JP3677685B2 - 情報担体用シート - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、一時的に接着するが、必要時に容易に剥離できる見開き面を有する情報担体用シートに関するものである。さらに詳しくは、天然ゴムラテックスなどを接着剤基剤とする接着剤組成物を塗布した情報担体用シートであって、折り畳みカード、重ね合わせカード、情報隠ぺいシート等の親展性をもつ情報用シートや寸法拡大可能な整理シート、印刷用紙、複写用紙等として好適な、印刷適性、プリンター適性、シーラー適性などが改良された情報担体用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、郵便法の改正に伴い、親展性をもつハガキシステムが実用化され、普及しはじめている。この親展性をもつハガキシステムは、例えば個人的用件、あるいはプリント情報、印刷情報等の各種情報が記載されたハガキを折り畳み、重ね合わせ部分を接着して、該情報を隠ぺいしたのち、郵送し、受取人が重ね部分を再び剥離して隠ぺい情報を読み取るシステムである。
【0003】
これまで、このような機能をもつ接着方式としては、中間で剥離可能な2枚の透明フィルムの積層体の片面に接着剤層を設け、剥離紙でこの接着剤層を被覆したものを隠ぺい用蓋体部分に貼着し、通信欄に所要の情報を記入後、剥離紙を除いて通信欄上に重ね、貼着し、受信者がこれを受領後、2枚の透明フィルムの中間で剥離し、情報を読み取る方式のものが知られている。
しかしながら、上記方式のものは、接着用のフィルム積層体が存在しているので、シート面の積層体部分と他の部分とに段差が生じたり、全体としてのシートの厚みが増す等し、シート面へ情報を記載する際プリンタへのフィードがスムースに行えなかったり、また、ゼログラフィ方式等のノンインパクトプリンタでの印字も困難である等の問題があり、また、積層体がコスト高になるのを免れない上に、使用に際して、剥離紙を除かなければならないという不便さがある。
【0004】
これらの問題を解決するために、基体シート面の少なくとも一部に、従来普通に用いられている非剥離性接着剤基剤とその接着剤基剤に対して非親和性を示す微粒状充填剤とから成る接着剤組成物の層を設けた情報担体用シートが提案されている(特開平4−59395号公報)。この情報担体用シートは、優れた特性を有する情報担体用シートであるが、さらに、グラビアコーターなどを用いて効率良く接着剤組成物の層を設けることもできる上、印刷適性、プリンター適性、シーラー適性などが一層改良された情報担体用シートが求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、天然ゴムラテックスなどを接着剤基剤とする接着剤組成物を塗布した下記特性を有する情報担体用シートであって、折り畳みカード、重ね合わせカード、情報隠ぺいシート等の親展性をもつ情報用シートや寸法拡大可能な整理シート、印刷用紙、複写用紙等として好適な情報担体用シートを提供することを課題とする。
▲1▼シートの保存時における積重ねによって、接着剤によるブロッキングが生じるおそれがない。
▲2▼情報記載時におけるプリンタへのフィード及び各種プリンタでの印字も容易に行いうると共に接着後のシートを容易に剥離することができる。
▲3▼剥離後においても、ブロッキングを起すおそれがない。
▲4▼書き込みや印刷が可能な見開き部分を有する。
▲5▼グラビアコーターなどを用いて効率良く接着剤の層を設けることができる。▲6▼接着剤中に配合する微粒状充填剤の量を少なくすることができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記特性を有する情報担体用シートを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、従来普通に用いられている非剥離性接着剤基剤と、その接着剤基剤に対して非親和性を示す微粒状充填剤と、水溶性高分子や合成ゴムラッテクスなどから成る接着剤組成物を用い、基体シート面の少なくとも一部に、その接着剤組成物を用いてピラミッド型ないし格子型のメッシュパターンを有するグラビアコーター用塗布ロールを用いて微細な凹凸を有する層を形成することにより、その目的を達成し得ることを見い出して本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明の請求項1の発明は、基体シート面の少なくとも一部に、非剥離性接着剤基剤と、その接着剤基剤に対し非親和性を示す微粒状充填剤と、或は更に水溶性高分子とを配合した接着剤組成物を用いてピラミッド型ないし格子型のメッシュパターンを有するグラビアコーター用塗布ロールを用いて微細な凹凸を有する層を形成したことを特徴とする情報担体用シートである。
【0008】
本発明の請求項2の発明は、請求項1記載の情報担体用シートにおいて、接着剤組成物が、感圧型の非剥離性接着剤基剤100重量部に微粒状充填剤20〜130重量部及び水溶性高分子0〜20重量部を配合したものであることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の情報担体用シートにおいて、接着剤組成物の層の少なくとも一部が隠ぺい用情報記載面となっていることを特徴とする。
【0010】
本発明の情報担体用シートは、三ツ折ハガキ、二ツ折ハガキ、一部を折り畳むタイプのハガキ等の各種ハガキ、カード等に適用される。
これらのハガキ、カード等の1例として、例えば図1に示す三ツ折ハガキの場合は、図5に示すようにまず、裏面に接着層2が設けられた部分を点線部3にそって折り、4に重ね合わせた後、表面に接着層1が設けられた部分を点線部3′にそって折り、該接着層1に重ね合わせて接着させるものであり、また、図2に示す二ツ折ハガキ及び図3の一部折り畳みタイプのハガキの場合には、図6及び図7に示すように、片面に接着層1が設けられた部分を点線部3′に沿って折り、接着層面を重ね合わせて接着するものである。
また、図4のタイプの場合は、重ね合わせ面に接着層1,2を設け、この面を重ね合わせて接着するものである。
図1、図2において、接着層1や接着層2はこの状態でもよいが、用紙移送用孔の周辺にわたって接着剤組成物を塗布して全面に接着層を設けてもよい。
【0011】
以上、本発明の情報担体用シートをハガキとして使用する場合を例として説明したが、その他各種通知カード等にも広く適用できるものであり、例えばシート裏面全体に接着層を設けて、表面側に情報を印字記入した後、二ツ折りして接着層を接着して、表裏両面に情報を有するシートを作成して、必要時に接着面を剥離して、情報面を同一面上に展開して、整理、保存する等、シートの折り畳み形態、使用目的に応じて接着層をシートの表面と裏面の両面側あるいは片面側の全面あるいは一部に適宜設ければよいものである。
また、接着後の剥離を容易に行うために、シートの折り部と反対側の端部で重ね合わせたシートに段差が生じるように構成し指掛り部を形成してもよく、あるいは、一端側に未接着部を構成し指掛り部を形成してもよいものである。
【0012】
次に、本発明の情報担体用シートの接着層である接着剤組成物について説明する。
本発明の情報担体用シートに用いられる接着剤組成物は、感圧接着剤組成物であり、接着剤基剤としては、適当なものが用いられる。これらは、通常の接着剤として用いられているもので、本来は一旦接着したら再び剥離しないものである。
【0013】
前記感圧接着剤組成物は、通常の状態で接着することなく、加圧により接着する性質を有するものであって、接着剤基剤については特に制限はなく、天然ゴム、合成ゴム等の従来通常の感圧接着剤に慣用されているものの中から任意に選択して用いることができる。
例えば、生天然ゴムラテックス、加硫天然ゴムラテックス、天然ゴムにスチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト共重合させて得られた天然ゴムラテックス、これらの混合物などを挙げることができる。
さらにこれらにSBRラテックス、BRラテックスなどの合成ゴムラテックスを添加してもよい。
生天然ゴムラテックス、加硫天然ゴムラテックスなどのラテックスは、前記共重合ラテックスに比べ、表面強度、紙への定着性が悪いため、水溶性高分子や前記合成ゴムラテックスで補強することが好ましい。生天然ゴムラテックスよりも加硫天然ゴムラテックスの方が機械的安定性、表面強度に優れている。
これらの中でも天然ゴムにスチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト共重合させて得られた天然ゴムラテックスが、耐ブロッキング性、耐熱性、耐摩耗性等の点で好適であるが、実際は適宜選択して使用される。
【0014】
天然ゴムラテックスの加硫剤には、有機過酸化物、金属酸化物、イオウ、金属ハロゲン化物、アミン類が用いられるが、この中では、有機過酸化物が好ましく使用される。有機過酸化物の添加量は約0.5〜2.0重量%である。有機過酸化物としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、3,2,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、アセチルシクロヘキサンスルホニルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、キュメンヒドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイドなどのヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,4−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3などのジアルキルパーオキサイド、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソプチレート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシトリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5ージベンゾイルパーオキシヘキサンなどのアルキルパーエステル、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどのパーオキシカーボネートなどを挙げることができる。
【0015】
該接着剤組成物における前記接着剤基剤に対し非親和性を示す微粒状充填剤としては、前記接着剤基剤との親和力が小さいもの例えば酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、活性白土、球状アルミナ、小麦デンプン、シリカ、ガラス粉末、シラスバルーン等が用いられる。
これらの材料は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、特にシリカと他の充填剤との組み合わせが好適である。また、粒径の異なる2種以上を組み合わせて用いると接着剤層の表面を凹凸状に形成しやすいので耐ブロッキング性、剥離性能の向上に有利である。
【0016】
該シリカを添加することにより、接着剤の塗膜を強化しうるとともに、シリカは多孔質であるため、接着剤が表面に付着しやすく、接着力や剥離力を調整しやすい上、シリコーンオイルを用いているプリンタにより、ノンインパクトプリンタ方式で印字した場合でも、シリカがシリコーンオイルを吸収するので、接着剤層がシリコーンオイルにより接着しなくなることもない。
これらの微粒状充填剤は、平均粒子径が10nm〜30μm、好ましくは1μm〜20μmの範囲にあるものが好適である。
【0017】
本発明で用いる該接着剤組成物には、必要に応じてさらに水溶性高分子を配合する。水溶性高分子としては天然物でも合成物でもあるいはそれらの混合物でもよく、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロール(HEC)、カゼイン、でんぷん等を挙げることができる。
水溶性高分子を該接着剤組成物に添加する目的は、接着剤の表面強度の向上が主であるが、それに付随して、コーティング適性の改良、接着力の調整(添加することにより低下する)や紙などの基体シートへの充填剤の定着性向上の効果もある。
でんぷんのように本発明で用いる水溶性高分子の中には、本発明で用いる微粒状充填剤に該当するものがあるが、このような場合は配合したでんぷんの内で水に溶解した分を水溶性高分子として扱い、水に溶解しなかった分を微粒状充填剤として扱う。したがって、単独で使用せず本発明の実施例(感圧接着剤組成物)に示すように非水溶性微粒状充填剤と組み合わせて、特にシリカと組み合わせて使用するのが好ましい。
【0018】
接着剤基剤として天然ゴムにスチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト共重合させて得られた天然ゴムラテックスを用いた場合、前記微粒状充填剤や水溶性高分子は、接着剤基剤100重量部に対し、該微粒状充填剤は20〜400重量部、好ましくは20〜130重量部、より好ましくは30〜90重量部、最も好ましくは50〜90重量部の割合で配合し、該水溶性高分子は0〜20重量部、好ましくは5〜20重量部、より好ましくは6〜15重量部の割合で配合することが望ましく、合成ゴムラッテクスは0〜20重量部の範囲で配合してもよい。
【0019】
接着剤基剤として天然ゴムラテックスを用いた場合、前記微粒状充填剤や水溶性高分子は、接着剤基剤100重量部に対し、該微粒状充填剤は20〜400重量部、好ましくは30〜400重量部、より好ましくは30〜350重量部の割合で配合し、該水溶性高分子は0〜20重量部、好ましくは5〜20重量部、より好ましくは10〜20重量部の割合で配合するのが望ましく、合成ゴムラッテクスは0〜20重量部、好ましくは5〜20重量部、より好ましくは5〜10重量部の割合で配合するのが望ましい。該水溶性高分子を配合した場合は合成ゴムラッテクスを配合しなくてもよい。
【0020】
接着剤基剤として架橋天然ゴムラテックスを用いた場合、前記微粒状充填剤や水溶性高分子は、接着剤基剤100重量部に対し、該微粒状充填剤は20〜400重量部、好ましくは30〜400重量部、より好ましくは30〜350重量部の割合で配合し、該水溶性高分子は0〜20重量部、好ましくは5〜20重量部、より好ましくは5〜10重量部の割合で配合するのが望ましく、合成ゴムラッテクスは0〜20重量部、好ましくは5〜20重量部、より好ましくは5〜10重量部の割合で配合するのが望ましい。該水溶性高分子を配合した場合は合成ゴムラッテクスを配合しなくてもよい。
【0021】
該微粒状充填剤や水溶性高分子の配合量が前記範囲より少ないと耐ブロッキング性に劣り、かつ接着力が強すぎるし、前記範囲を超えると接着力が低くなりすぎる傾向がみられ、好ましくない。合成ゴムラッテクスの配合量が前記範囲より少ないと表面強度が弱く、削れる傾向がみられ、好ましくなく、また前記範囲を超えると接着力が弱くなりすぎる傾向がみられ、好ましくない。
本発明シートに用いられる接着剤組成物においては、このように使用される接着剤基剤と微粒状充填剤や水溶性高分子、合成ゴムラッテクスとの配合割合を適切に選ぶことが必要である。
【0022】
本発明で用いる該接着剤組成物には、さらに本発明の主旨を逸脱しない範囲において、他の合成樹脂やゴムあるいは酸化防止剤、紫外線防止剤、顔料、染料、滑剤、発泡剤、難燃剤等の通例の添加剤等を添加しても差し支えない。
【0023】
本発明の情報担体用シートは、基体シート面の少なくとも一部に、該接着剤組成物から成る微細な凹凸を有する層を設けることが肝要である。
該接着剤組成物の微細な凹凸を有する層を基体シート面に設ける方法は、グラビアコーターによる塗布方法、エアーナイフコーターでコーテイングする方法など特に限定されるものではないが、グラビアコーターによる塗布方法は経済的でもあり、上記特性を情報担体用シートに付与させ易い点からも好ましい方法である。
エアーナイフコーターでコーテイングする場合は、接着剤層の表面は均一な状態となるため、上記特性を情報担体用シートに付与させるためには、接着剤基剤に対して100部以上の充填剤が必要であるのに対し、グラビアコーターによる塗布方法によれば充填剤は100部以下とすることもできる。
【0024】
これはエアーナイフコーターでコーテイングすると充填剤が基体シート面上に平坦に且つ均一に塗布されるが、グラビアコーターはアニロクスロールのメッシュのパターンで基体シート面に塗布されるからであり、一回の塗布で該接着剤組成物の微細な凹凸を有する層を設けることができる。アニロクスロールのメッシュは表1に示すように、山の幅(a)、山と山の幅(b)、谷の幅(o)、山の高さ(d)の異なるピラミッド型や格子型のものがあり、いずれも使用することができる。
このメッシュの大きさと形状で、基体シート面上に設けられる該接着剤組成物の層の微細な凹凸の大きさや形状が異なってくる。グラビアコーターによるコーティング時に該接着剤組成物は広がるので、上記メッシュの大きさや形状そのままの微細な凹凸が形成されないことは勿論である。
【0025】
【表1】
【0026】
グラビアコーターによるコーティング時に、非剥離性接着剤基剤(例えば天然ゴム)と水溶性高分子は、微粒状充填剤のシリカや小麦デンプンより速やかに広がるため、塗布された該接着剤組成物の凸部の中心部の組成は、元の接着剤の組成より、微粒状充填剤のシリカ、小麦デンプンが多くなる。従って、基体シート面との接着は、凸部の中の天然ゴムと広がった(凸部からでた)天然ゴムによってなされるものと考えられる。
本発明の情報担体用シートの耐ブロッキング性は微粒状充填剤であるシリカや小麦デンプンにより改善されるが、該接着剤組成物の層は多数の微細な凹凸から形成されているので、均一に塗布されている時より情報担体用シートの耐ブロッキング性はより改善される。また、凸部の中の微粒状充填剤は、天然ゴムと水溶性高分子で固着され、さらにその凸部は、広がった天然ゴムと水溶性高分子により基体シート面に接着される。
このようにして、該接着剤組成物が基体シート面上に均一に存在する時よりも、該接着剤組成物の層を強固に基体シート面に定着させることができると共に、充填剤の配合量が少ないこともあり、充填剤の脱落がなく、印刷適性、プリンター適性、シーラー適性などが大いに改善された情報担体用シートを得ることができるものと考えられる。なお上記のような優れた特性を有する本発明の情報担体シートが得られる理由はこの考えのみに限定されるものではない。
【0027】
本発明の情報担体用シートは、基体シート面の少なくとも一部に、前記接着剤組成物の微細な凹凸を有する層を設けることにより得られるが、特に接着剤組成物層表面を約1kg/cm2 〜10kg/cm2 圧で加圧し、接着剤組成物層表面の過度の出張りを押圧し、ブロッキング特性、印字定着適性をより向上させることもできる。
このような情報担体用シートは、例えば前記図1ないし図7に示すように、三ツ折ハガキ、二ツ折ハガキ、一部折り畳みタイプのハガキ及び重ね合わせタイプのハガキ等の親展性をもつハガキや、寸法拡大可能な整理シート、印刷用紙、複写用紙等として用いられるが、特に該接着剤組成物の層の少なくとも一部が隠ぺい用情報記載面となっているものが好適である。
【0028】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、接着力、耐ブロッキング性及び耐熱耐摩耗性は次のようにして求めた。
(1)接着力
テストサンプルを180℃で、2秒間加熱したのち、RIテスターにて、シリコーンオイルを0.5g/m2 塗布し、ドライシーラーの圧力を100kg/cm2に調整して加圧接着したのち、剥離強度を測定した。
(2)耐ブロッキング性
テストサンプルの接着剤面同士を合わせ、500g/cm2 の圧力を加え、50℃にて30分間放置後、剥離強度を測定した。
(3)耐熱耐摩耗性
150℃の温度で200〜500g/cm2 の荷重をかけながら、接着剤表面を金属で摩耗し、目視によりその消耗度を調べた。その結果、試験した面積のうち破壊された面積の割合が、
10%以下の場合:優、
30%以下の場合:良、
50%以下の場合:可、
51%以上の場合:不可とした。
なお、前記剥離強度の測定には島津製作所社製の引張試験機オートグラフAGS50型を使用した。また、各物性は、次の記号に従って評価した。
◎:優、○:良、△:可、×:不可
【0029】
但し、接着力(g/25mm)については、
60〜99の範囲のものを○、
100以上のものを◎、
40〜59の範囲のものを△、
39以下のものを×とした。
耐ブロッキング性(g/cm)については、
5.0以下のものを◎、
5.1〜8.0の範囲のものを○、
8.1〜10.0の範囲のものを△、
10.1以上のものを×とした。
【0030】
感圧接着剤組成物を用いたシート
実施例1
天然ゴムラテックス(天然ゴム分60%)167部(天然ゴムとして100部)にPVAの水溶液を固形分換算で10部、粘着付与剤としてアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂のエタノール溶液を樹脂換算で5部添加し、ベース接着剤とする。
次に、このベース接着剤(固形分換算で)100部に対し、平均粒径4μmのシリカゲル15部、平均粒径15μmの小麦でんぷん15部を添加して、感圧接着剤とした。
次に、この接着剤組成物を、グラビアコーターを使用して70kgの上質紙にコート量が4〜5g/m2 (固形分換算)になるようにコートしたのち、100℃で1分間乾燥してテストサンプルを作成し、各物性を求めた。その結果を表2に示す。
【0031】
実施例2
実施例1のシリカゲルを30部、小麦でんぷんを60部、PVAを20部とした。その他は同じ。その結果を表2に示す。
【0032】
実施例3
実施例2の天然ゴムラテックスの代わりに、加硫天然ゴムラテックス(ゴム分60%)を使用し、PVAの代わりにSBRラテックスを固形分換算で10部添加した。その他は同じ。その結果を表2に示す。
【0033】
実施例4
実施例2の天然ゴムラテックスの代わりに、天然ゴム100部に対し、スチレン2部、メタクリル酸10部を共重合させて得られたラテックスを使用し、SBRラテックス、PVAは添加しない。その他は同じ。その結果を表2に示す。
【0034】
実施例5
実施例4のシリカゲルを30部、小麦でんぷんを60部とし、SBRラテックスを5部添加しPVAは添加しない。その他は同じ。その結果を表2に示す。
【0035】
比較例1
天然ゴムラテックス(天然ゴム分60%)167部(天然ゴムとして100部)にPVAの水溶液を固形分換算で30部、粘着付与剤としてアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂のエタノール溶液を樹脂換算で5部添加し、ベース接着剤とする。
次に、このベース接着剤(固形分換算で)100部に対し、平均粒径4μmのシリカゲル150部、平均粒径15μmの小麦でんぷん300部を添加して、感圧接着剤とした。
次に、この接着剤組成物を、エアーナイフコーターを使用して70kgの上質紙にコート量が4〜5g/m2 (固形分換算)になるようにコートしたのち、100℃で1分間乾燥してテストサンプルを作成し、各物性を求めた。その結果を表2に示す。
【0036】
比較例2
比較例1のシリカゲルを100部、小麦でんぷんを250部とし、PVAを40部とする。その他同じ。その結果を表2に示す。
【0037】
比較例3
比較例2の天然ゴムラテックスの代わりに、加硫天然ゴムラテックス(ゴム分60%)を使用し、PVAの代わりにSBRラテックスを固形分換算で30部添加した。その他は同じ。その結果を表2に示す。
【0038】
比較例4
比較例1の天然ゴムラテックスの代わりに、天然ゴム100部に対し、スチレン2部、メタクリル酸10部を共重合させて得られたラテックスを使用し、PVAを10部とする。その他は同じ。その結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】
本発明は、天然ゴムラテックスなどを接着剤基剤とする接着剤組成物を塗布した情報担体用シートであって、基体シート面の少なくとも一部に、この特殊な接着剤組成物の微細な凹凸を有する層をピラミッド型ないし格子型のメッシュパターンを有するグラビアコーター用塗布ロールを用いて設けることにより、シートの保存時における積重ねによって、接着剤によるブロッキングが生じるおそれがなく、情報記載時におけるプリンタへのフィード及び各種プリンタでの印字も容易に行いうると共に接着後のシートを容易に剥離することができ、剥離後において、ブロッキングを起こすことがなく、しかも書き込みや印刷が可能な見開き部分を有する極めて使用の簡単な情報担体用シートを提供することができる。
また、本発明の情報担体用シートは、従来の接着剤組成物や接着用のフィルム積層体を用いたものに比べて、低い製造コストで経済的有利に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 親展性をもつハガキシステムの例を示す説明図。
【図2】 親展性をもつハガキシステムの他の態様の例を示す説明図。
【図3】 親展性をもつハガキシステムの他の態様の例を示す説明図。
【図4】 親展性をもつハガキシステムの他の態様の例を示す説明図。
【図5】 図1の折り畳み状態説明図。
【図6】 図2の折り畳み状態説明図。
【図7】 図3の折り畳み状態説明図。
【符号の説明】
1 表面接着層
2 裏面接着層
3,3′ 折り線
Claims (3)
- 基体シート面の少なくとも一部に、非剥離性接着剤基剤と、その接着剤基剤に対し非親和性を示す微粒状充填剤と、或は更に水溶性高分子とを配合した接着剤組成物を用いてピラミッド型ないし格子型のメッシュパターンを有するグラビアコーター用塗布ロールを用いて微細な凹凸を有する層を形成したことを特徴とする情報担体用シート。
- 接着剤組成物が、感圧型の非剥離性接着剤基剤100重量部に微粒状充填剤20〜130重量部及び水溶性高分子0〜20重量部を配合したものである請求項1記載の情報担体用シート。
- 接着剤組成物の層の少なくとも一部が隠ぺい用情報記載面となっている請求項1又は請求項2記載の情報担体用シート。
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