JP3642166B2 - エンジン自動停止及び始動車両の油圧制御装置 - Google Patents

エンジン自動停止及び始動車両の油圧制御装置 Download PDF

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    • B60VEHICLES IN GENERAL
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    • B60K6/00Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units Informative references: mechanical gearings with secondary electric drive F16H3/72; arrangements for handling mechanical energy structurally associated with the dynamo-electric machine H02K7/00; machines comprising structurally interrelated motor and generator parts H02K51/00; dynamo-electric machines not otherwise provided for in H02K see H02K99/00
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    • B60K6/50Architecture of the driveline characterised by arrangement or kind of transmission units
    • B60K6/54Transmission for changing ratio
    • B60K6/543Transmission for changing ratio the transmission being a continuously variable transmission

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の停車中にはエンジンを自動停止させる一方、所定の運転操作に応じてエンジンを自動的に再始動する車両に関し、特に、停車中の油圧を確保する油圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から排気エミッションの低減と、燃料消費量の削減のため、停車中にはエンジンを自動的に停止させる一方、運転者がアクセルペダルを踏み込むと、自動的にエンジンを再始動して発進する車両が知られており、例えば、内燃機関と電動モータを組み合わせたハイブリッド車両では、本願出願人が提案した特願平9−132326号がある。
【0003】
これは、エンジンと第1モータジェネレータを並列的に配置するとともに、駆動輪に連結された第2モータジェネレータを備えて、発進加速時などの所定の走行条件ではエンジンの駆動力に第2モータジェネレータの駆動力を加え、コーストまたは減速時には第2モータジェネレータを発電機としてエネルギーの回生を行うのに加え、所定の低車速時にはエンジンを停止して第2モータジェネレータのみによって駆動する。そして、停車中にはエンジン及び第2モータジェネレータを停止させる一方、アクセルペダルの踏み込みなどによって発進を検知すると、第1モータジェネレータをモータとして駆動することでエンジンを再び始動しながら、第2モータジェネレータによって発進を行うもので、排気エミッションの低減と燃料消費量の削減を図るものである。
【0004】
このような、エンジン自動停止及び始動車両に自動変速機を採用した場合、自動変速機内ではエンジンに駆動される油圧ポンプによって変速機構及び摩擦締結要素の作動油圧を確保しているが、例えば、市街地走行の信号待ち等で停止した場合、エンジンも停止するため、エンジンによって駆動される油圧ポンプも停止して自動変速機内の作動油圧が確保されず、発進時にはエンジンの始動によって油圧が急激に上昇するため、自動変速機の摩擦締結要素、例えば、フォワードクラッチ等が解放状態から急激に締結されてショックを発生し、運転性を損なってしまう。
【0005】
そこで、電動モータ、第2油圧ポンプ及びアキュームレータを主体とする第2油圧発生源を設け、停車時には第2油圧発生源から自動変速機の摩擦締結要素へ油圧を供給し、走行中の締結状態を確保することで、エンジン再始動時の上記締結ショックを防止するものである。
【0006】
第2油圧発生源には、電動モータと第2油圧ポンプを制御するため油圧センサが設けられ、コントローラは油圧センサが検出した油圧が所定値P1以下になると電動モータを駆動してアキュームレータへの蓄圧を開始する一方、検出油圧が所定値P2以上になると電動モータを停止することで、アキュームレータに蓄えられる油圧は、常時所定値P1〜P2の間に保たれるのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、第2油圧発生源は自動変速機の近くに配置され、例えば、エンジンルーム内に配置されるため、第2油圧発生源のアキュームレータにガス封入式アキュームレータを採用した場合、エンジンの発熱などによってアキュームレータが加熱されるため、封入ガスにも圧力変動が生じ、特に、高温環境(例えば100℃)では、ガス温度の上昇によってアキュームレータに蓄えられる作動油量が低減したり、蓄圧不能になるという問題があった。
【0008】
すなわち、図7に示すように、電動モータの駆動を開始する圧力を下限圧P1、電動モータを停止する圧力を上限圧P2とすると、常温時(例えば、20℃)では、封入ガス圧力Pと蓄油量Voilの関係は、
Vgas=V0×(P0/P)(1/n) ………(1)
Voil=V0−Vgas ………(2)
ただし、V0:常温時の封入ガス体積(アキュームレータ内容積)
P0:常温時の封入ガス圧力(蓄油量Voil=0)
n:ポリトロープ指数
となって、図7の実線に応じて、圧力Pと蓄油量Voilが変化し、上限圧P2、下限圧P1に対応する蓄油量Voilの上限値V2、下限値V1の間Aでアキュームレータの蓄油量Voilが変化して、この区間Aが蓄油量Voilの最大値となる。
【0009】
一方、高温時(例えば、100℃以上)では、図中一点鎖線のようになって、蓄油量Voil=0のときの封入ガス体積P0’は、
P0’=P0×(T’/T0) ………(3)
ただし、T0:常温時の封入ガス温度
T’:高温時の封入ガス温度
P0’:高温時の封入ガス圧力(蓄油量Voil=0)
となって、常温時のP0より下限圧P1を超えて高圧側に変化する。
【0010】
そして、封入ガス圧力Pと蓄油量Voil’の関係は、
Vgas’=V0×(P0’/P)(1/n) ………(4)
Voil’=V0−Vgas’ ………(5)
となって、封入ガスの圧力Pは、蓄油量Voil’=0となる圧力P0’から上限圧P2の間で変化することになり、蓄油量Voil’は0から上限圧P2に対応する蓄油量上限値V2’の区間A’で変化する。最大蓄油量Voil’を示す区間A’は常温時の区間Aより減少するのに加えて、蓄油量Voil’=0となっても、P0’>P1となるため、封入ガスの加熱状態によっては、電動モータの駆動が行われず、アキュームレータが空になっても蓄圧が開始されないという問題があった。
【0011】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ガス封入式アキュームレータを用いても、第2油圧発生源の蓄圧を可能にすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、所定の運転条件が成立したときにエンジンを停止させる一方、運転操作に基づいて再発進を検出したときには、エンジンを再始動するエンジン制御手段と、前記エンジンに連結された自動変速機と、エンジンの駆動力によって油圧を発生するとともに前記自動変速機へ供給する第1の油圧発生手段と、この第1油圧発生手段からの油圧を、前後進選択手段の状態に応じて前進用摩擦締結要素または後進用摩擦締結要素のうちの一方へ油圧を供給する制御弁と、前記エンジン制御手段によって車両の運転中にエンジンが停止した場合、前記前進用摩擦締結要素または後進用摩擦締結要素へ油圧を供給する第2油圧発生手段とを備えたエンジン自動停止及び始動車両の油圧制御装置において、前記第2油圧発生手段は、モータに駆動される油圧ポンプと、油圧ポンプからの圧油を蓄圧するガス封入式のアキュームレータとを備え、アキュームレータからの油圧を検出する油圧検出手段と、アキュームレータの封入ガス温度を測定または推定する温度検出手段と、この封入ガス温度が高い程前記モータの駆動開始油圧と、駆動停止油圧を高く設定するモータ制御油圧変更手段と、前記検出油圧が駆動開始油圧未満のときにはモータの駆動を開始する一方、検出油圧が駆動停止油圧を超えたときにモータの駆動を停止するモータ駆動手段とを備える。
【0013】
また、第2の発明は、前記第1の発明において、前記温度検出手段は、アキュームレータの雰囲気温度から封入ガス温度を推定する。
【0015】
また、第の発明は、前記第1の発明において、前記モータ制御油圧変更手段は、前記検出温度の上昇に応じて、アキュームレータの蓄油量上限値が減少するようにモータの駆動停止油圧を設定する。
【0016】
【発明の効果】
したがって、第1の発明は、車両の停車中にはエンジンを停止する車両では、停車時には、第1油圧発生手段からの油圧は供給されないが、第2油圧発生手段からの油圧によって、前進用摩擦締結要素または後進用摩擦締結要素のうちの一方へ油圧が供給されて再発進時のショックを低減しており、第2油圧発生源は、油圧ポンプからの圧油を一旦アキュームレータに蓄圧してから前記摩擦締結要素へ供給しており、油圧ポンプを駆動するモータは、アキュームレータの封入ガス温度に応じて駆動開始油圧及び駆動停止油圧が設定され、アキュームレータからの油圧の検出値が駆動開始油圧未満のときにはモータの駆動を開始する一方、検出油圧が駆動停止油圧を超えたときにモータの駆動を停止するようにしたため、アキュームレータの温度変化に応じてモータの駆動開始油圧及び駆動停止油圧も変更されるため、温度変化によって封入ガス圧力が変動しても、前記従来例のように蓄圧不能となるのを回避しながら、アキュームレータの温度変化に拘わらず蓄油量を確保することができ、停車中には確実に自動変速機の摩擦締結要素へ油圧を供給することが可能となって、エンジン自動停止及び始動車両の信頼性を向上させることができる。
【0017】
また、検出温度の上昇に応じて、駆動開始油圧及び駆動停止油圧を上昇させるようにしたため、温度上昇によって封入ガス圧力が増大しても、駆動開始油圧及び駆動停止油圧がこの温度上昇に応じて変化するため、温度上昇に拘わらず、油圧が減少した場合には駆動開始油圧未満となればモータの駆動が開始される一方、駆動停止油圧を超えればモータの駆動が停止され、ガス封入式アキュームレータの温度補償を確実に行うことができる。
【0018】
また、第2の発明は、アキュームレータの雰囲気温度から封入ガス温度を推定するようにしたため、封入ガス温度を直接測定する場合に比して、アキュームレータまたは温度検出手段の構造を簡易にでき、製造コストの増大を抑制することができる。
【0019】
また、第の発明は、検出温度の上昇に応じて、アキュームレータの蓄油量上限値が減少するようにモータの駆動停止油圧を設定するようにしたため、雰囲気温度の上昇に伴って油温が上昇すると、油圧ポンプとモータの効率が共に低下するため、モータを駆動しても油圧が駆動停止油圧に到達できなくなるのを防止して、油温上昇によってモータが継続的に駆動されてエネルギーを無駄に消費するのを防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
図1〜図4は、エンジン自動停止及び自動始動車両として、パラレル型ハイブリッド車両に本発明の一実施形態を示す。
【0022】
図1のハイブリッドシステム車両の概略構成図において、エンジン1はトランスアクスル100を介してドライブシャフト57と連結されて、トランスアクスル100はエンジン1のクランク軸1cの一端に連結されたトルクコンバータ10、前後進切換機構11、自動変速機としてのVベルト式無段変速機17、無段変速機17の従動軸28と差動装置56との間に介装されて第2モータジェネレータ4と結合されたアイドラ軸52及びアイドラ軸52に連結された差動装置56等から構成される。
【0023】
この、第2モータジェネレータ4は、インバータ50を介してハイブリッドコントロールユニット5に駆動されるもので、車両の発進時にはアイドラ軸52を介してドライブシャフト57を駆動するとともに、停車中にはクリープを発生させる所定のトルクをドライブシャフト57へ与え、コーストまたは減速時にはドライブシャフト57からのエネルギーを回生して図示しないバッテリに充電する。
【0024】
一方、エンジン1のクランク軸1cの他端には、補機1a、1bを駆動するためのプーリ1dが配設される。なお、補機1aは、例えば、パワーステアリング用油圧ポンプ、補機1bは、例えば、エアコン用コンプレッサー等で構成される。
【0025】
この、クランク軸1cに設けたプーリ1dは、ベルト1eを介してプーリ1fに連結され、このプーリ1fは同軸的に配設されたプーリ3aと電磁クラッチ8によって選択的に結合し、プーリ3aに巻き付けられたベルト1kを介して、補機1a、1bのプーリ1g、1hを駆動する。
【0026】
電磁クラッチ8を介してプーリ1fと選択的に締結可能なプーリ3aは、第1モータジェネレータ3に結合されて、エンジン1の停止時などには、電磁クラッチ8を解放駆動してプーリ3aをプーリ1fから切り離し、インバータ50を介してハイブリッドコントロールユニット5に駆動される第1モータジェネレータ3によって補機1a、1bの駆動を行う。
【0027】
第1モータジェネレータ3は、エンジン1の始動時または車両の発進時には電磁クラッチ8を締結してクランク軸1cのクランキングを行う始動手段として動作する一方、通常走行中には電磁クラッチ8を締結して発電機として図示しないバッテリの充電を行い、エンジン1はクランク軸1cのプーリ1dを介して第1モータジェネレータ3及び補機1a、1bの駆動を行う。
【0028】
そして、信号待ちなどで車両の運転中に停車した場合には、電磁クラッチ8を解放するとともに、第1モータジェネレータ3を駆動して、停止したエンジン1に代わって補機1a、1bの駆動を行う。
【0029】
ここで、エンジン1は、車両の運転状態に応じて燃料噴射量や点火時期などをエンジンコントロールユニット6によって制御されるとともに、このエンジンコントロールユニット6は、ハイブリッドコントロールユニット5からの指令に応じてエンジン1の燃料噴射カットを行う。
【0030】
すなわち、車両の停車中やコーストまたは減速時には積極的に燃料噴射をカットして燃料を節約し、さらに、所定の車速以下の低速走行時には、エンジン1の燃料噴射をカットするとともに、第1モータジェネレータ3によってエンジン1のモータリングを行う一方、第2モータジェネレータ4を駆動して図示しないバッテリからの電力によって車両の走行を行い、エンジン1の熱効率を大幅に向上させるものである。
【0031】
エンジン1の駆動力を伝達するトランスアクスル100のうち、無段変速機17、前後進切換機構11及びトルクコンバータ10のロックアップクラッチ10aが油圧制御回路101を介して変速コントロールユニット7によって制御され、油圧制御回路101への油圧は、トルクコンバータ10の入力軸に連結されてエンジン1によって駆動される第1油圧発生手段としての油圧ポンプ14から供給される。
【0032】
変速コントロールユニット7は、前後進選択手段としてのシフトレバー81や図示しないスロットルの開度TVO(またはアクセルペダルの踏み込み量)及び車速VSP等の運転状態に応じて油圧制御回路101を駆動し、前進クラッチ12(前進用摩擦締結要素)、後進クラッチ13(後進用摩擦締結要素)及びロックアップクラッチ10aの締結、解放や無段変速機17の変速比制御を行う。
【0033】
ここで、ハイブリッドコントロールユニット5が車両の停車を検出すると、エンジン1を停止するとともに、第2モータジェネレータ4を駆動してクリープを発生させ、同時に、第1モータジェネレータ3を駆動して補機1a、1bの駆動を行うが、このとき、エンジン1に駆動される油圧ポンプ14も停止するため油圧制御回路101への油圧の供給も停止する。
【0034】
これを回避するため、車両の停車中に油圧制御回路101へ油圧を供給して、前進クラッチ12または後進クラッチ13を停車中にも締結直前の状態を維持するために、ハイブリッドコントロールユニット5の指令に応じて作動する第2油圧発生源9(第2油圧発生手段)が油圧制御回路101に接続される。
【0035】
次に、自動変速機としての無段変速機17について説明する。
【0036】
図1、図2において、無段変速機17は、一対の可変プーリとしてエンジン1に接続されたプライマリプーリ16と、駆動軸に連結されたセカンダリプーリ26を備え、これら一対の可変プーリはVベルト24によって連結されている。
【0037】
そして、無段変速機17の変速比(以下、プーリ比とする)及びVベルト24の伝達トルクは、変速コントロールユニット7からの指令に応動する油圧制御回路101によって制御され、油圧制御回路101には図2に示すように、ライン圧を調整するライン圧ソレノイド74と、変速制御弁63を駆動するステップモータ64が収装される。なお、これらライン圧ソレノイド74及びステップモータ64は、変速コントロールユニット7が検出または演算した運転状態や目標変速比等に基づいて駆動される。
【0038】
変速コントロールユニット7は、無段変速機17のプライマリプーリ16の回転数Npriを検出する図示しないプライマリプーリ回転数センサ、セカンダリプーリ26の回転数Nsecを検出する図示しないセカンダリプーリ回転数センサからの信号と、インヒビタースイッチ80からのセレクト位置と、運転者が操作するアクセルペダルの踏み込み量に応じた図示しないスロットル開度センサからのスロットル開度TVO(または、アクセルペダルの踏み込み量)を読み込むとともに、車速VSPを読み込んで、車両の運転状態ないし運転者の要求に応じて、プーリ比ipを可変制御している。なお、本実施形態では、セカンダリ回転数Nsecを車速VSPとして読み込む。
【0039】
Vベルト式の無段変速機17について、図1、図2を参照しながら説明する。
【0040】
エンジン1のクランク軸1cと無段変速機17の入力軸15との間には流体伝動装置としてのトルクコンバータ10及び前後進切換機構11が介装されており、このトルクコンバータ10は、油圧制御回路101を介して変速コントロールユニット7に制御されるロックアップクラッチ10aを備えている。
【0041】
なお、トルクコンバータ10の入力軸には油圧ポンプ14が連結されて、エンジン1の駆動によって発生した油圧を油圧制御回路101へ供給する。
【0042】
トルクコンバータ10の出力軸と無段変速機17の入力軸15の間には遊星歯車機構19を主体に構成された前後進切換機構11が介装され、前後進切換機構11は、油圧制御回路101に駆動される前進クラッチ12と後進クラッチ13を選択的に締結することで、入力軸15の回転方向を制御する。
【0043】
そして、この前後進切換機構11の出力側に無段変速機17の入力軸15が連結されて駆動側となるプライマリプーリ16が入力軸15と一体的に設けられる。
【0044】
プライマリプーリ16は、入力軸15と一体となって回転する固定円錐板18と、固定円錐板18と対向配置されてV字状のプーリ溝を形成するとともに、プライマリプーリシリンダ室20へ作用する油圧によって入力軸15の軸方向へ変位可能な可動円錐板22から構成される。プライマリプーリシリンダ室20は、後述するセカンダリプーリシリンダ室32よりも大きな受圧面積を有している。
【0045】
一方、セカンダリプーリ26は従動軸28に設けられており、この従動軸28と一体となって回転する固定円錐板30と、この固定円錐板30と対向配置されてV字状のプーリ溝を形成するとともに、セカンダリプーリシリンダ室32へ作用する油圧(ライン圧)に応じて従動軸28の軸方向へ変位可能な可動円錐板34から構成される。
【0046】
従動軸28にはアイドラギア48と噛み合う駆動ギア46が固設され、アイドラギア48のアイドラ軸52に設けたピニオンギア54がファイナルギア55と噛み合っている。
【0047】
このアイドラ軸52にはインバータ50を介してハイブリッドコントロールユニット5に制御される第2モータジェネレータ4が結合される。
【0048】
そして、ファイナルギア55は差動装置56を介してドライブシャフト57を駆動する。
【0049】
エンジン1の駆動トルクは、トルクコンバータ10及び前後進切換機構11に伝達され、前進クラッチ12が締結される一方、後進クラッチ13が解放される場合には一体回転状態となっている遊星歯車機構19を介して、トルクコンバータ10の出力軸と同一回転方向のまま入力軸15へ駆動力が伝達される。一方、前進クラッチ12が解放されるとともに後進クラッチ13が締結される場合には、遊星歯車機構19の作用により入力軸15はトルクコンバータ10の出力軸とは逆方向に回転して駆動トルクが伝達される。
【0050】
入力軸15の駆動トルクは、プライマリプーリ16、Vベルト24、セカンダリプーリ26、従動軸28を介して、駆動ギア46から、アイドラギア48、アイドラ軸52、ピニオンギア54そしてファイナルギア55及び差動装置56を介してドライブシャフト57へ伝達される。
【0051】
上記のような駆動力伝達の際に、プライマリプーリシリンダ室20の油圧を制御してプライマリプーリ16の可動円錐板22及びセカンダリプーリ26の可動円錐板34を軸方向へ変位させ、Vベルト24との接触半径を変更することにより、プライマリプーリ16とセカンダリプーリ26との変速比、すなわちプーリ比ipを変えることができる。
【0052】
このような、プライマリプーリ16とセカンダリプーリ26のV字状プーリ溝の幅を変化させる制御は、プライマリプーリシリンダ室20とセカンダリプーリシリンダ室32への油圧制御によって行われる。
【0053】
上記変速制御は、図2に示すように、油圧制御回路101の変速制御弁63を駆動するステップモータ64を制御することで行われる。
【0054】
ステップモータ64は、変速コントロールユニット7からの指令に応動して変速制御弁63を駆動し、プライマリプーリ16のシリンダ室20及びセカンダリプーリ26のシリンダ室32へ供給される油圧を調整することで所定の変速比へ制御する。
【0055】
上記油圧制御回路101は、本願出願人が提案した特願平8−50386号等と同様に構成されており、ステップモータ64は図示しないピニオン及びラックを介してリンク67の一端に連結される。そして、このリンク67の途中には変速制御弁63が連結されるとともに、リンク67の端部は、プライマリプーリ16の可動円錐板22の軸方向で係合して、ステップモータ64による目標変速比と、可動円錐板22の軸方向位置で決まる実変速比が一致するように変速制御弁63がフィードバック制御され、プライマリプーリ16のシリンダ室20への油圧を調整する。
【0056】
そして、この油圧による変速制御は、変速コントロールユニット7が、図2に示すように、油圧制御回路101のライン圧ソレノイド74及びステップモータ64を制御することで行われ、変速コントロールユニット7によってDuty制御されるライン圧ソレノイド74は、パイロット弁61、プレシャモディファイア62を介してライン圧制御弁60を駆動して、エンジン1に駆動される油圧ポンプ14からの油圧を所定のライン圧に設定してライン圧回路40に供給すると同時に、ライン圧制御弁60の下流に接続されたクラッチ圧回路41に所定の油圧を供給する。なお、セカンダリプーリ26のシリンダ室32は、ライン圧回路40と連通する。
【0057】
ライン圧制御弁60の下流に接続されたクラッチ圧回路41には、図3に示すように、逆止弁108(第2逆止弁)を介してシフトレバー81に応動するマニュアルバルブ107のポート107bが接続され、マニュアルバルブ107のスプール107sの位置に応じて、ポート107aまたはポート107bを介して前進クラッチ12または後進クラッチ13へ油圧を供給する。すなわち、シフトレバー81がDレンジなどの前進位置にあれば、ポート107bと107aが連通して前進クラッチ12にクラッチ圧回路41の油圧によって締結される一方、ポート107cはドレーンポート107dと連通して後進クラッチ13を解放する。
【0058】
また、シフトレバー81がRレンジの後進位置にあれば、ポート107bとポート107cが連通して後進クラッチ13にクラッチ圧回路41の油圧によって締結される一方、ポート107aはドレーン側(図中上方の×印)と連通して前進クラッチ12を解放する。
【0059】
ここで、図3において、油圧制御回路101を構成するクラッチ圧回路41には、逆止弁108とマニュアルバルブ107の間に逆止弁109(第1逆止弁)を介して第2油圧発生源9からの油圧を導く第2油圧供給回路42が接続される。
【0060】
逆止弁108は、第2油圧供給回路42からの油圧がライン圧制御弁60側へ流れるのを規制して、車両の停車中に発生する第2油圧発生源9からの油圧をマニュアルバルブ107のみへ導く一方、逆止弁109はエンジン1の運転中に、ライン圧制御弁60からの油圧が第2油圧発生源9へ流入するのを規制する。
【0061】
第2油圧発生源9は、ハイブリッドコントロールユニット5に制御される電動モータ111に連結された第2油圧ポンプ112を第2の油圧発生源として配設し、車両の停車中に、マニュアルバルブ107を介して前進クラッチ12または後進クラッチ13へ所定の油圧を供給するため、車両が運転状態、すなわち、図示しないイグニッションキーがONの間は、第2油圧発生源9において、以下のように油圧の供給が行われる。
【0062】
第2油圧ポンプ112の吐出圧は、逆止弁114(第3逆止弁)を介して減圧弁117(調圧手段)へ供給され、この減圧弁117の下流が第2油圧供給回路42と連通する。
【0063】
減圧弁117は、第2油圧供給回路42へ供給する油圧を、前進クラッチ12または後進クラッチ13が締結直前となるような所定の油圧、(例えば、約0.2MPa)に減圧するものである。
【0064】
そして、逆止弁114と減圧弁117の間にはガス封入式のアキュームレータ115と油圧検出手段としての油圧センサ116が配設されるとともに、アキュームレータ115の近傍にはアキュームレータ115の雰囲気温度T’を検出する温度センサ120が設けられる。
【0065】
ハイブリッドコントロールユニット5は、温度センサ120が検出したアキュームレータ115の雰囲気温度T’に基づいて、後述するように、電動モータ111の駆動を開始する油圧の下限圧P1(駆動開始油圧)と、電動モータ111を停止させる油圧の上限圧P2(駆動停止油圧)を決定するとともに、油圧センサ116が検出した逆止弁114下流の油圧P’に応じて電動モータ111を選択的に駆動し、ハイブリッドコントロールユニット5は、車両が運転状態にある間、すなわち、図示しないイグニッションキーがONの間は、第2油圧発生源9のアキュームレータ115に所定の範囲P1〜P2で油圧を常時蓄圧する。
【0066】
なお、通常走行中において、エンジン1に駆動される油圧ポンプ14からクラッチ圧回路41へ供給される油圧は、エンジン1のアイドリング状態であっても減圧弁117の設定圧よりも十分高く、例えば、0.6MPaに設定されるため、逆止弁109は閉弁する一方、逆止弁108が開弁してライン圧制御弁60からの油圧によって前進クラッチ12または後進クラッチ13へマニュアルバルブ107を介して油圧が供給される。
【0067】
また、逆止弁114と減圧弁117の間には、減圧弁117のスプリング室側と連通するパイロット圧回路119が配設され、このパイロット圧回路119にはハイブリッドコントロールユニット5に駆動される締結油圧供給手段としての三方電磁弁118を介装する。
【0068】
三方電磁弁118は、減圧弁117のスプリング室側にアキュームレータ115の油圧を供給するか、スプリング室側をドレーン状態にするかを切り換えるものであり、逆止弁114の下流の油圧をスプリング室側に導くと、減圧弁117は単純な切換弁となって、アキュームレータ115の油圧を第2油圧供給回路42へ供給する一方、スプリング室側をドレーン状態にした場合には、スプリングの設定値に応じて減圧した油圧を第2油圧供給回路42へ供給する。
【0069】
ここで、ハイブリッドコントロールユニット5によるエンジン1の自動停止及び自動再始動について説明する。
【0070】
通常走行中は、エンジンコントロールユニット6はエンジン1に所定の燃料供給を指令するとともに、ハイブリッドコントロールユニット5は電磁クラッチ8を締結して第1モータジェネレータ3を発電機として回転させ、エンジン1の駆動力によって補機1a、1bの駆動を行う。
【0071】
また、第2モータジェネレータ4は空転するだけであり、エンジン1の駆動力は、トルクコンバータ10、前後進切換機構11、無段変速機17及び差動装置56を介してドライブシャフト57に伝達される。このとき、変速コントロールユニット7は運転状態に応じて無段変速機17の変速比を設定するとともに、所定の車速VSP以上であればロックアップクラッチ10aの締結を行う。
【0072】
そして、上記したようにハイブリッドコントロールユニット5は、車両が運転状態にある間、すなわち、図示しないイグニッションキーがONの間は、第2油圧発生源9の油圧センサ116、油温センサ120の検出値に基づいて電動モータ111を選択的に駆動し、アキュームレータ115に所定の油圧を常時蓄圧する。
【0073】
一方、アクセルペダルが解放されてコースト状態になり、かつ所定の運転条件(例えば、車速VSPが20Km/h以下)が成立すると、ロックアップクラッチ10aが解放されるとともに、第2モータジェネレータ4は発電機としてエネルギーを回生する。このとき、ハイブリッドコントロールユニット5はエンジンコントロールユニット6へ燃料噴射カットを指令するとともに、アイドル回転数を維持するように第1モータジェネレータ3を駆動してエンジン1のモータリングを行う。
【0074】
したがって、上記コーストまたは減速状態では、エンジン1は燃料噴射が中止されるだけであるため、再度アクセルペダルを踏み込むと、モータリング中のエンジン1は迅速に運転を再開して、上記通常走行状態へ円滑に移行することができる。
【0075】
一方、上記低車速時のコーストまたは減速状態から車両が停止すると、ハイブリッドコントロールユニット5は電磁クラッチ8を解放して、プーリ3aをエンジン1に連結されたプーリ1fから切り離し、第1モータジェネレータ3によって補機1a、1bの駆動を行うとともに、第2モータジェネレータ4を駆動してアイドラ軸52から差動装置56を介してドライブシャフト57へクリープトルクを発生する。
【0076】
この停車状態では、エンジン1が上記燃料噴射カットによって自動的に停止して、トルクコンバータ10に連結された油圧ポンプ14から油圧制御回路101への油圧供給が遮断されるため、進行方向に応じて締結されていた前進クラッチ12または後進クラッチ13の油圧は徐々に低下する。このとき、クラッチ圧回路41の油圧が急減するが、逆止弁108によって、マニュアルバルブ107下流の前後進クラッチ12、13の油圧は保持されるが、これら前後進クラッチ12、13のリークによって、逆止弁108下流の油圧が徐々に減少するのである。
【0077】
そして、マニュアルバルブ107のポート107bに加わる油圧が、第2油圧発生源9を構成する減圧弁117の設定圧(0.2MPa)未満になると、逆止弁109が開弁してアキュームレータ115から第2油圧供給回路42へ圧油が供給されて、前進クラッチ12または後進クラッチ13は、減圧弁117の設定圧によって締結直前の状態を維持することができる。
【0078】
なお、アキュームレータ115は、上記したように油圧センサ116、温度センサ120によって常時所定の油圧(例えば、0.6〜1.0MPa)に維持されているため、車両が停車して、逆止弁108の下流の油圧が減圧弁117の設定値未満になると、即座にマニュアルバルブ107へ油圧の供給を行うことができるのである。
【0079】
したがって、車両の運転中の停車時には、自動的にエンジンが停止しても、マニュアルバルブ107のセレクト位置に応じた前進クラッチ12または後進クラッチ13が、締結直前の状態に維持されるため、信号停止などでの再発進を円滑に行うことができるのに加えて、上記停車中に運転者がシフトレバー81をDレンジからNレンジへ操作すると、前進クラッチ12の油圧はドレーンされて解放される。
【0080】
そして、再発進時には、運転者が図示しないブレーキペダルを解放することにより、第2モータジェネレータ4のクリープトルクによって車両の発進が行われるとともに、図示しないアクセルペダルを踏み込むことにより、ハイブリッドコントロールユニット5は電磁クラッチ8を締結して第1モータジェネレータ3でエンジン1のクランキングを行ってエンジン1の再始動を自動的に行う。
【0081】
この再発進時には、ブレーキペダルの解放、すなわち、図示しないブレーキスイッチがONからOFFへ変化することから、ハイブリッドコントロールユニット5は車両の再発進を検出し、エンジン1の完爆後(例えば、エンジン回転数Neが所定値以上)にハイブリッドコントロールユニット5は、第1及び第2モータジェネレータ3、4の駆動を停止して、エンジン1の駆動力のみによる通常走行状態へ移行する。
【0082】
次に、ハイブリッドコントロールユニット5で行われる第2油圧発生源9の電動モータ111の駆動制御について、図4のフローチャートを参照しながら以下に詳述する。なお、図4のフローチャートは、所定の時間毎、例えば、数十msec毎に実行されるものである。
【0083】
まず、ステップS1では、アキュームレータ115の雰囲気温度T’を検出するとともに読み込む。
【0084】
そして、ステップS2、S3では、検出した雰囲気温度T’が、予め設定した3つの温度領域のうち、どの温度領域に該当するかを判定する。
【0085】
すなわち、検出温度T’が所定値T1未満の場合には、常温領域にあると判定してステップS4へ進む一方、検出温度T’が所定値T2を超える場合には、高温領域にあると判定してステップS6へ進み、さらに、検出温度T’がT1≦T’≦T2の場合には、中間温度領域にあると判定してステップS5へ進む。ただし、T1<T2である。
【0086】
検出した雰囲気温度T’とアキュームレータ115の圧力P(=ガス圧力=油圧)の間には、図6に示すような関係があり、蓄油量Voil=0のときの圧力P0、電動モータ111の駆動を開始する圧力P1及び電動モータ111の駆動を停止する圧力P2は、雰囲気温度T’の上昇に伴って所定の傾きで増大し、直接アキュームレータ115の内圧を測定しなくとも、アキュームレータ115内の封入ガス圧力Pを推定することができる。
【0087】
したがって、常温領域と判定されたステップS4では、図5に示すように設定下限圧P1’及び設定上限圧P2’をそれぞれ、
P1’=P1
P2’=P2
にそれぞれ設定する。ただし、P1<P2である。
【0088】
したがって、油圧Pと蓄油量Voilの関係は、図5において、蓄油量Voil=0のときにP=P0となる図中左側の曲線に沿って変化し、蓄油量Voilは設定下限圧P1’のときに蓄油量下限値V1、設定上限圧P2’のときに蓄油量上限値V2となり、このときの最大蓄油量は、V2−V1=Aとなる。
【0089】
また、中間温度領域と判定されたステップS6では、図5に示すように設定下限圧P1’及び設定上限圧P2’をそれぞれ、
P1’=P1+α1
P2’=P2+α2
にそれぞれ設定する。
【0090】
したがって、油圧Pと蓄油量Voilの関係は、図5において、蓄油量Voil=0のときにP=P0’となる図中中央の曲線に沿って変化し、蓄油量Voilは設定下限圧P1’のときに蓄油量下限値V1’、設定上限圧P2’のときに蓄油量上限値V2’となり、このときの最大蓄油量A’は、
A’=V2’−V1’ ………(6)
となる。ただし、α1、α2は図6の雰囲気温度T’と封入ガス圧力Pの関係に基づいて設定される。
【0091】
さらに、高温領域と判定されたステップS7では、図5に示すように設定下限圧P1’及び設定上限圧P2’をそれぞれ、
P1’=P1+β1
P2’=P2+β2
にそれぞれ設定する。ただし、β1>α1、β2>α2である。
【0092】
したがって、油圧Pと蓄油量Voilの関係は、図5において、蓄油量Voil=0のときにP=P0”となる図中右側の曲線に沿って変化し、蓄油量Voilは設定下限圧P1’のときに蓄油量下限値V1”、設定上限圧P2’のときに蓄油量上限値V2”となり、このときの最大蓄油量A”は、
A”=V2”−V1” ………(7)
となる。ただし、β1、β2は、図6の雰囲気温度T’と封入ガス圧力Pの関係に基づいて設定される。
【0093】
このように、各温度領域毎に設定下限圧P1’及び設定上限圧P2’を、予め設定した関数ないしマップによって設定した後に、ステップS7では、油圧センサ116によって逆止弁114下流の油圧P’(=アキュームレータ115の封入ガス圧力=アキュームレータに蓄えられる作動油の油圧)を検出した後に、ステップS8以降で、検出油圧P’に基づく電動モータ111の制御を実行する。
【0094】
ステップS8では、油圧センサ116の検出油圧P’が設定下限圧P1’未満であれば、ステップS10へ進んで、電動モータ111を駆動して蓄圧を開始する一方、ステップS9では、検出油圧P’が設定上限圧P2’を超えていれば、ステップS12へ進んで電動モータ111を停止させる。
【0095】
そして、検出油圧P’がP1’≦P’≦P2’の場合には、ステップS11へ進んで前回の制御内容を維持する。
【0096】
こうして、上記ステップS1〜S12を所定時間毎に実行することにより、ガス封入式のアキュームレータ115を備えた第2油圧発生源9を自動変速機の近傍に配置しても、温度センサ120によって検出したアキュームレータ115の雰囲気温度T’に基づいて、電動モータ111の駆動を開始する設定下限圧P1’と、電動モータ111の駆動を停止する設定上限圧P2’を予め設定した関数またはマップに応じて基づいて変更するようにしたため、前記従来例のように、アキュームレータ115の温度上昇による封入ガス圧力の上昇によって蓄圧不能となるのを防いで、アキュームレータ115の温度変化に拘わらず常時第2油圧発生源から自動変速機の摩擦締結要素への油圧供給が可能となって、エンジン自動停止及び始動車両の信頼性を向上させることができる。
【0097】
また、アキュームレータ115の雰囲気温度T’の上昇に伴って、蓄油量上限値V2’、V2”及び蓄油量下限値V1’、V1”を順次低下させたため、油温の上昇に伴って、第2油圧ポンプ112の効率が低下するため、電動モータ111を駆動しても油圧が設定上限圧P2’またはP2”に到達できなくなるのを抑制して、油温上昇によって電動モータ111が継続的に駆動されて図示しないバッテリの電力を無駄に消費するのを防止しながらも、常温時と同様の蓄油量区間A’、A”を確保でき、高油温時においても常温時と同様に十分な作動油圧と作動油量をアキュームレータ115に蓄えることが可能となるのである。
【0098】
さらに、図6に示したように、雰囲気温度T’から封入ガス温度を推定できるため、アキュームレータ115の雰囲気温度T’を測定するだけでよいので、封入ガス温度を直接測定する場合に比して、アキュームレータ115または温度センサ120の構造を簡易にでき、製造コストの増大を抑制することができる。
【0099】
なお、上記実施形態において、雰囲気温度T’の上昇に応じて、蓄油量上限値V2’、V2”及び蓄油量下限値V1’、V1”を順次低減したが、高温時でも第2油圧ポンプ112の吐出量が十分確保可能な場合には、各温度領域で同一の蓄油量上限値V2及び蓄油量下限値V1となるように、設定下限圧P1’、P1”及び設定上限圧P2’、P2”を設定しても良い。
【0100】
また、上記実施形態において、雰囲気温度T’を複数の温度領域に分けて設定下限圧P1’、P1”及び設定上限圧P2’、P2”を段階的に変更したが、図6に示す雰囲気温度T’と圧力Pの関係より、雰囲気温度T’に基づいて、連続的に設定下限圧P1’及び設定上限圧P2’を変更しても良い。
【0101】
また、上記実施形態では、ハイブリッドシステム車両に本発明を適用した一例を示したが、内燃機関を動力源とする車両に適用しても上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0102】
また、上記実施形態において、自動変速機として無段変速機を採用した場合を示したが、遊星歯車式の自動変速機を用いてもよく、この場合、上記実施形態の遊星歯車機構11の前進クラッチ12及び後進クラッチを、遊星歯車式自動変速機のフォワードクラッチ及びリバースブレーキとすればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すエンジン自動停止及び始動車両の概略構成図。
【図2】同じくVベルト式無段変速機の油圧制御回路の概略図。
【図3】同じく第2油圧発生源及び油圧制御回路の概略図。
【図4】ハイブリッドコントロールユニットで行われる油圧制御の一例を示すフローチャートである。
【図5】蓄油量Voilと油圧または封入ガス圧力の関係を示すグラフである。
【図6】アキュームレータの雰囲気温度T’と封入ガス圧力の関係を示すグラフである。
【図7】従来例を示し、蓄油量Voilと油圧または封入ガス圧力の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン
3 第1モータジェネレータ
4 第2モータジェネレータ
5 ハイブリッドコントロールユニット
6 エンジンコントロールユニット
7 変速コントロールユニット
8 電磁クラッチ
9 第2油圧発生源
10 トルクコンバータ
11 前後進切換機構
12 前進クラッチ
13 後進クラッチ
14 油圧ポンプ
16 プライマリプーリ
17 無段変速機
19 遊星歯車機構
40 ライン圧回路
41 クラッチ圧回路
42 第2油圧供給回路
60 ライン圧制御弁
100 トランスアクスル
101 油圧制御回路
107 マニュアルバルブ
108、109 逆止弁
111 電動モータ
112 第2油圧ポンプ
113 リリーフ弁
114 逆止弁
115 アキュームレータ
116 油圧センサ
117 減圧弁
118 三方電磁弁
119 パイロット圧回路
120 温度センサ

Claims (3)

  1. 所定の運転条件が成立したときにエンジンを停止させる一方、運転操作に基づいて再発進を検出したときには、エンジンを再始動するエンジン制御手段と、
    前記エンジンに連結された自動変速機と、
    エンジンの駆動力によって油圧を発生するとともに前記自動変速機へ供給する第1の油圧発生手段と、
    この第1油圧発生手段からの油圧を、前後進選択手段の状態に応じて前進用摩擦締結要素または後進用摩擦締結要素のうちの一方へ油圧を供給する制御弁と、
    前記エンジン制御手段によって車両の運転中にエンジンが停止した場合、前記前進用摩擦締結要素または後進用摩擦締結要素へ油圧を供給する第2油圧発生手段とを備えたエンジン自動停止及び始動車両の油圧制御装置において、
    前記第2油圧発生手段は、モータに駆動される油圧ポンプと、油圧ポンプからの圧油を蓄圧するガス封入式のアキュームレータとを備え、
    アキュームレータからの油圧を検出する油圧検出手段と、
    アキュームレータの封入ガス温度を測定または推定する温度検出手段と、
    この封入ガス温度が高い程前記モータの駆動開始油圧と、駆動停止油圧を高く設定するモータ制御油圧変更手段と、
    前記検出油圧が駆動開始油圧未満のときにはモータの駆動を開始する一方、検出油圧が駆動停止油圧を超えたときにモータの駆動を停止するモータ駆動手段とを備えたことを特徴とするエンジン自動停止及び始動車両の油圧制御装置。
  2. 前記温度検出手段は、アキュームレータの雰囲気温度から封入ガス温度を推定することを特徴とする請求項1に記載のエンジン自動停止及び始動車両の油圧制御装置。
  3. 前記モータ制御油圧変更手段は、前記検出温度の上昇に応じて、アキュームレータの蓄油量上限値が減少するようにモータの駆動停止油圧を設定することを特徴とする請求項1に記載のエンジン自動停止及び始動車両の油圧制御装置。
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