JP3599869B2 - エチレン共重合体組成物及びそれを用いた易開封性シール材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なエチレン共重合体組成物に関する。さらに詳しくは、易開封性シール材料として好適なエチレン共重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
カップ麺、ゼリー、ヨーグルト、豆腐など各種飲食品や医薬品の容器として、易開封性蓋材を備えたプラスチック容器が広く使用されている。このような易開封性蓋材のシール層に用いられる熱溶融型接着剤として種々のものが提案され、実用化されてきた。例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体やエチレン・アクリル酸エチル共重合体と粘着付与剤の組成物、これにポリエチレンや低結晶性エチレン・α−オレフィン共重合体などを配合した組成物などが、密封性と易開封性とを備えた優れたシール材となることが知られている。しかしながら容器に用いられるプラスチック材料の種類も増え、新しい材料に対しては、従来のシール材では十分に対応できないものがあり、新たなシール材の出現が望まれている。また既存のプラスチック材料を使用した容器であっても、用途によって望まれるヒートシール強度の値が異なっており、そのため種々のヒートシール強度に容易に調整することができるシート材料も望まれている。
【0003】
例えば、近年、耐衝撃性ポリスチレンが各種容器に使用されるようになってきたが、これに従来から使用されている上記のようなシール材を用いると、あるものはシール強度が小さく、あるものは初期シール強度として充分な値を示すが経時的にシール強度が低下するといった欠点を示し、実使用するには問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者らは、耐衝撃性ポリスチレンに対し充分な密閉性と易開封性を示し、経時的にシール強度の低下傾向の少ないシール材料を見いだすべく検討を行った。その結果、エチレン・不飽和エステル共重合体と、特定の構造を有するスチレン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加物とからなる組成物が適度なシール強度を示し、かつ経時的にシール強度変化の少ないシール材料として使用できることを見いだすに至った。このシール材料はまた組成を変化させることによって、広くシール強度を調整しうることも見いだすに至った。
【0005】
したがって本発明の目的は、易開封性シール材料として好適な新規なエチレン共重合体組成物を提供するにある。本発明の他の目的は、易開封性シール材料、とくに耐衝撃性ポリスチレン用に好適な易開封性シール材料を提供するにある。さらに本発明の別の目的は、このような易開封性シール材料を基材に積層してなる蓋材を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エチレン・不飽和エステル共重合体30〜95重量部、水素添加スチレン・ブタジエン共重合体20〜3重量部、低結晶性エチレン・α−オレフィン共重合体0〜40重量部及び粘着付与樹脂0〜30重量部とからなり、該水素添加スチレン・ブタジエン共重合体が、1,2−ビニル結合が25%以下であるポリブタジエンブロックセグメント(A)10〜60重量%と、ブタジエンを70重量%以上有するブタジエン・スチレンランダム共重合体であって、ブタジエン部分のビニル結合含有量が25〜95%であるブロックセグメント(B)90〜40重量%からなり、かつブロック構造がA−(B−A)nまたは(A−B)m(ただし、nは1以上、mは2以上の整数)で表される直鎖あるいは分岐状のブロック共重合体のブタジエン部分を90%以上水素添加してなるものであることを特徴とするエチレン共重合体組成物に関する。本発明はまた、上記エチレン共重合体組成物からなる易開封性シール材料に関する。本発明はまた、基材にこのような易開封性シール材料が積層されてなる蓋材等の包装材料に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき、詳細に説明する。
本発明のエチレン共重合体組成物は、エチレン・不飽和エステル共重合体と水素添加スチレン・ブタジエン共重合体を必須成分として構成される。
【0008】
エチレン・不飽和エステル共重合体における不飽和エステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチルのような不飽和カルボン酸エステル、とくに(メタ)アクリル酸エステルなどを例示することができる。これらのなかでは酢酸ビニルや(メタ)アクリル酸エステルの使用が望ましい。
【0009】
上記共重合体における不飽和エステル含有量としては、3〜25重量%、とくに5〜20重量%である。この不飽和エステル含有量によっても耐衝撃性ポリスチレンに対するシール強度を調整することが可能であり、一般にその含有量が多くなる程シール強度やシール強度の安定性は増加するが、その量があまり多くなりすぎるとべたつきを生じ、とくに食品用途などではヘプタン抽出成分が多くなるなどの悪影響が生ずるので好んで用いるべきではない。またその含有量が少なすぎたり、あるいはこの共重合体の代わりにポリエチレンを用いたりした場合には、耐衝撃性ポリスチレンに対するシール強度が小さく、またシールの安定性も低下するので好ましくない。
【0010】
エチレン・不飽和エステル共重合体としてはまた、加工性、シール強度等を勘案すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜500g/10分、とくに1〜150g/10分のものを使用するのがよい。
【0011】
かかるエチレン共重合体は、高温、高圧下のラジカル共重合によって得ることができ、その製造方法は広く知られており、また多くの種類の共重合体が市場で入手することができる。
【0012】
本発明においては、上記共重合体とともに水素添加スチレン・ブタジエン共重合体が使用される。水素添加スチレン・ブタジエン共重合体のベースポリマーとなるスチレン・ブタジエン共重合体は、ポリブタジエンブロックセグメント(A)とブタジエン・スチレンランダム共重合体のブロックセグメント(B)からなるブロック共重合体である。
【0013】
上記ブロック共重合体を構成する一方のブロックセグメント(A)は1,2−ビニル結合が25%以下、好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以下であるポリブタジエンからなるブロックセグメントであり、もう一方のブロックセグメント(B)はブタジエンを70重量%以上、好ましくは75〜95重量%含有し、ブタジエン部分の1,2−ビニル結合含有量が25〜95%、好ましくは25〜75%、さらに好ましくは25〜55%であるブタジエン・スチレンランダム共重合体ブロックセグメントである。
【0014】
上記ブロックセグメント(A)と(B)とからなるブロック共重合体のブロック構造は、A−(B−A)nまたは(A−B)m(ただし、nは1以上、mは2以上の整数)で表される直鎖あるいは分岐状のブロック共重合体である。そして該ブロック共重合体のブロックAの割合は、10〜60重量%、好ましくは12〜50重量%、一層好ましくは15〜40重量%であり、ブロックBの割合が、90〜40重量%、好ましくは88〜50重量%、一層好ましくは85〜60重量%である。
【0015】
ブロックAにおける1,2−ビニル結合が上記範囲より多くなると、水素添加品の結晶融点が低くなり、べたつきを生じたり、ヘプタン抽出分が増えるなどのために、その添加量が制限されるので、品質設計の許容範囲が狭くなるという欠点を生じる。ブロックBにおけるブタジエン成分が上記範囲より少ないものを用いた場合や、ブタジエン部分の1,2−ビニル結合が上記範囲を外れるようなものを用いた場合には、本発明の組成物のシール性、シール強度を低下させるようになるので好ましくない。
【0016】
またブロックAとブロックBの割合は、べたつきやヘプタン抽出分に実質的に影響を及ぼさずにシール性を向上させるために、上記の如き範囲に調節するのが好ましい。
【0017】
上記スチレン・ブタジエン共重合体の水素添加率はブロックA及びブロックBのブタジエン成分の二重結合の90%以上、好ましくは95%〜100%である。水素添加率が上記範囲より少ないものを用いると、本発明のエチレン共重合体組成物の耐熱性、耐候性に悪影響を及ぼすようになるので好ましくない。ブロックA及びブロックBの重量平均分子量は、通常5,000 以上、特に10,000〜100,000 程度のものが好ましい。
【0018】
本発明においては、上記のようにエチレン・不飽和エステル共重合体と水素添加スチレン・ブタジエン共重合体のみの系でも使用可能であるが、ヒートシール強度の温度依存性が若干大きく、またシール強度の微調整が必ずしも容易でないので、低結晶性エチレン・α−オレフィン共重合体及び又は粘着付与樹脂を併用することが望ましい。
【0019】
この目的に使用できるエチレン・α−オレフィン共重合体は、X線に基づく結晶化度が、通常1〜20%、好ましくは3〜15%の低結晶性共重合体である。すなわち完全非晶質の共重合体を用いると、耐油性が低下するので好ましくない。このような共重合体として組成分布及び分子量分布の狭い共重合体を用いることが好ましく、例えばバナジウム化合物、ジルコニウム化合物のような遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物の組み合わせ触媒の存在下、エチレンとα−オレフィンをランダム共重合する事によって得ることができる。α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどを例示することができる。これらの中では、炭素数4以上のα−オレフィン、とりわけ1−ブテンの使用が望ましい。使用する触媒系やα−オレフィンの種類によっても若干異なるが、上記結晶化度を有する共重合体とするには、通常、α−オレフィンが7〜20モル%、とくに8〜16モル%程度の割合で重合するようにすればよい。該共重合体としては、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜500g/10分、とくに1〜150g/10分のものを使用するのが好ましい。
【0020】
本発明において使用することのできる粘着付与樹脂としては、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、ポリテルペン系樹脂、ロジン類、スチレン系樹脂などの通常のホットメルト接着剤分野で使用されているものである。より具体的には、脂肪族系炭化水素樹脂としては、炭素数4〜5のオレフィンやジエンなどを主成分とする重合体を挙げることができる。脂環族系炭化水素樹脂としては、スペントC4 やC5 留分のジエン成分を環化2量化後重合させて得られる樹脂、シクロペンタジエンなどの環状モノマーを重合させて得た樹脂あるいはその水素添加物、芳香族炭化水素樹脂を核内水素添加した樹脂などを挙げることができる。芳香族炭化水素樹脂としては、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエン、インデンなどのC8 〜C10の不飽和芳香族炭化水素を主成分とする樹脂を例示することができる。またポリテルペン樹脂としては、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテンなどの重合体、テルペン・フェノール樹脂、あるいは水添テルペン樹脂などを例示することができる。ロジン類の例としては、ロジン、重合ロジン、水添ロジン、ロジンエステルあるいはその水添物または重合物などである。またスチレン系樹脂はスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエンなどの重合体またはこれらの相互共重合体などの低分子重合体などである。色調、臭気、食品衛生性等を重視する場合には、水素添加芳香族炭化水素樹脂や水素化ポリテルペン樹脂を用いるのがよい。
【0021】
本発明において上記各成分の割合は、エチレン・不飽和エステル共重合体を30〜95重量部、好ましくは35〜90重量部、水素添加スチレン・ブタジエン共重合体を20〜3重量部、好ましくは15〜5重量部、低結晶性エチレン・α−オレフィン共重合体を0〜40重量部、好ましくは5〜35重量部、粘着付与樹脂を0〜30重量部、好ましくは5〜20重量部の割合で配合するのがよい(合計で100重量部)。そして水素添加スチレン・ブタジエン共重合体と粘着付与樹脂の合計量が、5〜35重量部、とくに10〜35重量部の範囲となるように調節するのが、ヒートシール強度及びその安定性、耐油性を考慮すると好ましい。
【0022】
水素添加スチレン・ブタジエン共重合体は、耐衝撃性ポリスチレンへのシール性の改良、とりわけシール強度の安定性の付与に効果的であるが、その配合割合が多くなり過ぎると、シール強度が過度に大きくなったり、あるいはヘプタン抽出分が多くなりすぎて油性食品に使用できなくなるなどの欠点を生じる。
【0023】
低結晶性エチレン・α−オレフィン共重合体の添加は、一般に耐油性を損なわずに耐衝撃性ポリスチレンへのシール性の改善に寄与するが、多くの場合、過度に使用すると、本発明の組成物を基材に押出コーティングする際の加工性を損なうことがあるので、あまり多量に配合するべきではない。また粘着付与樹脂の配合も、耐衝撃性ポリスチレンへのシール性の改良に効果があるが、過度に配合すると耐油性や加工性を損なうため、適度の配合量に調節することが望まれる。
【0024】
前記した本発明の組成物には、シール強度等の調節のために少量であれば他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンを配合してもよい。また周知の各種添加剤を任意量で配合してもよい。かかる添加剤の代表例としては、例えば押出加工性の改善、ブロッキング防止、フィルムの滑り性改善などの目的で使用される添加剤を挙げることができる。より具体的には、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、オレイルパルミドアミド、ステアリルパルミドアミド、メチレンビスステアリルアミド、エチレンビスエルカ酸アミドなどの各種アミド類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール、水添ひまし油、シリカ、タルクなどの無機質添加剤などである。これらの配合量は、無機質添加剤の場合は0.1〜3重量%程度、それ以外のものは0.01〜1重量%程度の範囲が適当である。
任意に配合しうる他の添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、顔料、染料などを例示することができる。
【0025】
本発明の組成物の調製は、前記各成分を同時に又は逐次的に混合することによって行われる。混合方法としては、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、各種ニーダーなどを用いて溶融混合する方法が好ましく、その混合順序にはとくに制限はない。
【0026】
かくして得られるエチレン共重合体組成物は、押出加工性を考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、1〜150g/10分程度に調節されていることが望ましい。
【0027】
本発明のエチレン共重合体組成物は易開封性シール材として有効である。易開封性シール材として使用する際、多くの場合、基材に積層した形で用いられる。基材としては、紙、アルミニウム、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アルミ蒸着ポリエステル、アルミ蒸着ポリプロピレン、シリカ蒸着ポリエステルなど種々のものが利用できる。基材は単層である必要はなく、2種以上の積層体であってもよい。
【0028】
本発明のエチレン共重合体組成物を基材に積層するには、該組成物を予めキャスト法やインフレーション法でフィルムを作り、ドライラミネーション法により基材と貼り合せる方法、該組成物を直接基材上に押出コーティングする方法、ポリエチレン等を接着層として用い、基材上にサンドイッチラミネーションにより接着層を介して積層する方法、基材と該組成物を共押出する方法などを採用することができる。
【0029】
かくして得られるエチレン共重合体組成物をシール層とする積層体は包装材料として利用することができる。とくに各種容器の蓋材として使用するときに密封性、易開封性に優れた蓋材となる。適用可能な容器として、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどの各種形状の容器である。とくに耐衝撃性ポリスチレン容器に対し優れた性能を示す蓋材となる。このような蓋付容器は、例えばヨーグルト、プリン、みつ豆、サワー、豆腐、ゼリー、乳酸飲料、和菓子、加工肉などの飲食物、薬品、医療容器、トナーなどの各種包装に使用することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、易開封性シール材料として好適なエチレン共重合体組成物を提供することができる。とくに耐衝撃性ポリスチレンに対し、適当なシール強度とシール安定性を有する易開封性シール材料となるエチレン共重合体組成物を提供することができる。
【0031】
【実施例】
以下に、本発明の効果を説明するために実施例及び比較例を示す。なお、実施例、比較例において用いた原料樹脂の組成、物性及び得られた積層材の物性評価方法は以下の通りである。
【0032】
1.原料樹脂
(1)エチレン・酢酸ビニル共重合体
酢酸ビニル含量の異なる下記表1に示す各種エチレン・酢酸ビニル共重合体を用いた。
【0033】
【表1】
【0034】
(2)水素添加スチレン・ブタジエン共重合体
日本合成ゴム(株)社製 ”DYNARON E4600P”
スチレン・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックコポリマー
MFR:5.6g/10分
密度 :0.91g/cm3
スチレン含量:20wt%
【0035】
(3)高圧法低密度ポリエチレン
三井石油化学工業(株)製 ”ミラソン M10P”
MFR:9.5g/10分
密度 :0.917g/cm3
【0036】
(4)低結晶性エチレン・α−オレフィン共重合体
三井石油化学工業(株)社製 ”タフマーA4085”
MFR3.6g/10分
【0037】
(5)粘着付与剤
荒川化学(株)製 ”アルコンAM−1”
環球法軟化点115℃の脂環族炭化水素樹脂
(芳香族系炭化水素樹脂の核内水添樹脂)
【0038】
2.積層方法
組成物ペレットを、65mm径の押出機によって、ダイ出口温度230℃の条件でTダイより溶融押出し、予め作成されていた延伸PET(厚さ12μm)/低密度ポリエチレンフィルム(厚さ20μm)からなる2層構成の可撓性材料のポリエチレンフィルム面に対して、加工速度60m/分、コーティング厚さ30μmの条件で押出コーティングを行って積層材を得た。
【0039】
3.積層材物性測定法
次に得られた積層材のヒートシール強度およびその経時変化を以下の方法により測定した。
(1)ヒートシール強度
ヒートシーラーを用いて、積層基材を、耐衝撃性ポリスチレンの短冊状試料とヒートシールし、そのヒートシール強度を測定した(N/15mm)。
ヒートシール条件
温度 120℃、140℃、160℃
時間 1sec
圧力 0.2MPa
測定は、ヒートシール後、23℃×50%RH条件にて1日エージング後に行った。
【0040】
(2)ヒートシール強度経時変化
上述のヒートシール条件にてシールしたサンプルを、23℃×50%RH条件にて14日間エージングした後、ヒートシール強度測定を行った。
【0041】
[実施例1]
EVA▲2▼70.0重量部、水素添加スチレン・ブタジエン共重合体15.0重量部、粘着付与剤15.0重量部、シリカ2.0重量部、エルカ酸アミド0.2重量部、ポリエチレングリコール0.1重量部の混合物を単軸押出機にて、樹脂温度150℃の条件下で溶融混合し組成物とした。この組成物から前記方法により積層材を作成し、物性(ヒートシール強度及びヒートシール強度経時変化)を測定した。結果を表2に示す。
【0042】
[実施例2]
EVA▲3▼70.0重量部、水素添加スチレン・ブタジエン共重合体15.0重量部、粘着付与剤15.0重量部、シリカ2.0重量部、エルカ酸アミド0.2重量部、ポリエチレングリコール0.1重量部の混合物を単軸押出機にて、樹脂温度150℃の条件下で溶融混合し組成物とした。この組成物から前記方法により積層材を作成し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0043】
[実施例3]
EVA▲4▼70.0重量部、水素添加スチレン・ブタジエン共重合体15.0重量部、粘着付与剤15.0重量部、シリカ2.0重量部、エルカ酸アミド0.2重量部、ポリエチレングリコール0.1重量部の混合物を単軸押出機にて、樹脂温度150℃の条件下で溶融混合し組成物とした。この組成物から前記方法により積層材を作成し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0044】
[実施例4]
EVA▲1▼40.0重量部、水素添加スチレン・ブタジエン共重合体10.0重量部、低結晶性エチレン・α−オレフィン共重合体30.0重量部、粘着付与剤20.0重量部、エルカ酸アミド0.2重量部、ポリエチレングリコール0.1重量部の混合物を単軸押出機にて、樹脂温度150℃の条件下で溶融混合し組成物とした。この組成物から前記方法により積層材を作成し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0045】
[比較例1]
実施例1において、EVA▲2▼の代わりに高圧法低密度ポリエチレン70.0重量部を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、この組成物から前記方法により積層材を作成し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0046】
[比較例2]
水素添加スチレン・ブタジエン共重合体を添加せず、EVA▲4▼80.0重量部、粘着付与剤20.0重量部、シリカ2.0重量部、エルカ酸アミド0.2重量部、ポリエチレングリコール0.1重量部の混合物を調製し、この組成物から前記方法により積層材を作成し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0047】
[比較例3]
水素添加スチレン・ブタジエン共重合体を添加せず、EVA▲1▼40.0重量部、低結晶性エチレン・α−オレフィン共重合体40.0重量部、粘着付与剤20.0重量部、エルカ酸アミド0.2重量部、ポリエチレングリコール0.1重量部の混合物を調製し、この組成物から前記方法により積層材を作成し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
Claims (6)
- エチレン・不飽和エステル共重合体30〜95重量部、水素添加スチレン・ブタジエン共重合体20〜3重量部、低結晶性エチレン・α−オレフィン共重合体0〜40重量部及び粘着付与樹脂0〜30重量部とからなり、該水素添加スチレン・ブタジエン共重合体が、1,2−ビニル結合が25%以下であるポリブタジエンブロックセグメント(A)10〜60重量%と、ブタジエンを70重量%以上有するブタジエン・スチレンランダム共重合体であって、ブタジエン部分のビニル結合含有量が25〜95%であるブロックセグメント(B)90〜40重量%からなり、かつブロック構造がA−(B−A)nまたは(A−B)m(ただし、nは1以上、mは2以上の整数)で表される直鎖あるいは分岐状のブロック共重合体のブタジエン部分を90%以上水素添加してなるものであることを特徴とするエチレン共重合体組成物。
- エチレン・不飽和エステル共重合体の不飽和エステル含有量が5〜25重量%である請求項1記載のエチレン共重合体組成物。
- 低結晶性エチレン・α−オレフィン共重合体の結晶化度が1〜20%である請求項1記載のエチレン共重合体組成物。
- 粘着付与樹脂が水素添加石油樹脂である請求項1記載のエチレン共重合体組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のエチレン共重合体組成物からなる易開封性シール材料。
- 基材に請求項5記載の易開封性シール材料が積層されてなる包装材料。
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