JP4461508B2 - 粘着テープおよび粘着シート - Google Patents

粘着テープおよび粘着シート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅、倉庫などの建物および冷蔵庫、冷凍庫、配管などに使用する表面平坦性を有し、施工作業性の優れた防水防湿テープに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリマー改質アスファルトシートの表面にポリオレフィン系延伸フィルムを張合わせた防水シートについて、実開平2−40824号公報に開示されている。
【0003】
ポリマー改質アスファルトシートに関し、表面層、ポリマー改質アスファルト層、基材層、アスファルト系常温粘着層、合成樹脂薄層により構成されていることを特徴とするトーチ工法用改質アスファルトルーフィングについて、特開平7−3961号公報に開示されている。
【0004】
テープ切断の際にハサミ、カッターなどの治具を用いることなく指先にて容易に切断可能な粘着テープについて、特開平1−204983号公報、特開平1−215882号公報、特開平2−158679号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
住宅や倉庫などでは、窓枠と壁との取り合い部の防水や結露対策として防水・防湿シートが、またその接合部分では防水・防湿テープが使用されている。冷蔵庫、冷凍庫、保冷配管などの接合部では、防水性、防湿性を有するテープが使用されている。
【0006】
従来の防水・防湿テープでは、使用の際に、例えば、施工を必要とする個所に防水・防湿テープを張り合わせた場合、ハサミやナイフなどの治具を用いて切断する必要があった。テープの切断や裁断の作業は煩雑であり、例えば、(1)作業者が治具により切傷を受ける可能性がある、(2)接合部の形状、長さに合わせ予め正確に切断する必要がある、(3)作業環境によってはテープ切断のための空間が十分取れず作業困難な場合があるなど危険作業や作業ロスが生ずることなどが考えられる。
【0007】
テープ切断の際にハサミ、カッターなどの治具を用いることなく指先にて容易に切断可能な粘着テープとして、スフ系繊維や高分子からなる細いテープを粗く織つた織物に薄い樹脂フィルムを積層して基材シートとし、この基材シートに更に粘着層を積層した梱包用テープやシートがある。防水、防湿テープではスフ系織維を粗く織つた織物の代わりにクロスやワリフを用いたものが利用されている。しかし、繊維やクロスを用いたものでは、縦糸を切断していくがテープが直線状に切れなかったり、スフ系繊維や高分子からなる細いテープなどが完全に切れないなど切断部に糸状のものが残る場合が考えられる。また、基材層に含まれるクロス形状により、テープ表面に凹凸が生じるため外観に問題が生じる場合、切断部の糸状残滓やテープ表面の凹凸ために粘着テープを重ねて用いる場合、密着性に問題が生じたり、防水・防湿性などの気密性が損なわれる場合が考えられる。
【0008】
テープ切断の際にハサミ、カッターなどの治具を用いることなく指先にて容易に線上に切断可能で、防水性、防湿性および気密性を有し、テープ表面形状や使用時にテープ表面に凹凸のない、簡便に製造可能な粘着テープおよび粘着シートの提供を目的とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、横軸延伸ポリオレフィン系フィルム、補強フィルムおよびアルミニウム箔とを含む積層体の一面に粘着材層を積層することを特徴とする粘着テープおよび粘着シートに関する。
【0010】
好ましくは本発明は、補強フィルムが、(1)〜(2)の特性を有する補強フィルムであることを特徴とする粘着テープ及び粘着シートに関する。
(1)補強フィルムの引張強度は、長さ方向が下限値として1.5Kg/cmから上限値として10Kg/cmの範囲。
(2)補強フィルムの引裂強度は、横方向が下限値として5gから上限値として200gの範囲。
【0011】
好ましくは本発明は、横軸延伸ポリオレフィン系フィルム、補強フィルムおよびアルミニウム箔とを含む積層体の引裂強度が、横方向が0.1〜2Kgであることを特徴とする粘着テープおよび粘着シートに関する。
【0012】
好ましくは、本発明は、補強フィルムが、人造繊維を含むフィルムであることを特徴とする粘着テープおよび粘着シートに関する。
【0013】
好ましくは本発明は、粘着材層が、ポリマー改質アスファルトまたは、ブチルゴムを含む粘着材であることを特徴とする粘着テープおよび粘着シートに関する。
【0014】
好ましくは本発明は、粘着材層の厚みが、0.05〜2mmの範囲であることを特徴とする粘着テープおよび粘着シートに関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の粘着テープおよび粘着シートは、横軸延伸ポリオレフィン系フィルム、補強フィルムおよびアルミニウム箔とを含む積層体の一面に粘着材層を積層することを特徴とする粘着テープおよび粘着シートである。
本発明の粘着テープおよび粘着シートは、横軸延伸ポリオレフィン系フィルム、補強フィルムおよびアルミニウム箔とを含む積層体のアルミニウム箔の面に粘着材層を積層することを特徴とする粘着テープおよび粘着シートが好ましい。
【0016】
本発明の粘着テープおよび粘着シートは、横軸延伸ポリオレフィン系フィルム、補強フィルムおよびアルミニウム箔とを横軸延伸ポリオレフィン系フィルム、補強フィルムおよびアルミニウム箔の順に積層した積層体のアルミニウム箔に粘着材層を積層することにより、防水性、防湿性、気密性がさらに優れるために好ましい。
特に、表面が横軸延伸ポリオレフィン系フィルムであり、横軸延伸ポリオレフィン系フィルム、補強フィルムおよびアルミニウム箔の順に積層した積層体のアルミニウム箔に粘着材層を積層した粘着テープおよび粘着シートは、切断性がさらに優れるために好ましい。
【0017】
横軸延伸ポリオレフィン系フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルからなるフィルムを一軸延伸したフィルムを用いることが出来る。横方向に一軸延伸したフィルムは延伸力を受けて高分子分子鎖が一方向に配向しているため、このようなフィルムを使用することにより横方向のテープの切断が容易になる。
横軸延伸ポリオレフィン系フィルムは、延伸することにより分子鎖が延伸方向に配向し、延伸方向に対する引張強度が大きくなるが、引裂易くなる。
【0018】
横軸延伸ポリオレフィン系フィルムは、以下の特性を有するものを好ましく用いることができる。
(1)横軸延伸ポリオレフィン系フィルムは、横方向に2〜20倍延伸された物が好ましい。
(2)横軸延伸ポリオレフィン系フィルムの厚さは、10〜50μmの範囲が好ましい。
(3)横軸延伸ポリオレフィン系フィルムの引張強度は、横方向が2500〜4000Kgf/cm2、長さ方向が250〜450Kgf/cm2を用いることが好ましい。
(4)横軸延伸ポリオレフィン系フィルムの伸びは、長さ方向が50%以上、横方向が10〜20%が好ましい。
【0019】
補強フィルムは、横軸延伸ポリオレフィン系フィルム、補強フィルムおよびアルミニウム箔とを含む積層体の長さ方向の引張強度を補い、横方向の引裂強度を補わないものであれば、どのようなフィルムでも用いることが出来る。特に、補強フィルムを有しない横軸延伸ポリオレフィン系フィルムおよびアルミニウム箔からなる積層体に粘着材層を積層した粘着テープおよび粘着シートを連続して製造する場合、積層体の長さ方向の引張強度などの機械強度が小さいために、テープやシートが切断しやすく安定して製造出来ない場合があった。
【0020】
補強フィルムは、(1)〜(2)の特性を有するものを好ましく用いることができる。
(1)補強フィルムの引張強度は、長さ方向が下限値として1.5Kg/cm、さらに2Kg/cm、特に2.5Kg/cmから上限値として10Kg/cm、さらに8Kg/cm、特に7Kg/cmの範囲。
(2)補強フィルムの引裂強度は、横方向が下限値として5g、さらに7g、特に10gから上限値として200g、さらに150g、特に100g、より特に30gの範囲。
上記補強フィルムの引張強度および引裂強度の範囲では、粘着テープおよび粘着シートを連続的に安定して製造出来、テープ切断の際にハサミ、カッターなどの治具を用いる必要がなく、容易に手で切断できるため好ましい。
【0021】
補強フィルムは、(3)の特性を有するものをさらに好ましく用いることができる。
(3)補強フィルムの伸びは、横方向が下限値として10%、さらに15%、特に20%から上限値として150%、さらに80%、特に60%の範囲。
上記補強フィルムの伸びの範囲では、容易に手で切断できるため好ましい。
【0022】
補強フィルムの厚みは、下限値として10μm、さらに15μm、特に20μmから上限値として70μm、さらに50μm、特に40μmの範囲が好ましい。
【0023】
補強フィルムとしては、OPP(延伸ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などのポリエステル類、人造繊維を含むフィルムなどを用いることが出来る。さらに人造繊維からなるフィルムを用いることにより、適度な強度を有し、引裂性が優れているために好ましい。特に、人造繊維からなるフィルムとしてセロハンが好ましい。
例えば、OPPフィルムでは、厚さ28μm、引張強度(長さ方向)6.1Kg/cm、引裂強度(横方向)10g、伸び(横方向)92%が市販され、PETフィルムでは、厚さ25μm、引張強度(長さ方向)4.7Kg/cm、引裂強度(横方向)80g、伸び(横方向)99%が市販されている。
【0024】
アルミニウム箔は、どのような物でも用いることができるが、アルミニウム箔のピンホールや強度、製造時のアルミニウム箔の取扱性、粘着テープおよび粘着シートでの取扱性などを考慮すると、下限値として5μm以上、さらに10μm以上、特に20μm以上から上限値として70μm、さらに50μm、特に30μmの範囲が好ましい。
【0025】
横軸延伸ポリオレフィン系フィルムと補強フィルム、アルミニウム箔と補強フィルムおよび、横軸延伸ポリオレフィン系フィルムとアルミニウム箔とを低密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどの接着剤または、接着剤層、フィルム層により貼り合わせて積層することができる。
【0026】
本発明の横軸延伸ポリオレフィン系フィルム、補強フィルムおよびアルミニウム箔とを含む積層体の引裂強度は、横方向が、下限値として0.1Kg、さらに0.2Kg、特に0.3Kgから上限値として2Kg、さらに1.5Kg、特に1Kgの範囲が好ましい。引裂強度が上記の範囲では、粘着テープおよび粘着シートを連続的に安定して製造出来、テープ切断の際にハサミ、カッターなどの治具を用いる必要がなく、容易に手で切断できるため好ましい。
【0027】
本発明の横軸延伸ポリオレフィン系フィルム、補強フィルムおよびアルミニウム箔とを含む積層体の長さ方向の引張強度は、長さ方向が4Kgf/cm以上が好ましい。
【0028】
本発明の横軸延伸ポリオレフィン系フィルム、補強フィルムおよびアルミニウム箔とを含む積層体の接着強度は、0.5Kg/25mm以上、さらに1Kg/25mm以上、特に2Kg/25mm以上が好ましい。
【0029】
本発明の横軸延伸ポリオレフィン系フィルム、補強フィルムおよびアルミニウム箔とを含む積層体は、繊維やフィルム状の織物からなる層を含まないため、テープ切断部に繊維やフィルム状の織物から発生する残さがなく、テープ切断面は線状であり、テープ表面は凹凸がなく平滑である。
【0030】
粘着材層は、被着体に密着するものであれば、どのような粘着材でも用いることが出来る。
粘着材としては、例えば、ポリマー改質アスファルトまたは、ブチルゴム、ポリ酢酸ビニル系、アクリル系、シリコン系、NR,CR,SBRなどのゴム系を含む粘着材を用いることが出来る。
【0031】
本発明の粘着テープおよび粘着シートは、横軸延伸ポリオレフィン系フィルム、補強フィルムおよびアルミニウム箔とを含む積層体に粘着材を塗布、または転着などの方法で粘着材層を積層することにより製造することが出来る。
【0032】
特に、粘着材層は、ポリマー改質アスファルトまたは、ブチルゴムを含む粘着材、さらにポリマー改質アスファルトまたは、ブチルゴムからなる粘着材が、ポリオレフィン系フィルムとの密着性が優れ、防水性、防湿性および気密性が優れ、生産コストを安く出来るために好ましい。
【0033】
ポリマー改質アスファルトとしては、アスファルト100重量部に対し、ポリマー10〜40重量部、及び無機充填剤0〜20重量部を120〜200℃で1〜5時間加熱混合して調製したものが、下地との接着力、防水・防湿性、伸縮性などに優れたいるので好ましい。
【0034】
上記ポリマー改質アスファルトのアスファルトとしては、天然アスファルトやアスファルタイトなど天然に産するもの、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト、カットバックアスファルト等の石油アスファルト、又はこれらのアスファルトの混合物等が好ましい。
【0035】
上記ポリマー改質アスファルトのポリマーとしては、天然ゴム、合成ゴム、天然ゴムと合成ゴムとの混合物、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル等を使用することができる。特にSBSなどのゴム系が好適である。
【0036】
上記ポリマー改質アスファルトの無機充填剤としては、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、クレー、カーボンブラック等の粒子状無機充填剤、石綿やガラス繊維などの繊維状無機充填剤を用いることができる。上記ポリマー改質アスファルトには、以上述べた添加剤の他に、プロセスオイル、ワセリン、セレシン、石油樹脂など、一般にゴム配合で用いられる有機配合剤を添加してもよい。
【0037】
粘着材層の厚みは、下限値として0.05mm、さらに0.15mm、特に0.3mmから上限値として2mm、さらに1.5mm、特に1mmの範囲であることが、粘着テープおよび粘着シートの取扱性が優れているため好ましい。特に、粘着材層の厚みが上記の範囲より小さい場合粘着材層の厚みが確保できず密着性が劣る場合が考えられ、上記範囲より大きい場合自重による取扱性が問題になる場合が考えられる。
【0038】
本発明の粘着テープおよび粘着シートは、粘着材層に剥離層を貼り合わせることが出来る。剥離層は粘着材層が剥離しやすいものであれば、どのようなものでももちいることができる。剥離層としては、表面張力の小さな表面を有する、例えば、シリコン剥離剤で処理したフィルムやクラフト紙などを用いることが好ましい。
【0039】
以下に、本発明の実施の形態を図面につき詳しく説明する。本発明は、これらの実施の形態のみに限定されるものではない。
【0040】
本発明の粘着テープおよび粘着シートの具体的構造の一例を、図面を用いて説明する。
第1図は本発明の一実施例を示す粘着テープ10の一部切欠裁分解斜視図であり、図2は同じ粘着テープ10の一部の断面図である。粘着テープ10は積層体7の一面、アルミニウム箔の側に粘着材層6が積層されている。積層体7は横軸延伸ポリオレフィン系フィルム1、接着層2、補強フィルム3、接着層4、アルミニウム箔5の順で貼り合わせ積層されている。横軸延伸ポリオレフィン系フィルム1の横軸延伸方向(横方向)をyで表し、縦軸方向(長さ方向)をxと表す。
【0041】
第3図は本発明の別の一実施例を示す粘着テープ20の一部の断面図である。粘着テープ20は積層体17の一面、アルミニウム箔の側に粘着材層16が積層されている。積層体17は横軸延伸ポリオレフィン系フィルム11、接着層12、補強フィルム13、接着層14、アルミニウム箔15の順で貼り合わせ積層されている。剥離層18は粘着テープ20の粘着材層16に貼り合わせている。
【0042】
図4は積層体のトラペノイド法による引裂試験片30の斜視図である。積層体の長さ方向(ポリオレフィン系フィルムの縦軸方向)をxで表し、テープの横方向(ポリオレフィン系フィルムの横軸延伸方向)をyと表す。試験片30は、テープの横方向(ポリオレフィン系フィルムの横軸延伸方向)yに対してほぼ対象形である。積層体の引裂試験片30は積層体のテープ長さ方向(ポリオレフィン系フィルムの縦軸方向)100mm、テープの横方向(ポリオレフィン系フィルムの横軸延伸方向)50mmの大きさとする。つかみ線31と左端部25との交点は交点41、つかみ線32と左端部25との交点は交点42、つかみ線31と右端部26との交点は交点43、つかみ線32と右端部26との交点は交点44とする。交点41と交点42とは長さ20mm、交点43と交点44とは長さ50mmである。交点41と交点42とのほぼ中間に、左端部25の横方向(90°の角度)に切り込み部分23を設ける。切り込み部分23の長さは6mmとする。
【0043】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0044】
(1)表面平滑性:テープ表面(粘着材層の反対側)の平滑性を目視で観察した。
平滑:テープ表面に凹凸が認められないか又は、認めにくい。
凹凸:テープ表面に凹凸が認められる。
【0045】
(2)カット性:粘着テープを手で引裂き、テープの引裂性を観察した。
良好:手で容易に線状に引き裂くことが出来る。
不良:手で容易に引き裂くことが出来ない又は、手で容易に引き裂くことが出来るが、線状に切断しないか又は切断部に糸やテープが残る。
【0046】
(3)引裂強度(g):ASTM D1117−80 Section14記載の方法を参考にして行った。図4に示した長さ方向100mm×横方向(延伸方向)50mmの積層体の試験片30を作成した。試験片はつかみ線に沿ってチャックでつかみ、引張速度200mm/minでテープの長さ方向に引裂試験を行った。引裂強度は、引裂に要した最大強さとした。
【0047】
(4)引張強度(Kg/cm)、伸び(%):JIS A6013(1996)に準じて行った。試験は、温度23℃、試験片の幅50mm、つかみ間隔100mm、引張速度100mm/分の条件で行った。
(5)接着強度:ASTM D903−49に準じて行った。測定は、長さ方向に、引張速度300mm/分の条件で行った。
(6)透湿度:JIS Z0208(1976)に準じて行った。
【0048】
(実施例1)
・積層体の製造
横方向に一軸延伸した厚さ18μmのポリエチレン製フィルム(東洋化学株式会社製、商品名:カラリヤンY)、厚さ20μmの低密度ポリエチレンからなる接着層、補強フィルムとして厚さ20μmのセロハン、厚さ20μmの低密度ポリエチレンからなる接着層および厚さ7μmのアルミニウム箔とを、この順で加熱ロールによりラミネートし、長さ20m、幅1000mm、厚さ約85μmの積層体を安定に長時間連続して製造することができた。
セロファンは、引張強度(長さ方向)が2.8Kg/cm、引裂強度(横方向)が10g、伸び(横方向)が29%の物を用いた。
【0049】
・粘着シートおよび粘着テープの製造
積層体のアルミニウム箔の面と剥離紙(厚み110μm)との間に粘着材層である加熱したポリマー改質アスファルトを押出、図3に示した7層構造の長さ20m、幅1000mm、厚さ約500μmの粘着シートを安定に連続して作成することができた。この粘着シートを一軸延伸方向の幅50mmに切断し、粘着テープを作成した。
用いたポリマー改質アスファルトは、アスファルト、ゴム(ポリブタジエンおよびSBS)、炭酸カルシウムを含むものである。剥離紙は表面を離型シリコン処理したものを用いた。
【0050】
・評価
得られた積層体は、引張強度(長さ方向)4.8Kg/cm、引裂強度(横方向)0.3Kg、伸び(横方向)12%であった。
得られた粘着テープは、表面平滑性,カット性,接着強度および透湿度を測定し、結果を表1に示した。
【0051】
(実施例2)
実施例1の積層体を用い、積層体のアルミニウム箔の面と剥離紙(厚み110μm)との間に粘着材層である加熱したブチルゴムを押出、図3に示した7層構造の長さ20m、幅1000mm、厚さ約500μmの粘着シートを安定に連続して作成することができた。この粘着シートを一軸延伸方向の幅50mmに切断し、粘着テープを作成した。
【0052】
得られた粘着テープは、表面平滑性,カット性,接着強度および透湿度を測定し、結果を表1に示した。
【0053】
(比較例1)
横方向に一軸延伸した厚さ18μmのポリエチレン製フィルム(東洋化学株式会社製、商品名:カラリヤンY)、厚さ20μmのポリエチレンからなる接着層および厚さ7μmのアルミニウム箔とを、この順で加熱ロールによりラミネートを試みたが、一部が切断するなどして積層体を安定に連続して作成することができなかった。
【0054】
(比較例2)
補強フィルムとして厚さ20μmのセロファンの代わりにPET製の不織布(30g品)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で積層体、粘着シートおよび粘着テープを製造した。
PET製の不織布(30g品)は、引張強度(長さ方向)2.1Kg/cm、引裂強度(横方向)680g,伸び(横方向)12%の物を用いた。
【0055】
・評価
得られた積層体は、引張強度(長さ方向)3.6Kg/cm、引裂強度(横方向)1.2Kg,伸び(横方向)12%であった。
得られた粘着テープは、表面平滑性,カット性,接着強度および透湿度を測定し、結果を表1に示した。
【0056】
【表1】
Figure 0004461508
【発明の効果】
本発明の粘着テープ及び粘着シートは、手で容易に直線上に引き裂くことができ、水蒸気の透過が極めて少なく、施工作業性の優れた、表面平滑性が優れ、安定して生産できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の粘着テープの一部切欠裁分解斜視図。
【図2】 図1の粘着テープの一部拡大断面図。
【図3】 本発明の別の粘着テープに剥離層を積層したテープの一部拡大断面図。
【図4】 引裂試験試料の斜視図。
【符号の説明】
1,11 横軸延伸ポリオレフィン系フィルム、
2,12 接着層、
3,13 補強フィルム、
4,14 接着層、
5,15 アルミニウム箔、
6,16 粘着材層、
7,17,30 積層体、
10,20 粘着テープ、
18 剥離層、
23 切り込み部分、
25 試験片左端部、
26 試験片右端部、
27,28 試験チャックつかみ部分、
30 積層体の引裂試験片、
31,32 試験チャックつかみ線

Claims (5)

  1. 横軸延伸ポリオレフィン系フィルム、補強フィルムおよびアルミニウム箔とを含み、横軸延伸ポリオレフィン系フィルム、補強フィルムおよびアルミニウム箔をこの順に積層した積層体のアルミニウム箔表面に、ポリマー改質アスファルトからなる粘着材層を積層し、
    さらにシリコン剥離剤処理されたフィルムまたはシリコン剥離剤処理されたクラフト紙からなる剥離層を積層した、防湿性、防水性および気密性を有する粘着テープ又は防湿性、防水性および気密性を有する粘着シートであって、
    繊維あるいはフィルム状の織物からなる層を含まないこと
    を特徴とする防湿性、防水性および気密性を有する粘着テープ又は防湿性、防水性および気密性を有する粘着シート。
  2. 積層体は、横軸延伸ポリオレフィン系フィルム、接着層、補強フィルム、接着層およびアルミニウム箔の順に積層してなる積層体であることを特徴とする請求項1記載の防湿性、防水性および気密性を有する粘着テープ又は防湿性、防水性および気密性を有する粘着シート。
  3. 補強フィルムが、セロハンフィルムであることを特徴とする請求項1または2記載の防湿性、防水性および気密性を有する粘着テープ又は防湿性、防水性および気密性を有する粘着シート。
  4. ポリマー改質アスファルトからなる粘着材層が、アスファルト、ゴム(ポリブタジエンおよびSBS)、炭酸カルシウムを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の防湿性、防水性および気密性を有する粘着テープ又は防湿性、防水性および気密性を有する粘着シート。
  5. 横軸延伸ポリオレフィン系フィルム、接着層、補強フィルム、接着層およびアルミニウム箔を、この順に積層して加熱ロールによりラミネートし、積層体を製造する工程と、
    前記積層体のアルミニウム箔の面と剥離紙との間に、粘着材層である加熱したポリマー改質アスファルトを押出す工程とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の防湿性、防水性および気密性を有する粘着テープ又は防湿性、防水性および気密性を有する粘着シートの製造方法。
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