JP2005041890A - ポリオレフィン組成物及びそれを用いた易開封性シール材料 - Google Patents

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正史 佐藤
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Abstract

【課題】ポリプロピレンに対する易開封性シール材料として使用するときに、密封性、易開封性、開封部の外観が優れ、ヒートシール強度の温度依存性が少なく、また熱水処理に耐え、油性食品用途で100℃を越えて使用可能なポリオレフィン組成物を提供する。
【解決手段】プロピレン系重合体(A)20〜90重量部、密度が900kg/m以上のエチレン系重合体(B)80〜10重量部、(A)+(B)の合計100重量部に対し、非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)1〜70重量部及び粘着付与樹脂(D)0.5〜30重量部を配合してなるポリオレフィン組成物、及び、基材に該ポリオレフィン組成物を積層した包装材料。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の材料に対し、優れた密封性と易開封性を示すポリオレフィン組成物及びこれを用いた易開封性シール材料に関する。とりわけポリプロピレン用の易開封性シール材料として有用な、耐熱性に優れたポリオレフィン組成物及び該組成物からなる易開封性シール材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
カップ麺、ゼリー、ヨーグルト、豆腐など各種飲食品や医薬品の容器として、易開封性蓋材を備えたプラスチック容器が広く使用されている。このような易開封性蓋材のシール層に用いられる押出ラミネート加工可能なシール材料として種々のものが提案され、また実用化されてきた。例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体やエチレン・アクリル酸エチル共重合体と粘着付与樹脂の組成物、これにポリエチレンや低結晶性エチレン・α−オレフィン共重合体などを配合した組成物などが、密封性と易開封性とを備えたシール材料となることが知られている(例えば特許文献1〜2参照)。
【0003】
しかしながら容器本体に使用されるプラスチック材料の種類も増え、新しい材料に対しては従来のシール材では充分に対応できないものもあり、新たなシール材の出現が望まれている。また既存のプラスチック材料を使用した容器であっても、用途によっては望まれるヒートシール特性が異なっていたり、また他の特性が要求されたりすることがあり、このような要求に耐えられるようなシール材料も望まれている。
【0004】
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステルなどが容器材料として古くから使用されてきたが、とくに上記ゼリー等の容器においては、透明性、耐熱性、衛生性、強度、コストなどの問題からポリプロピレンが多用されるようになってきた。プリン、ゼリー、シロップ漬け果物等の包装においては、内容物を容器口部一杯に充填すると、開封時に内容物が漏れ出すことがあるので、内容物と蓋材との間に少し空間を設ける程度に充填し、密封包装される。また充填・包装後に殺菌のために85〜95℃において数十分間熱水中でボイル処理される。
【0005】
このような用途においては、従来のシール材料に要求される諸性質、例えば、低温ヒートシール性、易開封性、開封部の外観などが良好でヒートシール強度の温度依存性が小さいという性質のほかに、ボイル処理時に容器空間の空気膨張によってシール部が破壊されないことや、ボイル処理によるシール強度の変動がないことなども求められていた。そしてポリプロピレン製容器に対しては、このような諸性質を全て満足するようなシール材料は見出されていないのが現状であった。例えば上記のようなエチレン・酢酸ビニル共重合体やエチレン・アクリル酸エチル共重合体などをベースとする材料は、一般的に軟化点が低く、耐熱性が充分でないため上記用途では問題となることがあった。また従来の易開封性を示すシール材料では、一般的に衛生試験の一つであるn−ヘプタンでの溶出試験における蒸発残留物量が多く、油性食品用途で100℃を越えて使用する場合には使用できない場合があった。
【0006】
【特許文献1】
特公昭63−29894号公報
【特許文献2】
特公平1−3895号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者等は、上記要求性能を全て満足し、したがってポリプロピレン容器用に好適な易開封性シール材を見出すべく検討を行った。その結果、後記するようなポリオレフィン組成物が、種々のシール特性や耐熱水性、とくに100℃の熱水処理にも耐えるような耐熱性に優れることを見出した。また本発明の特別な態様によれば、油性食品用途において100℃を越えて使用可能であることを見出すに至った。
【0008】
したがって本発明の目的は、易開封性シール材料として好適な、とくにはポリプロピレン製容器の蓋材シーラントとして好適な重合体組成物を提供することにある。さらに詳細には、密封性、低温ヒートシール性、易開封性、開封部の外観に優れ、ヒートシール強度の温度依存性が少なく、また100℃の熱水処理によってもシール強度の変動が少ないシール材料となるポリオレフィン組成物を提供することにある。本発明の他の目的は、上記諸特性を備えた上で、油性食品用途において100℃を越えて使用可能なシール材料となるポリオレフィン組成物を提供することにある。本発明の他の目的は、このようなポリオレフィン組成物を用いた易開封性シール材料、及び基材にこのようなシール材料を積層してなる包装材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明によれば、プロピレン系重合体(A)20〜90重量部、密度が900kg/m以上のエチレン系重合体(B)80〜10重量部、(A)+(B)の合計100重量部に対し、非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)1〜70重量部及び粘着付与樹脂(D)0.5〜30重量部の割合で配合してなるポリオレフィン組成物が提供される。本発明によればまた、このようなポリオレフィン組成物からなる易開封性シール材料が提供される。さらに本発明によれば、基材にこのような易開封性シール材料を積層した包装材料が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において使用されるプロピレン系重合体(A)は、プロピレンの単独重合体又はプロピレンを主体とするプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体である。上記プロピレンの共重合体における他のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が2〜20程度のα−オレフィンを例示することができる。このような他のα−オレフィンは、1種単独で又は2種以上組合わせて共重合させてもよい。
【0011】
これらプロピレン系重合体の中では、プロピレン単独重合体あるいはプロピレンと炭素原子数が2〜4のα−オレフィンのランダム共重合体、例えばα−オレフィン含量が20モル%以下、とくに10モル%以下のプロピレンとエチレンのランダム共重合体又はプロピレンとエチレンと1−ブテンのランダム共重合体を使用することが好ましい。またシール材料として充分な耐熱性を付与するためには、示差走査熱量計に基づく融点が125℃以上、とくに130〜170℃の高結晶性の単独重合体又はランダム共重合体であることが好ましい。また耐熱性、押出加工性などを考慮すると、230℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜500g/10分、とくに0.5〜100g/10分程度のものを使用するのが好ましい。このようなプロピレン系重合体は、立体特異性触媒の存在下で、プロピレンを重合するかあるいはプロピレンと1種以上の他のα−オレフィンを共重合することによって得ることができる。プロピレン系重合体(A)としてはまた、2種以上組合せて使用することができる。
【0012】
本発明で使用される密度が900kg/m以上のエチレン系重合体(B)は、エチレンの単独重合体又はエチレンを主成分とし、炭素数3〜20程度のα−オレフィンの1種又は2種以上を副成分とするエチレン・α−オレフィン共重合体であって、結晶性の高い重合体である。上記共重合体におけるα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が3〜20程度のα−オレフィンを例示することができる。エチレン系重合体(B)としてより具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン(エチレン・α−オレフィン共重合体)などである。このようなエチレン系重合体(B)は、チーグラー型触媒、カミンスキー型触媒、ラジカル重合触媒などを使用し、中・低圧法あるいは高圧法によって製造することができる。例えば直鎖低密度ポリエチレンはいかなる触媒系で製造されたものであってもよく、例えばカミンスキー型触媒を代表例とするシングルサイト触媒やチーグラー型触媒を代表例とするマルチサイト触媒の存在下でエチレンとα−オレフィンを共重合したものを使用することができる。
【0013】
エチレン系重合体(B)としては、密度が900kg/m以上、好ましくは910〜970kg/m、一層好ましくは915〜960kg/mのものを使用するのが望ましい。また190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜500g/10分、とくに1〜150g/10分のものを使用するのが好ましい。エチレン系重合体(B)は、2種以上組合せて使用することができる。
【0014】
本発明において使用される非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)は、エチレンを主成分とする炭素数3以上のα−オレフィンとの共重合体であって、X線回折に基づく結晶化度が通常0〜40%、好ましくは3〜15%のものである。共重合体(C)としてはまた、密度が895kg/m以下、とくに860〜890kg/mのものが好ましい。共重合体(C)における炭素数3以上のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が3〜20程度のα−オレフィンを例示することができるが、とくに炭素数3〜8程度のα−オレフィンが好ましい。共重合体(C)としてはまた、加工性、耐油性などを考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜500g/10分、とくに1〜150g/10分のものを使用するのが好ましい。このような共重合体は、例えば遷移金属触媒成分、例えばバナジウム化合物やジルコニウム化合物と、有機アルミニウム化合物触媒成分とからなる触媒を用いて、共重合体中のエチレン含量が50〜95モル%、好ましくは70〜94モル%、さらに好ましくは82〜93モル%程度になるように、エチレンとα−オレフィンを共重合することによって得ることができる。これら非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体も2種以上併用することができる。
【0015】
本発明において使用される粘着付与樹脂(D)は、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、ポリテルペン系樹脂、ロジン類、スチレン系樹脂、クマロン・インデン樹脂などを挙げることができる。脂肪族系炭化水素樹脂の例としては、1−ブテン、イソブテン、ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレンなど炭素数4〜5のモノ又はジオレフィンの少なくとも1種以上を含む留分を重合して得られる樹脂を挙げることができる。脂環族系炭化水素樹脂の例として、スペントC〜C留分中のジエン成分を環化二量化後重合させて得られる樹脂、シクロペンタジエンなどの環状モノマーを重合させた樹脂、芳香族系炭化水素樹脂を核内水添した樹脂などを挙げることができる。
【0016】
芳香族系炭化水素樹脂の例として、ビニルトルエン、インデン、α−メチルスチレンなどのC〜C10のビニル芳香族炭化水素を少なくとも一種以上含有する留分を重合して得られる樹脂、あるいはこれら留分と上記脂肪族炭化水素留分を共重合して得られる樹脂などを挙げることができる。ポリテルペン系樹脂の例としては、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体、テルペン・フェノール共重合体、α−ピネン・フェノール共重合体、これらの水素添加物などを挙げることができる。
【0017】
ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油などのロジン及びその変性物などであり、変性物としては水素添加、不均化、二量化、エステル化などの変性を施したものを例示することができる。スチレン系炭化水素樹脂としては、純度の高いスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロピルトルエンなどのスチレン系単量体の1種又は2種以上を重合して得られる分子量の低い樹脂状重合体を挙げることができる。
【0018】
本発明のポリオレフィン組成物を飲食品包装用の易開封性シール材料として使用する場合には、無臭性、食品衛生性、他成分との混和性などを考慮すると、芳香族系炭化水素樹脂を核内水添した樹脂あるいはポリテルペン系樹脂を使用することが好ましい。
【0019】
本発明のポリオレフィン組成物においては、プロピレン系重合体(A)、密度が900kg/m以上のエチレン系重合体(B)、非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)及び粘着付与樹脂(D)を所定割合で配合することが重要である。先ず、プロピレン系重合体(A)とエチレン系重合体(B)の使用割合は、両者の合計を100重量部とするときに、プロピレン系重合体(A)を20〜90重量部、好ましくは30〜80重量部、一層好ましくは50〜80重量部に対し、エチレン系重合体(B)80〜10重量部、好ましくは70〜20重量部、一層好ましくは50〜20重量部となる割合である。すなわちプロピレン系重合体(A)の使用割合が20重量部未満であると組成物のポリプロピレンに対するシール強度が弱くなり、また耐熱性も低下する。またその使用割合が90重量部を越えると、組成物がポリプロピレンに対し、広範囲なシール温度領域で適正なシール強度を示さなくなる。
【0020】
また非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)及び粘着付与樹脂(D)の配合割合は、プロピレン系重合体(A)とエチレン系重合体(B)の合計を100重量部とするときに、エチレン・α−オレフィン共重合体(C)は1〜70重量部、好ましくは10〜60重量部、また粘着付与樹脂(D)は0.5〜30重量部、好ましくは1〜30重量部の割合である。非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)を適量配合することによりシール性及び糸曳性が改善されるが、多くの場合、過度に配合するとポリオレフィン組成物の加工性が損なわれるようになるので上記のような割合で配合される。また粘着付与樹脂(D)の添加によりシール性及び糸曳性が改善され、とくに(A)と(B)の合計100重量部に対し、(C)成分の配合量が1〜50重量部であり、かつ(D)成分の配合量が0.5〜10重量部、好ましくは1〜6重量部である場合には、本組成物のn−ヘプタン抽出量が30ppm以下となり、100℃を越えるような高温での熱処理を伴う油性食品のシール材として好適である。尚、この場合のn−ヘプタン抽出量は、本発明の組成物からなる30μm厚みのフイルムを調製し、厚生省告示20号に定められた条件で処理した場合のn−ヘプタン溶出試験における蒸発残留物量である。また(D)成分の配合量が10〜25重量部の場合は、イージーピール性がとくに優れる。一方多くの場合、(D)成分を過度に配合するとポリオレフィン組成物の加工性や耐油性が損なわれるようになるので上記のような配合割合とされる。
【0021】
本発明のポリオレフィン組成物においては、任意に各種添加剤を配合することができる。かかる添加剤の代表例としては、押出加工性、離ロール性、フイルムの滑り性などの改善の目的で使用される滑剤及び/又は離ロール剤を挙げることができる。より具体的には、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、オレイルパルミドアミド、ステアリルパルミドアミド、メチレンビスステアリルアミド、メチレンビスオレイルアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレンビスエルカ酸アミドなどの各種アミド類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール、水添ひまし油、シリカ、タルクなどの無機質添加剤などである。これらの配合量は、無機質添加剤の場合は0.1〜3重量%程度、それ以外のものは0.01〜1重量%程度の範囲が適当である。
【0022】
任意に配合し得る他の添加剤の例としては、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、顔料、染料などを例示することができる。
【0023】
本発明のポリオレフィン組成物は、上記(A)、(B)、(C)、(D)の各成分、及び任意に配合される添加剤を、同時に又は逐次的に混合することによって調製することができる。ポリオレフィン組成物を調製するに当たっては、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、各種ニーダーなどを用いて溶融混合するのが好ましく、その混合順序にはとくに制限はない。
【0024】
かくして得られる本発明のポリオレフィン組成物は、押出加工性、シール強度、耐熱水性等を考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが1〜400g/10分、とくに1〜150g/10分程度となるように調製されていることが望ましい。
【0025】
本発明のポリオレフィン組成物は、易開封性シール材料、とくに包装材料の易開封性シール材料、とりわけポリプロピレンに対する易開封性シール材料として好適である。とくに前述したように、厚生省告示20号に定められた条件で処理した場合のn−ヘプタン溶出試験における蒸発残留物量が30ppm以下のポリオレフィン組成物は、油性食品用途で100℃を越えて使用可能なシール材料となる。上記のような用途に使用される場合、通常は各種基材に積層した形で使用される。かかる目的に使用される基材としては、紙、アルミニウム、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、(高衝撃)ポリスチレン、アルミ蒸着ポリエステル、アルミ蒸着ポリプロピレン、シリカ蒸着ポリエステルなどを挙げることができる。このような基材は単層である必要はなく、2層以上の積層体であってもよい。
【0026】
本発明のポリオレフィン組成物を基材に積層させるには、該組成物を予めキャスト法やインフレーション法によりフイルム化し、ドライラミネーション法により基材と貼り合わせる方法、該組成物を直接基材上に押出コーティングする方法、ポリエチレン等を接着層として用い、基材上にサンドイッチラミネーションにより接着層を介して積層する方法、基材と該組成物を共押出する方法などを採用することができる。
【0027】
かくして得られる積層体は、各種包装材料として使用することができる。とくに各種容器、とりわけポリプロピレン製容器の蓋材として使用するときに密封性、易開封性、耐熱性等に優れた蓋材となる。またポリプロピレン製容器のみならず、他の材料の容器、例えば、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の容器の蓋材としても利用できる。このような蓋付容器は、例えば、ゼリー、プリン、ヨーグルト、みつ豆、サワー、豆腐、乳酸飲料、和菓子、加工肉などの飲食物、薬品、医療容器、トナーなどの各種包装に使用することができる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。尚、実施例及び比較例において用いた原料は、以下の通りである。
【0029】
1 原料
(1)プロピレン系重合体(A)
PP:プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体(エチレン含量3.6モル%(2.4重量%)、1−ブテン含量1.9モル%(2.5重量%)、密度910kg/m、メルトフローレート(MFR)(230℃)6g/10分)
(2)エチレン系重合体(B)
LD:高圧法低密度ポリエチレン(密度923kg/m、MFR(190℃)3.7g/10分)
LL−1:直鎖低密度ポリエチレン(密度920kg/m、MFR(190℃)2.1g/10分)
LL−2:直鎖低密度ポリエチレン(密度923kg/m、MFR(190℃)3.7g/10分)
HD:高密度ポリエチレン(密度954kg/m、MFR(190℃)1.1g/10分)
mPE:直鎖低密度ポリエチレン(メタロセン触媒)(密度925kg/m、MFR(190℃)4.0g/10分)
【0030】
(3)非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)
VL−1:低結晶性エチレン・1−ブテンランダム共重合体(エチレン含量89.1モル%、結晶化度10%、密度886kg/m、MFR(190℃)4.0g/10分)
VL−2:非晶性エチレン・プロピレン共重合体(密度870kg/m、MFR(190℃)2.9g/10分)
(4)粘着付与樹脂(D)
P115:水素添加芳香族炭化水素樹脂(商品名:アルコンP115(荒川化学(株)製、環球法軟化点115℃)
【0031】
[実施例1〜5、比較例1〜3]
表1に示す配合組成のポリオレフィン組成物から50μmのインフレーションフイルムを作成し、これを予め作成した延伸PET(厚さ12μm)/低密度ポリエチレン(厚さ20μm)からなる2層構成の積層フイルムのポリエチレンフイルム面側に、低密度ポリエチレン(厚さ20μm)を接着層とするサンドイッチラミネーション法により積層し、試験基材を得た。
【0032】
厚さ300μmのポリプロピレンシートにこの試験基材をそのポリオレフィン組成物面が当接するように重ね合わせ、180℃、圧力0.2MPa、シール時間1.0秒の条件でヒートシールして積層体を得た。この積層体から試験基材部を剥離したときの剥離強度を測定した。また剥離状況として、剥離強度を測定したサンプルのシール部分の糸曳き状態を観察し、糸曳きなし〜微少の状態をA、糸曳きの少ない状態をB、糸曳きの多い状態をCとした。これらの結果を表1に併記する。
【0033】
【表1】
Figure 2005041890
【0034】
[実施例6〜8、比較例4]
表2に示す配合組成のポリオレフィン組成物から30μmのインフレーションフイルムを作成し、これを延伸PET(厚さ12μm)と低密度ポリエチレン(厚さ20μm)を接着層とするサンドイッチラミネーション法により積層し、試験基材を得た。この試験基材を用いて、厚生省告示20号で規定されたn−ヘプタン溶出試験をポリオレフィン組成物面の片面抽出で行ない、その蒸発残留物量を測定した。これらの結果を表2に併記する。。
【0035】
また実施例1と同様に、上記試験基材と厚さ300μmのポリプロピレンシートの積層体を作成し、剥離強度の測定と剥離状況の観察を行なった。これらの結果を表2に併記する。
【0036】
【表2】
Figure 2005041890
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、易開封性シール材料として好適なポリオレフィン組成物を提供することができる。とくにポリプロピレンに対してヒートシールする場合、ヒートシール強度の温度依存性が小さいので広い温度範囲でシールすることができ、また熱水処理をしてもシール強度の大きい変動がないので、ポリプロピレン用の易開封性シール材料として好適である。また粘着付与樹脂(D)の配合量が0.5〜10重量部と少量の場合は、油性食品用途で100℃を越えても使用できるので、油性食品用のシール材として好適である。

Claims (5)

  1. プロピレン系重合体(A)20〜90重量部、密度が900kg/m以上のエチレン系重合体(B)80〜10重量部、(A)+(B)の合計100重量部に対し、非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)1〜70重量部及び粘着付与樹脂(D)0.5〜30重量部の割合で配合してなるポリオレフィン組成物。
  2. (A)+(B)の合計100重量部に対し、非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)の配合量が1〜50重量部、粘着付与樹脂(D)の配合量が0.5〜10重量部である請求項1記載のポリオレフィン組成物。
  3. 厚生省告示20号に定められた条件で処理した場合のn−ヘプタン溶出試験における蒸発残留物量が30ppm以下である請求項2記載のポリオレフィン組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン組成物からなる易開封性シール材料。
  5. 基材に請求項4記載の易開封性シール材料が積層されてなる包装材料。
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