JP4438108B2 - エチレン重合体組成物及びそれを用いた易開封性シール材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の材料に対して、優れたシール性と易開封性を示すエチレン重合体組成物からなる易開封性シール材料に関する。より詳細には、ポリエステルのシール材料として好適なエチレン重合体組成物からなる易開封性シール材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種飲食品や医薬品の容器として、易開封性蓋材を備えたプラスチック容器が広く使用されている。このような蓋材のシール層に用いられる易開封性シール材は、ヒートシール温度の温度幅が広く、安定したシール強度が得られるとともに容易に開封できることが求められている。容器の材質やその大きさ等によって、要求されるシール強度が異なっているため、従来種々の易開封性シール材料が提案され、また使用されてきた。
【0003】
従来、容器材料としてポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンなどが広く使用されてきたため、これら材料の容器に適した易開封性材料はすでに多くのものが知られている。ところが近年耐熱性容器として注目されている非晶性ポリエステル容器に対しては、実用上優れた易開封性材料が見出されていない。すなわち従来提案の易開封性シール材料の中にも非晶性ポリエステルに対し、ヒートシール温度幅が広く、かつ適度のシール強度を示すものは数多くある。しかしながら非晶性ポリエステル容器のシール面は、シール時やその他の熱履歴によって結晶化することがあり、そのような場合において従来提案の易開封性シール材料ではシール強度が大幅に低下するということが判明した。このため、シール強度にバラツキを生じたり、あるいは輸送や保存時の密着性に不安を残す結果となっていた。
【0004】
さらにまた、耐熱性、強度等に優れ、包装用基材や成形容器として使用されている延伸ポリエチレンテレフタレート(O−PET)、耐熱性に優れ、電子レンジ用容器などに使用されている結晶性ポリエチレンテレフタレート(C−PET)、耐熱性、ガスバリアー性に優れ、セミレトルト食品などに使用されるポリエチレンナフタレート、ガスバリアー性に優れ、味噌容器などに使用されるポリアクリロニトリル系重合体などについては、低軟化点のホットメルト接着剤以外には、優れた易開封性シール材料がないのが現状であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このため本発明者は、非晶性ポリエステルに対してヒートシール温度幅が広く、また適度なシール強度を示すとともに、たとえポリエステルの結晶化が起こったとしても、同様のシール特性を示すシール材料について検討を行った。その結果、下記エチレン重合体組成物が、このような特性を有していることを見出した。さらにこのようなエチレン重合体組成物は、上記O−PETその他の材料に対しても、優れた易開封性シール性能を有していることを見いだした。したがって本発明の目的は、非晶性ポリエステル包装材料に対して、優れた易開封性シール材料となるエチレン重合体組成物を提供するにある。本発明の他の目的は、その他のポリエステル材料やポリアクリロニトリル系重合体に対しても、優れた易開封性シール材料となるエチレン重合体組成物を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、密度0.870〜0.930g/cm 3 のエチレン・α−オレフィン共重合体と、エチレン・極性モノマー共重合体とからなるエチレン共重合体混合物40〜80重量部、A−B−A型ブロック共重合体(Aはポリスチレンブロック、Bはアルキレン共重合体ブロック)5〜40重量部及び炭化水素樹脂系粘着付与樹脂又はテルペン樹脂系粘着付与樹脂5〜30重量部からなるエチレン重合体組成物からなり、ポリエステル被着体に使用される易開封性シール材料に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のエチレン重合体組成物の構成成分であるエチレン系重合体は、密度0.870〜0.930g/cm 3 のエチレン・α−オレフィン共重合体と、エチレン・極性モノマー共重合体とからなるエチレン共重合体混合物である。
【0008】
本発明におけるエチレンとα−オレフィンの共重合体は、密度0.930g/cm3以下のものを言い、0.930g/cm3を越えるものは、その密度に基づき中密度ポリエチレンあるいは高密度ポリエチレンに包含される。エチレン・α−オレフィン共重合体としては、マルチサイト触媒あるいはシングルサイト触媒のいずれの触媒系で製造されたものを使用することができる。使用する触媒系によっても若干異なるが、密度が0.870g/cm3以上、好ましくは0.880g/cm3以上のものである。
【0009】
エチレン・α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、炭素数が3〜12程度、とくに炭素数4〜10程度のものを使用するのが好ましい。具体的には、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテンなどを例示することができる。
【0010】
もっとも好ましいのは、シングルサイト触媒で製造した、密度が0.880〜0.910g/cm3、とくに0.885〜0.905g/cm3のプラストマー領域の共重合体を少なくとも一成分として、とくに好ましくは、少なくとも10重量%以上含有するように使用することである。
【0011】
次にエチレンと極性モノマーの共重合体としては、極性モノマー含量が30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下のものである。エチレン系重合体として極性モノマー含量が多いもののみを用いると、組成物をポリエステルのヒートシール材料として用いた場合、ポリエステルが非晶性の場合と結晶性の場合とでシール強度に大きな差が出る傾向にあるため好ましくないが、本発明においてはエチレン・α−オレフィン共重合体と併用することによって、この傾向が改善されている。しかし、エチレン・極性モノマー共重合体中の平均極性モノマー濃度は15重量%以下、好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下となるように調整するのがよい。
【0012】
極性モノマーとして具体的には、酢酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチルのような不飽和カルボン酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸のような不飽和カルボン酸、一酸化炭素などを例示することができる。これらの中では酢酸ビニルの使用がもっとも好ましい。
【0013】
これらエチレン系重合体としては、加工性、シール強度等を考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、0.1〜500g/10分、とくに1〜150g/10分のものを使用するのが望ましい。
【0014】
エチレン共重合体混合物中の、密度0.870〜0.930g/cm 3 のエチレン・α−オレフィン共重合体と、エチレン・極性モノマー共重合体との混合割合は、エチレン・極性モノマー共重合体40重量部に対し、密度0.870〜0.930g/cm 3 のエチレン・α−オレフィン共重合体20〜30重量部の混合物であることが好ましい。
【0015】
本発明組成物の他の成分として使用されるA−B−A型ブロック共重合体は、Aがスチレン重合体ブロック、Bがアルキレン共重合体ブロック、具体的にはエチレン・ブテン共重合体ブロックあるいはエチレン・プロピレン共重合体ブロックなどである。このようなブロック共重合体は、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体あるいはスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体のブタジエン重合単位あるいはイソプレン重合体単位を水素添加することによって得られるもので、一般にSEBSあるいはSEPSと呼称されているものである。ここにスチレン重合体ブロック含量としては、8〜50重量%、好ましくは10〜40重量%のものである。また230℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜500g/10分、とくに1〜100g/10分のものを使用するのが好ましい。
【0016】
本発明組成物においては、上記エチレン系重合体およびA−B−A型ブロック共重合体に加え、粘着付与樹脂が使用される。粘着付与樹脂としては、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、スチレン系樹脂、クマロン・インデン樹脂などから選ばれる炭化水素樹脂系粘着付与樹脂又はテルペン樹脂系粘着付与樹脂が使用される。
【0017】
脂肪族系炭化水素樹脂の例としては、ブテン−1、イソブチレン、ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、ピペリレンなどのC4 〜C5 モノまたはジオレフィンを主成分とする重合体などが挙げられる。脂環族系炭化水素樹脂の例としては、スベントC4 〜C5 留分中のジエン成分を環化二量体化後重合させた樹脂、シクロペンタジエンなどの環状モノマーを重合させた樹脂、芳香族系炭化水素樹脂を核内水添した樹脂などが挙げられる。芳香族系炭化水素樹脂の例としては、ビニルトルエン、インデン、α−メチルスチレンなどのC9 〜C10のビニル芳香族炭化水素を主成分とした樹脂などが挙げられる。スチレン系炭化水素樹脂としてはスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエン等の重合体である。
【0018】
テルペン系樹脂の例としては、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体、テルペン−フェノール共重合体、α−ピネン−フェノール共重合体、水素化テルペン樹脂などが挙げられる。
【0019】
これらの中では、水素化芳香族炭化水素樹脂や水素化テルペン樹脂などの水素添加型樹脂の使用が特に好ましい。
【0020】
本発明において、エチレン系重合体、上記ブロック共重合体及び粘着付与樹脂の配合割合は、これらの合計量を100重量部とするときに、エチレン系重合体が40〜80重量部、好ましくは50〜75重量部、ブロック共重合体が5〜40重量部、好ましくは10〜30重量部、粘着付与樹脂が5〜30重量部、好ましくは10〜20重量部の範囲である。
【0021】
ブロック共重合体の使用量が前記範囲より少ないと、非晶性ポリエステルが結晶化したときにシール強度の少なからざる低下が起こるので好ましくなく、また上記範囲より多くなるとヘプタン抽出分が多くなりすぎて、油性食品に使用できなくなる。
【0022】
また粘着付与樹脂の使用量が少ないとシール強度が小さくなりすぎるが、過度に使用すると、組成物の耐油性や加工性を損なうことになるので、上記のような範囲内で使用される。
【0023】
本発明の重合体組成物には前記三必須成分に加え、任意の添加剤を配合することができる。このような添加剤として、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤などを挙げることができる。とくに組成物の加工性を向上させるためには滑剤を配合することが望ましい。このような滑剤としては、脂肪酸アミド、高分子量ポリエチレングリコール、水添ひまし油、シリカなどを例示することができる。
【0024】
このような滑剤は、上記三必須成分の合計量100重量部に対し、有機化合物滑剤の場合は100〜10000ppm程度、またシリカのような無機化合物滑剤の場合は0.1〜3重量%程度配合すると効果的である。滑剤の使用は、本願発明の重合体組成物を、基材に押出コーティング加工におけるフィルム同志のブロッキングや金属ロールへのスティックを防止するとともに、巻き戻し等の後工程の作業性を高めるという利点を有している。
【0025】
本発明の重合体組成物は、成形性、シール特性を考慮すると、メルトフローレート(190℃、2160g荷重)が1〜400g/10分とくに1〜150g/10分となるように調整することが望ましい。
【0026】
本発明のエチレン重合体組成物は非晶性ポリエステルに対し、また結晶性ポリエステルに対しても、同等のヒートシール性を有しているため、非晶性ポリエステル包装材料、例えばカップ、トレイなどの蓋材あるいはカバー材のシール層として使用すると、密封性、易開封性に優れたシールを行うことができ、またたとえポリエステルが結晶化したとしても安定したシール強度を得ることができる。
【0027】
本発明の重合体組成物はまた、延伸ポリエチレンテレフタレート、結晶性ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの他のポリエステル材料に対しても、広い温度範囲で、適度のシール強度を示すという優れた易開封性シール特性を有している。
【0028】
本発明の組成物は、単層で上記用途に使用することができるが、これをヒートシール層として基材に積層して使用することができる。このような基材としては、延伸あるいは無延伸のフィルムであって、例えば、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマー、エチレン・ビニルアルコール共重合体、紙、アルミ箔、アルミニウム、シリカ、アルミナなどを蒸着したフィルム、ポリ塩化ビニリデンやポリビニルアルコールなどのガスバリアー材をコーティングしたフィルムなどを例示することができる。これら基材は単層であってもよく、2層以上の積層品であってもよい。
【0029】
特にポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、アイオノマーなどのポリオレフィン系樹脂と他の基材からなる積層基材を形成し、そのポリオレフィン系樹脂側に本発明のエチレン重合体組成物を積層することにより、各種基材の表面にヒートシール層を容易に形成させることができる。
【0030】
ここでエチレン重合体組成物と基材との積層は、ポリオレフィン系樹脂とエチレン重合体組成物を基材へ連続的に押出ラミネートするタンデム押出ラミネート法、ポリオレフィン系樹脂とエチレン重合体組成物を共押出ラミネートする方法、基材とエチレン重合体組成物フィルム間へのポリオレフィン系樹脂のサンドイッチ押出ラミネート法等の公知の方法により行うことができる。尚、基材とポリオレフィン系樹脂との積層に当たっては、必要に応じ接着剤を使用することがで有効である。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、密封性、低温シール性が良好で、ヒートシールの温度幅が広く、適度のシール強度を有し、易開封性に優れた重合体組成物を提供できる。かかる重合体組成物は、上記特性を生かし、非晶性ポリエステルの種々の包装体の蓋材あるいはカバー材として有用である。本発明の重合体組成物はまた、その他の各種ポリエステル材料などの易開封性シール材料として使用することができる。
【0032】
【実施例】
以下に、本発明の効果を説明するために実施例及び比較例を示す。なお、実施例、比較例に用いたエチレン系重合体組成物調製用原料樹脂の組成、物性は以下の通りである。
【0033】
(1)エチレン系重合体
(1-1) エチレン・酢酸ビニル共重合体
【0034】
(1-2) シングルサイト触媒存在下で重合されたエチレン・1−オクテン共重合体
密度 :895kg/m3
MFR:4.0g/10min
【0035】
(1-3) 低結晶性エチレン・α−オレフィン共重合体
三井石油化学工業(株)社製“タフマー A4085”
密度 :890kg/m3
MFR:3.6g/10min
【0036】
(2)A−B−A型ブロック共重合体
【0037】
(3)粘着付与樹脂
荒川化学(株)社製“アルコン AM−1”
環球法軟化点115℃の脂環族炭化水素樹脂
(芳香族系炭化水素樹脂の核内水添樹脂)
【0038】
[実施例1]
エチレン・酢酸ビニル共重合体(1)40重量部、シングルサイト触媒エチレン・α−オレフィン共重合体20重量部、A−B−A型ブロック共重合体(1)20重量部、粘着付与樹脂20重量部からなる組成物100重量部に対して、エルカ酸アミド0.2重量部、ポリエチレングリコール0.1重量部、シリカ1重量部を添加した配合物を、単軸押出機にて、樹脂温度150℃の条件下で溶融混合し、エチレン重合体組成物(A)を調製した。
【0039】
この重合体組成物(A)のペレットを、50mm径の押出機によって、樹脂温度160℃の条件で30μm厚みのインフレフィルムを作成し、同インフレフィルムと予め作成されていた延伸PET(厚さ12μm)/低密度ポリエチレンフィルム(厚さ20μm)からなる2層構成の可撓材料のポリエチレンフィルム面とを、高圧法低密度ポリエチレン20μmにてサンドイッチコーティングを行って積層材を得た。
【0040】
次に得られた積層材の非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルシートに対するヒートシール性を以下の方法により測定した。
ヒートシーラーを用いて、積層材を、非晶性ポリエステルシート(300μm)及び、上記の非晶性ポリエステルシートを真空チャンバー中にて、120℃×40分処理して結晶化させた結晶性ポリエステルシートとそれぞれヒートシールした後、23℃×50%RH条件にて1日エージング後に、そのヒートシール強度を測定した(N/15mm)。
ヒートシール条件 温度120,140,160℃
圧力0.2MPs
時間 1秒
結果を表1に示す。
【0041】
[実施例2]
重合体の配合組成を、エチレン・酢酸ビニル共重合体(1)40重量部、低結晶性エチレン・α−オレフィン共重合体30重量部、A−B−A型ブロック共重合体(1)10重量部、粘着付与樹脂20重量部とし、その他の添加物は実施例1と同量で配合して得られた配合物を、実施例1と同様にして溶融混合し、エチレン重合体組成物(B)を調製した。この組成物から実施例1と同様にして積層材を作成し、非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルシートに対するヒートシール性を測定した。結果を表1に表す。
【0042】
[実施例3]
実施例2において、A−B−A型ブロック共重合体(1)の代わりにA−B−A型ブロック共重合体(2)を用いた以外は実施例2と同様にしてエチレン重合体組成物(C)を調製し、この組成物から実施例2と同様にして積層材を作成し、物性を測定した。結果を表1に示す。
【0043】
[比較例1]
A−B−A型ブロック共重合体を配合せず、エチレン・酢酸ビニル共重合体(1)40重量部、低結晶性エチレン・α−オレフィン共重合体40重量部、粘着付与樹脂20重量部のみからなる組成物100重量部に対して、エルカ酸アミド0.2重量部、ポリエチレングリコール0.1重量部、シリカ1重量部を添加した配合物を、実施例1と同様にして溶融混合し、得られたエチレン重合体組成物から実施例1と同様にして積層材を作成し、実施例1と同様にして非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルシートに対するヒートシール性を測定した。結果を表3に表す。
【0044】
[実施例4]
実施例1において、エチレン・酢酸ビニル共重合体(1)の代わりにエチレン・酢酸ビニル共重合体(2)を用いた以外は実施例1と同様にして調製したエチレン重合体組成物(D)から積層材を作成し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0045】
[比較例2]
A−B−A型ブロック共重合体を配合せず、エチレン・酢酸ビニル共重合体(2)80重量部、粘着付与樹脂20重量部のみからなる組成物100重量部に対して、エルカ酸アミド0.3重量部、ポリエチレングリコール0.1重量部、シリカ4重量部を添加した配合物を、実施例1と同様にして溶融混合して調製したエチレン重合体組成物から積層材を作成し、物性を測定した。結果を表3に表す。
【0046】
[比較例3]
粘着付与樹脂を配合せず、エチレン・酢酸ビニル共重合体(2)80重量部、A−B−A型ブロック共重合体(1)20重量部のみからなる組成物100重量部に対して、エルカ酸アミド0.2重量部、ポリエチレングリコール0.1重量部を添加した配合物を、実施例1と同様にして溶融混合して調製したエチレン重合体組成物から実施例1と同様にして積層材を作成し、物性を測定した。結果を表3に表す。
【0047】
表1〜2に示すように、本発明の重合体組成物は非晶性、結晶性の何れのポリエステルシート対しても、シール性が良好で易開封性に優れたシール材料であるのに対し、A−B−A型ブロック共重合体を配合しない重合体組成物では結晶性ポリエステルシートに対し、良好なシール強度が得られず、また粘着付与樹脂を配合しない重合体組成物では、非晶性ポリエステルシート、結晶性ポリエステルシートの何れに対しても良好なシール強度が得られない。
【0048】
【表1】
(シール強度単位:N/15mm)
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
(シール強度単位:N/15mm)
【0051】
[実施例5〜13]
実施例1で得られたエチレン重合体組成物(A)と密度0.921g/cm3,メルトフローレート3g/10分のエチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体を両外層とし、中間層が両者の等量ブレンド層となるように、3層共押出により、厚み比率13/74/13、厚さ30μmの共押出インフレーションフィルムを作成した。
【0052】
ついで延伸PET(厚さ12μm)/低密度ポリエチレン(厚さ20μm)からなる積層フィルムの低密度ポリエチレン面と、上記3層共押出フィルムのエチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体面を、低密度ポリエチレン20μmにてサンドイッチラミネーションし、積層材を得た。
【0053】
ヒートシーラーを用いて、上記積層材のエチレン重合体組成物面と表4記載の各種重合体からなる被着体シートとをヒートシールし、そのヒートシール強度を測定した(N/15mm)。
ヒートシール条件 温度140,160,180℃
圧力0.2MPs
時間 1秒
結果を表5に示す。
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
[実施例14]
被着体シートとして結晶性ポリエチレンテレフタレートを用い、実施例5〜13と同様にして積層材とヒートシールし、シール直後のヒートシール強度を測定した。また別に、ヒートシール後、90℃、30分間熱水浸漬し、5日間放置したサンプルについてヒートシール強度を測定した。結果を表6に示す。
【0057】
【表6】
Claims (5)
- 密度0.870〜0.930g/cm3のエチレン・α−オレフィン共重合体と、エチレン・極性モノマー共重合体とからなるエチレン共重合体混合物40〜80重量部、A−B−A型ブロック共重合体(Aはポリスチレンブロック、Bはアルキレン共重合体ブロック)5〜40重量部及び炭化水素樹脂系粘着付与樹脂又はテルペン樹脂系粘着付与樹脂5〜30重量部からなるエチレン重合体組成物からなり、ポリエステル被着体に使用される易開封性シール材料。
- エチレン共重合体混合物が、エチレン・極性モノマー共重合体40重量部に対し、密度0.870〜0.930g/cm3のエチレン・α−オレフィン共重合体20〜30重量部の混合物であることを特徴とする請求項1記載の易開封性シール材料。
- 粘着付与樹脂が、水素添加型樹脂である請求項1または2に記載の易開封性シール材料。
- ポリエステルが、非晶性ポリエチレンテレフタレート、結晶性ポリエチレンテレフタレート、延伸ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートから選ばれるポリエステルである請求項1〜3のいずれかに記載の易開封性シール材料。
- ポリオレフィン系樹脂層を含む基材に積層して使用される請求項1〜4のいずれかに記載の易開封性シール材料。
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