JP3673343B2 - 自動車用内装材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非通気性の多層ホットメルトフィルムおよびこのフィルムを介在させた積層体、特に自動車内装材に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車や室内用内装材として、表皮材と基材をホットメルトフィルムを介して、接着されたものが用いられている。
【0003】
特に自動車用内装材は軽量化、断熱性、非通気性などの観点から種々の工夫が凝らされている。とりわけ、表皮材として不織布を用いたもの、基材として軽量化、断熱性などの観点から熱成形性ポリウレタン、ダンボール、レジンボードなどを用いたものが提案されている。
【0004】
ホットメルトフィルムとしては、断面方向への通気性を阻止するため非通気性のフィルムの両面をホットメルト接着フィルムでサンドイッチ状にラミネートした多層ホットメルトフィルムの使用が提案されている。例えば、特開平7−68721号公報は内層と外層に融点の低いホットメルトポリエチレン系樹脂、中間層に融点の高いナイロン系樹脂を用いた自動車内装材貼合わせ用多層ホットメルトフィルムを開示している。このフィルムは内層にメルトインデックスが5.0g/10min未満の樹脂を用いているため、それと接着される基材がレジンや段ボールなど熱圧着温度が低いものや熱成形性ポリウレタンなどポリエチレン樹脂との接着性の悪いものの場合には接着が不十分となる。実開平5−65532号公報には両面を熱融着フィルムでサンドイッチした非通気性フィルムにより基材と表皮を接合した自動車内装材を開示している。使用される熱融着フィルムとしては、ポリエチレンと可塑化ポリ塩化ビニルが例示されているが、これらは、基材がレジンボードやダンボールの場合は接着性がなく使用できない。
【0005】
特開昭64−69684号公報には、中間層として高融点のポリオレフィン系樹脂層、その両面にポリアミド系樹脂接着層を有する多層ホットメルトフィルムを開示している。
【0006】
このホットメルトフィルムは、ポリアミド系樹脂の高い熱融着性を利用したものであるが接合すべき基材と表皮についての配慮はなされていず、しかも高価である。
【0007】
特開平7−117571号は表層と裏層と中間層から構成された非通気性のホットメルトフィルムを開示している。表皮材として不織布が開示されているがこの不織布にはスラブウレタンなどのクッション材が必ずバッキングされている。このクッション材は、横方向への通気性があるため、完全な非通気性とはならず、また基材および表皮材を融着するために適した表層および裏層の構成についての教示はない。
【0008】
特開平8−1877号公報には自動車内装用天井材等の製造に有用な熱接着フィルムとして、ポリプロピレンフィルムの両面にエチレン・エチルアクリレート・無水マレイン酸三次元共重合体とエチレン・メチルメタクリレート共重合体とのブレンド物からなる薄層を積層してなる耐熱性熱接着フィルムが開示されている。この三層ホットメルトフィルムの場合、ポリプロピレンフィルム基材と表面の熱接着性樹脂層との層間強度は不十分であり、特に自動車内装材用に必要な耐熱性を満足させる層間強度は得られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、自動車内装材用熱接着フィルムとして望まれる、表皮材および基材との優れた接着性を有し、耐熱性と非通気性に優れた多層ホットメルトフィルムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、表皮材と基材との間に、
ポリプロピレン樹脂を中間層とし、内層および/または外層がその構成成分として、α-オレフィン共重合体を50〜100重量%含むホットメルト樹脂層からなる、少なくとも三層以上の非通気性多層ホットメルトフィルムを設けた
自動車内装材であって、基材はダンボール、レジンボード、ガラスボード、熱成形性ポリウレタン発泡シートまたはガラス−オレフィン発泡体シートから選ばれ、表皮材、非通気性多層ホットメルトフィルムおよび基材は、熱融着によって一体化されてなる自動車用内装材に関する。
【0011】
上記本発明の多層ホットメルトフィルムは、中間層として耐熱性に優れ、且つ強靭なポリプロピレンフィルムを使用しているため非通気層を形成することができ、しかもポリプロピレンフィルムはナイロンフィルムと較べて融点が低いため低温で成形ができるという特徴を備えている。
ポリプロピレン樹脂は通常市販されているポモポリマー、ブロックコポリマー、ランダムコポリマーのいずれも使用可能であるが、非通気性を持たせるために耐熱性の高いものが望ましく、ビカット軟化点が145℃以上のものが好ましい。
またポリプロピレン樹脂は伸びを改良するために、非晶質ポリオレフィンやエラストマー等の軟質樹脂を含むことができる。
またポリプロピレンフィルムの表面に積層された内層および外層を形成するホットメルト樹脂層はポリプロピレンに対する接着性が極めて優れているため、層間強度の優れた多層フィルムを提供することができる。更に内層および外層のホットメルト樹脂は他の材質に対しても良好な接着性をもっているため、本発明の多層ホットメルトフィルムはその表面に更に表皮材および基材を積層して、より高次構造の多層積層体、例えば自動車内装材を形成することができる。
【0012】
【発明の実施の態様】
本発明の多層ホットメルトフィルムを形成する内層および/または外層に用いられるホットメルト樹脂層は、ホットメルトフィルム自体としてその芯材である中間層と良好な接着性をもつように設計される。また同時にホットメルトフィルムの表面に接着積層される基材、特にレジンボード、ダンボール、熱成形性ウレタン、および表皮材、特に不織布とも優れた接着力をもつように設計されなくてはならない。
このような特性を満足するホットメルト樹脂層として、本発明ではα-オレフィン共重合体を50〜100重量%含むホットメルト樹脂層が用いられる。
【0013】
α-オレフィン共重合体はα-オレフィン類の2種以上のモノマーからなる共重合体であり、必要に応じてこれに5モル%以下の範囲で他の共重合可能なモノマー類を含む共重合体であることができる。
α-オレフィンにはエチレン、プロピレン、ペンテン-1、4-メチルペンテン-1、ブテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1、デセン-1、ドデセン-1等が含まれる。これらのうちプロピレン、エチレン、ペンテン-1、4-メチルペンテン-1、デセン-1、ヘキセン-1が好ましい。特に好ましくはプロピレン、エチレン、ブテン-1からなる共重合体、特にエチレンと他のα-オレフィンとの共重合体、すなわちエチレン/α-オレフィン共重合体が好ましい。
【0014】
α-オレフィン類と共に用いることのできるα-オレフィンと共重合可能なモノマーとしては飽和カルボン酸のビニルエステル、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸のアルキルエステル等を挙げることができる。
【0015】
α-オレフィン共重合体として重要な特性は、密度および軟化点である。密度は0.910g/cm3以下、好ましくは0.905g/cm3以下である。また軟化点はビカット軟化点として100℃以下、好ましくは90℃以下である。
【0016】
本発明のα-オレフィン共重合体はオートクレーブ中で高温高圧下で通常のポリオレフィンの重合と同様にして重合することによって調製することができる。
しかし、本発明で使用するα-オレフィン共重合体は市販のものを使用することができる。使用することができる市販のα-オレフィン共重合体としては「タフマ−」(三井石油化学工業社製)、「ビューロン」(三井石油化学工業社製)、「シェルポリブチレン」(シェル化学)、「ナックフレックス」(日本ユニカー社製)、「エクセレンVL」(住友化学社製)等が挙げられる。これらのα-オレフィン共重合体は2種以上を混合して使用してもよい。また、本発明のα-オレフィン共重合体には、極性材料との接着性を良くするために無水マレイン酸等で変性した樹脂も含まれる。
【0017】
また多層ホットメルトフィルムの内層および/または外層として用いられるホットメルト樹脂層には50重量%以下、好ましくは40重量%以下の範囲でエチレン系共重合体を含むことができる。
エチレン系(共)重合体としては、エチレン-酢酸ビニル樹脂、エチレン-エチルアクリレート共重合樹脂、エチレン-メチルアクリレート共重合樹脂、エチレン-アクリル酸共重合樹脂、エチレン-メタアクリル酸共重合樹脂等が例示でき、またポリエチレンおよび低分子量ポリエチレンも含むことができる。
これらエチレン系(共)重合体は、好ましくはエチレンを60モル%以上含有する。
エチレン系共重合体を加えることにより、ホットメルト樹脂層の融点や溶融粘度を、必要とする成形条件に適合するように調節することができ、また表皮材や基材の種類に応じて接着性を改善することができる。
【0018】
ホットメルト樹脂層には、また5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%の範囲で酸変性オレフィン樹脂を含むことができる。
酸変性オレフィン樹脂はポリエチレン樹脂(LLPE、VLPEを含む)やポリプロピレン樹脂等のオレフィン樹脂およびエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、エチレン−メチルアクリレート共重合樹脂等のオレフィン系共重合樹脂等を不飽和カルボン酸またはその酸無水物で共重合またはグラフト変性された樹脂である。不飽和カルボン酸またはその酸無水物としてはマレイン酸、フタル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
酸変性オレフィン樹脂を加えることにより、表皮材および基材の種類に応じて接着性を改良すべく、ホットメルト樹脂層の性質を調整することができる。
【0019】
α-オレフィン共重合体単独では、基材、表皮材の材質や接着プレスの条件によっては十分な接着力が得られない場合がある。ポリプロピレンとの接着性に優れた本発明のα-オレフィン共重合体が表皮材や基材とも優れた接着性を発揮できるように、ホットメルト樹脂層には粘着付与剤を加えることもできる。
本発明で使用する粘着付与剤としては、脂肪族炭化水素、環状脂肪族炭化水素、水添石油樹脂等の飽和石油樹脂が好ましい。これらは商品として市販されており、例えば「アルコン」(荒川化学工業社製)、「エスコレッツ」(トーネックス社製)、「FTR−600」(三井石油化学工業社製)、「クイントン」(日本ゼオン社性)、「リガライト」(理化ハーキュレス社製)等が使用できる。粘着付与剤としては飽和石油樹脂のほかに、芳香族系石油樹脂、ロジンおよびその誘導体やテルペン樹脂等も必要に応じて配合することもできる。
【0020】
粘着付与剤はホットメルト樹脂層の組成物中、3〜30重量%、好ましくは10〜25重量%、より好ましくは10〜20重量%の比率で配合する。粘着付与剤が30重量%より多くなると粘着性が強くなり取り扱いにくくなるとともに、接着後の強度も低くなる。粘着付与剤の量が3重量%より少なくなると極性材料との接着性が低下する傾向にある。
【0021】
ホットメルト樹脂層には、接着特性その他の性質を調整するために、更に酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤、充填材、カップリング剤等を配合することもできる。
【0022】
本発明のホットメルト樹脂層の融点は120℃以下、好ましくは115℃以下である。融点が120℃より高いと接着時に高温を必要としポリプロピレンフィルムに部分的な溶融や収縮を生じるため好ましくない。
また本発明のホットメルト樹脂層はMFRで表した流動性が1〜50の範囲が適当である。MFR値は好ましくは2〜40、より好ましくは3〜30である。
【0023】
多層ホットメルトフィルムの中間層はフィルムを介在させて基材と表皮材とを熱融着したとき、表皮材(自動車車内側)から基材側への通気を遮断する作用をする。従って成形工程中に溶融やピンホールを生じない様な樹脂を用いる。本発明では中間層としてポリプロピレン樹脂を使用する。
ポリプロピレンフィルムを中間層とすることにより次の特徴が発現することができる。
1)ポリプロピレンはナイロンと較べて融点が低いので、低温で成形ができ、共押出インフレーション成形が容易である。したがって多層ホットメルトフィルムが容易に成形できる。
2)中間層としてナイロン樹脂を使用する場合、通常内層および外層との間に接着剤の層を必要とする(したがって少なくとも5層構造となる)が、ポリプロピレンを使用すれば3層でできる。
3)内層および外層にオレフィン系のホットメルト接着剤を使用することができる。
ポリプロピレン中間層の厚さは約5〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。
【0024】
本発明の多層ホットメルトフィルムは、上記3層構成に加えて、中間層と内層および/または外層の間に別の樹脂層を設けた4層以上の多層構造としてもよい。この様な樹脂層は主として、中間層と内層または外層を接着させるための接着剤層、あるいは両者の融着性が不十分な場合になじませるための仲介層、あるいは、内層や外層と共に溶融してその流動性を調節するための層など様々な機能を発現させるために用いられる。
【0025】
本発明積層体の主たる用途は自動車内装材であり、軽量化と適当な剛性が求められる。その目的で、基材としては従来一般的に用いられているダンボール、レジンボード、ガラスボード、熱成形性ポリウレタン発泡シート、ガラス−オレフィン発泡体シートであってよいが、ダンボール、レジンボードなどが特に好ましい。
熱成形性ウレタンとは熱をかけて賦形できる発泡ポリウタレンのことを言い、例えば軟質ウレタンに熱硬化性樹脂を含浸させたもの、半硬質ポリウレタンなどである。
【0026】
ダンボール、レジンボードなどは熱プレスで加熱成形(賦形)される工程の後、次工程で表皮材と熱圧着される。この熱圧着には通常熱プレスが用いられ、温度は表皮材にダメージを与えないように110〜130℃の低温で熱融着させる。
【0027】
このように熱圧着温度が低い場合にはホットメルトフィルムのMIが小さいと溶融粘度が高くなり、基材中に浸透せず十分な融着強度が得られない。従ってこの様な材料を用いるときは、特に本願の多層ホットメルトフィルムが有用となる。
基材の厚さは1〜10mm、特に2〜5mmが好ましい。
【0028】
本発明の積層体の表皮材は、不織布(例えばポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維などからなる不織布)、織物、ニット、起毛ニットなどおよびこれらの裏面に発泡ポリウレタンなどがバッキングされたものなどが例示される。
【0029】
本発明においては、不織布、特にポリエステル不織布などが好ましい。不織布は横の通気性が低く、従って得られた積層体の通気性がほぼ完全に阻止できる。
【0030】
本発明において多層ホットメルトフィルムの製法は特に限定的ではなく共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネート法など従来積層フィルムを製造するために一般的に採用されている任意の方法が使用でき、特に限定的でない。
【0031】
多層ホットメルトフィルムの総厚は25〜130μm、より好ましくは50〜100μmに調節するのがよい。
【0032】
本発明積層体の製法は、これに限定されるものではないが、好ましくは、まず得られた多層ホットメルトフィルムの外層を表皮材上に熱融着し、次いで、内層を基材に熱融着する。
【0033】
ホットメルトフィルム外層と表皮材の熱融着手段は、常套の手段により行えばよいが典型的には熱ラミネート法である。
熱ロールと圧着ロールからなる一対のロール間に表皮材とホットメルトフィルムを重ねて通す方法で熱融着される。熱ロールの温度は130〜150℃、ニップ圧は0.05〜0.3kg/cm、スピードは5〜15m/分である。
得られた表皮材積層体を先に成形しておいた基材に内層側を基材側にして重ね、110℃〜130℃の熱プレスで熱圧着して積層体が得られる。この際クリアランスは基材および表皮材の種類によって適宜設定され、時間は20〜40秒である。
【0034】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
実施例 1
図1に示す内層(1)、中間層(2)および外層(3)からなる多層(三層)ホットメルトフィルムを共押出法により製造した。
各層の厚さはいずれも20μmで、三層全体の厚さは60μmである。また各層を構成する樹脂は下記の通りである:
内層(1):エチレン−α-オレフィン共重合体
住友化学工業社製「エクセレンVL700」
(密度0.905、ビカット軟化点68℃、融点117℃、MI10)
中間層(2):ポリプロピレン樹脂
グランドポリマー社製「J105G」
(ビカット軟化点150℃、融点165℃、MI5)
外層(3):内層(1)と同じ。
得られた三層フィルムの層間強度は剥離不能であった。
【0035】
実施例 2
内層(1)として下記の樹脂ブレンド物を用いた以外は実施例1と同様にして三層ホットメルトフィルムを製造した。
各層の厚さはいずれも20μmである。
内層(1):「エクセレンVL700」 70重量部
「ボンダインLX4110」 30重量部
ボンダインLX4110:
エチレン・エチルアクリレート・無水マレイン酸三元共重合体
(住友工業社製)
(融点107℃、ビカット軟化点81℃、MI5)
得られた三層フィルムの層間強度は剥離不能であった。
【0036】
実施例 3
内層(1)および外層(3)として実施例2の内層に使用した樹脂ブレンド物を用いた以外は実施例1と同様にして三層ホットメルトフィルムを製造した。各層の厚さはいずれも20μmである。
得られた三層フィルムの層間強度は剥離不能であった。
【0037】
実施例 4
内層(1)として下記ブレンド物を用いた以外は実施例1と同様にして全体厚さ60μmの三層ホットメルトフィルムを製造した。
内層(1):エチレン−α-オレフィン共重合体 90重量部
三井石油化学工業社製「タフマーA-4090」
(密度0.89、ビカット軟化点65℃、MI3.6)
粘着付与剤(飽和石油樹脂) 10重量部
荒川化学工業社製「アルコンP-115」
得られた三層フィルムの層間強度は剥離不能であった。
【0038】
比較例 1
内、外層を下記の樹脂に代えた以外は実施例1と同様にして三層ホットメルトフィルムを作製した。
内層(1)および外層(3):
エチレン-アクリル酸エチル共重合体
三井デュポンポリケミカル社製「A-701」
(密度0.93、ビカット軟化点73℃、MI5)
得られた三層フィルムの層間強度は100g/25mmしかなく、実用には不適切な層間強度であった。
【0039】
〔表皮材との熱ラミネート〕
実施例 5
実施例1〜4で得られた多層(三層)フィルムの外層(3)側をポリエステル繊維不織布(繊維目付200g/m2)に重ねて、140℃、ニップ圧0.1kg/cmおよびスピード10m/分の条件で熱ロールを通し貼り合わせた。
得られた表皮材積層体のピンホール試験結果およびラミネート強度を測定した。結果を表1に示す。
【0040】
〔3層積層体の製造〕
実施例 6
基材としてフェノール樹脂を含浸したポリエステル繊維フェルトを220℃の熱プレスで加熱、加圧成形して厚さ3mmのレジンボードを作成した。この基材に実施例5の各表皮材積層体を、多層(三層)フィルム面を基材側にして重ねて、熱プレスにより130℃、クリアランス1mm、30秒の条件で加熱・加圧を行って3層積層体を製造した。
得られた積層体の表皮材と基材との間の剥離試験、耐熱クリープ試験およびピンホール試験結果を表2に示した。
【0041】
試験方法
(1)剥離試験
表皮積層体および積層体を25mm巾にカットして、インストロン型引張試験機で接着強度を測定した。
測定条件:
表皮材積層体:T剥離、23℃、引張スピード200mm/min
積層体: 180°剥離、23℃、引張スピード200mm/min
(2)ピンホール試験
表皮材積層体の多層(三層)フィルム面および積層体の表皮材を剥がした多層フィルム面に市販のピンホール検出液(日本工材(株)製、ミクロチェック)をスプレーし、1分間放置後液をふきとり、ピンホールの有無を調べた。
(3)耐熱クリープ試験
積層体を25mm巾にカットして180°剥離の形体で表皮材に100gの荷重をかけ、85℃雰囲気中に24時間放置し、剥がれの程度を調べた。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】
本発明の多層ホットメルトフィルムは、ダンボールやレジンボードおよびポリプロピレン製やポリエステル製不織布等との優れた接着性を有し、またこれらの素材との接着積層体は自動車の内装材として望ましい優れた耐熱性および非通気性を備える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多層ホットメルトフィルムの模式的断面図。
【符号の説明】
1:多層(三層)ホットメルトフィルムの内層
2:多層(三層)ホットメルトフィルムの中間層
3:多層(三層)ホットメルトフィルムの外層
Claims (7)
- 表皮材と基材との間に、
ポリプロピレン樹脂を中間層とし、内層および/または外層がその構成成分として、α-オレフィン共重合体を50〜100重量%含むホットメルト樹脂層からなる、少なくとも三層以上の非通気性多層ホットメルトフィルムを設けた
自動車内装材であって、基材はダンボール、レジンボード、ガラスボード、熱成形性ポリウレタン発泡シートまたはガラス−オレフィン発泡体シートから選ばれ、表皮材、非通気性多層ホットメルトフィルムおよび基材は、熱融着されている自動車用内装材。 - α-オレフィン共重合体が構成モノマー成分のひとつとして、エチレンを含む共重合体である請求項1記載の自動車用内装材。
- α-オレフィン共重合体が密度0.910g/cm3以下、ビカット軟化点が100℃以下である請求項1または2記載の自動車用内装材。
- 内層および/または外層がその構成成分として、エチレン系(共)重合体を50重量%以下含むことを特徴とする請求項1、2または3いずれか記載の自動車用内装材。
- 内層および/または外層のホットメルト樹脂層が酸変性オレフィン樹脂を5〜50重量%含有してなる請求項1〜4のいずれかに記載の自動車用内装材。
- 内層および/または外層のホットメルト樹脂層が粘着付与剤を3〜30重量%含有してなる請求項1〜5のいずれかに記載の自動車用内装材。
- 表皮材が不織布である請求項1〜6いずれかに記載の自動車用内装材。
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