JP2010070983A - 防水シート材 - Google Patents

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敏夫 上利
Toshio Oka
寿夫 岡
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Abstract

【課題】防水性に優れるのみならず、簡便に施工を行うことのできる防水シート材を得る。
【解決手段】(a)防水性を有し、自己粘着性を有さないコンパウンドAからなるコンパウンドA層と、(b)補強材を含む基材層と、(c)自己粘着性を有するコンパウンドBからなるコンパウンドB層と、(d)剥離層とが(a)、(b)、(c)及び(d)の順に積層されている防水シート材である。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築物に防水性を付与するための防水シート材に関する。
建築物に防水性を付与するための防水シート材は、防水性に優れるのみならず、施工の簡便さも必要である。
防水施工方法として、例えば、特許文献1には、基体に塩化ビニル樹脂系の厚手のシート又は布張りシートを防水性接着剤で、その接合辺縁が適宜長さ重ね合わさるように貼着し、重ね合わせ部分の奥部を合成ゴム系接着剤又はシーラントテープ若しくは両面粘着テープ等で軟接着するとともに重ね合わせ部分の手前部を熱風銃等で加熱密着せしめて重ね合わせ部分を剛軟両接着部を形成し、上部の端末を熔接目地棒で下地シートと加熱熔接することを特徴とする防水施工方法が記載されている。
また、防水シート材として、特許文献2には、釘着する屋根下地材において上層に防水フェルト層を配設し該防水性フェルトの裏面に粘着層を設け、さらに該粘着層の下面に下層として剥離シートを貼着せしめて成る屋根下地材が記載されている。
また、防水シートを容易、迅速及び安価に施工するための方法として、特許文献3には、厚手のアスファルト系塗覆層の裏面全面に又はその1側のサイドラップ部の外側サイドラップ部を除いた裏面全面に粘着剤の全面又は部分塗層を設け、その粘着剤塗層の表面に剥離紙を仮着して成る防水シートを所望枚数用意し、これら防水シートを防水すべき下地に敷設した断熱板の敷設面に順次貼着するに当たり、その相隣る防水シートにおいて、その一方の防水シートを、その裏面の粘着剤塗層を介して該断熱板の敷設面に貼着するとともにその1側のサイドラップ部の内側サイドラップ部の裏面をその他方の防水シートの他側のサイドラップ部の外側サイドラップ部の上面に重合貼着してこれら上下サイドシール部間に貼着シール部を形成した後、トーチバーナーの炎により、その一方の防水シートの該上部サイドシール部の外側サイドラップ部の裏面をあぶり溶融し、その溶融裏面を他方の防水シートの該下部サイドラップ部の内側サイドラップ部のあぶり溶融した上面に圧着して互いに融合結着した溶融シール部を形成することを特徴とする断熱防水施工法が記載されている。
特開昭49−46978号公報 特開昭55−110628号公報 特開平05−33437号公報
本発明は、防水性に優れるのみならず、簡便に施工を行うことのできる防水シート材を得ることを目的とする。
本発明は、(a)防水性を有し、自己粘着性を有さないコンパウンドAからなるコンパウンドA層と、(b)補強材を含む基材層と、(c)自己粘着性を有するコンパウンドBからなるコンパウンドB層と、(d)剥離層とが(a)、(b)、(c)及び(d)の順に積層されている防水シート材である。
本発明の防水シート材の好ましい態様を以下に示す。本発明では、これらの態様を適宜組み合わせることができる。
(1)コンパウンドAが、改質材としてスチレン−ブタジエン共重合体を含む改質アスファルトコンパウンドである。
(2)スチレン−ブタジエン共重合体が、分岐立体構造を有するスチレン−ブタジエン共重合体と、直鎖構造を有するスチレン−ブタジエン共重合体とを含むスチレン−ブタジエン共重合体である。
(3)分岐立体構造を有するスチレン−ブタジエン共重合体と、直鎖構造を有するスチレン−ブタジエン共重合体との質量比が、1:3〜3:1の範囲である。
(4)コンパウンドBが、改質材としてゴム物質、熱可塑性樹脂及び無機充填材を含む改質アスファルトコンパウンドである。
(5)基材層が、補強材にコンパウンドA又はアスファルトを含浸させた基材シートである。
(6)基材層とは反対側のコンパウンドA層の表面に、無機質粒子又は無機質粒子を含有する合成樹脂を含む表面層をさらに含む。
(7)基材層とは反対側のコンパウンドA層の表面に、剥離部材によって覆われる接着部をさらに含む。
(8)防水シート材が、建築物の防水用である。
また、本発明は、上記の防水シート材を有する防水構造体である。
本発明により、防水性に優れるのみならず、簡便に施工を行うことのできる防水シート材を得ることができる。
本発明の防水シート材は、下記の(a)、(b)、(c)及び(d)が、その順に積層されている防水シート材である。
(a)防水性を有し、自己粘着性を有さないコンパウンドAからなるコンパウンドA層
(b)補強材を含む基材層
(c)自己粘着性を有するコンパウンドBからなるコンパウンドB層
(d)剥離層
図1に示すように、本発明の防水シート材10は、所定の(b)基材層3の二つの面に、防水性を有し、自己粘着性を有さない所定の(a)コンパウンドA層2と、自己粘着性を有する所定の(c)コンパウンドB層4とをそれぞれ有し、かつ、コンパウンドB層4が、(d)剥離層5を有することにより、防水性及び施工性の両方に優れる。
また、本発明の防水シート材10は、耐候性、鳥害、耐摩耗性等の表面の対候性を高めるとともに、優れた美観を呈することができるため、(a)コンパウンドA層2の表面に、さらに無機質粒子などからなる所定の表面層1を有することができる。また、図2に示すように、さらに、(a)コンパウンドA層2の表面に、剥離部材によって覆われる接着部6をさらに有することができ、この結果、複数の防水シート材10を接続して施工することが容易になる。なお、鳥害とは、鳥がくちばしで防水シートをつつき、穴開けや破れを起こす現象を指す。以下、本発明を詳しく説明する。
<(a)コンパウンドA層>
防水性を有し、自己粘着性を有さないコンパウンドA層2の材料であるコンパウンドAは、改質材としてポリマー成分であるスチレン−ブタジエン共重合体を含む改質アスファルトコンパウンドであることが、防水性を確実にする点から好ましい。以下、自己粘着性を有さず、加熱融着性に優れるコンパウンドAとして好ましい改質アスファルトコンパウンドについて説明する。
コンパウンドAとして好ましい改質アスファルトコンパウンドは、アスファルト及びポリマーを含むもの、アスファルト、ポリマー及び無機充填材の3成分を含むものなどを用いることができる。これらの成分を、120〜200℃で3〜30時間加熱混合して調製することにより、均質性の高い改質アスファルトを得ることができる。この改質アスファルトをコンパウンドAとして用いることが、防水・防湿性、伸縮性などに優れた防水シート材10を得るために好ましい。
コンパウンドAとして好ましい改質アスファルトコンパウンドに含まれる成分の質量割合は、好ましくはアスファルト100質量部に対し、ポリマー3〜40質量部及び無機充填材1〜100質量部を含むもの、より好ましくはアスファルト100質量部に対し、ポリマー5〜30質量部及び無機充填材3〜50質量部を含むもの、さらに好ましくはアスファルト100質量部に対し、ポリマー7〜20質量部及び無機充填材5〜20質量部を含むものを用いることができる。
コンパウンドAとして好ましい改質アスファルトコンパウンドには、アスファルト、ポリマー及び無機充填材以外の成分として、プロセスオイル、ワセリン、セレシン、石油樹脂など、一般に合成樹脂やゴムの配合で用いられる撥水剤、顔料、増粘剤、耐光剤、耐候剤などの無機や有機の配合剤を添加することができる。
コンパウンドAとして好ましい改質アスファルトコンパウンドに含まれるアスファルトとしては、天然アスファルト若しくはアスファルタイト等の天然に産するアスファルト、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト若しくはカットバックアスファルト等の石油アスファルト、又はこれらのアスファルトの混合物等であることが好ましい。特に、防水性及び耐久性を確実にする点から、コンパウンドAとして好ましい改質アスファルトコンパウンドに含まれるアスファルトとして、ストレートアスファルトを用いることが好ましい。
ストレートアスファルト(ストアス)は、石油精製により製造され、JIS K 2207−1996に規定する品質規格により、25℃における針入度(以下、「ストアス針入度」という)によって0〜300の範囲を10段階に分類されている。本発明の防水シート材10に用いられるコンパウンドAに含まれることのできるストレートアスファルトとしては、ストアス針入度60〜200dmmのもの、より好ましくは150〜200dmmのものを用いることが好ましい。
コンパウンドAとして好ましい改質アスファルトコンパウンドに含まれるポリマーとしては、天然ゴム、合成ゴム、天然ゴムと合成ゴムとの混合物、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンとアクリル酸誘導体との共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、スチレン−ブタジエン共重合体(例えば、スチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー(SBS)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)等)、ブタジエンゴム(BR)等を使用することができる。
防水性及び耐久性の点から、コンパウンドAとして好ましい改質アスファルトコンパウンドに含まれるポリマーとしては、スチレン−ブタジエン共重合体を用いることが好ましく、具体的には、SBS及びSBRなどのゴム系のものを用いることがより好ましい。防水性及び耐久性を確実にする点から、スチレン−ブタジエン共重合体として、SBSを用いることが好ましく、分岐立体構造を有するSBS(ラジアルタイプのSBS)と、直鎖構造を有するSBS(リニアタイプのSBS)とを、好ましくは分岐立体構造を有するSBS:直鎖構造を有するSBS=1:3〜3:1、より好ましくは1:3〜1:1の質量割合となるように用いることができる。
コンパウンドAとして好ましい改質アスファルトコンパウンドに含まれる無機充填材としては、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、クレー、カーボンブラック、タルク、マイカ、硫酸バリウム、珪藻土及びシリカ等の粒子状無機充填材、石綿及びガラス繊維などの繊維状無機充填材を用いることができる。特に、安定した充填性を有し、低コストである点から、炭酸カルシウムを好適に用いることができる。また、無機充填材の粒径は、100〜400メッシュ程度のものを好適に用いることができる。
コンパウンドAとして好ましい改質アスファルトコンパウンドは、針入度が、好ましくは10dmm〜100dmmの範囲、より好ましくは15dmm〜90dmmの範囲、さらに好ましくは18dmm〜80dmmの範囲、特に好ましくは20dmm〜60dmmの範囲が柔軟性に優れるために好ましい。なお、針入度は、JIS K 2207−1996に規定された方法により測定することができる。
コンパウンドAとして好ましい改質アスファルトコンパウンドの軟化点は、好ましくは50〜170℃の範囲、より好ましくは80〜160℃の範囲、さらに好ましくは100〜150℃の範囲、特に好ましくは120〜140℃の範囲であることが、良好な柔軟性を有し、自己粘着性を有さないために好ましい。
コンパウンドAとして好ましい改質アスファルトコンパウンドの190℃の粘度は、好ましくは1000〜12000mPa・secの範囲、より好ましくは1500〜10000mPa・secの範囲、さらに好ましくは2000〜8000mPa・secの範囲、特に好ましくは2500〜7000mPa・secの範囲であることが、(b)基材層3との接着性に優れることから好ましい。
<(b)基材層>
本発明の防水シート材10の(b)基材層3は、補強材を含むことにより、本発明の防水シート材10の機械的強度を高めることができる。以下、本発明の防水シート材10に用いることが好ましい基材層3について説明する。
本発明の防水シート材10に用いることが好ましい基材層3の補強材は、織布、編み布及び不織布からなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。織布、編み布及び不織布の材料は、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリイミド、ポリスルホン及びポリエーテル、ビニロンなどの樹脂及びその組合せ構造品並びにガラスなどの無機物を用いることができる。合成繊維不織布とガラス繊維を積層したものも好適に使用できる。好ましい補強材の材料は、吸水性及び機械的強度などの点から、低吸水性のナイロン11やナイロン12、ポリエステルやガラスなどの合成樹脂や無機物からなる繊維である。また、機械的強度、強度バランスの点から、補強材は、不織布であることが好ましい。吸水性及び機械的強度などを総合的に判断すると、補強材は、ポリエステル不織布であることがより好ましい。
また、機械的強度をさらに高める点から、補強材は、ガラス繊維を含むポリエステル不織布であることが好ましい。
基材層3に用いる織布、編み布及び不織布の目付は、特に限定されるものではないが、織布、編み布及び不織布の目付は、好ましくは30〜300g/mの範囲、より好ましくは100〜200g/mの範囲のものが可撓性を有し、施工作業性に優れるため好ましい。
本発明の防水シート材10に用いることが好ましい基材層3は、防水性を確実にする点から、上記補強材にコンパウンドA又はアスファルトを含浸させた基材シートであることが好ましい。また、基材層3は、吸水性及び機械的強度などを総合的に判断して、ポリエステル不織布又はガラス繊維を含むポリエステル不織布に、上述のコンパウンドA又はアスファルトを含浸させた基材層3であることがより好ましい。また、アスファルトを含浸させた基材シートを用いる場合には、アスファルトとしてブローンアスファルトを用いることが、機械的強度が向上することから好ましい。
<(c)コンパウンドB層>
(c)コンパウンドB層4の材料であるコンパウンドBは、自己粘着性を有し、かつ防水性を確実にする点から選択することが必要である。以下、コンパウンドBとして用いることが好ましい改質アスファルトコンパウンドについて説明する。
コンパウンドBは、アスファルト100質量部に、ゴム物質10〜50質量部、熱可塑性樹脂0〜15質量部及び無機充填材10〜100質量部を添加混合した混合物に、さらにイオウ0.05〜0.5質量部を添加混合して、120〜200℃で1〜30時間加熱することにより製造することができる。このようにして製造したコンパウンドBは、接着性、防水・防湿性及び伸縮性に優れることから、本発明の防水シート材のコンパウンドB層として用いることが好ましい。なお、ゴム物質、熱可塑性樹脂及び無機充填材は、改質アスファルトの改質材である。
コンパウンドBとして好ましい改質アスファルトコンパウンドに含まれる、アスファルト、ゴム物質及び無機充填材以外の成分として、オイル、ポリエチレン及び/又は硫黄を所定量含むことができる。
コンパウンドBとして好ましい改質アスファルトコンパウンドには、さらに、プロセスオイル、ワセリン、セレシン及び石油樹脂など、一般に合成樹脂やゴムの配合で用いられる撥水剤、顔料、増粘剤、粘着付与剤、耐光剤及び耐候剤などの無機や有機の配合剤を、適宜選択して添加することができる。
コンパウンドBとして好ましい改質アスファルトコンパウンドに含まれるアスファルトとしては、天然アスファルト若しくはアスファルタイト等の天然に産するアスファルト、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト若しくはカットバックアスファルト等の石油アスファルト、又はこれらのアスファルトの混合物等であることが好ましい。特に、防水性及び耐久性を確実にする点から、コンパウンドBとして好ましい改質アスファルトコンパウンドに含まれるアスファルトとして、ストレートアスファルト及び/又はブローンアスファルトを用いることが好ましい。
ストレートアスファルトは、十分な防水性能と適正な製造加工性とを保持させる点から、ストアス針入度80〜100のものを用いることが好ましい。
ブローンアスファルトは、ストレートアスファルトを加熱し、十分に空気を吹き込んで酸化重合したものである。ブローンアスファルトは、JIS K 2207−1996に規定する品質規格により、25℃における針入度(以下、「ブローンアスファルト針入度」という)によって0〜40の範囲を5段階に分類されている。本発明の防水シート材10に用いられるコンパウンドBに含まれることのできるブローンアスファルトとしては、針入度10〜20のものを用いることが好ましい。
ストレートアスファルトと、ブローンアスファルトとを、適時組み合わせて使用することができ、良好な防水性能と適正な製造加工性とを保持する点から、ストレートアスファルトと、ブローンアスファルトとの質量割合を、ストレートアスファルト:ブローンアスファルト=1:1〜4:1となるようにすることが好ましい。
コンパウンドBは、適正な自己粘着性を安定して付与するために、さらに、改質材としてスチレン−ブタジエン共重合体(例えば、スチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー(SBS)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)等)、ブタジエンゴム(BR)等の合成ゴム、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂等を含むことができ、2種以上の改質材を併用して用いることができる。2種以上の改質材を用いる場合、それぞれの改質材は、コンパウンドB中に、アスファルト100質量部に対し、好ましくは2〜40質量部、より好ましくは3〜30質量部、さらに好ましくは5〜20質量部含むことができる。
コンパウンドBとして好ましい改質アスファルトコンパウンドに含まれる合成ゴムとして、具体的には、スチレン−ブタジエン共重合体(例えば、スチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー(SBS)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)等)、ブタジエンゴム(BR)等を使用することができる。特に、SBS及びBRを用いることが好ましい。
コンパウンドBとして好ましい改質アスファルトコンパウンドに含まれるポリオレフィン系樹脂として、具体的には、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)等を好ましく使用することができる。特に、低密度ポリエチレン(LDPE)を用いることが好ましい。
コンパウンドBとして好ましい改質アスファルトコンパウンドに含まれる無機充填材としては、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、クレー、カーボンブラック、タルク、マイカ、硫酸バリウム、珪藻土及びシリカ等の粒子状無機充填材、石綿及びガラス繊維などの繊維状無機充填材から適宜選択した1つ以上のものを用いることができる。特に、安定した充填性を有し、低コストである点から、炭酸カルシウムを好適に用いることができる。また、無機充填材の粒径は、100〜400メッシュ程度のものを好適に用いることができる。
コンパウンドBは、さらにプロセスオイル等のオイルを含むことができる。オイルの添加量は、アスファルト100質量部に対し、10〜150質量部、好ましくは15〜100質量部含むことができる。また、コンパウンドBは、同一の成分比率であっても、温度により粘着性が異なることから、粘着性の調整のために、夏場にはオイルの質量割合を少なめに、冬場にはゴム物質、オイルの質量割合を多めにすることが好ましい。
コンパウンドBは、さらに、硫黄などの成分を含むことができる。これらの成分の添加量は、アスファルト100質量部に対し、イオウ0.05〜0.5質量部含むことができる。
コンパウンドBとして好ましい改質アスファルトコンパウンドは、針入度が、好ましくは50dmm〜300dmmの範囲、より好ましくは70dmm〜280dmmの範囲、さらに好ましくは85dmm〜260dmmの範囲、特に好ましくは100dmm〜240dmmの範囲であることが柔軟性と自己粘着性とに優れるために好ましい。なお、針入度は、JIS K 2207−1996に規定された方法により測定することができる。
コンパウンドBとして好ましい改質アスファルトコンパウンドの軟化点は、好ましくは50〜120℃の範囲、より好ましくは60〜115℃の範囲、さらに好ましくは65〜110℃の範囲、特に好ましくは70〜105℃の範囲であることが、良好な柔軟性を有するために好ましい。
コンパウンドBとして好ましい改質アスファルトコンパウンドの160℃の粘度は、好ましくは30000〜120000mPa・secの範囲、より好ましくは32000〜115000mPa・secの範囲、さらに好ましくは34000〜110000mPa・secの範囲、特に好ましくは35000〜100000mPa・secの範囲であることが、(b)基材層3との接着性に優れることから好ましい。
<(d)剥離層>
本発明の防水シート材10は、(d)剥離層5を有することにより、施工の際の作業性を向上することができる。以下、本発明の防水シート材10の剥離層5について説明する。
剥離層5の材料(剥離性シート)としては、改質アスファルトからの剥離が容易であるものであれば、どのようなものであっても用いることができ、剥離紙又は剥離フィルムなどを使用することができる。
具体的には、剥離性シートとしては、合成樹脂フィルムなどの剥離フィルムを用いることができ、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)などのポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートなどの芳香族系ポリエステルなどのポリエステルフィルム、ナイロン6などのポリアミドフィルムなどの合成樹脂フィルムから選択したものを用いることができる。合成樹脂フィルムは、一軸延伸、二軸延伸などの延伸フィルム、又は無延伸フィルムが好ましい。合成樹脂フィルムは、フィルムを2層以上に積層した積層フィルムを用いることができる。剥離層5として用いる合成樹脂フィルムとしては、特に低密度ポリエチレンが柔軟性に優れているため好ましい。
剥離性シートとして合成樹脂フィルムを用いる場合、その厚みは、製造時に支障がなく、施工時あるいは使用時に損傷を受けにくい適度な厚さであればよく、好ましくは3〜100μmの範囲、より好ましくは20〜80μmの範囲、さらに好ましくは30〜70μmの範囲が好ましい。剥離層5の合成樹脂フィルムは、コンパウンドB層4のアスファルトをほとんど、又は全く透過させない合成樹脂フィルムであることが、施工者の衣服及び靴などを汚さないために好ましい。
剥離性シートとして剥離紙を用いる場合、その厚みは、製造時に支障がなく、施工時あるいは使用時に損傷を受けにくい適度な厚さであればよく、好ましくは50〜1000μmの範囲、より好ましくは70〜500μmの範囲、さらに好ましくは100〜300μmの範囲であることが好ましい。剥離層5の剥離紙としては、コンパウンドB層4のアスファルトをほとんど、又は全く透過させない剥離紙が、施工者の衣服や靴などを汚さないために好ましい。
剥離性シートとして剥離紙を用いる場合、剥離性を付与するためにシリコン処理を行った剥離紙を用いることが好ましい。さらに、より良好な剥離性を付与するためにポリエチレン等の樹脂によってラミネート加工された剥離紙を用い、この剥離紙にシリコン処理を行ったものを用いることがさらに好ましい。
なお、剥離層5は、防水シート材10の保管や運搬の際に、予期せぬ場所への接着を防止するためのものであり、防水シート材10を用いるときには取り外される。
<表面層>
本発明の防水シート材10は、基材層3とは反対のコンパウンドA層2の表面には、無機質粒子又は無機質粒子を含有する合成樹脂を含む表面層1をさらに含むことができる。本発明の防水シート材10は、表面層1を有することにより、耐候性、鳥害、耐摩耗性等の表面の耐候性を高めるとともに、優れた美観を呈することができる。
表面層1は、無機質粒子又は無機質粒子を含有する合成樹脂を含む層である。表面層1は、無機質粒子又は無機質粒子を含有する合成樹脂からなる層であることが好ましい。表面層1に用いられる無機質粒子としては、天然スレート砂、マイカ及びタルクなどの鉱物質の扁平状無機質粒子を用いることができる。無機質粒子は、一種類又は複数種を組み合わせて用いることができる。本発明では、表面層1に扁平状の無機質粒子を用いることによって、耐候性塗料の塗着に頼ることなく、長期供用においても防水シート材10全面が剥離することなく、変色や退色も小さく、防水シート材10の施工直後の状態を維持することができる。
さらに、本発明の防水シート材10は、扁平状の無機質粒子と改質アスファルトコンパウンドとが積層された構造を有していることから、不織布に着色したタイプの防水シート材10に見られるようなポイ捨てされたタバコによる穴あき等の重大な損傷を防止することができる。
無機質粒子の粒子径は、使用上問題ないものであればどのようなものでもよく、好ましくは0.1〜10mm、より好ましくは0.3〜6mm、さらに好ましくは0.5〜3mm、特に好ましくは1〜2mmの範囲であることが好ましい。なお、「粒子径」とは、無機質粒子が扁平状等の場合には、無機質粒子の任意の二点を結ぶ直線のうち、最も長いものの長さのことをいうものとする。
無機質粒子が扁平状等の場合に、無機質粒子の任意の二点を結ぶ直線のうち最も長いものの長さをX、この直線に直交する無機質粒子の任意の二点を結ぶ直線のうち最も長いものの長さをY、扁平状の無機質粒子の最も厚い部分の厚さをZとすると、Y/Xの値が好ましくは0.2〜1の範囲であり、より好ましくは0.3〜0.9の範囲であり、さらに好ましくは0.5〜0.8の範囲のものを好適に使用できる。また、Z/Xの値は好ましくは0.002〜0.4の範囲であり、より好ましくは0.01〜0.2の範囲であり、さらに好ましくは0.02〜0.1の範囲のものを好適に使用できる。
表面層1において、防水シート材10表面1m当たりの無機質粒子量は、好ましくは100〜2000g/m、より好ましくは200〜1800g/m、さらに好ましくは400〜1500g/mの範囲が好ましい。
無機質粒子は、必要に応じて撥水剤、塗料、顔料、増粘剤、耐光剤及び耐候剤などを、添加、吹きつけ、塗布又は含浸したものを用いることができる。
表面層1において、無機質粒子を含有する合成樹脂は、無機質粒子及び合成樹脂塗料を含むものを用いることができる。無機質粒子を含有する合成樹脂は、合成樹脂塗料100質量部に対し、好ましくは無機質粒子3〜250質量部、より好ましくは5〜200質量部、さらに好ましくは10〜180質量部を配合したものを用いることが好ましい。無機質粒子を含有する合成樹脂は、必要に応じて撥水剤、顔料、増粘剤、耐光剤及び耐候剤などを添加することが好ましい。
表面層1において、合成樹脂に含まれる無機質粒子の量は、防水シート材10表面1m当たりの無機質粒子量が、好ましくは100〜2000g/m、より好ましくは200〜1800g/m、さらに好ましくは400〜1500g/mの範囲となることが好ましい。
表面層1の合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸誘導体などのポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体などの主鎖に2重結合を2以上有するオレフィン重合体、ビニル重合体及び主鎖に2重結合を2以上有するオレフィンと主鎖に2重結合を1つ有するオレフィンとの共重合体などを用いることができる。合成樹脂としては耐候性の優れたものを使用することが好ましい。合成樹脂としては耐光性の優れたものを使用することが好ましい。合成樹脂としては柔軟性の優れたものを使用することが好ましい。
表面層1において、合成樹脂塗料としては、ポリウレタン、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリブタジエン及びスチレン−ブタジエン共重合体などから1つ以上を選択して用いることができる。合成樹脂塗料としては耐候性の優れたものを使用することが好ましい。合成樹脂塗料としては柔軟性の優れたものを使用することが好ましい。特に、合成樹脂塗料としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル及びメタクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選択されるモノマーの少なくとも1種の重合体、又はモノマーの少なくとも1種とエチレンなどのα−オレフィンやスチレンなどの他のビニル系モノマーとの共重合体が好ましい。
<接着部>
図2に示すように、本発明の防水シート材10の、基材層3とは反対側のコンパウンドA層2の表面には、接着部6をさらに有することが好ましい。接着部6は表面層1が形成されない部分であり、コンパウンドA層2の表面が露出した部分である。接着部6は、剥離部材で覆うことができる。本発明の防水シート材10を複数接続して施工する場合、防水シート材10の接着部6と、他方の防水シート材10の粘着性のコンパウンドB層4(剥離層5を剥がすことにより露出することができる)とを、重ね合わせて接着する。コンパウンドA層2の表面が露出した接着部6と、剥離層5を剥がすことにより露出した自己粘着性を有するコンパウンドB層4とは優れた接合状態を容易に形成でき、この結果、本発明の防水シート材10を複数接続して迅速に施工することができる。このようにして、防水シート材10を施工する面積が大きい場合でも、本発明の防水シート材10を用いた防水構造体を容易にかつ確実に施工することができる。
剥離部材としては、上述の剥離層5に用いる材料(剥離性シート)と同様の材料を用いることができるが、必ずしも同一の材料を用いる必要はない。しかしながら、コストを下げる点から、上述の剥離層5に用いる材料と同じ材料を用いることが好ましい。
なお、剥離部材は、防水シート材10の保管や運搬の際に、予期せぬ場所への接着を防止するためのものであり、防水シート材10を用いるときには取り外される。
<防水シート材の製造方法>
次に、本発明の防水シート材10の、製造方法について説明する。
まず、所定の補強材にコンパウンドA又はアスファルトを含浸させることにより、上述の基材層3を形成する。
次に、この基材層3の一方の面にコンパウンドA層2を、他方の面にコンパウンドB層4を形成する。コンパウンドA層2及びコンパウンドB層4の形成には、塗布、印刷等の公知の方法を用いることができる。また、コンパウンドA層2及びコンパウンドB層4をそれぞれ単独に形成してから、基材層3の所定の面に接着することもできる。コンパウンドA層2及びコンパウンドB層4の形成は、同時に行ってもよいし、片方ずつ行ってもよい。
次に、剥離性シートをコンパウンドB層4の表面に接着することにより、剥離層5を形成する。なお、剥離層5の形成は、張り合わせロールを用いることにより、コンパウンドB層4の基材層3への形成と同時に行うこともできる。すなわち、片面にコンパウンドA層2を有する基材層3表面と、剥離層5となる剥離性シートとの間に、コンパウンドB層4を形成する材料を流し込み、ナイフコーターや張り合わせロールを用いて一体化することにより、本発明の防水シート材10を製造することができる。また、このようにして得られた防水シート材10を、チルドロールを用いて冷却することによって、コンパウンドB層4の接着を確実にすることができる。
次に、コンパウンドA層2の表面に、所定の表面層1を形成する。このとき、コンパウンドA層2の表面のうち、一辺に接する部分には表面層1を形成せず、接着部6とすることが好ましい。なお、接着部6は、コンパウンドA層2の表面なので粘着性は高くなく、剥離部材によって覆うことは必ずしも必要ではないが、防水シート材10を保管や運搬等の際の表面保護を確実にする点から、剥離部材によって覆うことが好ましい。
<防水構造体の施工方法>
次に、本発明の防水シート材10を用いた場合の、防水構造体の施工方法について説明する。
上述のようにして得られた本発明の防水シート材10を、建築物等の防水を行う対象の大きさに応じて所定の大きさに切断する。
防水シート材10を、防水処理を行う対象の建築物等に接着する際は、剥離層5を取り外し、コンパウンドB層4を対象物体に接着することにより行う。接着部6の剥離部材を剥がし、異なる防水シート材10の端部のコンパウンドB層4が、施工済みの防水シート材10の接着部6に重なるようにして接着する。防水を確実にするために、重ね合わせる端部の幅は、100mm以上であることが好ましい。本発明の防水シート材10の場合は、コンパウンドB(改質アスファルト)の接着性能(自己粘着性)が極めて高く、かつコンパウンドA(改質アスファルト)とコンパウンドB(改質アスファルト)との接合特性が優れることから、端部を重ねて圧着するだけで、防水を完全に行うことができる。
また、コンパウンドA層2の表面と接着部6との接着の際には、コンパウンドA層2の表面の接着部6にペースト状防水材を塗布乾燥後に張り合わせるか、又は火炎の最高温度が1150℃以下のトーチバーナー等で溶融した後に、他の防水シート材10のコンパウンドB層の端部をコンパウンドA層2の表面に接着することが好ましい。トーチバーナーの火炎の最高温度が1150℃以下である場合、燃料消費量を抑制できるとともに、作業環境を比較的良好に保つことができる。このような接着方法を用いると、複数の防水シート材10との接着を、より高い接着性能を伴って行うことができ、防水をより完全に行うことができるためである。
<防水シート材の性能>
本発明の防水シート材10は、JIS A 6013:2005に準拠して測定した、防水シートの長手方向の引張強さ(引張強度)が、好ましくは80N/cm以上、より好ましくは100N/cm以上、さらに好ましくは120N/cm以上であり、防水シートの幅方向の引張強さ(引張強度)が、好ましくは80N/cm以上、より好ましくは90N/cm以上、さらに好ましくは95N/cm以上であることが、耐久性の高い防水シート材10を得ることができることから好ましい。
本発明の防水シート材10は、JIS A 6013:2005に準拠して測定した、防水シート材10の長手方向及び幅方向の引裂強さ(引裂強度)が、好ましくは25N以上、より好ましくは30N以上、さらに好ましくは35N以上であることが高耐久な防水シート材10を得ることができることから好ましい。
本発明の防水シート材10は、JIS A 6013:2005に準拠して測定した、防水シート材10の長手方向の伸び率(引張伸び率)が、好ましくは35%以上、より好ましくは45%以上、さらに好ましくは55%以上であり、防水シート材10の幅方向の伸び率(引張伸び率)が、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上であることが下地変形に追従できる防水シート材10を得ることができることから好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を説明する。本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
<引張強度、引張伸び率、引裂強度の評価方法>
JIS A6013:2005に準拠して、万能材料試験機[オリエンテック(株)製UTM−10T]を用い、引張速度100mm/分、サンプル幅50mm、チャック間100mm、試験温度22℃の条件下で一軸引張強度を測定した。
<実施例1>
以下の材料を使用して、下記の手順にしたがって、防水シート材を製造した。
不織布を、190℃に加熱溶融混合したブローンアスファルト中を通過させて、ブローンアスファルト含浸不織布を作製した。
(使用材料)
・不織布 : ポリエステル製不織布、目付=150g/m、東洋紡績社製、4141P。
・ブローンアスファルト : 25℃針入度=10〜20dmm、シェル石油社製。
次に、ブローンアスファルト含浸不織布、溶融させたコンパウンドB及び離型紙が、この順になるようにして張り合わせロールに供給して、ブローンアスファルト含浸不織布、コンパウンドB及び離型紙からなるシートを作製した。
(使用材料)
・コンパウンドB : 配合条件を表2に示す。
・離型紙 : ・クレープタイプ離型紙、SL72MR、原紙=72g、ポリエチレンラミ加工品(ポリエチ・ラミ厚=30μm)。
ブローンアスファルト含浸不織布、コンパウンドB及び離型紙からなるシートを用い、離型紙を設けていないブローンアスファルトが含浸した不織布の表面に、溶融させたコンパウンドAをナイフコーターによって一定の厚さに塗布し、さらに溶融状態のコンパウンドAの表面に、無機質粒子を散布して1200g/mの範囲で付着させ、ニップロールで加圧定着させて防水シート材を作製した。
(使用材料)
・コンパウンドA : 配合条件を表1に示す。
・無機質粒子 : 天然スレート砂(板状砂粒)、楠本化成社製、スレートフレークスY−12/201、粒度(粒子径)=0.1〜2mm。
Figure 2010070983
Figure 2010070983
作製した防水シート材について、引張強度、引張伸び率及び引裂強度を測定した結果を表3に示す。
表3の結果から、作製した防水シート材は、引張強度においては長手方向で125N/cm以上、幅方向で95N/cm以上の特性を示し、引張伸び率においては長手方向で60%以上、幅方向で65%以上の値を示し、引裂強度においては長手方向で60N以上、幅方向で55N以上の値が得られた。
Figure 2010070983
本発明の防水シート材の一例の模式的断面図である。 本発明の防水シート材の、異なった一例の模式的断面図である。
符号の説明
1:表面層
2:コンパウンドA層
3:基材層
4:コンパウンドB層
5:剥離層
6:接着部
10:防水シート材

Claims (10)

  1. (a)防水性を有し、自己粘着性を有さないコンパウンドAからなるコンパウンドA層と、
    (b)補強材を含む基材層と、
    (c)自己粘着性を有するコンパウンドBからなるコンパウンドB層と、
    (d)剥離層と
    が(a)、(b)、(c)及び(d)の順に積層されている防水シート材。
  2. コンパウンドAが、改質材としてスチレン−ブタジエン共重合体を含む改質アスファルトコンパウンドである、請求項1記載の防水シート材。
  3. スチレン−ブタジエン共重合体が、分岐立体構造を有するスチレン−ブタジエン共重合体と、直鎖構造を有するスチレン−ブタジエン共重合体とを含むスチレン−ブタジエン共重合体である、請求項2記載の防水シート材。
  4. 分岐立体構造を有するスチレン−ブタジエン共重合体と、直鎖構造を有するスチレン−ブタジエン共重合体との質量比が、1:3〜3:1の範囲である、請求項3記載の防水シート材。
  5. コンパウンドBが、改質材としてゴム物質、熱可塑性樹脂及び無機充填材を含む改質アスファルトコンパウンドである、請求項1〜4のいずれか1項記載の防水シート材。
  6. 基材層が、補強材にコンパウンドA又はアスファルトを含浸させた基材シートである、請求項1〜5のいずれか1項記載の防水シート材。
  7. 基材層とは反対側のコンパウンドA層の表面に、無機質粒子又は無機質粒子を含有する合成樹脂を含む表面層をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の防水シート材。
  8. 基材層とは反対側のコンパウンドA層の表面に、剥離部材によって覆われる接着部をさらに含む、請求項7記載の防水シート材。
  9. 建築物の防水用である、請求項1〜8のいずれか1項記載の防水シート材。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項記載の防水シート材を有する防水構造体。
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