JP6810898B2 - ホットメルト接着剤組成物、ホットメルト接着剤組成物の使用方法、自動車内装材、自動車内装用プレコート表皮材、及び、自動車内装材の製造方法 - Google Patents

ホットメルト接着剤組成物、ホットメルト接着剤組成物の使用方法、自動車内装材、自動車内装用プレコート表皮材、及び、自動車内装材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、無溶剤型で非反応型のホットメルト接着剤組成物、その使用方法、それを用いた自動車内装材、自動車内装用プレコート表皮材、及び、自動車内装材の製造方法に関する。本発明は特に、ポリオレフィン等の成形品とポリオレフィン発泡体付き表皮材等の表皮材とを接着する際に好適に用いられ、無溶剤型で、プレコート表皮材を積層保管できて、かつ接着性に優れた自動車内装用の非反応型のホットメルト接着剤組成物、その使用方法、それを用いた自動車内装材、自動車内装用プレコート表皮材、及び、自動車内装材の製造方法に関する。
自動車内装材であるドア、インストルメントパネル、天井材、リアトレイ、ピラー等は、一般的に成形品と表皮材から構成されている。成形品は、主にポリオレフィン成形品が使用される。一方、表皮材は、ポリオレフィン発泡体付きの軟質ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン発泡体付きのオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン発泡体付きのファブリック等の表皮材が使用されている。これら成形品と表皮材とは、接着剤を介して、真空成形工法、プレス圧着工法等で接着される。
これら自動車内装材の真空成形工法には溶剤型一液反応型接着剤が広く使用されている。例えば特許文献1には、アクリルモノマーをグラフト重合したスチレンブロック共重合体に、シランカップリング剤を配合したことを特徴とする溶剤型一液湿気硬化型の接着剤組成物が開示されている。さらに、特許文献2には、カルボン酸基もしくはその無水基を含有するポリマーと、潜在性硬化剤としてのポリアミン化合物とを有機溶剤に分散した、一液型熱架橋性の接着剤組成物が開示されている。しかしながら、環境対応への要求水準が高まり、無溶剤型接着剤への切り替えが望まれている。
溶剤型自動車内装用接着剤の無溶剤化代替候補としては、ホットメルト接着剤が挙げられる。ホットメルト接着剤の中でも反応型ホットメルト接着剤は耐熱性に優れるという特長を有する。しかしながら、反応型ホットメルト接着剤は、養生時間と塗布作業時及び貯蔵時安定性とのバランスが得難い。また、被着体がポリオレフィン成形品である場合の接着性を考慮すると、ポリオレフィンをシラン変性した反応型ポリオレフィン接着剤、例えば特許文献3に開示されている組成物などが候補となるが、養生時の加水分解反応によって雰囲気中に有機溶剤を放出するおそれがあり、環境対応型接着剤としての使用には課題が残る。
反応型ホットメルト接着剤以外のホットメルト接着剤として、非反応型のホットメルト接着剤は、原材料及び加水分解反応由来の有機溶剤が揮発する懸念が無いため、環境対応型接着剤として期待が非常に大きく、有望である。また、非反応型であるため、養生時間が不要であり、塗布作業時及び貯蔵時安定性も高く、使用者の使い勝手が良い。このような非反応型でポリオレフィン成形品への接着性に優れる接着剤として、例えば、特許文献4には、アモルファス−ポリ(α−オレフィン)をベースポリマーとしたホットメルト接着剤組成物、及び、そのホットメルト接着剤組成物を自動車内装用表皮材の裏面に予め塗布してなるプレコート表皮材としての自動車内装材の製造方法が開示されている。
特開2000−303047号公報 特開2000−198940号公報 特開2013−216724号公報 特開2004−284575号公報
しかし、特許文献4に開示された接着剤組成物をポリオレフィン発泡体付き軟質ポリ塩化ビニル表皮にプレコートした後で、積層保管した場合、ホットメルト接着剤に軟質ポリ塩化ビニル由来の可塑剤が移行する。例えば、図1に示すように、ポリプロピレン発泡体2付軟質ポリ塩化ビニル3にホットメルト接着剤1をプレコートしたプレコート表皮材を積層保管すると(図1−(a))、積層保管中に、軟質ポリ塩化ビニル3が含有する可塑剤が、隣接するプレコート表皮材のホットメルト接着剤1の層に、矢印4で示すように移行する(図1−(b))。可塑剤移行を受けたホットメルト接着剤5は隣接する軟質ポリ塩化ビニル3にべた付いてしまい、プレコート表皮材の引き離し時に糸引きを発生し(図1−(c))、引き離し後にも軟質ポリ塩化ビニル3の表面に一部付着したまま残存してしまう(図1−(d))。可塑剤移行は、ホットメルト接着剤の凝集力を著しく低下させるだけでなく、軟質ポリ塩化ビニル等の表皮材の表面へのベタツキ成分の付着を生じさせてしまい、外観汚染をおこす。そのため、可塑剤移行により外観汚染が発生する従来のホットメルト接着剤を使用したプレコート表皮材では、積層保管することができなかった。プレコート表皮材を連続生産して積層保管することができると、接着剤使用現場での塗布スペースを集約・削減できることとなり、工程合理化の観点からも好ましい。
なお、ここでプレコートとは、真空成形工程等の被着体同士の貼り合せ工程前に、一方の被着体の表面、例えば、ポリオレフィン発泡体付き軟質ポリ塩化ビニル等の表皮材の裏面に、予め接着剤を塗布することを意味し、プレコート表皮材等のプレコート被着体とは、貼り合わせ工程前に予め接着剤を塗布された表皮材等の被着体を意味する。
前述したように、従来から知られているポリオレフィン成形品への接着性に優れる非反応型ホットメルト接着剤を、ポリオレフィン発泡体付き軟質ポリ塩化ビニル表皮裏面にプレコートした後で積層保管すると、軟質ポリ塩化ビニル由来の可塑剤がホットメルト接着剤に移行してしまうため、積層保管することができなかった。
このような状況に鑑み、本発明は、プレコート表皮材を積層しても可塑剤移行を防止することができ、プレコート表皮材等のプレコート被着体の積層保管を可能とする無溶剤型で非反応型のホットメルト接着剤組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、(1)マルチサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体(A)、シングルサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体(B)、エチレン−極性基含有モノマー共重合体(C)、水添系粘着付与樹脂(D)及びポリプロピレン系ワックス(E)を含有する混合物であって、(B)の融点が120℃以上であり、(C)を構成する全モノマーの合計含有量中の極性基含有モノマー量が16wt%以上であり、(A)と(B)と(C)の合計含有量100質量部に対して、(D)と(E)の合計含有量が50〜300質量部であるホットメルト接着剤組成物を提供するものである。
本発明はまた、(2)エチレン−極性基含有モノマー共重合体(C)が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である、(1)に記載のホットメルト接着剤組成物を提供するものである。
本発明はさらに、(3)水添系粘着付与樹脂(D)が、水添テルペン樹脂及び水添石油樹脂の少なくともいずれか一方を含む、(1)又は(2)に記載のホットメルト接着剤組成物を提供するものである。
本発明はさらに、(4)180℃溶融粘度が100000mPa・s以下である、(1)〜(3)のいずれかに記載のホットメルト接着剤組成物を提供するものである。
本発明はさらに、(5)α−オレフィン共重合体(A)100質量部当たり、α−オレフィン共重合体(B)50〜350質量部を含有する(1)〜(3)のいずれかに記載のホットメルト接着剤組成物を提供するものである。
本発明はさらに、(6)軟化点が130℃以上である、(1)〜(5)のいずれかに記載のホットメルト接着剤組成物を提供するものである。
本発明はさらに、(7)(1)〜(6)のいずれかに記載のホットメルト接着剤組成物を、第一被着体の表面に予め塗布し、前記第一被着体とその表面に形成されたホットメルト接着剤組成物層とを含むプレコート被着体を作製する工程、及び、前記プレコート被着体のホットメルト接着剤組成物層を再活性化し、再活性化されたホットメルト接着剤組成物層を第二被着体に当接させた状態で前記プレコート被着体と前記第二被着体とを圧着する工程、を含む、ホットメルト接着剤組成物の使用方法を提供するものである。
本発明はさらに、(8)ホットメルト接着剤組成物の被着体の表面への塗布量が10〜300g/mである(7)に記載の使用方法を提供するものである。
本発明はさらに、(9)自動車内装用成形品、及び、(1)〜(6)のいずれかに記載のホットメルト接着剤組成物によって前記成形品に接着されている自動車内装用表皮材、を含む自動車内装材を提供するものである。
本発明はさらに、(10)自動車内装用表皮材、及び、前記表皮材の裏面に(1)〜(6)のいずれかに記載のホットメルト接着剤組成物を塗布して形成されたホットメルト接着剤組成物層、を含む自動車内装用プレコート表皮材を提供するものである。
本発明はさらに、(11)(10)に記載の自動車内装用プレコート表皮材と自動車内装用成形品とを、前記プレコート表皮材のホットメルト接着剤組成物層を加熱して前記成形品に当接させた状態で圧着する工程を含む自動車内装材の製造方法を提供するものである。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、前記の構成により、プレコート表皮材を積層しても可塑剤移行を防止することができ、プレコート表皮材等のプレコート被着体の積層保管を可能とする無溶剤型で非反応型のホットメルト接着剤組成物を提供することができる。
プレコート表皮材を積層保管した場合の可塑剤移行の現象を説明する断面模式図。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではない。
[ホットメルト接着剤組成物]
本実施の形態のホットメルト接着剤組成物は、マルチサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体(A)、シングルサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体(B)、エチレン−極性基含有モノマー共重合体(C)、水添系粘着付与樹脂(D)及びポリプロピレン系ワックス(E)を含有する混合物であって、(B)の融点が120℃以上であり、(C)を構成するモノマーの合計含有量中の極性基含有モノマー量が16wt%以上であり、(A)と(B)と(C)の合計含有量100質量部に対して、(D)と(E)の合計含有量が50〜300質量部であるホットメルト接着剤組成物である。
(成分(A))
本発明のホットメルト接着剤組成物におけるマルチサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体(A)は、シングルサイト触媒重合物と比較して、分子量分布及び結晶性分布が不均一であるため、加熱溶融後のタックが発現しやすい。そのため、貼り合せ時の濡れ性に寄与する。α−オレフィン共重合体(A)の融点は目的とする諸物性により異なるため、特に限定はされない。しかしながら、ホットメルト接着剤組成物は、貼り合せ時のホットメルト接着剤組成物面の表面加熱温度が160℃程度の低温でも十分なタックを発現することが好ましい。従って、α−オレフィン共重合体(A)の融点は160℃以下が好ましく、より好ましくは、140℃以下であり、更に好ましくは、120℃以下であり、特に好ましくは100℃以下もしくは融点が検出されないことである。
マルチサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体(A)の市販品としては、例えば、エボニック社製の商品名「ベストプラスト308」、「ベストプラスト408」、「ベストプラスト508」、「ベストプラスト520」、「ベストプラスト608」、「ベストプラスト703」、「ベストプラスト704」、「ベストプラスト708」、「ベストプラスト750」、「ベストプラスト751」、「ベストプラスト792」、「ベストプラスト828」、「ベストプラスト888」、「ベストプラスト891」、「ベストプラストEP V2094」、「ベストプラストEP V2103」(「ベストプラスト」は登録商標)や、REXtac,LLC社製の商品名「RT2115」、「RT2180」、「RT2215」、「RT2280」、「RT2304」、「RT2315」、「RT2330」、「RT2385」、「RT2535」、「RT2585」、「RT2715」、「RT2730」、「RT2780」やイーストマンケミカル社製の商品名「Eastoflex P1010S」、「Eastoflex P1023S」、「Eastoflex E1003」、「Eastoflex E1060S」、「Eastoflex E1200S」、「Eastoflex M1010」、「Eastoflex M1018S」、「Eastoflex M1020」、「Eastoflex M1025」、「Eastoflex M1030S」、「Eastoflex M1058」、「Eastoflex D−153」、「Eastoflex D−178」、「Eastoflex D−180」、「Eastoflex D−183」(「EASTOFLEX」は登録商標)等が使用できる。
なお、マルチサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体(A)の融点とは、示差走査熱量測定(DSC)値であり、融解ピークの頂点の温度である。ここでマルチサイト触媒とは、チーグラーナッタ触媒等の活性点が不均一な触媒である。α−オレフィン共重合体(A)とは、2種類以上のα−オレフィンモノマーの共重合物、及び、1種類以上のα−オレフィンと、α−オレフィンと共重合性を示すα−オレフィン以外のモノマー1種以上との共重合物である。α−オレフィン共重合体の構成モノマーとしてのα−オレフィンは、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン等、炭素数2〜8のα−オレフィンが好ましく、炭素数2〜4のα−オレフィンがより好ましい。α−オレフィン共重合体(A)の構成モノマー種類の数は特に限定されない。α−オレフィン共重合体(A)の好ましい具体例としては、例えば、エチレン/プロピレン/1−ブテン共重合体等のターポリマー、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/1−ブテン共重合体等のコポリマー等が挙げられる。なお、これらのマルチサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体(A)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(成分(B))
本発明のホットメルト接着剤におけるシングルサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体(B)は、マルチサイト触媒重合物と比較して、分子量分布及び結晶性分布が均一となる。均一な分子量分布及び結晶性分布により、分子間の弱い相互作用部分が少なくなることで、可塑剤移行を防止する効果が得られると推察するが、現段階では明確ではない。このα−オレフィン共重合体(B)は耐熱クリープ(90℃雰囲気中、荷重200gf(1.96N)、試験時間24時間)に耐える耐熱性を得るために、融点は120℃以上が必要である。より好ましくは、130℃以上であり、更に好ましく140℃以上である。なお、融点の上限値は特に限定されず、160℃程度であってもよい。融点が120℃未満では、耐熱クリープ(90℃雰囲気中、荷重200gf(1.96N)、試験時間24時間)条件下で、[必要耐熱クリープ特性が得られる程度に非晶部の流動性を抑止できない]及び/又は[融解ピーク温度域が90℃以下にも存在することで結晶部の部分融解により必要耐熱クリープ特性が得られない]と推察するが、現段階では明確ではない。
シングルサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体(B)の市販品としては、例えば、三井化学株式会社製「タフマーPN−2070」、「タフマーPN−3560」、「タフマーPN−2060」、「タフマーPN−20300」、「タフマーPN−0040」(「タフマー」は登録商標)や、ダウ・ケミカル社製「INFUSE9000」、「INFUSE9010」、「INFUSE9100」、「INFUSE9107」、「INFUSE9500」、「INFUSE9817」(「INFUSE\インフューズ」は登録商標)等が使用できる。
なお、シングルサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体(B)の融点とは、示差走査熱量測定(DSC)値であり、融解ピークの頂点の温度である。ここでシングルサイト触媒とは、メタロセン触媒等の活性点が均一な触媒である。α−オレフィン共重合体(B)とは、2種類以上のα−オレフィンモノマーの共重合物、及び、1種類以上のα−オレフィンと、α−オレフィンと共重合性を示すα−オレフィン以外のモノマー1種以上との共重合物である。α−オレフィン共重合体の構成モノマーとしてのα−オレフィンは、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン等、炭素数2〜8のα−オレフィンが好ましく、炭素数2〜4のα−オレフィンがより好ましい。α−オレフィン共重合体(B)の好ましい具体例としては、例えば、エチレン/プロピレン/1−ブテン共重合体等のターポリマー、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/1−ブテン共重合体等のコポリマー等が挙げられる。なお、これらのシングルサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体(B)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(成分(C))
本発明のホットメルト接着剤におけるエチレン−極性基含有モノマー共重合体(C)は、エチレンと、1種以上の極性基含有モノマーとの共重合体であり、エチレンがホットメルト接着剤組成物中のα−オレフィン共重合体との相溶性に寄与して、極性基が可塑剤移行を防止する効果に寄与すると推察するが、現段階では明確ではない。エチレン−極性基含有モノマー共重合体(C)は可塑剤移行を防止する効果を効果的に得るために、構成モノマーの合計含有量中の極性基含有モノマー量(共重合モノマーであるエチレンと極性基含有モノマーとの合計量中の極性基含有モノマーの量)は16wt%以上である。より好ましくは20wt%以上であり、更に好ましくは25wt%以上である。極性基含有モノマー量の上限は特に限定されず、50wt%程度であってもよい。極性基含有モノマー量が16wt%未満では、可塑剤移行を防止するために必要なホットメルト接着剤組成物と軟質ポリ塩化ビニルの界面での可塑剤移行抑止に必要な極性基存在量が不足するため、適切に可塑剤移行抑止の機能を発現しないものと推察するが、現段階では明確ではない。ここで極性基含有モノマーとは、例えば、酢酸ビニル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、グリシジルメチルメタクリレート、無水マレイン酸等のカルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物等である。材料コストの観点から、より好ましい極性基含有モノマーは酢酸ビニルである。このため、エチレン−極性基含有モノマー共重合体(C)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体であるのが好ましい。なお、エチレン−極性基含有モノマー共重合体(C)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
エチレン−極性基含有モノマー共重合体(C)の市販品としては、例えば、東ソー株式会社製の商品名「ウルトラセン633」、「ウルトラセン680」、「ウルトラセン681」、「ウルトラセン635」、「ウルトラセン634」、「ウルトラセン710」、「ウルトラセン720」、「ウルトラセン722」、「ウルトラセン725」、「ウルトラセン751」、「ウルトラセン750」、「ウルトラセン760」(「ウルトラセン」は登録商標)や、三井・デュポンポリケミカル株式会社製の商品名「エバフレックスEV 45X」、「エバフレックスEV 45LX」、「エバフレックスEV 40W」、「エバフレックスEV 40LX」、「エバフレックスV5774ETWR」、「エバフレックスV5772ETR」、「エバフレックスV5773W」、「エバフレックスEV 150」、「エバフレックスEV 205WR」、「エバフレックスEV 210」、「エバフレックスEV 210ETR」、「エバフレックスEV 220」、「エバフレックスEV 220ETR」、「エバフレックスEV 250」、「エバフレックスEV 260」、「エバフレックスEV 310」、「エバフレックスEV 360」、「エバフレックスV577」、「エバフレックスEV 410」、「エバフレックスEV 420」、「エバフレックスEV 450」、「エバフレックスEV 460」(「エバフレックス」は登録商標)等が使用できる。
(成分(D))
本発明のホットメルト接着剤組成物における水添系粘着付与樹脂(D)は、α−オレフィン共重合体に良好な溶融時タックを付与する。水添系粘着付与樹脂(D)としては、水添石油樹脂、水添ロジン樹脂、水添テルペン樹脂等の各種の水添処理がなされた粘着付与樹脂から、目的とする諸物性に応じて選択して使用することができるが、高い耐熱性を付与するためには、水添石油樹脂又は水添テルペン樹脂を使用することが好ましい。水添系粘着付与樹脂(D)の軟化点は目的とする諸物性により異なるため特に限定しないが、熱老化等の耐久性への影響から、本材料の軟化点は、115℃以上が好ましく、より好ましくは125℃以上であり、更に好ましくは135℃以上である。軟化点の上限は特に限定されず、160℃程度であってもよい。本材料の軟化点とは、環球法軟化点である。
水添系粘着付与樹脂(D)の市販品としては、例えば、荒川化学株式会社製の商品名「アルコンM115」、「アルコンM135」、「アルコンP115」、「アルコンP125」、「アルコンP140」(「ARKON\アルコン」は登録商標)や、ヤスハラケミカル株式会社製の商品名「クリアロンM115」、「クリアロンP115」、「クリアロンP125」、「クリアロンP135」、「クリアロンP150」(「クリアロン」は登録商標)や、イーストマンケミカル社製の商品名「EastotacC−115R」、「EastotacC−115L」、「EastotacC−115W」、「EastotacH−115R」、「EastotacH−115L」、「EastotacH−115W」、「EastotacH−130R」、「EastotacH−130L」、「EastotacH−130W」、「EastotacH−142R」、「EastotacH−142W」(「EASTOTAC」は登録商標)、「RegaliteR1125」、「RegaliteS7125」、「Regalrez1126」、「Regalrez1128」、「Regalrez1139」(「REGALITE」は登録商標)等が使用できる。なお、水添系粘着付与樹脂(D)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。さらに、目的とする諸物性を損なわない程度に未水添系粘着付与樹脂をブレンドすることで、材料コスト等を改善してもよい。
(成分(E))
本発明のホットメルト接着剤組成物におけるポリプロピレン系ワックス(E)は、ホットメルト接着剤組成物を低粘度化することによる被着材への濡れ性付与に加え、ポリプロピレン成形品やポリプロピレン発泡体などのポリプロピレン系被着材への接着性向上にも寄与する。ポリプロピレン系ワックス(E)の軟化点は、熱間での接着特性への影響から、120℃以上であることが好ましい。より好ましくは130℃以上である。更に好ましくは140℃以上である。軟化点の上限には特に制限はないが、160℃以下であることが好ましく、155℃以下であることがより好ましい。なお、ポリプロピレン系ワックス(E)の軟化点とは、環球法軟化点である。ここで、ポリプロピレン系ワックスとは、ポリプロピレンワックス、ポリエチレン−ポリプロピレンワックス等のプロピレン構造を含むワックスのことである。
ポリプロピレン系ワックス(E)の市販品としては、例えば、三洋化成工業株式会社製の商品名「ビスコール660−P」、「ビスコール550−P」(「ビスコール\VISCOL」は登録商標)や、三井化学株式会社製の商品名「ハイワックスNP055」、「ハイワックスNP105」、「ハイワックスNP505」、「ハイワックスNP805」、「ハイワックスNP056」、「ハイワックスNP506」、「ハイワックスNP500」、「ハイワックスNP0555A」「ハイワックスNP50605A」等が使用できる。なお、ポリプロピレン系ワックス(E)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。さらに、目的とする諸物性を損なわない程度に他のワックスをブレンドすることでロールコート塗工性等を改善してもよい。
上記材料の配合比は、マルチサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体(A)とシングルサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体(B)とエチレン−極性基含有モノマー共重合体(C)の合計100質量部に対して、水添系粘着付与樹脂(D)とポリプロピレン系ワックス(E)の合計が50〜300質量部である。好ましくは、(A)と(B)と(C)の合計100質量部に対して、(D)と(E)の合計が75〜275質量部であり、より好ましくは、(A)と(B)と(C)の合計100質量部に対して、(D)と(E)の合計が100〜250質量部である。(A)と(B)と(C)の合計100質量部に対して、(D)と(E)の合計が50質量部より少ない場合、可塑剤移行を効果的に防止できない。これは、(A)と(B)と(C)等のポリマー成分の自由体積の充填に(D)が寄与することで、またポリマー成分の結晶化促進に(E)が寄与することで、可塑剤移行防止に働くためと推察するが、現段階では明確ではない。一方、(A)と(B)と(C)の合計100質量部に対して、(D)と(E)の合計が300質量部より多い場合、ホットメルト接着剤組成物の皮膜が硬くなり過ぎるため低温接着性が低下する。さらに本発明のホットメルト接着剤組成物中の各材料の含有量は、(A)と(B)と(C)の合計100質量部に対して、(D)と(E)の合計50〜300質量部でありつつ、ホットメルト接着剤組成物中の(A)の含有量が2〜30wt%、(B)の含有量が2〜30wt%、(C)の含有量がが2〜25wt%、(D)の含有量が20〜50wt%、(E)の含有量がが20〜50wt%であることが好ましい。この範囲外では、各材料の目的とする機能が適切に発現しないおそれがある。これらの成分のホットメルト接着剤組成物中のより好ましい含有量は、(A)が4〜20wt%、(B)が4〜20wt%、(C)が5〜20wt%、(D)が25〜45wt%、(E)が25〜45wt%である。また、ホットメルト接着剤組成物中のα−オレフィン共重合体(A)とα−オレフィン共重合体(B)との配合比は、両材料の目的とする機能発現の観点から、α−オレフィン共重合体(A)の含有量100質量部に対し、α−オレフィン共重合体(B)の含有量が50〜350質量部であることが好ましく、70〜330質量部であることがより好ましい。
(成分(F))
本発明のホットメルト接着剤組成物には、上記主成分(A)〜(E)に加えて、必要に応じ、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等の酸化防止剤(F)、安定剤、着色剤、相容化剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を配合してもよい。これらの添加剤を配合する場合、各々の配合量を上記の(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の合計100質量部当たり、0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.1〜5質量部とすることがより好ましい。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、耐熱クリープ(90℃雰囲気中、荷重200g、試験時間24時間)を考慮すると、ホットメルト接着剤組成物の軟化点は、130℃以上が好ましく、より好ましくは140℃以上であり、ホットメルト接着剤の表面の加熱温度が160℃程度の低温でも十分なタックを発現することが好ましいため、160℃以下が好ましく、より好ましくは150℃以下である。さらに、ロールコート等の塗布工程でより高速塗布で糸曳き発生なく塗布するためには、180℃溶融粘度が100000mPa・s以下が好ましく、より好ましくは50000mPa・s以下であり、耐熱性の観点から、3000mPa・s以上であり、より好ましくは6000mPa・s以上である。また、同じくロールコート等の塗布工程でより高速塗布で糸曳き発生なく塗布するためには、表皮材等の被着体への好ましい塗布量は300g/m以下であり、より好ましくは200g/m以下である。塗布量の下限は、均一塗布の観点から好ましくは10g/m以上であり、より好ましくは40g/m以上である。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、一般的には以下の工程を経て作製される。すなわち、180℃に設定したニーダーで、マルチサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体(A)とシングルサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体(B)と水添系粘着付与樹脂(D)を溶かし混練りする。完全に溶融した後、エチレン−極性基含有モノマー共重合体(C)を添加し、混練りして完全に溶融させる。次に、ポリプロピレン系ワックス(E)を添加し、混練りして完全に溶融させる。得られた溶融物は、離型箱等に充填、又はペレット状等にカットし、冷却固化してホットメルト接着剤組成物とする。
[ホットメルト接着剤組成物の使用方法]
本発明のホットメルト接着剤組成物は、その使用方法に特に制限はなく、例えば、本発明の使用方法において好適に用いられる。本発明の使用方法は、本発明のホットメルト接着剤組成物を第一被着体の表面に予め塗布し、前記第一被着体とその表面に形成されたホットメルト接着剤組成物層とを含むプレコート被着体を作製する工程、及び、前記プレコート被着体のホットメルト接着剤組成物層を再活性化し、再活性化されたホットメルト接着剤組成物層を第二被着体に当接させた状態で前記プレコート被着体と前記第二被着体とを圧着する工程を含む。
第一被着体及び第二被着体として使用される被着体には、特に制限はなく、例えば、木質材;ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等のプラスチック材;前記プラスチック材の発泡体;天然ゴム、合成ゴム等のゴム材;アルミニウム、鉄、ステンレス鋼等の金属材;セラミックス等の無機質材等を材質とするものが挙げられる。各被着体の形状も特に制限はなく、例えば、シート状、箔状、板状又は成形体等でもよい。また、各被着体は、一種の材質のみからなるものであってもよいし、2種以上から構成されるものであってもよい。
ホットメルト接着剤組成物を塗布する第一被着体の表面は、圧着時にホットメルト接着剤組成物層を介して第二被着体と対向する表面が含まれていれば、特に制限はない。ホットメルト接着剤組成物層は、通常は連続した層であるが、必要に応じ、非連続の複数のパターンで構成されていてもよい。第一被着体へのホットメルト接着剤組成物の好ましい塗布量は300g/m以下であり、より好ましくは200g/m以下である。塗布量の下限は、均一塗布の観点から好ましくは10g/m以上であり、より好ましくは40g/m以上である。ホットメルト接着剤組成物の塗布方法としては特に制限はなく、例えば、通常のホットメルトアプリケーターを用いて、ロールコーター、ダイコーター、スプレー等で加熱した状態で直接塗布してもよいし、離型紙上に塗布後、第一被着体表面に熱転写してもよい。
上記の使用方法では、プレコート被着体と第二被着体とを圧着する工程において、プレコート被着体のホットメルト接着剤組成物層を、ホットメルト接着剤組成物層面の加熱等により再活性化してタックを発現させる。再活性化の手段としては、例えば、加熱、超音波、高周波、マイクロ波による方法等があるが、特に制限はない。再活性化は、プレコート被着体と第二被着体との圧着直前に行うことが好ましい。プレコート被着体と第二被着体との圧着は、ホットメルト接着剤組成物層面が固化する前に行う。圧着方法としては特に制限はなく、例えば、プレス圧着工法、真空成形工法等が挙げられる。圧着時の圧力は、第一及び第二被着体の材質、形状等によって異なり、一概には規定できないが、例えば、0.01〜0.20MPaが好ましく、0.03〜0.20MPaがより好ましい。第二被着体は、加熱されていてもよいし、加熱されていなくてもよい。また、ホットメルト接着剤組成物層が再活性化された状態であれば、圧着時には加熱しなくてもよいが、必要に応じて加圧と同時に加熱してもよい。
[自動車内装材]
本発明のホットメルト接着剤組成物は、その実施形態の一つとして、特に、自動車内装材の製造に好適に用いられ、本発明の自動車内装材は、自動車内装用成形品(以下、単に成形品と呼ぶことがある。)、及び、本発明のホットメルト接着剤組成物によって前記成形品に接着されている自動車内装用表皮材(以下、単に表皮材と呼ぶことがある。)を含む。成形品の材質としては、自動車内装材に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、木質材;ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等のプラスチック材;天然ゴム、合成ゴム等のゴム材;アルミニウム、鉄、ステンレス鋼等の金属材;セラミックス等の無機質材などが挙げられる。成形品は、一種の材質のみからなるものであってもよいし、2種以上から構成されるものであってもよい。表皮材は、自動車内装材に用いられる材質のものであれば特に制限はなく、例えば、ポリオレフィン、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等のプラスチックシート;前記プラスチックの発泡体;天然ゴム、合成ゴム等のゴムシート;織布、不織布等のファブリック材;アルミニウム等の金属箔などが挙げられる。表皮材は、一層のみからなるものであってもよく、同種の材質又は異なる材質の2種以上の層を含むものであってもよい。2種以上の層を含む表皮材としては、例えば、前記のプラスチックシート、ゴムシート、ファブリック材、金属箔等の1種又は2種以上の層に、前記のプラスチック発泡体の1種又は2種以上の層をラミネートしたシート材などが挙げられる。このようなラミネートシート材としては、例えば、ポリオレフィン発泡体付きの軟質ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン発泡体付きのオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン発泡体付きのファブリックなどが挙げられる。
本発明の自動車内装材は、例えば、本発明の使用方法の一実施形態である本発明の製造方法によって好適に製造することができる。この実施形態では、第一被着体として自動車内装用表皮材が用いられ、プレコート被着体として自動車内装用プレコート表皮材が用いられ、第二被着体として自動車内装用成形品が用いられる。
[自動車内装用プレコート表皮材]
本発明のプレコート表皮材は、その一実施形態において、先に説明した自動車内装用表皮材、及び、前記表皮材の裏面に本発明のホットメルト接着剤組成物を塗布して形成されたホットメルト接着剤組成物層を含む。表皮材の裏面とは、表皮材と成形品とを接着する際に成形品と対向する面を意味する。ホットメルト接着剤組成物層の塗布量等の詳細は、本発明のホットメルト接着剤組成物の使用方法について説明したとおりである。
[自動車内装材の製造方法]
本発明の自動車内装材の製造方法は、自動車内装用プレコート表皮材と自動車内装用成形品とを、前記プレコート表皮材のホットメルト接着剤組成物層を加熱して前記成形品に当接させた状態で圧着する工程を含む。ホットメルト接着剤組成物層の再活性化、加圧方法、加圧圧力等の詳細は、本発明のホットメルト接着剤組成物の使用方法について説明したとおりである。
次に、実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
〔実施例1〕
180℃に設定した内容積2Lのニーダーで、原材料仕込み量合計が1kgとなるように、成分(F)であるヒンダードフェノール系酸化防止剤「Irganox 1010」(商品名、BASF社製、「IRGANOX」は登録商標)1質量部と、リン系酸化防止剤「Irgafos 168」(商品名、BASF社製)1質量部と、成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃、「ベストプラスト」は登録商標)10質量部と、成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃、「タフマー」は登録商標)15質量部と、成分(D)である水添テルペン樹脂「クリアロンP150」(商品名、ヤスハラケミカル株式会社製、軟化点150℃、「クリアロン\CLEARON」は登録商標)30質量部を溶かし混練りした。完全に溶融した後、成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン710」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:28wt%、「ウルトラセン」は登録商標)10質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。次に、成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(商品名、三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃、「ビスコール」は登録商標)35質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。得られた溶融物を離型箱に充填して、ホットメルト接着剤組成物(1)を得た。
〔実施例2〕
180℃に設定した内容積2Lのニーダーで、原材料仕込み量合計が1kgとなるように、成分(F)であるヒンダードフェノール系酸化防止剤「Irganox 1010」(商品名、BASF社製)1部と、リン系酸化防止剤「Irgafos 168」(BASF社製)1質量部と、成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)10質量部と、成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)15質量部と、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)30質量部を溶かし混練りした。完全に溶融した後、成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン710」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:28wt%)10質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。次に、成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(商品名、三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃)35質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。得られた溶融物を離型箱に充填して、ホットメルト接着剤組成物(2)を得た。
本実施例2は、実施例1の成分(D)である水添テルペン樹脂「クリアロンP150」(商品名、ヤスハラケミカル株式会社製、軟化点150℃)を、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)に変更したものである。
〔実施例3〕
180℃に設定した内容積2Lのニーダーで、原材料仕込み量合計が1kgとなるように、成分(F)であるヒンダードフェノール系酸化防止剤「Irganox 1010」(商品名、BASF社製)1質量部と、リン系酸化防止剤「Irgafos 168」(商品名、BASF社製)1質量部と、成分(A)である1−ブテン・α−オレフィン共重合体「ベストプラストEP V2103」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点88・98℃)10質量部と、成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)15質量部と、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)30質量部を溶かし混練りした。完全に溶融した後、成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン710」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:28wt%)10質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。次に、成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(商品名、三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃)35質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。得られた溶融物を離型箱に充填して、ホットメルト接着剤組成物(3)を得た。
本実施例3は、実施例2の成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)を、成分(D)である1−ブテン・α−オレフィン共重合体「ベストプラストEP V2103」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点88・98℃)に変更したものである。
〔実施例4〕
180℃に設定した内容積2Lのニーダーで、原材料仕込み量合計が1kgとなるように、成分(F)であるヒンダードフェノール系酸化防止剤「Irganox 1010」(商品名、BASF社製)1質量部と、リン系酸化防止剤「Irgafos 168」(商品名、BASF社製)1質量部と、成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)17質量部と、成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)15質量部と、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)30質量部を溶かし混練りした。完全に溶融した後、成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン710」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:28wt%)10質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。次に、成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(商品名、三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃)28質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。得られた溶融物を離型箱に充填して、ホットメルト接着剤組成物(4)を得た。
本実施例4は、実施例2の成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)の配合量を10質量部から17質量部に、成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(商品名、三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃)の配合量を35質量部から28質量部に変更したものである。
〔実施例5〕
180℃に設定した内容積2Lのニーダーで、原材料仕込み量合計が1kgとなるように、成分(F)であるヒンダードフェノール系酸化防止剤「Irganox 1010」(商品名、BASF社製)1質量部と、リン系酸化防止剤「Irgafos 168」(商品名、BASF社製)1質量部と、成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)8質量部と、成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)17質量部と、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)30質量部を溶かし混練りした。完全に溶融した後、成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン710」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:28wt%)10質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。次に、成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(商品名、三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃)35質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。得られた溶融物を離型箱に充填して、ホットメルト接着剤組成物(5)を得た。
本実施例5は、実施例2の成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)の配合量を10質量部から8質量部に、成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)の配合量を15質量部から17質量部に変更したものである。
〔実施例6〕
180℃に設定した内容積2Lのニーダーで、原材料仕込み量合計が1kgとなるように、成分(F)であるヒンダードフェノール系酸化防止剤「Irganox 1010」(商品名、BASF社製)1質量部と、リン系酸化防止剤「Irgafos 168」(商品名、BASF社製)1質量部と、成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)8質量部と、成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)12質量部と、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)35質量部を溶かし混練りした。完全に溶融した後、成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン710」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:28wt%)10質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。次に、成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(商品名、三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃)35質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。得られた溶融物を離型箱に充填して、ホットメルト接着剤組成物(6)を得た。
本実施例6は、実施例5の成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)の配合量を17質量部から12質量部に、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)の配合量を30質量部から35質量部に変更したものである。
〔実施例7〕
180℃に設定した内容積2Lのニーダーで、原材料仕込み量合計が1kgとなるように、成分(F)であるヒンダードフェノール系酸化防止剤「Irganox 1010」(商品名、BASF社製)1質量部と、リン系酸化防止剤「Irgafos 168」(商品名、BASF社製)1質量部と、成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)10質量部と、成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)10質量部と、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)35質量部を溶かし混練りした。完全に溶融した後、成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン710」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:28wt%)10質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。次に、成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(商品名、三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃)35質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。得られた溶融物を離型箱に充填して、ホットメルト接着剤組成物(7)を得た。
本実施例7は、実施例2の成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)の配合量を15質量部から10質量部に、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)の配合量を30質量部から35質量部に変更したものである。
〔実施例8〕
180℃に設定した内容積2Lのニーダーで、原材料仕込み量合計が1kgとなるように、成分(F)であるヒンダードフェノール系酸化防止剤「Irganox 1010」(商品名、BASF社製)1質量部と、リン系酸化防止剤「Irgafos 168」(商品名、BASF社製)1質量部と、成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)5質量部と、成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)15質量部と、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)35質量部を溶かし混練りした。完全に溶融した後、成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン710」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:28wt%)10質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。次に、成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(商品名、三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃)35質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。得られた溶融物を離型箱に充填して、ホットメルト接着剤組成物(8)を得た。
本実施例8は、実施例2の成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)の配合量を10質量部から5質量部に、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)の配合量を30質量部から35質量部に変更したものである。
〔実施例9〕
180℃に設定した内容積2Lのニーダーで、原材料仕込み量合計が1kgとなるように、成分(F)であるヒンダードフェノール系酸化防止剤「Irganox 1010」(商品名、BASF社製)1質量部と、リン系酸化防止剤「Irgafos 168」(商品名、BASF社製)1質量部と、成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)12質量部と、成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)15質量部と、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)28質量部を溶かし混練りした。完全に溶融した後、成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン710」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:28wt%)10質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。次に、成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(商品名、三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃)35質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。得られた溶融物を離型箱に充填して、ホットメルト接着剤組成物(9)を得た。
本実施例9は、実施例2の成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)の配合量を10質量部から12質量部に、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(荒川化学株式会社製、軟化点140℃)の配合量を30質量部から28質量部に変更したものである。
〔実施例10〕
180℃に設定した内容積2Lのニーダーで、原材料仕込み量合計が1kgとなるように、成分(F)であるヒンダードフェノール系酸化防止剤「Irganox 1010」(商品名、BASF社製)1質量部と、リン系酸化防止剤「Irgafos 168」(商品名、BASF社製)1質量部と、成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)12質量部と、成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)15質量部と、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)30質量部を溶かし混練りした。完全に溶融した後、成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン710」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:28wt%)10質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。次に、成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(商品名、三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃)33質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。得られた溶融物を離型箱に充填して、ホットメルト接着剤組成物(10)を得た。
本実施例10は、実施例9の成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(荒川化学株式会社製、軟化点140℃)の配合量を28質量部から30質量部に、成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃)の配合量を35質量部から33質量部に変更したものである。
〔実施例11〕
180℃に設定した内容積2Lのニーダーで、原材料仕込み量合計が1kgとなるように、成分(F)であるヒンダードフェノール系酸化防止剤「Irganox 1010」(商品名、BASF社製)1質量部と、リン系酸化防止剤「Irgafos 168」(商品名、BASF社製)1質量部と、成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)8質量部と、成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)15質量部と、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)30質量部を溶かし混練りした。完全に溶融した後、成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン710」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:28wt%)12質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。次に、成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(商品名、三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃)35質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。得られた溶融物を離型箱に充填して、ホットメルト接着剤組成物(11)を得た。
本実施例11は、実施例2の成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)の配合量を10質量部から8質量部に、成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン710」(東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:28wt%)の配合量を10質量部から12質量部に変更したものである。
〔比較例1〕
180℃に設定した内容積2Lのニーダーで、原材料仕込み量合計が1kgとなるように、成分(F)であるヒンダードフェノール系酸化防止剤「Irganox 1010」(商品名、BASF社製)1質量部と、リン系酸化防止剤「Irgafos 168」(商品名、BASF社製)1質量部と、成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)35質量部と、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)30質量部を溶かし混練りした。次に、成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(商品名、三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃)35質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。得られた溶融物を離型箱に充填して、ホットメルト接着剤組成物(12)を得た。
本比較例1は、実施例2の成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)と成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン710」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:28wt%)を、成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)に変更したものである。
〔比較例2〕
180℃に設定した内容積2Lのニーダーで、原材料仕込み量合計が1kgとなるように、成分(F)であるヒンダードフェノール系酸化防止剤「Irganox 1010」(商品名、BASF社製)1質量部と、リン系酸化防止剤「Irgafos 168」(商品名、BASF社製)1質量部と、成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)12質量部と、成分(B)である1−オクテン・α−オレフィン共重合体「INFUSE9807」(商品名、ダウ社製、シングルサイト触媒重合物、融点118℃)23質量部と、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)30質量部を溶かし混練りした。次に、成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(商品名、三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃)35質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。得られた溶融物を離型箱に充填して、ホットメルト接着剤組成物(13)を得た。
本比較例2は、実施例2の成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)の配合量を15質量部から12質量部に、成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)と成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン710」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:28wt%)を、成分(B)である1−オクテン・α−オレフィン共重合体「INFUSE9807」(商品名、ダウ社製、シングルサイト触媒重合物、融点118℃)に変更して、成分(B)である1−オクテン・α−オレフィン共重合体「INFUSE9807」の配合量を23質量部に変更したものである。
〔比較例3〕
180℃に設定した内容積2Lのニーダーで、原材料仕込み量合計が1kgとなるように、成分(F)であるヒンダードフェノール系酸化防止剤「Irganox 1010」(商品名、BASF社製)1質量部と、リン系酸化防止剤「Irgafos 168」(商品名、BASF社製)1質量部と、成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)20質量部と、成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)15質量部と、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)30質量部を溶かし混練りした。次に、成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(商品名、三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃)35質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。得られた溶融物を離型箱に充填して、ホットメルト接着剤組成物(14)を得た。
本比較例3は、実施例2の成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン710」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:28wt%)を、成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)に変更したものである。
〔比較例4〕
180℃に設定した内容積2Lのニーダーで、原材料仕込み量合計が1kgとなるように、成分(F)であるヒンダードフェノール系酸化防止剤「Irganox 1010」(商品名、BASF社製)1質量部と、リン系酸化防止剤「Irgafos 168」(商品名、BASF社製)1質量部と、成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)10質量部と、成分(B)である1−オクテン・α−オレフィン共重合体「INFUSE9807」(商品名、ダウ社製、シングルサイト触媒重合物、融点118℃)15質量部と、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)30質量部を溶かし混練りした。完全に溶融した後、成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン710」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:28wt%)10質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。次に、成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(商品名、三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃)35質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。得られた溶融物を離型箱に充填して、ホットメルト接着剤組成物(15)を得た。
本比較例4は、実施例2の成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)を、成分(B)である1−オクテン・α−オレフィン共重合体「INFUSE9807」(商品名、ダウ社製、シングルサイト触媒重合物、融点118℃)に変更したものである。
〔比較例5〕
180℃に設定した内容積2Lのニーダーで、原材料仕込み量合計が1kgとなるように、成分(F)であるヒンダードフェノール系酸化防止剤「Irganox 1010」(商品名、BASF社製)1質量部と、リン系酸化防止剤「Irgafos 168」(商品名、BASF社製)1質量部と、成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)10質量部と、成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)15質量部と、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)30質量部を溶かし混練りした。完全に溶融した後、成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン625」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:15wt%)10質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。次に、成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(商品名、三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃)35質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。得られた溶融物を離型箱に充填して、ホットメルト接着剤(組成物16)を得た。
本比較例5は、実施例2の成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン710」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:28wt%)を、成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン625」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:15wt%)に変更したものである。
〔比較例6〕
180℃に設定した内容積2Lのニーダーで、原材料仕込み量合計が1kgとなるように、成分(F)であるヒンダードフェノール系酸化防止剤「Irganox 1010」(商品名、BASF社製)1質量部と、リン系酸化防止剤「Irgafos 168」(商品名、BASF社製)1質量部と、成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)10質量部と、成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)15質量部と、成分(D)であるテルペンフェノール樹脂「YSポリスターT145」(商品名、ヤスハラケミカル株式会社製、軟化点145℃)30質量部を溶かし混練りした。完全に溶融した後、成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン710」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:28wt%)10質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。次に、成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(商品名、三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃)35質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。得られた溶融物を離型箱に充填して、ホットメルト接着剤組成物(17)を得た。
本比較例6は、実施例1の成分(D)である水添テルペン樹脂「クリアロンP150」(商品名、ヤスハラケミカル株式会社製、軟化点150℃)を、成分(D)であるテルペンフェノール樹脂「YSポリスターT145」(商品名、ヤスハラケミカル株式会社製、軟化点145℃)に変更したものである。
〔比較例7〕
180℃に設定した内容積2Lのニーダーで、原材料仕込み量合計が1kgとなるように、成分(F)であるヒンダードフェノール系酸化防止剤「Irganox 1010」(商品名、BASF社製)1質量部と、リン系酸化防止剤「Irgafos 168」(商品名、BASF社製)1質量部と、成分(A)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「ベストプラスト708」(商品名、エボニック社製、マルチサイト触媒重合物、融点80℃)10質量部と、成分(B)であるプロピレン・α−オレフィン共重合体「タフマーPN−2070」(商品名、三井化学株式会社製、シングルサイト触媒重合物、融点140℃)15質量部と、成分(D)である水添石油樹脂「アルコンP−140」(商品名、荒川化学株式会社製、軟化点140℃)30質量部を溶かし混練りした。完全に溶融した後、成分(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン710」(商品名、東ソー株式会社製、酢酸ビニル含量:28wt%)10質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。次に、成分(E)であるフィッシャー・トロプシュワックス「Shell GTL SARAWAX SX105」(商品名、シェルMDS(マレーシア)社製、軟化点120℃)35質量部を添加し、混練りして完全に溶融させた。得られた溶融物を離型箱に充填して、ホットメルト接着剤組成物(18)を得た。
本比較例7は、実施例2の成分(E)であるポリプロピレンワックス「ビスコール660−P」(商品名、三洋化成工業株式会社製、軟化点145℃)を、成分(E)であるフィッシャー・トロプシュワックス「Shell GTL SARAWAX SX105」(商品名、シェルMDS(マレーシア)社製、軟化点120℃)に変更したものである。
実施例1〜11並びに比較例1〜7で得られたホットメルト接着剤組成物を用いて、次のとおり溶融粘度測定、軟化点測定を行った。また次のとおり試験片を作製し、耐可塑剤性試験、耐熱クリープ測定、熱老化後剥離接着強さ測定を行った。結果を、表1〜表3に示す。なお、表1〜表3中、配合成分の配合量を示す数値の単位は、質量部である。
(1)溶融粘度測定
JIS K6862に準拠し、各ホットメルト接着剤組成物の180℃での粘度を、B型粘度計を用いて測定した。
(2)軟化点測定
JIS K6863に準拠し、各ホットメルト接着剤組成物の軟化点を、環球法にて測定した。
(3)プレコート表皮材作製方法
180℃に設定したロールコーターを使用して、ポリプロピレン発泡体付き軟質ポリ塩化ビニル(表皮材)のポリプロピレン発泡体側に、ホットメルト接着剤組成物を100g/m塗布した。その後、25℃雰囲気中に24時間放置してプレコート表皮材とした。
(4)耐可塑剤性試験
プレコート表皮材を5cm×5cmに切り取り、上下同じ向きで2枚積層して、50℃70%R.H.(相対湿度)雰囲気中で、9.8×10−4MPaの圧力を加えた状態で336時間放置した。その後、25℃雰囲気中で24時間放置してから、積層した表皮材を引き離し、軟質ポリ塩化ビニル面の外観汚染有無を目視及び触診により判定した。
○:汚染無し
×:汚染有り
(5)接着性評価用試験片作製方法
遠赤外線ヒーターによりプレコート表皮材のホットメルト接着剤側を加熱し、ホットメルト接着剤組成物層の表面温度が160℃になったところで、遠赤外線ヒーターからプレコート表皮材を25℃雰囲気中に取り出した。遠赤外線ヒーターから取り出してホットメルト接着剤組成物層の表面温度が120℃になった時に、イソプロピルアルコールで脱脂処理したポリプロピレン成型品(日立化成株式会社製の「コウベポリシートPP」、商品名、「コウベポリシート」は登録商標)とプレス圧着(0.05MPa、10秒間)により圧着して試験片とした。
(6)耐熱クリープ測定
接着性評価用試験片作製24時間後に、90℃雰囲気中でポリプロピレン発泡体付き軟質ポリ塩化ビニルの一端に垂直方向200gf/25mm(1.96N/25mm)の荷重をかけ、24時間のクリープ試験を行い、剥離長さを測定した。
(7)熱老化後剥離接着強さ測定
接着性評価用試験片作製24時間後に、100℃雰囲気中に試験片を入れて500時間放置した。その後、23℃雰囲気中で24時間放置してから、90℃雰囲気中での引張試験機による180°剥離接着強さを測定した(引張り速度:200mm/min)。
Figure 0006810898
Figure 0006810898
Figure 0006810898
表1〜3中に記載の材料は、以下のとおりである。
(成分(A))
・α−オレフィン共重合体(M1):「ベストプラスト708」、マルチサイト触媒重合物、プロピレン・α−オレフィン共重合体、融点80℃、軟化点106℃
・α−オレフィン共重合体(M2):「ベストプラストEP V2103」、マルチサイト触媒重合物、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、融点88・98℃、軟化点103℃
(成分(B))
・α−オレフィン共重合体(S1):「タフマーPN−2070」、シングルサイト触媒重合物、プロピレン・α−オレフィン共重合体、融点140℃
・α−オレフィン共重合体(S2):「INFUSE9807」、シングルサイト触媒重合物、1−オクテン・α−オレフィン共重合体、融点118℃
(成分(C))
・エチレン−極性基含有モノマー共重合体(1):「ウルトラセン710」、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル含量:28wt%
・エチレン−極性基含有モノマー共重合体(2):「ウルトラセン625」、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル含量:15wt%
(成分(D))
・粘着付与樹脂(1):「クリアロンP150」、水添テルペン樹脂、軟化点150℃
・粘着付与樹脂(2):「YSポリスターT145」、テルペンフェノール樹脂、軟化点145℃
・粘着付与樹脂(3):「アルコンP−140」、水添石油樹脂、軟化点140℃
(成分(E))
・ワックス(1):「ビスコール660−P」、ポリプロピレンワックス、軟化点145℃
・ワックス(2):「Shell GTL SARAWAX SX105」、フィッシャー・トロプシュワックス、軟化点120℃
(成分(F)
・酸化防止剤(1):「Irganox 1010」、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
・酸化防止剤(2):「Irgafos 168」、リン系酸化防止剤
また表1〜3中の試験結果において、「耐熱クリープ[mm]」及び「熱老化後剥離接着強さ[N/25mm]」の「A」はポリプロピレン成型品側からの界面破壊、「A′」はポリプロピレン発泡体側からの界面破壊、「B」はポリプロピレン発泡体付き軟質ポリ塩化ビニルの材質破壊、「/」は左側が主な破壊状態、「−」は試験未実施であることを示す。
実施例1〜11の試料では、良好な耐可塑剤性及び接着特性が得られた。
比較例1(成分(B)であるシングルサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体とエチレン−極性基含有モノマー共重合体が配合されていない)では、耐可塑剤性が得られなかった。比較例2(成分(A)であるマルチサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体が配合されていない)では、界面への濡れ性が低下するため、耐熱クリープ性が低下した。比較例3(成分(C)であるエチレン−極性基含有モノマー共重合体が配合されていない)では、耐可塑剤性が得られなかった。比較例4(成分(B)であるシングルサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体の融点が120℃未満)では、耐熱クリープ特性が低下した。比較例5(成分(C)であるエチレン−極性基含有モノマー共重合体の極性基含有モノマー量が16wt%未満)では、耐可塑剤性が得られなかった。比較例6(成分(D)である粘着付与樹脂が水添系ではなくテルペンフェノール樹脂)では、耐可塑剤性が得られなかった。比較例7(成分(E)であるワックスがポリプロピレン系ワックスでなく、フィッシャー・トロプシュワックス)では、ポリプロピレンへの接着性が低下してしまい耐熱クリープ性が低下した。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、環境問題を配慮した無溶剤型接着剤であり、被着体へのプレコート後の積層保管も可能で、非反応型接着剤組成物でありながら、真空成形工法を想定した貼り合せ条件下でもポリオレフィン成形品に対して優れた接着性を示すため、自動車内装用接着剤として特に好適に使用することができる。
1:ホットメルト接着剤
2:ポリプロピレン発泡体
3:軟質ポリ塩化ビニル
4:可塑剤移行のイメージ
5:可塑剤移行を受けたホットメルト接着剤

Claims (11)

  1. マルチサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体(A)、シングルサイト触媒を用いて重合されたα−オレフィン共重合体(B)、エチレン−極性基含有モノマー共重合体(C)、水添系粘着付与樹脂(D)及びポリプロピレン系ワックス(E)を含有する混合物であって、(B)の融点が120℃以上であり、(C)を構成するモノマーの合計含有量中の極性基含有モノマー量が16wt%以上であり、(A)と(B)と(C)の合計含有量100質量部に対して、(D)と(E)の合計含有量が50〜300質量部であるホットメルト接着剤組成物。
  2. エチレン−極性基含有モノマー共重合体(C)が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である、請求項1に記載のホットメルト接着剤組成物。
  3. 水添系粘着付与樹脂(D)が、水添テルペン樹脂及び水添石油樹脂の少なくともいずれか一方を含む、請求項1又は2に記載のホットメルト接着剤組成物。
  4. (A)の含有量100質量部に対する(B)の含有量が50〜350質量部である請求項1〜3のいずれかに記載のホットメルト接着剤組成物。
  5. 180℃溶融粘度が100000mPa・s以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のホットメルト接着剤組成物。
  6. 軟化点が130℃以上である、請求項1〜5のいずれかに記載のホットメルト接着剤組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のホットメルト接着剤組成物を、第一被着体の表面に予め塗布し、前記第一被着体とその表面に形成されたホットメルト接着剤組成物層とを含むプレコート被着体を作製する工程、及び、前記プレコート被着体のホットメルト接着剤組成物層を再活性化し、再活性化されたホットメルト接着剤組成物層を第二被着体に当接させた状態で前記プレコート被着体と前記第二被着体とを圧着する工程、を含む、ホットメルト接着剤組成物の使用方法。
  8. ホットメルト接着剤組成物の被着体の表面への塗布量が10〜300g/mである請求項7に記載の使用方法。
  9. 自動車内装用成形品、及び、請求項1〜6のいずれかに記載のホットメルト接着剤組成物によって前記成形品に接着されている自動車内装用表皮材、を含む自動車内装材。
  10. 自動車内装用表皮材、及び、前記表皮材の裏面に請求項1〜6のいずれかに記載のホットメルト接着剤組成物を塗布して形成されたホットメルト接着剤組成物層、を含む自動車内装用プレコート表皮材。
  11. 請求項10に記載の自動車内装用プレコート表皮材と自動車内装用成形品とを、前記プレコート表皮材のホットメルト接着剤組成物層を加熱して前記成形品に当接させた状態で圧着する工程を含む自動車内装材の製造方法。
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