JP3678891B2 - Pwmインバータ用出力回路 - Google Patents

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    • H02M7/538Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode using devices of a triode or transistor type requiring continuous application of a control signal using semiconductor devices only, e.g. single switched pulse inverters in a push-pull configuration

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電動機のコイル電圧をPWM制御するPWMインバータのパワー回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、モータ制御においてPWMインバータが急速に普及している。PWMインバータはモータに印加する電圧をPWM(Pulse Width Modulation)制御することにより、モータの駆動を制御するものである。一般的なPWMインバータの概略ブロック図を図20に示す。このPWMインバータにおいては、まず、周波数設定部358に対して電動機360に供給する三相交流電圧波形の基本周波数と実効電圧値がセットされる。つぎにPWM制御回路359は、周波数電圧設定部358に設定された情報をもとに内部で三相PWM信号を発生し、スイッチング指令信号342、361および362として出力する。
【0003】
このスイッチング指令信号342、361及び362は、電動機巻線端子352、363及び364をそれぞれ直流主電源314の正端子に接続するか、又は負端子に接続するかを指令する2値信号である。また、このスイッチング指令信号342、361および362の周波数はPWMキャリア周波数と呼ばれ、通常電動機360に供給する三相交流電圧波形の基本周波数の100倍以上の値をとる。
【0004】
一般的に、電動機に供給する三相交流電圧波形の基本周波数は0Hz〜200Hz程度で、PWMキャリア周波数は2kHz〜20kHz程度のものが多い。
【0005】
電動機開放信号356は、電動機をフリーラン状態とするか否かを指令する2値信号である。フリーラン状態とは電動機巻線端子352、363及び364の全てを直流主電源314の正端子にも負端子にも接続しない状態であり、何らかのトラブルが発生した場合等において、この状態に制御することにより電動機及び制御装置を保護する。
【0006】
PWMインバータ用出力回路353は、スイッチング指令信号342、361または362にしたがって、電動機巻線端子352、363及び364を直流主電源314の正端子または負端子に接続制御する半導体スイッチ回路である。
【0007】
このPWMインバータ用出力回路353の例として、図21に示す特開平6−284740号公報に開示されたものがある。図21において、スイッチング指令信号342、361及び362に相当する信号は入力端子203に入力され、電機子開放信号356に相当する信号は入力端子201に入力される。また、電機子巻線端子352、363又は364は出力端子205に相当する。さらに直流主電源314は電源Vbに相当する。このPWMインバータ用出力回路の特徴は、デッドタイムをゼロとしたスイッチング動作を実現したことにある。すなわち、この回路では、所定の高い電圧または低い電圧を出力端子205を介して出力するパワー回路において、パワー素子にN型のパワーMOSFET301とP型のパワーMOSFET302とを用い、それぞれのMOSFET301、302のゲートおよびソースを共通接続した構成としている。そして、これらのパワー素子(MOSFET)301、302の共通ゲートを定電流素子(トランジスタ)119、229により制御することにより、パワー素子301、302を交互にオン・オフし、出力端子205を電源Vbの正極側または負極側に切り換え、高電圧または低電圧を出力するようにしている。このとき、パワーMOSFET301、302のゲート及びソースは共通接続されているため、これらのパワー素子が共にオンすることは本質的にない。したがって、デッドタイムをゼロとしたPWMスイッチング制御が可能となる。このように、デッドタイムをゼロでスイッチング動作を行うことにより、パワー回路における制御誤差は発生せず、電動機の発生するトルク変動並びに騒音振動を極めて小さくでき、また消費電力の低減も可能としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この発明のPWMインバータ用出力回路では、定電流素子(トランジスタ)119または229が高圧(例えば、300V程度)で動作するため、パワー素子301、302のオン・オフを切り換える際にこれらの定電流素子が発熱し、回路の更なる小型化、低消費電力化、低コスト化を実現するには課題があった。
【0009】
一般的に、小型化、低消費電力化、低コスト化の実現には回路のLSI化が有望な方法として知られている。したがって、この回路においてもLSI化が要望されるが、そのためには、前述のトランジスタの発熱の問題を解決する必要がある。
【0010】
この課題の解決方法として、特開平7−15978号公報に開示された発明が考えられる。ここでは、ゲートアンプによりパワー素子対を駆動している。さらに、このゲートアンプは電源用コンデンサに充電したエネルギーを電源として、パワー素子を駆動するようになっている。したがって、ゲートアンプに印加される電圧は、電源用コンデンサの両端電圧に依存するため、必然的に印加電圧が制限され、ゲートアンプでの発熱を抑制でき、発熱の問題を解消できる。しかし、この回路では、電源用コンデンサを充電する際、充電経路を確立するために各相において、一対のパワー素子のうち低圧側のパワー素子をオンさせる必要がある。このことは、モータを制御する上で以下に示すような大きな制約を招くことになる。まず、何らかの外的要因によりモータが回転し、モータ巻線に誘起電圧が発生している場合には、低圧側パワー素子をオンするとモータの電機子が短絡して破壊を招く恐れがあるため、電源用コンデンサの初期充電ができない。したがって、風などの外的要因により強制的に回転させられることがある場合、例えば、空調機の室外機用ファンモータなどにはこの技術は適用することができない。
【0011】
また、モータをPWM制御により運転する場合においては、PWM制御の周期毎(一般的に1ms以下)に低圧側パワー素子をオンして電源用コンデンサの充電をリフレッシュしなければモータの運転を継続することができない。したがって、スイッチング回数の少ない二相PWM制御などにこの技術は適用することができない。ここで二相PWM制御とは、三相PWMインバータにおいて、いずれかの一相はPWMスイッチングをせずに残りの二相をPWMスイッチングすることでモータの駆動電圧を制御するものであり、スイッチング損失や漏れ電流低減などに効果があるとして一般的に知られているPWM制御技術である。
【0012】
一方、同様のPWMインバータ用出力回路として特開平4−230117号公報に開示された発明がある。この発明はレベルシフト回路に関するものである。このレベルシフト回路は、レベルシフトを行うレベルシフトトランジスタを有しており、このレベルシフトトランジスタのドレインまたはコレクタにおける浮遊容量のため生ずる速いdv/dt過渡現象による誤動作を防止したものである。すなわち、この発明では、出力ドライバを制御する制御パルスにおいて、ノイズ等により発生するdv/dt過渡信号の影響を防止するため、パルスフィルタを設け、このパルスフィルタを介して制御パルスをパワー回路を駆動する出力ドライバ回路に入力している。すなわち、パルスフィルタにおいて、所定時間より短い電圧変化を示す制御信号はキャンセルするようにすることにより、速いdv/dt過渡信号の影響を防止している。この方法では、パルスフィルタにおいて、速いdv/dt過渡信号に対して誤動作は防止できるが、遅いdv/dt過渡信号に対しては通過させてしまうため対応できない。したがって、ノイズ抑制のためdv/dtを緩やかにすることができず、回路設計上または運用上問題がある。また、出力ドライバ回路に対しパルスフィルタを介して制御パルスを入力するため、遅延時間が発生し、全体としてレスポンスが低下するという問題がある。
【0013】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、デッドタイムがゼロでPWM制御可能で、発熱が小さく、LSI化を可能とし、かつ、速い応答性を有し、dv/dt過渡状態に影響されないPWMインバータ用出力回路を提供することにある。さらに、外的要因により強制的に回転させられた状況でも電源用コンデンサの初期充電が可能で、また、長時間電源用コンデンサの充電をリフレッシュしなくともモータの運転が継続でき、スイッチング回数の少ない二相PWM制御等にも適用可能なPWMインバータ用出力回路を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明に係る第1のPWMインバータ用出力回路は、
直流主電源と、
制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して正電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第1のパワー素子と、制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して負電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第2のパワー素子とを有し、前記第1のパワー素子と前記第2のパワー素子との基準電極を共通接続し、前記第1のパワー素子と前記第2のパワー素子との制御電極を共通接続してなるパワー回路と、
制御電源と、
該制御電源の出力電圧を用いて充電される電源用コンデンサと、
前記パワー素子の開閉を指令する指令信号を入力し所定の複数の論理信号に変換する入力信号処理回路と、
前記入力信号処理回路から出力された複数の論理信号の組み合わせから要求されている制御状態を検出する状態検出回路と、該状態検出回路で検出された制御状態を保持するラッチ回路と、前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり、前記パワー素子の制御電極の電圧を制御する第1の出力ドライバと、前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり、前記パワー素子の基準電極の電圧を制御する第2の出力ドライバとを備え、前記第1および第2の出力ドライバは、前記ラッチ回路に保持された制御状態に基づいて前記スイッチング素子を開閉することにより、前記パワー素子の制御電極と基準電極間の電圧を制御し、前記電源用コンデンサを電源として前記パワー回路を駆動するプリドライブ回路と
を有する。
【0015】
前記第1のPWMインバータ用出力回路において、前記状態検出回路は、前記入力信号処理回路から出力される複数の論理信号の全てが同じとなる状態を除く状態を検出するようにしてもよい。
【0016】
前記第1のPWMインバータ用出力回路において、前記入力信号処理回路は、前記電源用コンデンサの充電が行われない場合、出力した論理信号に応じた制御状態がラッチ回路にラッチされた後、入力信号処理回路と状態検出回路との間を電気的に遮断してもよい。
【0017】
前記第1のPWMインバータ用出力回路において、前記制御電源の出力電圧を監視する電源監視回路をさらに備えてもよい。このとき、前記入力信号処理回路は、該電源監視回路の出力に基づき出力電圧異常時に、前記パワー回路のパワー素子を双方ともオフにするように論理信号を制御し、該論理信号に応じた制御状態がラッチ回路にラッチされた後、論理回路と状態検出回路との間を電気的に遮断してもよい。これにより、制御電源異常時にパワー回路のパワー素子をともにオフするフリーラン状態に制御する。
【0018】
本発明に係る第2のPWMインバータ用出力回路は、
直流主電源と、
制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して正電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第1のパワー素子と、制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して負電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第2のパワー素子とを有し、前記第1のパワー素子と前記第2のパワー素子との基準電極を共通接続し、前記第1のパワー素子と前記第2のパワー素子との制御電極を共通接続してなるパワー回路と、
制御電源と、
該制御電源の出力電圧を用いて充電される電源用コンデンサと、
前記パワー素子の開閉を指令する指令信号を入力し所定の論理信号に変換する入力信号処理回路と、
前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり、前記パワー素子の制御電極の電圧を制御する第1の出力ドライバと、前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり、前記パワー素子の基準電極の電圧を制御する第2の出力ドライバとを有し、前記入力信号処理回路からの論理信号に基づいて、前記第1および第2の出力ドライバの各スイッチング素子の開閉が制御され、前記パワー回路の制御電極および基準電極の電圧を所定値に制御することにより前記パワー回路を駆動するプリドライブ回路と、
前記電源用コンデンサを充電するための電流を掃引する充電手段とを備える。
このとき、前記PWMインバータ用出力回路において、前記パワー回路の出力端を介して前記制御電源の一端と前記電源用コンデンサの一端とを接続する第1の経路と、前記充電手段を介して前記電源用コンデンサの他端と前記制御電源の他端とを接続する第2の経路とからなる経路を充電経路とし、該充電経路を介して前記制御電源からの出力電圧を用いて前記電源用コンデンサを充電する。
【0019】
前記第2のPWMインバータ用出力回路は、前記プリドライブ回路の基準電位を監視する基準電位監視手段をさらに有し、前記充電手段は、微小電流である第1の充電電流を掃引する第1の充電電流手段と、第1の充電電流より大きな第2の充電電流を掃引する第2の充電電流手段とからなり、前記基準電位監視手段の出力に基づいて、前記プリドライブ回路の基準電位が所定範囲外である場合は第1の充電電流のみで電源用コンデンサを充電し、前記基準電位が所定範囲内にあるときに、少なくとも第2の充電電流で電源用コンデンサを充電するように充電電流を制御する充電制御回路を備えてもよい。
【0020】
前記第2のPWMインバータ用出力回路は、前記電源用コンデンサの両端電圧を監視するコンデンサ電圧監視手段をさらに有し、該コンデンサ電圧監視手段の出力に基づいて、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値未満又はこれ以下である場合は、前記電源用コンデンサの充電を行い、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値以上はこれを上回った場合は、電源用コンデンサの充電を終了する充電制御回路を備えてもよい。
【0021】
前記第2のPWMインバータ用出力回路は、前記第2の出力ドライバの出力端子と前記電源用コンデンサの他端との間に、電圧を制限する電圧クランプ手段を設けてもよい。この電圧クランプ手段はツェナダイオードにより構成することができる。
【0022】
前記第2のPWMインバータ用出力回路において、前記充電制御回路は、前記基準電位監視手段に加えて、前記電源用コンデンサの両端電圧を監視するコンデンサ電圧監視手段をさらに有してもよく、該コンデンサ電圧監視手段の出力に基づいて、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値未満又はこれ以下である場合は、前記電源用コンデンサの充電を行い、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値以上又はこれを上回った場合は、電源用コンデンサの充電を終了してもよい。
【0023】
前記第2のPWMインバータ用出力回路において、前記充電制御回路は、前記コンデンサ電圧監視手段の出力に基づき、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値以上又はこれより高くなったときに、充電が終了したとし、充電完了信号を出力するようにしてもよい。
【0024】
前記第2のPWMインバータ用出力回路において、前記第1の経路は、前記第2の出力ドライバの高圧側に接続されたスイッチング素子を通過するようにしてもよい。
【0025】
前記第2のPWMインバータ用出力回路において、前記充電制御回路は、電源用コンデンサ充電時に、前記第1の経路に含まれる前記スイッチング素子を導通させてもよい。
【0026】
前記第2のPWMインバータ用出力回路は、前記パワー回路の出力端子と前記電源用コンデンサの前記一端とを接続する充電バイパス回路をさらに備え、前記第1の経路は該充電バイパス回路も通過し得るようにしてもよい。バイパス回路により寄生ダイオードへの充電電流の流入を回避する。
【0027】
前記第2のPWMインバータ用出力回路において、前記充電バイパス回路は、抵抗とダイオードの直列回路であり、前記第2の出力ドライバに含まれるスイッチング素子の1つに並列に接続され、かつ、前記抵抗とダイオードとの接続点が前記パワー回路の出力端に接続されてもよい。
【0028】
前記第2のPWMインバータ用出力回路において、前記充電バイパス回路は、互いに逆方向に並列に接続されたダイオード対からなるダイオード回路と、該ダイオード回路と直列に接続されたダイオードとから構成され、前記ダイオード回路とダイオードとの接続点がパワー回路の出力端に接続される回路であってもよい。このとき、前記充電バイパス回路は前記第2の出力ドライバに含まれるスイッチング素子の1つと並列に接続される。
【0029】
本発明に係る第3のPWMインバータ用出力回路は、
直流主電源と、
制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して正電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第1のパワー素子と、制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して負電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第2のパワー素子とを有し、前記第1のパワー素子と前記第2のパワー素子との基準電極を共通接続し、前記第1のパワー素子と前記第2のパワー素子との制御電極を共通接続してなるパワー回路と、
制御電源と、
該制御電源の出力電圧を用いて充電される電源用コンデンサと、
前記パワー素子の開閉を指令する指令信号を入力し所定の論理信号に変換する入力信号処理回路と、
前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり、前記パワー素子の制御電極の電圧を制御する第1の出力ドライバと、前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり、前記パワー素子の基準電極の電圧を制御する第2の出力ドライバとを有し、前記入力信号処理回路からの論理信号に基づいて、前記第1および第2の出力ドライバの各スイッチング素子の開閉が制御され、前記パワー回路の制御電極および基準電極の電圧を所定値に制御することにより前記パワー回路を駆動するプリドライブ回路と、
運転開始前に電源用コンデンサを充電するための電流を掃引する初期充電手段と、運転開始後に電源用コンデンサを充電するための電流を掃引するリフレッシュ充電手段とからなる充電手段と
を備える。
このとき、前記PWMインバータ用出力回路において、前記パワー回路の出力端を介して前記制御電源の一端と前記電源用コンデンサの一端とを接続する第1の経路と、前記初期充電手段または前記リフレッシュ充電手段を介して前記電源用コンデンサの他端と前記制御電源の他端とを接続する第2の経路とからなる経路を充電経路とし、該充電経路を介して前記制御電源からの出力電圧を用いて前記電源用コンデンサを充電する。
【0030】
前記第3のPWMインバータ用出力回路において、前記初期充電手段は、前記プリドライブ回路の基準電位を監視する基準電位監視手段と、微小電流を発生する副充電電流手段と、前記微小電流より大きな初期充電電流を発生する初期充電電流手段とを有してもよい。このとき、前記初期充電手段は、前記基準電位電圧監視手段の出力に基づいて、前記プリドライブ回路の基準電位が所定範囲外である場合は副充電電流手段による微小電流のみで電源用コンデンサを充電し、プリドライブ回路の基準電位が所定範囲内にあるときに、少なくとも初期充電電流で電源用コンデンサを充電してもよい。
【0031】
前記第3のPWMインバータ用出力回路において、前記リフレッシュ充電手段は、前記プリドライブ回路の基準電位を監視する基準電位監視手段と、前記初期充電手段による充電電流よりも大きな値のリフレッシュ充電電流を発生する主充電電流手段とを有してもよい。このとき、リフレッシュ充電手段は、前記基準電位監視手段の出力に基づいて、前記プリドライブ回路の基準電位が所定範囲内にあるときに、少なくとも前記リフレッシュ充電電流で電源用コンデンサを充電してもよい。
【0032】
前記第3のPWMインバータ用出力回路において、前記充電制御回路は、前記電源用コンデンサの両端電圧を監視するコンデンサ電圧監視手段を有してもよく、前記初期充電手段またはリフレッシュ充電手段は、それぞれの充電動作時において、該コンデンサ電圧監視手段の出力に基づいて、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値未満又はこれ以下である場合は、前記電源用コンデンサの充電を行い、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値以上又はこれを上回った場合は、電源用コンデンサの充電を終了するようにしてもよい。
【0033】
前記第3のPWMインバータ用出力回路において、前記プリドライブ回路の出力ドライバの出力端子と前記電源用コンデンサの前記他端との間に、電圧を制限する電圧クランプ手段を設けてもよい。前記電圧クランプ手段はツェナダイオードから構成されてもよい。この電圧クランプ手段により電源用コンデンサの過剰な電圧上昇を防止する。
【0034】
前記第3のPWMインバータ用出力回路において、前記充電制御回路は、初期充電時に、前記コンデンサ電圧監視手段の出力に基づき、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値以上又はこれより高くなったときに、初期充電が終了したとし、充電完了信号を出力するようにしてもよい。
【0035】
本発明に係る第4のPWMインバータ用出力回路は、
直流主電源と、
制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して正電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第1のパワー素子と、制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して負電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第2のパワー素子とを有し、前記第1のパワー素子と前記第2のパワー素子との基準電極を共通接続し、前記第1のパワー素子と前記第2のパワー素子との制御電極を共通接続してなるパワー回路と、
制御電源と、
該制御電源の出力電圧を用いて充電される電源用コンデンサと、
前記パワー素子の開閉を指令する指令信号を入力し所定の論理信号に変換する入力信号処理回路と、
前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり、前記パワー素子の制御電極の電圧を制御する第1の出力ドライバと、前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり、前記パワー素子の基準電極の電圧を制御する第2の出力ドライバとを有し、前記入力信号処理回路からの論理信号に基づいて、前記第1および第2の出力ドライバの各スイッチング素子の開閉が制御され、前記パワー回路の制御電極および基準電極の電圧を所定値に制御することにより前記パワー回路を駆動するプリドライブ回路と、
前記電源用コンデンサ充電時に充電経路となるスイッチング素子に対して、該スイッチング素子の導通方向にスイッチング素子と並列になるように接続され、オンしたときに前記スイッチング素子に流れる電流を迂回させるための迂回経路を形成するバイパス回路と、
前記電源用コンデンサの端子間電圧が低く、前記スイッチング素子が前記充電経路を形成できない場合、該バイパス回路をオンさせるバイパス制御回路と
を備えた。
充電時において、バイパス回路をオンし、迂回経路を形成することにより、スイッチング素子への充電電流の流入を防ぎ、スイッチング素子の寄生ダイオードの影響を回避する。
【0036】
前記PWMインバータ用出力回路のパワー回路において、前記パワー素子の1つはパワーMOSFETから構成されてもよい。
【0037】
また、前記パワー回路において、前記パワー素子の1つは、パワーMOSFETと、該パワーMOSFETの逆方向導通電流を阻止するため、該パワーMOSFETの導通方向に直列に接続された第1のダイオードと、前記パワーMOSFETと該第1のダイオードとの直列回路に並列に、該直列回路と逆導通方向に接続される第2のダイオードとから構成されてもよい。
【0038】
また、前記パワー回路において、前記パワー素子の1つはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transister)から構成されてもよい。
【0039】
第5ないし第8のPWMインバータ用出力回路は、前記第1ないし第4のPWMインバータ用出力回路のそれぞれにおいて、前記パワー回路の代わりに、制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して所定電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第1のパワー素子と、制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して所定電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第2のパワー素子とからなるパワー回路を備え、このパワー回路を第1のパワー素子を駆動する第1のプリドライブ回路と、第2のパワー素子を駆動する第2のプリドライブ回路とで駆動するように構成したものである。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るPWMインバータ用出力回路の実施の形態を添付の図面を参照して説明する。
【0041】
実施の形態1.
<回路構成>
図1に本実施形態のPWMインバータ用出力回路のブロック図を示す。図に示すようにPWMインバータ用出力回路は、電動機に駆動電圧を出力するパワー回路11と、パワー回路11を制御するための制御情報を入力する入力信号処理回路13と、制御情報を伝達する信号線を制御情報に基づいて所定の制御状態にするレベルシフト回路15と、信号線の制御状態に基づいてパワー回路11の駆動を制御するプリドライブ回路17と、パワー回路11を駆動するための電圧を供給する電源用コンデンサC1と、電源用コンデンサC1の充電を制御する充電制御回路19と、出力電圧を与える直流主電源V1と、本回路全体を駆動するための電源を与える制御電源V2とからなる。以下にそれぞれの回路の構成について説明する。
【0042】
パワー回路11は、図1に示すようにN型のMOSFETからなる第1のパワー素子P1およびP型のMOSFETからなる第2のパワー素子P2からなり、これらのパワー素子P1、P2のソースおよびゲートが共通接続されている。第1のパワー素子P1のドレインは、直流主電源V1の高圧側に接続され、第2のパワー素子P2のドレインは、直流主電源V1の低圧側に接続されている。パワー素子P1、P2のソースが共通接続された点をパワー回路11の出力端とし、この出力端は出力端子104に接続されている。また、パワー素子P1、P2はMOSFETで構成されているため、それぞれソース・ドレイン間に寄生ダイオードBD1、BD2を有している。
【0043】
入力信号処理回路13およびレベルシフト回路15の回路図を図2に示す。図に示すように入力信号処理回路13は、NANDゲートNA1、NA2、インバータゲートIV1、IV2、論理回路31および制御電源監視回路33により構成される。制御電源監視回路33は制御電源V2の電圧を監視するものであり、制御電源V2の電圧が所定の正常範囲内にあるときはHighレベルの信号(以下、「H」と表す)を出力し、それ以外の範囲にあるときはLowレベルの信号(以下、「L」と表す)を出力する。論理回路31は入力A、Bと出力X、Yとを有し、入力に対する出力の関係を図5に示す。ここで、図中「*」は任意の値を示し、「→」は所定時間後にその値が変化することを示す。また、入力信号処理回路13は、パワー回路11の制御情報を入力するための入力端子101、102を有している。
【0044】
レベルシフト回路15は、信号線25、27、29と、抵抗R1、R2と、MOSFETQ1、Q2と、ダイオードD1〜D3とからなる。図2に示すように信号線25には抵抗R1とN型のMOSFETQ1とが直列に接続されており、信号線27には抵抗R2とN型のMOSFETQ2とが直列に接続されている。MOSFETQ1、Q2のゲートは入力信号処理回路13の論理回路31の出力X、Yにそれぞれ接続されている。信号線25、27の一端は抵抗R1、R2を介してプリドライブ回路17の高圧側端に接続され、他端はMOSFETQ1、Q2を介してPWMインバータ用出力回路の基準電位を与えるグランドラインに接続されている。したがって、MOSFETQ1、Q2がオフしている場合、信号線25、27は「H」の状態になり、MOSFETQ1、Q2がオンしている場合、MOSFETQ1、Q2が発生する1mA程度の電流により抵抗R1、R2に電圧降下が生じ、信号線25、27は「L」の状態になる。信号線25、27は入力信号回路13における論理回路31の出力に基づいて所定の制御状態にされる。また、図中に示されるダイオードD1〜D3は、プリドライブ回路17の状態検出回路34(後述)の入力保護のために設けられたものである。
なお、特に図示していないが、信号線25、27、29には配線や各回路素子の存在による浮遊容量が結合されている。
【0045】
プリドライブ回路17の回路図を図3に示す。プリドライブ回路17は、状態検出回路34と、フィルタ回路FL1〜FL3と、ラッチ回路RS1、RS2と、ドライバ制御回路36と、出力ドライバ回路37と、バイパス回路41と、バイパス制御回路42aと、電源用コンデンサ不足電圧検出回路35とを有している。状態検出回路34は、NORゲートNR1、NANDゲートNA3、NA4およびインバータゲートIV3〜IV5とからなる。
ここで、状態検出回路34は、レベルシフト回路15において信号線25、27、29が全て「H」または「L」となる状態以外の状態を検出する。すなわち、NORゲートNR1は信号線25、27、29が「L」、「L」、「H」の状態を検出し、この状態のときにのみ、その出力を「H」とし、NANDゲートNA3は信号線25、27が「L」、「H」の状態を検出し、この状態のときにのみ、その出力を「L」とし、NANDゲートNA4は信号線25、27が「H」、「L」の状態を検出し、この状態の時にのみその出力を「L」とすることで、信号線25、27、29の上記3種の論理状態を意味のある制御状態として検出するようにしている。
このように、信号線25、27、29が全て「H」または「L」となる状態以外の状態を検出することで、信号線25、27、29に浮遊して存在する浮遊容量の影響による誤動作を防止している。
【0046】
ここで、フィルタ回路FL1〜FL3は、抵抗とダイオードとコンデンサとインバータゲートとから構成される。ラッチ回路RS1、RS2はRSフリップフロップで構成される。ラッチ回路RS1はセット入力/S1、/S2、リセット入力/R、出力/Qの端子を有し、ラッチ回路RS2はセット入力/S、リセット入力/R、出力Q、/Qの端子を有している。ここで、「/」の記号はアクティブ・ローで動作することを示す。ラッチ回路RS1においての優先順位は/S1>/R>/S2となり、ラッチ回路RS2においては/S>/Rとなる。また、ドライバ制御回路36はNANDゲートNA5、NA6とインバータゲートIV11〜IV14とから構成される。
【0047】
出力ドライバ回路37は、スイッチング素子Q11とスイッチング素子Q12を直列に接続した第1の出力ドライバと、スイッチング素子Q13とスイッチング素子Q14を直列に接続した第2の出力ドライバとからなる。スイッチング素子Q11、Q13はP型のMOSFETで構成され、スイッチング素子Q12、Q14はN型のMOSFETで構成される。第1の出力ドライバにおいて、スイッチング素子Q11とスイッチング素子Q12との接続点をこの出力ドライバの出力端とする。この出力端はパワー素子P1、P2のゲート電位を制御するゲート電位制御線21に抵抗R3を介して接続される。第2の出力ドライバにおいて、スイッチング素子Q13とQ14との接続点をこの出力ドライバの出力端とする。この出力端はパワー素子P1、P2のソース電位を制御する基準電位制御線23に接続される。
【0048】
バイパス回路41は、P型のMOSFETQ21とツェナダイオードZD2とからなり、スイッチング素子Q13に並列に接続される。ツェナダイオードZD2はMOSFETQ21のゲート・ソース間に接続される。バイパス制御回路42aは、バイパス回路41の開閉を制御するためのものであり、インバータゲートIV15とP型のMOSFETQ23とから構成される。インバータゲートIV15の入力には電源用コンデンサ不足電圧検出回路35からの出力が入力される。電源用コンデンサ不足電圧検出回路35は、パワー回路11を十分にオン・オフでき得る電圧が電源用コンデンサC1に充電されているか否かを検出するものであり、電源用コンデンサC1の電圧がパワー回路11を十分にオン・オフできる電圧範囲(通常範囲)内にあるときは「H」を出力し、その範囲外にあるときは「L」を出力する。電源用コンデンサ不足電圧検出回路35の出力は、ラッチ回路RS1およびバイパス制御回路42aに入力される。
【0049】
このように構成されたプリドライブ回路17において、出力ドライバ回路37の各スイッチング素子Q11〜Q14がオン・オフすることにより制御線21、23の電位が制御され、パワー回路11内のパワー素子P1、P2がオン・オフされる。電源用コンデンサC1は出力ドライバ回路37の両端に接続され、制御線21、23を所定の電位に制御する際の電源となる。
【0050】
図4に充電制御回路19の回路図を示す。充電制御回路19は電源用コンデンサC1の充電を制御するための回路である。充電制御回路19は、電源用コンデンサC1の両端電圧を監視するコンデンサ電圧監視回路43と、信号を遅延させる遅延回路45と、プリドライブ回路17の基準電位を監視するプリドライブ基準電位監視回路47と、微小な電流である第1の充電電流を掃引する定電流源CS2と、第1の充電電流よりも大きな第2の充電電流を掃引する充電電流回路49と、充電電流回路49を制御する制御回路51とからなる。
【0051】
コンデンサ電圧監視回路43は、コンパレータCP1と、抵抗R4と定電流源CS1とから構成される。コンパレータCP1の正入力はノードpを介して電源用コンデンサC1の低圧側端に接続され、負入力は抵抗R4と定電流源CS1との接続点に接続される。
【0052】
プリドライブ基準電位監視回路47は、P型のMOSFETQ46、Q47とダイオードD5とから構成される。MOSFETQ46、Q47のゲートは共通に接続され、MOSFETQ47のソースにはダイオードD5のカソードが接続される。また、MOSFETQ47のゲートはドレインに接続される。ダイオードD5のアノードはノードpを介して電源用コンデンサC1の低圧側端に接続され、MOSFETQ46のソースは端子yを介して制御電源V2の正極に接続される。MOSFETQ47のドレインは定電流源CS2を介して、MOSFETQ46のドレインは抵抗R5を介して、それぞれ制御電源V2の負極に接続される。プリドライブ基準電位監視回路47は定電流源CS2により駆動され、制御電源V2の正極電圧に対するプリドライブ回路17のグランド電位(電源用コンデンサC1の低圧側)を、プリドライブ回路17の基準電位として監視する。ここで、定電流源CS2は100μA程度の微小電流を掃引する。プリドライブ回路17の基準電位(電源用コンデンサC1の低圧側電位)はパワー素子のオン・オフ動作に応じて変化する。
【0053】
遅延回路45は、インバータゲート、抵抗、ダイオードおよびコンデンサから構成される。また、制御回路51は、NANDゲートNA7〜NA10、インバータゲートIV16〜IV20、NORゲートNR2およびラッチ回路RS3から構成される。
【0054】
充電電流回路49はサイズの異なるN型のMOSFETQ31、Q33とが並列に接続されて構成され、第2の充電電流を制御する。具体的には、MOSFETQ31は第2の充電電流を300mA程度に制御し、MOSFETQ33は50mA程度に制御する。これらのMOSFETQ31、Q33は制御回路51からの制御信号によりオン・オフが制御される。バイパス制御回路42bは抵抗R6、R7とN型のMOSFETQ41〜Q44とから構成され、バイパス制御回路42aとともに、プリドライブ回路17におけるバイパス回路41のオン・オフを制御する。
【0055】
<入力される制御信号>
ここで、パワー回路11の駆動を制御するために本PWMインバータ用出力回路に入力される制御信号について説明する。
入力信号処理回路13には、入力端子101を介して電動機開放信号および入力端子102を介してスイッチング指令信号が入力される。電動機開放信号は、パワー回路11を、パワー素子P1、P2の双方がとともにオフとなるフリーラン状態にするための制御信号である。本実施形態では、電動機開放信号が「L」のときにパワー回路11がフリーラン状態になるものとする。スイッチング指令信号はパワー素子P1、P2のいずれをオンさせるかを指令する制御信号である。スイッチング指令信号が「L」のとき、第1のパワー素子P1はオフ、第2のパワー素子P2はオンし、一方、「H」のときは、第1のパワー素子P1はオン、第2のパワー素子P2はオフするものとする。
【0056】
<動作の説明>
このように構成されたPWMインバータ用出力回路の動作について以下に説明する。
入力信号処理回路13において、入力端子101、102を介してパワー回路11の駆動を指令するための信号が入力されると、これらの信号に基づき所定の論理信号が生成される。レベルシフト回路15において、この論理信号に基づき信号線25、27が所定の制御状態にされる。プリドライブ回路17において、信号線25、27の制御状態を検出し、検出した制御状態に基づいて、電源用コンデンサC1を電源として制御線21、23の電位を変化させることにより、パワー回路11のパワー素子P1、P2のオン・オフを制御する。これにより、出力端が直流主電源V1の正側または負側に切り換えて接続されることにより、所望のPWM電圧が得られる。また、この間、電源用コンデンサC1の充電は充電制御回路19により制御される。以下に、通常運転時におけるパワー回路11の駆動動作について詳細に説明する。なお、通常運転時においては、制御電源V2の電圧および電源用コンデンサC1の充電電圧は正常範囲内にあるものとする。
【0057】
<パワー回路の駆動制御>
最初に、パワー回路11内の第1のパワー素子P1をオフさせ、第2のパワー素子P2をオンさせる場合を考える。このとき、電動機開放信号は「H」に、スイッチング指令信号は「L」である。
【0058】
入力信号処理回路13において、制御電源V2の電圧は正常範囲内にあるため、制御電源監視回路33は「H」を出力する。電動機開放信号が「H」であるため、論理回路31の入力Aには「H」が入力される。スイッチング指令信号は「L」であるため、入力Bには「L」が入力される。このとき、図5より論理回路31の出力Xは「L」、出力Yは最初「H」になる。したがって、レベルシフト回路15において、トランジスタQ1がオフし信号線25は「H」になり、トランジスタQ2がオンし信号線27は「L」になる。ここで、出力Yは最初「H」を出力しているが、所定時間経過後「L」を出力する。この所定時間は、論理回路31が最初に出力した後、ラッチ回路RS1、RS2において制御状態が保持されるまでの時間以上に設定される。
【0059】
プリドライブ回路17において、状態検出回路34は、レベルシフト回路15の信号線25、27の状態を検出する。すなわち、信号線25、27の状態がそれぞれ「H」、「L」のとき、状態検出回路34において、NANDゲートNA4がこの状態を検出する。このとき、NANDゲートNA4には「H」と「H」が入力されるため、出力は「L」となる。また、NANDゲートNA3には「L」と「L」が入力されるため、出力は「H」となる。また、NORゲートNR1には信号線25により1つの入力が「H」となるため、その出力は「L」となる。ここで、信号線29の状態は、バイパス制御回路42a、42bにより決定され、通常運転時においては「H」である。これについては後述する。
【0060】
状態検出回路34からの出力信号は、フィルタ回路FL1〜FL3を介してラッチ回路RS1、RS2に入力される。ここで、フィルタ回路FL1〜FL3は状態検出回路34を構成する論理ゲートの遅延により発生するノイズを除去するとともに波形の整形を行うものである。フィルタ回路FL1は入力を反転させて出力する。ここで、上記した論理ゲートの遅延による発生ノイズは極めて微小であり、また、極短時間で消滅するものであり、多くの場合は問題にならない。このような場合は、これらのフィルタ回路FL1〜FL3はなくてもよい。なお、この場合、論理を適合させるため、フィルタ回路FL1を構成するインバータゲートに相当する部分は必要であることは言うまでもない。
【0061】
ラッチ回路RS1のセット入力/S1には電源用コンデンサ不足電圧検出回路35の出力が入力される。電源用コンデンサ不足電圧検出回路35は、電源用コンデンサC1の充電電圧が正常範囲内であるため「H」を出力する。したがって、ラッチ回路RS1のセット入力/S1には電源用コンデンサ不足電圧検出回路35から「H」が入力される。ラッチ回路RS1のセット入力/S2にはNORゲートNR1からフィルタ回路FL1を介して「H」が入力され、リセット入力/Rにはフィルタ回路FL3を介してNANDゲートNA4から「L」が入力される。したがって、ラッチ回路RS1はリセットされて出力/Qから「H」が出力される。同様に、ラッチ回路RS2のセット入力/Sにはフィルタ回路FL2を介して「H」が、リセット入力/Rにはフィルタ回路FL3を介して「L」が入力されるため、ラッチ回路RS2はリセットされて出力/Qから「H」が、出力Qから「L」が出力される。したがって、NANDゲートNA5の入力は全て「H」になるため、出力は「L」になり、スイッチング素子Q11、Q12にインバータゲートIV11、IV12を介して「H」が入力される。
【0062】
また、NANDゲートNA6には、ラッチ回路RS2の出力Qから「L」が入力されるため、NANDゲートNA6の出力は「H」になる。スイッチング素子Q13、Q14にはインバータIV13、IV14を介して「L」が入力される。したがって、スイッチング素子Q12、Q13がオンする。スイッチング素子Q12、Q13はオンして、導通することにより電源用コンデンサC1を電源としてゲート電位制御線21、基準電位制御線23を所定電位にする。すなわち、ゲート電位制御線21が「L」になり、基準電位制御線23が「H」になる。これにより、パワー回路11内の第1のパワー素子P1がオフし、第2のパワー素子P2がオンする。
【0063】
この間、スイッチング素子Q13に並列に接続されたバイパス回路41は、バイパス制御回路42a、42bの制御のもと通常動作時はオフしており、前述の動作に対しては影響しないようになっている。これらの回路41、42a、42bの動作については後述する。
【0064】
以上のように、第1のパワー素子P1がオフして第2のパワー素子P2がオンするが、この時、これらのパワー素子の動作に伴って、プリドライブ回路17の基準電位は降下する。一方、信号線25、27、29の状態はこれらの信号線に浮遊する浮遊容量が影響し、プリドライブ回路17の基準電位が降下する際に、全てが一瞬「H」の状態となる。これは上記浮遊容量の蓄積電荷が各信号線に流入するためである。しかし、状態検出回路34によって信号線25、27、29が全て「H」の状態は検出しないように構成しているため、この浮遊容量の影響によりプリドライブ回路17が誤って動作することはない。
【0065】
また、上記の場合、入力信号処理回路13の論理回路31の出力Yは、所定時間経過後、すなわち、電動機開放信号およびスイッチング指令信号に基づく制御状態がラッチ回路RS1、RS2でラッチされた後、図5に示すように「H」から「L」に切り変わり、論理回路31の出力X、Yがともに「L」になる。論理回路31の出力X、Yがともに「L」になると、トランジスタQ1、Q2がともにオフになり、信号線25、27を流れる電流を遮断する。これにより、入力信号処理回路13とプリドライブ回路17とが電気的に遮断される。このように、入力信号処理回路13とプリドライブ回路17とを遮断しても、パワー回路11の制御が不可能になることはない。つまり、電動機開放信号およびスイッチング指令信号に基づく制御状態がラッチ回路RS1、RS2に保持された後に遮断されるため、制御状態はラッチ回路RS1、RS2に保持されており、プリドライブ回路17と入力信号処理回路13とが切り離されても、この状態に基づいてパワー回路11に対して継続して制御を行うことができる。本実施形態のPWMインバータ用出力回路は、このようにパワー回路11に対する制御情報を入力し、プリドライブ回路17に伝達し、制御情報に基づいた制御状態を保持した後で、制御情報を伝達する信号線25、27に流れる電流を遮断することによりレベルシフト回路15におけるMOSFETQ2の消費電力を低減している。
【0066】
なお、この場合、レベルシフト回路15におけるMOSFETQ2の消費電力は比較的小さく、また、電源用コンデンサC1は充電状態にあり(後述)、電荷が消費されることもないため、MOSFETQ2をオンし続けて信号線27を遮断しないようにしてもよい。すなわち、論理回路31の出力Yは所定時間経過後も「H」のままでもよい。
【0067】
次に、第1のパワー素子P1をオン、第2のパワー素子P2をオフさせる場合を考える。このとき、電動機開放信号およびスイッチング指令信号はともに「H」になる。電動機開放信号と制御電源監視回路33の出力とはともに「H」であるため、入力信号処理回路13において、論理回路31の入力AにはインバータIV1を介して「H」が入力される。論理回路31の入力Bには「H」が入力される。図5より、論理回路31の出力Xは最初「H」に、出力Yは「L」になる。ここで、出力Xは最初「H」を出力し、所定時間経過後、レベルシフト回路15を制御電源V2から切り離すために「L」になる。したがって、論理回路31からの出力信号の出力直後は、トランジスタQ1はオンし、トランジスタQ2はオフする。このため、レベルシフト回路15において、信号線25は「L」に、信号線27は「H」になる。
【0068】
その後、プリドライブ回路17において、状態検出回路34は、このときの信号線25、27の状態をNANDゲートNA3により検出する。つまり、NANDゲートNA3は、その入力がともに「H」になるため「L」を出力する。また、NANDゲートNA4は、その入力がともに「L」になるため「H」を出力する。また、信号線27は「H」であるため、NORゲートNR1は他の入力にかかわらず「L」を出力する。
【0069】
ラッチ回路RS1において、セット入力/S1には電源用コンデンサ不足電圧検出回路35から「H」が、セット入力/S2にはNORゲートNR1からフィルタ回路FL1を介して「H」が、リセット入力/RにはNANDゲートNA4からフィルタ回路FL3を介して「H」がそれぞれ入力される。この場合、ラッチ回路RS1の出力/Qは変化せず、現在保持している状態(パワー素子P1をオフ、パワー素子P2をオンさせるときの状態)が出力される。すなわち、出力/Qから「H」が出力される。また、ラッチ回路RS2においては、セット入力/SにはNANDゲートNA3からフィルタ回路FL2を介して「L」が入力されるため、ラッチ回路RS2はセットされて出力/Qから「L」が出力される。
【0070】
ドライバ制御回路36のNANDゲートNA5において、ラッチ回路RS2の出力/Qから「L」が入力されるため、NANDゲートNA5の出力は「H」となる。また、NANDゲートNA6において、電源用コンデンサ不足電圧検出回路35から「H」が、ラッチ回路RS1の出力/Qから「H」が、ラッチ回路RS2の出力Qから「H」が入力されるため、「L」が出力される。したがって、出力ドライバ回路37のスイッチング素子Q11、Q12に「L」が入力され、スイッチング素子Q11がオンする。また、スイッチング素子Q13、Q14に「H」が入力され、スイッチング素子Q14がオンする。これにより、電源用コンデンサC1を電源として、ゲート電位制御線21は「H」に、基準電位制御線23は「L」に制御され、パワー回路11内の第1のパワー素子P1がオンし、第2のパワー素子P2がオフする。
【0071】
以上のように、第1のパワー素子P1がオンして第2のパワー素子P2がオフするが、この時、これらのパワー素子の動作に伴って、プリドライブ回路17の基準電位は上昇する。一方、信号線25、27、29の状態はこれらの信号線に浮遊する浮遊容量が影響し、プリドライブ回路17の基準電位が上昇する際に、全てが一瞬「L」の状態となる。これは上記浮遊容量への充電電流が各信号線より流出するためである。しかし、状態検出回路34によって信号線25、27、29が全て「L」の状態は検出しないように構成しているため、この浮遊容量の影響によりプリドライブ回路17が誤って動作することはない。
また、この場合も同様に、制御状態がラッチされた後、論理回路31によりレベルシフト回路15の信号線25、27が遮断される。これにより、パワー回路11駆動時のレベルシフト回路15におけるMOSFETQ1の消費電力並びに電源用コンデンサC1の電荷消費量を削減できる。
【0072】
最後に、パワー素子P1、P2をともにオフするフリーラン状態に制御する場合の動作について説明する。
【0073】
この場合、電動機開放信号は「L」になる。このとき、入力信号処理回路13において、論理回路31の入力Aが「L」になり、図5より出力Xおよび出力Yはともに「H」になる。トランジスタQ1、Q2はともにオンし、信号線25、27はともに「L」になる。また、前述のように通常運転時においては信号線29は「H」である。プリドライブ回路17において、状態検出回路34はこのとき信号線25、27、29の状態をNORゲートNR1により検出する。つまり、状態検出回路34のNORゲートNR1に対する入力は全て「L」となり、その出力は「H」になる。また、NANDゲートNA3、NA4の出力はともに「H」になる。これにより、ラッチ回路RS1のセット入力/S1は「H」に、セット入力/S2は「L」に、リセット入力/Rは「H」になり、ラッチ回路RS1はセットされて出力/Qは「L」になる。
【0074】
したがって、ドライバ制御回路36のNANDゲートNA5、NA6に対する入力のうち少なくとも1つが「L」となるため、それらの出力はともに「H」となる。このため、出力ドライバ回路37のスイッチング素子Q11〜Q14に「L」が入力され、スイッチング素子Q11とQ13がオンし、ゲート電位制御線21および基準電位制御線23がともに「H」に制御され、パワー回路11内のパワー素子P1、P2のゲート−ソース間電圧はゼロとなり、ともにオフにされる。すなわち、フリーラン状態に制御される。
このとき、フリーラン状態はスイッチング素子Q11とQ13のオンにより瞬時に実現されるが、これにより何らかのトラブルが発生した際の電動機及び制御装置の保護を瞬時に行うことができ、システムをより安全なものとすることができる。
【0075】
ここでは、制御線21、23をともに「H」としてフリーラン状態に制御したが、こうすることによりフリーラン状態においても電源用コンデンサC1への充電が可能となる(詳細は後述)。なお、単にフリーラン状態に制御するのであれば、制御線21、23をともに「L」としてもよい。
【0076】
以上のように、パワー素子P1、P2をともにオフしてフリーラン状態とするが、この時これらのパワー素子の動作に伴ってプリドライブ回路17の基準電位は下降あるいは上昇する。一方、信号線25、27、29の状態は、これらの信号線に浮遊する浮遊容量が影響し、プリドライブ回路17の基準電位が下降する場合は全てが一瞬「H」となり、上昇する場合は全てが一瞬「L」となる。しかし、状態検出回路34によって、信号線25、27、29が全て「H」あるいは「L」の状態は検出しないように構成しているため、この浮遊容量の影響によりプリドライブ回路17が誤って動作することはない。
また、この場合も前述のように、制御状態がラッチされた後、論理回路31の出力Xおよび出力Yをともに「L」としてレベルシフト回路15の信号線25、27が遮断されるようにしてもよい。これにより、パワー回路11駆動時のレベルシフト回路15におけるMOSFETQ1の消費電力並びに電源用コンデンサC1の電荷消費量を削減できる。
【0077】
以上のようにして、本実施形態のインバータ用出力回路において、電動機開放信号およびスイッチング指令信号に基づいてパワー回路11のパワー素子P1、P2の開閉を制御することができる。
【0078】
<電源用コンデンサの充電動作>
以下に、電源用コンデンサC1の充電動作について詳細に説明する。
本PWMインバータ用出力回路は、出力ドライバ回路37のスイッチング素子Q13がオンしているときに、電源用コンデンサC1の充電を行う。このときの電源用コンデンサC1の充電経路を図6に示す。充電経路は図において破線で示されている。すなわち、充電経路は、制御電源V2(正極)→パワー素子P2の寄生ダイオードBD2→バイパス回路41またはスイッチング素子Q13→電源用コンデンサC1→充電電流回路49→制御電源V2(負極)となる。ここで、パワー素子P2の寄生ダイオードBD2はパワー素子P2の両端電位の関係ではオンしない場合がある。この場合は、出力端子104、端子yを介して他の相の巻線を経由して充電電流が流れる。いずれの場合も、パワー回路11の出力端を経由して充電電流が流れる。
【0079】
充電制御回路19は、電源投入直後等の運転開始前の初期状態において電源用コンデンサC1を充電(以下、「初期充電」という。)する場合と、定常運転動作中において消費されるエネルギーの回復のために充電(以下、「リフレッシュ充電」という。)する場合において、充電の制御を切り換えて行っている。すなわち、リフレッシュ充電時においては、定常運転中の電源用コンデンサC1の充電を迅速に行う必要があることから、初期充電よりも大きな充電電流を用いて充電を行うようにした。本実施形態では、初期充電電流は50mA程度とし、リフレッシュ充電電流は300mA程度とする。ここで、初期充電においてもリフレッシュ充電時と同様に、大きな充電電流で充電するようにすると、電動機のU・V・Wの各相に対して電源用コンデンサC1は設けられており、初期充電時において各相の電源用コンデンサC1に対して一時に充電電流が流れるため、全充電電流は非常に大きなものになる。このため、制御電源V2の出力電力容量(以下、「容量」という。)を大きくする必要があるが、これはコストの増加並びに制御電源V2の大型化を招く。このため、本PWMインバータ用出力回路では、初期充電電流をリフレッシュ充電電流よりも小さくした。
【0080】
<充電制御回路における個々の回路の動作>
まず、充電制御回路19における各回路の個々の動作について説明する。
コンデンサ電圧監視回路43において、充電中は、バイパス回路41またはスイッチング素子Q13がオンするため(詳細は後述)、コンパレータCP1の負入力は、抵抗R4を介して電源用コンデンサC1の高圧側端に接続されることになる。一方、コンパレータCP1の正入力は電源用コンデンサC1の低圧側端に接続されている。したがって、コンパレータCP1には電源用コンデンサC1の両端電圧に応じた値が入力される。コンパレータCP1は、電源用コンデンサC1の両端電圧が、抵抗R4と定電流源CS1とで決定される所定電圧よりも大きくなったときに「L」を出力する。コンデンサ電圧監視回路43は電源用コンデンサC1の電圧を監視することにより、その充電状態を確認するものであり、充電が不足している時は「H」を出力し、充電が十分である時には「L」を出力する。
【0081】
プリドライブ基準電位監視回路47は、パワー素子P1、P2の開閉にともない上下するプリドライブ回路17の基準電位の絶対値が所定値よりも低くなったか否かを監視する。プリドライブ基準電位監視回路47は、ダイオードD5のアノードでの電圧およびMOSFETQ47のソースでの電圧を入力とし、MOSFETQ46のドレインの電圧を出力とする。具体的には、ノードpを介して入力する電圧をVi1、端子yを介して入力する電圧をVi2、プリドライブ基準電位監視回路47内のダイオードD5の電圧降下をVfとすると、Vi1<Vi2+Vfの関係を満たすときに「H」を出力し、前記関係を満たさないときは「L」を出力する。すなわち、プリドライブ基準電位監視回路47は、プリドライブ回路17の基準電位が、所定値以下になったときに「H」を出力し、所定値より高いときには「L」を出力する。この所定値はプリドライブ基準電位監視回路47を構成するダイオードの電圧降下の値Vfにより決定される。
【0082】
また、遅延回路45は、コンデンサ電圧監視回路43においてコンパレータCP1により遅延が生ずるため、プリドライブ基準電位監視回路47からの出力信号を遅延させることにより、この信号と、コンデンサ電圧監視回路43からの出力信号とを同期させるようにしたものである。
【0083】
<初期充電時の動作>
以下に、初期充電時の充電制御回路19の動作について説明する。なお、初期充電時においては、パワー回路11はフリーラン状態に制御される。このため、出力ドライバ回路37中のスイッチング素子Q11、Q13がオンしている。
【0084】
ここで、初期充電時において重要な役割を果たす、スイッチング素子Q13に並列に接続されたバイパス回路41について説明しておく。
【0085】
出力ドライバ回路37の各スイッチング素子Q11〜Q14はMOSFETで構成されるため、それらのドレイン・ソース間には寄生ダイオードが形成される。寄生ダイオードは各スイッチング素子Q11〜Q14のドレイン・ソース関に逆方向電圧が印加された場合にオンし、逆導通方向に電流経路を形成する。寄生ダイオードはラッチアップや誤動作の原因となるため、寄生ダイオードに電流を流さないようにする必要がある。初期充電時においては、電源用コンデンサC1の端子間電圧は低く、この電圧がある程度上昇するまでは、スイッチング素子Q13をオンできない。したがって、この間スイッチング素子Q13の寄生ダイオードに充電電流が流れる恐れがある。バイパス回路41は、このような寄生ダイオードの影響を阻止するために設けられた回路である。このバイパス回路41は初期充電時のみオンしてスイッチング素子Q13と並列してバイパス経路を形成し、スイッチング素子Q13の寄生ダイオードへの充電電流の流入を阻止する。バイパス回路41のオン・オフの制御はバイパス制御回路42a、42bにより行う。
【0086】
電源用コンデンサC1の初期充電中、充電制御回路19の制御回路51において、インバータIV18を介して出力される初期充電完了信号は「L」となる。ここで、初期充電完了信号は、初期充電が完了するまでは「L」であり、初期充電が完了したときに「H」になる。したがって、バイパス制御回路42bにおいて、初期充電中、MOSFETQ41、Q42はともにオフする。このため、MOSFETQ44のゲートには「H」が入力され、MOSFETQ44はオンする。また、このとき、電源用コンデンサC1は十分に充電されていないため、電源用コンデンサC1の両端電圧が低く、電源用コンデンサ不足電圧検出回路35は「L」(異常)を出力する。バイパス制御回路42aにおいて、MOSFETQ23にはインバータゲートIV15を介して「H」が入力され、MOSFETQ23はオフする。したがって、信号線29は「L」になる。バイパス回路41において、MOSFETQ21のゲートには「L」が入力され、MOSFETQ21はオンし、スイッチング素子Q13と並列にバイパス経路が形成される。これにより、充電電流はMOSFETQ13の寄生ダイオードを通過せずに、バイパス回路41により形成されたバイパス経路を通過するため、寄生ダイオードの影響を阻止できる。
【0087】
その後、電源用コンデンサC1が十分に充電され、電源用コンデンサC1の両端電圧が十分に高くなると、電源用コンデンサ不足電圧検出回路35は「H」を出力するため、バイパス制御回路42aにおいてMOSFETQ23はオンする。また、初期充電完了信号が「H」になり、バイパス制御回路42bにおいてMOSFETQ44がオフする。したがって、信号線29は「H」になる。よって、MOSFETQ21はオフし、バイパス経路は消滅する。このように、バイパス回路41とバイパス制御回路42a、42bとにより、初期充電中にはスイッチング素子Q13に対して、その寄生ダイオードの導通を阻止するように充電電流の迂回経路が形成される。
【0088】
以下に、初期充電時の充電制御回路19の動作について説明する。
初期充電は制御電源V2が投入されることにより行われる。制御電源V2が投入されると、その電圧が十分な値にまで上昇するまで、制御電源監視回路33は「L」を出力する。このとき、制御回路51において、ラッチ回路RS3のセット入力/Sに「L」が入力され、出力Qは「H」になる。NORゲートNR2にはラッチ回路RS3の出力Qから「H」が入力されるため、NORゲートNR2の出力は「L」になり、NANDゲートNA9の出力は「H」になり、充電電流回路49において、MOSFETQ31はオフする。
【0089】
また、プリドライブ回路17の基準電位が制御電源V2の正極側電位近くにまで十分に降下している場合、プリドライブ基準電位監視回路47は「H」を出力する。NANDゲートNA10において、ラッチ回路RS3およびプリドライブ基準電位監視回路47を介して「H」が入力されるため、「L」が出力される。したがって、充電電流回路49において、MOSFETQ33はオンする。
【0090】
一方、プリドライブ回路17の基準電位が降下していない場合、プリドライブ基準電位監視回路47は「L」を出力し、MOSFETQ33をオフしている。これにより初期充電時における充電電流回路49のMOSFETQ33の損失を抑えている。
【0091】
このように、初期充電時にプリドライブ回路17の基準電位が十分に降下した場合、充電電流回路49おけるMOSFETQ31がオフし、MOSFETQ33がオンする。これにより、制御電源V2→パワー素子P2の寄生ダイオード(または他相の巻線)→バイパス回路41→電源コンデンサC1→充電電流回路49のMOSFETQ33→制御電源V2(負極)の充電経路が形成される。また、定電流源CS2は、プリドライブ基準電位監視回路47を駆動するために微小電流を掃引するものであるが、この微小電流により、さらに、制御電源V2(正極)→パワー素子P2の寄生ダイオード(または他相の巻線)→バイパス回路41→電源コンデンサC1→プリドライブ基準電位監視回路47→定電流源CS2→制御電源V2(負極)の充電経路が存在する。このため、電源用コンデンサC1は、MOSFETQ33による50mA程度の充電電流とともに定電流源CS2による100μA程度の微小電流で充電される。プリドライブ回路17の基準電位が降下していない場合は、MOSFETQ33による50mA程度の充電電流をオフしてMOSFETQ33の損失を抑えているが、この場合においても前述の定電流源CS2による100μA程度の微小電流は発生しており、僅かではあるが電源用コンデンサC1の充電を可能としている。また、定電流源CS2は僅かながらもプリドライブ回路17から電流を掃引するため、プリドライブ回路17の基準電位の降下を促進させてMOSFETQ33による50mA程度の充電電流の発生タイミングを早める働きもある。
【0092】
本実施形態のPWMインバータ用出力回路は、充電制御回路19において、ラッチ回路RS3からの出力をインバータゲートIV18を介して出力端子103から初期充電完了信号として出力する。初期充電中においては、前述のようにラッチ回路RS3の出力Qは「H」であり、充電が完了し、電源用コンデンサC1の電圧が所定値以上に上昇すると、コンデンサ電圧監視回路43は「L」になるため、ラッチ回路RS3の入力/Rは「L」になり、出力Qは「L」になる。すなわち、初期充電完了信号は、初期充電が完了していないときは「L」となり、初期充電が完了すると「H」になる。この初期充電完了信号を外部機器において用いることにより、安全に機器の駆動等が実現できる。また、初期充電完了後はラッチ回路RS3の出力Qが「L」となることにより、MOSFETQ33はオフし、次に述べるリフレッシュ充電動作ができるようにNORゲートNR2の一方の入力を「L」としている。
【0093】
<リフレッシュ充電時の動作>
次にリフレッシュ充電時の充電制御回路19の動作について説明する。リフレッシュ充電において、充電を開始する条件は3つある。すなわち、
(1)第2のパワー素子P2がオンするための制御状態が入力信号処理回路13から出力(スイッチング素子Q12、Q13をオン)
(2)プリドライブ回路17の基準電位レベルが所定値以下に降下(入力信号処理回路13からの制御状態に基づき、パワー素子P1、P2を切り換えようとしても、プリドライブ回路17の動作遅延時間やパワー素子P1、P2のオン・オフ遅延時間等が存在するため、プリドライブ回路17の基準電位は瞬時には降下しない。したがって、基準電位の降下を待つ必要がある。)
(3)電源用コンデンサC1の両端電圧が所定値以下に低下(充電不足)
の上記各条件を満たしたときにリフレッシュ充電を行う。
【0094】
したがって、リフレッシュ充電を開始するときは、条件(1)より、電動機開放信号は「H」、スイッチング指令信号は「L」となり、条件(2)より、プリドライブ基準電位監視回路47の出力は「H」となり、条件(3)より、コンデンサ電圧監視回路43の出力は「H」となる。
【0095】
リフレッシュ充電時では、入力信号処理回路13において、制御電圧V2の電圧は正常範囲内にあるため、制御電源監視回路33は「H」を出力する。NANDゲートNA1は「L」を出力する。したがって、NANDゲートNA2において、「H」のみが入力され、「L」が出力される。充電制御回路19のNANDゲートNA8において、コンデンサ電圧監視回路43からの信号がインバータゲートIV16を介して反転されて「L」が、プリドライブ基準電位監視回路47から遅延回路45を介して「H」が入力されるため、「H」が出力される。ラッチ回路RS3において、セット入力/Sには制御電源監視回路33から「H」が入力され、リセット入力/RにはNANDゲートNA8から「H」が入力されるため、出力Qは変化せず、ラッチしているデータをそのまま出力する。このとき出力Qは「L」となる。以下にこの理由を説明する。
【0096】
充電制御回路19の制御回路51において、ラッチ回路RS3のセット入力/Sには制御電源監視回路33の出力が入力されるため、ラッチ回路RS3がセットされるのは制御電源V2の投入時や異常時における電圧不足を検出した時である。したがって、通常運転時において、ラッチ回路RS3がセットされ、出力Qが「L」から「H」になることはない。また、先に説明した初期充電完了時において、ラッチ回路RS3はリセットされ、出力Qは「L」となる。したがって、ラッチ回路RS3は初期充電が完了して一旦リセットされると、通常運転時においてはセットされないため、出力Qからは「L」を出力する。
【0097】
以上のようにラッチ回路RS3は「L」を出力するため、NANDゲートNA10の出力は「H」となり、MOSFETQ33はオフする。NANDゲートNA7において、コンデンサ電圧監視回路43および遅延回路45を介してプリドライブ基準電位監視回路47から「H」が入力されるため、「L」が出力される。NORゲートNR2において、ラッチ回路RS3から「L」が、入力信号処理回路13のNANDゲートNA2から「L」が入力されるため、「H」が出力される。したがって、制御回路51のNANDゲートNA9において、入力は全て「H」になり、出力が「L」となる。充電電流回路49のMOSFETQ31には「H」が入力され、MOSFETQ31がオンする。
【0098】
このように、通常運転時においては、上記3つの条件に基づきリフレッシュ充電を行う。このとき、充電電流回路49において、MOSFETQ31がオンし、MOSFETQ33がオフする。これにより、制御電源V2→パワー素子P2の寄生ダイオード(または他相の巻線)→スイッチング素子Q13→電源コンデンサC1→MOSFETQ31の充電経路が形成される。また、この場合、MOSFETQ31により初期充電時の充電電流(50mA程度)よりも大きい300mA程度の充電電流が流され、通常運転時における電源用コンデンサC1の消費電荷を瞬時に回復できる。
【0099】
以上のようにして、本実施形態のインバータ用出力回路では、パワー素子P1、P2を駆動電源を供給する電源用コンデンサC1に対して、運転開始前の初期充電と、通常運転中のリフレッシュ充電とを切り分け、リフレッシュ充電においては初期充電よりも大きな電流で充電を行うようにしたことにより、通常運転時において迅速な充電が可能となり、かつ、制御電源V2の容量の最適化が図れる。また、初期充電時においてフリーラン状態での充電が可能となり、電動機のモータ巻線に起電力が生じている場合においても安全に起動が行える。
なお、充電電流回路49において、初期充電用のMOSFETQ33とリフレッシュ充電用のMOSFETQ31を個別に設けたが、これらを単一のMOSFETで構成し、初期充電時には同MOSFETから50mA程度の電流が流れるような第1の値の電圧をゲートに印加し、リフレッシュ充電時には同MOSFETから300mA程度の電流が流れるような第1の値より大きな第2の値の電圧をゲートに印加するように構成しても、全く同様の動作並びに効果を得ることができる。この場合、充電電流回路49を単一のMOSFETで構成できるため、回路をLSI化する際のチップサイズの小型化並びに低コスト化に効果がある。
【0100】
また、充電制御において、コンデンサ電圧監視回路43を設けて、電源用コンデンサC1の両端電圧が所定値を下回ったときにのみ充電するようにしているため、電源用コンデンサC1の過剰充電を防止するとともに充電時の低損失化並びに電源用コンデンサ端子間電圧の安定化を実現できる。さらに、プリドライブ基準電位監視回路47を設けて、プリドライブ回路17の基準電位が十分低下したときに充電を開始するため、充電電流回路49の損失低減ができ、充電時の損失をより一層低く抑えることができる。
【0101】
<ツェナダイオードの効果>
本実施形態のインバータ用出力回路においては、図1に示すように、電源用コンデンサC1の低圧側端子にアノードが接続され、スイッチング素子Q13を介して電源用コンデンサC1の高圧側端子にカソードが接続されたツェナダイオードZD1を設けている。このツェナダイオードZD1は電源用コンデンサC1充電中の過剰な電圧上昇を防止するためのものである。すなわち、充電中ではバイパス回路41またはスイッチング素子Q13がオンしており、電源用コンデンサC1の高圧側の電位とツェナダイオードZD1のカソードの電位とは等しく、このため、電源用コンデンサC1の両端電圧が過剰に上昇した場合には、ツェナダイオードZ1が逆方向に導通することにより電源用コンデンサC1の両端電圧をクランプし、電源用コンデンサC1の両端電圧の過剰な上昇を防止するようになっている。ここで、ツェナダイオードZD1のカソードをスイッチング素子Q13を介して接続しているのは、ツェナダイオードZD1を電源用コンデンサC1に並列に接続すると、非充電時に電源用コンデンサC1に充電されたエネルギーがツェナダイオードZD1を介してリークしてしまうためである。このように、ツェナダイオードZD1をスイッチング素子Q13を介して電源用コンデンサC1に接続する構成としたことにより、ツェナダイオードZD1のリーク電流の影響を回避しつつ電源用コンデンサC1の両端電圧をクランプすることが可能となる。
【0102】
<寄生ダイオード対策>
前述の説明において、バイパス回路41およびバイパス制御回路42a、42bは初期充電時の寄生ダイオードの影響を阻止していた。初期充電完了後の通常運転時においては、スイッチング素子Q13が十分にオンすることにより、スイッチング素子Q13がバイパス回路41に代わって充電経路となるが、何らかの原因で電源用コンデンサC1の両端電圧が低下してスイッチング素子Q13をオンできなくなった場合の寄生ダイオードの影響を阻止するための回路例を図7〜図9を用いて以下に説明する。なお、図7〜図9においては、説明の便宜上、寄生ダイオード対策に関連した部分の回路についてのみ示している。
【0103】
図7に第1の回路例を示す。図7はプリドライブ回路17の一部とパワー回路11と寄生阻止回路61とを示したものである。寄生阻止回路61は、図3に示すプリドライブ回路17におけるバイパス回路41とバイパス制御回路42a、と、図4に示す充電制御回路19におけるバイパス回路42bに加えてさらに設けられたものである。寄生対策回路61は、ダイオードD11と、ダイオードD11のアノードに接続された抵抗R11とからなる。ダイオードD11と抵抗R11との直列回路が、スイッチング素子Q13と並列に接続されており、抵抗R11とダイオードD11の接続点は、パワー素子P1、P2の共通接続されたソースに接続されている。
【0104】
このように構成することにより、電源用コンデンサC1のリフレッシュ充電時においては、パワー回路11の出力端を経由した充電電流は、抵抗R11に生ずる電圧降下が大きいために寄生ダイオードBD3方向へは流れず、ダイオードD11を流れ、寄生ダイオードBD3を経由しない充電経路が形成される。これにより、リフレッシュ充電時の寄生ダイオードの影響を回避できる。
【0105】
なお、定電流源CS2により常に100μA程度の微小電流を発生させているが、この微小電流については、抵抗R11の電圧降下が小さくなり、寄生ダイオードBD3に流れる恐れがある。これについては、電源用コンデンサC1の両端電圧低下時にバイパス回路41を動作させることにより回避できる。電源用コンデンサC1両端電圧低下時にバイパス回路41を動作させるにはMOSFETQ41、Q42、抵抗R6を削除すればよい。また、大きな値のリフレッシュ充電電流は、電源用コンデンサC1の両端電圧が正常な場合においても、スイッチング素子Q13ではなく、ダイオードD11を流れるため、その分スイッチング素子Q13の素子サイズを小さくでき、回路の小型化が可能となる。
【0106】
図8に第2の構成例を示す。図8の寄生対策回路63は、図7の寄生対策回路61において、抵抗R11のかわりに互いに逆方向に接続したダイオードD13、D15の並列回路を用いたものである。このように構成された回路において、充電経路はパワー回路11の出力端からダイオードD11を含む経路となる。これは、ダイオードD11のみの経路の方が、ダイオードD15と寄生ダイオードBD3とを含む経路よりもダイオードの数が少なく、電流が流れやすくなるためである。なお、通常運転時は、ダイオードD13並びにダイオードD15を経由してパワー素子P1、P2のソース電位が制御される。図8の構成の場合、定電流源CS2による微小電流を含む全ての充電電流はダイオードD11を流れるため、いかなる場合においても、寄生ダイオードBD3が導通することはない。したがって、バイパス回路41、バイパス制御回路42a、42bの削除が可能である。
【0107】
上記、図7および図8に示す構成にすることにより、充電の開始条件等の検出を簡素化でき、より簡易な構成で寄生ダイオードの影響のない充電制御が実現できる。
なお、寄生ダイオードBD3と並列に方向電圧の小さなショットキーバリアダイオードを接続して寄生対策を行う方法もあるが、ショットキーバリアダイオードは逆方向リーク電流が大きい欠点がある。したがって、ショットキーバリアダイオードにより寄生対策を行った場合、スイッチング素子Q14をオンさせたときに大きなリーク電流がショットキーバリアダイオードを経由して流れ、電源用コンデンサC1の両端電圧の低下を早めてしまうという不具合を生じる。
図7、図8の構成による寄生対策においては、ダイオードD11として一般的で逆方向リーク電流が小さいシリコンダイオードが使用可能なため、ショットキーバリアダイオードのようにリーク電流により電源用コンデンサC1の両端電圧を低下させることはない。
【0108】
図9に第3の構成例を示す。図9に示す構成は、図3に示すプリドライブ回路17におけるバイパス回路41と、図4に示す充電制御回路19におけるバイパス制御回路42bとの代わりに、バイパス制御回路42cを設けたものである。バイパス制御回路42cはORゲートOR1とN型のMOSFETQ46とからなり、ORゲートOR1にはインバータゲートIV19、IV20の出力が入力され、ORゲートOR1の出力はMOSFETQ46のゲートに接続される。MOSFETQ46のソースは制御電源V2の負極(グランドライン)に接続され、MOSFETQ46のドレインと、バイパス制御回路42aにおけるMOSFETQ23のドレインとが接続され、その接続点はスイッチング素子Q13のゲートに接続される。
【0109】
このように接続することにより、充電電流回路49のMOSFETQ31またはMOSFET33のいずれかがオンされるときにMOSFETQ46がオンされ、それにともないスイッチング素子Q13がオンされる。スイッチング素子Q13はオンすると逆方向でも導通するため、充電時において、充電電流は寄生ダイオードではなくスイッチング素子Q13を通過し、寄生ダイオードの影響を回避できる。この場合、特に、電源用コンデンサC1の長期間の使用等により電源用コンデンサC1の性能が低下し、電源用コンデンサC1の両端電圧が高くならず、スイッチング素子Q13が充電経路を形成できない場合に有効となる。
【0110】
<パワー回路の変形例>
上記説明においては、パワー回路11を構成する、高圧側に接続される第1のパワー素子P1としてN型のMOSFETを、低圧側に接続される第2のパワー素子P2としてP型のMOSFETを用いた。パワー回路11はこの構成に限らず、他の構成を持つものも考えられる。以下に、パワー回路11の変形例を図10および図11を用いて説明する。
【0111】
図10に示すパワー回路において、第1のパワー素子は、N型のMOSFETQ51とダイオードD21の直列回路と、その直列回路と並列に接続されたダイオードD23とから構成される。このとき、ダイオードD21はMOSFETQ51と順方向に接続され、ダイオードD23は逆方向になるように接続されている。同様に、第2のパワー素子は、P型のMOSFETQ52とダイオードD25との直列回路と、その直列回路と並列に接続されたダイオードD27とから構成される。このとき、ダイオードD25はMOSFETQ52と順方向に接続され、ダイオードD27は逆方向になるように接続されている。このようにパワー素子を構成することによりMOSFETQ51、Q52の寄生ダイオードの導通を阻止し、ダイオードD23、D27により逆方向電流を迂回させる。一般にパワーMOSFETの寄生ダイオードは逆回復時間が遅く、逆回復時間が遅いとPWM制御時のスイッチング損失並びにノイズが増大する。近年は半導体技術の進歩により寄生ダイオードの逆回復時間の速いパワーMOSFETが開発されているが、特に上記損失及びノイズが問題となる場合は、図10のようにパワー回路を構成してもよい。
【0112】
図11に示すパワー回路においては、第1のパワー素子はN型のIGBT(Insulated Gate Bipola Transister)Q53と、そのIGBTQ53に対して並列に、導通方向が逆方向になるように接続されたダイオードD31とから構成される。同様にして、第2のパワー素子はP型のIGBTQ54と、そのIGBTQ54に対して並列に、導通方向が逆方向になるように接続したダイオードD33とから構成される。このように、パワー回路をMOSFETよりも電流出力能力の高いIGBTにより構成することで、より大出力のPWMインバータ用出力回路を実現できる。
【0113】
実施の形態2.
実施の形態1では、パワー素子をN型のMOSFETおよびP型のMOSFETで構成し、これらのパワー素子の開閉を同じ制御信号で制御することによりデッドタイムがゼロで駆動可能なパワー回路に適用したインバータ用出力回路について説明した。本実施形態では、パワー回路をN型のMOSFET対で構成し、それぞれのMOSFETの開閉を別々に異なる制御信号で制御するパワー回路に適用したインバータ用出力回路について説明する。
【0114】
<回路構成>
図12に本実施形態のPWMインバータ用出力回路のブロック図を示す。図に示すようにPWMインバータ用出力回路は、第1および第2のパワー素子を有し電動機に駆動電圧を出力するパワー回路11aと、パワー回路11aを制御するための制御情報を入力する入力信号処理回路13aと、制御情報に基づいて信号線を所定の制御状態に制御するレベルシフト回路15aと、制御状態に基づいてパワー回路11aの第1のパワー素子の駆動を制御するする第1プリドライブ回路17aと、制御状態に基づいてパワー回路11aの第2のパワー素子の駆動を制御するする第2プリドライブ回路17bと、第1のパワー素子を駆動するための電源となる電源用コンデンサC1と、電源用コンデンサC1の充電を制御する第1充電制御回路19aと、第2プリドライブ回路内にある第2のパワー素子の駆動電源を充電する第2充電制御回路19bと、出力電圧を与える直流主電源V1と、回路の駆動するための電源を与える制御電源V2とからなる。以下にそれぞれの回路の構成について説明する。
【0115】
パワー回路11aは、図12に示すようにN型のMOSFETからなる第1のパワー素子P11およびN型のMOSFETからなる第2のパワー素子P12の対からなる。パワー素子P11のドレインは、直流主電源V1の正極側に接続され、ソースはパワー素子P12のドレインに接続される。パワー素子P12のソースは直流主電源V1の負極側に接続されている。これらのパワー素子P11、P12はMOSFETで構成されているため、ソース・ドレイン間にそれぞれ寄生ダイオード(図示せず)を有している。
【0116】
入力信号処理回路13aおよびレベルシフト回路15aの回路図を図13に示す。入力信号処理回路13aは、NANDゲートNA1、NA2、NA32、インバータゲートIV1、IV2、IV33、論理回路31a、遅延回路DL1、DL2および制御電源監視回路33により構成される。遅延回路DL1、DL2はデッドタイムを生じせしめるために信号の伝達を遅らせるものである。制御電源監視回路33は実施形態1のもの同じである。論理回路31は入力Aと出力X、Yとを有し、入力に対する出力は図17に示すようになる。入力信号処理回路13aは、パワー回路11aの制御情報を入力するための入力端子101、102を有しており、入力端子101には電動機開放信号が入力され、入力端子102にはスイッチング指令信号が入力される。
【0117】
レベルシフト回路15aは、信号線25a、27aと、抵抗R1、R2と、MOSFETQ1、Q2と、ダイオードD1、D2とからなる。図13に示すように信号線25aには抵抗R1とN型のMOSFETQ1とが直列に接続されており、信号線27aには抵抗R2とN型のMOSFETQ2とが直列に接続されている。信号線25a、27aの一端は抵抗R1、R2を介してプリドライブ回路17aの高圧側端に接続され、他端はMOSFETQ1、Q2を介してPWMインバータ用出力回路の基準電位を与えるグランドラインに接続されている。したがって、MOSFETQ1、Q2がオフしている場合は、信号線25a、27aは「H」の状態になり、MOSFETQ1、Q2がオンして閉じることにより信号線25a、27aは「L」の状態になる。図中、ダイオードD1、D2は、実施の形態1の場合と同様の働きをする。
【0118】
図14に第1プリドライブ回路17aの回路図を示す。第1プリドライブ回路17aは、状態検出回路34aと、フィルタ回路FL4、FL5と、ラッチ回路RS4と、ドライバ制御回路36aと、出力ドライバ回路37aとを有している。状態検出回路34aは、NANDゲートNA33、NA34およびインバータゲートIV34、IV35とからなる。フィルタ回路FL4、FL5は、抵抗とダイオードとコンデンサとインバータゲートとから構成それぞれされる。ラッチ回路RS4はRSフリップフロップで構成されており、セット入力/S、リセット入力/R1、/R2、出力Qの端子を有している。ラッチ回路RS4においては/R1>/S>/R2の順に優先される。ドライバ制御回路36aはNANDゲートNA35とインバータゲートIV40〜IV41とから構成される。
【0119】
出力ドライバ回路37aは、スイッチング素子Q61とスイッチング素子Q62とを直列に接続してなる。スイッチング素子Q61はP型のMOSFETで構成され、スイッチング素子Q62はN型のMOSFETで構成される。出力ドライバ回路37aにおいて、スイッチング素子Q61とスイッチング素子Q62との接続点をこの出力ドライバ回路の出力端とする。この出力端はパワー素子P11とパワー素子P12の接続点に接続される。また、スイッチング素子Q61の高圧側端はパワー素子P11のゲートに抵抗R21を介して接続される。
【0120】
また、第1プリドライブ回路17aにおいても、実施の形態1のプリドライブ回路17と同様に、バイパス回路41およびバイパス制御回路42aが設けられている。
【0121】
このように構成された第1プリドライブ回路17aにおいて、出力ドライバ回路37aの各スイッチング素子Q61〜Q62がオン・オフされることにより第1のパワー素子P11のゲート・ソース間電位が制御され、パワー素子P11のオン・オフが制御される。このとき、パワー素子61を駆動するための電源電圧は電源用コンデンサC1に蓄積されたエネルギーが用いられる。
【0122】
図15に第1充電制御回路19aの回路図を示す。第1充電制御回路19aは電源用コンデンサC1の充電を制御する回路である。第1充電制御回路19aの構成および動作は、実施の形態1の充電制御回路19と全く同じであるのでここでの説明は省略する。
【0123】
図16に第2プリドライブ回路17bおよび第2充電制御回路19bの回路図を示す。第2プリドライブ回路17bは、図に示すように、N型のMOSFETQ66と、抵抗R23と、ダイオードD23と、インバータゲートIV42、43と、出力ドライバ回路37bとからなる。出力ドライバ回路37bはP型のMOSFETからなるスイッチング素子Q63とN型のMOSFETからなるスイッチング素子Q64とを有する。出力ドライバ回路37bにおいて、スイッチング素子Q63とスイッチング素子Q64との接続点を出力端とし、この出力端は抵抗R22を介してパワー素子P12のゲートに接続される。第2プリドライブ回路17bにおいて、スイッチング素子Q63、Q64が交互にオン・オフすることによりパワー素子P12のゲート・ソース間電位を制御し、パワー素子P12を駆動する。このときのパワー素子P12の駆動電源として第2充電制御回路19b内の電源用コンデンサC3が用いられる。
【0124】
第2充電制御回路19bは、電源用コンデンサC3と、チャージポンプ回路CGとからなる。チャージポンプCGは、発振器61と、インバータゲートIV44と、P型のMOSFETQ67と、N型のMOSFETQ68と、コンデンサC2と、ダイオードD21、D24とから構成される。チャージポンプ回路CGについては一般的な技術であり、詳細な説明は省略する。チャージポンプ回路CGは制御電源V2により電源用コンデンサC3を充電する。
【0125】
<動作の説明>
このように構成されたPWMインバータ用出力回路の動作を以下に説明する。本実施形態のPWMインバータ用出力回路の動作は基本的に実施の形態1で説明した回路と同様であるので、ここでは簡単に説明する。
【0126】
本実施形態においては、電動機開放信号は「L」でフリーラン状態、「H」で通常運転状態に制御する。スイッチング指令信号は「H」で第1のパワー素子P11をオンさせ、「L」で第2のパワー素子P12をオンさせる。
【0127】
通常運転で、第1のパワー素子P11をオンさせる場合(電動機開放信号およびスイッチング指令信号がともに「H」)、入力信号処理回路13aにおいて、論理回路31aの出力X、Yはそれぞれ「H」、「L」となる。レベルシフト回路15aにおいて、信号線25a、27aはそれぞれ「L」、「H」に制御される。第1プリドライブ回路17aにおいて、状態検出回路34aのNANDゲートNA33により制御状態が検出され、ラッチ回路RS4がセットされる。ラッチ回路RS4の出力に基づきドライバ制御回路36aはスイッチング素子Q61をオフし、スイッチング素子Q62をオンする。これにより、電源用コンデンサC1を電源として第1のパワー素子P11がオンする。このとき、実施の形態1と同様、信号線25a、27aに浮遊する浮遊容量の影響により信号線25a、27aは第1プリドライブ回路17aの基準電位が上昇する際に全てが一瞬「L」の状態となるが、状態検出回路34aはこの状態を検出しない構成としているため、これによる誤動作は生じない。また、実施の形態1と同様に論理回路31aは、出力Xを所定時間経過後に「H」から「L」に切り換えることにより、信号線25a、27aに流れる電流を遮断する。
【0128】
一方、このとき、入力信号処理回路13aのNANDゲートNA2の出力は「H」となり、第2プリドライブ回路17bのMOSFETQ66のゲートには「H」が入力されるため、MOSFETQ66はオンし、スイッチング素子Q63、Q64のゲートには「H」が入力され、スイッチング素子Q64がオンする。このため、第2のスイッチング素子P12はオフする。
【0129】
次に、通常運転で、第2のパワー素子P12をオンさせる(電動機開放信号が「H」、スイッチング指令信号が「L」)場合を考える。このとき、第2プリドライブ回路17bのMOSFETQ66には「L」が入力され、MOSFETQ66はオフする。スイッチング素子Q63、Q64には「L」が入力され、スイッチング素子Q63がオンする。このため、第2のスイッチング素子P12が電源用コンデンサC3を電源としてオンする。
【0130】
一方、このとき、入力信号処理回路13aの論理回路31aの入力Aは「L」となり、論理回路31aの出力X、Yはそれぞれ「L」、「H」となり、レベルシフト回路15aにおいて、信号線25a、27aはそれぞれ「H」、「L」に制御される。第1プリドライブ回路17aにおいて、状態検出回路34aのNANDゲートNA34により信号線25a、27aにおける制御状態が検出され、ラッチ回路RS4がリセットされる。ラッチ回路RS4の出力に基づきドライバ制御回路36aはスイッチング素子Q61をオンし、スイッチング素子Q62をオフする。これにより、第1のパワー素子P11はオフする。このとき、実施の形態1と同様、信号線25a、27aに浮遊する浮遊容量の影響により、信号線25a、27aは第1プリドライブ回路17aの基準電位が下降する際に全てが一瞬「H」の状態となるが、状態検出回路34aはこの状態を検出しない構成としているため、これによる誤動作は生じない。また、実施の形態1と同様に論理回路31aは、出力Yを所定時間経過後に「H」から「L」に切り換えることにより信号線25a、27aに流れる電流を遮断する。また、実施の形態1と同様に、出力Yは所定時間経過後も「H」のままであってもよい。
【0131】
次に、パワー回路11aをフリーラン状態に制御するときを説明する。この場合、電動機開放信号は「L」となる。論理回路31aの入力Aには「L」が入力される。これは前述の第2のパワー素子P12をオンさせる場合と同じであり、同様の手順で第1のパワー素子P11はオフする。また、このとき、NANDゲートNA2の出力は「H」となり、これは前述の第1のパワー素子P11をオンさせる場合と同じであり、同様の手順で第2のパワー素子P12はオフする。このようにして、フリーラン状態に制御することができる。フリーラン状態に制御する際においても、実施の形態1と同様、信号線25a、27aに浮遊する浮遊容量の影響を受けることはない。
【0132】
第1充電制御回路19aの動作については実施の形態1の充電制御回路19と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0133】
以上のようにして、本実施形態のPWMインバータ用出力回路におけるプリドライブ回路および充電制御回路は、N型のMOSFET対で構成し、それぞれのMOSFETの開閉を別々に異なる制御信号で制御するパワー回路に対しても、実施の形態1の場合と同様に適用でき、同様の効果を得ることができる。
【0134】
実施の形態3.
実施の形態2の同じパワー回路に適用したインバータ用出力回路の別の構成を図18に示す。
【0135】
<回路構成>
図18において、PWMインバータ用出力回路は、第1および第2のパワー素子P11、P12を有し電動機に駆動電圧を出力するパワー回路11aと、パワー回路11aを制御するための制御情報を入力する入力信号処理回路13bと、制御情報に基づいて信号線を所定の制御状態に制御するレベルシフト回路15bと、制御状態に基づいてパワー回路11aの第1のパワー素子P11の駆動を制御するする第1プリドライブ回路17cと、制御状態に基づいてパワー回路11aの第2のパワー素子P12の駆動を制御するする第2プリドライブ回路17dと、第1のパワー素子P11を駆動するための電源となる電源用コンデンサC1と、出力電圧を与える直流主電源V1と、回路の駆動するための電源を与える制御電源V2とからなる。以下にそれぞれの回路の構成について説明する。
【0136】
パワー回路11aおよびレベルシフト回路15bの構成は、実施の形態2のものと同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0137】
入力信号処理回路13bは、NANDゲートNA1、NA32、インバータゲートIV1、IV33、論理回路31a、遅延回路DL3および制御電源監視回路33により構成される。遅延回路DL3はデッドタイムを生成するために信号の伝達を遅らせるものである。制御電源監視回路33および論理回路31aは実施の形態2のもの同じである。入力信号処理回路13bは、パワー回路11aの制御情報を入力するための入力端子101、102を有しており、入力端子101には電動機開放信号が入力され、入力端子102にはスイッチング指令信号が入力される。
【0138】
第1プリドライブ回路17cは、状態検出回路34bと、フィルタ回路FL6、FL7と、ラッチ回路RS4と、ドライバ制御回路36cと、出力ドライバ回路37cと、電源用コンデンサ不足電圧検出回路35とを有している。状態検出回路34b、フィルタ回路FL6、FL7、ラッチ回路RS4、出力ドライバ回路37cは実施の形態2のものと同じ構成である。ドライバ制御回路36cはNANDゲートNA43、NA44とから構成され、各NANDゲートNA43、NA44には、電源用コンデンサ不足電圧検出回路35およびラッチ回路RS4から信号が入力される。NANDゲートNA43の出力はスイッチング素子Q61のゲートに入力され、NANDゲートNA44の出力はスイッチング素子Q62のゲートに入力される。出力ドライバ回路37cの出力端(スイッチング素子Q61とスイッチング素子Q61の接続点)は抵抗R21を介して第1のパワー素子P11のゲートに接続される。出力ドライバ回路37cにおいて、スイッチング素子Q62のソースは第1のパワー素子P11のソースに接続される。また、出力ドライバ回路37cと並列に電源用コンデンサC1が接続されている。この電源用コンデンサC1の高圧側端子と制御電源V2の正極との間に、カソードが電源用コンデンサC1側に、アノードが制御電源V2側になるようにダイオードD15が接続されている。
【0139】
第2プリドライブ回路17dは、NANDゲートNA45と遅延回路DL4とインバータゲートIV57〜IV60とからなるドライバ制御回路36dと、出力ドライバ回路37dとから構成される。出力ドライバ回路37dは実施の形態1の出力ドライバ回路37bと同じである。出力ドライバ回路37dにおいて、スイッチング素子Q63のソースは制御電源V2の正極に接続され、スイッチング素子Q64のソースは制御電源V2の負極に接続される。また、出力ドライバ回路37dの出力端(スイッチング素子Q63とスイッチング素子Q64の接続点)は抵抗R22を介して第2のパワー素子P12のゲートに接続される。
【0140】
<動作の説明>
このように構成されたPWMインバータ用出力回路においても、実施の形態1のPWMインバータ用出力回路と同様に動作する。すなわち、スイッチング指令信号および電動機開放信号に基づいてパワー回路11aのパワー素子P11、P12をそれぞれ制御することができる。
【0141】
具体的には、第1のパワー素子をオンさせるときは、電動機開放信号は「H」、スイッチング指令信号は「H」となる。信号線25a、27aはそれぞれ「L」、「H」になり、状態検出回路34bの検出結果に基づき、ラッチ回路RS4はセットされる。ドライバ制御回路36cはラッチ回路RS4の出力に基づいてスイッチング素子Q61をオンさせ、第1のスイッチング素子P11をオンさせる。同時に、NANDゲートNA45にはインバータIV57を介して「L」が入力されるため、その出力は「H」となり、スイッチング素子Q64がオンするため、第2のパワー素子P12はオフする。また、第1のパワー素子P11を駆動する際に電源として用いられる電源用コンデンサC1は、第2のパワー素子P12がオンしている間に充電される。そのときの充電経路は、制御電源V2(正極)→ダイオード15→電源用コンデンサC1→第2のパワー素子P12→制御電源V2(負極)となる。
【0142】
第2のパワー素子P12をオンさせるときは、電動機開放信号は「H」、スイッチング指令信号は「L」となる。このとき、上記の第1のパワー素子P11をオンさせる場合と逆の論理で動作し、第1のパワー素子P11をオフし、第2のパワー素子P12をオンする。この場合、第2プリドライブ回路17dにおけるスイッチング素子Q63を介して印加される制御電源V2の電圧により第2のパワー素子P12が駆動される。
【0143】
フリーラン状態にするときは電動機開放信号を「L」とすることにより、同様に制御できる。
【0144】
以上のようにして、本実施形態のPWMインバータ用出力回路におけるプリドライブ回路および充電制御回路は、実施形態2の場合と同様に、N型のMOSFETのみで構成されたパワー回路に対して適用でき、同様の効果を得ることができる。
【0145】
実施の形態4.
実施の形態1に示すPWMインバータ用制御回路において、制御電源V2および制御電源V2で動作する回路部を直流主電源V1の高圧側に設けてもよい。この場合の充電制御回路の回路図を図19に示す。
【0146】
図に示すように、コンデンサ電圧監視回路43bは定電流源CS3と抵抗R31とコンパレータCP2とにより構成される。このコンデンサ電圧監視回路43bは、実施の形態1のものと同様に電源用コンデンサC1の両端電圧を監視し、その電圧が所定値以下になったときに「H」を出力する。プリドライブ基準電位監視回路47bは、定電流源CS4と、N型のMOSFETQ71、Q73と、ダイオードD31とにより構成される。このプリドライブ基準電位監視回路は、プリドライブ回路17の基準電位が所定値より上昇したときにMOSFETQ73がオンし、「L」を出力する。充電電流回路49bはP型のMOSFETQ75とP型のMOSFETQ77の並列回路により構成される。制御回路51bは、コンデンサ電圧監視回路43b、プリドライブ基準電位監視回路47b、入力信号処理回路13および制御電源監視回路33それぞれからの出力信号に基づき充電電流回路49bのMOSFETQ75、Q77のオン・オフを制御するものであり、論理ゲート等により構成される。ここで入力信号処理回路13からはスイッチング指令信号および電動機開放信号に基づいた信号が出力される。
【0147】
このように構成された充電制御回路19cは実施の形態1で説明したものと同様に動作する。ここで、電源用コンデンサC1の充電経路には第2の出力ドライバにおける低圧側のスイッチング素子Q14が含まれる。すなわち、電源用コンデンサC1の低圧側端とパワー回路の出力端とが接続された時、充電経路が形成される。このとき、充電経路は図19に示すように、制御電源V2(正極)→充電制御回路49b→電源用コンデンサC1→スイッチング素子Q14→パワー素子P1の寄生ダイオードBD1→制御電源V2(負極)となる。
【0148】
【発明の効果】
本発明に係る第1のPWMインバータ用出力回路において、プリドライブ回路が、入力された信号に応じて変換された論理信号から制御状態を検出する状態検出回路と、この制御状態を保持するラッチ回路を備え、ラッチ回路に保持された制御状態に基づいてパワー回路が制御され、状態検出回路は論理信号の全てが同じとなる状態を除く状態を制御状態として検出するよう構成されたことにより、論理信号を伝達する信号線に浮遊する浮遊容量の影響を排除し、パワー回路がPWM制御される際のdv/dt過渡信号の影響を阻止している。このため、過渡信号を除去するためのパルスフィルタを用いずに回路が構成でき、パルスフィルタに起因する遅いdv/dt過渡信号の問題やレスポンスの問題を解決できる。また、入力信号処理回路において、入力信号に応じた制御状態が保持された後に、入力信号処理回路とプリドライブ回路とを遮断するため、回路並びに電源用コンデンサの消費電力が低減される。これは、特に、二相PWM制御時においてより有効となる。また、第1のPWMインバータ用出力回路において、制御電源の出力電圧を監視し、制御電源異常時にパワー回路のパワー素子をともにオフするフリーラン状態に制御する。これにより、PWMインバータ用出力回路の破壊を防止し安全な運転が可能となる。
【0149】
本発明に係る第2のPWMインバータ用出力回路では、電源用コンデンサの充電を制御する充電制御回路を設け、出力ドライバのスイッチング素子およびパワー回路の出力端を介する経路を充電経路として電源用コンデンサを充電するようにした。これによりフリーラン状態での充電が可能となり、電動機の安全な起動が可能となる。例えば、外的要因により強制的にモータが回転している状態での安全な起動が可能となる。また、プリドライブ回路の基準電位を監視し、この基準電位が十分に低下したときに充電を開始するため、充電を低損失に行うことができる。また、コンデンサの両端電圧を監視し、両端電圧が所定値以下のときにのみ充電するようにした。これにより、電源用コンデンサの過剰充電を防止するとともに、充電時の低損失化ならびに電源用コンデンサ端子間電圧の安定化を実現する。また、出力ドライバのスイッチング素子を介して電源用コンデンサの両端に電圧クランプ手段を設けたことにより、電源用コンデンサの電荷をリークさせずに過剰充電を防止できる。また、バイパス回路により充電時に迂回経路を形成することによりスイッチング素子の寄生ダイオードの影響を回避できる。もしくは、充電バイパス回路を設けることにより、充電時のスイッチング素子への充電電流の流入を防止し、スイッチング素子の寄生ダイオードの影響を回避できる。
【0150】
本発明に係る第3のPWMインバータ用出力回路は、電源用コンデンサの充電において、運転開始前の初期充電と、運転中のリフレッシュ充電とを切り分けて行う構成とし、リフレッシュ充電時の充電を初期充電時の充電より大きな充電電流で行うことにより、制御電源の容量を増加させることなく、リフレッシュ充電を高速に行うことを可能とした。これにより、各充電状況に応じた最適な充電が可能となる。また、初期充電完了時に完了信号を出力するため、この信号を参照することによりシステム全体として安全に速やかなモータの起動が可能となる。
【0151】
本発明に係る第4のPWMインバータ用出力回路によれば、電源用コンデンサ充電時において、バイパス回路により充電時においてスイッチング素子と並列に迂回経路が形成されるため、スイッチング素子への充電電流の流入を防ぎ、スイッチング素子の寄生ダイオードの影響を回避することができる。
【0152】
本発明に係る第5ないし第8のPWMインバータ用出力回路は、前記第1ないし第4のPWMインバータ用出力回路のそれぞれにおいて、前記パワー回路の代わりに、制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して所定電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第1のパワー素子と、制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して所定電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第2のパワー素子とからなるパワー回路を備えたものであり、上記第5ないし第8のPWMインバータ用出力回路と同様の効果を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1のPWMインバータ用出力回路の回路ブロック図。
【図2】 実施の形態1の入力信号処理回路とレベルシフト回路の回路図。
【図3】 プリドライブ回路の回路図。
【図4】 充電制御回路の回路図。
【図5】 実施の形態1の入力信号処理回路における論理回路の入出力関係を示す真理値表。
【図6】 電源用コンデンサ充電時の充電経路を示した図。
【図7】 寄生ダイオード防止のための回路の第1の例を示した図。
【図8】 寄生ダイオード防止のための回路の第2の例を示した図。
【図9】 寄生ダイオード防止のための回路の第3の例を示した図。
【図10】 パワー回路のパワー素子の第1の変形例を示した図。
【図11】 パワー回路のパワー素子の第2の変形例を示した図。
【図12】 実施の形態2のPWMインバータ用出力回路の回路ブロック図。
【図13】 実施の形態2の入力信号処理回路とレベルシフト回路の回路図。
【図14】 第1プリドライブ回路の回路図。
【図15】 第1充電制御回路の回路図。
【図16】 第2プリドライブ回路および第2充電制御回路の回路図。
【図17】 実施の形態2の入力信号処理回路における論理回路の入出力関係を示す真理値表。
【図18】 実施の形態3のPWMインバータ用出力回路の回路図。
【図19】 充電電制御回路および制御電源を直流主電源に対して高圧側に接続した回路図(実施の形態4)。
【図20】 従来のPWMインバータの概略ブロック図。
【図21】 従来のPWMインバータ用出力回路の回路図。
【符号の説明】
11,11a…パワー回路、 13,13a,13b…入力信号処理回路、 15,15a,15b…レベルシフト回路、 17…プリドライブ回路、 17a,17c…第1プリドライブ回路、 17b,17d…第2プリドライブ回路、 19,19c…充電制御回路、 19a…第1充電制御回路、 19b…第2充電制御回路、 21…ゲート電位制御線、 23…基準電位制御線、 25,25a,27,27a、29…信号線、 33…制御電源監視回路、 35…電源用コンデンサ不足電圧検出回路、 36,36a〜36d…ドライバ制御回路、 37,37a〜37d…出力ドライバ回路、 41…バイパス回路、 42a〜42c…バイパス制御回路、 43,43b…コンデンサ電圧監視回路、47,47b…プリドライブ基準電位監視回路、 49,49b…充電電流回路、 51,51b…制御回路、 61,63…寄生阻止回路、 101…電動機開放機信号の入力端子、 102…スイッチング指令信号の入力端子、 103…充電完了信号の出力端子、 104…パワー回路の出力端子、 CS1…微小電流回路、 C1…電源用コンデンサ、 D21〜D33…ダイオード、 P1,P2,P11,P12…パワー素子、 Q11〜Q14,Q61〜Q64…スイッチング素子、 Q51,Q52…MOSFET、 Q53,Q54…IGBT、 RS1〜RS4…ラッチ回路、 V1…直流主電源、 V2…制御電源、 ZD1…ツェナダイオード。

Claims (53)

  1. 直流主電源と、
    制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して正電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第1のパワー素子と、制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して負電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第2のパワー素子とを有し、前記第1のパワー素子と前記第2のパワー素子との基準電極を共通接続し、前記第1のパワー素子と前記第2のパワー素子との制御電極を共通接続してなるパワー回路と、
    制御電源と、
    該制御電源の出力電圧を用いて充電される電源用コンデンサと、
    前記パワー素子の開閉を指令する指令信号を入力し所定の複数の論理信号に変換する入力信号処理回路と、
    前記入力信号処理回路から出力された複数の論理信号の組み合わせから要求されている制御状態を検出する状態検出回路と、該状態検出回路で検出された制御状態を保持するラッチ回路と、前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり、前記パワー素子の制御電極の電圧を制御する第1の出力ドライバと、前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり、前記パワー素子の基準電極の電圧を制御する第2の出力ドライバとを備え、前記第1および第2の出力ドライバは、前記ラッチ回路に保持された制御状態に基づいて前記スイッチング素子を開閉することにより、前記パワー素子の制御電極と基準電極間の電圧を制御し、前記電源用コンデンサを電源として前記パワー回路を駆動するプリドライブ回路と
    を有することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  2. 請求項1に記載のPWMインバータ用出力回路において、前記状態検出回路は、前記入力信号処理回路から出力される複数の論理信号の全てが同じとなる状態を除く状態を検出することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  3. 請求項1に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記入力信号処理回路は、前記電源用コンデンサの充電が行われない場合、出力した論理信号に応じた制御状態がラッチ回路にラッチされた後、入力信号処理回路と状態検出回路との間を電気的に遮断することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  4. 請求項1に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記制御電源の出力電圧を監視する電源監視回路をさらに備え、
    前記入力信号処理回路は、該電源監視回路の出力に基づき前記制御電源の出力電圧異常時に、前記パワー回路のパワー素子を双方ともオフにするように論理信号を制御し、該論理信号に応じた制御状態がラッチ回路にラッチされた後、入力信号処理回路と状態検出回路との間を電気的に遮断することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  5. 直流主電源と、
    制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して正電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第1のパワー素子と、制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して負電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第2のパワー素子とを有し、前記第1のパワー素子と前記第2のパワー素子との基準電極を共通接続し、前記第1のパワー素子と前記第2のパワー素子との制御電極を共通接続してなるパワー回路と、
    制御電源と、
    該制御電源の出力電圧を用いて充電される電源用コンデンサと、
    前記パワー素子の開閉を指令する指令信号を入力し所定の論理信号に変換する入力信号処理回路と、
    前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり、前記パワー素子の制御電極の電圧を制御する第1の出力ドライバと、前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり、前記パワー素子の基準電極の電圧を制御する第2の出力ドライバとを有し、前記入力信号処理回路からの論理信号に基づいて、前記第1および第2の出力ドライバの各スイッチング素子の開閉が制御され、前記パワー回路の制御電極および基準電極の電圧を所定値に制御することにより前記パワー回路を駆動するプリドライブ回路と、
    前記電源用コンデンサを充電するための電流を掃引する充電手段とを有し、
    前記制御電源の一端と前記電源用コンデンサの一端とを前記パワー回路の出力端を介して接続する第1の経路と、前記電源用コンデンサの他端と前記制御電源の他端とを前記充電手段を介して接続する第2の経路とからなる経路を充電経路とし、
    該充電経路を介して前記制御電源からの出力電圧を用いて前記電源用コンデンサを充電することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  6. 請求項5に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記プリドライブ回路の基準電位を監視する基準電位監視手段をさらに備え、
    前記充電手段は、微小電流である第1の充電電流を掃引する第1の充電電流手段と、第1の充電電流より大きな第2の充電電流を掃引する第2の充電電流手段とからなり、
    前記基準電位監視手段の出力に基づいて、前記プリドライブ回路の基準電位が所定範囲外である場合は第1の充電電流のみで電源用コンデンサを充電し、前記基準電位が所定範囲内にあるときに、少なくとも第2の充電電流で電源用コンデンサを充電するように充電電流を制御する充電制御回路を備えたことを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  7. 請求項5に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記電源用コンデンサの両端電圧を監視するコンデンサ電圧監視手段を有し、
    該コンデンサ電圧監視手段の出力に基づいて、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値未満またはこれ以下である場合は、前記電源用コンデンサの充電を行い、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値以上またはこれを上回った場合は、電源用コンデンサの充電を終了する充電制御回路を備えたことを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  8. 請求項5に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記第2の出力ドライバの出力端子と前記電源用コンデンサの前記他端との間に、電圧を制限する電圧クランプ手段を設けたことを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  9. 請求項6に記載のPWMインバータ用出力回路において、前記充電制御回路は、
    前記電源用コンデンサの両端電圧を監視するコンデンサ電圧監視手段をさらに有し、
    該コンデンサ電圧監視手段の出力に基づいて、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値未満またはこれ以下である場合は、前記電源用コンデンサの充電を行い、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値以上またはこれを上回った場合は、電源用コンデンサの充電を終了することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  10. 請求項6、請求項7または請求項9に記載のPWMインバータ用出力回路において、前記第2の出力ドライバの出力端子と前記電源用コンデンサの前記他端との間に、電圧を制限する電圧クランプ手段を設けたことを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  11. 請求項8または請求項10に記載のPWMインバータ用出力回路において、前記電圧クランプ手段はツェナダイオードからなることを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  12. 請求項7、請求項9ないし請求項11のいずれかに記載のPWMインバータ用出力回路において、前記充電制御回路は、前記コンデンサ電圧監視手段の出力に基づき、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値以上またはこれを上回ったときに、充電が終了したとし、充電完了信号を出力することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  13. 請求項5ないし請求項12のいずれか1つに記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記第1の経路は、前記第2の出力ドライバに含まれるスイッチング素子のうち前記電源用コンデンサの前記一端に接続される方のスイッチング素子を通過することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  14. 請求項13に記載のPWMインバータ用出力回路において、前記充電制御回路は、電源用コンデンサ充電時に、前記第1の経路に含まれる前記スイッチング素子を導通させることを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  15. 請求項5ないし請求項14のいずれか1つに記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記パワー回路の出力端子と前記電源用コンデンサの前記一端とを接続する充電バイパス回路をさらに備え、前記第1の経路は該充電バイパス回路も通過し得ることを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  16. 請求項15に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記充電バイパス回路は、抵抗とダイオードの直列回路であり、前記第2の出力ドライバに含まれるスイッチング素子の1つに並列に接続され、かつ、前記抵抗とダイオードとの接続点が前記パワー回路の出力端に接続されたことを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  17. 請求項15に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記充電バイパス回路は、互いに逆方向に並列に接続されたダイオード対からなるダイオード回路と、該ダイオード回路と直列に接続されたダイオードとからなり、前記第2の出力ドライバに含まれるスイッチング素子の1つと並列に接続され、前記ダイオード回路とダイオードとの接続点がパワー回路の出力端に接続されたことを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  18. 直流主電源と、
    制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して正電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第1のパワー素子と、制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して負電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第2のパワー素子とを有し、前記第1のパワー素子と前記第2のパワー素子との基準電極を共通接続し、前記第1のパワー素子と前記第2のパワー素子との制御電極を共通接続してなるパワー回路と、
    制御電源と、
    該制御電源の出力電圧を用いて充電される電源用コンデンサと、
    前記パワー素子の開閉を指令する指令信号を入力し所定の論理信号に変換する入力信号処理回路と、
    前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり、前記パワー素子の制御電極の電圧を制御する第1の出力ドライバと、前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり、前記パワー素子の基準電極の電圧を制御する第2の出力ドライバとを有し、前記入力信号処理回路からの論理信号に基づいて、前記第1および第2の出力ドライバの各スイッチング素子の開閉が制御され、前記パワー回路の制御電極および基準電極の電圧を所定値に制御することにより前記パワー回路を駆動するプリドライブ回路と、
    運転開始前に電源用コンデンサを充電するための電流を掃引する初期充電手段と、運転開始後に電源用コンデンサを充電するための電流を掃引するリフレッシュ充電手段とからなる充電手段とを有し、
    前記制御電源の一端と前記電源用コンデンサの一端とを前記パワー回路の出力端を介して接続する第1の経路と、前記電源用コンデンサの他端と前記制御電源の他端とを前記初期充電手段または前記リフレッシュ充電手段を介して接続する第2の経路とからなる経路を充電経路とし、
    該充電経路を介して前記制御電源からの出力電圧を用いて前記電源用コンデンサを充電することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  19. 請求項18に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記初期充電手段は、
    前記プリドライブ回路の基準電位を監視する基準電位監視手段と、
    微小電流を発生する副充電電流手段と、
    前記微小電流より大きな初期充電電流を発生する初期充電電流手段とを有し、
    前記基準電位監視手段の出力に基づいて、前記プリドライブ回路の基準電位が所定範囲外である場合は副充電電流手段による微小電流のみで電源用コンデンサを充電し、前記プリドライブ回路の基準電位が所定範囲内にあるときに、少なくとも初期充電電流で電源用コンデンサを充電することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  20. 請求項18に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記リフレッシュ充電手段は、
    前記プリドライブ回路の基準電位を監視する基準電位監視手段と、
    前記初期充電手段による充電電流よりも大きな値のリフレッシュ充電電流を発生する主充電電流手段とを有し、
    前記基準電位監視手段の出力に基づいて、前記プリドライブ回路の基準電位が所定範囲内にあるときに、少なくとも前記リフレッシュ充電電流で電源用コンデンサを充電することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  21. 請求項18に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記電源用コンデンサの両端電圧を監視するコンデンサ電圧監視手段をさらに有し、
    前記初期充電手段またはリフレッシュ充電手段は、それぞれの充電動作時において、該コンデンサ電圧監視手段の出力に基づいて、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値未満またはこれ以下である場合は、前記電源用コンデンサの充電を行い、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値以上またはこれを上回った場合は、電源用コンデンサの充電を終了することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  22. 請求項18に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記プリドライブ回路の出力ドライバの出力端子と前記電源用コンデンサの前記他端との間に、電圧を制限する電圧クランプ手段を設けたことを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  23. 請求項22に記載のPWMインバータ用出力回路において、前記電圧クランプ手段はツェナダイオードからなることを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  24. 請求項21に記載のPWMインバータ用出力回路において、前記充電制御回路は、初期充電時において、前記コンデンサ電圧監視手段の出力に基づき、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値以上またはこれを上回ったときに、初期充電が終了したとし、充電完了信号を出力することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  25. 直流主電源と、
    制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して正電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第1のパワー素子と、制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して負電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第2のパワー素子とを有し、前記第1のパワー素子と前記第2のパワー素子との基準電極を共通接続し、前記第1のパワー素子と前記第2のパワー素子との制御電極を共通接続してなるパワー回路と、
    制御電源と、
    該制御電源の出力電圧を用いて充電される電源用コンデンサと、
    前記パワー素子の開閉を指令する指令信号を入力し所定の論理信号に変換する入力信号処理回路と、
    前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり、前記パワー素子の制御電極の電圧を制御する第1の出力ドライバと、前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり、前記パワー素子の基準電極の電圧を制御する第2の出力ドライバとを有し、前記入力信号処理回路からの論理信号に基づいて、前記第1および第2の出力ドライバの各スイッチング素子の開閉が制御され、前記パワー回路の制御電極および基準電極の電圧を所定値に制御することにより前記パワー回路を駆動するプリドライブ回路と、
    前記電源用コンデンサ充電時に充電経路となるスイッチング素子に対して、該スイッチング素子の導通方向にスイッチング素子と並列になるように接続され、オンしたときに前記スイッチング素子に流れる電流を迂回させるための迂回経路を形成するバイパス回路と、
    前記電源用コンデンサの端子間電圧が低く、前記スイッチング素子が前記充電経路を形成できない場合、該バイパス回路をオンさせるバイパス制御回路と
    を備えたことを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  26. 直流主電源と、
    制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して所定電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第1のパワー素子と、制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して所定電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第2のパワー素子とからなるパワー回路と、
    制御電源と、
    該制御電源の出力電圧を用いて充電される電源用コンデンサと、
    前記パワー素子の開閉を指令する指令信号を入力し所定の複数の論理信号に変換する入力信号処理回路と、
    前記入力信号処理回路から出力された複数の論理信号の組み合わせから要求されている制御状態を検出する状態検出回路と、該状態検出回路で検出された制御状態を保持するラッチ回路と、前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり、前記第1のパワー素子の制御電極と基準電極間の電圧を制御する出力ドライバとを備え、前記ラッチ回路に保持された制御状態に基づいて前記出力ドライバが前記スイッチング素子を開閉することにより、前記第1のパワー素子の制御電極と基準電極間の電圧を制御し、前記電源用コンデンサを電源として前記第1のパワー素子を駆動する第1のプリドライブ回路と、
    前記論理信号に基づき、前記第2のパワー素子の制御電極および基準電極の電圧を所定値に制御することにより前記第2のパワー素子を駆動する第2のプリドライブ回路と
    を有することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  27. 請求項26に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記状態検出回路は、前記入力信号処理回路から出力される複数の論理信号の全てが同じとなる状態を除く状態を検出することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  28. 請求項26に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記入力信号処理回路は、前記電源用コンデンサの充電が行われない場合、出力した論理信号に応じた制御状態がラッチ回路にラッチされた後、入力信号処理回路と状態検出回路との間を電気的に遮断することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  29. 請求項26に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記制御電源の出力電圧を監視する電源監視回路を備え、
    前記入力信号処理回路は、該電源監視回路の出力に基づき前記制御電源の出力電圧異常時に、パワー回路のパワー素子を双方ともオフにするように論理信号を制御し、該論理信号に応じた論理状態がラッチ回路にラッチされた後、入力信号処理回路と状態検出回路との間を電気的に遮断することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  30. 直流主電源と、
    制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して所定電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第1のパワー素子と、制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して所定電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第2のパワー素子とからなるパワー回路と、
    制御電源と、
    該制御電源の出力電圧を用いて充電される電源用コンデンサと、
    前記パワー素子の開閉を指令する指令信号を入力し所定の論理信号に変換する入力信号処理回路と、
    前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり前記第1のパワー素子の制御電極および基準電極の電圧を制御する出力ドライバを有し、前記論理信号に基づき前記スイッチング素子の開閉を制御し、前記第1のパワー素子の制御電極および基準電極の電圧を所定値に制御することにより前記第1のパワー素子を駆動する第1のプリドライブ回路と、
    前記論理信号に基づき、前記第2のパワー素子の制御電極および基準電極の電圧を所定値に制御することにより前記第2のパワー素子を駆動する第2のプリドライブ回路と、
    前記電源用コンデンサを充電するための電流を掃引する充電手段とを有し、
    前記制御電源の一端と前記電源用コンデンサの一端とを前記パワー回路の出力端を介して接続する第1の経路と、前記電源用コンデンサの他端と前記制御電源の他端とを前記充電手段を介して接続する第2の経路とからなる経路を充電経路とし、
    該充電経路を介して前記制御電源からの出力電圧を用いて前記電源用コンデンサを充電することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  31. 請求項30に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記第1のプリドライブ回路の基準電位を監視する基準電位監視手段をさらに備え、
    前記充電手段は、微小電流である第1の充電電流を掃引する第1の充電電流手段と、第1の充電電流より大きな第2の充電電流を掃引する第2の充電電流手段とからなり、
    前記基準電位監視手段の出力に基づいて、前記第1のプリドライブ回路の基準電位が所定範囲外である場合は第1の充電電流のみで電源用コンデンサを充電し、前記基準電位が所定範囲内にあるときに、少なくとも第2の充電電流で電源用コンデンサを充電するように充電電流を制御する充電制御回路を備えたことを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  32. 請求項30に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記電源用コンデンサの両端電圧を監視するコンデンサ電圧監視手段を有し、
    該コンデンサ電圧監視手段の出力に基づいて、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値未満またはこれ以下である場合は、前記電源用コンデンサの充電を行い、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値以上またはこれを上回った場合は、電源用コンデンサの充電を終了する充電制御回路を備えたことを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  33. 請求項30に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記出力ドライバの出力端子と前記電源用コンデンサの前記他端との間に、電圧を制限する電圧クランプ手段を設けたことを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  34. 請求項31に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記充電制御回路は、前記電源用コンデンサの両端電圧を監視するコンデンサ電圧監視手段をさらに有し、
    該コンデンサ電圧監視手段の出力に基づいて、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値未満またはこれ以下である場合は、前記電源用コンデンサの充電を行い、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値以上またはこれを上回った場合は、電源用コンデンサの充電を終了することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  35. 請求項31、請求項32または請求項34に記載のPWMインバータ用出力回路において、前記出力ドライバの出力端子と前記電源用コンデンサの前記他端との間に、電圧を制限する電圧クランプ手段を設けたことを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  36. 請求項33または請求項35に記載のPWMインバータ用出力回路において、前記電圧クランプ手段はツェナダイオードからなることを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  37. 請求項32、請求項34ないし請求項36のいずれか1つに記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記充電制御回路は、前記コンデンサ電圧監視手段の出力に基づき、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値以上またはこれを上回ったときに、充電が終了したとし、充電完了信号を出力することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  38. 請求項30ないし請求項37のいずれか1つに記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記第1の経路は、前記出力ドライバに含まれるスイッチング素子のうち前記電源用コンデンサの前記一端に接続される方のスイッチング素子を通過することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  39. 請求項38に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記充電制御回路は、電源用コンデンサ充電時に、前記第1の経路に含まれる前記スイッチング素子を導通させることを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  40. 請求項30ないし請求項39のいずれか1つに記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記パワー回路の出力端子と前記電源用コンデンサの前記一端とを接続する充電バイパス回路をさらに備え、前記第1の経路は該充電バイパス回路も通過し得ることを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  41. 請求項40に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記充電バイパス回路は、抵抗とダイオードの直列回路であり、前記出力ドライバに含まれるスイッチング素子の1つに並列に接続され、かつ、前記抵抗とダイオードとの接続点が前記パワー回路の出力端に接続されたことを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  42. 請求項40に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記充電バイパス回路は、互いに逆方向に並列に接続されたダイオード対からなるダイオード回路と、該ダイオード回路と直列に接続されたダイオードとからなり、前記出力ドライバに含まれるスイッチング素子の1つと並列に接続され、前記ダイオード回路とダイオードとの接続点がパワー回路の出力端に接続されたことを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  43. 直流主電源と、
    制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して所定電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第1のパワー素子と、制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して所定電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第2のパワー素子とからなるパワー回路と、
    制御電源と、
    該制御電源の出力電圧を用いて充電される電源用コンデンサと、
    前記パワー素子の開閉を指令する指令信号を入力し所定の論理信号に変換する入力信号処理回路と、
    前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり前記第1のパワー素子の制御電極および基準電極の電圧を制御する第1の出力ドライバを有し、前記論理信号に基づき前記スイッチング素子の開閉を制御し、前記第1のパワー素子の制御電極および基準電極の電圧を所定値に制御することにより前記第1のパワー素子を駆動する第1のプリドライブ回路と、
    前記論理信号に基づき、前記第2のパワー素子の制御電極および基準電極の電圧を所定値に制御することにより前記第2のパワー素子を駆動する第2のプリドライブ回路と、
    運転開始前に電源用コンデンサを充電するための電流を掃引する初期充電手段と、運転開始後に電源用コンデンサを充電するための電流を掃引するリフレッシュ充電手段とからなる充電手段とを有し、
    前記制御電源の一端と前記電源用コンデンサの一端とを前記パワー回路の出力端を介して接続する第1の経路と、前記電源用コンデンサの他端と前記制御電源の他端とを前記充電手段を介して接続する第2の経路とからなる経路を充電経路とし、
    該充電経路を介して前記制御電源からの出力電圧を用いて前記電源用コンデンサを充電することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  44. 請求項43に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記初期充電手段は、
    前記第1のプリドライブ回路の基準電位を監視する基準電位監視手段と、
    微小電流を発生する副充電電流手段と、
    前記微小電流より大きな初期充電電流を発生する初期充電電流手段とを有し、
    前記基準電位監視手段の出力に基づいて、前記第1のプリドライブ回路の基準電位が所定範囲外である場合は副充電電流手段による微小電流のみで電源用コンデンサを充電し、前記第1のプリドライブ回路の基準電位が所定範囲内にあるときに、少なくとも初期充電電流で電源用コンデンサを充電することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  45. 請求項43に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記リフレッシュ充電手段は、
    前記第1のプリドライブ回路の基準電位を監視する基準電位監視手段と、
    前記初期充電手段による充電電流よりも大きな値のリフレッシュ充電電流を発生する主充電電流手段とを有し、
    前記基準電位監視手段の出力に基づいて、前記第1のプリドライブ回路の基準電位が所定範囲内にあるときに、少なくとも前記リフレッシュ充電電流で電源用コンデンサを充電することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  46. 請求項43に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記電源用コンデンサの両端電圧を監視するコンデンサ電圧監視手段をさらに有し、
    前記初期充電手段またはリフレッシュ充電手段は、それぞれの充電動作時において、該コンデンサ電圧監視手段の出力に基づいて、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値未満またはこれ以下である場合は、前記電源用コンデンサの充電を行い、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値以上またはこれを上回った場合は、電源用コンデンサの充電を終了することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  47. 請求項43に記載のPWMインバータ用出力回路において、
    前記第1のプリドライブ回路の出力ドライバの出力端子と前記電源用コンデンサの前記他端との間に、電圧を制限する電圧クランプ手段を設けたことを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  48. 請求項47に記載のPWMインバータ用出力回路において、前記電圧クランプ手段はツェナダイオードからなることを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  49. 請求項46に記載のPWMインバータ用出力回路において、前記充電制御回路は、前記コンデンサ電圧監視手段の出力に基づき、前記電源用コンデンサの両端電圧が所定値以上またはこれを上回ったときに、充電が終了したとし、充電完了信号を出力することを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  50. 直流主電源と、
    制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して所定電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第1のパワー素子と、制御電極および基準電極を少なくとも有し、前記基準電極に対して所定電圧を前記制御電極に印加したときに導通する第2のパワー素子とからなるパワー回路と、
    制御電源と、
    該制御電源の出力電圧を用いて充電される電源用コンデンサと、
    前記パワー素子の開閉を指令する指令信号を入力し所定の論理信号に変換する入力信号処理回路と、
    前記電源用コンデンサの端子間に直列に接続された一対のスイッチング素子からなり前記第1のパワー素子の制御電極および基準電極の電圧を制御する第1の出力ドライバを有し、前記論理信号に基づき前記スイッチング素子の開閉を制御し、前記第1のパワー素子の制御電極および基準電極の電圧を所定値に制御することにより前記第1のパワー素子を駆動する第1のプリドライブ回路と、
    前記論理信号に基づき、前記第2のパワー素子の制御電極および基準電極の電圧を所定値に制御することにより前記第2のパワー素子を駆動する第2のプリドライブ回路と、
    前記電源用コンデンサ充電時に充電経路となるスイッチング素子に対して、該スイッチング素子の導通方向にスイッチング素子と並列になるように接続され、オンしたときに前記スイッチング素子に流れる電流を迂回させるための迂回経路を形成するバイパス回路と、
    前記電源用コンデンサの端子間電圧が低く、前記スイッチング素子が前記充電経路を形成できない場合、該バイパス回路をオンさせるバイパス制御回路と
    を備えたことを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  51. 請求項1ないし請求項50のいずれか1つに記載のPWMインバータ用出力回路において、前記パワー素子の1つはパワーMOSFETからなることを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  52. 請求項1ないし請求項50のいずれか1つに記載のPWMインバータ用出力回路において、前記パワー素子の1つは、
    パワーMOSFETと、
    該パワーMOSFETの逆方向導通電流を阻止するため、該パワーMOSFETの導通方向に直列に接続された第1のダイオードと、
    前記パワーMOSFETと該第1のダイオードとの直列回路に並列に、該直列回路と逆導通方向に接続される第2のダイオードとからなることを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
  53. 請求項1ないし請求項50のいずれか1つに記載のPWMインバータ用出力回路において、前記パワー素子の1つはIGBTと、該IGBTと並列かつ逆導通方向に接続されるダイオードとからなることを特徴とするPWMインバータ用出力回路。
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