JPH0665547A - 接着剤塗工シートの製法 - Google Patents

接着剤塗工シートの製法

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JPH0665547A
JPH0665547A JP4220341A JP22034192A JPH0665547A JP H0665547 A JPH0665547 A JP H0665547A JP 4220341 A JP4220341 A JP 4220341A JP 22034192 A JP22034192 A JP 22034192A JP H0665547 A JPH0665547 A JP H0665547A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接着性と、再剥離性,印刷適性およびプリン
ター適性を兼ね備えた優れた接着剤塗工シートの製法を
提供する。 【構成】 シート23の少なくとも片面に、接着剤ベー
スと充填剤とを主成分とする接着剤組成物21を塗工し
たのち、プレスロール間を通過させ、接着剤塗工面を、
ベック式平滑度が平均値で30秒以上100秒以下にな
るよう平滑化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、接着面の接着性およ
び印刷適性に優れた接着剤塗工シートの製法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、銀行では個人情報をデータファイ
ル化し、口座振替,年金支払通知,満期通知等のサービ
スを行っており、各家庭には、各種の通知書が封書で郵
送されるようになっている。また、クレジットカードの
利用が一般化され、利用明細通知,引落通知,請求書等
も、各家庭に封書で郵送されるようになっている。さら
に、各種のダイレクトメールも郵送される。このよう
に、生活が便利になる反面、郵便物の量は多くなる一方
で、銀行,信販会社等においては、郵送業務の簡素化と
経費節減が大きな課題となっている。
【0003】そこで、このような社会現象に対応するた
め、最近、郵便法が改正され、はがきに個人情報を記載
し、その記載部分を隠蔽して郵送することができるよう
になった。このため、封書に変わる新しいタイプのはが
きがいろいろ提案されている。例えば、図4(a)に示
すように、はがきが2枚重ねで構成され、左右の縁部S
が接着剤で貼着され、その内側領域には個人情報が印刷
されワックス層とシリコン層による再剥離性が与えられ
ており、上記縁部Sを切り取り線に従って切り取ること
により中を開くことができるようになっているものや、
同図(b)に示すように、はがきの左半分に、インキ層
と接着層と剥離層とを順に積層したシール1が貼付さ
れ、その上から所定の文字等が印刷されて文字が内側に
表示された状態で隠されているもの等があげられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
4(a)のものは、はがき表面となる紙材と、その下側
の紙材の表面に、個別に宛名と個人情報を印刷しなけれ
ばならず、印刷工程に手間を要するという問題がある。
また、ワックス層とシリコン層の形成や縁部Sにおける
切り取り線の形成等にも手間を要し、コストが高いとい
う問題もある。一方、上記図4(b)のものは、シール
1の面積が小さいため情報量が限られるという問題があ
る。また、上記シール1の製造工程が複雑で、やはりコ
ストが高くつくという問題がある。
【0005】そこで、より簡単に個人情報を隠してはが
き化する方法として、例えば図5に示すように、横長の
紙材を、鎖線Pに沿って3つ折りして一枚のはがきにす
ることが提案され注目を集めている。このものは、上記
紙材の両面に再剥離性のコールドシール接着剤を全面塗
布し、その上に宛名および個人情報を印刷したのち折り
畳み、図6に示すように、上下方向から高圧でプレスし
て一体化するものである。この方法によれば、印刷が片
面で済むこと,広面積にわたって情報を載せることがで
きること等の利点を有する。しかし、接着剤塗布面が、
はがきの表裏面に露出するため、接着層の手触りが問題
となる他、接着面(図5においてQ,Rで示す)におい
て優れた接着性、再剥離性、耐ブロッキング性等を発揮
することが必要である。また、接着剤塗布面に印刷する
ため、印刷適性とプリンター適性を備えていなくてはな
らない。ところが、接着性,耐ブロッキング性を確保す
るには、ある程度接着面が凹凸であることが要求される
のに対し、凹凸面では再剥離性や印刷適性,プリンター
適性が悪くなるため、これらの特性を兼ね備えさせるこ
とは非常に困難とされている。
【0006】この発明はこのような事情に鑑みなされた
もので、接着性と、再剥離性および印刷適性を兼ね備え
た優れた接着剤塗工シートの製法の提供をその目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の接着剤塗工シートの製法は、シートの少
なくとも片面に、接着剤ベースと充填剤とを主成分とす
る接着剤組成物を塗工したのち、プレスロール間を通過
させ、接着剤塗工面を、ベック式平滑度が平均値で30
秒以上100秒以下になるよう平滑化するという構成を
とる。
【0008】
【作用】すなわち、本発明者らは、接着性と印刷適性お
よび再剥離性を兼ね備えた接着剤塗工シートを得るため
に、各種の接着剤組成物について研究を重ねる一方、接
着剤塗工面に対し、何らかの物理的あるいは化学的処理
を与えることによって接着面の特性を改良することにつ
いて研究した。その結果、接着剤組成物として、接着剤
ベースと充填剤とを主成分とする接着剤組成物を用い、
これを塗工した面を、プレスロールによって適宜の圧力
で加圧すると、接着剤組成物中の充填剤粒子が、シート
表面から内側に食い込み、塗工面の凹凸がある程度平ら
にならされて塗工面の平滑度が向上するため、印刷適性
および再剥離性が良好になることがわかった。しかも、
平滑度が向上するにもかかわらず、接着剤組成物の組成
は変化するわけではないので、その接着性が殆ど失われ
ることなく維持されることを見いだし、この発明に到達
した。
【0009】つぎに、この発明を詳細に説明する。
【0010】この発明に用いるシートとしては、接着剤
組成物を塗工するために用いられる基材であれば、どの
ようなものでも差し支えないが、通常、上質紙,中質
紙,アート紙等、各種の紙材が用いられる。また、目的
に応じて、紙材以外に、不織布,プラスチックフィルム
等を用いることができる。
【0011】また、この発明に用いる接着剤組成物とし
ては、接着剤ベースと充填剤とを主成分とする接着剤組
成物を用いる。なお、上記「主成分とする」とは、全体
が主成分のみからなる場合も含める趣旨である。そし
て、上記接着剤組成物のなかでも特に、最近、本発明者
らが、図6に示す3つ折りタイプのはがきの接着用に開
発した特殊なコールドシール接着剤組成物を用いると、
非常に優れた特性の接着剤塗工シートを得ることができ
る。
【0012】上記特殊なコールドシール接着剤組成物と
は、接着剤ベースXとして、ゴムラテックスと保護コロ
イド系アクリル共重合エマルジョンとを混合したもの
か、これに代えてアクリル変性ゴムラテックスを用い、
この接着剤ベースX100重量部(以下「部」と略す)
に対し、充填剤Yを5〜90部配合したものである。な
お、上記接着剤ベースXにおいて、上記ゴムラテックス
と、保護コロイド系アクリル共重合エマルジョンと、ア
クリル変性ゴムラテックスとを併用しても差し支えはな
い。
【0013】上記ゴムラテックスとしては、天然ゴムエ
マルジョン,スチレン−ブタジエンゴムエマルジョン,
エチレン−酢酸ビニルエマルジョン,アクリロニトリル
−ブタジエンゴムエマルジョン等かあげられ、なかでも
天然ゴムエマルジョンが好適である。
【0014】また、上記保護コロイド系アクリル共重合
エマルジョンとは、アクリル酸エステルモノマーと他の
モノマー成分とを、保護コロイドを用いて共重合しエマ
ルジョン化したものである。なお、上記保護コロイド系
アクリル共重合エマルジョンは、モノマー組成を調整し
てその最低造膜温度(MFT)が90℃以上となるよう
に設定すると、塗膜表面が乾燥時に造膜不良を起こして
フィルム化するようなことがなく、好適である。
【0015】上記ゴムラテックスと保護コロイド系アク
リル共重合エマルジョンとを組み合わせて接着剤ベース
Xとする場合には、両者の配合割合を、重量基準で、
〔ゴム〕:〔アクリル〕=100:10〜100〜70
の範囲に設定することが、接着性,アンカーリング性等
の観点から好適である。
【0016】さらに、上記ゴムラテックスと保護コロイ
ド系アクリル共重合エマルジョンの組み合わせに代えて
用いることのできるアクリル変性ゴムラテックスとは、
上記ゴムラテックスのゴム成分と同様のゴム成分にアク
リル系モノマーを共重合させてアクリル変性したもので
あり、これを用いた場合には、上記ゴムラテックスと保
護コロイド系アクリル共重合エマルジョンとを組み合わ
せると同様の効果が得られる。そして、上記アクリル変
性ゴムにおけるアクリル系モノマーの配合割合は、ゴム
成分に対し、重量基準で、〔ゴム〕:〔アクリル〕=1
00:1〜100:15の範囲に設定することが好適で
ある。
【0017】また、上記充填剤Yとしては、シリカゲ
ル,中空シリカ,雲母,炭酸カルシウム,カオリン,ケ
イソウ土等の無機系充填剤や、デンプン,カルボキシメ
チルセルロース(CMC),カゼイン,ポリビニルアル
コール(PVA)等の水溶性高分子,スチレンビーズ,
メタクリル酸メチルビーズ等の樹脂ビーズ等があげら
れ、なかでも、平均粒径1〜10μmのものを用いるこ
とが好適である。これらは、単独で用いてもよいが、硬
度の異なるものを組み合わせることにより、接着界面の
凹凸状態や塗工表面状態を適宜に変化させることができ
る。
【0018】さらに、上記接着剤ベースXと充填剤Yか
らなる主成分とともに、安定剤,消泡剤,防かび・防バ
クテリア剤,増粘剤等を配合することができる。そし
て、上記安定剤は前記ゴムラテックスに対し3〜10重
量%、上記消泡剤は主成分全体(X+Y)に対し0.0
1〜3重量%、上記防かび・防バクテリア剤は同じく主
成分全体(X+Y)に対し0.05〜0.2重量%、そ
れぞれ配合することが好適である。また、上記増粘剤
は、塗工条件等に合わせて必要な粘度を達成できる程度
に添加される。
【0019】なお、以上の原料以外に、組成物の耐ブロ
ッキング性を高めるために、ポリエチレン分散液を配合
するようにしてもよい。あるいは、組成物の粘着特性を
与えるために、ロジン系等のタッキファイヤーを配合す
るようにしてもよい。さらに、上記接着剤ベースXを、
ゴムと樹脂の混合エマルジョン液もしくはゴムエマルジ
ョンと樹脂エマルジョンとを分けた状態で、それぞれを
樹脂皮膜で覆うことによりマイクロカプセル化して用い
るようにしてもよい。
【0020】上記コールドシール接着剤組成物は、塗工
層の表面が、充填剤Yの存在によって、適度な凹凸粗面
となり、この塗工表面同士を重ねて加圧一体化すると、
接着剤ベースX中のゴム成分と樹脂成分、あるいはアク
リル変性ゴム成分同士が、互いに相溶状態となり、優れ
た接着性を発現する。そして、この接着面は、軽い圧力
で互いに剥離させることができ、剥離面は、高圧をかけ
ない限り、再び接着させることができないという特性を
有する。すなわち、通常の接着剤組成物は、接着させる
ための圧力(コールドシール圧)を強くすればするほ
ど、接着が強固になって、再剥離強度も高くなる(両者
は正比例の関係にある)が、上記コールドシール接着剤
組成物は、コールドシール圧が100kg/cm2 を超
えると急激に再剥離強度が高くなるようになっている。
このため、100kg/cm2 未満の圧力で接着すれ
ば、簡単に人間の手で剥がすことができ、そして一旦剥
がした界面は、100kg/cm2 を超えないと、再び
接着することはできないという特性を有する。そして、
耐ブロッキング性,印刷適性,アンカーリング性等の諸
特性にも優れている。
【0021】この発明は、前記シートと、上記接着剤組
成物とを用い、例えばつぎのようにして接着剤塗工シー
トを得るようにしたものである。すなわち、まず、通常
の方法、例えばロールコーター法等に従って、シート表
面に、接着剤組成物を塗工する。この状態では、図1に
示すように、接着剤組成物21中の充填剤粒子22が、
シート23表面に接触しているか浮き上がっており、シ
ート23と充填剤粒子22との一体性が弱い。このた
め、充填剤粒子22が、再剥離時にぽろぽろとシート2
3の表面から脱落しやすく、接着面に文字等を印刷して
おくと、充填剤粒子22の脱落とともに印刷インクも脱
落して文字等が不鮮明になりやすい。また、充填剤粒子
22の突出のために、塗工表面に大きな凹凸差が形成さ
れているため、接着性には優れているものの、印刷適
性,再剥離性がいま一つである。
【0022】そこで、この発明では、上記塗工シート
を、図2に示すように、一対のプレスロール24間を通
過させて、塗工面を垂直方向に加圧する。これによっ
て、塗工シートは、図3に示すように変化する。すなわ
ち、接着剤組成物21中の充填剤粒子22が、シート2
3表面から内側に食い込んで、両者が強固に一体化す
る。そして、充填剤粒子22の突出によって形成されて
いた塗工面の凹凸の差が緩和されて、より平滑化され
る。
【0023】したがって、このようにして得られた接着
剤塗工シートは、通常の接着剤塗工面よりも、表面が平
滑化されているため、優れた印刷適性および再剥離性を
示す。しかも、接着剤組成物の組成自体は変化しないた
め、これに由来する接着力は、表面の平滑化によってわ
ずかに減じられるにすぎず、実用には問題のない接着力
が維持されている。
【0024】なお、上記製法において、プレスロールに
よって加える圧力は、シートおよび接着剤組成物の種類
によって適宜に設定されるが、いずれにしても、この加
圧によって得られる接着剤塗工シートの平滑度が、ベッ
ク式測定方法(温度20±1℃、湿度65±2%)で得
られる平均値として、30秒以上100秒以下となるよ
うに設定することが必要である。すなわち、30秒未満
では、平滑性に乏しく、この発明が目的とする印刷適性
・プリンター適性・再剥離性の向上効果を得ることがで
きない。逆に100秒を超えると、塗工表面が平滑にな
りすぎ、接着力が低下して接着させるシート同士がずれ
たり剥げたりしやすいので、不適当である。ちなみに、
前記特殊なコールドシール接着剤組成物を用いて得られ
る接着剤塗工シートを、平均平滑度が30〜100秒と
なるよう平滑に仕上げるには、プレスロールによって与
える圧力を、20〜40kg/cm2 に設定することが
好適である。
【0025】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0026】
【実施例1,2】まず、スチレンとアクリル酸ブチルエ
ステルとを用い、保護コロイドとしてスチレン−無水マ
レイン酸共重合ポリマーを用いて通常のモノマー油滴滴
下法によって重合を行い、MFTが95℃以上の保護コ
ロイド系アクリル共重合エマルジョンPを調製した。そ
して、天然ゴムラテックス100部に対し、上記エマル
ジョンP50部と、平均粒径1.5μmのシリカゲル4
0部とを添加配合し、コールドシール接着剤組成物aを
得た。
【0027】そして、このコールドシール接着剤組成物
aを、上質紙(重量:81.4g/m2 )の片面に、ロ
ールコーターを用いて、5g/m2 ドライとなるよう塗
布したのち、30kg/cm2 の圧力に設定された一対
のプレスロール間を通過させ、目的とする接着剤塗工シ
ートを得た(実施例1)。また、上記プレスロールに代
えて、圧力40kg/cm2 ,140℃のプレスロール
を用い、同様にして接着剤塗工シートを得た(実施例
2)。
【0028】
【実施例3,4】天然ゴムラテックス100部に対し、
上記エマルジョンP100部と、平均粒径2.0μmの
シリカゲル50部とを添加配合し、コールドシール接着
剤組成物bを得た。そして、上記実施例1,2と同様に
して、2種類の接着剤塗工シートを得た。
【0029】
【実施例5】天然ゴムラテックス100部に対し、テル
ペン樹脂5部と、平均粒径4μmのシリカゲル50部お
よび平均粒径15μmの小麦デンプン150部を配合
し、公知の接着剤組成物cを得た。そして、上記実施例
1と同様にして接着剤塗工シートを獲た。
【0030】
【比較例1】プレスロールを通過させない以外は、上記
実施例1,2と同様にして接着剤塗工シートを得た。
【0031】
【比較例2】プレスロールを通過させない以外は、上記
実施例3,4と同様にして接着剤塗工シートを得た。
【0032】
【比較例3】圧力90kg/cm2 ,150℃のプレス
ロールを用い、上記実施例1と同様にして接着剤塗工シ
ートを得た。
【0033】このようにして得られた各種の接着剤塗工
シートについて、その塗工面の平滑度を、ベック式(温
度20±1℃、湿度65±2%)で測定した。これらの
結果を下記の表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】上記の結果から、実施例品はいずれも加圧
処理によって、平滑度が、ベック式の平均値で、30〜
100秒の間になるよう平滑化されている。そこで、上
記各接着剤塗工シートの接着性,再剥離性および印刷適
性について評価するとともに、図6に示すような、3つ
折りはがきに適用する際に必要とされる各種の特性につ
いても評価した。各評価の手順はつぎに示すとおりであ
る。そして、その結果を、後記の表2および表3に示し
た。
【0036】<コールドシール接着性>接着剤塗工シー
トの塗工面同士を重ね合わせて、60kg/cm2 以上
の荷重をかけたときにはじめてコールドシール接着性を
発現するものを○、そうでないものを×として評価し
た。
【0037】<再剥離性>接着剤塗工シートの塗工面同
士を重ね合わせて、20℃の恒温中で120kg/cm
2 の荷重をかけ密着させたのち引き剥がしたとき、材破
せずに界面剥離させるときの剥離強度をテンシロン(オ
リエンテック社製、RTM−250)を用いて測定し
た。そして、再剥離強度が100〜200g/インチで
あるものを○、100g/インチ未満であるものを△、
200g/インチを超えて剥離するか、または材破する
ものを×として評価した。
【0038】<印刷適性>複写機を用いて、文字または
絵が鮮明に複写できるものを○、かすれる等して不鮮明
になるものを×として評価した。
【0039】<プリンター適性>ワードプロセッサのイ
ンクリボンを用いて印刷したときに、文字または絵が鮮
明に印刷されるものを○、かすれる等して不鮮明になる
ものを×として評価した。
【0040】<耐ブロッキング性>接着剤塗工シートの
塗工面に上質紙を重ね合わせて、20℃の恒温中で30
kg/cm2 の荷重をかけたのち、両紙を手で引き剥が
すことにより耐ブロッキング性を評価した。このとき、
軽く剥がれるものを○、やや力を要するが材破せずに剥
がれるものを△、材破に至ものを×として評価した。
【0041】<プレス前後の表面タック性>上質紙に接
着剤組成物を塗布し乾燥させ、上記再剥離性評価の場合
と同様に、片面に120kg/cm2 の荷重をかけたあ
と、その表面のベトツキ具合(タック)を、表面を指で
なぞることにより官能評価した。そして、指がスムーズ
に滑るものを○、指が引っ掛かってスムーズに滑らない
ものを×として評価した。
【0042】<水性インキ受理性>接着剤塗工シートの
塗工面にゴム印を用いて水性インキをスタンプした際、
にじみの程度を目視によって観察した。そして、受理性
のよいものを○、悪いものを×として評価した。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】上記の結果から、実施例品は比較例品に比
べ、全ての性能を兼ね備えており、図6に示すような3
つ折りはがきに最適であることがわかる。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明は、シート面に接
着剤組成物を塗工し、この塗工面を、プレスロール通過
によって所定の平滑度に仕上げるようにしたものであ
る。したがって、この方法によって得られた接着剤塗工
シートは、接着剤組成物中の充填剤粒子が、シート表面
から内側に食い込み、塗工面の凹凸がある程度平らにな
らされており、印刷適性および再剥離性が非常に良好で
ある。そして、接着剤組成物本体の接着性も殆ど損なわ
れることなく良好に維持されるため、塗工面に文字等を
印刷してこの面を接着し、必要に応じて再剥離させるよ
うな用途(例えば3つ折りはがき)に用いることが最適
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明において、プレスロール通過前の塗工
シートの説明図である。
【図2】この発明において、塗工シートがプレスロール
を通過する態様の説明図である。
【図3】この発明において、プレスロール通過後の塗工
シートの説明図である。
【図4】(a),(b)はいずれも従来の個人情報隠蔽
はがきの説明図である。
【図5】この発明を適用しうる3つ折り式の個人情報隠
蔽はがきを広げた状態の説明図である。
【図6】上記3つ折り式の個人情報隠蔽はがきを折り畳
んだ状態の説明図である。
【符号の説明】
21 接着剤組成物 22 充填剤粒子 23 シート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートの少なくとも片面に、接着剤ベー
    スと充填剤とを主成分とする接着剤組成物を塗工したの
    ち、一対のプレスロール間を通過させ、接着剤塗工面
    を、ベック式平滑度が平均値で30秒以上100秒以下
    になるよう平滑化することを特徴とする接着剤塗工シー
    トの製法。
  2. 【請求項2】 上記接着剤組成物として、下記の(A)
    または(B)のコールドシール接着剤組成物を用い、プ
    レスロール通過時に加える圧力を1〜50kg/cm2
    に設定するようにした請求項1記載の接着剤塗工シート
    の製法。 (A)ゴムラテックスと保護コロイド系アクリル共重合
    エマルジョンとを混合してなる接着剤ベースと充填剤と
    を主成分とし、上記接着剤ベース100重量部に対し上
    記充填剤が5〜90重量部含有されているコールドシー
    ル接着剤組成物。 (B)アクリル変性ゴムラテックスからなる接着剤ベー
    スと充填剤とを主成分とし、上記接着剤ベース100重
    量部に対し上記充填剤が5〜90重量部含有されている
    コールドシール接着剤組成物。
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