JP2002085442A - ヒートシール用シート基材、及びこれを備えてなる袋材、並びにこれを用いた使い捨てカイロ - Google Patents
ヒートシール用シート基材、及びこれを備えてなる袋材、並びにこれを用いた使い捨てカイロInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ライン速度を目標レベルまで上げ、かつ完成品
の信頼性が十分得られるように、かなり低温・短時間で
のヒートシールで優れたヒートシール性が得られるよう
なヒートシール用シート基材を提供すること。 【解決手段】ヒートシール用シート基材が、2層以上の
プラスチックフィルム層から構成され、その少なくとも
片面の表面層がヒートシール層であるヒートシール用シ
ート基材であって、該ヒートシール層が、下記a)成分
及びb)成分を含有すること。 a)エチレン・メタクリル酸・アクリル酸エステル共重
合体 b)エチレン−α−オレフィン共重合体
の信頼性が十分得られるように、かなり低温・短時間で
のヒートシールで優れたヒートシール性が得られるよう
なヒートシール用シート基材を提供すること。 【解決手段】ヒートシール用シート基材が、2層以上の
プラスチックフィルム層から構成され、その少なくとも
片面の表面層がヒートシール層であるヒートシール用シ
ート基材であって、該ヒートシール層が、下記a)成分
及びb)成分を含有すること。 a)エチレン・メタクリル酸・アクリル酸エステル共重
合体 b)エチレン−α−オレフィン共重合体
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒートシール用シ
ート基材、及びこれを備えてなる袋材、並びにこれを用
いた使い捨てカイロに関し、特に、例えば内部に発熱体
を封入してなる使い捨てカイロに好適に使用されるカイ
ロ用シート基材、及びカイロ用シート基材と多孔質フィ
ルムとをヒートシール加工してなるカイロ用袋材、並び
にカイロ用袋材の内部に発熱体を封入してなる使い捨て
カイロに関する。
ート基材、及びこれを備えてなる袋材、並びにこれを用
いた使い捨てカイロに関し、特に、例えば内部に発熱体
を封入してなる使い捨てカイロに好適に使用されるカイ
ロ用シート基材、及びカイロ用シート基材と多孔質フィ
ルムとをヒートシール加工してなるカイロ用袋材、並び
にカイロ用袋材の内部に発熱体を封入してなる使い捨て
カイロに関する。
【0002】
【従来の技術】粘着剤や粘着シートなどにより、衣類や
人体などの被着体に自在に貼付できる使い捨てカイロが
知られている(例えば特開平1−297059号公
報)。使い捨てカイロは、例えば図1に示す如くシート
基材Aと多孔質フィルムBとをヒートシール部3でヒー
トシールして形成された袋体の内部に、鉄粉等の発熱体
4を封じ込めた構成である。また、シート基材Aには必
要により粘着剤層5が設けられており、粘着剤層の表面
は、貼付時まで粘着力が保持されるようにセパレーター
6で保護されている。ここで、シート基材Aは、通常、
エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)からなるヒー
トシール層1と、ポリエチレンからなるフィルム層2と
からなる。本出願人は、特開平7−16252号公報に
おいて、ヒートシール層が、酢酸ビニル含有量10%以
上のエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチル
アクリレート共重合体、エチレン・メタクリレート共重
合体、低密度ポリエチレンから選ばれる少なくとも1つ
からなる使い捨てカイロを開示し、特開平10−192
330号公報において、ヒートシール層が、密度0.8
80〜0.910g/cm3であり、メルトインデック
スが10g/min以下であるリニア低密度ポリエチレ
ンからなる使い捨てカイロを開示し、特開平11−19
113号公報において、ヒートシール層がメタロセンポ
リエチレンからなる使い捨てカイロを開示している。
人体などの被着体に自在に貼付できる使い捨てカイロが
知られている(例えば特開平1−297059号公
報)。使い捨てカイロは、例えば図1に示す如くシート
基材Aと多孔質フィルムBとをヒートシール部3でヒー
トシールして形成された袋体の内部に、鉄粉等の発熱体
4を封じ込めた構成である。また、シート基材Aには必
要により粘着剤層5が設けられており、粘着剤層の表面
は、貼付時まで粘着力が保持されるようにセパレーター
6で保護されている。ここで、シート基材Aは、通常、
エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)からなるヒー
トシール層1と、ポリエチレンからなるフィルム層2と
からなる。本出願人は、特開平7−16252号公報に
おいて、ヒートシール層が、酢酸ビニル含有量10%以
上のエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチル
アクリレート共重合体、エチレン・メタクリレート共重
合体、低密度ポリエチレンから選ばれる少なくとも1つ
からなる使い捨てカイロを開示し、特開平10−192
330号公報において、ヒートシール層が、密度0.8
80〜0.910g/cm3であり、メルトインデック
スが10g/min以下であるリニア低密度ポリエチレ
ンからなる使い捨てカイロを開示し、特開平11−19
113号公報において、ヒートシール層がメタロセンポ
リエチレンからなる使い捨てカイロを開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、近
年、使い捨てカイロ等の製造工程における生産性をさら
に向上させるために、製造ライン速度が益々速められる
傾向がある。この製造ライン速度の上昇に伴い、使い捨
てカイロの袋体を構成するシート基材と多孔質フィルム
とのヒートシール条件が益々低温・短時間化へとシフト
し、かかる過酷なヒートシール条件下においても接着強
度の信頼性が高いシート基材が必要とされてきている。
このような過酷なヒートシール条件下においては、従来
のシート基材のヒートシール層に用いられている材料で
は、例えばポリエチレンを主成分とする多孔質フィルム
とのヒートシール強度(ヒートシール後、十分に冷却さ
れた状態での剥離強度)やホットタック強度(ヒートシ
ール直後の剥離強度)が十分でない場合がある。その結
果、使い捨てカイロの製造工程におけるライン速度を目
標レベルまで上げることができなかったり、完成品(使
い捨てカイロ)の状態での耐熱破裂性(例えば使い捨て
カイロを衣類に付けた状態でストーブやこたつで局所的
に加熱或いは加圧された場合を想定したときのヒートシ
ール部の強度)が十分でなかったりした。そこで、ライ
ン速度を目標レベルまで上げ、かつ完成品の信頼性が十
分得られるように、かなり低温・短時間でのヒートシー
ルで優れたヒートシール性が得られるようなヒートシー
ル用シート基材が求められていた。
年、使い捨てカイロ等の製造工程における生産性をさら
に向上させるために、製造ライン速度が益々速められる
傾向がある。この製造ライン速度の上昇に伴い、使い捨
てカイロの袋体を構成するシート基材と多孔質フィルム
とのヒートシール条件が益々低温・短時間化へとシフト
し、かかる過酷なヒートシール条件下においても接着強
度の信頼性が高いシート基材が必要とされてきている。
このような過酷なヒートシール条件下においては、従来
のシート基材のヒートシール層に用いられている材料で
は、例えばポリエチレンを主成分とする多孔質フィルム
とのヒートシール強度(ヒートシール後、十分に冷却さ
れた状態での剥離強度)やホットタック強度(ヒートシ
ール直後の剥離強度)が十分でない場合がある。その結
果、使い捨てカイロの製造工程におけるライン速度を目
標レベルまで上げることができなかったり、完成品(使
い捨てカイロ)の状態での耐熱破裂性(例えば使い捨て
カイロを衣類に付けた状態でストーブやこたつで局所的
に加熱或いは加圧された場合を想定したときのヒートシ
ール部の強度)が十分でなかったりした。そこで、ライ
ン速度を目標レベルまで上げ、かつ完成品の信頼性が十
分得られるように、かなり低温・短時間でのヒートシー
ルで優れたヒートシール性が得られるようなヒートシー
ル用シート基材が求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の問題
点を改善するために鋭意検討した結果、シート基材のヒ
ートシール層として特定の材料を用いることで、低温・
短時間という過酷なヒートシール条件下においても十分
なヒートシール強度及びホットタック強度を有し、例え
ば使い捨てカイロ製造ラインにおけるライン速度の向上
や、完成品でのヒートシール部接着強度の信頼性向上に
寄与できるシート基材が得られることを見出し、本発明
を完成させた。即ち本発明のヒートシール用シート基材
は、2層以上のプラスチックフィルム層から構成され、
その少なくとも片面の表面層がヒートシール層であるヒ
ートシール用シート基材であって、該ヒートシール層
が、下記a)成分及びb)成分を含有することを特徴と
する。 a)エチレン・メタクリル酸・アクリル酸エステル共重
合体 b)エチレン−α−オレフィン共重合体 ここで、前記a)成分のエチレン・メタクリル酸・アク
リル酸エステル共重合体におけるメタクリル酸のa)成
分中の含有量が1〜20重量%の範囲内であることがで
きる。また、前記b)成分のエチレン−α−オレフィン
共重合体が、エチレンと1−ブテンとの共重合体である
ことができる。また、上記ヒートシール用シート基材
は、ヒートシール層、中間層及び外層の3層からなるこ
とができる。また、上記ヒートシール用シート基材は、
ヒートシール層形成面とは反対側の表面層に、さらに粘
着剤層を有することができる。本発明の袋材は、上記ヒ
ートシール用シート基材のヒートシール層と多孔質フイ
ルムとがヒートシールされてなることを特徴とする。本
発明の使い捨てカイロは、上記袋材の内部に発熱体が封
入されてなることを特徴とする。
点を改善するために鋭意検討した結果、シート基材のヒ
ートシール層として特定の材料を用いることで、低温・
短時間という過酷なヒートシール条件下においても十分
なヒートシール強度及びホットタック強度を有し、例え
ば使い捨てカイロ製造ラインにおけるライン速度の向上
や、完成品でのヒートシール部接着強度の信頼性向上に
寄与できるシート基材が得られることを見出し、本発明
を完成させた。即ち本発明のヒートシール用シート基材
は、2層以上のプラスチックフィルム層から構成され、
その少なくとも片面の表面層がヒートシール層であるヒ
ートシール用シート基材であって、該ヒートシール層
が、下記a)成分及びb)成分を含有することを特徴と
する。 a)エチレン・メタクリル酸・アクリル酸エステル共重
合体 b)エチレン−α−オレフィン共重合体 ここで、前記a)成分のエチレン・メタクリル酸・アク
リル酸エステル共重合体におけるメタクリル酸のa)成
分中の含有量が1〜20重量%の範囲内であることがで
きる。また、前記b)成分のエチレン−α−オレフィン
共重合体が、エチレンと1−ブテンとの共重合体である
ことができる。また、上記ヒートシール用シート基材
は、ヒートシール層、中間層及び外層の3層からなるこ
とができる。また、上記ヒートシール用シート基材は、
ヒートシール層形成面とは反対側の表面層に、さらに粘
着剤層を有することができる。本発明の袋材は、上記ヒ
ートシール用シート基材のヒートシール層と多孔質フイ
ルムとがヒートシールされてなることを特徴とする。本
発明の使い捨てカイロは、上記袋材の内部に発熱体が封
入されてなることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のヒートシール用シート基
材は、2層以上のプラスチックフィルム層から構成さ
れ、その少なくとも一方の表面層がヒートシール層であ
る。以下、本発明の実例を図面にもとづいて説明する。
図2および図3は、本発明のヒートシール用シート基材
(以下、「シート基材」ともいう)の一例を示す断面図
であり、図2は2層のプラスチックフィルム層を有する
場合であり、図3は3層のプラスチックフィルム層を有
する場合である。図2及び図3において、ヒートシール
層1とフィルム層2とが積層されてシート基材Aを構成
している。図3はヒートシール層1、中間層21及び外
層22の3層からなる。ヒートシール層1の反対側の
面、すなわちフィルム層2や外層22上には、必要に応
じて粘着剤層5が設けられ、その粘着剤層の表面はセパ
レータ6で保護されている。
材は、2層以上のプラスチックフィルム層から構成さ
れ、その少なくとも一方の表面層がヒートシール層であ
る。以下、本発明の実例を図面にもとづいて説明する。
図2および図3は、本発明のヒートシール用シート基材
(以下、「シート基材」ともいう)の一例を示す断面図
であり、図2は2層のプラスチックフィルム層を有する
場合であり、図3は3層のプラスチックフィルム層を有
する場合である。図2及び図3において、ヒートシール
層1とフィルム層2とが積層されてシート基材Aを構成
している。図3はヒートシール層1、中間層21及び外
層22の3層からなる。ヒートシール層1の反対側の
面、すなわちフィルム層2や外層22上には、必要に応
じて粘着剤層5が設けられ、その粘着剤層の表面はセパ
レータ6で保護されている。
【0006】本発明のシート基材は、ヒートシール層が
a)成分:エチレン・メタクリル酸・アクリル酸エステ
ル共重合体とb)成分:エチレン−α−オレフィン共重
合体とを主成分として含有する。 a)成分は、エチレンとメタクリル酸とアクリル酸エス
テルとの三元共重合体(ターポリマー)である。ここ
で、アクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸ラウリル等
が好ましく用いられる。本発明において、エチレンとメ
タクリル酸とアクリル酸エステルとの共重合比は、特に
制限はないが、例えば、エチレンが50〜90重量%、
メタクリル酸が1〜20重量%、アクリル酸エステルが
1〜15重量%であることが好ましい。ただし、エチレ
ンとメタクリル酸とアクリル酸エステルとの合計が10
0重量%である。本発明において、エチレン・メタクリ
ル酸・アクリル酸エステル共重合体(ターポリマー)
は、その融点が70〜90℃であることが好ましい。ま
た、そのターポリマーの密度は、0.90g/cm3以
上、0.95g/cm3以下であることが好ましく、特
に0.91g/cm3以上、0.945g/cm3以下
であることが好ましい。エチレン・メタクリル酸・アク
リル酸エステル共重合体の密度が0.90g/cm3未
満または0.95g/cm3より大きいと、ヒートシー
ル性の改善効果が十分に得られない場合があるからであ
る。なお、本発明において、密度はASTM D−15
05に基づいて測定された値をいう。本発明において、
a)成分であるエチレン・メタクリル酸・アクリル酸エ
ステル共重合体として、例えば三井・デュポンポリケミ
カル株式会社製のニュクレル(NUCREL)(登録商
標、以下同様)AN4213C、同AN4311、同N
0200H、同N035Cを商業的に入手することがで
きる。
a)成分:エチレン・メタクリル酸・アクリル酸エステ
ル共重合体とb)成分:エチレン−α−オレフィン共重
合体とを主成分として含有する。 a)成分は、エチレンとメタクリル酸とアクリル酸エス
テルとの三元共重合体(ターポリマー)である。ここ
で、アクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸ラウリル等
が好ましく用いられる。本発明において、エチレンとメ
タクリル酸とアクリル酸エステルとの共重合比は、特に
制限はないが、例えば、エチレンが50〜90重量%、
メタクリル酸が1〜20重量%、アクリル酸エステルが
1〜15重量%であることが好ましい。ただし、エチレ
ンとメタクリル酸とアクリル酸エステルとの合計が10
0重量%である。本発明において、エチレン・メタクリ
ル酸・アクリル酸エステル共重合体(ターポリマー)
は、その融点が70〜90℃であることが好ましい。ま
た、そのターポリマーの密度は、0.90g/cm3以
上、0.95g/cm3以下であることが好ましく、特
に0.91g/cm3以上、0.945g/cm3以下
であることが好ましい。エチレン・メタクリル酸・アク
リル酸エステル共重合体の密度が0.90g/cm3未
満または0.95g/cm3より大きいと、ヒートシー
ル性の改善効果が十分に得られない場合があるからであ
る。なお、本発明において、密度はASTM D−15
05に基づいて測定された値をいう。本発明において、
a)成分であるエチレン・メタクリル酸・アクリル酸エ
ステル共重合体として、例えば三井・デュポンポリケミ
カル株式会社製のニュクレル(NUCREL)(登録商
標、以下同様)AN4213C、同AN4311、同N
0200H、同N035Cを商業的に入手することがで
きる。
【0007】b)成分は、エチレン−α−オレフィン共
重合体であり、エチレンと共重合されるα−オレフィン
としては、例えば炭素数が3以上のものが好ましく用い
られ、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4メチ
ル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。本発
明においては、低温・短時間ヒートシール条件下におけ
るヒートシール性の観点から、エチレンと1−ブテンと
の共重合体が特に好ましい。エチレン−α−オレフィン
共重合体の共重合比は特に限定されるものではないが、
例えば、エチレンが50〜95重量%、α−オレフィン
が5〜50重量%の範囲であることが好ましい。ただ
し、エチレンとα−オレフィンとの合計が100重量%
である。本発明においては、エチレン−α−オレフィン
共重合体の軟化点が55〜60℃の範囲であることが好
ましい。また、その共重合体の密度が0.85g/cm
3以上、0.90g/cm3以下であることが好まし
く、特に0.86g/cm 3以上、0.89g/cm3
以下であることが好ましい。エチレン−α−オレフィン
共重合体の密度が0.85g/cm3未満または0.9
0g/cm3より大きいと、ヒートシール性の改善効果
が十分に得られない場合があるからである。本発明にお
いては、b)成分として、例えば、三井化学株式会社製
のタフマー(TAFMAR)(登録商標、以下同様)A
−4085、同A−1085、同A−4090、同A−
20090、同P−0180、同P−0280、同P−
0480、同P−0680等を商業的に入手することが
できる。
重合体であり、エチレンと共重合されるα−オレフィン
としては、例えば炭素数が3以上のものが好ましく用い
られ、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4メチ
ル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。本発
明においては、低温・短時間ヒートシール条件下におけ
るヒートシール性の観点から、エチレンと1−ブテンと
の共重合体が特に好ましい。エチレン−α−オレフィン
共重合体の共重合比は特に限定されるものではないが、
例えば、エチレンが50〜95重量%、α−オレフィン
が5〜50重量%の範囲であることが好ましい。ただ
し、エチレンとα−オレフィンとの合計が100重量%
である。本発明においては、エチレン−α−オレフィン
共重合体の軟化点が55〜60℃の範囲であることが好
ましい。また、その共重合体の密度が0.85g/cm
3以上、0.90g/cm3以下であることが好まし
く、特に0.86g/cm 3以上、0.89g/cm3
以下であることが好ましい。エチレン−α−オレフィン
共重合体の密度が0.85g/cm3未満または0.9
0g/cm3より大きいと、ヒートシール性の改善効果
が十分に得られない場合があるからである。本発明にお
いては、b)成分として、例えば、三井化学株式会社製
のタフマー(TAFMAR)(登録商標、以下同様)A
−4085、同A−1085、同A−4090、同A−
20090、同P−0180、同P−0280、同P−
0480、同P−0680等を商業的に入手することが
できる。
【0008】本発明のヒートシール用シート基材は、上
記a)成分とb)成分とを混合してヒートシール層を形
成するが、このような構成とすることにより、低温・短
時間のヒートシール条件でも、良好なヒートシール性及
びホットタック性の両方を満たすことができる。a)成
分及びb)成分の配合量については、ライン速度、シー
ル温度、シール圧力等のラインの条件に応じて適宜決定
すればよく、特に限定するものではないが、例えば、
a)成分とb)成分との混合物中に、a)成分の割合が
10〜95重量%の範囲内で配合されることが好まし
く、特に10〜60重量%の範囲内で配合されることが
さらに好ましい。
記a)成分とb)成分とを混合してヒートシール層を形
成するが、このような構成とすることにより、低温・短
時間のヒートシール条件でも、良好なヒートシール性及
びホットタック性の両方を満たすことができる。a)成
分及びb)成分の配合量については、ライン速度、シー
ル温度、シール圧力等のラインの条件に応じて適宜決定
すればよく、特に限定するものではないが、例えば、
a)成分とb)成分との混合物中に、a)成分の割合が
10〜95重量%の範囲内で配合されることが好まし
く、特に10〜60重量%の範囲内で配合されることが
さらに好ましい。
【0009】本発明において、ヒートシール層の厚さは
特に限定するものではないが、通常5〜100μmであ
り、好ましくは10〜50μm程度である。
特に限定するものではないが、通常5〜100μmであ
り、好ましくは10〜50μm程度である。
【0010】本発明のシート基材におけるヒートシール
層以外のプラスチック層としては、例えば、ポリエステ
ル、ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリプロピレンランダム共重合体、エチレン
−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−メタクリレート共重合体、スチレン系ブ
ロック共重合体等を単独あるいは2以上を用いて形成さ
れた層を挙げることができる。本発明においては、ヒー
トシール層以外のプラスチック層が2層以上積層されて
いてもよいが、低温でのヒートシール性、ホットタック
性、適度なフィルム強度、また粘着剤との投錨性確保等
の点からは、図3に示すような中間層と外層とからなる
2層構成とすることが好ましい。これらの層は、同一種
類の材料からなる層でも、異なる材料からなる層でもよ
い。本発明のシート基材の厚さは特に限定されるもので
はないが、通常5〜150μmであり、好ましくは60
〜100μmである。また、ヒートシール層以外のプラ
スチックフィルム層が2層以上積層されている場合に
は、各層は同一の厚さでも異なっていてもよく、そのプ
ラスチックフィルム層は合計で20〜100μmである
ことが好ましく、例えば外層は5〜40μmであり、中
間層は10〜50μmであることが好ましい。
層以外のプラスチック層としては、例えば、ポリエステ
ル、ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリプロピレンランダム共重合体、エチレン
−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−メタクリレート共重合体、スチレン系ブ
ロック共重合体等を単独あるいは2以上を用いて形成さ
れた層を挙げることができる。本発明においては、ヒー
トシール層以外のプラスチック層が2層以上積層されて
いてもよいが、低温でのヒートシール性、ホットタック
性、適度なフィルム強度、また粘着剤との投錨性確保等
の点からは、図3に示すような中間層と外層とからなる
2層構成とすることが好ましい。これらの層は、同一種
類の材料からなる層でも、異なる材料からなる層でもよ
い。本発明のシート基材の厚さは特に限定されるもので
はないが、通常5〜150μmであり、好ましくは60
〜100μmである。また、ヒートシール層以外のプラ
スチックフィルム層が2層以上積層されている場合に
は、各層は同一の厚さでも異なっていてもよく、そのプ
ラスチックフィルム層は合計で20〜100μmである
ことが好ましく、例えば外層は5〜40μmであり、中
間層は10〜50μmであることが好ましい。
【0011】本発明において、シート基材の各層を積層
する方法は特に限定されないが、例えば、キャスティン
グ方式や溶融成形方式、カレンダー圧延方式や重ね塗り
方式などの適宜な方式で形成することができる。製造効
率等の点から、Tダイやインフレーションダイ等を用い
る押出成形方式などが好ましい。また内部歪みの抑制の
点からTダイを用いる押出成形方式が特に好ましい。こ
のようにして本発明のシート基材を得ることができる。
する方法は特に限定されないが、例えば、キャスティン
グ方式や溶融成形方式、カレンダー圧延方式や重ね塗り
方式などの適宜な方式で形成することができる。製造効
率等の点から、Tダイやインフレーションダイ等を用い
る押出成形方式などが好ましい。また内部歪みの抑制の
点からTダイを用いる押出成形方式が特に好ましい。こ
のようにして本発明のシート基材を得ることができる。
【0012】本発明のシート基材には、ヒートシール層
とは反対側の面に、必要に応じて粘着剤層を設けること
ができる。粘着剤層としては特に限定されないが、例え
ば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられ、ア
クリル系粘着剤としてはエマルジョンタイプの粘着剤
が、ゴム系粘着剤としては天然ゴムやスチレン系合成ブ
ロックポリマーを主成分とする粘着剤が好ましく用いら
れる。スチレン系合成ブロックポリマーを主成分とする
粘着剤はホットメルト化が容易であるので、溶剤タイプ
の粘着剤に比べて生産性が向上し、かつ無公害化が図れ
るという利点がある。本発明においては、上記粘着剤
に、タッキファイアー、オイル(軟化剤)、液状樹脂、
老化防止剤等を含有させることができる。本発明におい
て、粘着剤層の厚さは特に限定されないが、通常、10
〜100μmであり、好ましくは20〜50μm程度で
ある。粘着剤層はシート基材の片面における全面に設け
てもよいし、部分的に設けてもよい。粘着剤層の付設
は、例えば粘着剤溶液を直接塗工したり、セパレータ上
に粘着剤層を一時的に設けて、これをシート基材上に転
写することにより、また、その他適宜な方式により行う
ことができる。上述したホットメルト型粘着剤では、押
出方式による塗工も可能である。なお、粘着剤層を付設
するシート基材面には密着力の向上等を目的として、例
えばコロナ処理やプラズマ処理、下塗り処理などの適宜
な表面処理を必要に応じて施すこともできる。
とは反対側の面に、必要に応じて粘着剤層を設けること
ができる。粘着剤層としては特に限定されないが、例え
ば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられ、ア
クリル系粘着剤としてはエマルジョンタイプの粘着剤
が、ゴム系粘着剤としては天然ゴムやスチレン系合成ブ
ロックポリマーを主成分とする粘着剤が好ましく用いら
れる。スチレン系合成ブロックポリマーを主成分とする
粘着剤はホットメルト化が容易であるので、溶剤タイプ
の粘着剤に比べて生産性が向上し、かつ無公害化が図れ
るという利点がある。本発明においては、上記粘着剤
に、タッキファイアー、オイル(軟化剤)、液状樹脂、
老化防止剤等を含有させることができる。本発明におい
て、粘着剤層の厚さは特に限定されないが、通常、10
〜100μmであり、好ましくは20〜50μm程度で
ある。粘着剤層はシート基材の片面における全面に設け
てもよいし、部分的に設けてもよい。粘着剤層の付設
は、例えば粘着剤溶液を直接塗工したり、セパレータ上
に粘着剤層を一時的に設けて、これをシート基材上に転
写することにより、また、その他適宜な方式により行う
ことができる。上述したホットメルト型粘着剤では、押
出方式による塗工も可能である。なお、粘着剤層を付設
するシート基材面には密着力の向上等を目的として、例
えばコロナ処理やプラズマ処理、下塗り処理などの適宜
な表面処理を必要に応じて施すこともできる。
【0013】本発明のシート基材に粘着剤層が設けられ
た場合には、使用に供するまでの間に誤って接着するこ
とを防止するため、セパレータを仮着して粘着面をカバ
ーしておくことが好ましい。セパレータとしては、適宜
な薄葉体に、必要に応じてシリコーン系や長鎖アルキル
系やフッ素系などの適宜な剥離剤の表面コートを設けた
ものを使用することができる。本発明においては、作業
性や剥離の容易性などの点より粘着面からの剥離力が1
0gf/50mm〜150gf/50mm(0.098
N/50mm〜1.47N/50mm)のセパレータが
好ましく用いられる。
た場合には、使用に供するまでの間に誤って接着するこ
とを防止するため、セパレータを仮着して粘着面をカバ
ーしておくことが好ましい。セパレータとしては、適宜
な薄葉体に、必要に応じてシリコーン系や長鎖アルキル
系やフッ素系などの適宜な剥離剤の表面コートを設けた
ものを使用することができる。本発明においては、作業
性や剥離の容易性などの点より粘着面からの剥離力が1
0gf/50mm〜150gf/50mm(0.098
N/50mm〜1.47N/50mm)のセパレータが
好ましく用いられる。
【0014】シート基材、特にフィルム層、中間層や外
層には、必要に応じて、例えば無機充填剤、酸化防止
剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、軟化剤などの適宜な添
加剤を配合することができる。またシート基材、特にフ
ィルム層、中間層や外層には、必要に応じて電子線や紫
外線等を照射したり、架橋剤を配合して加熱又は/及び
放射線照射により架橋処理したりすることもできる。架
橋処理はシート基材の強度や耐熱性等の向上に有効であ
る。
層には、必要に応じて、例えば無機充填剤、酸化防止
剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、軟化剤などの適宜な添
加剤を配合することができる。またシート基材、特にフ
ィルム層、中間層や外層には、必要に応じて電子線や紫
外線等を照射したり、架橋剤を配合して加熱又は/及び
放射線照射により架橋処理したりすることもできる。架
橋処理はシート基材の強度や耐熱性等の向上に有効であ
る。
【0015】本発明のシート基材を用いて袋形状の袋体
を形成することができる。袋材は本発明のシート基材の
ヒートシール層を他の基材、例えばポリエチレン製の多
孔質フィルム(例えば日東電工製、商品名:ブレスロ
ン)と重ね合わせて部分的にヒートシールすることによ
り形成される。特に限定されないが、例えば特開平11
−19113号の図3およびこれに関連する段落003
1〜0034の記載に従って行うことができる。また、
袋材の内部に物品を収納してから口をヒートシール等に
よって封じることにより製品を製造することができる。
収納される物品の種類については、特に限定されるわけ
ではないが、たとえば通気発熱性組成物である鉄粉など
を主成分とする発熱体(発熱組成物)を封入することに
より使い捨てカイロが得られる。本願発明のシート基材
は使い捨てカイロのヒートシール用シール基材として好
適に用いられ、例えば図1においてシート基材Aとして
本発明のシート基材を用いれば図1に示すような使い捨
てカイロが得られる。なお、ヒートシールする方法や装
置は特に限定されないが、適当な温度及び圧力でヒート
シーラーにて圧着すること等により得られる。
を形成することができる。袋材は本発明のシート基材の
ヒートシール層を他の基材、例えばポリエチレン製の多
孔質フィルム(例えば日東電工製、商品名:ブレスロ
ン)と重ね合わせて部分的にヒートシールすることによ
り形成される。特に限定されないが、例えば特開平11
−19113号の図3およびこれに関連する段落003
1〜0034の記載に従って行うことができる。また、
袋材の内部に物品を収納してから口をヒートシール等に
よって封じることにより製品を製造することができる。
収納される物品の種類については、特に限定されるわけ
ではないが、たとえば通気発熱性組成物である鉄粉など
を主成分とする発熱体(発熱組成物)を封入することに
より使い捨てカイロが得られる。本願発明のシート基材
は使い捨てカイロのヒートシール用シール基材として好
適に用いられ、例えば図1においてシート基材Aとして
本発明のシート基材を用いれば図1に示すような使い捨
てカイロが得られる。なお、ヒートシールする方法や装
置は特に限定されないが、適当な温度及び圧力でヒート
シーラーにて圧着すること等により得られる。
【0016】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に何ら限定されない。 (実施例1)3層Tダイに、下記に示す、中間層用樹脂
組成物、外層用樹脂組成物およびヒートシール用樹脂組
成物を投入して、Tダイ温度240℃で3層押出し方式
により、各樹脂組成物をシート状に押出し成形し、中間
層(50μm)、外層(15μm)、ヒートシール層
(15μm)からなる3層構造のヒートシール用シート
基材(総厚80μm)を作製した。 ・中間層用樹脂組成物: ポリプロピレンランダム共重
合体100重量部、直鎖状低密度ポリエチレン100重
量部及びTiO2系フィラー40重量部からなる樹脂組
成物 外層用樹脂組成物: ポリプロピレンランダム共重合体
100重量部及びスチレン系ブロック共重合体(SEB
S)30重量部からなる樹脂組成物 ヒートシール層用樹脂組成物: a)成分 エチレン・メタクリル酸・アクリル酸エステ
ル共重合体として、三井・デュポンポリケミカル株式会
社製の商品名「ニュクレルAN−4213C」(密度が
0.940g/cm3、MFRが10g/10min、
エチレン・メタクリル酸・アクリル酸エステル共重合比
(重量%)=81/11/1)を20重量部と、 b)成分 エチレン−α−オレフィン共重合体として三
井化学株式会社製の商品名「タフマーA−4085」
(密度が0.88g/cm3、MFRが3.6g/10
min)を80重量部からなる樹脂組成物
明はこれら実施例に何ら限定されない。 (実施例1)3層Tダイに、下記に示す、中間層用樹脂
組成物、外層用樹脂組成物およびヒートシール用樹脂組
成物を投入して、Tダイ温度240℃で3層押出し方式
により、各樹脂組成物をシート状に押出し成形し、中間
層(50μm)、外層(15μm)、ヒートシール層
(15μm)からなる3層構造のヒートシール用シート
基材(総厚80μm)を作製した。 ・中間層用樹脂組成物: ポリプロピレンランダム共重
合体100重量部、直鎖状低密度ポリエチレン100重
量部及びTiO2系フィラー40重量部からなる樹脂組
成物 外層用樹脂組成物: ポリプロピレンランダム共重合体
100重量部及びスチレン系ブロック共重合体(SEB
S)30重量部からなる樹脂組成物 ヒートシール層用樹脂組成物: a)成分 エチレン・メタクリル酸・アクリル酸エステ
ル共重合体として、三井・デュポンポリケミカル株式会
社製の商品名「ニュクレルAN−4213C」(密度が
0.940g/cm3、MFRが10g/10min、
エチレン・メタクリル酸・アクリル酸エステル共重合比
(重量%)=81/11/1)を20重量部と、 b)成分 エチレン−α−オレフィン共重合体として三
井化学株式会社製の商品名「タフマーA−4085」
(密度が0.88g/cm3、MFRが3.6g/10
min)を80重量部からなる樹脂組成物
【0017】(実施例2)実施例1において、ヒートシ
ール層用樹脂組成物をa)成分:商品名「ニュクレルA
N−4213C」が40重量部、b)成分:商品名「タ
フマーA−4085」が60重量部からなる樹脂組成物
に変更した以外は実施例1と同様にしてヒートシール用
シート基材を作製した。
ール層用樹脂組成物をa)成分:商品名「ニュクレルA
N−4213C」が40重量部、b)成分:商品名「タ
フマーA−4085」が60重量部からなる樹脂組成物
に変更した以外は実施例1と同様にしてヒートシール用
シート基材を作製した。
【0018】(実施例3)実施例1において、ヒートシ
ール層用樹脂組成物をa)成分:商品名「ニュクレルA
N−4213C」が50重量部、b)成分:商品名「タ
フマーA−4085」が50重量部からなる樹脂組成物
に変更した以外は実施例1と同様にしてヒートシール用
シート基材を作製した。
ール層用樹脂組成物をa)成分:商品名「ニュクレルA
N−4213C」が50重量部、b)成分:商品名「タ
フマーA−4085」が50重量部からなる樹脂組成物
に変更した以外は実施例1と同様にしてヒートシール用
シート基材を作製した。
【0019】(比較例1)実施例1において、ヒートシ
ール層用樹脂組成物を、直鎖状低密度ポリエチレン(三
井化学社製の商品名「ウルトゼックスUZ−1030
L」[密度が0.910g/cm3、MFRが3.6g
/10min〕)からなる単独層とした以外は実施例1
と同様にしてヒートシール用シート基材を作製した。
ール層用樹脂組成物を、直鎖状低密度ポリエチレン(三
井化学社製の商品名「ウルトゼックスUZ−1030
L」[密度が0.910g/cm3、MFRが3.6g
/10min〕)からなる単独層とした以外は実施例1
と同様にしてヒートシール用シート基材を作製した。
【0020】(比較例2)実施例1において、ヒートシ
ール層用樹脂組成物を、メタロセン触媒により重合した
直鎖状低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル社製の商品
名「アフィニティーPL1880」[密度が0.902
g/cm3、融点が100℃])からなる単独層とした
以外は実施例1と同様にしてヒートシール用シート基材
を作製した。
ール層用樹脂組成物を、メタロセン触媒により重合した
直鎖状低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル社製の商品
名「アフィニティーPL1880」[密度が0.902
g/cm3、融点が100℃])からなる単独層とした
以外は実施例1と同様にしてヒートシール用シート基材
を作製した。
【0021】(比較例3)実施例1において、ヒートシ
ール層用樹脂組成物を、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(三井・デュポンポリケミカル社製の商品名「EV46
0」)からなる単独層とした以外は実施例1と同様にし
てヒートシール用シート基材を作製した。
ール層用樹脂組成物を、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(三井・デュポンポリケミカル社製の商品名「EV46
0」)からなる単独層とした以外は実施例1と同様にし
てヒートシール用シート基材を作製した。
【0022】(比較例4)実施例1において、ヒートシ
ール層用樹脂組成物を、エチレン・メタクリル酸共重合
体(三井・デュポンポリケミカル社製の商品名「ニュク
レルN−0903HC[密度が0.93g/cm3、メ
タクリル酸含量が9重量%])からなる単独層とした以
外は実施例1と同様にしてヒートシール用シート基材を
作製した。
ール層用樹脂組成物を、エチレン・メタクリル酸共重合
体(三井・デュポンポリケミカル社製の商品名「ニュク
レルN−0903HC[密度が0.93g/cm3、メ
タクリル酸含量が9重量%])からなる単独層とした以
外は実施例1と同様にしてヒートシール用シート基材を
作製した。
【0023】<評価>実施例1〜3、及び比較例1〜4
で得られたヒートシール用シート基材について、多孔質
フィルム(日東電工株式会社製の商品名「ブレスロンB
RN−2360」)とのヒートシール特性の評価を下記
方法に従って行なった。評価結果を表1に示す。 (ヒートシール強度)実施例1〜3、比較例1〜4で得
られた各シート基材のヒートシール層と、多孔質フィル
ム(日東電工株式会社製の商品名「BRN−236
0」)とを、シール圧力3kg/cm2(Air圧
力)、シール時間1秒で、3種類の温度(70℃、80
℃、100℃)条件下でヒートシール加工を行った。た
だし、ヒートシール機はTester Sangyo社
製の商品名「TP−701−B」を用いた。ヒートシー
ル後、室温23℃にて24時間経過した後に、引張り速
度300mm/minでT剥離強度を測定することでヒ
ートシール強度を測定した。 (ホットタック強度)ヒートシール強度の測定において
ヒートシール加工を行ったのと同一の条件(ただし、シ
ール温度は100℃1種類のみ)でヒートシールを行
い、ヒートシール直後のT剥離強度をプッシュプルゲー
ジにて測定した。 (破裂試験)市販カイロの内容物(鉄粉)を介在させた
状態で、実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた各シ
ート基材に多孔質フィルム(商品名:BRN−236
0)を重ね合わせて、その四方をヒートシールすること
により手作りカイロを作成した。得られた各手作りカイ
ロを65℃の雰囲気下で10時間保存した後、破裂(シ
ール部の剥離)が生じるか否かを確認した。破裂が生じ
なかったものを記号「○」、破裂が生じたものを記号
「×」で示した。なお、本評価法は安全性を評価する方
法の一つであり、急激に加熱されたカイロはカイロ内圧
が上昇し、餅状に膨らむ。その際、シール部のホットタ
ック強度が弱いカイロは、シール部で剥離が生じ破裂す
る。
で得られたヒートシール用シート基材について、多孔質
フィルム(日東電工株式会社製の商品名「ブレスロンB
RN−2360」)とのヒートシール特性の評価を下記
方法に従って行なった。評価結果を表1に示す。 (ヒートシール強度)実施例1〜3、比較例1〜4で得
られた各シート基材のヒートシール層と、多孔質フィル
ム(日東電工株式会社製の商品名「BRN−236
0」)とを、シール圧力3kg/cm2(Air圧
力)、シール時間1秒で、3種類の温度(70℃、80
℃、100℃)条件下でヒートシール加工を行った。た
だし、ヒートシール機はTester Sangyo社
製の商品名「TP−701−B」を用いた。ヒートシー
ル後、室温23℃にて24時間経過した後に、引張り速
度300mm/minでT剥離強度を測定することでヒ
ートシール強度を測定した。 (ホットタック強度)ヒートシール強度の測定において
ヒートシール加工を行ったのと同一の条件(ただし、シ
ール温度は100℃1種類のみ)でヒートシールを行
い、ヒートシール直後のT剥離強度をプッシュプルゲー
ジにて測定した。 (破裂試験)市販カイロの内容物(鉄粉)を介在させた
状態で、実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた各シ
ート基材に多孔質フィルム(商品名:BRN−236
0)を重ね合わせて、その四方をヒートシールすること
により手作りカイロを作成した。得られた各手作りカイ
ロを65℃の雰囲気下で10時間保存した後、破裂(シ
ール部の剥離)が生じるか否かを確認した。破裂が生じ
なかったものを記号「○」、破裂が生じたものを記号
「×」で示した。なお、本評価法は安全性を評価する方
法の一つであり、急激に加熱されたカイロはカイロ内圧
が上昇し、餅状に膨らむ。その際、シール部のホットタ
ック強度が弱いカイロは、シール部で剥離が生じ破裂す
る。
【0024】
【表1】
【0025】実施例1〜3のヒートシール用シート基材
は、例えば70℃という低いヒートシール温度でも十分
なヒートシール強度が得られることが分かった。また、
ホットタック強度についても実用上十分なレベルに達し
ていることが分かった。したがって、本発明のヒートシ
ール用シート基材を用いれば、70℃という低い温度で
短時間のヒートシールを行っても、良好なカイロを製造
することができ、製造ライン速度の向上を図ることがで
きる。また、実施例1〜3のシート基材を使用して作製
した使い捨てカイロは耐熱破裂性にも優れていることが
分かった。以上により、多孔質フィルムとのヒートシー
ル強度、ホットタック強度に優れ、安全性をも考慮した
カイロ用シート基材を完成するに至った。
は、例えば70℃という低いヒートシール温度でも十分
なヒートシール強度が得られることが分かった。また、
ホットタック強度についても実用上十分なレベルに達し
ていることが分かった。したがって、本発明のヒートシ
ール用シート基材を用いれば、70℃という低い温度で
短時間のヒートシールを行っても、良好なカイロを製造
することができ、製造ライン速度の向上を図ることがで
きる。また、実施例1〜3のシート基材を使用して作製
した使い捨てカイロは耐熱破裂性にも優れていることが
分かった。以上により、多孔質フィルムとのヒートシー
ル強度、ホットタック強度に優れ、安全性をも考慮した
カイロ用シート基材を完成するに至った。
【0026】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によ
れば、ライン速度を目標レベルまで上げ、かつ完成品の
信頼性が十分得られるように、かなり低温・短時間での
ヒートシールで優れたヒートシール性が得られるような
ヒートシール用シート基材が得られる。
れば、ライン速度を目標レベルまで上げ、かつ完成品の
信頼性が十分得られるように、かなり低温・短時間での
ヒートシールで優れたヒートシール性が得られるような
ヒートシール用シート基材が得られる。
【図1】使い捨てカイロの構成を示す模式的断面図であ
る。
る。
【図2】本発明のヒートシール用シート基材の一例を示
す断面図である。
す断面図である。
【図3】本発明のヒートシール用シート基材の別の一例
を示す断面図である。
を示す断面図である。
1 ヒートシール層 2 フィルム層 3 ヒートシール部 4 発熱体 5 粘着剤層 6 セパレータ 21 中間層 22 外層 A (多層プラスチック)シート基材 B 多孔質フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 65/40 B65D 65/40 D C08J 5/18 CES C08J 5/18 CES C08L 23/08 C08L 23/08 33/02 33/02 33/08 33/08 Fターム(参考) 3E086 AD01 BA04 BA15 BA24 BB51 CA29 4C099 AA01 CA11 GA03 JA04 LA05 LA08 LA15 4F071 AA14X AA15X AA32X AA33X AH04 AH05 BB06 BC01 4F100 AA21 AK01A AK01B AK01D AK04C AK04J AK07 AK12 AK12J AK25C AK25G AK25J AK29 AK29J AK62C AK63 AK65C AL01C AL02 AL02J AL03 AL05A AL05B AL05C AR00C BA03 BA04 BA07 BA10B BA10C BA10D CB05 DA02 DD31 DJ00D GB90 JL11 JL12C 4J002 BB05X BB07W BB08W GG02
Claims (7)
- 【請求項1】 2層以上のプラスチックフィルム層から
構成され、その少なくとも片面の表面層がヒートシール
層であるヒートシール用シート基材であって、該ヒート
シール層が、下記a)成分及びb)成分を含有すること
を特徴とするヒートシール用シート基材。 a)エチレン・メタクリル酸・アクリル酸エステル共重
合体 b)エチレン−α−オレフィン共重合体 - 【請求項2】 前記a)成分のエチレン・メタクリル酸
・アクリル酸エステル共重合体におけるメタクリル酸の
a)成分中の含有量が1〜20重量%の範囲内であるこ
とを特徴とする請求項1に記載のヒートシール用シート
基材。 - 【請求項3】 前記b)成分のエチレン−α−オレフィ
ン共重合体が、エチレンと1−ブテンとの共重合体であ
ることを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に
記載のヒートシール用シート基材。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のヒ
ートシール用シート基材が、ヒートシール層、中間層及
び外層の3層からなることを特徴とする請求項1〜3の
いずれか一項に記載のヒートシール用シート基材。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載のヒ
ートシール用シート基材が、ヒートシール層形成面とは
反対側の表面層に、さらに粘着剤層を有することを特徴
とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のヒートシー
ル用シート基材。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載のヒ
ートシール用シート基材のヒートシール層と多孔質フイ
ルムとがヒートシールされてなることを特徴とする袋
材。 - 【請求項7】 請求項6に記載の袋材の内部に発熱体が
封入されてなることを特徴とする使い捨てカイロ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000276471A JP2002085442A (ja) | 2000-09-12 | 2000-09-12 | ヒートシール用シート基材、及びこれを備えてなる袋材、並びにこれを用いた使い捨てカイロ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000276471A JP2002085442A (ja) | 2000-09-12 | 2000-09-12 | ヒートシール用シート基材、及びこれを備えてなる袋材、並びにこれを用いた使い捨てカイロ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002085442A true JP2002085442A (ja) | 2002-03-26 |
Family
ID=18761928
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000276471A Pending JP2002085442A (ja) | 2000-09-12 | 2000-09-12 | ヒートシール用シート基材、及びこれを備えてなる袋材、並びにこれを用いた使い捨てカイロ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002085442A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005524734A (ja) * | 2002-05-06 | 2005-08-18 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | プロピレン・ベースのシーラント組成物および応用 |
JP2008214586A (ja) * | 2007-03-07 | 2008-09-18 | Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd | エチレン共重合体を含有する架橋物及び架橋発泡物並びにそれらを含む積層体 |
EP1994915A1 (en) | 2007-05-21 | 2008-11-26 | Nitto Lifetec Corporation | Disposable warmer and bag member for the same |
JP2012121621A (ja) * | 2010-12-10 | 2012-06-28 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 包装体 |
JP2014023642A (ja) * | 2012-07-25 | 2014-02-06 | Nitto Lifetech Kk | 袋体構成部材の製造方法 |
CN110337711A (zh) * | 2017-02-28 | 2019-10-15 | 琳得科株式会社 | 粘合片 |
-
2000
- 2000-09-12 JP JP2000276471A patent/JP2002085442A/ja active Pending
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