JP3642637B2 - 樹脂モールド装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の被成型品及び成型品などのワークを供給収容可能な基本ユニットに、複数のプレスユニットを個別に着脱自在に装備した樹脂モールド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、接離動可能な上型と下型との間に被成型品を搬入してこれを型閉じして樹脂モールドを行う樹脂モールド装置においては、例えばリードフレームにIC、LSI、ダイオード等の電子部品をボンディングしたものを金型に搬入して、樹脂モールドしていた。
【0003】
例えば、図8に示す樹脂モールド装置を用いて説明すると、電子部品をボンディングしたリードフレームは、リードフレーム供給部51に収容されており、樹脂タブレットはタブレット供給部52にそれぞれ収容されている。上記リードフレーム供給部51より金型のチェイス53の数に応じた枚数のリードフレームをテーブル上に切り出し、タブレット供給部52より金型のポット数に応じた樹脂タブレットをテーブル上に供給し、これらをローダー54によりチャックして金型へ搬送して樹脂モールドを行っていた。樹脂モールド後、離型した成型品をアンローダー55によりチャックしてゲートブレイク部に搬送してゲートブレイクして成型品と不要樹脂とを分離した後、成型品及び不要樹脂をそれぞれ回収するよう構成されている。上記アンローダー55が型開きした金型内を進退する際にクリーナー56によりパーティング面のクリーニングを行っていた。
【0004】
上記樹脂モールド装置においては、被成型品の品種を変える必要がある場合に、装置全体の運転を停止させて金型をチェイス53ごと交換したり、リードフレーム供給部51や樹脂タブレット供給部52などを品種に応じて交換する必要があった。
【0005】
上記樹脂モールド装置においては、例えばあるモールディングユニットのチェイスの汚れをメラミン樹脂を使用してクリーニングする場合や、パーティング面に打痕が生じてスペアチェイスと交換しようとした場合に、逐一装置全体を停止させる必要があり、この場合装置を再び使用可能となるまでには金型温度が安定化する時間を考慮すると1時間〜2時間程度は必要となり、作業性が低下する。また、成型品の生産量を調整するため、例えば4チェイスのうち2チェイスだけを生産しようとしても、型押しバランスの問題があるため、このような部分的な金型の使用は困難であった。また、成型品を大量生産するものにあっては、金型の重量や形状が大型化する傾向にあるため、金型の取扱いが面倒であり、金型の加工精度を均一に維持することが困難である。また、金型内において樹脂封止条件の差が生じて成型品の品質にばらつきが生じる。
【0006】
上記成型品の品質のばらつきを少なくするため、特公昭64−6539号公報に示す樹脂封止装置が提案されている。この装置はリードフレーム1枚分又は2枚分をモールドする大きさの金型を有する複数のモールド部を設けることにより金型を小型軽量化して型加工精度を維持し、取扱性を簡便にしたものである。
また、上記ユーザー側の成型品の生産量の増減に即応するため、特開平7−32414号公報に示す樹脂封止成型装置が提案されている。この装置は、例えば2枚取りの最小単位構成の基本モールディングユニットに対して、他の2枚取りのモールディングユニットをユニット間のボトムベースに設けた凹凸状の嵌合部により直列に複数接続して、成型品の生産量の増減という要請に対応させたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特公昭64−6539号公報に示す樹脂封止装置においては、金型を小型化したため、成型品を増産するためプレス部を増加させようとしても装置レイアウトの大幅な変更になり困難である。
【0008】
また、前記特開平7−32414号公報に示す樹脂封止成型装置においては、基本モールディングユニットとこれに直列に増設された各モールディングユニットは、金型の両側にリードフレームを供給排出するローダーユニット及びアンローダーユニットの移動経路がそれぞれ設けられているため、各モールディングユニットのチェイスの交換や金型メンテナンス作業を行い難い。
また、成型品を増産しようとすると、何台ものモールディングユニットを直列に接続しなければならないため、設置面積が大きくなり易い。
【0009】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、プレスユニットを基本ユニットに対して個別に着脱可能にすることで、成型品の増減に自在に対応でき、プレスユニットのチェイスの交換や金型メンテナンス等の作業性や取扱性が良く、装置全体がコンパクトで設置面積を縮小可能な樹脂モールド装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため次の構成を備える。
即ち、複数の被成型品をプレスユニットへ供給可能に収容する被成型品供給部と、樹脂モールド後に成型品を前記プレスユニットより回収する成型品収容部と、前記被成型品供給部より前記プレスユニットへ被成型品を移送するローダーと、成型後の成型品を前記プレスユニットより回収して成型品収納部に移送するアンローダーと、前記ローダー及びアンローダーの移送路を備えた基本ユニットの、当該移送路の両側において前記被成型品を上下金型間でプレスして樹脂モールドする複数のプレスユニットを個別に着脱自在に装備したことを特徴とする。
また、前記ローダーを上部、アンローダーを下部となるように2層に配置され、それぞれ別個に独立して基本ユニットと各プレスユニットとの間を往復移動することを特徴とする。
また、前記基本ユニットにおけるローダー及びアンローダーの旋回位置、被成型品の供給位置、成型品の収納位置はほぼ直線的に配置されており、かつこれらを結ぶ移送路は各プレスユニットの基本ユニットへの着脱方向とほぼ平行になるよう配置されることを特徴とする。
【0011】
複数の被成型品をプレスユニットへ供給可能に収容する被成型品供給部と、樹脂モールド後の成型品を前記プレスユニットより回収する成型品収容部と、前記被成型品供給部より前記プレスユニットへ被成型品を移送するローダーと、成型後の成型品を前記プレスユニットより回収して成型品収納部に移送するアンローダーを備えた基本ユニットに着脱自在に設けられた複数のプレスユニットへ当該基本ユニットから被成型品をローダーにより供給し、各プレスユニットから成型後の成型品をアンローダーにより基本ユニットへ回収する樹脂モールド装置において、前記ローダーを上部、アンローダーを下部となるように2層に配置され、それぞれ別個に独立して基本ユニットと各プレスユニットとの間を往復移動することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の態様を添付図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施例)
本実施の態様は、基本ユニットに対して4台のプレスユニットを着脱可能に装備した樹脂モールド装置について説明するものとする。
図1は樹脂モールド装置の全体構成を示す上視図、図2は上記樹脂モールド装置の右側面図、図3は上記樹脂モールド装置の正面図、図4は上記樹脂モールド装置のインローダー及びアンローダーの動作を示すタイミングチャートである。
【0013】
先ず、図1を参照して樹脂モールド装置の全体構成について説明する。1は樹脂モールド装置であり、基本ユニット2に対して複数のプレスユニット3を個別に着脱自在に装備している。以下、この構成を具体的に説明する。
上記基本ユニット2は、単数又は複数の被成型品(リードフレームL及び樹脂タブレット)を供給可能に収容する被成型品収容部としてのリードフレーム供給部4及び樹脂タブレット供給部5と、樹脂モールド後のリードフレームLを収容する成型品収容部としてのリードフレーム収容部6と、前記リードフレーム供給部4及び樹脂タブレット供給部5より前記プレスユニット3へリードフレームL及び樹脂タブレットを移送し、成型後のリードフレームLを前記プレスユニット3より回収してリードフレーム収容部6に移送する移送手段としてのローダーユニット7とを備えている。尚、上記基本ユニット2には、モールディング部は装備されておらず、各プレスユニット3に装備されている。以下、これらの構成について具体的に説明する。
【0014】
上記リードフレーム供給部4には、半導体素子がボンディングされた被成型品としての複数のリードフレームLが供給可能に収容されている。このリードフレーム供給部4には、リードフレームLを収容した複数の供給マガジン4aが収容されており、該供給マガジン5よりリードフレームプッシャー4bによりリードフレームLが1枚ずつ供給テーブル4c上に切り出される。この供給テーブル4cは、リードフレームLが1枚切り出される毎に180度回転して次のリードフレームLが切り出され、2枚のリードフレームLが切り出されると、その位置(図1の二点鎖線に示す位置)から90度回転した位置(図1の実線位置)で停止して待機する。また、上記供給テーブル4cに切り出されたリードフレームLは、該供給テーブル4c上で予備加熱が行われる。
【0015】
また、上記樹脂タブレット供給部5には複数の樹脂タブレットを整列して収容した樹脂タブレットカセット5aを装備している。この樹脂タブレットカセット5aより金型のポットピッチに対応して収容孔が設けられている樹脂タブレットホルダー5bに対し樹脂タブレットが供給される。上記樹脂タブレットホルダー5bに保持された樹脂タブレットは、ローダーが図1の二点鎖線に示す基準位置より90度回転して受け渡される。
【0016】
また、上記リードフレーム収容部6には、樹脂モールド後の複数のリードフレームLが収容されている。このリードフレーム収容部6には、成型後のリードフレームLを取り出してゲートブレイクするディゲート部6aが装備されている。このディゲート部6aでゲートブレイクされ、リードフレームLと成型品カル,成型品ランナ,成型品ゲートを含む不要樹脂6bとは分離されてそれぞれ回収される。上記リードフレームLは、成型品ピックアップ6cによりチャックされて90度回転した状態で収納マガジン6dへ搬送される。また、上記不要樹脂6bは、リードフレームLが回収された後、ディゲート部6aの下部に設けられた図示しない回収ボックス等に回収される。
【0017】
また、上記ローダーユニット7としては、リードフレームL及び樹脂タブレットを基本ユニット2から各プレスユニット3へ搬送するローダー8と、成型後の成型品を各プレスユニット3から基本ユニット2へ搬送するアンローダー9とを装備している。
上記ローダーユニット7は、上記供給テーブル4cとディゲート部6aとの間の基準位置Aをホームポジションとしており、上記ローダー8を基準位置Aより供給テーブル4cへ移動してリードフレームLをチャックした後再びホームポジョンへ戻るように移動させ、上記アンローダ9を成型品をチャックしたまま基準位置Aよりディゲート部6aに搬送して成型品のチャックを解放した後、再びホームポジョンへ戻るように移動させる。
【0018】
また、上記ローダー8,アンローダー9はそれぞれ基準位置Aにおいて図示しないシリンダ駆動等により旋回可能に構成されており、ローダー8は図1の二点鎖線に示す位置より90度回転して樹脂タブレットホルダー5bより樹脂タブレットを移載する。また、上記ローダー8及びアンローダー9は移動先のプレスユニット3によって基準位置Aにおいて旋回させて向きを合わせてから移動させられる。
【0019】
10は延出部であり、前記基本ユニット2の一部をローダーユニット7の基準位置Aより外方に延出させて全体としてT字状に形成されており、該ローダーユニット7の移動経路を構成する。この延出部10は、ローダーユニット7の移動経路であると共に、複数のプレスユニット3の装着部を構成している。即ち、各プレスユニット3は、上記延出部10の両側より各プレスユニットの先端面を突き当てるか、或いは基本ユニット2の底部の基台2aを延出してその延出部上に載せることで機械的及び電気的接続が図られ、基本ユニット2に対して互いに個別に装着するように構成されている。本実施の態様では、図1に示すように、4台のプレスユニット3を延出部10の両側より装着するように構成されているため、ローダーユニット7は、第1,第2プレスユニット3a,3bに対してリードフレームL等を供給回収する場合には、基準位置Aより搬送位置Bまで移動させて第1,第2プレスユニット3a,3bにローダー8及びアンローダー9をそれぞれ往復移動させて行い、第3,第4プレスユニット3c,3dに対してリードフレームL等を供給回収する場合には、基準位置Aより搬送位置Cまで移動させて第3,第4プレスユニット3c,3dにローダー8及びアンローダー9をそれぞれ往復移動させて行う。
【0020】
上記ローダーユニット7の構成について図2及び図3を参照して説明する。ローダー8及びアンローダー9は、上記延出部10の上下方向に2層にそれぞれ装備されており、それぞれ別個に独立して基本ユニット2と各プレスユニット3との間を往復移動させられる。
上側に配備されるローダー8は、上側移動レール11に沿って延出部10の長手方向に移動可能である。上記ローダー8は、ローダー回動部12及びローダー支持ユニット13を介して上側移動レール11に装着されている。上記ローダー回動部12は、前述したように、基準位置Aにおいてローダー8を旋回させて、リードフレームLや樹脂タブレットをチャックするものである。また、上記ローダー支持ユニット13は、ローダー8を移動可能に保持しており、該ローダー8をベルト駆動により水平方向に往復移動させるための図示しない進退機構を装備している。この進退機構によりローダー8は供給テーブル4c上へ移動してリードフレームLをチャックし、樹脂タブレットホルダー5bへ移動して樹脂タブレットを移載される。
【0021】
また、下側に配備されるアンローダー9は、下側移動レール14に沿って延出部10の長手方向に移動可能である。上記アンローダー9は、アンローダー回動部15及びアンローダー支持ユニット16を介して下側移動レール14に装着されている。上記アンローダー回動部15は、前述したように、基準位置Aにおいて成型後のリードフレームLをチャックしたままアンローダー9を旋回させてディゲート部6aに搬送する。また、上記アンローダー支持ユニット16は、アンローダー9を移動可能に保持しており、該アンローダー9をベルト駆動により水平方向に往復移動させるための図示しない進退機構を装備している。この進退機構によりアンローダー9はディゲート部6a上へ移動して成型後のリードフレームLのチャックを解放する。
また、上記基本ユニット2におけるローダー8及びアンローダー9の旋回位置(基準位置A)、リードフレーム及び樹脂タブレットの供給位置、成型後のリードフレームの収納位置はほぼ直線的に配置されており、かつこれらを結ぶ移送路は前記延出部10への各プレスユニット3の着脱方向とほぼ平行になるよう配置されている。このため、上記ローダー8及びアンローダー9の移送路は、各支持ユニットの進退機構と組み合わせると、基本ユニット2の旋回位置(基準位置A)と延出部10の搬送位置B,Cとを結ぶ移送路を直線的に移動すれば足りるので、移動距離が短く、マシンサイクルの短縮化に寄与できる。
【0022】
また、上記アンローダー9は、各プレスユニット3への進入方向先頭側に180度回動可能なブラシ及び吸引部からなるクリーナー9aを装備しており、該クリーナー9aを上側に起立させた状態で各プレスユニット3に進入させながら上型のクリーニングを行い、この状態から180度回転させて下側に起立させた状態で各プレスユニット3より退避させながら下型のクリーニングを行う。
即ち、前記アンローダー9は、各プレスユニット3が型開き状態において上下金型間に進入して成型品の取り出しと金型面のクリーニングを行い、前記アンローダー9が上下金型間から退避すると、ローダー8が金型内に進入して被成型品をセットする動作を繰り返し行う。上記アンローダー9が上下金型間から退避中に上記ローダー8を上下金型間へ進入させても良い。
【0023】
尚、上記ローダーユニット7には、ローダー8及びアンローダー9をそれぞれ1個ずつ装備した場合について説明したが、これらをそれぞれ2個ずつ装備して互いに水平方向両側にそれぞれ往復移動可能に装備しても良い。
また、上記ローダー8及びアンローダー9にそれぞれ下型用及び上型用クリーナを設け、アンローダ9が上下金型間より退避するときに下型を、ローダー8が上下金型間へ進入するときに上型をクリーニングしても良い。
【0024】
次に、プレスユニット3の構成について、図1〜図3を参照して説明する。本実施例で用いられるプレスユニット3には、マルチポット(プランジャ)タイプのトランスファモールドプレスが装備されている。
各プレスユニット3は、図1に示すように、上下の金型プレート17a,17bのうち下型プレート17b側にリードフレームLを収容可能なリードフレームセット部17c及び樹脂タブレットを収容可能なポット17dがそれぞれ形成されている。上記金型は2枚取り用に構成されているが、単数或いは更に多数個取りできる金型を用いても良い。
【0025】
図2において、18は上金型であり、上固定プラテン19に支持されている。20は下金型であり、下可動プラテン21に上下動可能に支持されている。上記上金型18は上ベースプレート18aの上に上チェイスブロック18bを装備しており、該上チェイスブロック18bには、上型プレート17aを収容している。また、上記下金型20は、下ベースプレート20aの上に下チェイスブロック20bを装備しており、該下チェイスブロック20bには、下型プレート17bを収容している。
【0026】
また、図3に示すように、上記下型プレート17bに形成されたポット17d内にはプランジャー22が下ベースプレート20aを挿通して装備されており、該プランジャー22は下可動プラテン21側に設けられた油圧或いは電動シリンダ等の図示しない駆動機構により上下動可能に構成されている。
上記下金型20は、下可動プラテン21を作動させることにより上下動させられ上金型18との間で型締め/型開きを行うように構成されている。
【0027】
次に上述のように構成された樹脂モールド装置1の各プレスユニット3のプレス動作及びローダーユニット7の搬送動作を、図4に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。
本実施の態様では、第1プレスユニット3a〜第4プレスユニット3dの4台プレスユニット3によるプレス動作及び該プレスユニット3と基本ユニット2との間のローダーユニット7による被成型品及び成型品の搬送動作について説明する。尚、上記第1プレスユニット3a〜第4プレスユニット3dにおいては、予めリードフレームL及び樹脂タブレットはセットされているものとし、型閉じ/型開きのタイミングがそれぞれ異なる第1〜第4プレスユニット3a〜3dに対してローダーユニット7を順次移動させながら被成型品及び成型品の搬送を行う場合の1サイクル分のプレス工程について説明するものとする。
【0028】
先ず、第1プレスユニット3aにおいて上金型18と下金型20とを型閉じ(プレス)して樹脂モールド後に、駆動機構(図示せず)を作動させて下可動プラテン21を下動させることにより、上金型18と下金型20との型開きを行う。そして、アンローダー支持ユニット16によりアンローダー9をクリーナー9aを上側に起立させたまま上記上下金型間に進入させて、先ず上金型18の上型プレート17aをクリーニングする。そして、アンローダー9は、成型後のリードフレームLをチャックして上下金型間より退避する際に、クリーナー9aを180度回転させて下側に起立させたまま下型プレート17bをクリーニングする。この間に、ローダー8は、基本ユニット2のホームポジョンAにおいてリードフレーム供給部4より供給されたリードフレームL及び樹脂タブレット供給部5より供給された樹脂タブレットをそれぞれチャックして、上側移動レール11に沿って延出部10の搬送位置Bまで移動して待機している(図1参照)。
【0029】
上記アンローダー9が上下金型間より退避すると、リードフレームL及び樹脂タブレットを保持したローダー8が上下金型間に進入してこれらを下金型20の下型プレート17b上にセットする。上記ローダー8が上下金型間より退避すると、駆動機構(図示せず)を作動させて下可動プラテン21を上動させて型閉じ(プレス)して、キュアを行い、リードフレームLの樹脂モールドを行う。
【0030】
上記ローダー8が第1プレスユニット3aの上下金型間に進入するとき、成型後のリードフレームLをチャックしたアンローダー9は、延出部10に形成された下側移動レール14に沿って延出部10より基本ユニット2へ移動してリードフレームLをディゲート部6aに移載して再び延出部10の搬送位置Bまで戻って待機している。そして、次の第2プレスユニット3bの型開きを待って上下金型間に進入して退避する間に、成型後のリードフレームLをチャックして取り出すと共に上金型18及び下金型20のクリーニングを行う。
【0031】
また、上記ローダー8は、第1プレスユニット3aの金型より退避すると、アンローダー9が第2プレスユニット3bの上下金型間に進入している間に、延出部10に形成された上側移動レール11に沿って延出部10より基本ユニット2へ移動して、ホームポジョンAにおいてリードフレーム供給部4より供給されたリードフレームL及び樹脂タブレット供給部5より供給された樹脂タブレットをそれぞれチャックして再び延出部10の搬送位置Bまで戻って待機している。そして、上記アンローダー9が上下金型間より退避するのを待って、該上下金型間に進入して下型プレート17b側にリードフレームL及び樹脂タブレットをセットして退避する。上記ローダー8が上下金型間より退避すると、駆動機構(図示せず)を作動させて下可動プラテン21を上動させて型閉じ(プレス)して、キュアを行い、リードフレームLの樹脂モールドを行う。
【0032】
上記ローダー8が第2プレスユニット3aの上下金型間に進入するとき、成型後のリードフレームLをチャックしたアンローダー9は、延出部10に形成された下側移動レール14に沿って延出部10より基本ユニット2へ移動してリードフレームLをディゲート部6aに移載して延出部10の搬送位置Cまで移動して待機している。そして、次の第3プレスユニット3cの型開きを待って上下金型間に進入して退避する間に、成型後のリードフレームLをチャックして取り出すと共に上金型18及び下金型20のクリーニングを行う。
【0033】
また、上記ローダー8は、第2プレスユニット3bの金型より退避してからアンローダー9が第3プレスユニット3cの上下金型間に進入している間に、延出部10に形成された上側移動レール11に沿って延出部10より基本ユニット2へ移動して、ホームポジョンAにおいてリードフレーム供給部4より供給されたリードフレームL及び樹脂タブレット供給部5より供給された樹脂タブレットをそれぞれチャックして延出部10の搬送位置Cまで移動して待機している。そして、上記アンローダー9が上下金型間より退避するのを待って、該上下金型間に進入して下型プレート17b側にリードフレームL及び樹脂タブレットをセットして退避する。上記ローダー8が上下金型間より退避すると、駆動機構(図示せず)を作動させて下可動プラテン21を上動させて型閉じ(プレス)して、キュアを行い、リードフレームLの樹脂モールドを行う。
【0034】
上記ローダー8が第3プレスユニット3cの上下金型間に進入するとき、成型後のリードフレームLをチャックしたアンローダー9は、延出部10に形成された下側移動レール14に沿って延出部10より基本ユニット2へ移動してリードフレームLをディゲート部6aに移載して再び延出部10の搬送位置Cまで移動して待機している。そして、次の第4プレスユニット3dの型開きを待って上下金型間に進入して退避する間に、成型後のリードフレームLをチャックして取り出すと共に上金型18及び下金型20のクリーニングを行う。
【0035】
また、上記ローダー8は、第3プレスユニット3bの金型より退避してからアンローダー9が第4プレスユニット3dの上下金型間に進入している間に、延出部10に形成された上側移動レール11に沿って延出部10より基本ユニット2へ移動して、ホームポジョンAにおいてリードフレーム供給部4より供給されたリードフレームL及び樹脂タブレット供給部5より供給された樹脂タブレットをそれぞれチャックして再び延出部10の搬送位置Cまで移動して待機している。そして、上記アンローダー9が上下金型間より退避するのを待って、該上下金型間に進入して下型プレート17b側にリードフレームL及び樹脂タブレットをセットして退避する。上記ローダー8が上下金型間より退避すると、駆動機構(図示せず)を作動させて下可動プラテン21を上動させて型閉じ(プレス)して、キュアを行い、リードフレームLの樹脂モールドを行う。
上述のようにして、4台のプレスユニットによる1サイクル分のプレス工程が行われる。上記プレスユニットは4台装備した状態で説明してきたが、生産量との関係で1〜3台装備した状態で生産してももちろんかまわない。
また、基本ユニット2に対して複数プレスユニットを装着した状態で、一部のプレスユニットだけ動作させても良い。
【0036】
上記構成によれば、基本ユニット2に対して複数のプレスユニット3を個別に接続したので、各プレスユニット3を基本ユニット2より単独で取り外しが容易であり、搬送系が各プレスユニット3の一方向から進退するので各プレスユニット3の回りに作業空間を確保でき、金型メンテナンス(クリーニングを含む)やチェイス交換等の作業性が良い。
また、樹脂モールド装置1を運転中に、例えば第1〜第4プレスユニット3a〜3dのうちいずれかのプレスユニットに対して金型メンテナンスやチェイス交換等を行うこと、或いはプレスユニットそのものの着脱を行うことが可能となり、装置全体の樹脂モールド動作を停止させる必要がなくなり、作業効率が良い。この場合には、基本ユニット1の各プレスユニットの着脱部にシャッター等を設けて基本ユニットの搬送系と空間的に隔離しておくのが望ましい。
また、基本ユニット2に対して個別に接続されたある1台のプレスユニットでマニュアルにより他品種の成型品を樹脂モールドを行うことができるためマニュアル用のプレス機を別に必要せず、またプレス機能のみを有するプレスユニット3の増減で生産量を調整できるので、移動すべきプレスユニット3の重量も低減でき、プレスユニットの追加による移動経路の延長が基本的にないので使い勝手が良い。
また、基本ユニット2におけるローダーユニット7の移動経路が短くて済むため、供給テーブル4c上の予備加熱手段による予備加熱で十分であるため製造コストも低減でき、しかも基本ユニット2に対してプレスユニット3を個別に接続するため、装置全体をコンパクトにでき設置面積を低減できる。
特に、上記基本ユニット2をT字状に形成した場合には、ローダーユニット7の移動距離が少なくて済み、基本位置Aを中心に旋回できるので、リードフレームLや樹脂タブレットのセットや成型品の回収において移動動作が少なく、マシンタイムの短縮化を図ることができる。
【0037】
また、上記実施の態様では、基本ユニット2に対して4台のプレスユニット3a〜3dを装着可能な装置構成について説明したが、これに限定されるものではなく、図5及び図6に示すように、基本ユニット2に対して2台のプレスユニット3a,3bを個別に装着可能な装置構成にしたり、更に他数のプレスユニットを個別に装着可能な装置構成にしても良い。
【0038】
また、上記基本ユニット2の大きさを越えてプレスユニット3を増設する場合、例えば図1の樹脂モールド装置1に対して6台のプレスユニットを装着する場合には、上記基本ユニット2の延出部10を延長して基本ユニット2のサイズを大きく改造することで、プレスユニット3の増設をすることも可能である。
また、各プレスユニット3は、マルチポット(プランジャ)タイプのトランスファモールドプレスを装備しているが、シングルポット(プランジャ)タイプのトランスファモールドプレスであってもよい。
【0039】
(第2実施例)
次に上記樹脂モールド装置の他例について図7を参照して説明する。尚、前記第1実施例と同一部材には同一番号を付して説明を援用するものとする。
前記第1実施例では、基本ユニット2の一部を外方に延出させて被成型品及び成型品の移送路となる延出部を形成していたが、本実施の態様は、前記基本ユニット2の形態として直方体状の基本ユニット30を用いたものである。
【0040】
上記基本ユニット30は、前記第1実施例における基本ユニット2と同様に、単数又は複数の被成型品(リードフレームL及び樹脂タブレット)を供給可能に収容するリードフレーム供給部4及び樹脂タブレット供給部5と、樹脂モールド後のリードフレームLを収容するリードフレーム収容部6と、前記リードフレーム供給部4及び樹脂タブレット供給部5より前記プレスユニット3へリードフレームL及び樹脂タブレットを移送するローダー8と、成型後のリードフレームLを前記プレスユニット3より回収してリードフレーム収容部6に移送するアンローダー(図示せず)を含むローダーユニット7とを備えている。
【0041】
本実施の態様では、第1実施例に比べて、上記ローダー8によるリードフレームLと樹脂タブレットのチャック位置と、アンローダー(図示せず)による成型品の収納位置がそれぞれ異なっている。
即ち、上記ローダー8は、図7のX位置において、矢印方向に進退して供給テーブル4cよりリードフレームLをチャックしてそのまま基本ユニット30の長手方向に平行移動し、Y位置において、矢印方向に進退して樹脂タブレットカセット5aより樹脂タブレットをチャックしてから180度回転して各プレスユニット3に対して向きを合わせ、いずれかの投入位置P,Q,R,Sへ移動して上記リードフレームL及び樹脂タブレットを供給する。
また、上記アンローダー(図示せず)は、樹脂モールド後の各プレスユニット3より成型品を取り出して、図7のZ位置において180度回転してディゲート部6aへ成型品を受け渡す。このディゲート部6aでゲートブレイクされ、リードフレームLと成型品カル,成型品ランナ,成型品ゲートを含む不要樹脂6bとは分離されてそれぞれ回収される。上記リードフレームLは、図示しない成型品ピックアップによりチャックされて収納マガジン6dへ搬送され収納される。
よって、ローダー8及びアンローダー(図示せず)は、被成型品を各プレスユニット3に対して供給するため、各プレスユニット3より成型品を取り出してリードフレーム収容部6に収容するために、図7のX,Y,Z位置において旋回して向きをあわせる。
【0042】
上記構成によっても、第1実施例と同様に、各プレスユニット3を基本ユニット2より単独で取り外しが容易であり、搬送系が各プレスユニット3の一方向から進退するので各プレスユニット3の回りに作業空間を確保でき、金型メンテナンス(クリーニングを含む)やチェイス交換等の作業性が良い。
また、樹脂モールド装置1を運転中に、例えば第1〜第4プレスユニット3a〜3dのうちいずれかのプレスユニットに対して金型メンテナンス作業等を行うことが可能となり、装置全体の樹脂モールド動作を停止させる必要がなくなり、作業効率が良い等の著効を奏する。
【0043】
尚、本発明は上記実施の態様に限定されるものではなく、例えば発明の精神を逸脱しない範囲内でさらに多くの改変を施し得るのはもちろんのことである。
【0044】
【発明の効果】
本発明は前述したように、基本ユニットに対して複数のプレスユニットを個別に接続したので、各プレスユニットを単独で基本ユニットより取り外しが容易であり、各プレスユニットの回りに作業空間を確保できるので、金型メンテナンス(クリーニングを含む)やチェイス交換等の作業性が良い。また、樹脂モールド装置を運転中に、例えばいずれか1のプレスユニットに対して金型メンテナンス作業等を行うことが可能となり、装置全体の樹脂モールド動作を停止させる必要がなくなり、作業効率が良い。
また、前記基本ユニットに対して個別に接続されたある1台のプレスユニットでマニュアルにより他品種の成型品を樹脂モールドを行うことができるため使い勝手が良く、またプレス機能のみを有するプレスユニットの増減で生産量を調整できるので、移動すべきプレスユニットの重量も低減でき、プレスユニットの追加による移送手段の移動距離の延長が基本的にないので取扱性が良い。
また、前記基本ユニットにおけるローダーユニットの移動経路が短くて済むため、供給テーブル上のリードフレームの予備加熱で十分であるため製造コストも低減でき、しかも基本ユニットに対してプレスユニットを個別に接続するため、装置全体をコンパクトにでき設置面積を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る樹脂モールド装置の全体構成を示す上視図である。
【図2】図1の樹脂モールド装置の右側面図である。
【図3】図1の樹脂モールド装置の正面図である。
【図4】上記樹脂モールド装置のローダー及びアンローダーの動作を示すタイミングチャートである。
【図5】他例に係る樹脂モールド装置の全体構成を示す上視図である。
【図6】図5の樹脂モールド装置の正面図である。
【図7】第2実施例に係る樹脂モールド装置の全体構成を示す上視図である。
【図8】従来の樹脂モールド装置の上視図である。
【符号の説明】
L リードフレーム
1 樹脂モールド装置
2 基本ユニット
2a 基台
3 プレスユニット
3a 第1プレスユニット
3b 第2プレスユニット
3c 第3プレスユニット
3d 第4プレスユニット
4 リードフレーム供給部
4a 供給マガジン
4b リードフレームプッシャー
4c 供給テーブル
5 樹脂タブレット供給部
5a 樹脂タブレットカセット
5b 樹脂タブレットホルダー
6 リードフレーム収容部
6a ディゲート部
6b 不要樹脂
6c 成型品ピックアップ
6d 収納マガジン
7 ローダーユニット
8 ローダー
9 アンローダー
9a クリーナー
10 延出部
11 上側移動レール
12 ローダー回動部
13 ローダー支持ユニット
14 下側移動レール
15 アンローダー回動部
16 アンローダー支持ユニット
17a 上型プレート
17b 下型プレート
17c リードフレームセット部
17d ポット
18 上金型
18a 上ベースプレート
18b 上チェイスブロック
19 上固定プラテン
20 下金型
20a 下ベースプレート
20b 下チェイスブロック
21 下可動プラテン
22 プランジャー

Claims (4)

  1. 複数の被成型品をプレスユニットへ供給可能に収容する被成型品供給部と、樹脂モールド後に成型品を前記プレスユニットより回収する成型品収容部と、前記被成型品供給部より前記プレスユニットへ被成型品を移送するローダーと、成型後の成型品を前記プレスユニットより回収して成型品収納部に移送するアンローダーと、前記ローダー及びアンローダーの移送路を備えた基本ユニットの、当該移送路の両側において前記被成型品を上下金型間でプレスして樹脂モールドする複数のプレスユニットを個別に着脱自在に装備したことを特徴とする樹脂モールド装置。
  2. 前記ローダーを上部、アンローダーを下部となるように2層に配置され、それぞれ別個に独立して基本ユニットと各プレスユニットとの間を往復移動することを特徴とする請求項1記載の樹脂モールド装置。
  3. 前記基本ユニットにおけるローダー及びアンローダーの旋回位置、被成型品の供給位置、成型品の収納位置はほぼ直線的に配置されており、かつこれらを結ぶ移送路は各プレスユニットの基本ユニットへの着脱方向とほぼ平行になるよう配置されることを特徴とする請求項1記載の樹脂モールド装置。
  4. 複数の被成型品をプレスユニットへ供給可能に収容する被成型品供給部と、樹脂モールド後の成型品を前記プレスユニットより回収する成型品収容部と、前記被成型品供給部より前記プレスユニットへ被成型品を移送するローダーと、成型後の成型品を前記プレスユニットより回収して成型品収納部に移送するアンローダーを備えた基本ユニットに着脱自在に設けられた複数のプレスユニットへ当該基本ユニットから被成型品をローダーにより供給し、各プレスユニットから成型後の成型品をアンローダーにより基本ユニットへ回収する樹脂モールド装置において、
    前記ローダーを上部、アンローダーを下部となるように2層に配置され、それぞれ別個独立に基本ユニットと各プレスユニットとの間を往復移動することを特徴とする樹脂モールド装置。
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