JP3225359U - 熱接着フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】凹凸表面を有するポリプロピレン樹脂等の表面を有する被着体に対しても、熱接着フィルムの該凹凸側でない面を平滑に保ち、十分に熱接着する熱接着フィルムを提供する。【解決手段】 ポリプロピレンホモポリマー及び/又はプロピレン系ブロック共重合体を含有し、厚さが7.0μm以上かつ曲げ弾性率が350MPa以上、融点が150〜170℃の支持層、及び、該支持層の両面に形成され、プロピレン系ランダム共重合体を含有し、厚さが10〜180μm、MFRが1.0〜20.0g/10min、融点が前記支持層の融点より20〜90℃低い表面層1、2からなる。【選択図】図1

Description

本考案は、表面がポリプロピレン樹脂等からなる被着体同士を熱接着させる熱接着フィルムである。
一般的に表面が樹脂からなる被着体を別の被着体と熱接着又は溶着シートを介して一体化させることは公知である。
但し、熱接着をより容易に、又はより確実に行うために、特に樹脂である被着体の表面を予めコロナ放電処理等の処理をしたり、プライマー層を形成させたり、また、他の被着体と熱接着し易い樹脂を表面に使用する等がなされている。
特許文献1に記載のように、ポリプロピレン樹脂に粘着付与樹脂を配合することで粘着性を付与した組成物を、ホットメルト接着剤とすることも知られている。
粘着付与樹脂を配合してなるホットメルト接着フィルムを使用して、表面凹凸の被着体の表面に熱接着するときには、加熱により軟化したホットメルト接着フィルムが凹凸表面をなぞるように曲がる。その結果として、ホットメルト熱接着フィルムの該凹凸側ではない面も、表面凹凸の凹凸を反映した凹凸表面を形成する。
仮にその凹凸表面の状態で、ホットメルト接着フィルム表面に別の被着体を熱接着させると、熱接着時の加熱加圧により、熱接着フィルムも凹凸に沿って曲がるために、本来平滑表面の被着体の表面にも凹凸が形成されてしまう。
また、少なくとも一つの表面凹凸を有する被着体同士をホットメルト接着剤や熱接着フィルムを用いて熱接着させる場合には、被着体の表面凹凸があることにより接着面積を十分確保できずに被着体同士を十分に熱接着させることが困難であった。
さらに、被着体が織布、不織布、連続気泡を有する発泡体では熱接着時に接着体の表面や内部に熱接着フィルム等がとどまらず、熱接着面でない裏面まで浸透して接着後に外観不良を引き起こすことがあった。
特開平10−46121号公報
上記のように、2つのポリプロピレン樹脂等の表面を有する被着体同士を、十分な熱接着強度により熱接着させることは困難であった。特に少なくとも一方の被着体の表面が凹凸を有するときにおいて、その凹凸の存在に影響されず他方の平滑表面の被着体を表面が平滑のままで熱接着することが困難であった。
そして、本考案は凹凸表面を有するポリプロピレン樹脂等の表面を有する被着体に対しても、十分な強度で熱接着する熱接着フィルムを得ることを課題とする。
また、少なくとも一つの凹凸表面を有するポリプロピレン樹脂等の表面を有する被着体同士を接着する場合に、十分な強度で熱接着できる熱接着フィルムを得ることを課題とする。
さらに、被着体として織布、不織布、連続気泡を有する発泡体を用いる場合にも、接着後の外観が良好であり十分な熱接着できる熱接着フィルムを得ることを課題とする。
本考案者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の手段で解決することができることを見出し、本考案をなすに到った。
1.ポリプロピレンホモポリマー及び/又はプロピレン系ブロック共重合体を含有し、厚さが7.0μm以上かつ曲げ弾性率が350MPa以上、融点が150〜170℃の支持層、及び、該支持層の両面に形成され、プロピレン系ランダム共重合体を含有し、厚さが10〜180μm、MFRが1.0〜20.0g/10min、融点が前記支持層の融点より20〜90℃低い表面層1、2からなる熱接着フィルム。
2.支持層の融点が155℃以上かつ表面層1、2のMFRが5.0〜9.0g/10min、融点が130℃以下である1に記載の熱接着フィルム。
3.少なくとも一方の面の表面層がプロピレン系ランダム共重合体とプロピレン系エラストマーを含有する1又は2に記載の熱接着フィルム。
本考案の熱接着フィルムによれば、本来熱接着することが困難であったポリプロピレン樹脂等の表面を有する被着体同士を熱接着することができる。さらに、少なくとも一方の被着体の表面が凹凸表面であっても確実に熱接着でき、かつその表面に熱接着された他方の被着体の表面には、その凹凸を反映して、新たに凹凸を生じることがないという効果や優れた熱接着強度を奏する。
本考案の熱接着フィルムの断面図
以下、本考案を実施するための好ましい形態を説明するが、本考案の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
以下、本考案の熱接着フィルムを説明する。
本考案の熱接着フィルムは、図1に示すように、支持層と、支持層の両面に設けられた表面層1及び2を基本としてなる。その各表面層は加熱により溶融し、冷却又は放冷により固化する性質を有し、その性質を利用してそれぞれの被着体を接着するものである。
<支持層>
本考案における支持層としては、ポリプロピレンホモポリマー及び/又はプロピレン系ブロック共重合体を含有する層である。
支持層に必要な性質は、両面の表面層と剥離せず、加熱接着時における、加圧され、かつ加熱された温度下においても、十分にその形状を保ち、流動性を生じず、さらに曲げ弾性率が高く、過度に可撓性を生じることがないものである。
そのため、支持層の厚さは、好ましくは7.0μm以上、より好ましくは15μm以上、さらに好ましくは25μm以上である。そして、ある程度の硬さを有し、下記の表面層の融点よりも、支持層は20〜90℃高い融点を有することが好ましく、25〜65℃高い融点を有することがより好ましい。さらに、被着体であるプロピレン系樹脂の熱接着時の加熱による変形を防ぐために本考案における支持層はポリプロピレンホモポリマー及び/又はプロピレン系ブロック共重合体を含有することが必要である
この結果として、表面に凹凸を有する被着体の凹凸面に、熱接着フィルムを介して表面が平滑なシート状被着体等を熱接着させて、表面が平滑な被着体を製造するにあたり、熱接着できる加熱条件下でたとえ表面層が流動性を有しても、支持層までを溶融させないようにできる。よって、支持層の曲げ弾性率が高いこともあり、熱接着時の加熱加圧条件下でも、被着体表面の凹凸形状に沿って支持層が曲がることがなく、支持層は被着体表面の凹凸形状に関係なく平滑の状態にできる。
このように凹凸表面に熱接着可能な場合には、凹凸を有しない平滑表面を被着体表面とする場合においても、十分に熱接着させることができる。
また、支持層自体は表面が平滑でも凹凸でも良く、支持層がポリプロピレンホモポリマー及び/又はプロピレン系ブロック共重合体を含有する2層以上から形成されていても良い。
このような支持層に含有される、ポリプロピレンホモポリマー及び/又はプロピレン系ブロック共重合体を含有する層としては、ポリプロピレンホモポリマーとプロピレン系ブロック共重合体から任意に選択して含有させることができる。プロピレン系ブロック共重合体は、プロピレンと他のオレフィンとのブロック共重合物であり、繰り返し単位中のプロピレンが50モル%以上の共重合体である。使用できる他のオレフィンは、プロピレン以外の炭素数2〜10のオレフィンであり、好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン及び1−オクテン等のα−オレフィン、及びエチレンから選ばれた1種以上であり、さらに好ましくはエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンである。
またこの共重合体を酸や塩素で変性したものでも良いが、このような変性をしなくても良い。
上記ポリプロピレンホモポリマーやプロピレン系ブロック共重合体を含有する支持層のMFRは、好ましくは0.5g/10min以上、より好ましくは0.7g/10min以上、さらに好ましくは1.0g/10min以上である。また、好ましくは10.0g/10min以下、より好ましくは5.0g/10min以下、さらに好ましくは3.0g/10min以下である。
支持層の融点は、好ましくは150〜170℃、より好ましくは155〜170℃、更に好ましくは160〜170℃である。
このような支持層として、サンアロマー及びクオリア(以上サンアロマー社)、ウェイマック(日本ポリプロ社)、プライムポリマー(プライムポリマー社)、ゼラス(三菱ケミカル社)等を使用できる。
支持層の融点は、熱接着フィルムによる熱接着時の加熱温度よりも高くなることが必要である。そのため、通常の熱接着時の加熱温度の範囲から選択された加熱温度に対して、溶融しない範囲での融点のものを選択できる。
また、結晶核剤を配合しても良い。結晶核剤としてはポリプロピレンに効力のある公知のものを使用することができ、ジベンジリデンソルビトール誘導体、リン酸エステル金属塩、安息香酸金属塩、ピメリン金属塩、ロジン金属塩、キナクリドン、シアニンブルー、アミド系化合物、タルク、炭酸カルシウムなどが挙げられる。添加量としては支持層組成物100重量部中0.01〜10部が好ましい。上記結晶核剤としては、新日本理化製のゲルオール、エヌジェスター、アデカ製のアデカスタブなどが挙げられる。
曲げ弾性率は好ましくは350MPa以上、より好ましくは800MPa以上、さらに好ましくは1100MPa以上であることが好ましい。
支持層にはプロピレン系ランダム共重合体を含有しても良いが、本考案による効果を損なわない程度の含有量に留める。
さらに支持層は、無延伸、一軸延伸又は二軸延伸のいずれでも良いが、加熱により収縮しないことが必要である。
支持層には、カーボンブラック、金属粉、シリカ、炭酸カルシウム、マイカ、ガラスフレーク等を配合できる。またガラス繊維、炭素繊維等を配合することもできる。特に導電性を有する顔料等を配合すると、熱接着時において誘導加熱手段を採用して、直接支持層を加熱することができる。
またこれらの顔料や繊維を配合することにより、曲げ弾性率等の物性を調整したり、溶融時の流動性を低下させ、MFR等の物性を調整させたりすることができる。
<表面層>
本考案において、該支持層の両面に形成される表面層は、プロピレン系ランダム共重合体を含有する層である。
表面層に必要な性質は、支持層と一体化して剥離せず、加熱接着時の加熱温度において、適度な流動性を有することである。
支持層の両面に形成された表面層は、互いに同一の組成でも良く、異なった組成のものでも良い。
表面層の厚さは、2つの表面層は共に10〜180μmである。厚みは同じであっても異なっても良い。
このような表面層のMFRは1.0〜20.0g/10min、好ましくは1.0〜10.0g/10min、より好ましくは5.0〜9.0g/10minである。表面層の融点は80〜150℃であることが好ましく、80〜140℃がより好ましく、90〜130℃がさらに好ましい。
この結果として、表面に凹凸を有する被着体の凹凸面に、表面が平滑なシート状被着体等を熱接着させて、表面が平滑な被着体を製造するにあたり、熱接着できる加熱条件下で表面層が流動性を有し、かつ、支持層が溶融させないようにすることができる。被着体表面の凹凸形状に沿って支持層が曲がることがなく、支持層は被着体表面の凹凸形状に関係なく平滑の状態にできる。
なお、支持層や表面層の融点は、加熱接着の温度等の条件及び熱接着される被着体の融点や軟化点等を考慮して選択し得る。
このような表面層に含有される、プロピレン系ランダム共重合体としては、公知のプロピレン系ランダム共重合体から任意に選択して含有させることができる。
プロピレン系ランダム共重合体は、プロピレンと他のオレフィンとのランダム共重合物であり、繰り返し単位中のプロピレンが50モル%以上の共重合体である。使用できる他のオレフィンは、プロピレン以外の炭素数2〜10のオレフィンであり、好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン及び1−オクテン等のα−オレフィン、及びエチレンから選ばれた1種以上であり、さらに好ましくはエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンである。
このプロピレン系ランダム共重合体はメタロセン触媒により得たものでも良く、チグラー・ナッタ触媒により得たものでも良い。
またこの共重合体を酸やハロゲンにより変性したもので良いが、未変性でも良い。
このような表面層の材料としては、ノーブレン(住友化学社)、ウィンテック(日本ポリプロ社)、ゼラス(三菱ケミカル社)、タフマー(三井化学社)を使用できる。
一面又は両面の表面層にはポリプロピレンエラストマーを配合でき、その場合には熱接着フィルムの耐寒性や耐衝撃性を向上できる。また配合しなくてもよい。
配合できるポリプロピレンエラストマーとしては、プロピレンと、共重合成分としてエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等のα−オレフィン成分を1種以上共重合して得た共重合体であり、これらのランダム共重合体やブロック共重合体を使用できる。
ポリプロピレンエラストマーとしては、結晶性のエラストマーと非晶性のエラストマーの何れも使用することができるが、表面層を構成するプロピレン系ランダム共重合体との密着性に優れ且つ柔軟性にも優れる非晶性のエラストマーが好ましい。
表面層中にポリプロピレンエラストマーを配合する場合には、表面層中に1.0〜50.0重量%となるように配合できる。
表面層には、結晶核剤、カーボンブラック、金属粉、シリカ、炭酸カルシウム、マイカ、ガラスフレーク等を配合できる。またガラス繊維、炭素繊維等を配合することもできる。特に導電性を有する顔料等を配合すると、熱接着時において誘導加熱手段を採用して、直接表面層を加熱することができる。
またこれらの顔料や繊維を配合することにより、溶融時の流動性を低下させ、MFR等の物性を調整することができる。
結晶核剤としてはポリプロピレンに使用できる公知のものを使用することができ、ジベンジリデンソルビトール誘導体、リン酸エステル金属塩、安息香酸金属塩、ピメリン金属塩、ロジン金属塩、キナクリドン、シアニンブルー、アミド系化合物、タルク、炭酸カルシウムなどが挙げられる。添加量としては表面層組成物100重量部中0.01〜10部が好ましい。上記結晶核剤としては、新日本理化製のゲルオール、エヌジェスター、アデカ製のアデカスタブなどが挙げられる。
なお、粘着付与剤を配合しても良く、配合しなくても良い。
(熱接着フィルムの製造)
本考案の熱接着フィルムは、各層を構成する材料をそれぞれ加熱混合し、これらを支持層、2つの表面層の合計3層となるように共押出成形したり、予め得た支持層に片面ずつ順に表面層を押出被覆したりして得ることができる。
また各層を流延や、セパレータ上に各層の組成の溶液を塗布・乾燥したものを任意の手段により積層させる等により得ることができる。
得られた熱接着フィルムの片面又は両面に、汚れ防止等の目的で剥離シートを積層することができる。この場合には使用直前に剥離シートを剥離して使用する。
(熱接着方法)
本考案の熱接着フィルムは、少なくとも一方が凹凸表面を有する、プロピレン系樹脂又はポリエステル樹脂からなる表面を有する被着体と、プロピレン系樹脂からなる表面を有する被着体を熱接着する方法に使用される。また表面が平滑なプロピレン系樹脂からなる表面を有する被着体を熱接着する方法にも使用される。
これらの被着体としては、織布、不織布、発泡体、又は表面が平滑な成形体等の形態を問わず採用できる。
熱接着される被着体の表面間に本考案の熱接着フィルムを挟み、プレス等により押圧を加えつつ加熱を行う。加熱温度よりも、支持層の融点が高く、かつ表面層の融点が低い熱接着フィルムを選択する。
このため、加熱中でも支持層は溶融せず、表面層が溶融するので、溶融した表面層は、被着体表面と相溶したり、溶融した表面層が被熱接着物表面と馴染んだりする等によって被熱接着物に対して熱接着する。
少なくとも一方の被着体表面が凹凸表面であるときには、加熱により溶融した表面層が凹部に移動して、凹凸の斜面の面積を含んでより大面積で被着体表面と密着できる。しかしながら、支持層は溶融しないために、熱接着フィルム全てが一方の被着体表面の凹部に充填されない。
このとき、支持層は表面層と一体となった状態で一方の被着体表面の凸部に熱接着されるので、通常凹凸表面は該平滑な支持層によって被覆された状態となる。
よって、他方の被着体表面が平滑な場合には、平滑な表面同士の熱接着として十分に熱接着でき、他方の被着体表面が凹凸表面である場合には、凹凸の斜面を含むより大面積で熱接着させることができる。
なお、被着体が織布や不織布等、連通気泡を有する発泡体の場合には、表面層が厚すぎると、熱接着時に溶融した表面層が、被着体表面と内面に留まらず、熱接着面ではない裏面まで浸透する可能性がある。
そのため、表面層の厚さや流動性、加熱温度や圧力等を調整する必要がある。
以下、実施例を挙げて、本考案をさらに具体的に説明する。なお、実施例は考案の一形態を示すものであり本考案はこれに限定されるものではない。
下記表1に示す樹脂を使用して、多層インフレーション成形により表2に示した熱接着フィルムを得た。表1及び2に記載のPPはポリプロピレンの略であり。表2中の支持層、表面層1及び2の欄の括弧内の数字は重量部であり複数の材料からなる層の場合には、複数の材料の混合比率を示す。
なお、表1中のTPOはオレフィン系熱可塑性エラストマーである。
結晶核剤としてはゲルオールD(新日本理化製、ジベンジリデンソルビトール誘導体系)を使用した。
(融点)
測定条件:
昇温速度10℃/min、冷却速度10℃/minの条件にて昇温−冷却―再昇温工程を実施して、再昇温時の吸熱ピークにより融点を求めた。
なお、吸熱ピークが複数ある場合、最も高温の吸熱ピークを融点とする。
(MFR)
測定条件:JIS K7210 A法に基づき測定した。
測定温度230℃、荷重2160gの条件にてある一定の時間間隔で押出物を切取り、その切取り片の質量を測定して、以下の計算式によりMFRを求めた。
[計算式]・・・ MFR(g/10min)=600×m/t
MFR…メルトマスフローレイト(g/10min)
m…切取り片の平均質量(g)
t…試料の切取り時間間隔(s)
600…基準時間の秒数(=10分)
(曲げ弾性率)
測定条件:JIS K7171に基づき測定した。
試験片は熱プレス機を用いて各原料を溶融して作製した。
(熱接着条件)
支持層の片面に表面層1を積層し、他面に表面層2を積層した熱接着フィルムを準備した。
表面層1側に、
ポリプロピレン板(厚さ3.0mm、幅25mm 長さ200mm、融点160℃、表面粗さRa0.1μm)、
又はポリプロピレンシート(厚さ0.2mm、幅25mm、長さ350mm、 融点160℃、表面粗さRa0.1μm)を熱接着した。
表面層2側に、
ポリプロピレン(PP)フォーム(厚さ2.0mm、幅25mm、長さ350mm、融点150℃、表面粗さRa30μm)、
GFPP(ガラス繊維+ポリプロピレン)(厚さ5.0mm、幅25mm、長さ200mm、融点(ガラス繊維1400℃、PP160℃、表面粗さRa80μm)
又はポリエステル不織布(厚さ2.0mm、幅25mm、長さ350mm、融点250℃、ポリエステル繊維の繊度1.7dtex(繊維径 約Φ10μm)を熱接着した。
表面層1側にポリプロピレン板を熱接着するときには、表面層2側にポリプロピレンフォーム又はポリエステル不織布を熱接着した。
表面層1側にポリプロピレンシートを熱接着するときには、表面層2側にGFPPを熱接着した。
ポリプロピレン板、ポリプロピレンシート、ポリプロピレンフォーム、GFPP及びポリエステル不織布の、各厚さ以外のサイズをデジタルノギスで測定した。
また、各層の厚さをダイヤルゲージにて測定した。
(PPフォーム、GFPPの表面粗さ測定条件)
キーエンス社製 ワンショット3D形状測定機(VR−3000)計測条件 カメラ:倍率36、粗さ規格ISO25178−2−2012)を使用した。
(PP板の表面粗さ測定条件)
東京精密社製HANDY SURF(E−35A/B)を使用した。
(熱接着条件)
得られた熱接着フィルムを用い、新東工業製 精密ホットプレス機(CYPT−50)により、プレス温度150℃、プレス荷重0.3kN、プレス時間120秒、熱接着面積3750mm(25mm×150mm)で熱接着した。
(熱接着性)
熱接着した測定サンプルを測定前に、23℃環境下にて24時間静置した後、剥離力を測定した。
測定条件:JIS K 6854−2 参照
180度剥離測定。引張速度100mm/min
測定機器
島津製作所製 引張試験機(AG−IS)
○:被着体破壊
×:被着体非破壊で、熱接着の界面での剥離
(外観)
PP板/熱接着フィルム/不織布の熱接着後、樹脂が不織布を通過し不織布の表面に染み出しているかを目視で確認した。
〇:染み出しなし
×:染み出しあり
(寸法変化)
加熱前の熱接着フィルムの寸法1に対して、150℃で60秒間加熱した後の熱接着フィルムの寸法2の変化率(寸法2/寸法1)を測定した。
〇:寸法変化10%以下
×:寸法変化10%超
(総合評価)
〇:150℃プレス時接着性、被着体接着後外観、寸法変化評価が良好である。
×:150℃プレス時接着性、被着体接着後外観、寸法変化評価のいずれかが良好でない。
本考案の例である各実施例によれば、PPフォーム、GFPP及び不織布のいずれを熱接着しても、プレス時の熱接着性が良好であった。これに対して、支持層、表面層1及び2の融点が全て同じである比較例1、支持層の融点が表面層1及び2よりも低温である比較例2、表面層1及び2のMFRが高い比較例3、表面層1及び2のMFRが高く、かつ支持層の融点が両表面層の融点よりも5℃高いに留まる比較例4、支持層を有しない比較例5によれば、外観は良好であるものの、プレス時の熱接着性が不良であった。
上記表3には、表面層1、2にPP12を100重量部、支持層にPP1を100重量部として、層厚みによる接着性の違いを確認した。
例えば実施例18として、表面層1及び2、さらに支持層の全層の厚さを10μmとし、表面層1側の被着体をPP板、表面層2側の被着体をPPフォームとして、熱接着したときの外観、寸法変化、総合評価に優れていた。実施例18の他の被着体の例及び実施例19〜22も同様であった。
しかしながら、1つの表面層が5μmである比較例8では、特に厚さが5μmの表面層側にPPフォーム等の凹凸表面を有する被着体を熱接着させたときには十分な接着力を得ることができず、また比較例9のように、支持層が5μmである場合にも、凹凸表面を有する被着体に対する接着性が不十分であった。
また、比較例10のように、凹凸表面側の表面層2が厚すぎる場合には、凹凸表面を有する特に不織布の接着面の反対側の表面まで、表面層2の樹脂が浸透して、外観を損なう結果となった。

Claims (3)

  1. ポリプロピレンホモポリマー及び/又はプロピレン系ブロック共重合体を含有し、厚さが7.0μm以上かつ曲げ弾性率が350MPa以上、融点が150〜170℃の支持層、及び、該支持層の両面に形成され、プロピレン系ランダム共重合体を含有し、厚さが10〜180μm、MFRが1.0〜20.0g/10min、融点が前記支持層の融点より20〜90℃低い表面層1、2からなる熱接着フィルム。
  2. 支持層の融点が155℃以上かつ表面層1、2のMFRが5.0〜9.0g/10min、融点が130℃以下である請求項1に記載の熱接着フィルム。
  3. 少なくとも一方の面の表面層がプロピレン系ランダム共重合体とプロピレン系エラストマーを含有する請求項1又は2に記載の熱接着フィルム。
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