JP2986308B2 - 疑似接着用紙およびこれに用いる疑似接着剤組成物 - Google Patents
疑似接着用紙およびこれに用いる疑似接着剤組成物Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、一時的に接着するが、
必要時に容易に剥離できる機能を有する疑似接着用紙お
よびこれに用いる疑似接着剤組成物に関するものであ
る。さらに詳しく述べれば、通常では接着せず所定の条
件が付与されると剥離可能に疑似接着される接着剤を、
支持体の少なくとも片面の一部に塗布した、折り畳み疑
似接着用紙、重ね合わせ疑似接着用紙、その他親展性を
有する情報隠蔽用紙、親展性葉書、親展性封筒、などと
して好適な疑似接着用紙およびこれに用いる疑似接着剤
組成物に関するものである。
必要時に容易に剥離できる機能を有する疑似接着用紙お
よびこれに用いる疑似接着剤組成物に関するものであ
る。さらに詳しく述べれば、通常では接着せず所定の条
件が付与されると剥離可能に疑似接着される接着剤を、
支持体の少なくとも片面の一部に塗布した、折り畳み疑
似接着用紙、重ね合わせ疑似接着用紙、その他親展性を
有する情報隠蔽用紙、親展性葉書、親展性封筒、などと
して好適な疑似接着用紙およびこれに用いる疑似接着剤
組成物に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年は、通信、郵送などの連絡手段にて
情報を伝達する量が多くなる一方で、個人情報など親展
性を必要とする連絡手段が重要視され要望されている。
情報を伝達する量が多くなる一方で、個人情報など親展
性を必要とする連絡手段が重要視され要望されている。
【０００３】また、郵便法の改正に伴い、親展性をもつ
葉書システムが実用化され、普及し始めている。この親
展性をもつ葉書システムは、個人情報などの各種情報が
折り畳み内面に記載された往復葉書状の葉書を折り畳
み、重ね合わせた部分を疑似接着して、情報を隠蔽した
のち、郵送し、受取人が疑似接着部分を剥離して隠蔽情
報を読み取るシステムである。これら親展性を必要とす
る連絡手段には、たとえば会社が従業員に、銀行やクレ
ジット会社が顧客に親展性を有する情報を連絡する場
合、その親展性情報の漏洩防止、情報連絡の利便性、開
封の容易性が大きな課題である。
葉書システムが実用化され、普及し始めている。この親
展性をもつ葉書システムは、個人情報などの各種情報が
折り畳み内面に記載された往復葉書状の葉書を折り畳
み、重ね合わせた部分を疑似接着して、情報を隠蔽した
のち、郵送し、受取人が疑似接着部分を剥離して隠蔽情
報を読み取るシステムである。これら親展性を必要とす
る連絡手段には、たとえば会社が従業員に、銀行やクレ
ジット会社が顧客に親展性を有する情報を連絡する場
合、その親展性情報の漏洩防止、情報連絡の利便性、開
封の容易性が大きな課題である。
【０００４】従来、支持体上に熱可塑性樹脂層を設け、
親展性の情報を印刷した後に、樹脂層同士を対向させて
加熱接合させたり、感熱または感圧性の非剥離性接着剤
を使用する方法にて親展性を得ていた。こうしたタイプ
の加熱接合、感熱または感圧非剥離性接着剤による方法
は、コンピュータ、印刷機を使用した大量処理が可能で
あり需要が増加している。
親展性の情報を印刷した後に、樹脂層同士を対向させて
加熱接合させたり、感熱または感圧性の非剥離性接着剤
を使用する方法にて親展性を得ていた。こうしたタイプ
の加熱接合、感熱または感圧非剥離性接着剤による方法
は、コンピュータ、印刷機を使用した大量処理が可能で
あり需要が増加している。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかし、加熱接合、感
熱または感圧非剥離性接着剤による接合は、上述の便利
さを有するものの、開封時に必要部分の破損を避けるた
めミシン目加工が必要なこと、開封時に切片が発生する
こと、さらに上記葉書システムに利用できないことなど
の問題点がある。
熱または感圧非剥離性接着剤による接合は、上述の便利
さを有するものの、開封時に必要部分の破損を避けるた
めミシン目加工が必要なこと、開封時に切片が発生する
こと、さらに上記葉書システムに利用できないことなど
の問題点がある。
【０００６】これらの問題を解決する手段として、第２
種定型郵便物として郵送できるようにした情報積層体が
提案されており、その一例が特開平４−５９３９５号公
報に開示されたものである。これは、基体シート面の少
なくとも一部に、従来普通に用いられている非剥離性接
着剤とその接着剤基剤に対して非親和性を示す微粒子充
填剤とからなる接着剤の層を設けたものである。
種定型郵便物として郵送できるようにした情報積層体が
提案されており、その一例が特開平４−５９３９５号公
報に開示されたものである。これは、基体シート面の少
なくとも一部に、従来普通に用いられている非剥離性接
着剤とその接着剤基剤に対して非親和性を示す微粒子充
填剤とからなる接着剤の層を設けたものである。
【０００７】従来の一般的な方法は、前記公報に記載の
先行技術が代表しており、非剥離性接着剤とこれに対し
て非親和性を有する微粒子充填剤とを組み合わせる点で
共通している。しかし、非剥離性接着剤と非親和性の微
粒子充填剤との組合わせは、電子写真方式やインパクト
・ノンインパクトプリンタでの印字が不充分であるばか
りでなく、疑似接着後再剥離した際、印字が対向面に転
写され情報印刷面が汚れる問題や、経時により疑似接着
強度劣化が生じ、剥離を生じたり、粘着ダレを生じる等
の問題点がある。
先行技術が代表しており、非剥離性接着剤とこれに対し
て非親和性を有する微粒子充填剤とを組み合わせる点で
共通している。しかし、非剥離性接着剤と非親和性の微
粒子充填剤との組合わせは、電子写真方式やインパクト
・ノンインパクトプリンタでの印字が不充分であるばか
りでなく、疑似接着後再剥離した際、印字が対向面に転
写され情報印刷面が汚れる問題や、経時により疑似接着
強度劣化が生じ、剥離を生じたり、粘着ダレを生じる等
の問題点がある。
【０００８】したがって、本発明の課題は、疑似接着後
再剥離した際における情報印刷面の汚れ、経時による疑
似接着強度劣化などがない疑似接着用紙およびこれに用
いる疑似接着剤組成物を提供することにある。
再剥離した際における情報印刷面の汚れ、経時による疑
似接着強度劣化などがない疑似接着用紙およびこれに用
いる疑似接着剤組成物を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の請求項１記載の発明は、支持体シートの少なくとも
片面の一部に疑似接着剤組成物の層が設けられ、前記疑
似接着剤組成物は、ラテックスからなる感圧接着剤８０
〜９５重量部に対して、シリカからなる微粒子充填剤２
０〜５０重量部と、穀物粒子からなる微粒子充填剤５０
〜１５０重量部と、変性ＰＶＡ５〜２０重量部とを含有
することを特徴とする疑似接着剤用紙である。
明の請求項１記載の発明は、支持体シートの少なくとも
片面の一部に疑似接着剤組成物の層が設けられ、前記疑
似接着剤組成物は、ラテックスからなる感圧接着剤８０
〜９５重量部に対して、シリカからなる微粒子充填剤２
０〜５０重量部と、穀物粒子からなる微粒子充填剤５０
〜１５０重量部と、変性ＰＶＡ５〜２０重量部とを含有
することを特徴とする疑似接着剤用紙である。
【００１０】請求項２記載の発明は、支持体シートの少
なくとも片面の一部に疑似接着剤組成物の層が設けられ
る疑似接着用紙用の接着剤組成物であって、 天然ゴムに
メチルメタアクリルをグラフト重合させた天然ゴムラテ
ックスと、平均粒子径１〜１５μｍにあるシリカ２０〜
５０重量部と、５〜２０μｍからなる穀物粒子５０〜１
５０重量部とからなり、変性ＰＶＡ５〜２０重量部とを
含有し、前記シリカの２次平均粒子径Ｘと穀物粒子径Ｙ
がＸ≦Ｙの関係式を満たすことを特徴とする疑似接着用
紙用疑似接着剤組成物である。
なくとも片面の一部に疑似接着剤組成物の層が設けられ
る疑似接着用紙用の接着剤組成物であって、 天然ゴムに
メチルメタアクリルをグラフト重合させた天然ゴムラテ
ックスと、平均粒子径１〜１５μｍにあるシリカ２０〜
５０重量部と、５〜２０μｍからなる穀物粒子５０〜１
５０重量部とからなり、変性ＰＶＡ５〜２０重量部とを
含有し、前記シリカの２次平均粒子径Ｘと穀物粒子径Ｙ
がＸ≦Ｙの関係式を満たすことを特徴とする疑似接着用
紙用疑似接着剤組成物である。
【００１１】請求項３記載の発明は、支持体シートの少
なくとも片面の一部に疑似接着剤組成物の層が設けられ
る疑似接着用紙用の接着剤組成物であって、ラテックス
からなる感圧接着剤８０〜９５重量部に対して、シリカ
からなる微粒子充填剤２０〜５０重量部、穀物粒子から
なる微粒子充填剤５０〜１５０重量部、珪素含有ＰＶＡ
５〜２０重量部配合したことを特徴とする疑似接着用紙
用疑似接着剤組成物である。
なくとも片面の一部に疑似接着剤組成物の層が設けられ
る疑似接着用紙用の接着剤組成物であって、ラテックス
からなる感圧接着剤８０〜９５重量部に対して、シリカ
からなる微粒子充填剤２０〜５０重量部、穀物粒子から
なる微粒子充填剤５０〜１５０重量部、珪素含有ＰＶＡ
５〜２０重量部配合したことを特徴とする疑似接着用紙
用疑似接着剤組成物である。
【００１２】本発明の疑似接着剤用紙は、折り畳み疑似
接着用紙、重ね合わせ疑似接着用紙の他、親展性を有す
る情報隠蔽用紙、親展性葉書、親展性封筒などとして好
適に適用される。
接着用紙、重ね合わせ疑似接着用紙の他、親展性を有す
る情報隠蔽用紙、親展性葉書、親展性封筒などとして好
適に適用される。
【００１３】これらの疑似接着用紙の一例としては次の
ようなものがある。すなわち、図１に示す折り畳み疑似
接着給与封筒は、支持体シート１の表面に疑似接着剤層
２が設けられ、この疑似接着剤層２上に給与情報を印刷
した後、（Ｂ）図に示すように、その情報印刷面３を内
面に印刷面印刷方向中心線から２つに谷折りし、加圧接
着させるものである。裏面には、宛名情報４などが印刷
される。
ようなものがある。すなわち、図１に示す折り畳み疑似
接着給与封筒は、支持体シート１の表面に疑似接着剤層
２が設けられ、この疑似接着剤層２上に給与情報を印刷
した後、（Ｂ）図に示すように、その情報印刷面３を内
面に印刷面印刷方向中心線から２つに谷折りし、加圧接
着させるものである。裏面には、宛名情報４などが印刷
される。
【００１４】図２に示す三つ折り葉書は、支持体シート
１の表裏面に疑似接着剤層２，２を形成し、その表面に
隠蔽情報、通信情報、宛名情報４を印刷した後、（Ｂ）
図に示すように、宛名印刷面が表面になるよう折り畳み
加圧接着させるものである。
１の表裏面に疑似接着剤層２，２を形成し、その表面に
隠蔽情報、通信情報、宛名情報４を印刷した後、（Ｂ）
図に示すように、宛名印刷面が表面になるよう折り畳み
加圧接着させるものである。
【００１５】図３に示す二つ折り葉書および図４に示す
一部折り畳みタイプの葉書は、支持体シート１の折り畳
み内面側に疑似接着剤層２を形成し情報を印刷し、折り
合わせて加圧接着するもので、いずれも疑似接着剤層２
相互を重ね合わせて加圧接着するものである。
一部折り畳みタイプの葉書は、支持体シート１の折り畳
み内面側に疑似接着剤層２を形成し情報を印刷し、折り
合わせて加圧接着するもので、いずれも疑似接着剤層２
相互を重ね合わせて加圧接着するものである。
【００１６】これらの例に掲げた用途以外にも、各種葉
書、封書、報告書にも広く好適に使用されるものであ
り、疑似接着剤を支持体シートの一部のみに塗布した
り、一部非塗布部を設けることで再剥離を容易にするこ
とも可能である。
書、封書、報告書にも広く好適に使用されるものであ
り、疑似接着剤を支持体シートの一部のみに塗布した
り、一部非塗布部を設けることで再剥離を容易にするこ
とも可能である。
【００１７】本発明の疑似接着用紙に用いられるラテッ
クスからなる感圧接着剤としては、通常の状態で接着す
ることがなく、加圧により接着する性質を有するもので
あって、天然ゴム、合成ゴムなどの通常の感圧接着剤に
使用されているものの中から任意に選択して用いること
ができるが、特に天然ゴムにメタアクリル酸メチルをグ
ラフト共重合させて得られた天然ゴムラテックスが、耐
ブロッキング性、耐経時劣化、インク着肉性などの点で
好適である。
クスからなる感圧接着剤としては、通常の状態で接着す
ることがなく、加圧により接着する性質を有するもので
あって、天然ゴム、合成ゴムなどの通常の感圧接着剤に
使用されているものの中から任意に選択して用いること
ができるが、特に天然ゴムにメタアクリル酸メチルをグ
ラフト共重合させて得られた天然ゴムラテックスが、耐
ブロッキング性、耐経時劣化、インク着肉性などの点で
好適である。
【００１８】本発明における微粒子充填剤としては、前
記感圧接着剤との親和力が小さいものが用いられ、シリ
カ、穀物澱粉、変性澱粉が好適に使用でき、これらを少
なくとも２種類以上の組合わせて用いることが必要であ
る。
記感圧接着剤との親和力が小さいものが用いられ、シリ
カ、穀物澱粉、変性澱粉が好適に使用でき、これらを少
なくとも２種類以上の組合わせて用いることが必要であ
る。
【００１９】粒径、比表面積が異なる２種類以上の微粒
子充填剤を用いることにおいて、粒径を異ならせる理由
は、疑似接着剤表面に凹凸を生じさせることで、疑似接
着力と剥離力の調整を容易とすることにある。また、比
表面積を異ならせる理由は、感圧接着剤の非親和性の微
粒子充填剤表面への付着能が異なるため、疑似接着力を
微細な領域にて調整可能とし、接着力や剥離力を調整可
能とするためである。
子充填剤を用いることにおいて、粒径を異ならせる理由
は、疑似接着剤表面に凹凸を生じさせることで、疑似接
着力と剥離力の調整を容易とすることにある。また、比
表面積を異ならせる理由は、感圧接着剤の非親和性の微
粒子充填剤表面への付着能が異なるため、疑似接着力を
微細な領域にて調整可能とし、接着力や剥離力を調整可
能とするためである。
【００２０】本発明によれば、特にシリカと穀物澱粉と
の組合せが最適である。シリカは多孔質であるため、感
圧接着剤を表面に付着させやすく、支持体表面に感圧接
着剤を容易に保持するため、疑似接着力の調整が容易で
あり、感圧接着剤の必要量を最少に制御することができ
る。シリカは、２次粒子径が１〜１５μｍ、特に３〜１
５μｍの範囲にあるものが好適に使用できる。穀物澱粉
は、多孔性表面を有しないため、感圧接着剤の付着が少
なく、２次粒子径がシリカと同等またはより大きく、粒
子自体の弾性があるため、加圧疑似接着した際に、緩衝
効果を示し、疑似接着力の調整を容易にするとともに、
感圧接着剤の付着が少ないため、ブロッキングを防止
し、紙らしい手触りを得ることができる。穀物澱粉の粒
径は１〜３０μｍ、好ましくは５〜２０μｍのものが好
適に利用できる。シリカの２次平均粒子径（Ｘ）と，穀
物粒子径（Ｙ）がＸ≦Ｙの関係式を満たすことが好適で
ある。
の組合せが最適である。シリカは多孔質であるため、感
圧接着剤を表面に付着させやすく、支持体表面に感圧接
着剤を容易に保持するため、疑似接着力の調整が容易で
あり、感圧接着剤の必要量を最少に制御することができ
る。シリカは、２次粒子径が１〜１５μｍ、特に３〜１
５μｍの範囲にあるものが好適に使用できる。穀物澱粉
は、多孔性表面を有しないため、感圧接着剤の付着が少
なく、２次粒子径がシリカと同等またはより大きく、粒
子自体の弾性があるため、加圧疑似接着した際に、緩衝
効果を示し、疑似接着力の調整を容易にするとともに、
感圧接着剤の付着が少ないため、ブロッキングを防止
し、紙らしい手触りを得ることができる。穀物澱粉の粒
径は１〜３０μｍ、好ましくは５〜２０μｍのものが好
適に利用できる。シリカの２次平均粒子径（Ｘ）と，穀
物粒子径（Ｙ）がＸ≦Ｙの関係式を満たすことが好適で
ある。
【００２１】さらに、本発明における感圧接着剤、微粒
子充填剤の両者に対して親和性を有する変性ＰＶＡとし
ては、カルボキシ基変性ＰＶＡ、スルホン基変性ＰＶ
Ａ、アセトアセチル基変性ＰＶＡ、カチオン基（４級ア
ンモニウム塩）変性ＰＶＡ、珪素基変性（珪素含有）Ｐ
ＶＡが用いることができるが、特に珪素含有ＰＶＡが好
適である。
子充填剤の両者に対して親和性を有する変性ＰＶＡとし
ては、カルボキシ基変性ＰＶＡ、スルホン基変性ＰＶ
Ａ、アセトアセチル基変性ＰＶＡ、カチオン基（４級ア
ンモニウム塩）変性ＰＶＡ、珪素基変性（珪素含有）Ｐ
ＶＡが用いることができるが、特に珪素含有ＰＶＡが好
適である。
【００２２】珪素含有ＰＶＡは、各種無機物と顕著な相
互作用を有し、特にシリカとは化学結合体を形成するた
め、疑似接着剤層を形成する際、微粒子充填剤との造膜
性に優れ、その被膜は透明かつ強靱でバリヤー性に優れ
ているため、感圧接着剤との親和性も高く感圧接着剤の
経時劣化防止、印刷適性向上が図られ、印字が対抗面に
転写され情報印刷面が汚れる問題もなくなる。
互作用を有し、特にシリカとは化学結合体を形成するた
め、疑似接着剤層を形成する際、微粒子充填剤との造膜
性に優れ、その被膜は透明かつ強靱でバリヤー性に優れ
ているため、感圧接着剤との親和性も高く感圧接着剤の
経時劣化防止、印刷適性向上が図られ、印字が対抗面に
転写され情報印刷面が汚れる問題もなくなる。
【００２３】疑似接着剤組成物においては、ラテックス
からなる感圧接着剤８０〜９５重量部に対して、シリカ
からなる微粒子充填剤を２０〜５０重量部、穀物粒子か
らなる微粒子充填剤を５０〜１５０重量部、珪素含有Ｐ
ＶＡを５〜２０重量部の割合で配合する。微粒子充填剤
の配合量が前記範囲より少ないと、ブロッキングの問題
が生じ、再剥離が困難になる。特に穀物澱粉の配合量が
少ないと問題が顕著に生じる。前記範囲を超えると、疑
似接着力が劣り、剥離が生じ易くなる。珪素含有ＰＶＡ
の配合量が前記範囲より少ないと、表面強度が劣り、シ
リカの粉落ちが生じ、印刷機、加圧機を汚染したり、疑
似接着層の剥離が生じる。前記範囲を超えるとバリヤー
性のため、疑似接着強度の劣化が生じ好ましくない。
からなる感圧接着剤８０〜９５重量部に対して、シリカ
からなる微粒子充填剤を２０〜５０重量部、穀物粒子か
らなる微粒子充填剤を５０〜１５０重量部、珪素含有Ｐ
ＶＡを５〜２０重量部の割合で配合する。微粒子充填剤
の配合量が前記範囲より少ないと、ブロッキングの問題
が生じ、再剥離が困難になる。特に穀物澱粉の配合量が
少ないと問題が顕著に生じる。前記範囲を超えると、疑
似接着力が劣り、剥離が生じ易くなる。珪素含有ＰＶＡ
の配合量が前記範囲より少ないと、表面強度が劣り、シ
リカの粉落ちが生じ、印刷機、加圧機を汚染したり、疑
似接着層の剥離が生じる。前記範囲を超えるとバリヤー
性のため、疑似接着強度の劣化が生じ好ましくない。
【００２４】本発明の疑似接着用紙に用いられる疑似接
着剤組成においては、このように使用される感圧接着剤
と微粒子充填剤と変性ＰＶＡとの配合割合を適切に選ぶ
ことが必要である。
着剤組成においては、このように使用される感圧接着剤
と微粒子充填剤と変性ＰＶＡとの配合割合を適切に選ぶ
ことが必要である。
【００２５】本発明の疑似接着用紙は、支持体シートの
少なくとも片面の一部に、前記疑似接着剤組成物の層を
設けることにより得られるが、疑似接着剤層は均一な疑
似接着面と印刷適性を得るため、ベントブレード、コン
マ、リップまたエアーナイフによる塗工を行い、疑似接
着剤表面を、約１〜１０ｋｇ／ｃｍ2 で加圧し、疑似接
着剤表面の過度の突出を平坦にすることが好ましい。
少なくとも片面の一部に、前記疑似接着剤組成物の層を
設けることにより得られるが、疑似接着剤層は均一な疑
似接着面と印刷適性を得るため、ベントブレード、コン
マ、リップまたエアーナイフによる塗工を行い、疑似接
着剤表面を、約１〜１０ｋｇ／ｃｍ2 で加圧し、疑似接
着剤表面の過度の突出を平坦にすることが好ましい。
【００２６】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、接着力、耐ブロッキング性、印
刷適性、情報印刷面の汚れ、経時疑似接着度劣化、表面
強度は次のようにして求めた。 （１）接着力 テストサンプルを２０℃、６５ＲＨの環境下にて２４時
間養生したのち、ドライシーラーの圧力を５０ｋｇ／ｃ
ｍ2 に調整して加圧疑似接着し、２５ｍｍφのサンプル
を３００ｍｍ／分のヘッドスピードで剥離強度を測定し
た。
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、接着力、耐ブロッキング性、印
刷適性、情報印刷面の汚れ、経時疑似接着度劣化、表面
強度は次のようにして求めた。 （１）接着力 テストサンプルを２０℃、６５ＲＨの環境下にて２４時
間養生したのち、ドライシーラーの圧力を５０ｋｇ／ｃ
ｍ2 に調整して加圧疑似接着し、２５ｍｍφのサンプル
を３００ｍｍ／分のヘッドスピードで剥離強度を測定し
た。
【００２７】 （２）耐ブロッキング性 ＪＩＳ−Ｋ ６８３３に示される手法に従い、３８℃、
９１％ＲＨで２４ｈｒ放置後のブロッキング性を判定し
た。
９１％ＲＨで２４ｈｒ放置後のブロッキング性を判定し
た。
【００２８】 （３）印刷適性 インパクトプリンター（東芝製デュアルモードプリンタ
ー）にて、ＪＩＳ文字コード２１２２〜２５７６までの
特殊文字、数字、ローマ字、平仮名、カタカナの印刷を
行い、印字にカスレ、プリンターの汚れを比較測定し
た。
ー）にて、ＪＩＳ文字コード２１２２〜２５７６までの
特殊文字、数字、ローマ字、平仮名、カタカナの印刷を
行い、印字にカスレ、プリンターの汚れを比較測定し
た。
【００２９】 （４）情報印刷面の汚れ インパクトプリンター（東芝製デュアルモードプリンタ
ー）にて、ＪＩＳ文字コード２１２２〜２５７６までの
特殊文字、数字、ローマ字、平仮名、カタカナの印刷を
行い、テストサンプルを２０℃、６５ＲＨの環境下にて
２４時間養生したのち、ドライシーラーの圧力を５０ｋ
ｇ／ｃｍ2 に調整して加圧疑似接着し、反対面への印刷
の転写の程度を評価した。
ー）にて、ＪＩＳ文字コード２１２２〜２５７６までの
特殊文字、数字、ローマ字、平仮名、カタカナの印刷を
行い、テストサンプルを２０℃、６５ＲＨの環境下にて
２４時間養生したのち、ドライシーラーの圧力を５０ｋ
ｇ／ｃｍ2 に調整して加圧疑似接着し、反対面への印刷
の転写の程度を評価した。
【００３０】 （５）経時疑似接着強度の劣化 ウエザーメーター（スガ試験機社製ＷＥＬ−４５ＡＸ）
にて、６３℃、４０％、キセノンランプにて４０時間放
置後剥離強度を測定した。剥離強度の測定には、東洋精
機社製の引張試験機ＳＴＲＯＧ ＲＡＰＨ−Ｒ型を使用
した。また、各物性の評価の結果は、次記のランク分け
によって行った。 ◎：優、○：良、△：可、×：不可 （実施例１） メチルメタクリレートグラフト共重合天然ゴムラテック
ス９０重量部（固型分％、三井フラー社製ＦＢ−ＤＯ−
３）に対し、平均粒径３μｍのシリカ３０重量部、小麦
粉澱粉７０重量部および珪素含有ＰＶＡ（クラレ社製Ｒ
１１３０）１０重量部を添加して疑似接着剤組成物を得
た。次に、この接着剤組成物をマルチコーターを使用し
て、１２７ｇ／m2のフォーム用紙にコート量が８ｇ／m2
（固型分換算）になるようにコーティングしてテストサ
ンプルを作成し、各物性を求めた。その結果を表１に示
す。
にて、６３℃、４０％、キセノンランプにて４０時間放
置後剥離強度を測定した。剥離強度の測定には、東洋精
機社製の引張試験機ＳＴＲＯＧ ＲＡＰＨ−Ｒ型を使用
した。また、各物性の評価の結果は、次記のランク分け
によって行った。 ◎：優、○：良、△：可、×：不可 （実施例１） メチルメタクリレートグラフト共重合天然ゴムラテック
ス９０重量部（固型分％、三井フラー社製ＦＢ−ＤＯ−
３）に対し、平均粒径３μｍのシリカ３０重量部、小麦
粉澱粉７０重量部および珪素含有ＰＶＡ（クラレ社製Ｒ
１１３０）１０重量部を添加して疑似接着剤組成物を得
た。次に、この接着剤組成物をマルチコーターを使用し
て、１２７ｇ／m2のフォーム用紙にコート量が８ｇ／m2
（固型分換算）になるようにコーティングしてテストサ
ンプルを作成し、各物性を求めた。その結果を表１に示
す。
【００３１】 （実施例２） 実施例１におけるシリカ量を５０重量部に、小麦粉澱粉
を５０重量部に、珪素含有ＰＶＡをカルボキシ基変性Ｐ
ＶＡに変えた以外は、実施例１と同様にして実施した。
その結果を表１に示す。
を５０重量部に、珪素含有ＰＶＡをカルボキシ基変性Ｐ
ＶＡに変えた以外は、実施例１と同様にして実施した。
その結果を表１に示す。
【００３２】 （実施例３） 実施例１におけるシリカ量を２０重量部に、小麦粉澱粉
を１００重量部に、珪素含有ＰＶＡをスルホン基変性Ｐ
ＶＡに変えた以外は、実施例１と同様にして実施した。
その結果を表１に示す。
を１００重量部に、珪素含有ＰＶＡをスルホン基変性Ｐ
ＶＡに変えた以外は、実施例１と同様にして実施した。
その結果を表１に示す。
【００３３】 （実施例４） 実施例１における小麦粉澱粉を１５０重量部に、珪素含
有ＰＶＡを２０重量部に変えた以外は、実施例１と同様
にして実施した。その結果を表１に示す。
有ＰＶＡを２０重量部に変えた以外は、実施例１と同様
にして実施した。その結果を表１に示す。
【００３４】 （実施例５） 実施例１におけるシリカ量を４０重量部に、珪素含有Ｐ
ＶＡを１０重量部に変えた以外は、実施例１と同様にし
て実施した。その結果を表１に示す。
ＶＡを１０重量部に変えた以外は、実施例１と同様にし
て実施した。その結果を表１に示す。
【００３５】 （実施例６） 実施例１における天然ゴムラテックスを８０重量部に、
シリカ量を２０重量部に、小麦粉澱粉を５０重量部に変
えた以外は、実施例１と同様にして実施した。その結果
を表１に示す。
シリカ量を２０重量部に、小麦粉澱粉を５０重量部に変
えた以外は、実施例１と同様にして実施した。その結果
を表１に示す。
【００３６】 （比較例１） 実施例１におけるシリカ量を６０重量部に、小麦粉澱粉
を２００重量部に変えた以外は、実施例１と同様にして
実施した。その結果を表１に示す。
を２００重量部に変えた以外は、実施例１と同様にして
実施した。その結果を表１に示す。
【００３７】 （比較例２） 実施例１における小麦粉澱粉１７０重量部に、珪素含有
ＰＶＡ量を３０重量部に変えた以外は、実施例１と同様
にして実施した。その結果を表１に示す。
ＰＶＡ量を３０重量部に変えた以外は、実施例１と同様
にして実施した。その結果を表１に示す。
【００３８】 （比較例３） 実施例１におけるシリカ量を１０重量部に、珪素含有Ｐ
ＶＡ量２重量部に変えた以外は、実施例１と同様にして
実施した。その結果を表１に示す。
ＶＡ量２重量部に変えた以外は、実施例１と同様にして
実施した。その結果を表１に示す。
【００３９】 （比較例４） 実施例１における小麦粉澱粉量を２０重量部に変えた以
外は、実施例１と同様にして実施した。その結果を表１
に示す。
外は、実施例１と同様にして実施した。その結果を表１
に示す。
【００４０】 （比較例５） 実施例１における天然ゴムラテックスを１５０重量部に
変えた以外は、実施例１と同様にして実施した。その結
果を表１に示す。
変えた以外は、実施例１と同様にして実施した。その結
果を表１に示す。
【００４１】
【表１】
【００４２】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、支持体シ
ートの少なくとも片面の一部に、本発明に係る疑似接着
剤物組成による疑似接着剤層を設けることにより、適度
な疑似接着強度を保持したまま、従来から問題となって
いる耐ブロッキング性、印刷適性、情報印刷面の汚れ防
止、疑似接着強度の経時劣化防止、表面強度を向上させ
た、従来の情報担体にない、極めて利便性が高く、低コ
ストで供給可能な疑似接着用紙が提供される。
ートの少なくとも片面の一部に、本発明に係る疑似接着
剤物組成による疑似接着剤層を設けることにより、適度
な疑似接着強度を保持したまま、従来から問題となって
いる耐ブロッキング性、印刷適性、情報印刷面の汚れ防
止、疑似接着強度の経時劣化防止、表面強度を向上させ
た、従来の情報担体にない、極めて利便性が高く、低コ
ストで供給可能な疑似接着用紙が提供される。
【図１】折重ね給与封筒の説明図である。
【図２】三つ折葉書の説明図である。
【図３】二つ折葉書の説明図である。
【図４】一部折返し葉書の説明図である。
１…支持体シート、２…疑似接着剤層、３…情報印刷
面、４…宛名情報。
面、４…宛名情報。
フロントページの続き (72)発明者 武田 彰 愛媛県伊予三島市紙屋町５番１号 大王 製紙株式会社内 (56)参考文献 特開 平４−59395（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−69687（ＪＰ，Ａ) 特開 昭48−19631（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) C09J 7/00 - 7/04 B42D 15/02 C09J 129/04
Claims (3)
- 【請求項１】支持体シートの少なくとも片面の一部に疑
似接着剤組成物の層が設けられ、 前記疑似接着剤組成物は、ラテックスからなる感圧接着
剤８０〜９５重量部に対して、シリカからなる微粒子充
填剤２０〜５０重量部と、穀物粒子からなる微粒子充填
剤５０〜１５０重量部と、変性ＰＶＡ５〜２０重量部と
を含有する ことを特徴とする疑似接着剤用紙。 - 【請求項２】支持体シートの少なくとも片面の一部に疑
似接着剤組成物の層が設けられる疑似接着用紙用の接着
剤組成物であって、 天然ゴムにメチルメタアクリルをグラフト重合させた天
然ゴムラテックスと、平均粒子径１〜１５μｍにあるシ
リカ２０〜５０重量部と、５〜２０μｍからなる穀物粒
子５０〜１５０重量部とからなり、変性ＰＶＡ５〜２０
重量部とを含有し、 前記シリカの２次平均粒子径Ｘと穀物粒子径ＹがＸ≦Ｙ
の関係式を満たす ことを特徴とする疑似接着用紙用疑似
接着剤組成物。 - 【請求項３】支持体シートの少なくとも片面の一部に疑
似接着剤組成物の層が設けられる疑似接着用紙用の接着
剤組成物であって、 ラテックスからなる感圧接着剤８０〜９５重量部に対し
て、シリカからなる微粒子充填剤２０〜５０重量部、穀
物粒子からなる微粒子充填剤５０〜１５０重量部、珪素
含有ＰＶＡ５〜２０重量部配合した ことを特徴とする疑
似接着用紙用疑似接着剤組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5162386A JP2986308B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 疑似接着用紙およびこれに用いる疑似接着剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5162386A JP2986308B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 疑似接着用紙およびこれに用いる疑似接着剤組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0718232A JPH0718232A (ja) | 1995-01-20 |
| JP2986308B2 true JP2986308B2 (ja) | 1999-12-06 |
Family
ID=15753599
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5162386A Expired - Lifetime JP2986308B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 疑似接着用紙およびこれに用いる疑似接着剤組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2986308B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4565584B2 (ja) * | 2000-02-28 | 2010-10-20 | トッパン・フォームズ株式会社 | 感圧接着剤組成物およびそれを用いた情報担持用シート |
| JP4780741B2 (ja) * | 2000-05-26 | 2011-09-28 | トッパン・フォームズ株式会社 | 耐水性に優れた感圧接着剤組成物およびそれを用いた情報担持用シート |
| US6593414B2 (en) * | 2000-08-09 | 2003-07-15 | Penford Corporation | Pressure sensitive adhesives |
| JP4996790B2 (ja) * | 2001-03-07 | 2012-08-08 | 大王製紙株式会社 | 疑似接着用紙 |
| JP4849738B2 (ja) * | 2001-05-24 | 2012-01-11 | リンテック株式会社 | 工程シート付ラベルシート及びその製造方法 |
| JP4762185B2 (ja) * | 2007-03-26 | 2011-08-31 | 北越紀州製紙株式会社 | 再剥離性圧着記録用紙 |
| JP5994894B2 (ja) * | 2015-04-21 | 2016-09-21 | 大日本印刷株式会社 | 再剥離性圧着シート |
-
1993
- 1993-06-30 JP JP5162386A patent/JP2986308B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0718232A (ja) | 1995-01-20 |
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