JP3645491B2 - プラバスタチンの微生物学的製法 - Google Patents

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Description

【0001】
発明の分野
本発明はプラバスタチンの製法、特にプラバスタチンの工業規模での微生物学的製法に関連する。
【0002】
発明の背景
アテローム性動脈硬化症および特に冠動脈閉塞症の最大の危険因子は高血しょうコレステロール値である。この20年間、コレステロール生合成の主要な律速酵素としての3-ヒドロキシ3-メチルグルタリル補酵素Aレダクターゼ(EC.1.1.1.34)が幅広く研究されてきた。プラバスタチン、すなわち式Iで示される化合物
【0003】
【化5】
Figure 0003645491
【0004】
および他の関連化合物(コンパクチン、メビノリン、シンバスタチン)はHMG-CoAレダクターゼ酵素の拮抗阻害剤である[A. Endo et al., J. Antibiot. 29, 1346-1348(1976); A. Endo et al., FEBS Lett. 72, 323-326(1976); C.H. Kuo et al., J. Org. Chem. 48, 1991 (1983)]。
【0005】
プラバスタチンは、コンパクチンの代謝を研究中だったMr. Tanaka et al.(結果は未公表)によりにイヌの尿から初めて単離された(Arai, M et al., Sankyo Kenkyusyo Nenpo, 40, 1-38, 1988)。プラバスタチンは今日、治療上最も有利な作用機序をもつコレステロール降下剤となっている。その最重要の性質は組織選択性である。すなわち、肝臓、小腸というコレステロール生合成の2大部位ではコレステロール合成を阻害するものの、他器官ではこの細胞内酵素の律速効果はほとんど検出されない。それと同時に、メビノリンとシンバスタチンのコレステロール生合成律速効果はほとんどの器官で著しい(T. Koga et al., Biochim. Biophys. Acta, 1045, 115-120, 1990)。
【0006】
プラバスタチンはメビノリンやシンバスタチンとは化学構造が本質的に異なる。親油性がより強い後二者の化合物では、ヘキサヒドロナフタリン骨格のC-1炭素原子に結合した置換基が6員のラクトン環で終わるのに対して、プラバスタチンの場合にはラクトン環の代わりに生物活性の開放形ジヒドロキシ酸ナトリウム塩が存在している。もう1つの重要な構造上の違いは、メビノリンとシンバスタチンではヘキサヒドロナフタリン環のC-6位がメチル基であるが、プラバスタチンではそれがヒドロキシル基に代わっていて、そのために親水性がさらに強まるという結果になっている点にある。
【0007】
上記のような構造的差異の結果として、プラバスタチンは周囲細胞の親油性膜をわずかしか透過することができない(A.T.M. Serajuddin et al., J. Pharm. Sci. 80, 830-834, 1991)。
【0008】
プラバスタチンの工業生産は2つの発酵法によって実現することができる。第1の微生物学的段階ではコンパクチンを生成し、第2の発酵段階ではコンパクチン酸のナトリウム塩を基質として6β位の微生物学的ヒドロキシル化によりプラバスタチンに変換する。
【0009】
公開特許によれば、コンパクチンの微生物学的ヒドロキシル化の度合いは、属を異にする種々のカビにより、またNocardia属に属する糸状菌により、ActinomaduraおよびStreptomyces属により、まちまちである(ベルギー特許明細書No. 895090、日本特許明細書No. 5,810,572、米国特許No. 4,537,859および4,346,227、それに公開済み欧州特許出願No. 0605230)。コンパクチン基質の生物変換は糸状カビ(Mucor hiemalis、Syncephalastrum nigricans、Cunninghamella echinulataなど)使用の場合で濃度500 μg/mlとして、また原核生物に属するNocardia、ActinomoduraおよびStreptomyces株使用の場合で濃度2000-4000 μg/mlとして公開されている。
【0010】
糸状カビでプラバスタチンを製造する場合に持ち上がる一般的な問題は、コンパクチンの抗菌効果のために、培養基に供給されるコンパクチン基質にたとえ低濃度でも微生物が耐えられないという点にある(Serizawa et al., J. Antibiotics, 36, 887-891, 1983)。この基質の細胞毒性は、日本人研究者たちが幅広く調べたStreptomyces carbophilusによるヒドロキシル化でも観察された(M. Hosobuchi et al., Biotechnology and Bioengineering, 42, 815-820, 1993)。
【0011】
日本人執筆者たちは組み換えDNA手法でStreptomyces carbophilus株のヒドロキシル化能を向上させようと試みた。コンパクチンのヒドロキシル化にはシトクロムP450モノオキシゲナーゼ系が必要とされる(Matsuoka et al., Eur.J.Biochem. 184, 707-713, 1989)。しかしこの執筆者たちによれば、細菌のシトクロムP450モノオキシゲナーゼ系では1種類ではなく数種類のタンパク質が電子伝達に関わっており、そのことが組み換えDNA手法の応用をさらに困難にしている。プラバスタチン製造のための費用効果的な微生物学的ヒドロキシル化法の開発はきわめて困難な、複雑な仕事である。
【0012】
本発明の狙いはコンパクチンからプラバスタチンを工業規模で生産するための新しい微生物学的方法を精緻化することにある。われわれはそのための研究活動のなかで、特にコンパクチンのプラバスタチンへの高濃度微生物学的変換へと順応させることができるヒドロキシラーゼ酵素をもつ微生物株の発見に努めた。
【0013】
発明の要約
本発明は、式Iで示される化合物
【0014】
【化6】
Figure 0003645491
【0015】
の、式II(式中Rはアルカリ金属またはアンモニウムのイオンを示す)で示される基質化合物
【0016】
【化7】
Figure 0003645491
【0017】
からの微生物学的製法であって、(a)式IIで示される化合物を6β位でヒドロキシル化することができる糸状カビMortierella maculata種の株を同化性の炭素および窒素源と鉱物塩を含む培地で培養する、(b)変換対象の基質をMortierella maculataの生育した培養物に供給する、(c)基質を生物変換完了まで発酵させる、(d)式Iで示される化合物を培養ブロスから分離する、および(e)式Iで示される化合物を単離する、というステップを含む製法に関連する。
【0018】
本発明はまた、ハンガリー/ブダペストのNational Collection of Agricultural and Industrial Microorganismsに登録番号NCAIM(P)F 001266で預託されているMortierella maculata n.sp.E-97株の生物学的純粋培養、およびハンガリー/ブダペストのNational Collection of Agricultural and Industrial Microorganismsに登録番号NCAIM(P)F 001267で預託されているその変異型Mortierella maculata n.sp.E-97/15/13株の生物学的純粋培養に関連する。
【0019】
発明の詳細な説明
約5,500種の原核および真核生物株を対象とするスクリーニングプログラムにより、コンパクチンに負けずにそれをヒドロキシル化することができる23種の微生物を選別した。これらの株のなかでは糸状カビが、公開特許で周知となっている株に比してコンパクチン耐性が高くプラバスタチンの生産により適すると判明した。分類学的調査により、この株はMortierella属に属する新たな代表種(Mortierella maculata n.sp.)であると判明した。選別したカビから新株を、一方では突然変異−選択法の適用により、他方では同株のヒドロキシラーゼ酵素の誘導により、単離したが、それは既公開株よりも高濃度でコンパクチン基質をプラバスタチンへとヒドロキシル化することができた。突然変異誘発物質には、物理的および化学的変異原(UV照射、メチルメタンスルホネート、N-メチル-N’-ニトロ-N-ニトロソグアニジン)を使用した。変異誘発処理の後、半数体細胞を作製するために胞子懸濁液をベノミル剤を混ぜた寒天プレート上にまき、次いでヒドロキシラーゼ酵素を誘導するために生育コロニーを100 μg/mlの8-デ-(2-メチル-ブチリル)-コンパクチンまたはコンパクチンを混ぜた寒天プレートに接種した。これらの方法を適用することにより、新株から、親株よりもずっと高度にコンパクチンをプラバスタチンへと変換することができる変異株を作製した。
【0020】
実験を最適化しながら、最も有利な接種材料の組成、およびコンパクチンのヒドロキシル化のために最も有利な生物変換培地やコンパクチンを高濃度で繰り返し供給するための最適方法を決定した。
【0021】
よって本発明は、(ブダペストの園芸・食品工業大学微生物学・生物工学部)National Collection of Agricultural and Industrial MicroorganismsにNCAIM(P)F 001266およびNCAIM(P)F 001267の登録番号でそれぞれ預託されているMortierella maculata単離カビのE-97およびE-97/15/13株を使用すれば適当な発酵条件の下でプラバスタチンを効率的に製造することができると同時に、酸形態の6α-ヒドロキシ-コンパクチン、2α-ヒドロキシ-コンパクチン、8-デ-(2-メチル-ブチリル)-コンパクチン、3α,5β-ジヒドロキシ-5,6-ジヒドロ-イソコンパクチン、8α,β-ヒドロキシ-コンパクチン、およびコンパクチンの2-メチル-ブチリル側鎖の2位および3位がヒドロキシル化された誘導体などのような好ましくない関連化合物のほうは生物変換時に少量または微量が生成されるだけであるという認識を土台にしている。したがって、これらの株は工業規模でのプラバスタチン製造に特に適する。
【0022】
この活性成分の工業規模での経済的製造はコンパクチン基質の濃度に左右されることを考慮すると、高コンパクチンおよびプラバスタチン濃度に耐えうる株を確保することが重要である。よって、本発明のさらにもう1つの重要部分は、単離された原カビのヒドロキシル化能を変異−選択法および酵素誘導法の適用により向上させることは可能であり、さらにまた適当な基質供給法の開発により大量のコンパクチンのプラバスタチンへのヒドロキシル化を一ステップで実行させることも可能であるとの認識である。結論として、Mortierella maculata n.sp.E-97/15/13と命名された新変異株はプラバスタチンの製造に特に適する。
【0023】
単離された新カビ種の、既知Mortierella種の最重要診断属性と比較した場合の分類学的特徴は以下に説明するとおりである。
【0024】
Mortierella maculata nov.spec. 正基準株 E-97 の分類学的説明
でんぷん-カゼイン-麦芽エキス-寒天培地では、気中菌糸体がよく発達する(10 μmを越える厚さの被覆層をなして基底菌糸体を覆う)。それは初め、緻密な白色の菌糸網のように見えるが、やがてその中に数mm径の黄色がかった胞子形成点が現れる(新名称のmaculatusはこの状態を指し、「斑点のある」という意味である)。この黄色がかった色合いは気中網のもっと大きな連続した表面を占める場合もある。基底菌糸体の色はCzapek-、血液-Czapek-、チロシン-、でんぷん-カゼイン-、麦芽エキス-などの寒天培地上ではほとんどが無色であるかまたは薄黄色がかっている。基底菌糸体網の色は酵母エキス-グルコース-ペプトン培地上では薄赤みがかっている。拡散性および可溶性色素の産生は前掲培地上では見られないか、またはごくまれにわずかな黄色がった色合いが見られる。E-97株コロニーはその揮発油産生のために、また(Isabellina節の種を除く)他種Mortierellaと同様に、きわめて特徴的な強い芳香を発散させる場合がある。
【0025】
図1の参照数字1〜7で示される胞子嚢柄はしばしば、気中菌糸上に局部的に、互いにごくまちまちな間隔をおいてきわめて多数発達する(ただし基底菌糸上ではそれほどでもない)。それらの胞子嚢柄は分岐せず、ほとんどが直立または湾曲している。その長さは一般に60〜80 μmである。基部は圧倒的多数の場合、幾分短いが著しく膨らんだ気中網菌糸部にあり、それとは膜壁で隔てられている。胞子嚢柄自体もまた参照数字6で示すように膨らんでいる場合があるが、胞子嚢に向かって5.0〜9.0 μmから1.0〜2.0 μmへと次第に細くなる。胞子嚢の下では決して広がらないというのが重要な分類学的特徴である(参照数字8を見よ)。
【0026】
胞子嚢は球状であり、場合によってはやや扁平な球体をなす。その直径は6.0〜17.0 μm程度であり、他Mortierella種の胞子嚢と比較すると割合小さい。胞子嚢は多数の胞子を蔵する場合もあるが胞子を1個だけ蔵する胞子嚢もある。胞子9は円筒形またはやや卵形である。そのサイズは3.0〜5.0×1.5〜2.0 μmである。個別胞子内には1個または2個の小さな黒っぽい球状油滴10が存在する場合もある。胞子嚢壁はごく破れやすいため、湿潤環境では胞子がすぐに拡散しよう。胞子嚢が破れると、ときに胞子嚢柄端に細い熊手様の「カラー」とごく短い痕跡的な(一般的ではない)柱軸が観察される。球状または円筒状の無性芽15〜28はほとんどの異種診断培地上で観察されよう。サイズは通常10〜25 μmである。培地内では鎖状の球状無性芽13、出芽細胞、介在型無性芽15〜23、ある菌糸が他の菌糸の周りにらせん状に成長するという形の菌糸結合11、吻合様組織および巨細胞などが観察される場合もある。気中菌糸体内では、大きな(50〜250 pm径)ごく密集した菌糸網14が見られる場合もあるが、検出可能な接合子は存在しない。
【0027】
E-97培養株は硝酸塩を亜硝酸塩へと還元することができ、でんぷん、エスクリン、アルギニンまたはゼラチンを加水分解しないがTweenポリソルベートを加水分解し、またパラフィン炭化水素を分解しない。E-97培養株はウレアーゼ活性をもち、pH 7.0〜9.0の範囲内でよく増殖し、最高2%のNaClに耐える。キサンチン、ヒポキサンチン、レシチン、チロシンおよびアデニンの効果は陰性である。培養株の強酸産生はグルコース、フルクトース、グリセリンおよびガラクトースからは検出されてきたが、キシロース、アラビノース、ラフィノース、ソルビトール、イノシトール、イヌリンなどからの産生はごくわずかまたはゼロである。ピルビン酸塩と酢酸塩ではわずかな増殖が検出されるが、安息香酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩およびマロン酸塩では増殖がまったく見られない。培地内の唯一の炭素源としてのグルコースおよびフルクトースでは十分な増殖が観察された。キシロース、アラビノース、ラムノース、スクロース、ラフィノース、マニトールおよびイノシトールによる利用試験は陰性と出た。培養株はセルロースを分解しない。
【0028】
分類体系上の位置:E-97株はMortierellaceae科に属し、またMortierella属の代表的なメンバーである。すなわち、胞子嚢は一般に多数の胞子を蔵し、柱軸は極端に縮小しており、しばしば無性芽が存在し、接合子の存在は検出されず、またコロニーはきわめて特徴的な方向を発散する。E-97株はMortierella属内にあって「Alpina節」の一般的な代表種である。Alpina節はごく短い(最大長200 μm)非分岐型の胞子嚢柄、および微小な胞子嚢を特徴とする(Zycha, H und Siepmann, R., Mucorales. Eine Beschreibung aller Gattungen und Arten dieser Pilzgruppe. D-3301 Lehre, Verl. von J. Cramer, 1969)。Alpina節のメンバー内では、E-97株はM. thaxteri Bjoerling 1936およびM. renispora Dixon-Stewart 1932種に最も類似する。しかし、表1のデータはE-97株とこれら2種との診断的特性の差異をはっきりと示している。したがって、この機会にわれわれはこの株を新種としてMortierella maculata nov. spec. E-97の名称で紹介する。
【0029】
【表1】
Figure 0003645491
【0030】
【表2】
Figure 0003645491
【0031】
本発明に基づくプラバスタチン製法では、好ましくはMortierella maculata n.sp. E-97またはその突然変異型E-97/15/13の培養カビ株を使用する。この被選択株は高速で増殖するため大いに有利である。それは炭素源としてグルコース、グリセリン、フルクトース、またはガラクトースを容易に利用する。窒素源としては、酵母エキス、ペプトン、カゼイン、食肉エキス、大豆ミール、コーンスティープリキュール、硝酸ナトリウム、または硫酸アンモニウムを使用することができる。
【0032】
プラバスタチン生産用の培地では、前記の炭素および窒素源の他に鉱物塩、たとえばリン酸二水素酸カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、微量元素(鉄、マンガン塩)、アミノ酸および消泡剤を使用してもよい。
【0033】
本発明の好ましい実施態様では、Mortierella maculata n.sp. E-97株またはその変異株E-97/15/13[NCAIM(P)F 001267]の斜面寒天培養からあらかじめ調製された胞子懸濁液を接種培地にまく。次いで、約25〜30℃で、好ましくは約24〜28℃で、最も好ましくは約28℃で3日間培養した接種培地10%を生物変換培地に移す。次いで、4日間、約24〜28℃に、好ましくは約28℃に保ってから、培地にグルコースとコンパクチン酸ナトリウム塩を供給する。供給されるコンパクチン基質の濃度次第でさらに2〜12日間、通気条件下で、pHを5.5〜7.5の範囲内に、好ましくは7.0に維持しながら培養する。生物変換はかく拌・通気条件下で行われるようにし、その場合の通気量は0.2 、かく拌器の回転速度は400 rpmとする。
【0034】
発酵によるコンパクチン基質の生物変換に続いて、高圧液体クロマトグラフィー法(HPLC)を行う。この方法では、ブロス試料をメタノールで2倍に薄めて遠心分離にかけ、上清を使用してHPLC分析を次のパラメーターにより行う:Waters analytical HPLC装置−カラムNucleosil C18 10 μm;検出波長238 nm;注入量20 μl、流量1 ml/min;勾配溶出を使用、溶離液:A=0.05%リン酸水溶液、B=アセトニトリル。
【0035】
【表3】
Figure 0003645491
【0036】
おおよその保持時間:プラバスタチン8.6〜9.0分;コンパクチン酸11.6〜12.0分;プラバスタチンラクトン15.0〜15.5分;コンパクチン16.5〜17.0分。
【0037】
プラバスタチンの生産では、コンパクチン酸ナトリウム塩水溶液を培養96時間目に加える。この方法のために、基質を次の要領で固形に調製する。コンパクチンラクトンを0.2M水酸化ナトリウム溶液中、40℃で2時間加水分解し、次いで反応混合物のpHを塩酸で7.5に調整し、この中和処理溶液をDiaion HP-20吸着材カラムに層状に注入する。中和処理時に形成される塩化ナトリウムはカラムの水洗によって除去し、次いで50%アセトン水溶液によりコンパクチン酸のナトリウム塩をカラムから溶出する。その後、溶出液を減圧蒸留し、水性残留物を凍結乾燥する。中和処理後に、アルカリ性のコンパクチン加水分解物水溶液をそのまま基質として使用することもできる。この場合には、加水分解物のコンパクチン酸ナトリウム塩濃度をHPLCで測定し、溶液を−20℃に保って使用に備える。
【0038】
発酵4日目で到達するブロスのpHが高ければ高いほど、コンパクチン基質のヒドロキシル化には有利である。コンパクチン基質の供給はブロスpHが6.3を越えた時点で開始することができる。発酵4日目に、ろ過処理した滅菌コンパクチン酸ナトリウム水溶液を必要なだけ加えて濃度を500 μg/mlにする。培養物にはグルコースもまた、121℃で25分間滅菌処理した50%溶液として次の要領で供給する:ブロスpHが6.7より高ければブロス容量比で1%のグルコースを加え、またpHが6.3〜6.7の範囲内にあれば供給するグルコースの量は0.5%とする。コンパクチン酸ナトリウム塩は24時間後にブロスから消費されるが、その変換をHPLC測定により分析する。この場合、ブロス1 mlにつきさらに500 μgのコンパクチンを添加する。コンパクチン基質の他に、前述のようにグルコースもまた供給する。120時間培養の形態学的特徴は小球(球径0.5〜3.0 mm)の成長に求められる。24時間後には2回目の分量の基質もまたブロスから消費されるため、その全ブロス中の濃度を500 μg/mlにするために追加分量のコンパクチン酸ナトリウム塩を加え、それと平行してブロスのpHに応じてグルコースを供給する。発酵4日目から、基質とグルコースの供給を前記の要領で発酵17〜18日目まで毎日繰り返す。
【0039】
ブロスからの産物の回収に関しては、生物変換時にはプラバスタチンが酸性形態で形成されるため陰イオン交換樹脂カラム吸着法を使用すればブロスろ液からそれを単離できるという点を考慮するのが有利である。産物の単離には、第4級アンモニウム活性基をもつポリスチレン−ジビニルベンゼンポリマーである強塩基性陰イオン交換樹脂を使用するのが好都合である。産物は、ヒドロキシル形態の陰イオン交換樹脂をブロスろ液に混ぜればろ液から直接吸着させることができる。イオン交換樹脂上に吸着された産物は、酢酸により、または塩化ナトリウムを含むアセトン−水混合液、好ましくは1%塩化ナトリウムを含むアセトン−水(1:1)混合液により、カラムから溶出することができる。プラバスタチンを含む画分を混ぜ合わせ、溶出液中のアセトンを減圧蒸留でとばす。濃縮液のpHを3.5〜4.0の範囲内へと15%硫酸で調整し、水溶液を酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル抽出物を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。次いで、プラバスタチンからラクトン誘導体を調製する。ラクトン環の閉環は、ドライ酢酸エチル溶液中で、室温および連続かく拌条件のもと、触媒量のトリフルオロ酢酸の存在下でラクトン形成を誘導することにより行う。この変換手順は薄層クロマトグラフィー(TLC)分析でチェックする。ラクトン形成終了後、酢酸エチル溶液をまず5%炭酸水素ナトリウム水溶液で、次いで水で、それぞれ洗浄し、それから無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧蒸発させる。蒸発処理後の残留物をアセトン溶液中で活性炭処理し、再び蒸発させ、炭素原子数1-4の脂肪族アルコールから、好ましくはエタノールから再結晶させる。再結晶母液の蒸発残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで、酢酸エチル濃度を段階的に高めた酢酸エチル-n-ヘキサン混合物を溶離液として使用して精製する。
【0040】
再結晶とクロマトグラフィー精製で得られたプラバスタチンラクトンから、室温下、アセトン中での等量の水酸化ナトリウムによる加水分解によりプラバスタチンを製造する。プラバスタチンナトリウム塩の形成が完了したら、反応混合物を水で希釈し中和してからアセトン分を減圧蒸留でとばす。得られた水性残留物からプラバスタチンをDiaion HP-20樹脂充填カラムに吸着させ、脱イオン水で洗浄しアセトン−脱イオン水混合液でカラムから溶出する。次に、プラバスタチン含有画分を混ぜ合わせ、アセトン分を蒸発させ、水性残留物を凍結乾燥させると、高純度のプラバスタチンが得られるので、それを酢酸エチル−エタノール混合液から再結晶させることができる。
【0041】
この方法ではプラバスタチン全量を吸着させることができる。プラバスタチンのラクトン環閉環時には、3α-ヒドロキシ-イソ-コンパクチンや他の副産物も形成される可能性がある。その生成反応は単離歩留まりを低下させるものの、これらの化合物は前述の精製法により分離することができるので、製薬上許容しうる品質のプラバスタチンをこの要領で製造することができる。
【0042】
生物変換終了後、プラバスタチンはブロスまたは糸状カビ細胞分離後に得られたろ液のいずれかから抽出することができる。糸状カビ細胞はろ過または遠心分離のいずれかによって除去することができるが、特に工業規模では全ブロス抽出を行うのが有利である。抽出前に、ブロスまたはブロスろ液のpHを無機酸好ましくは希硫酸で3.5〜3.7に調整する。抽出は酢酸エステルおよび炭素原子数24の脂肪族アルコール、好ましくは酢酸エチルまたは酢酸イソブチルで行う。抽出ステップは、酸性pHでプラバスタチンからラクトン誘導体が形成されるのを防ぐ意味できわめて迅速に行うのがよい。
【0043】
有機溶媒抽出物からは酸形態のプラバスタチンをナトリウム塩として水性相に移すことができる。たとえば、酢酸エチル抽出物からは容量比1/10および1/20の5%炭酸水素ナトリウムまたは弱アルカリ水(pH 7.5〜8.0)でプラバスタチンを抽出することができる。プラバスタチンは、前述の要領で得られたアルカリ性水性抽出物から非イオン吸着樹脂使用のカラムクロマトグラフィーにより高純度で回収することができると判明した。方法としては、まずアルカリ性抽出物から水性相に溶解した溶媒を減圧蒸留で除去し、次いで水性抽出物をDiaion HP-20カラムに負荷するのが有利である。
【0044】
カラムに吸着したプラバスタチンナトリウム塩は溶出により、水溶液のアセトン濃度を徐々に高めながら精製し、次いでプラバスタチン含有主画分を混ぜ合わせ減圧濃縮する。この水性濃縮物は別のDiaion PH-20カラムによるクロマトグラフィーでさらに精製し、純粋のプラバスタチンを含む溶出液を得る。溶出液からは、活性炭による清澄化と凍結乾燥を経て製薬上許容しうる品質のプラバスタチンを得ることができる。
【0045】
この単離法はプラバスタチンのラクトン形成とその加水分解が介在しないため在来法よりもステップ数が少ない。単離に際して、プラバスタチンが、中性またはアルカリ性条件の場合ほど安定的でなくなる酸性状態にさらされる時間はごく短くてすむ。そのためこの単離法では人工物がほとんど形成されない。
【0046】
さらに、Sephadex LH-20 Dextranゲル(ヒドロキシプロピル化誘導体)によるクロマトグラフィーをプラバスタチン精製に使用すると好都合であると判明した。この方法の適用により、純度99.5%超(HPLCで測定)のプラバスタチンを生産することができる。
【0047】
われわれの実験では、(一般式IIで示される化合物を6β位でヒドロキシル化することができるMortierella maculata n. sp.株を含めた)糸状カビまたは糸状菌株のブロスまたはブロス硝酸塩の有機溶媒抽出物から、好ましくは酢酸エチルまたは酢酸イソブチル抽出物から、第2級アミンによりプラバスタチンを結晶塩として沈殿させうることが判明した。さらに、この塩形成にはアルキル-、シクロアルキル-、アラルキル-またはアリール-置換基をもつ数種の第2級アミンが適することも判明した。便宜上、その中から毒性のない第2級アミン、たとえばジオクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミンを選択した。有機第2級アミン塩、たとえばジベンジルアミン塩の単離は、抽出物のプラバスタチン濃度に対し1.5当量のジベンジルアミンを添加し、次いで抽出物を減圧蒸留で原容量の5%まで濃縮し、ついでこの濃縮液に追加量のジベンジルアミンを加えて当量比0.2にするという方法で行った。濃縮液からはジベンジルアミン塩結晶が沈殿する。この粗産物結晶をろ過し減圧乾燥させ、ついで活性炭で清澄化しアセトン中で再結晶させる。
【0048】
有機溶媒抽出とアルカリ性pHでの再抽出が絡む前述の方法でも第2級アミン塩を用いる単離法をカラムクロマトグラフィー精製の代わりに用いることもできる。この場合には、アルカリ性水性抽出物の酸性化後に得られる酢酸イソブチル抽出物からプラバスタチンジベンジルアミン塩を沈殿させるのが有利である。
【0049】
プラバスタチンの有機第2級アミン塩は、水酸化ナトリウムまたはナトリウムアルコキシド好ましくはナトリウムエトキシドによりプラバスタチンへと変換することができる。
【0050】
この変換について、プラバスタチンのジベンジルアミン塩を例に詳しく述べる。再結晶ジベンジルアミン塩を酢酸イソブチル−水混合液に懸濁させ、次いで当量の水酸化ナトリウムを水溶液とし、かく拌によりpHを8.0〜8.5に維持しながら懸濁液に加える。懸濁物が消えてから相を分離し、プラバスタチン含有水溶液を酢酸イソブチルで2回洗浄する。この水溶液を活性炭で清澄処理し、凍結乾燥させて製薬上許容しうる品質のプラバスタチンをえる。
【0051】
プラバスタチンジベンジルアミン塩をプラバスタチンに変換するための好ましい方法は、再結晶ジベンジルアミン塩をエタノールに懸濁させ、次いで当量または弱過剰量のナトリウムエトキシドを懸濁液にかく拌しながら加え、次いで反応混合物を減圧濃縮し、濃縮液にアセトンを加えて結晶プラバスタチンを沈殿させるというものである。
【0052】
プラバスタチンジベンジルアミン塩をプラバスタチンに変換するためのもう1つの好ましい方法は、再結晶ジベンジルアミン塩を酢酸エチル−エタノール混合液に溶解させ、この溶液に当量または弱過剰量の水酸化ナトリウムをエタノールに溶かして加え、プラバスタチンを沈殿させるというものである。
【0053】
第2級アミン塩中間物によるプラバスタチンの単離は、既知のいかなる単離法よりも単純な方法である。この方法では人工物は形成されないし、生物変換副産物からの、またヒドロキシル化微生物により生合成される各種代謝産物からのプラバスタチン分離の問題はクロマトグラフィー法を一切使用せずに解決することができる。
【0054】
プラバスタチン、プラバスタチンラクトンおよび単離されたプラバスタチン第2級アミン塩の構造はUV法、IR法、1H-NMR法、13C-NMR法および質量分析法によってすでに立証されている。
【0055】
実施例
本発明について以下の実施例との関連でさらに詳しく解説するが実施例を示すのは説明のためであって、本発明の範囲を制限するつもりはまったくない。
【0056】
実施例 1
コンパクチンを6β位でヒドロキシル化することができるMortierella maculata nov.spec. E-97[NCAIM(P)F 001266]株の7〜10日齢の麦芽エキス−酵母エキス寒天斜面培養物から胞子懸濁液を0.9%塩化ナトリウム溶液5 mlで調整し、懸濁液を500 ml三角フラスコ中の滅菌100 ml接種培地PIに接種した。
培地PIの成分:
Figure 0003645491
滅菌処理前に培地のpHを7.0に調整し、次いで121℃で25分間滅菌処理した。培養物をロータリーシェーカーにより3日間、28℃で振とうし(250 rpm、振幅2.5 cm)、次いで得られた培養物10 mlを500 ml三角フラスコ中の121℃、25分間滅菌処理した100-100 ml生物変換培地MU/4に移した。
培地MU/4の成分:
Figure 0003645491
滅菌処理前に培地のpHを7.0に調整し、次いで121℃で25分間滅菌処理した。
【0057】
フラスコをロータリーシェーカーにより4日間、25℃で振とうし(250 rpm、振幅2.5 cm)、次いで50-50 mgコンパクチン基質(コンパクチン酸ナトリウム塩)を滅菌ろ過処理した水溶液にして培地に加え、培養を継続した。同様に、5日目にさらに50-50 mgのコンパクチン酸ナトリウム塩を培養カビに加えさらに24時間発酵を継続した。ブロスのプラバスタチン濃度をHPLCで求めた。発酵は168時間継続した。生物変換終了時のブロスの平均プラバスタチン濃度は620 μg/mlであった。
【0058】
実施例 2
実験室規模の実効内容積5リットルの発酵槽にMU/S生物変換培地を準備し、培地成分は5リットルの容積に合わせて計算するが実際の充填は4.5リットルにとどめ、次いで121℃で45分間滅菌処理し、実施例1に従って調製した接種培養物500 mlをまいた。
Figure 0003645491
培地のpHは滅菌処理前に7.0に調整した。
【0059】
発酵は28℃、400 rpmの発酵速度、および底面方向からの通気量60リットル毎時の条件で4日間実施した。ブロスは接種後2日目に激しく泡立ち始めたが、それは追加のポリプロピレングリコール2000を添加することによって抑えることができる。発酵が始まると(16〜20時間)pHは初期値の6.5から5.0〜5.5へと低下し、次いで3日目から上昇し始め4日目には6.3〜7.5に達した。ブロスのpHが6.3を越えたらコンパクチン基質の供給を始めてよい。発酵4日目に、2.5 gのコンパクチン基質を滅菌ろ過処理した水溶液として添加する。基質の供給と平行して、ブロス容量に合わせて計算した0.5〜1.0%グルコースをpHに応じてブロスに、121℃、25分間滅菌処理した50%溶液の形で加える。24時間後にコンパクチン基質はブロスから消費し尽くされるが、それは発酵槽から採取した試料からHPLCで検出される。この場合には、さらに2.5 gのコンパクチン基質とグルコースを前述の要領で添加し、生物変換をさらに24時間継続させると、基質はプラバスタチンへと変換された。
【0060】
発酵終了後、630 μg/mlのプラバスタチンを含む5.1リットルのブロスをろ布でろ過した。分離された菌糸体に2リットルの水を加え、次いでこの菌糸体懸濁液を1時間かく拌し、ろ過した。これら2つのろ液を混ぜ合わせ、138 g(250 ml)のDowex Al 400(OH)樹脂を充填したカラム(カラム径3.4 cm、樹脂層高さ28 cm)に500 ml毎時の流量で通し、次いで樹脂を300 mlの脱イオン水で洗浄した。その後、樹脂からの溶出を10 gの塩化ナトリウムを混ぜた1リットルのアセトン−水(1:1)混合液で実施した。各画分容量は100 mlであった。溶出液は次のような薄層クロマトグラフィー(TLC)法で分析した:吸着材−Kieselgel 60 F 254DC(Merck)アルミ箔、展開溶媒−アセトン-ベンゼン-酢酸混合液(50:50:3)、検出−リンモリブデン酸試薬による。プラバスタチンのRf値は0.5である。産物を含む画分を混ぜ合わせ、アセトンを減圧蒸留でとばした。400 ml濃縮液を、15%硫酸により3.5〜4.0にpH調整してから150 ml酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル抽出物を混ぜ合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、プラバスタチンラクトンをプラバスタチン酸から、触媒量のトリフルオロ酢酸を室温で連続かく拌しながら加えることにより生成した。プラバスタチンラクトンの形成はTLCで制御した(前記TLC系におけるプラバスタチンラクトンのRf値は0.7である)。ラクトン形成の完了後、酢酸エチルを2×50 mlの5%炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、次いで50 mlの水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧蒸発させた。得られた蒸発残留物3 gを100 mlのアセトンに溶かし、0.3 gの活性炭で清澄処理した。次いで、活性炭をろ去しアセトンを減圧蒸発させた。得られた粗産物を20 mlエタノールから結晶させた。沈殿した結晶状のプラバスタチンラクトンをろ取しフィルター上で30 ml n-ヘキサンにより洗浄し、室温で減圧乾燥させた。こうして、1.5 gのクロマトグラフィー的に純粋なプラバスタチンラクトンが得られた。融点140〜142℃、[α]D=+194゜(c=0.5, メタノール)。結晶化母液を減圧蒸発させ、得られた1.2 gの蒸発残留物を24 g Kieselgel 60吸着材充填カラム(カラム径1.6 cm、層の高さ20 cm)のクロマトグラフィーにかけた。粗産物を5 mlのベンゼンに溶かして、カラムに層状に注入した。溶出には酢酸エチル濃度を次第に高めた酢酸エチル−n-ヘキサン混合液を使用した。プラバスタチンラクトンは60%酢酸エチル−40% n-ヘキサン混合液で溶出させることができる。画分はTCLにより、展開溶媒として酢酸エチル−n-ヘキサン(9:1)混合液を使用して制御した。プラバスタチンラクトンを含む画分を混ぜ合わせ、減圧蒸発させた。この方法により、0.3 gの純粋な産物が得られた。その品質は結晶化で得られたプラバスタチンラクトンに匹敵する。
【0061】
2回分量のプラバスタチンラクトンを混ぜ合わせ、そのナトリウム塩を次の方法により調整した:1.8 gのプラバスタチンラクトンを20 mlのアセトンに溶かし、4.5 mlの1 M水酸化ナトリウム水溶液をかく拌しながら添加し、次いでこの溶液を室温で半時間かく拌した。塩形成が完了したところで、この混合液に10 mlの水を加え、溶液を中和し、次いでアセトンを減圧蒸発させた。濃縮水溶液を150 ml Diaion HP20樹脂充填カラムのクロマトグラフィーにかけた(カラム径2.6 cm、層の高さ30 cm)。溶離液には、アセトン濃度を5%刻みで高めたアセトン−脱イオン水混合液を使用した。プラバスタチンをカラムから15%アセトンのアセトン−脱イオン水混合液で溶出した。画分はTLCで分析した。産物を含む画分を混ぜ合わせ、アセトンを減圧蒸発させた。水性残留物を凍結乾燥させることで、1.3 gのプラバスタチンが得られた。クロマトグラフィー的に純粋な産物はエタノールと酢酸エチルの混合液から結晶させた。
融点:170〜173℃(分解)
[α]D 20=+156゜(c=0.5、水中)
紫外線吸収スペクトル(20 μg/ml、メタノール中):λmax=231, 237, 245 nm(logε−4.263; 4.311; 4.136)
赤外線吸収スペクトル(KBr):υOH3415,υCH 2965,υC=O 1730, COO- 1575 cm-1
1H-NMRスペクトル(D2O,δ,ppm):0.86,d, 3H(2-CH3); 5.92, dd, J=10.0および5.4 Hz, 1H(3-H); 5.99,d, J=10.0 Hz, 1H(4-H); 5.52, br 1H(5-H); 4.24,m 1H(6-H); 5.34, br, 1H(8-H); 4.06, m, 1H(β-H),3.65,m, 1H(δ-H); 1.05,d, 3H(2’-CH3); 0.82,t, 3H(4’-H3)
13C-NMRスペクトル(D2O,δ,ppm):15.3,q(2-CH3);139.5,d (C-3);129.5,d(C-4);138.1,s(C-4a);127.7,d(C-5);66.6,d(C-6);70.1,d (C-8); 182.6, s(COO-); 72.6,d(C-β); 73.0, d(C-δ); 182.0, s(C-1’) ; 18.8, q(2’-CH3);13.7,q(C-4’)
ポジティブFAB質量スペクトル(特徴的イオン):[M+Na]-469; [M+N]+447
ネガティブFAB質量スペクトル(特徴的イオン):[M-H]-445, [M-Na]-423, m/z 101[2-メチル-酪酸-H]-
実施例 3
実施例1に述べた要領で、実験室規模の実効内容積5リットルの発酵槽に生物変換培地MU/4を準備した。実際の充填は4.5リットルにとどめたが、培地成分は5リットルで計算した。次いで121℃で45分間滅菌処理し、実施例1に従って調製した接種培養物500 mlを接種した。発酵は25℃、かく拌速度300 rpm、通気量50リットル毎時の条件で4日間行った。5 gのコンパクチン基質を培養物に供給した後、実施例2に準じて生物変換を行わせた。
【0062】
発酵終了後、660 μg/mlのプラバスタチンを含む4.9リットルのブロスをろ過し、分離された菌糸体を2×1リットルの脱イオン水に懸濁させて洗浄した。合計5.6リットルのブロスろ液を、20%硫酸で3.5〜3.7にpH調整し、次いでこの酸性ろ液を2750 ml酢酸エチルと共に30分かく拌した。その後、相を分離した。水性相をやはり2×1375 ml酢酸エチルで抽出し、混ぜ合わせた4740 mlの酢酸エチル抽出物に470 mlの脱イオン水を加え、次いで酢酸エチル水溶液を1M水酸化ナトリウムで7.5〜8.0にpH調整した。20分かく拌後に相を分離し、次いで酢酸エチル抽出物を前述の要領で2×235 ml脱イオン水で抽出した。次に、混ぜ合わせた弱アルカリ性水溶液1080 mlを280 mlに減圧濃縮した。この濃縮水溶液を、280 ml Diaion HP-20(Mitsubishi Co., Japan)非イオン樹脂を充填したクロマトグラフィーカラム(高さ/直径比=6.5)に層状に注入した。カラムへの吸着は流量250〜300 ml毎時で行わせ、次いでカラムを840 ml脱イオン水で洗浄した。その後、カラムを800 ml 5%、1000 ml 10%、500 ml 15%および500 ml 20%のアセトン水溶液で順次、溶出処理した。溶出の過程で50 ml画分を収集し、実施例2に示すTLC法で分析した。主成分としてプラバスタチンを含む画分を混ぜ合わせ、得られた溶液を260 mlへと減圧濃縮した。この濃縮水溶液を260 ml Diaion HP-20樹脂充填カラムのクロマトグラフィーにかけた。プラバスタチン吸着後、カラムを790 mlの脱イオン水で洗浄してから、アセトン水溶液260-260 ml分量で、水溶液のアセトン濃度を2.5、5.0、10.0、12.5、15.0および20.0%へと次第に高めながら溶出した。カラムクロマトグラフィーでは25 ml画分を収集し、画分のプラバスタチン濃度を前述の要領で分析した。TCLでプラバスタチンを単一成分として含むと判明した画分を混ぜ合わせ、減圧蒸発させた。その後、この濃縮水溶液(約30 ml)に0.3 gの活性炭を加え、プラバスタチンを室温で約30分間清澄処理した。次いで活性炭を溶液からろ去し、ろ液を凍結乾燥させた。こうして、1.62 gのプラバスタチンが凍結乾燥された状態で得られた。
【0063】
実施例 4
10〜12日間培養したMortierella maculata nov.spec. E-97[NCAIM(P)F 001266]株の斜面培養物から胞子懸濁液を0.9%塩化ナトリウム溶液5 mlで調整し、懸濁液を3000 ml三角フラスコ中の滅菌500 ml接種培地VHIGに接種した。
培地VHIGの成分:
Figure 0003645491
滅菌処理前に培地のpHを7.0に調整し、次いで121℃で25分間滅菌処理した。培養物をロータリーシェーカーにより3日間振とうし(250 rpm、振幅2.5 cm)、次いで得られた培養物を、実効内容積5リットルの、生物変換培地PKを入れた実験室規模発酵槽に接種した。
Figure 0003645491
滅菌処理前に培地のpHを7.0に調整した。接種、培養後、基質の供給と生物変換を実施例2の要領で行い、次いで発酵終了時にブロス中の濃度が650 μg/mlとなっていたプラバスタチンをブロスから単離した。
【0064】
発酵が終わったところで、650 μg/mlのプラバスタチンを含む4.9リットルのブロスのpHを、連続かく拌しながら2Mの水酸化ナトリウムで9.5〜10.0へと調整し、次いで1時間後に20%硫酸でpHを3.5〜3.7に調整した。その後、この酸性溶液を2.45リットルの酢酸エチルで抽出した。相を分離し、乳化有機物相から遠心分離により清澄エキスを分離した。このブロスを、前述の方法により2×1.22リットルの酢酸エチルで再抽出し、次いで混合液のpHを1M水酸化ナトリウムで8.0〜8.5に調整した。相を分離し、酢酸エチル相を前述の要領でpH 8.0〜8.5の脱イオン水2×0.2リットルで抽出した。弱アルカリ性水溶液を含む混合プラバスタチンのpHを20%硫酸で、かく拌しながら3.5〜3.7に調整した。得られた酸性溶液を酢酸エチル4×0.2リットルで抽出した。酢酸エチル抽出物を混ぜ合わせ、脱イオン水2×0.2リットルで洗浄し、次いで150モル%のジベンジルアミン(HPLCで求めたプラバスタチン濃度に対応させて計算)を酢酸エチル溶液に加えた。酢酸エチル溶液を容量0.2リットルに減圧濃縮した。得られた濃縮液にさらに20モル%のジベンジルアミンを加え、沈殿溶液を一晩0〜5℃に保持した。沈殿したプラバスタチンジベンジルアミン塩をろ取し、沈殿物をフィルター上で冷酢酸エチルで1回、次いでn-ヘキサンで2回、それぞそれ洗浄し、最後に40〜50℃で減圧乾燥させた。得られた粗産物(3.9 g)を100 mlのメタノールに室温で溶解し、次いで溶液を0.45 gの活性炭で清澄処理した。その後、メタノールろ液を減圧濃縮した。蒸発残留物を120 mlのアセトンに62〜66℃の外部温度で溶かし、次いで溶液を室温まで冷却した。その後、再結晶を0〜5℃で一晩継続させた。沈殿した結晶をろ取し、フィルター上で冷アセトンで2回、n-ヘキサンで2回、それぞれ洗浄した。再結晶プラバスタチンジベンジルアミン塩を160 ml酢酸イソブチルと80 ml脱イオン水の混合液に懸濁させた。その後、当量の水酸化ナトリウムを懸濁液にかく拌しながら加えた。懸濁が消えてから相を分離し、プラバスタチンを含む水溶液を酢酸イソブチル2×30 mlで洗浄した。得られた水溶液を活性炭で清澄処理した。次いで水性ろ液を容量約20 mlへと濃縮した。得られた水溶液を0.4リットルSephadex LH-20ゲル(Pharmacia, Sweden)充填クロマトグラフィーカラム(高さ:径=22)に注入した。クロマトグラフィーでは溶離液として脱イオン水を使用し、20 ml画分を収集した。画分をLTCで分析し、次いでプラバスタチンを含む画分を前述の要領でHPLCで分析した。純水のプラバスタチンを含む画分を混ぜ合わせ、凍結乾燥させた。こうして、1.75 gのプラバスタチンが得られた。その純度はHPLC分析では99.5%を超える。
【0065】
実施例 5
10〜12日間培養したMortierella maculata nov.spec. E-97[NCAIM(P)F 001266]株の斜面培養物から胞子懸濁液を0.9%塩化ナトリウム溶液5 mlで調整し、懸濁液を実施例4で述べた要領で500 mlの接種培地に接種した。実効内容積5リットルの実験室規模発酵槽を使用して、生物変換培地PC/4を121℃で45分間滅菌処理してから、タネ培養物を接種した。
Figure 0003645491
滅菌処理前に培地のpHを7.0に調整した。接種後、培養と基質の供給を実施例2の要領で行い、次いでプラバスタチン濃度610 μg/mlのブロス5.1リットルを得た。
【0066】
前記ブロスから、3.7 gのプラバスタチンジベンジルアミン塩粗産物が実施例4に示した方法で生産され、その粗産物から再結晶後に2.9 gのプラバスタチンジベンジルアミン塩が得られた。再結晶プラバスタチンジベンジルアミン塩を45 mlのエタノールに懸濁させ、次いでかく拌しながら水酸化ナトリウムの1 Mエタノール溶液を供給することより110モル%の水酸化ナトリウムを加えた。溶液のかく拌を半時間続けてから、0.3 gの活性炭を加えてさらに半時間かく拌した。溶液をろ過し、ろ液を15 mlに濃縮した。56〜60℃で濃縮液に60 mlのアセトンを加えた。得られた溶液を室温に冷却し、次いで一晩+5℃に保持した。その後、沈殿をろ取し、2×20 mlアセトン、2×20 ml酢酸エチル、2×20 ml n-ヘキサンで順次洗浄し、最後に減圧乾燥させた。得られた1.7 gの粗製プラバスタチンをエタノールに溶かし、次いで活性炭で清澄処理し、エタノール−酢酸エチル混合液から結晶させた。こうして1.54 gの、実施例2の産物に匹敵するプラバスタチンが得られた。
【0067】
実施例 6
実施例4で述べた要領で、7〜10日間培養したMortierella maculata nov.spec. E-97[NCAIM(P)F 001266]株の斜面培養物から、3000 ml三角フラスコ中の滅菌500 ml接種培地MIへの接種を行い、ロータリーシェーカー上で3日間、28℃に保持した。
Figure 0003645491
滅菌処理前に培地のpHを6.0に調整し、次いで121℃で35分間滅菌処理する。得られたタネ培養物を発酵槽内の滅菌処理済み5リットル生物変換培地P12に接種する。
Figure 0003645491
滅菌処理前に培地のpHを7.0に調整し、次いで121℃で45分間滅菌処理した。発酵、基質の供給および生物変換は実施例2の要領で行った。生物変換終了後、620 μg/mlの濃度に形成されたプラバスタチンを次の要領で単離した。
【0068】
620 μg/mlのプラバスタチンを含む5.15リットルのブロスを2 Mの水酸化ナトリウムで9.5へとpH調製してから、室温で1時間かく拌した。ブロスをろ過し、菌糸体を1×2リットルの、次いで1×0.5リットルの水に、それぞれ懸濁させて洗浄した。ろ液を混ぜ合わせ、水溶液のpHを20%硫酸で3.7に調整し、2.5リットルの、次いで1.5リットルの酢酸エチルでそれぞれ抽出した。酢酸エチル抽出物を混ぜ合わせ、2×0.5リットルの水で洗浄し、1.95 gのジシクロヘキシルアミンを加えた。酢酸エチル抽出物を40℃で200 mlに減圧濃縮し、濃縮液に0.195 gのジシクロヘキシルアミンを再び加え、それを15℃で6時間かく拌した。沈殿した結晶物質をろ取し、20 mlの、次いで15 mlの酢酸エチルで洗浄し、40℃で乾燥させた。こうして、3.51 gの粗産物が得られた。粗産物をアセトン−エタノール混合液中で再結晶させ、3.05 gのプラバスタチンジシクロヘキシルアミン塩(融点162〜168℃)を得た。これを実施例5に従ってプラバスタチンに変換した。
【0069】
実施例 7
Mortierella maculata n.sp. E-97[NCAIM(P)F 001266]株により、実施例2の要領で発酵、基質の供給および生物変換を行った。生物変換の結果として得られたプラバスタチンをブロスから次の要領で単離した。
【0070】
濃度650 μg/mlのプラバスタチンを含む5リットルのブロスをろ布でろ過した。カビの菌糸体を2リットルの0.1 M水酸化ナトリウム溶液に入れて1時間かく拌し、ろ過した。2つのろ液を混ぜ合わせ、15%硫酸でpHを3.5〜4.0に調整した。その後、溶液を2×1.8リットルの酢酸エチルで抽出した。混ぜ合わせた酢酸エチル抽出物を800 mlの水で洗浄した。次いで400 mlの脱イオン水を加え、また混合液のpHを1 Mの水酸化ナトリウムで8.0〜8.5に調整した。混合液を15分間かく拌し、相を分離した。酢酸エチル相に300 mlの水を加え、pHを8.0〜8.5に調整した。15分かく拌後、相を分離した。300 mlの水を酢酸エチルに再び加え、pHを8.0〜9.5に調整した。次いで混合液を15分間かく拌した。2相を再び分離した。水性相をすべて混合し、15%硫酸でpHを3.5〜4.0に調整し、次いで3×300 mlの酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル抽出物を混ぜ合わせ150 mlの水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。次いで150モル%のジオクチルアミン−プラバスタチン濃度に合わせて計算−を酢酸エチル抽出物に加えた。酢酸エチルを蒸発させて約1/10の容積とし、アセトンを沈殿が起こるまで加えた。混合物を一晩5℃に保持した。沈殿をG-4フィルターでろ過し、20 mlのアセトンで、次いで20 mlのn-ヘキサンでそれぞれ洗浄してから、室温で減圧乾燥させた。得られた3.3 gの粗製プラバスタチンジオクチルアミン塩を20 mlのアセトンから再結晶させ、2.7 gの純粋なプラバスタチンジオクチルアミン塩を得た。融点143〜146℃。プラバスタチンジオクチルアミン塩を実施例5に示す方法でプラバスタチンに変換した。
【0071】
実施例 8
自然の生息環境から単離された(コンパクチンを6β位でヒドロキシル化することができる)Mortierella maculata n.sp. E-97株のヒドロキシル化能を、以下に詳述する突然変異−選択および酵素誘導実験で発達させることにより、Mortierella maculata n.sp. E-97/15/13[NCAIM(P)F 001267]変異株を作り出した。
【0072】
われわれの手で単離されたMortierella maculata n. sp. E-97 [NCAIM(P)F 001266]株を斜面寒天培地MSにより28℃で7日間培養した。
Figure 0003645491
5 mlの0.9%塩化ナトリウム溶液により斜面培地から胞子を洗い流し、次いで胞子懸濁液を滅菌ペトリ皿に移した後、それに紫外線を1分間照射した。その後N’-メチル-N’-ニトロ-N-ニトロソグアニジンを胞子懸濁液に加え、最終濃度を2000 μg/mlとした。次いで懸濁液を100 ml三角フラスコに移し、28℃、150 rpmで20分間振とうした。その後、胞子を4000 rpm、10分間の遠心分離にかけて沈降させ、次いで滅菌処理した0.9%塩化ナトリウム溶液に懸濁させた。懸濁液を、10 μg/mlのベノミルと1%の脱線維素血液を混ぜた寒天プレートMU-VB上にまいた。
Figure 0003645491
この培地は滅菌処理後、10 mlウシ血液と10 mgベノミルを加えて仕上げた。
【0073】
寒天プレートを28℃に7日間保ち、形成されたコロニーをランダム選択により寒天培地PSを入れた試験管に移した。
Figure 0003645491
滅菌処理に先立って培地のpHを5.6〜5.7に調整する。滅菌処理は121℃で20分間実施する。
【0074】
斜面培養物を12日間28℃に保ち、そのプラバスタチン生産性を実施例1で述べた振とうフラスコ実験で試験した。この方法で、濃度1000 μg/mlの添加コンパクチン酸ナトリウム塩から60%超の変換率でプラバスタチンを産生するMortierella maculata n.sp.E-97 /15/13[NCAIM(P)F 001267]変異株を選択した。
【0075】
Mortierella maculata n.sp.E-97/15/13株のヒドロキシラーゼ酵素を、100 μg/mlの8-デ-(2-メチル-ブチリル)コンパクチンおよび/またはコンパクチンを混ぜたMU-BV寒天培地での培養により誘導した。形成されたコロニーをランダム選択後にMU-BV斜面培地を入れた誘導器に移した。増殖した斜面培養のプラバスタチン生産性を実施例1で述べた方法で調べたが、それとの違いは500 μg/ml単位のコンパクチン基質の供給を発酵4日目からさらに11日間実施したこと、および12日間に段階的に追加されたコンパクチンナトリウム基質がプラバスタチンへと完全に転換されたことにある。50本の振とうフラスコ培養で行われた生物変換の終わりには、30 gのコンパクチンナトリウム基質から18.5 gのプラバスタチンの形成がHPLCで測定された。混合ブロスからのプラバスタチンの回収は下記の方法によって行った。
【0076】
発酵終了後、濃度3360 μg/mlのプラバスタチンを含む5.5リットルのブロスのpHを20%硫酸で3.5〜3.7に調整した。その後、この酸性溶液を2.75リットルの酢酸エチルで抽出した。相を分離し、乳化有機物相から遠心分離で透明抽出液を得た。ブロスを1.37リットルの酢酸エチルでさらに2回、前述の要領で抽出した。酢酸エチル抽出物を混合し、2×1.15リットルの脱イオン水で洗浄し、次いで150モル%のジベンジルアミン−HPLCで測定したプラバスタチン濃度に合わせて計算−を酢酸エチル溶液に加えた。酢酸エチル溶液を約0.23リットルに減圧濃縮した。この濃縮液にさらに20モル%のジベンジルアミンを加え、沈殿溶液を一晩0〜5℃に保った。プラバスタチン酸ジベンジルアミン塩の沈殿をろ取し、次いで沈殿を冷酢酸エチルに懸濁させ次いでn-ヘキサンに2回懸濁させて洗浄し、最後に40〜50℃で減圧乾燥させた。得られた粗産物(22.4 g)を0.67リットルのアセトンに62〜66℃で溶かし、溶液を2.2 gの活性炭で清澄処理した。清澄処理後、アセトンろ液を0.56リットルに減圧濃縮した。濃縮液から沈殿した結晶を再び前記温度で溶かし、次いで溶液を室温に冷却した。その後、再結晶を0〜5℃で一晩継続させた。沈殿結晶をろ取し、冷アセトンに2回、n-ヘキサンに2回、それぞれ懸濁させて洗浄した。再結晶プラバスタチン酸ジベンジルアミン塩を40〜50℃で減圧乾燥させた。得られたプラバスタチン酸ジベンジルアミン塩(14.8 g)を40〜44℃で740 mlの酢酸エチル−エタノール(9:1)混合液に溶かし、次いで1Mエタノール溶液という形のこの溶液に110モル%の水酸化ナトリウムを加えた。得られた沈殿溶液を室温で半時間かく拌し続け、次いで1〜1.5時間氷で冷やして完全に沈殿させた。その後沈殿をろ取し、2×150 mlの冷酢酸エチルと2×150 mlのn-ヘキサンで洗浄し、最後に40〜50℃で減圧乾燥させた。得られたプラバスタチンをエタノールに溶かし、1.0 gの活性炭で清澄処理し、次いでエタノール−酢酸エチル混合液から結晶させた。こうして実施例2に掲げたデータに相当する物理定数をもつ9.4 gのプラバスタチンが得られた。
【0077】
以上、本発明の目下の好ましい実施態様を若干説明したが、以上述べた実施態様の変更や修正を本発明の精神と範囲から逸脱することなく行えることは当業者には自明であろう。したがって、本発明は添付の請求項と準拠法によって要求される限りで限定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、Mortierella maculata n.sp.E-97の菌体特性を示す。

Claims (33)

  1. 以下の式I:
    Figure 0003645491
    で示される化合物の、以下の式II:
    Figure 0003645491
    (式中Rはアルカリ金属またはアンモニウムのイオンである)で示される基質化合物からの微生物学的製造方法であって、
    (a) 式II化合物を6β位でヒドロキシル化することができる糸状カビMortierella maculata種の株を同化性の炭素および窒素源と鉱物塩を含む培地上で培養する、
    (b) 変換対象の基質をMortierella maculataの生育した培養物に供給する、
    (c) 基質を生物変換完了まで発酵させる、
    (d) 式I化合物を培養液から分離する、および
    (e) 式I化合物を単離する
    という工程を含む製造方法。
  2. 前記培地が栄養ブロスである、請求項1記載の方法。
  3. 式I化合物を培養液から分離する工程が陰イオン交換樹脂への吸着により行われる、請求項2記載の方法。
  4. 式I化合物を培養液から分離する工程が水不混和性の有機溶媒による抽出により、次いで中間物としてのそのラクトン誘導体または第2級アミン塩の分離により行われる、請求項2記載の方法。
  5. 式I化合物を培養液から分離する工程が発酵液の有機溶媒抽出物から得られるアルカリ性水性抽出物の非イオン吸着樹脂クロマトグラフィーによる精製によって行われる、請求項2記載の方法。
  6. Mortierella maculata株がハンガリー/ブダペストのNational Collection of Agricultural and Industrial Microorganismsに登録番号NCAIM(P)F 00126で預託されているMortierella maculata n.sp. E-97株である、請求項1記載の方法。
  7. Mortierella maculata株がハンガリー/ブダペストのNational Collection of Agricultural and Industrial Microorganismsに登録番号NCAIM(P)F 00127で預託されているMortierella maculata n.sp. E-97/15/13株である、請求項1記載の方法。
  8. 変換に使用される株のヒドロキシラーゼ酵素が8-デ-(2-メチル-ブチリル)コンパクチンまたはコンパクチンによって誘導される、請求項1記載の方法。
  9. 基質としての式II化合物が供給工程に沿って培養物に添加され、かつ供給工程が培養物のpHに依存し、その量は培養液容量の0.5〜1.0%であることを特徴とする、請求項2記載の方法。
  10. 発酵工程がグルコース、フルクトースおよびグリセリンからなる群より選択される炭素源を含む培地で行われる、請求項1記載の方法。
  11. 発酵工程が大豆ミール、ペプトン、カゼイン、酵母エキスおよび食肉エキスからなる群より選択される窒素源を含む培地で行われる、請求項1記載の方法。
  12. 生物変換時に形成される式I化合物が培養液から、培養ろ液および菌糸体洗浄水からの陰イオン交換樹脂への吸着、樹脂からの式I化合物の溶出、式I化合物のラクトン形態への完全な変換、ラクトン誘導体の単離、ラクトン誘導体の水酸化ナトリウムによる加水分解、および式I化合物の非イオン吸着樹脂上での脱塩によって分離されることを特徴とする、請求項2記載の方法。
  13. 陰イオン交換樹脂がポリスチレン−ジビニルベンゼン骨格を備える第4級アンモニウム活性基をもち、培養ろ液からの式I化合物の分離に使用される、請求項12記載の方法。
  14. 生物変換時に形成される式I化合物が、あらかじめpH 3.5〜3.7へと酸性化されている培養液から、または培養ろ液から、水不混和性の有機溶媒により酸形態で抽出される、請求項4記載の方法。
  15. 水不混和性の有機溶媒が酢酸エチルである、請求項14記載の方法。
  16. 水不混和性の有機溶媒が酢酸イソブチルである、請求項14記載の方法。
  17. 式I化合物が有機溶媒から水酸化ナトリウム水溶液中にナトリウム塩形態で抽出されかつ非イオン吸着樹脂上で精製される、請求項5記載の方法。
  18. 式I化合物を、アルキル-、シクロアルキル-、アラルキル-またはアリール-置換基をもつ第2級アミンにより抽出物から結晶形態で沈殿させることを特徴とする、請求項14記載の方法。
  19. 結晶体の第2級アミン塩を炭素原子数1〜4の酢酸アルキルエステルと水の混合液中に懸濁させ、その懸濁液に当量の水酸化ナトリウムを水溶液にして加えて有機物相と水性相が形成されるようにし、有機物相と水性相を分離させ、水性相を酢酸イソブチルで洗浄し次いで活性炭で清澄処理し、その水溶液を凍結乾燥させることを特徴とする、請求項18記載の方法。
  20. アルキルエステルがイソブチルエステルである、請求項19記載の方法。
  21. 結晶体の第2級アミン塩を炭素原子数1〜4のアルコールに懸濁させ、水酸化ナトリウムのエタノール溶液を加えることによりその懸濁液から式I化合物の溶液を調製し、その溶液からアセトンにより式I化合物を沈殿させることを特徴とする、請求項18記載の方法。
  22. 炭素原子数1〜4のアルコールがエタノールである、請求項21記載の方法。
  23. 結晶体の第2級アミン塩を炭素原子数1〜4のアルカンカルボン酸の炭素原子数1〜4個のアルキルエステルと炭素原子数1〜4のアルコールとの混合液に溶解させ、水酸化ナトリウムを加えることによりその溶液から式I化合物を結晶形態で沈殿させることを特徴とする、請求項18記載の方法。
  24. 混合液が酢酸エチル−エタノール混合液である、請求項23記載の方法。
  25. プラバスタチンが発酵液から、酸形態の式I化合物ジベンジルアミン塩を経由して単離される、請求項19記載の方法。
  26. 式I化合物の酸誘導体がそのジシクロヘキシルアミン塩を経由して精製される、請求項19記載の方法。
  27. 式I化合物の酸誘導体がそのジオクチルアミン塩を経由して精製される、請求項19記載の方法。
  28. 式I化合物が、ゲルクロマトグラフィー使用のHPLCで測定して少なくとも99.5%の純度に精製される、請求項19記載の方法。
  29. Mortierella maculata株が25℃〜30℃で培養される、請求項1記載の方法。
  30. ハンガリー/ブダペストのNational Collection of Agricultural and Industrial Microorganismsに登録番号NCAIM (P)F 001266で預託されているMortierella maculata n.sp.E-97株の生物学的純粋培養物。
  31. ハンガリー/ブダペストのNational Collection of Agricultural and Industrial Microorganismsに登録番号NCAIM (P)F 001267で預託されているMortierella maculata n.sp.E-97/15/13株の生物学的純粋培養物。
  32. 以下の式II:
    Figure 0003645491
    (式中Rはアルカリ金属またはアンモニウムのイオンである)で示される化合物を6β位でヒドロキシル化することができるモルチィエレラ・マクラタ(Mortierella maculata)種の微生物。
  33. モルチィエレラ・マクラタ(Mortierella maculata)NCAIM(P)F 001266株、又は モルチィエレラ・マクラタ(Mortierella maculata)NCAIM(P)F 001267株である、請求項32に記載の微生物。
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