JP3905372B2 - 粘着テープ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属箔層を有する粘着テープに関する。さらに詳しくは金属箔と基材との接着強度が強く、テープの引出しの際にも金属箔層が剥離せず、耐水性に優れ、かつ手切れ性の良好な粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】
配管を保温するガラスウールなどの保温材を固定する粘着テープや、システムキッチンの各ユニットを並置した際に生じるユニット間の隙間をシールする粘着テープは、剛性が必要なことから金属箔層を有する粘着テープが使用され、これら金属箔層を有する粘着テープには次の特性を備えることが要求されている。
【0003】
(1)被着材(ダンボール、ステンレス、木材等)に対し、強い粘着力を示すこと。
(2)ロール状に重ね巻きされた粘着テープを、ロール巻きから剥離して使用するときに剥離が容易なこと、及び、粘着剤が粘着テープの背面側に付着して内面側から剥離しないこと。
(3)ロール状に重ね巻きされた粘着テープを、ロール巻きから引き剥がし、引出して使用するとき、積層された金属箔が剥離しないこと。
(4)水等の侵入によって金属箔が剥離しないこと。
(5)手切れ性が容易であること。
【0004】
かかる要求性能を満たす粘着テープとして、a.基材の内面側に感圧粘着剤層を設け、その反対側の背面側に剥離剤としてポリジメチルシロキサンをコーティングした粘着テープ(特開平3−131677号)b.基材の内面側に感圧粘着剤層を設け、更にその面に剥離紙を貼り合わせた粘着テープが提案されている。
【0005】
しかし、前記a.の粘着テープにおいては、基材の背面に剥離剤をコーティングするために、剥離剤のコーティングと乾燥の工程を必要とし、粘着テープのコストが高くなり、また、b.の感圧粘着剤層に剥離紙を張り合わせる方法は、使用のたびに剥離紙を引き剥がす手間がかかると共に、粘着テープの巻き径が剥離紙の厚み相当分だけ大きくなるなどの問題がある。
【0006】
上記の問題を解決する方法として、c.感圧粘着剤/低密度ポリエチレン/織布/低密度ポリエチレン/アルミ箔からなる基材を使用し、アルミ箔の表面にアンカーコート剤を塗布した後、150〜300℃の温度で低密度ポリエチレンをフィルム状に溶融押出し、フィルムの接合面をオゾン処理した後アルミ箔に積層すると共に、低密度ポリエチレンフィルムのオゾン処理されていない外面の水の接触角を85度以上の粘着テープとすることが開示されている(特許第3065126号)。
【0007】
しかし、c.の粘着テープは、織布、低密度ポリエチレン、アルミ箔の接着強度が十分でなく、粘着剤の種類により、あるいは、粘着テープをロール巻きした後に時間が経つと、粘着テープを使用するために引き剥がしを行なう際にアルミ箔が剥離して破損する問題や、屋外での使用等によって水分にさらされるとアルミ箔が剥離する等の問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、金属箔と基材との接着強度が強く、テープを引出して使用する際に金属箔層が剥離することがなく、耐水性に優れ、かつ手切れ性の良好な粘着テープを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の問題点を解決するために鋭意検討した結果なされたもので、具体的には、基材層と金属箔層と粘着剤層とを有し、基材層と金属箔層とが接着層を介して積層され、接着層がメタロセン触媒を用いてエチレンと炭素数が3〜12のα−オレフィンとを共重合して得られた密度が0.910g/cm3以下、MFRが1〜100g/10分、DSC測定による全融解熱量(△Hm)に対する100℃までの融解熱量(△Hm100)の割合が70%以上である直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体を接着成分として含有することを特徴とする粘着テープを提供するものである。
【0010】
また、本発明は、基材層と接着層とが共押出しによって積層形成された積層フィルムの接着層面に、金属箔層が積層されてなる上記の粘着テープ、基材層と金属箔層とが、その間に押出し成形された溶融フィルム状の接着層材料によって接合積層されてなる上記の粘着テープ、接着層が、直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂99〜60重量%とMFRが1〜50g/10分の高圧ラジカル法低密度ポリエチレン1〜40重量%との樹脂組成物からなる上記の粘着テープ、基材層が、織布又はソフからなる上記の粘着テープ、及び、基材層が、ポリオレフィン製フラットヤーンの織布又はソフからなる上記の粘着テープを提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明粘着テープは、基材層と金属箔層と粘着剤層とから構成される。本発明において「構成される」とは、上記の3層の他に、本発明の効果を損ねない範囲で他の層を有していてもよいことを意味する。
【0012】
<基材層>
基材層を形成する基材としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂フィルムもしくはこれらの延伸フィルム、あるいは、延伸フィルムを所定幅にスリットしたフラットヤーンの織布もしくはフラットヤーンを一方向に並列し、その上に他のフラットヤーンを交差するように並列してその交点を接着したソフ;クラフト紙、合成紙等の紙;これらのアルミ蒸着物等が使用できる。手切れ性の観点から熱可塑性樹脂、特にポリオレフィンのフラットヤーンの織布もしくはソフ、又は、これらのアルミ蒸着物が好ましい。
【0013】
基材層の肉厚は、8〜400μm、好ましくは15〜200μmが望ましい。基材には、滑剤、アンチブッロキング剤、安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤、その他の添加剤を配合することができる。
【0014】
<金属箔>
金属箔層を形成する金属としては薄膜状に加工されるものであれば制限されるものではないが、一般には、アルミニウム、錫、鉛、銅、真鍮、青銅、鉄、ステンレススチール等の箔を用いることができる。適度な剛性を保持させる観点からはアルミニウムが好ましい。
【0015】
金属箔の厚さは目的に応じて任意に選定することができるが、ピンホール発生の防止、強度、金属箔の加工性、取扱性、手切れ性の観点から、厚さは5〜70μm、好ましくは5〜50μm、特に好ましくは6〜30μmの範囲である。
【0016】
<接着層>
基材と金属箔とを接着する接着層として用いられる接着層材料としては、メタロセン触媒を用いて重合された直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体を接着成分として含有する樹脂物質が用いられる。直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンと炭素数が3〜12のα−オレフィンとをメタロセン触媒を用いて共重合することによって得られる。
【0017】
直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体に使用されるα−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を例示することができる。好ましくは炭素数3〜8のα−オレフィンであり、より好ましくは炭素数3〜6のα−オレフィンである。α−オレフィンは一種類の単独であっても二種類以上の併用であってもよい。
【0018】
直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体のエチレン含有量は、一般に、60〜99重量%、好ましくは65〜98重量%であり、α−オレフィン含有量は、一般に、1〜40重量%、好ましくは2〜35重量%である。
【0019】
直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体は、密度が0.910g/cm3以下、好ましくは0.870〜0.910g/cm3、より好ましくは0.875〜0.900g/cm3である。密度が0.910g/cm3を越える場合は基材と金属箔との接着性が低下する。なお、密度は、MFR測定と同じ条件で溶融樹脂を押出し、得られたストランドを用いてJIS K6922に準拠して密度勾配管法により測定される。
【0020】
また、直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体は、MFR(JIS−K6760、190℃、2.16kg荷重)が1〜100g/10分、好ましくは3〜80g/10分、より好ましくは12〜40g/10分のものが使用される。MFRが上記範囲以外のものはラミネート加工性が低下する。
【0021】
また、直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体は、DSC測定における全融解熱量(△Hm)に対する100℃までの融解熱量(△Hm100)の割合が70%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは90%以上のものが望ましい。粘着テープにおいては基材と金属箔との接着力が重要であり、△Hmが70%未満では基材と金属箔との接着性が劣るため、粘着テープをロール巻きから引き剥がして引き出す際に金属箔が剥離する問題が生じる。
【0022】
ここで、DSC測定とは、示差走査型熱量計を用いた融解挙動測定を意味し、測定は以下の通り実施される。すなわち、示差走査型熱量計(DSC)を用い、サンプルを約5mg採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温スピードで冷却する。続いて10℃/分の昇温スピードで融解させた時に得られる融解熱量曲線から△Hmおよび△Hm100を得る。△Hm100の割合を得る方法としては、融解熱量曲線において、最初の吸熱が開始した温度と全ての吸熱が終了した温度との間を直線で結んで融解熱量を求めるためのベースラインとして、融解熱量曲線とベースラインとに囲まれた部分に相当する融解熱量を全融解熱量(△Hm)とし、低温側から起算した100℃までの融解熱量を融解熱量(△Hm100)としてその割合が求められる。
【0023】
また、直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体は、金属箔との接着性の観点から、温度上昇溶離分別(Temperature Rising Elution Fractionation:以下TREFと略す。)測定による80℃における溶出量が共重合体全量に対して90重量%以上、好ましくは95重量%以上であることが望ましい。
【0024】
TREF測定は、「Journal of Applied PolymerScience,Vol 26, 4217−4231.(1981)」および「高分子論文集 2P1C09(1985年)」に記載されている原理に基づき、以下のようにして行われる。
【0025】
すなわち、不活性担体を充填したカラムに、ポリマーを溶媒に完全溶解させて供給した後、冷却して不活性担体表面に薄いポリマー層を形成させる。続いて、温度を所定の条件で昇温して、その温度までに溶出したポリマー量を測定し、その溶出量と溶出温度との関係を表す曲線を得る。かかる曲線からポリマーの80℃における溶出量の割合を知ることができる。
【0026】
TREF測定の測定法について詳述すれば、測定装置として溶解温度の差を利用して試料を分別する温度上昇溶離分別(TREF)機構を有する分別装置を使用し、測定試料のo−ジクロロベンゼン溶液(濃度3mg/ml)を、不活性担体であるガラスビーズが充填された内径4mm、長さ150mmのステンレス製カラムに0.4ml注入する。次にカラムを1℃/分の速度で140℃から0℃の温度まで冷却し、試料を不活性担体にコーティングする。カラムを0℃で更に30分間保持した後、0℃の温度で溶解する成分を含む溶出溶液2mlを送り出して溶出溶液中の重合体量を測定する。一方、TREFカラムは次の溶出温度に昇温され、その温度に約30分間保持される。溶出温度は以下の温度で段階的に昇温される。
【0027】
0,5,10,15,20,25,30,35,40,45,49,52,55,58,61,64,67,70,73,76,79,82,85,88,91,94,97,100,102,120,140℃
【0028】
溶出した分別溶液は、赤外線分光光度計等でポリマーの濃度に比例する検出出力が測定され(赤外線分光光度計においては、波長3.42μ,メチレンの伸縮振動による吸光度で検出)、各溶出温度区分のポリマー濃度曲線を求める。上記測定で得られた各溶出温度区分のポリマー濃度曲線のベースラインを引き、演算処理して各ポリマー濃度曲線の面積が算出されて積分され、積分溶出曲線が求められる。この積分溶出曲線における溶出温度が80℃における溶出量を、温度上昇溶離分別測定による80℃における溶出量とする。
【0029】
また、直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体は、押出ラミネート時の加工性(サージング現象、ネックイン等)を改良するため、MFR(JIS K6760、190℃、2.16kg荷重)が1〜50g/10分の高圧ラジカル法低密度ポリエチレンを配合した樹脂組成物を使用することができる。
【0030】
配合比率は、一般に、直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体が60〜99重量%、好ましくは70〜97重量%、より好ましくは80〜95重量%、高圧ラジカル法低密度ポリエチレンが40〜1重量%、好ましくは30〜3重量%、より好ましくは20〜5重量%が適当である。
【0031】
高圧ラジカル法低密度ポリエチレンが1重量%未満であると、サージング現象が生じ易く、ネックインも大きくなり加工性の改良効果が乏しい。一方、高圧ラジカル法低密度ポリエチレンが40重量%を超過すると、金属箔との接着性が劣る。
【0032】
直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体、あるいは、その樹脂組成物には、滑剤、造核剤、アンチブッロキング剤、酸化防止剤、耐候性改良剤、安定剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤、低分子量ポリマー、その他各種添加剤を必要に応じて添加することができる。
【0033】
直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体を調製するためのメタロセン触媒としては、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第4〜6族の遷移金属化合物と、助触媒から構成され、必要により有機アルミニウム化合物、担体が添加された触媒を用いることができる。
【0034】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第4〜6族の遷移金属化合物において、そのシクロペンタジエニル骨格とは、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基等である。置換シクロペンタジエニル基の置換基としては、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、珪素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基又はホウ素含有炭化水素基、シリル基、シリル置換アルキル基、シリル置換アリール基、シアノ基、シアノアルキル基、シアノアリール基、ハロシリル基等から選ばれた少なくとも1種の置換基が挙げられる。その置換シクロペンタジエニル基は置換基を2個以上有していてもよく、またかかる置換基同士が互いに結合して環を形成してもよい。また、置換基同士が互いに結合し形成された環がさらに置換基を有していてもよい。
【0035】
上記炭素数1〜20の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフイル基等のアラルキル基等が例示される。
【0036】
置換基同士すなわち炭化水素同士が互いに結合して1又は2以上の環を形成した場合の置換シクロペンタジエニル基としては、インデニル基、炭素数1〜20の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換インデニル基、フルオレニル基、炭素数1〜20の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換フルオレニル基、アズレニル基、炭素数1〜20の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換アズレニル基等が挙げられる。
【0037】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第4〜6族の遷移金属化合物について、その遷移金属としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム等が挙げられ、特にジルコニウム、ハフニウムが好ましい。該遷移金属化合物は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を通常1〜3個有し、また2個以上有する場合は架橋基により配位子同士を互いに結合していてもよい。なお、かかる架橋基としてはアルキレン基、アルキリデン基、シリレン基、ゲルミレン基等が挙げられる。これらは水素原子がアルキル基、ハロゲン等で置換されたものであってもよい。
【0038】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第4〜6族の遷移金属化合物において、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子としては、代表的なものとして、水素、ハロゲン基、炭素数1〜20の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル基等)、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基、炭素数1〜20のリン含有炭化水素基又は炭素数1〜20の珪素含有炭化水素基などが挙げられる。
【0039】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第4〜6族の遷移金属化合物の非限定的な例として、次の化合物を挙げることができる。
【0040】
(1)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(2)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(3)ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
(4)ビス(アズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(5)ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(6)(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(7)メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(8)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(9)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(10)エチレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチルペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(11)メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(12)エチレン1,2−ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(13)エチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
(14)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(15)ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(16)ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(17)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
(18)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
(19)メチルフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4,5−ベンゾ(インデニル)]ジルコニウムジクロリド、
(20)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)]ジルコニウムジクロリド、
(21)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、
(22)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、
(23)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、
(24)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、
(25)ジフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、
(26)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(フェニルインデニル))]ジルコニウムジクロリド、
(27)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(フェニルインデニル))]ジルコニウムジクロリド、
(28)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、
(29)ジメチルゲルミレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(30)ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド。
【0041】
また、チタニウム化合物、ハフニウム化合物等の他の第4、5、6族遷移金属化合物についても上記と同様の化合物が挙げられる。シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第4〜6族の遷移金属化合物は、1種又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0042】
助触媒としては、前記周期律表第4〜6族の遷移金属化合物を重合触媒として有効になしうる、又は、触媒的に活性化された状態のイオン性電荷を均衝させうるものをいう。本発明において用いられる助触媒としては、アルモキサン等の有機アルミニウムオキシ化合物、ルイス酸、イオン交換性層状珪酸塩、ホウ素化合物、酸化ランタンなどのランタノイド塩、酸化スズ等が挙げられる。
【0043】
必要により用いることができる有機アルミニウム化合物は、一般式(AlRp3-pqで示される化合物である。本発明では、この式で表される化合物を単独で、複数種混合してあるいは併用して使用することができることはいうまでもない。また、この使用は触媒調製時だけでなく、予備重合あるいは重合時にも可能である。この式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Xは、ハロゲン、水素、アルコキシ基、アミノ基を示す。pは1〜3の、qは1又は2の整数である。Rとしてはアルキル基が好ましく、またXは、それがハロゲンの場合には塩素が、アルコキシ基の場合には炭素数1〜8のアルコキシ基が、アミノ基の場合には炭素数1〜8のアミノ基が好ましい。これらのうち、好ましくは、p=3、q=1のトリアルキルアルミニウムおよびジアルキルアルミニウムヒドリドである。更に好ましくは、Rが炭素数1〜8であるトリアルキルアルミニウムである。
【0044】
必要により用いることができる担体としては、無機又は有機化合物の多孔質酸化物が好ましい。具体的には、SiO2、Al23、MgO、ZrO2、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2等又はこれらの混合物が挙げられ、SiO2−Al23、SiO2−V25、SiO2−TiO2、SiO2−MgO、SiO2−Cr23等が挙げられる。
【0045】
直鎖状エチレン・αーオレフィン共重合体を得るための重合方法は特に限定されるものではなく、自体公知の方法によって行なうことができ、例えば、メタロセン触媒を用いて高圧イオン重合、気相重合、溶液重合等によって行なうことができる。
【0046】
(接着層の厚さ)
基材と金属箔との積層は、前記直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体を接着成分として含有する接着剤を用いて行なわれる。積層は自体公知の方法で行なうことができ、例えば、基材と金属箔とを予め用意し、基材と金属箔との間に直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体を含有する樹脂物質をフィルム状に溶融押出して三層を同時に積層する方法、金属箔上に、基材と直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体を含有する樹脂物質とを共押出して形成した積層フィルムを接合する方法が挙げられる。成形温度は150〜330℃が好ましく、150℃以下では基材と金属箔との接着性が悪くなり、330℃を超えると、加工性、臭気等の点から好ましくない。
【0047】
また、接着層を介して基材と金属箔を積層するに際して、その前処理として、190〜320℃、好ましくは190〜300℃で、押出された接着剤と基材との接合面、あるいは、押出された接着剤と金属箔との接合面をオゾン処理することが、接着性、臭気等の点から望ましい。
【0048】
オゾン処理は、エアーギャップ内で、ノズル又はスリット状の吹出口からオゾンを含有させた気体(空気等)を、上記接着層の面、あるいは、これと積層される金属箔の面もしくは基材の面に向けるか、両者の圧着部に向けて吹き付けることによって行われる。なお、100m/分以上の速度で積層する場合は、上記両者の圧着部に向けて吹き付けることが好ましい。オゾンを含有させた気体中のオゾンの濃度は、1g/m3以上が好ましく、さらに好ましくは3g/m3以上である。また、吹き付ける量は、接着層の幅に対して0.03L/分/cm以上が好ましく、さらに好ましくは0.1L/分/cm以上である。
【0049】
基材層/接着層/金属箔からなる積層体の外側には、必要に応じ又はさらなる機能付与を目的として、その他の層を設けることができる。その他の層としては、ガス不透過層を設けることができ、ガス不透過層としては金属箔、金属蒸着フィルム、セラミック蒸着フィルム等を用いることができる。また、耐油性用途にはポリプロピレンフィルム、易開封性用途にはポリスチレン、高剛性用途には紙を積層することができる。
【0050】
その他の層を積層する方法は、基材層/接着層/金属箔からなる積層体を得た後に、接着剤を介し又は介さずその他の層を積層する方法や、基材層/接着層を金属箔に押出ラミネート積層する際に基材層の外側にその他の層を共押しによって積層する方法、基材層を予め用意する際に、その他の層を積層した積層体とする方法などが挙げられる。
【0051】
本発明に使用される粘着剤としては特に制限はなく、粘着テープとして用いられる粘着剤を広く用いることができるが、好ましい例を挙げれば、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、これらの混合物をベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサンのような有機溶剤に溶解したゴム系粘着剤、これらゴム系粘着剤にアビエチン酸ロジンエステル、テルペン・フェノール共重合体、テルペン・インデン共重合体等の粘着付与剤を配合したもの;2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸n−ブチル共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体等のガラス転移点が−20℃以下のアクリル系共重合体を有機溶剤で溶解したアクリル系粘着剤が使用できる。
【0052】
粘着剤の乾燥後の肉厚は、アクリル系粘着剤で10〜50μm、ゴム系粘着剤で80〜150μmが一般的である。
【0053】
本発明の金属箔を有する粘着テープは、前記積層体の片面に粘着剤を塗布することによって製造することができる。積層体と粘着剤との間にアンカーコート剤を介してもよい。
【0054】
アンカーコート剤としては、ポリウレタン、ポリイソシアネート・ポリエーテルポリオール、ポリイソシアネート・ポリアルキレンエーテル、ポリエチレンイミン、アルキルチタネート等が使用でき、これらは一般に、メタノール、水、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン等の有機溶剤に溶解して使用される。
【0055】
積層体へのアンカーコート剤の塗布量は乾燥した固型分量で0.01〜5g/m2、好ましくは0.05〜2g/m2である。
【0056】
【発明の効果】
本発明の粘着テープは、金属箔と基材との接着強度が強く、テープの引出しの際に金属箔層が剥離せず、耐水性に優れ、かつ手切れ性が良好であり、配管の外周を覆うガラスウールなどの保温材を固定する粘着テープ、ダンボール箱、缶と蓋の密閉に用いる粘着テープ、壁の断熱板との接着に用いる粘着テープあるいは台所のシステムキッチンの各ユニットとのつなぎめの隙間を塞ぐに用いる金属光沢粘着テープ等として広く用いることができる。
【0057】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により説明する。
【0058】
(評価方法)
1.積層体の接着樹脂層とアルミニウム箔の接着強度
積層体を幅15mm、長さ150mmの試験片に裁断し、接着樹脂層とアルミニウム箔間を長さ方向に50mmを手で剥離した後、島津製作所引張試験機で90度方向に300mm/分の速度で剥離した際の引張強度の値を示した。
【0059】
2.耐水性
積層体を幅30mm、長さ100mmの試験片に裁断し、90日間水中に漬けて、その間、アルミ箔が完全に剥離する日数を測定した。
【0060】
3.引裂強度
JIS A−1法(シングルタング法)、引裂速度:600mm/min、チャック間:200mm
【0061】
4.ロール巻き粘着テープの引出しテスト
粘着テープのロール巻きを40℃室内に保管して1日、15日、30日後に手で粘着テープを引き剥がし、引出した際のアルミ箔の破壊状態を目視によって観察した。
【0062】
(使用材料)
1.基材
125デシテックスの高密度ポリエチレンのフラットヤーンを径糸として1インチ当たり46本、350デシテックスの高密度ポリエチレンのフラットヤーンを緯糸として1インチ当たり16本の割合で平織したフラットヤーン織布。
【0063】
2.直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体
(a)エチレン・1−ヘキセン共重合体(LLDPE−1)
日本ポリケム(株)社製カーネルKJ640(商品名)、メタロセン系触媒を用いて重合された重合体、MFR:30g/10分、密度:0.880g/cm3、DSC測定における△Hmに対する△Hm100の割合:96%
(b)エチレン・1−ヘキセン共重合体樹脂(LLDPE−2)
日本ポリケム(株)社製カーネルKS560(商品名)、メタロセン系触媒を用いて重合された重合体、MFR:16.5g/10分、密度:0.898g/cm3、DSC測定における△Hmに対する△Hm100の割合:94%
(c)エチレン・1−ヘキセン共重合体樹脂(LLDPE−3)
日本ポリケム(株)社製カーネルKC581(商品名)、メタロセン系触媒を用いて重合された重合体、MFR:11g/10分、密度:0.920g/cm3、DSC測定における△Hmに対する△Hm100の割合:51%
【0064】
3.低密度ポリエチレン(LDPE)
日本ポリケム(株)社製ノバテックLC600A(商品名)、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン、MFR:7g/10分、密度:0.919g/cm3
【0065】
(実施例1)
(1)上記の基材の片面にアルミニウム箔(肉厚7μm)を対向させ、この両者間に、LLDPE−1 80重量%とLDPE20重量%との樹脂組成物を加工温度280℃で、Tダイスより肉厚15μmのフィルム状に溶融押出しし、アルミニウム箔と樹脂組成物の接合面をオゾン処理した後、三者をサンドイッチ状に圧着ラミネートした。
【0066】
(2)次いで、基材の他方の面にLDPEを加工温度320℃で、Tダイスより肉厚20μmのフィルム状に溶融押出しして圧着ラミネートし、アルミニウム箔/LLDPE−1組成物/基材/LDPEの積層体を得た。
【0067】
(3)さらに、アルミニウム箔側にポリウレタン系のアンカーコート剤を塗布し、乾燥後、LDPEを加工温度280℃でTダイスより肉厚25μmのフィルム状に溶融押出し、LDPEとアルミニウム箔との接合面をオゾン処理した後圧着ラミネートして、LDPE(25μm)/AC剤/アルミニウム箔(7μm)/LLDPE−1組成物(15μm)/基材/LDPE(20μm)の積層体を得た。
【0068】
(4)この積層体のLDPE20μm側にコロナ放電処理を施し、この表面にアクリル系粘着剤を固形分量30g/m2となるように塗布し、乾燥して粘着テープを製造した後、アクリル系粘着剤を内側にしてロール巻きして粘着テープを得た。
【0069】
(5)上記(3)で得られた積層体について、接着強度、耐水性、引裂強度を測定した。また、(4)で得られた粘着テープを用いて引出しテストを行なった。結果を表1に示す。接着強度、耐水性が極めて良好で、粘着テープとしてもアルミニウム箔の破壊がなく実用性の高い粘着テープであることが確認された。
【0070】
(実施例2)
(1)上記基材の片面にアルミニウム箔(肉厚7μm)を対向させ、この両者間に、LLDPE−2 80重量%とLDPE20重量%との樹脂組成物を加工温度280℃でTダイスより、肉厚15μmのフィルム状に溶融押出しし、アルミニウム箔と樹脂組成物の接合面をオゾン処理した後、三者をサンドイッチ状に圧着ラミネートした。以下は実施例1と同様に実施した。接着強度、耐水性はやや低下したものの、粘着テープとしてはアルミニウム箔の破壊はなく実用上問題のない粘着テープであることが確認された。
【0071】
(比較例1)
(1)上記基材の片面にアルミニウム箔(肉厚7μm)を対向させ、この両者間に、LLDPEー3を加工温度280℃でTダイスより肉厚15μmのフィルム状に溶融押出しし、アルミニウム箔とLLDPEー3フィルムの接合面をオゾン処理した後、三者をサンドイッチ状に圧着ラミネートした。以下は実施例1と同様に実施した。接着強度、耐水性が低下し、粘着テープの引出しテストにおいては15日経過後にはアルミニウム箔の一部が破壊し、実用上問題があることが確認された。
【0072】
(比較例2)
(1)上記基材の片面にアルミニウム箔(肉厚7μm)を対向させ、この両者間に、LDPEを加工温度330℃でTダイスより肉厚15μmのフィルム状に溶融押出しし、三者をサンドイッチ状に圧着ラミネートした。以下は実施例1と同様にした。これらの積層体、粘着テープの評価結果を表1に示す。接着強度、耐水性が低下し、粘着テープの引出しテストにおいては15日経過後にはアルミニウム箔の一部が破壊し、実用には耐えられないものであることが確認された。
【0073】
【表1】
Figure 0003905372

Claims (6)

  1. 基材層と金属箔層と粘着剤層とを有し、基材層と金属箔層とが接着層を介して積層され、接着層がメタロセン触媒を用いてエチレンと炭素数が3〜12のα−オレフィンとを共重合して得られた密度が0.910g/cm3以下、MFRが1〜100g/10分、DSC測定による全融解熱量(△Hm)に対する100℃までの融解熱量(△Hm100)の割合が70%以上である直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体を接着成分として含有することを特徴とする粘着テープ。
  2. 基材層と接着層とが共押出しによって積層形成された積層フィルムの接着層面に、金属箔層が積層されてなる請求項1に記載の粘着テープ。
  3. 基材層と金属箔層とが、その間に押出し成形された溶融フィルム状の接着層材料によって接合積層されてなる請求項1に記載の粘着テープ。
  4. 接着層が、直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂60〜99重量%と、MFRが1〜50g/10分の高圧ラジカル法低密度ポリエチレン40〜1重量%との樹脂組成物からなる請求項1〜3のいずれかに記載の粘着テープ。
  5. 基材層が、織布又はソフからなる請求項1〜4のいずれかに記載の粘着テープ。
  6. 基材層が、ポリオレフィン製フラットヤーンの織布又はソフからなる請求項5に記載の粘着テープ。
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