JP6102586B2 - 駆動対象スイッチング素子の駆動回路 - Google Patents

駆動対象スイッチング素子の駆動回路 Download PDF

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本発明は、駆動対象スイッチング素子をオン状態に切り替えるべく、前記駆動対象スイッチング素子の開閉制御端子に定電流を供給する定電流供給手段を備える駆動対象スイッチング素子の駆動回路に関する。
従来、例えば下記特許文献1に見られるように、スイッチング素子(IGBT)のゲートに定電流を供給する定電流駆動回路が知られている。
特許第4954290号公報
また、スイッチング素子の一対の主端子(コレクタ,エミッタ)間に過電流が流れる場合にスイッチング素子を保護する過電流保護回路を備える駆動回路も知られている。この保護回路について説明すると、まず、ゲートに定電流が供給される状況下、ゲート電圧がその上限電圧に到達する前から所定時間に渡って、クランプ用経路を介したゲート電荷の放電によってゲート電圧を上限電圧よりも低いクランプ電圧で制限する。ここで、クランプ用経路とは、ゲートに接続された放電経路のことである。
その後、ゲート電圧がクランプ電圧で制限される状況下、ゲートに接続されたソフト遮断用経路を介してゲート電荷を放電させることで、スイッチング素子を強制的にオフ状態に切り替えるソフト遮断を行う。ここで、ソフト遮断用経路とは、通常時にスイッチング素子をオフ状態へと切り替えるために用いられる放電経路よりも抵抗値の大きい放電経路のことである。ソフト遮断によれば、ゲート電荷の放電速度を通常時における放電速度よりも低くすることができ、ひいてはスイッチング素子がオフ状態に切り替えられる場合に生じるサージ電圧を低減させることができる。
ここで、本発明者らは、過電流が流れているにもかかわらず、ソフト遮断によらずにスイッチング素子がオフ状態に切り替えられる問題に直面した。この場合、ゲート電荷の放電速度がソフト遮断を行うときの放電速度よりも高くなってサージ電圧が増大し、スイッチング素子の信頼性が低下する懸念がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、駆動対象スイッチング素子の信頼性の低下を回避することのできる駆動対象スイッチング素子の駆動回路を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明は、駆動対象スイッチング素子(S¥#)をオン状態に切り替えるべく、前記駆動対象スイッチング素子の開閉制御端子に定電流を供給する定電流供給手段(24;24a,24b)と、前記開閉制御端子に接続されたクランプ用経路(Lclamp)と、前記クランプ用経路に設けられ、前記クランプ用経路によって前記開閉制御端子の電荷が放電される場合に前記クランプ用経路において最もインピーダンスの高いインピーダンス部(32)と、前記定電流供給手段によって前記開閉制御端子に定電流が供給される状況下、前記開閉制御端子の電圧がその上限電圧に到達する前から所定時間に渡って、前記定電流供給手段の出力電流を前記インピーダンス部に流通させることに伴う前記インピーダンス部における電圧降下によって前記開閉制御端子の電圧を前記上限電圧よりも低いクランプ電圧で制限する制限手段(34,36,38)と、を備え、前記駆動対象スイッチング素子の一対の主端子間に流れる電流が減少する状況下、前記開閉制御端子の電荷が前記クランプ用経路側へと移動するように、前記開閉制御端子に接続された電流流通経路と、前記一対の主端子のうち少なくとも一方に接続された主電流流通経路とが磁気結合されていることを特徴とする。
一対の主端子間に流れる電流(以下、主電流)が減少する状況下、開閉制御端子の電荷がクランプ用経路側へと移動するように、開閉制御端子に接続された電流流通経路と上記主電流流通経路とが磁気結合されている駆動回路がある。換言すれば、主電流が上昇する状況下、クランプ用経路側から開閉制御端子へと電荷が移動するように、開閉制御端子に接続された電流流通経路と上記主電流流通経路とが磁気結合されている駆動回路がある。こうした駆動回路においては、開閉制御端子に定電流が供給され始めた後、開閉制御端子の電圧がクランプ電圧を一旦大きく上回ることとなる。
その後、開閉制御端子の電圧がクランプ電圧に向かって低下し始めることで、主電流も減少し始める。ここで、主電流が減少する状況下においては、磁気結合によって開閉制御端子の電荷がクランプ用経路側へと移動される。移動された電荷は、クランプ用経路を介して放電される。その結果、開閉制御端子の電圧は、クランプ電圧を大きく下回ることとなる。これにより、駆動対象スイッチング素子がオフ状態に切り替わるといった問題が生じる。
そこで、上記発明では、クランプ用経路にインピーダンス部を設けた。上記発明では、開閉制御端子の電圧をクランプ電圧で制限するためにインピーダンス部を用いるとともに、開閉制御端子の電圧がクランプ電圧を大きく下回ることを回避するためにもインピーダンス部を用いる。ここで、インピーダンス部によって開閉制御端子の電圧の低下を回避できるのは、主電流が減少する状況下において上記磁気結合が生じる場合であっても、クランプ用経路を介した開閉制御端子の電荷の放電をインピーダンス部によって妨げることができるためである。
したがって、上記発明によれば、開閉制御端子の電圧がクランプ電圧で制限される状況下、上記磁気結合によって駆動対象スイッチング素子がオフ状態に切り替わることを回避することができる。これにより、駆動対象スイッチング素子の信頼性の低下を回避することができる。
第1の実施形態にかかるモータ制御システムの構成図。 同実施形態にかかる駆動回路の構成図。 通常時の過電流保護処理の一例を示すタイムチャート。 上下アーム短絡時の過電流保護処理の一例を示すタイムチャート。 第1の実施形態にかかる過電流上昇時における磁気結合態様を示す図。 同実施形態にかかる過電流減少時における磁気結合態様を示す図。 関連技術にかかる駆動回路の構成図。 関連技術にかかる過電流保護処理の一例を示すタイムチャート。 第1の実施形態にかかる過電流保護処理の一例を示すタイムチャート。 第2の実施形態にかかる駆動回路の構成図。 同実施形態にかかる過電流保護処理の一例を示すタイムチャート。 第3の実施形態にかかる駆動回路の構成図。 同実施形態にかかる過電流保護処理の一例を示すタイムチャート。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる駆動対象スイッチング素子の駆動回路を車載主機として回転機を備える車両(例えば、ハイブリッド車両や電気自動車)に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、モータジェネレータ10は、車載主機としての多相回転機(3相回転機)であり、図示しない駆動輪に連結されている。モータジェネレータ10は、インバータ11を介して「直流電源」としての高電圧バッテリ12に接続されている。高電圧バッテリ12の出力電圧は、例えば百V以上である。なお、高電圧バッテリ12としては、例えば、リチウムイオン蓄電池やニッケル水素蓄電池を用いることができる。また、本実施形態では、モータジェネレータ10として、同期機(永久磁石同期機)を用いている。
インバータ11は、高電位側(上アーム側)のスイッチング素子S¥p(¥=U,V,W)及び低電位側(下アーム側)のスイッチング素子S¥nの直列接続体を備えている。詳しくは、インバータ11は、3組のスイッチング素子S¥p,S¥nの直列接続体を備え、スイッチング素子S¥p,S¥nの接続点は、モータジェネレータ10の¥相に接続されている。ちなみに、本実施形態では、上記スイッチング素子S¥#(#=p,n)として、電圧制御形の半導体スイッチング素子を用い、より具体的には、IGBTを用いている。そして、スイッチング素子S¥#には、フリーホイールダイオードD¥#が逆並列に接続されている。なお、本実施形態において、スイッチング素子S¥#が「駆動対象スイッチング素子」に相当する。
制御装置14は、低電圧バッテリ16を電源とし、マイコンを主体として構成されている。制御装置14は、モータジェネレータ10の制御量(例えばトルク)をその指令値に制御すべく、インバータ11を操作する。詳しくは、制御装置14は、インバータ11を構成するスイッチング素子S¥#を操作すべく、操作信号g¥#を生成してスイッチング素子S¥#に対応する駆動回路DUに出力する。ここで、高電位側の操作信号g¥pと、対応する低電位側の操作信号g¥nとは、互いに相補的な信号となっている。すなわち、高電位側のスイッチング素子S¥pと、対応する低電位側のスイッチング素子S¥nとは、交互にオン状態とされる。
インターフェース18は、高電圧システムと低電圧システムとの間を電気的に絶縁しつつ、これらシステム間の信号の伝達を行う機能を有する。ここで、高電圧システムは、高電圧バッテリ12、インバータ11及びモータジェネレータ10を備えるシステムである。また、低電圧システムは、低電圧バッテリ16及び制御装置14を備えるシステムである。なお、本実施形態において、インターフェース18は、光絶縁素子(フォトカプラ)を備えている。
続いて、図2を用いて、駆動回路DUの構成について説明する。
図示されるように、駆動回路DUは、1チップ化された半導体集積回路であるドライブIC20、所定の出力電圧Vom(例えば15V)を有する定電圧電源22、及び定電圧電源22を電力供給源とする定電流電源24を備えている。詳しくは、定電流電源24は、ドライブIC20の第1の端子T1を介してPチャネルMOSFET(以下、充電用スイッチング素子26)のドレインに接続されている。充電用スイッチング素子26のソースは、ドライブIC20の第2の端子T2を介してスイッチング素子S¥#の開閉制御端子(ゲート)に接続されている。ここで、本実施形態において、定電流電源24から、第1の端子T1、充電用スイッチング素子26及び第2の端子T2を介してゲートに至るまでの電気経路を「充電経路Lcha」と称すこととする。なお、本実施形態において、定電流電源24が「定電流供給手段」を構成する。
スイッチング素子S¥#のゲートは、放電用抵抗体28を介してドライブIC20の第3の端子T3に接続されている。第3の端子T3は、NチャネルMOSFET(以下、放電用スイッチング素子30)を介してスイッチング素子S¥#の出力端子(エミッタ)に接続されている。ここで、本実施形態において、ゲートから、放電用抵抗体28、第3の端子T3及び放電用スイッチング素子30を介してエミッタに至るまでの経路を、通常時においてスイッチング素子S¥#をオフ状態に切り替えるために用いられる「通常時オフ用経路Ldis」と称すこととする。通常時オフ用経路Ldisは、放電用スイッチング素子30のオン操作(閉操作)によって閉状態とされ、放電用スイッチング素子30のオフ操作(開操作)によって開状態とされる。ここで、上記通常時とは、オン操作指令又はオフ操作指令に基づき後述する充電処理又は放電処理が行われる時のことである。
なお、本実施形態において、スイッチング素子S¥#のエミッタ及び入力端子(コレクタ)が「一対の主端子」に相当する。そして、コレクタが「第1の主端子」に相当し、エミッタが「第2の主端子」に相当する。
スイッチング素子S¥#のゲートは、また、第2の端子T2、抵抗体32及びNチャネルMOSFET(以下、クランプ用スイッチング素子34)を介してエミッタに接続されている。第2の端子T2及び抵抗体32の接続点は、クランプ用コンパレータ36の非反転入力端子に接続され、クランプ用コンパレータ36の反転入力端子は、第1の電源38に接続されている。なお、本実施形態において、クランプ用スイッチング素子34、クランプ用コンパレータ36及び第1の電源38が「制限手段」を構成する。また、クランプ用コンパレータ36及び第1の電源38が「クランプ操作手段」を構成する。
ここで、第1の電源38の出力電圧(以下、クランプ電圧Vclamp)は、例えば、スイッチング素子S¥#の信頼性が短時間で過度に低下するような電流が流れない程度の電圧(例えば12V)にスイッチング素子S¥#の開閉制御端子の印加電圧(ゲート電圧)を制限する値に設定されている。本実施形態において、クランプ電圧Vclampは、具体的には、スイッチング素子S¥#がオフ状態からオン状態に切り替わるスレッショルド電圧Vth以上の電圧であってかつ定電圧電源22の出力電圧Vom未満の電圧に設定されている。
ここで、本実施形態において、ゲートから、第2の端子T2、抵抗体32及びクランプ用スイッチング素子34を介してエミッタに至るまでの経路を「クランプ用経路Lclamp」と称すこととする。クランプ用経路Lclampは、クランプ用スイッチング素子34のオン操作によって閉状態とされ、クランプ用スイッチング素子34のオフ操作によって開状態とされる。
こうした構成によれば、第2の端子T2及び抵抗体32の接続点の電圧がクランプ電圧Vclampを超える場合、クランプ用スイッチング素子34がオン操作される。一方、上記接続点の電圧がクランプ電圧Vclamp未満となる場合、クランプ用スイッチング素子34がオフ操作される。これにより、上記接続点の電圧をクランプ電圧Vclampで制限することができる。
スイッチング素子S¥#のゲートは、さらに、ソフト遮断用抵抗体40、ドライブIC20の第4の端子T4及びNチャネルMOSFET(以下、ソフト遮断用スイッチング素子42)を介してエミッタに接続されている。ここで、本実施形態において、ゲートから、ソフト遮断用抵抗体40、第4の端子T4及びソフト遮断用スイッチング素子42を介してエミッタに至るまでの経路を「ソフト遮断用経路Lcut」と称すこととする。ソフト遮断用経路Lcutは、ソフト遮断用スイッチング素子42のオン操作によって閉状態とされ、ソフト遮断用スイッチング素子42のオフ操作によって開状態とされる。
スイッチング素子S¥#は、コレクタ及びエミッタ間に流れる電流(以下、コレクタ電流Ic)と相関を有する微少電流(例えば、コレクタ電流Icの「1/10000」)を出力するセンス端子Stを備えている。センス端子Stは、抵抗体(センス抵抗44)を介してエミッタに接続されている。これにより、センス端子Stから出力される微少電流によってセンス抵抗44に電圧降下が生じるため、センス抵抗44のうちセンス端子St側の電位(以下、センス電圧Vse)を、コレクタ電流Icと相関を有する電気的な状態量とすることができる。なお、本実施形態において、エミッタ電位を「0」とし、センス抵抗44の両端のうちセンス端子St側の電位がエミッタ電位よりも高い場合のセンス電圧Vseを正と定義する。
センス抵抗44の両端のうちセンス端子St側は、ドライブIC20の第5の端子T5を介して短絡検出用コンパレータ46の非反転入力端子に接続されている。短絡検出用コンパレータ46の反転入力端子は、第2の電源48に接続されている。本実施形態において、第2の電源48の出力電圧(以下、短絡閾値SC)は、スイッチング素子S¥#の信頼性を維持可能なコレクタ電流Icの上限値に対応するセンス電圧Vseに設定されている。なお、短絡検出用コンパレータ46の出力信号Sigは、ドライブIC20の備える駆動制御部50に入力される。
駆動制御部50は、ドライブIC20の第6の端子T6を介して入力される上記操作信号g¥#に基づき、充電用スイッチング素子26及び放電用スイッチング素子30の操作による充電処理及び放電処理を交互に行うことでスイッチング素子S¥#を駆動する。詳しくは、充電処理は、操作信号g¥#がオン操作指令になったと判断された場合、放電用スイッチング素子30をオフ操作し、また、充電用スイッチング素子26をオン操作する処理である。すなわち、充電処理は、ゲートに定電流を供給する定電流制御処理である。これにより、エミッタ電位に対するゲート電位の上昇によってゲート電圧Vgeがスレッショルド電圧Vth以上となることで、スイッチング素子S¥#はオン状態に切り替えられる。
なお、定電流制御処理によれば、後述するクランプ処理に起因したゲート充電電流の減少によってスイッチング素子S¥#のミラー期間が長くなることを回避することができ、スイッチング損失の増大等を回避することができる。
一方、放電処理は、操作信号g¥#がオフ操作指令になったと判断された場合、放電用スイッチング素子30をオン操作に切り替え、また、充電用スイッチング素子26をオフ操作に切り替える処理である。これにより、スイッチング素子S¥#は、オフ状態に切り替えられる。
駆動制御部50は、さらに、ゲート電圧Vgeや、短絡検出用コンパレータ46の出力信号Sig等に基づき、過電流保護処理を行う。この処理は、クランプ処理と、ソフト遮断処理とを含む処理である。
まず、クランプ処理について説明すると、この処理は、充電処理が行われる場合において、ゲート電圧Vgeが所定電圧Vαに到達するタイミングからクランプフィルタ時間Tclamp(「所定時間」に相当)に渡って、クランプ用スイッチング素子34をオン操作する処理である。すなわち、クランプ処理は、ゲート電圧Vgeがその上限電圧(定電圧電源22の出力電圧Vom)に到達する前からゲート電圧Vgeをクランプ電圧Vclampで制限する処理である。ここで、本実施形態において、所定電圧Vαは、スレッショルド電圧Vth以上であってかつクランプ電圧Vclamp未満の電圧に設定されている。より具体的には、所定電圧Vαは、スレッショルド電圧Vthの取り得る範囲「Vthmin〜Vthmax」の最大値Vthmaxに設定されている。これは、スイッチング素子S¥#が確実にオン状態に切り替えられてからクランプ処理を開始するための設定である。つまり、スレッショルド電圧Vthは、コレクタ電流Icや、スイッチング素子S¥#の個体差等によってばらつく。このため、所定電圧Vαをスレッショルド電圧Vthとして想定される最大値に設定することで、スイッチング素子S¥#が確実にオン状態に切り替えられてからクランプ処理を開始することができる。
クランプ処理によれば、例えば上下アーム短絡が生じてスイッチング素子S¥#に過電流(短絡電流)が流れる場合において、後述するソフト遮断処理によってスイッチング素子S¥#がオフ状態に切り替えられるまでにスイッチング素子S¥#に流れるコレクタ電流Icを制限することができる。
ちなみに、クランプフィルタ時間Tclampは、ゲート電圧Vgeが所定電圧Vαに到達してからセンス電圧Vseが短絡閾値SCを超えるまでの時間の最大値よりもやや長い時間に設定すればよい。
続いて、ソフト遮断処理について説明すると、この処理は、短絡検出用コンパレータ46の出力信号Sigの論理が短絡フィルタ時間Tsc継続して「H」になっていると判断された場合、スイッチング素子S¥#に過電流が流れていると判断する。そして、充電用スイッチング素子26及び放電用スイッチング素子30をオフ操作してかつ、ソフト遮断用スイッチング素子42をオン操作する処理である。上記ソフト遮断処理の実行により、スイッチング素子S¥#が強制的にオフ状態に切り替えられる。なお、本実施形態において、ソフト遮断用抵抗体40、ソフト遮断用スイッチング素子42、短絡検出用コンパレータ46及び第2の電源48が「ソフト遮断手段」を構成する。
ちなみに、短絡フィルタ時間Tscは、短絡検出用コンパレータ46の出力信号Sigにノイズが混入すること等によってソフト遮断処理が誤って実行されるのを回避するために設定されている。また、上記ソフト遮断用抵抗体40は、ゲート電荷の放電経路の抵抗値を大きくするために設けられる。これは、コレクタ電流Icが過大である状況下にあっては、スイッチング素子S¥#をオン状態からオフ状態へと切り替える速度(ゲート電荷の放電速度)を高くすると、サージ電圧が過大となるおそれがあることに鑑みた設定である。本実施形態では、ソフト遮断用抵抗体40の抵抗値Raが、放電用抵抗体28の抵抗値Rbよりも高く設定されている。これにより、ソフト遮断用経路Lcutの抵抗値は、通常時オフ用経路Ldisの抵抗値よりも大きく設定されることとなる。すなわち、ソフト遮断用経路Lcutによるゲート電荷の放電速度は、通常時オフ用経路Ldisによるゲート電荷の放電速度よりも低くなる。
また、ソフト遮断処理が行われた場合、駆動制御部50は、フェール信号FLを出力する処理と、充電用スイッチング素子26及び放電用スイッチング素子30の駆動を禁止する処理とを併せて行う。上記フェール信号FLは、ドライブIC20の第7の端子T7を介して低電圧システム(制御装置14)に出力される。このフェール信号FLによって、インバータ11のシャットダウンが行われる。
続いて、図3及び図4に、過電流保護処理の一例を示す。詳しくは、図3は、過電流が流れない通常時における過電流保護処理の一例であり、図4は、上下アーム短絡が生じた場合における過電流保護処理の一例である。
まず、図3を用いて説明する。ここで、図3(a)は、ゲート電圧Vgeの推移を示し、図3(b)は、充電用スイッチング素子26の操作状態の推移を示し、図3(c)は、放電用スイッチング素子30の操作状態の推移を示す。また、図3(d)は、クランプ用スイッチング素子34の操作状態の推移を示し、図3(e)は、ソフト遮断用スイッチング素子42の操作状態の推移を示し、図3(f)は、短絡検出用コンパレータ46の出力信号Sigの推移を示す。
図示される例では、時刻t1において放電用スイッチング素子30がオフ操作に切り替えられ、また、充電用スイッチング素子26がオン操作に切り替えられることで充電処理が開始される。これにより、ゲート電圧Vgeが上昇し始めることで、その後コレクタ電流Ic及びセンス電圧Vseが上昇し始める。なお、図3(a)に示す「Vmil」は、スイッチング素子S¥#のミラー電圧を示す。
そして、ミラー期間を経過した後、時刻t2において、ゲート電圧Vgeが所定電圧Vαに到達したと判断される。これにより、クランプ用スイッチング素子34がオン操作に切り替えられてクランプ処理が開始される。ここで、本実施形態において、抵抗体32の抵抗値Rは、定電流電源24から出力される定電流Ig及び上記抵抗値Rの乗算値がクランプ電圧Vclampとなるように設定されている。
そして、時刻t2からクランプフィルタ時間Tclampが経過する時刻t3において、クランプ用スイッチング素子34がオフ操作に切り替えられる。これにより、その後、ゲート電圧Vgeは、定電圧電源22の出力電圧Vomに到達する。
続いて、図4を用いて、上下アーム短絡が生じる場合の一例を示す。ここで、図4(a)〜図4(f)は、先の図3(a)〜図3(f)に対応している。
図示される例では、時刻t1において充電処理が開始されることで、ゲート電圧Vgeが上昇し始める。その後、ミラー期間を経ることなく、時刻t2においてゲート電圧Vgeが所定電圧Vαに到達したと判断される。これにより、クランプ用スイッチング素子34がオン操作に切り替えられてクランプ処理が開始される。
その後、時刻t3において、センス電圧Vseが短絡閾値SCを超えることで、短絡検出用コンパレータ46の出力信号Sigの論理が「H」に反転される。本実施形態では、ゲート電圧Vgeが所定電圧Vαに到達してからクランプフィルタ時間Tclampが経過するまでの期間に、上記出力信号Sigの論理が「H」に反転されたと判断される場合、時刻t2からクランプフィルタ時間Tclampが経過する場合であっても、クランプ用スイッチング素子34のオン操作を継続する処理が行われる。
その後、短絡検出用コンパレータ46の出力信号Sigの論理が短絡フィルタ時間Tsc継続して「H」になっていると判断される時刻t5において、ソフト遮断用スイッチング素子42がオン操作に切り替えられる。これにより、スイッチング素子S*#が強制的にオフ状態とされる。なお、その後、クランプ用スイッチング素子34がオフ操作に切り替えられる。
ここで、図4に示した過電流保護処理は、ゲートに接続された電流流通経路(本実施形態では、クランプ用経路Lclamp)と、コレクタ及びエミッタのうち少なくとも一方に接続された主電流流通経路(コレクタ電流Icの流通経路)とが磁気結合されていない駆動回路DUを用いる場合に対応している。これに対し、クランプ用経路Lclamp及び上記主電流流通経路とが磁気結合されている駆動回路DUを用いる場合には、ソフト遮断処理によらずにスイッチング素子S¥#がオフ状態に切り替えられるといった問題が生じ得る。以下、磁気結合について説明した後、ソフト遮断処理によらずにオフ状態に切り替えられる問題について説明する。
まず、図5及び図6を用いて、磁気結合のメカニズムについて説明する。ここで、図5及び図6は、先の図1及び図2に示した構成のうち、低電位側のスイッチング素子S¥n周辺の構成を示す図である。なお、図5及び図6では、充電用スイッチング素子26やドライブIC20の端子等の図示を省略している。
図示されるように、コレクタ及びエミッタのうち少なくとも一方に接続された主電流流通経路、及びゲートに接続された電流流通経路には、配線インダクタンスが存在する。図5及び図6には、一対の主電流流通経路のうちコレクタに接続された経路に配線インダクタンス「lm」が存在することを示し、クランプ用経路Lclampに配線インダクタンス「lg」が存在することを示した。本実施形態では、これら配線インダクタンスlm,lgが磁気結合されている。詳しくは、図5に示すように、コレクタ電流Icが上昇する(コレクタ電流Icの変化速度が正の値となる)状況下、クランプ用経路Lclamp側からゲートへと電荷が移動するように、これら配線インダクタンスlm,lgが磁気結合されている。ここで、クランプ用経路Lclamp側からゲートへと電荷が移動するのは、スイッチング素子S¥#のゲート及びエミッタ間容量を介してゲート側からエミッタ側へと電流が流れ込むことに起因する。一方、図6に示すように、コレクタ電流Icが減少する(コレクタ電流Icの変化速度が負の値となる)状況下、ゲート電荷がクランプ用経路Lclamp側へと移動するように、上記配線インダクタンスlm,lgが磁気結合されている。ここで、ゲート電荷がクランプ用経路Lclamp側へと移動するのは、ゲート及びエミッタ間容量を介してエミッタ側からゲート側へと電流が流れ込むことに起因する。
そして、こうした磁気結合が図7に示す関連技術にかかる駆動回路DUで生じることで、ソフト遮断処理によらずにスイッチング素子S¥#がオフ状態に切り替えられる問題が生じる。ここで、図7において、先の図2に示した部材と同一の部材については、便宜上、同一の符号を付している。
図示されるように、関連技術にかかる駆動回路DUは、抵抗体32を備えていない。駆動回路DUは、クランプ用コンパレータ36に代えて、オペアンプ52を備えている。
クランプ用スイッチング素子34及び第2の端子T2の接続点は、オペアンプ52の非反転入力端子に接続され、オペアンプ52の反転入力端子は、第1の電源38に接続されている。
関連技術において、クランプ処理は、ゲート電圧Vgeが所定電圧Vαに到達してからクランプフィルタ時間Tclampに渡って、オペアンプ52に対してイネーブル信号を出力する処理となる。これにより、クランプ用スイッチング素子34のゲート電圧の操作によってクランプ用スイッチング素子34のオン抵抗を調整し、第2の端子T2の電圧をクランプ電圧Vclampで制限する。
図8を用いて、関連技術を用いた場合における上記問題について説明する。ここで、図8は、関連技術にかかる過電流保護処理の一例である。なお、図8(a)〜図8(f)は、先の図4(a)〜図4(f)に対応している。
図示される例では、時刻t1において充電処理が開始されることで、ゲート電圧Vgeが上昇し始める。その後、時刻t2においてゲート電圧Vgeが所定電圧Vαに到達したと判断される。これにより、オペアンプ52に対してイネーブル信号が出力されることでクランプ処理が開始される。
その後、時刻t3において、センス電圧Vseが短絡閾値SCを超えることで、短絡検出用コンパレータ46の出力信号Sigの論理が「H」に反転される。その後、コレクタ電流Icが上昇する状況下における磁気結合により、ゲート電圧Vgeがクランプ電圧Vclampを一旦大きく上回ることとなる。これにより、ゲート電圧をクランプ電圧Vclampで制限すべく、クランプ用スイッチング素子34がフルオン状態とされ、クランプ用経路Lclampを介したゲート電荷の放電が開始される。ここで、クランプ用スイッチング素子34のフルオン状態とは、クランプ用スイッチング素子34がオン操作される場合のクランプ用スイッチング素子34のゲート電圧を、非飽和領域でクランプ用スイッチング素子34を駆動させる電圧に設定する状態である。非飽和領域とは、クランプ用スイッチング素子34のドレイン及びソース間電圧Vdsとドレイン電流Idとが関係付けられた出力特性において、ドレイン及びソース間電圧Vdsの上昇に伴ってドレイン電流Idが増大する領域のことである。これにより、クランプ用スイッチング素子34のオン抵抗は、略「0」とされる。
その後、時刻t4において、ゲート電圧Vgeがクランプ電圧Vclampに向かって低下し始めることで、コレクタ電流Icも減少し始める。ここで、コレクタ電流Icが減少する状況下においては、磁気結合によってゲート電荷がクランプ用経路Lclamp側へと移動される。移動されたゲート電荷は、クランプ用経路Lclampを介して放電される。特に本実施形態では、クランプ用スイッチング素子34がフルオン状態とされていることから、クランプ用経路Lclampのインピーダンスが低くなり、ゲート電荷の放電量が大きくなる。その結果、ゲート電圧Vgeは、急峻に落ち込んでクランプ電圧Vclampを大きく下回ることとなる。これにより、その後、短絡フィルタ時間Tscの計時が開始されてからこの時間Tscが経過する前に、ゲート電圧Vgeの低下によってスイッチング素子S¥#がオフ状態に切り替わるといった問題が生じる。したがって、スイッチング素子S¥#がオフ状態に切り替えられる場合に生じるサージ電圧が増大し、スイッチング素子S¥#の信頼性が低下する。
こうした問題に対処すべく、本実施形態では、先の図2に示すように、クランプ用経路Lclampに抵抗体32を設けた。抵抗体32は、クランプ用経路Lclampによってゲート電荷が放電される場合にクランプ用経路Lclampにおいて最もインピーダンスの高い「インピーダンス部」に相当する。ここで、抵抗体32の抵抗値Rは、クランプ電圧Vclampを定電流電源24から出力される定電流Igで除算した値に設定されている。
本実施形態では、ゲート電圧Vgeをクランプ電圧Vclampで制限するために抵抗体32を用いるとともに、ゲート電圧Vgeがクランプ電圧Vclampを大きく下回ることを回避するためにも抵抗体32を用いた。ここで、抵抗体32によってゲート電圧Vgeの低下を回避できるのは、コレクタ電流Icが減少する状況下において上記磁気結合が生じる場合であっても、抵抗体32によってゲート電荷の放電を妨げることができるためである。
図9に、磁気結合が生じる場合の本実施形態にかかる過電流保護処理の一例を示す。なお、図9は、ゲート電圧Vgeの推移を示す。
図示されるように、時刻t1において充電処理が開始されることで、ゲート電圧Vgeが上昇し始める。その後、時刻t2においてゲート電圧Vgeが所定電圧Vαに到達したと判断されることで、クランプ処理が開始される。
センス電圧Vseが短絡閾値SCを超えた後、時刻t3近傍において、ゲート電圧Vgeがクランプ電圧Vclampを一旦大きく上回る。その後、時刻t4において、ゲート電圧Vgeがクランプ電圧Vclampに向かって低下し始めることで、コレクタ電流Icも減少し始める。ここで、本実施形態では、クランプ用経路Lclampに抵抗体32を設けていることから、コレクタ電流Icが減少する状況下において上記磁気結合が生じる場合であっても、ゲート電荷の放電を妨げることができる。このため、ゲート電圧Vgeは、急峻に落ち込むことなくクランプ電圧Vclampに収束することとなる。そして、その後、時刻t6においてソフト遮断用スイッチング素子42がオン操作され、ソフト遮断処理によってスイッチング素子S¥#をオフ状態に切り替えることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)定電流制御処理が行われる駆動回路DUにおいて、クランプ用経路Lclampに抵抗体32を設けた。このため、コレクタ電流Icが減少する状況下において磁気結合が生じる場合であっても、クランプ用経路Lclampを介したゲート電荷の放電を抵抗体32によって妨げることができる。これにより、スイッチング素子S¥#に過電流が流れる状況下においてスイッチング素子S¥#をソフト遮断処理によってオフ状態に切り替えることができる。したがって、スイッチング素子S¥#の信頼性の低下を回避することができる。
(2)所定電圧Vαを、スレッショルド電圧の最大値Vthmaxに設定した。スイッチング素子S¥#がオン状態に切り替わる前にゲート電圧Vgeをクランプ電圧Vclampで制限すると、定電流電源24からゲートに供給されるべき電荷がクランプ用経路Lclampを介して放電され、ゲート電圧Vgeが上昇しにくくなる。この場合、スイッチング素子S¥#をオン状態に切り替えることができなかったり、スイッチング素子S¥#がハーフオン状態となることによる発熱によってスイッチング素子S¥#の信頼性が低下したりするといった問題が生じ得る。
ここで、所定電圧Vαの上記設定によれば、スイッチング素子S¥#がオン状態に切り替わってからクランプ処理を開始することができる。このため、上述した問題の発生を回避することができる。なお、スイッチング素子S¥#のハーフオン状態とは、スイッチング素子S¥#がオン操作される場合のゲート電圧Vgeを、飽和領域でスイッチング素子S¥#を駆動させる電圧に設定する状態である。ここで、飽和領域とは、スイッチング素子S¥#のコレクタ及びエミッタ間電圧Vceとコレクタ電流Icとが関係付けられた出力特性において、コレクタ及びエミッタ間電圧Vceの大きさにかかわらずコレクタ電流Icが略一定となる領域のことである。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図10に、本実施形態にかかる駆動回路DUを示す。なお、図10において、先の図2に示した部材と同一の部材については、便宜上、同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、「電荷蓄積素子」としてのコンデンサ54が抵抗体32に並列接続されている。
図11に、本実施形態にかかる過電流保護処理の一例を示す。なお、図11は、先の図9に対応している。
図示されるように、時刻t1において充電処理が開始された後、時刻t2においてゲート電圧Vgeが所定電圧Vαに到達したと判断されることで、クランプ処理が開始される。
センス電圧Vseが短絡閾値SCを超えた後、時刻t3近傍において、ゲート電圧Vgeがクランプ電圧Vclampを上回ることとなる。ここで、本実施形態では、コレクタ電流Icが上昇する状況下における磁気結合によってゲートへと電荷が移動しようとする場合であっても、その一部をコンデンサ54によって吸収することができる。
このため、本実施形態では、上記第1の実施形態の(1),(2)で得られる効果に加えて、ゲート電圧Vgeのクランプ電圧Vclampに対するオーバーシュートを抑制できるといった効果を得ることができる。これにより、ゲート電圧Vgeをクランプ電圧Vclampに近づけることができ、クランプ処理によってゲート電圧Vgeが制限される期間におけるコレクタ電流Icを的確に抑制することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、抵抗体32の抵抗値を上記第1の実施形態に示した抵抗値よりも大きく設定する。これは、本実施形態における磁気結合が、上記第1の実施形態における磁気結合よりも大きく、磁気結合によるゲート電荷の移動量がより大きくなるためである。磁気結合によるゲート電荷の移動量が大きい場合であっても、抵抗体32の抵抗値を大きく設定することで、ゲート電荷の放電をより妨げることができる。
図12に、本実施形態にかかる駆動回路DUを示す。なお、図12において、先の図2に示した部材と同一の部材については、便宜上、同一の符号を付している。なお、本実施形態では、定電流電源24を第1の定電流電源24aと称すこととする。
図示されるように、第1の定電流電源24aは、第1の端子T1に接続されている。また、定電圧電源22を電力供給源とする第2の定電流電源24bは、ドライブIC20の第8の端子T8に接続されている。本実施形態では、第2の定電流電源24bから出力される定電流を、第1の定電流電源24aから出力される定電流の「1/2」に設定している。なお、本実施形態において、第1の定電流電源24a及び第2の定電流電源24bが「定電流供給手段」を構成する。
第1の端子T1又は第8の端子T8は、スイッチ56によって充電用スイッチング素子26のドレインと選択的に接続される。スイッチ56は、駆動制御部50によって通電操作される。
本実施形態において、抵抗体32の抵抗値は、上記第1の実施形態に示した抵抗値の2倍「2R」に設定されている。これは、ゲート充電電流の供給源が第2の定電流電源24bとなる期間(制限手段によってゲート電圧Vgeがクランプ電圧Vclampで制限される期間)において、ゲート充電電流「Ig/2」及び抵抗体32の抵抗値「2R」の乗算値をクランプ電圧Vclampとするための設定である。すなわち、抵抗体32の抵抗値「2R」は、クランプ電圧Vclampを第2の定電流電源24bから出力される定電流「Ig/2」で除算した値に設定されている。
続いて、図13を用いて、本実施形態にかかる過電流保護処理の一例を示す。ここで、図13(a)〜図13(d),図13(f),図13(g)は、先の図4(a)〜図4(f)に対応している。また、図13(e)は、充電経路Lchaに流れる定電流の推移を示す。
図示される例では、時刻t1において、スイッチ56の操作によって第1の定電流電源24a及び充電用スイッチング素子26が接続される。これにより、第1の定電流電源24aからゲートへと定電流の供給が開始されることで、ゲート電圧Vgeが上昇し始める。
その後、時刻t2においてゲート電圧Vgeが所定電圧Vαに到達したと判断されることで、スイッチ56の操作によって第2の定電流電源24b及び充電用スイッチング素子26が接続される。これにより、ゲート充電電流の供給源が第1の定電流電源24aから第2の定電流電源24bに切り替えられる。この場合、充電電流が半減するものの、抵抗体32の抵抗値が「2R」に設定されているため、ゲート電圧Vgeをクランプ電圧Vclampで制限することができる。なお、その後、時刻t3においてソフト遮断用スイッチング素子42がオン操作される。
ちなみに、本実施形態において、充電電流を図13(e)に示したようにすべく、スイッチ56を操作する処理が「低下手段」を構成する。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1の実施形態の(1),(2)の効果に加えて、以下の効果が得られるようになる。
(3)クランプ処理によってゲート電圧Vgeがクランプ電圧Vclampで制限される期間においてゲートに供給される定電流を、充電処理が行われる期間のうちクランプ処理によってゲート電圧Vgeがクランプ電圧Vclampで制限されない期間おいてゲートに供給される定電流の「1/2」とした。このため、同じクランプ電圧Vclampを確保するための抵抗体32の抵抗値を大きく設定することができる。これにより、磁気結合が生じる状況下においてゲート電荷の放電を妨げる効果をより大きくすることができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・「インピーダンス部」としては、抵抗体32に限らず、例えばスイッチング素子(MOSFET。以下、調整用スイッチング素子)であってもよい。この場合、例えば上記第1の実施形態において、抵抗体32に代えて調整用スイッチング素子を備える。そして、クランプ処理が行われる期間において、調整用スイッチング素子のハーフオン状態によって調整用スイッチング素子のオン抵抗を「R」とするように調整用スイッチング素子のゲート電圧を調整する処理とすればよい。この場合、調整用スイッチング素子は、クランプ用経路Lclampによってゲート電荷が放電される場合にクランプ用経路Lclampにおいて最もインピーダンスの高い部材となる。
なお、調整用スイッチング素子のハーフオン状態とは、調整用スイッチング素子がオン操作される場合の調整用スイッチング素子のゲート電圧Vgsを、飽和領域で調整用スイッチング素子を駆動させる電圧に設定する状態である。ここで、飽和領域とは、上記出力特性において、調整用スイッチング素子のドレイン及びソース間電圧Vdsの大きさにかかわらずドレイン電流Idが略一定となる領域のことである。調整用スイッチング素子が飽和領域で駆動されると、調整用スイッチング素子のオン抵抗がフルオン状態の場合よりも増大する。
また、「インピーダンス部」としては、抵抗体やMOSFET等の素子を用いたものに限らない。例えば、クランプ用経路Lclampとしての配線パターンの幅を小さくしたり、配線パターンを長くすることで、クランプ用経路Lclampにおいて他の部分よりも抵抗値を大きくした部分をインピーダンス部としてもよい。
・「ソフト遮断手段」としては、ゲート電荷の放電経路の抵抗値を増大させることで、ゲート電荷の放電速度を低下させるものに限らない。例えば、以下(A),(B)に説明するものであってもよい。
(A)先の図2において、ソフト遮断用抵抗体40、第4の端子T4及びソフト遮断用スイッチング素子42を除去する。そして、第3の端子T3及び放電用スイッチング素子30の接続点にスイッチング素子(例えばMOSFET)を介して電源を接続する。そして、上記スイッチング素子をオン操作して上記接続点に電荷を供給することで、ソフト遮断処理時におけるゲート電荷の放電速度を通常時の放電速度よりも低くする構成をソフト遮断手段として用いてもよい。これは、上記接続点に電源から電荷を供給することで、ゲート電荷の放電が妨げられることを利用したものである。
(B)先の図2において、ソフト遮断用抵抗体40、第4の端子T4及びソフト遮断用スイッチング素子42を除去する。そして、放電用スイッチング素子30のソースを、スイッチング素子S¥#のエミッタ又はエミッタよりも高電位となる部位(例えば、エミッタ電位よりも高い電位を出力電位とする電源)のうちいずれかとを選択的に接続可能な通電操作式のスイッチング素子(例えばMOSFET)によって接続する。そして、上記スイッチング素子の通電操作により、ソフト遮断処理時において、放電用スイッチング素子30のソース及び上記高電位となる部位を接続することで、ゲート電荷の放電速度を低くする構成をソフト遮断手段として用いてもよい。
・「電荷蓄積素子」としては、コンデンサに限らず、電荷を蓄積する機能を有する素子であれば、他の電荷蓄積素子であってもよい。
・上記第3の実施形態において、抵抗体32の抵抗値を例えば「3R」に設定してもよい。この場合、第2の定電流電源24bから出力される定電流を、第1の定電流電源24aから出力される定電流の「1/3」に設定すればよい。
・「駆動対象スイッチング素子」としては、単一のIGBTに限らず、複数のIGBTの並列接続体であってもよい。詳しくは、複数のIGBTのコレクタ同士を互いに接続し、エミッタ同士を互いに接続すればよい。こうした構成は、駆動対象スイッチング素子に流通可能なコレクタ電流Icの最大値を増大させるために採用される。また、「駆動対象スイッチング素子」としては、IGBTに限らず、例えばMOSFETであってもよい。この場合、第1の端子はドレインとなり、第2の端子はソースとなる。
24…定電流電源、32…抵抗体、34…クランプ用スイッチング素子、Lclamp…クランプ用経路、S¥#…スイッチング素子。

Claims (8)

  1. 駆動対象スイッチング素子(S¥#)をオン状態に切り替えるべく、前記駆動対象スイッチング素子の開閉制御端子に定電流を供給する定電流供給手段(24;24a,24b)と、
    前記開閉制御端子に接続されたクランプ用経路(Lclamp)と、
    前記クランプ用経路に設けられ、前記クランプ用経路によって前記開閉制御端子の電荷が放電される場合に前記クランプ用経路において最もインピーダンスの高いインピーダンス部(32)と、
    前記定電流供給手段によって前記開閉制御端子に定電流が供給される状況下、前記開閉制御端子の電圧がその上限電圧に到達する前から所定時間に渡って、前記定電流供給手段の出力電流を前記インピーダンス部に流通させることに伴う前記インピーダンス部における電圧降下によって前記開閉制御端子の電圧を前記上限電圧よりも低いクランプ電圧で制限する制限手段(34,36,38)と、
    を備え、
    前記駆動対象スイッチング素子の一対の主端子間に流れる電流が減少する状況下、前記開閉制御端子の電荷が前記クランプ用経路側へと移動するように、前記開閉制御端子に接続された電流流通経路と、前記一対の主端子のうち少なくとも一方に接続された主電流流通経路とが磁気結合されていることを特徴とする駆動対象スイッチング素子の駆動回路。
  2. 前記インピーダンス部は、抵抗体であることを特徴とする請求項1記載の駆動対象スイッチング素子の駆動回路。
  3. 前記制限手段は、前記開閉制御端子の電圧が所定電圧となってから前記所定時間に渡って前記開閉制御端子の電圧を前記クランプ電圧で制限し、
    前記所定電圧は、前記駆動対象スイッチング素子がオフ状態からオン状態に切り替わるスレッショルド電圧以上であってかつ前記クランプ電圧未満の電圧に設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の駆動対象スイッチング素子の駆動回路。
  4. 前記定電流供給手段と前記開閉制御端子とを接続する充電経路(Lcha)と、
    前記充電経路に設けられた充電用スイッチング素子(26)と、
    前記開閉制御端子に接続された通常時オフ用経路(Ldis)と、
    前記通常時オフ用経路に設けられた放電用スイッチング素子(30)と、
    操作信号がオン操作指令になったと判断した場合、前記駆動対象スイッチング素子をオン状態に切り替えるべく、前記充電用スイッチング素子をオン操作し、また、前記放電用スイッチング素子をオフ操作し、前記操作信号がオフ操作指令になったと判断した場合、前記駆動対象スイッチング素子をオフ状態に切り替えるべく、前記充電用スイッチング素子をオフ操作し、また、前記放電用スイッチング素子をオン操作する駆動制御部(50)と、
    前記インピーダンス部に並列接続され、電荷を蓄積する機能を有する電荷蓄積素子と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の駆動対象スイッチング素子の駆動回路。
  5. 前記電荷蓄積素子は、コンデンサであることを特徴とする請求項4記載の駆動対象スイッチング素子の駆動回路。
  6. 前記定電流供給手段(24a,24b)は、前記開閉制御端子に供給する定電流を可変とする機能を備え、
    前記制限手段によって前記開閉制御端子の電圧が制限される期間において前記定電流供給手段から前記開閉制御端子へと供給される定電流を、前記定電流供給手段から前記開閉制御端子へと定電流が供給される期間のうち前記制限手段によって前記開閉制御端子の電圧が制限されない期間おいて前記開閉制御端子へと供給される定電流よりも低下させる低下手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の駆動対象スイッチング素子の駆動回路。
  7. 前記一対の主端子を第1の主端子及び第2の主端子とし、
    前記駆動対象スイッチング素子は、前記第2の主端子の電位に対する前記開閉制御端子の電位の上昇によって前記開閉制御端子の電圧をスレッショルド電圧以上とすることでオン状態に切り替えられ、
    前記クランプ用経路の両端のうち前記開閉制御端子が接続された側とは反対側には、前記第2の主端子が接続され、
    前記制限手段は、
    前記クランプ用経路に設けられ、前記クランプ用経路を開閉すべく開閉操作されるクランプ用スイッチング素子(34)と、
    前記インピーダンス部における電圧降下量を前記クランプ電圧とすべく前記クランプ用スイッチング素子をオンオフ操作するクランプ操作手段(36,38)と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の駆動対象スイッチング素子の駆動回路。
  8. 前記制限手段によって前記開閉制御端子の電圧が制限される状況下、前記一対の主端子間に過電流が流れる状態が規定時間継続されたことを条件として、前記過電流が流れない場合に前記駆動対象スイッチング素子をオフ状態に切り替えるときにおける前記開閉制御端子の電荷の放電速度よりも低い放電速度で電荷を放電させることで、前記駆動対象スイッチング素子を強制的にオフ状態に切り替えるソフト遮断手段(40,42,46,48)を更に備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の駆動対象スイッチング素子の駆動回路。
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