、又はGlDH及びL−グルタミン酸又はその塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、塩酸塩)を用いることができる。
NAD又はNADP〔以下、NAD(P)と略称する〕を補酵素とする脱水素酵素が、金属イオン等の補因子を必要とする場合、適当な補因子を加えることが好ましい。例えば、ICDH及びイソクエン酸又はその塩を用いる場合、マグネシウムイオン又はマンガンイオンなどの金属イオンを加えることが好ましい。
【0013】
NAD(P)を補酵素とする脱水素酵素及び基質は、微量でNAD(P)Hの減少を抑制することができる。例えば、G6PDH及びG6P又はその塩を用いる場合、G6PDH活性は、0.001U/l以上でNAD(P)Hの減少を抑える効果があり、特に0.01U/l〜1.0U/lが好ましい。G6P又はその塩は、0.05mM以上で効果があり、特に0.1mM〜10mMが好ましい。G6PDH活性が1.0U/lを越えると、検体試料中の尿素をウレアーゼによりアンモニア生成させ、アンモニアの生成速度に対するNAD(P)Hの減少速度を遅らせることがある。G6Pが10mMを越えると、検体試料中の尿素をウレアーゼによりアンモニア生成させ、アンモニアの生成速度に対するNAD(P)Hの減少速度を遅らせることがある。なお、G6PDHとしては、G6P又はその塩を基質とし、NAD(P)を補酵素とするものである限り特に限定されないが、例えば、酵母(yeast)、ロイコノストク・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)由来のG6PDHを好適に使用することができる。
【0014】
ICDH、マグネシウムイオン又はマンガンイオンなどの金属イオン及びイソクエン酸又はその塩を用いる場合、ICDH活性は、0.01U/ml以上でNAD(P)Hの減少を抑える効果があり、特に0.1U/ml〜100U/mlが好ましい。金属イオンとして塩化マグネシウムを用いる場合、0.1mM以上で効果がみられ、特に0.5mM〜50mMが好ましい。イソクエン酸又はその塩は、0.05mM以上で効果がみられ、特に0.5mM〜50mMが好ましい。ICDH活性が100U/lを越えるとプロテアーゼや他の脱水素酵素のコンタミネーションによる、組成成分の劣化が起こることがあり、塩化マグネシウムが50mMを越えると溶解性が悪くなることがあり、イソクエン酸又はその塩が50mMを越えると溶解性が悪くなることがある。
ICDH活性が高くなると、UN反応時のNAD(P)Hの減少速度を遅らせることがある。この場合、第2試薬にICDHの活性が無くなるように阻害剤を添加することができる。ICDH阻害剤としては、具体的には、キレート剤(特開昭62−6699号公報)、胆汁酸又はその塩類(特開平6−7162号公報)を添加することができる。なお、ICDHとしては、NAD(P)Hを補酵素とし、イソクエン酸又はその塩を基質とするものであれば、由来は特に限定されない。具体的には、例えば、ウシ心臓等の動物組織や酵母由来のICDHを好適に使用することができる。
【0015】
GlDH及びL−グルタミン酸又はその塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)を用いる場合、GlDH活性は、0.1U/ml以上でNAD(P)Hの減少を抑える効果があり、特に1.0U/ml〜100U/mlが好ましい。L−グルタミン酸又はその塩は、0.05mM以上で効果がみられ、特に0.5mM〜50mMが好ましい。GlDH活性が100U/lを越えるとプロテアーゼや他の脱水素酵素のコンタミネーションによる、組成成分の劣化が起こることがあり、L−グルタミン酸又はその塩が50mMを越えると溶解性が悪くなることがある。なお、GlDHとしては、NAD(P)Hを補酵素とし、α−ケトグルタル酸とアンモニアを基質とするものであれば、由来は特に限定されない。具体的には、例えば、酵母やプロテウス属(Proteus)に属する微生物を好適に使用することができる。
【0016】
ウレアーゼを含有する第二試薬のpHは、中性が好ましく、特にpH6.0〜8.0が好ましい。pHが6.0未満や8.0より大きいと、ウレアーゼの安定性は良くない。ウレアーゼ濃度は、好ましくは0.1〜5.0U/ml、更に好ましくは0.5〜2.0U/mlの範囲で用いることができる。なお、ウレアーゼとしては、尿素を加水分解し、アンモニアを生成するものである限り特に限定されないが、ナタマメやバクテリア由来のものを用いることができる。
また、必要に応じて、アセトヒドロキサム酸(以下、AHAと略称する)(特公平2−25509号公報)やBSAを共存させてウレアーゼを更に安定化することができる。AHAやBSAはそれぞれ単独でも安定化作用があり、AHAとBSAとを共存させると相加的な効果を得ることができる。AHAを単独で用いる場合は、好ましくは0.01〜10mM、更に好ましくは0.1〜1mMの範囲で用いることができる。0.01mM未満だとウレアーゼを安定化する効果が不十分になることがあり、10mMを越えるとウレアーゼの必要量が増え、コストの面で好ましくない。BSAを単独で用いる場合は、好ましくは0.01重量%以上、更に好ましくは0.1〜1重量%の範囲で用いることができる。0.01重量%未満だとウレアーゼを安定化する効果が不十分になることがあり、1重量%を越えると試薬の粘性が高くなり、反応の再現性が良くないことや、溶解性が悪くなることがある。更に、AHAとBSAとを共存させる場合においても、至適量はそれぞれ単独で用いる場合と同じ量であり、至適量からはずれたときの問題も同様に起こる。
【0017】
本発明の尿素窒素測定用試薬は、尿素をウレアーゼによってアンモニアに分解し、α−ケトグルタル酸又はその塩及び還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド又は還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸の存在下に、グルタミン酸脱水素酵素を作用させ、前記還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド又は還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸の減少量を測定することからなる尿素窒素測定法の測定用試薬として用いることができる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1:GlDH活性の残存率測定
表1に示した組成の本発明の尿素窒素測定用試薬の第一試薬(以下、本発明第一試薬1と称する)、表1に示した組成からG6PDH及びG6Pを除いた本発明の尿素窒素測定用試薬の第一試薬(以下、本発明第一試薬2)、表1に示した組成からG6PDH、G6P及びATPを除いた本発明の尿素窒素測定用試薬の第一試薬(以下、本発明第一試薬3)、並びに表1に示した組成からG6PDH、G6P及びBSAを除いた本発明の尿素窒素測定用試薬の第一試薬(以下、本発明第一試薬4)を調製し、更に、比較のために、表1に示した組成からG6PDH、G6P、BSA及びATPを除いた尿素窒素測定用試薬の第一試薬(以下、比較用第一試薬1)を調製した。また、本発明の尿素窒素測定用試薬の第二試薬を表2に示した組成に従って調製した。調製後、それぞれの第一試薬及び第二試薬を溶液状態で10℃で保存し、調製直後、更に保存開始から1月後、2月後、4月後及び6月後に、以下に示す方法により、それぞれの第一試薬に残存するGlDH活性を測定した。
【0019】
【表1】
トリエタノールアミン塩酸緩衝液(pH9.20) 50mM
NADPH 0.34mM
GlDH 20U/ml
α−KG 5.0mM
G6PDH 0.1U/l
G6P 1.0mM
BSA 0.2%
ATP 1.0mM
NaN3 0.05%
【0020】
【表2】
トリエタノールアミン塩酸緩衝液(pH7.80) 0.1M
ウレアーゼ 1.3U/ml
AHA 0.4mM
BSA 0.2%
【0021】
GlDH活性測定に用いるために、表3に示した組成の試薬A及び表4に示した組成の試薬Bを調製した。
【0022】
【表3】
トリエタノールアミン塩酸緩衝液(pH8.20) 50mM
NADPH 0.4mM
α−KG 5.0mM
EDTA2Na 1.0mM
NaN3 0.05%
(注:EDTA2Naは、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムである)
【0023】
【表4】
トリエタノールアミン塩酸緩衝液(pH8.20) 50mM
塩化アンモニウム 5.0mM
【0024】
前記の試薬A320μlに、前記の第一試薬2μlを加え、37℃で5分間加温した後、更に前記の試薬B80μlを加えて、340nmにおける1分間当たりの吸光度変化を測定し、GlDH活性を求めた。調製直後の吸光度変化を100%とし、10℃で1月、2月、4月及び6月間保存した後のGlDH活性の残存率(%)を表5に示す。比較用第一試薬では、6月後にGlDH活性が半分にまで減少したのに対し、本発明の尿素窒素測定用試薬の第一試薬である本発明第一試薬1〜4では、GlDH活性の残存率ははるかに高かった。
【0025】
【表5】
【0026】
実施例2:NADPHの残存率測定
前記実施例1で調製したそれぞれの第一試薬について、340nmの吸光度を測定し、NADPHの残存量を求めた。調製直後の吸光度を100%とし、10℃で1月、2月、4月及び6月間保存した後のNADPHの残存率(%)を表6に示す。比較用第一試薬では、6月後にNADPH残存量が67%にまで減少したのに対し、本発明の尿素窒素測定用試薬の第一試薬である本発明第一試薬1〜4では、NADPHの残存率は高かった。
【0027】
【表6】
【0028】
実施例3:UN量測定値の残存率
尿素窒素量が150mg/dlである尿素水溶液を調製し、被検試料として用いた。被験試料4μlと前記実施例1で調製した第一試薬320μlとを攪拌混合し、37℃で5分間加温した後、前記実施例1で調製した第二試薬80μlを添加し、37℃で撹拌混合した。第二試薬を添加して1分後から3分後の340nmにおける1分間当たりの吸光度変化を測定した。調製直後の吸光度変化量を100%とし、10℃で1月、2月、4月及び6月間保存した後の吸光度変化量(%)を表7に示す。比較用第一試薬では、6月後に吸光度変化量は半分以下にまで減少したのに対し、本発明の尿素窒素測定用試薬の第一試薬である本発明第一試薬1〜4では、吸光度変化量ははるかに高かった。
【0029】
【表7】
【0030】
【発明の効果】
本発明の尿素窒素測定用試薬は、溶液状態で、長期間安定に保存することができる。すなわち、本発明によれば、α−KG又はその塩、NAD(P)H、及びGlDHを含有する溶液に、牛血清アルブミン(BSA)及び/又はアデノシン−5’−三リン酸(ATP)を添加することにより、α−KG又はその塩、NAD(P)H、及びGlDHを同時に液状で長期間安定に保存することができる。また、NAD又はNADP〔NAD(P)〕を補酵素とする脱水素酵素及びその基質を、更に添加することによってNAD(P)Hの減少を抑えることができる。
Claims (1)
- 少なくとも、(a)α−ケトグルタル酸又はその塩、(b)還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド又は還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸、(c)グルタミン酸脱水素酵素、(d)牛血清アルブミン、(e)アデノシン−5’−三リン酸、(f)酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド又は酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸を補酵素とする脱水素酵素、並びに(g)前記脱水素酵素(f)の基質を含有する第一試薬と、少なくとも、(h)ウレアーゼを含有する第二試薬とからなり、それぞれ液状試薬であることを特徴とする尿素窒素測定用試薬。
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