JP3639409B2 - 電気かみそり - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、くせ髭を速やかにカットする粗剃孔を設けた網刃と、髭を短く深剃りする仕上剃孔を設けた網刃とを備える電気かみそりに関する
【0002】
【従来の技術】
電気かみそりは、くせ髭を残らず速やかにカットできることと、髭を能率よく短く深剃りして、髭剃りする肌に損傷を与えないことが大切である。このことを実現するために、粗剃孔と仕上剃孔を網刃に設けた電気かみそりが開発されている。この構造の電気かみそりは、下記の公報に記載される。
(1) 実開昭55−101570号公報
(2) 特開平03−131290号公報
(3) 特開55−096191号公報
(4) 実開昭55−101569号公報
(5) 実開昭55−101571号公報
【0003】
▲1▼と▲2▼の公報に記載される電気かみそりは、図1に示すように、アーチ外刃の網刃1Aに、部分的に粗剃孔29と仕上剃孔30とを設けている。▲3▼〜▲5▼の公報に記載される電気かみそりは、2連のアーチ内刃を平行に配設し、一方のアーチ内刃の網刃には粗剃孔を設け、他方のアーチ内刃の網刃には仕上剃孔を設けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
くせ髭は、図2に示すように変形したもの、あるいは、図3に示すように、全体的にアーチ状に湾曲して先端を肌Hに接触させたものがある。くせ髭Kは、このようにカールした形状となっており、網刃に設けた小さい仕上剃孔にスムーズに誘い込ませるのが難しい。仕上剃孔は、小さく開口される。このため、髭の先端を誘い込んで短くカットするのに適しているが、カールしているくせ髭を、速やかに誘い込ませるのが難しい。カールしたくせ髭をスムーズにカットするために、図1に示す従来の電気かみそりの網刃1Aは、粗剃孔29を設けている。粗剃孔29は、くせ髭を速やかに誘い込んでカットするように、長く大きく設計される。粗剃孔29は、くせ髭をスムーズに誘い込みできるが、髭を短くカットするようには設計されない。粗剃孔29の網刃1Aでカットされたくせ髭は、図2と図3の鎖線で示す位置でカットされて短くなる。この状態にカットされたくせ髭Kは、先端を肌Hからほぼ垂直な方向に突出させる状態となって、仕上剃孔29に誘い込みできる形状となる。この形状にカットされたくせ髭Kは、仕上剃孔30に誘い込まれて短く深剃りされる。
【0005】
前述の公報に記載される電気かみそりは、以上のように、くせ髭を粗剃孔に誘い込んでカットして後、仕上剃孔に誘い込んで短くカットするために、網刃に粗剃孔と仕上剃孔とを設けている。
【0006】
しかしながら、前述の公報に記載される電気かみそりは、くせ髭を粗剃孔で速やかにカットし、粗剃孔でカットされた髭を仕上剃孔で短く深剃りして、能率よく髭剃りするのが難しい。くせ髭を深剃りするために、何回も繰り返し網刃を肌に接触させて往復運動させる必要がある。それは、粗剃孔と仕上剃孔の両方で、くせ髭を深剃りするのが難しいからである。とくに、粗剃孔の網刃でカットされたくせ髭を、肌の損傷を少なくして、短く深剃りするのが難しい欠点がある。
【0007】
とくに、1枚の網刃に、粗剃孔と仕上剃孔を設けた電気かみそりは、深剃りして、肌に損傷を与えないように髭剃りするのが難しい。網刃を、仕上剃りに適した厚さに薄くすると、大きな粗剃孔に肌が押し込まれて傷を付けやすくなり、肌に傷を付けないように網刃を厚くすると、深剃りできなくなるからである。
【0008】
▲4▼の公報に記載される電気かみそりは、粗剃孔と仕上剃孔を、2列の網刃に別々に開口しているので、粗剃孔の網刃を厚くして、仕上剃孔の網刃を薄くできる。このため、仕上剃孔の網刃で髭を深剃りし、粗剃孔の網刃で肌の損傷を少なくできる。ただ、この構造の電気かみそりを使用しても、くせ髭を理想的な状態で能率よくカットして、しかも、深剃りすることはできない。
【0009】
さらに、肌の凹凸や柔軟性に適応して能率よく髭剃りするために、複数列の外刃を、突出高さが異なるように装着した電気かみそりも開発されている。これ等の電気かみそりは、下記の公報に記載される。
▲6▼ 特開平4−250187号公報
▲7▼ 特開平8−173647号公報
【0010】
▲6▼の公報には、2列の外刃を、上下に高低差を設けて固定する電気かみそりが記載される。この電気かみそりは、鼻の下のように狭いところを髭剃りするときに、突出させる外刃で髭剃りして便利に使用できる。さらに、▲8▼の公報には、両側に配設される外刃を、中央の外刃よりも突出させている電気かみそりが記載される。この電気かみそりは、両側の外刃を肌に接触させると、中央の外刃が肌から離れる。肌から離れた中央の外刃で、カールしたくせ髭をカットしようとするものである。くせ髭はカールしているので、肌に沿って外刃を移動させると、外刃でくせ髭が押し潰されて肌に密着し、髭剃孔に誘い込できなくなるので、くせ髭をカットする外刃を、肌から離して移動させている。
【0011】
この構造の電気かみそりは、肌に密着する外刃に比べると、くせ髭を能率よくカットできる。ただ、図2や図3に示すように、種々の形状にカールするくせ髭を、必ずしも速やかにカットできない。
【0012】
本発明は、従来の電気かみそりが有するこのような欠点を解消することを目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、くせ髭を速やかにカットして、しかも、肌の損傷を少なくして、能率よく深剃りして綺麗に髭剃りできる電気かみそりを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気かみそりは、網刃1Aに多数の粗剃孔29を開口している粗剃アーチ外刃1aと、この粗剃アーチ外刃1aと平行に配設されると共に、網刃1Aに多数の仕上剃孔30を開口している仕上剃アーチ外刃1bとを備える。粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bは、所定のフロート圧で弾性的に押し出される状態で装着されている。
【0014】
さらに、本発明の電気かみそりは、粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bからなるアーチ外刃1と平行にスリット外刃2を配設し、仕上剃アーチ外刃1bがスリット外刃2よりも突出する共に、粗剃アーチ外刃1aが仕上剃アーチ外刃1bよりも突出するように装着し、粗剃アーチ外刃1aのフロート圧を、仕上剃アーチ外刃1bのフロート圧よりも弱くしている。
【0015】
本発明の請求項2の電気かみそりは、粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bからなるアーチ外刃1と平行にスリット外刃2を配設し、仕上剃アーチ外刃1bがスリット外刃2よりも突出する共に、粗剃アーチ外刃1aが仕上剃アーチ外刃1bよりも突出するように装着し、粗剃アーチ外刃1aを仕上剃アーチ外刃1bよりフロートストロークを大きくしている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための電気かみそりを例示するものであって、本発明は電気かみそりを下記のものに特定しない。
【0019】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0020】
図4と図5の分解斜視図に示す電気かみそりは、かみそり本体に出入り自在に装着されている2連のアーチ外刃1と、このアーチ外刃1の両側に配設されているスリット外刃2と、スリット外刃2の外側とアーチ外刃1の間に配設されている3列の櫛4と、アーチ外刃1とスリット外刃2とを平行に配設して脱着自在に装着している外刃ケース6と、外刃ケース6を脱着自在に装着している外刃枠7と、アーチ外刃1の内面に押圧されて摺動されるアーチ内刃3と、スリット外刃2の内面に押圧されて摺動されるスリット内刃5と、アーチ内刃3とスリット内刃5とが連結されている内刃台11と、内刃台11を往復運動させる駆動機構(図示せず)とを備える。
【0021】
2連のアーチ外刃1と、2連のスリット外刃2は、図6の分解斜視図に示すように、中間台6aを介して、それぞれ独立して上下に移動できるように、すなわち、出入りできるように、外刃ケース6に装着される。スリット外刃2は、2連のアーチ外刃1の外側に隣接して平行に配設される。
【0022】
2連のアーチ外刃1は、プラスチック製の外刃ホルダー1Bに、網刃1Aをアーチ状に湾曲して固定している。アーチ外刃1は、一方を粗剃アーチ外刃1aとし、他方を仕上剃アーチ外刃1bとしている。粗剃アーチ外刃1aの網刃1Aは、無数の粗剃孔29を開口している。仕上剃アーチ外刃1bの網刃1Aは、無数の仕上剃孔30を開口している。
【0023】
粗剃孔29は、くせ髭をスムーズに誘い込みできるように、仕上孔30よりも開口面積を大きくしている。さらに、粗剃孔29は、仕上剃孔30よりも縦長にして、最長部分の全長を、仕上剃孔30よりも長くしている。粗剃孔29は、たとえば、細長い形状として、くせ髭を無理なく誘い込みできるようにしている。仕上剃孔30は、粗剃孔29の網刃1Aでカットされた髭を短くカットするために、たとえば、小さい円形や多角形状に開口されている。
【0024】
粗剃アーチ外刃1aの網刃1Aは、仕上剃アーチ外刃1bの網刃1Aよりも厚い金属板である。粗剃アーチ外刃1aの網刃1Aは、髭を短くカットする必要がないが、粗剃孔29を大きく開口しているので、十分な強度を有するように、厚い金属板で製作される。仕上剃アーチ外刃1bの網刃1Aは、髭を短くカットできるように、薄い金属板で製作される。
【0025】
さらに、粗剃アーチ外刃1aの粗剃孔29は、仕上剃アーチ外刃1bの仕上剃孔30よりも大きく長く開口されているので、肌に傷を付けやすい傾向がある。この弊害を防止するためにも、粗剃アーチ外刃1aは、仕上剃アーチ外刃1bよりも網刃1Aを厚くしている。網刃1Aを厚くすると、髭剃りするときに、粗剃孔29に押し込まれる肌が網刃1Aの内側に侵入し難くなる。肌が網刃1Aの内面から突出しないと、内刃で損傷を受けることはない。網刃1Aが、粗剃孔29から内面に髭を突出させて、内面を摺動する内刃でカットするからである。このため、厚い網刃1Aの粗剃アーチ外刃1aは、髭剃り後における肌の損傷を防止して、ヒリヒリするのを阻止できる。
【0026】
粗剃アーチ外刃1aの網刃1Aは、厚さを、たとえば、50〜150μm、最適には約70μmとし、仕上剃アーチ外刃1bの網刃1Aは、たとえば、30〜100μm、最適には約50μmとする薄い金属板である。網刃1Aを固定する外刃ホルダー1Bは、硬質のプラスチックを、上下に開口した長方形の角筒状に成形したものである。
【0027】
スリット外刃2は、図6に示すように、プラスチック製の外刃ホルダー2Bに、スリット外刃板2Aを固定したものである。スリット外刃板2Aは、図7と図8に示すように、金属板に、横方向に延長して複数の平行スリット2aを開口したものである。スリット外刃板2Aは、上面を平面状とする矩形状に金属板を折曲して、上面と外側のコーナー部から外側の垂直部まで延長して平行スリット2aを開口している。図7と図8に示すスリット外刃2は、平行スリット2aの幅を、外側に向かって広くするテーパー状としている。この形状のスリット外刃板2Aは、櫛のようにくせ髭Kを揃えて、平行スリット2aによりスムーズに誘い込みできる特長がある。
【0028】
スリット外刃2の分解斜視図を図9に、外刃ホルダー2Bの底面図を図10に示す。これ等の図のスリット外刃2は、スリット外刃板2Aを外刃ホルダー2Bに連結している。スリット外刃板2Aは、金属板をコ字状に折曲して、相対向する両側の下部に、外刃ホルダー2Bへの連結部2bを設けている。連結部2bは、外刃ホルダー2Bの外側に設けられた外側連結面2eに連結される外側連結部2cと、外刃ホルダー2Bの内側に設けられた内側連結面2fに連結される内側連結部2dとを下方に突出して設けている。外側連結部2cはスリット外刃板2Aの両端に、内側連結部2dはスリット外刃板2Aの中央部に設けられている。
【0029】
外刃ホルダー2Bは、プラスチックで角筒状に成形されている。外刃ホルダー2Bは、両端部の両面に外側連結面2eを、中央の内面に内側連結面2fを成形している。図に示すスリット外刃板2Aは、外側連結部2cと内側連結部2dとを同一平面に設けているので、外側連結面2eは、スリット外刃板2Aの外側連結部2cを嵌着できるように一段低い段差形状に成形され、内側連結面2fは、内側連結部2dを嵌着して、内側連結部2dと外刃ホルダー2Bの内面を同一平面とするように、内側に段差ができる形状に成形される。
【0030】
外刃ホルダー2Bに連結されたスリット外刃板2Aが抜けないように、外側連結部2cと内側連結部2dに貫通孔2gを設け、この貫通孔2gに挿入される引掛凸部2hを、外刃ホルダー2Bの外側連結面2eと内側連結面2fから突出して成形している。内側連結部2dの貫通孔2gに挿入される内側連結面2fの引掛凸部2hは、内側連結部2dの表面から突出しない高さに成形される。内側連結部2dから突出すると、往復運動する内刃ホルダーが引っかかってスムーズに運動できなくなるからである。
【0031】
スリット外刃板2Aの外側連結部2cと内側連結部2dが、外刃ホルダー2Bの外側連結面2eと内側連結面2fに連結されると、貫通孔2gに引掛凸部2hが挿入されて、スリット外刃板2Aは外刃ホルダー2Bの定位置に連結される。
【0032】
図7と図8に示すスリット外刃板2Aは上面を平面状としている。本発明の電気かみそりは、スリット外刃板の上面を必ずしも完全な平面状とする必要はない。たとえば、アーチ状に湾曲されるアーチ外刃1の曲率半径よりも大きい曲率半径に湾曲させて、ほぼ平面形状とすることもできる。
【0033】
スリット外刃板2Aの厚さは、アーチ外刃1の網刃1Aよりも厚く、例えば、0.1〜0.5mm、最適には、0.2〜0.3mmとして、網刃1Aの2〜10倍、最適には約5倍とする。スリット外刃板2Aを厚くするのは、平行スリット2aの幅を広くして、肌Hの損傷を少なくするためである。くせ髭Kをスムーズに平行スリット2aに案内するためには、平行スリット2aの幅を広くする必要がある。ところが、平行スリット2aを幅広にすると、ここに肌Hが圧入されやすくなって、内面を摺動するスリット内刃5で肌Hを損傷させやすくなる。この弊害を防止するために、スリット外刃板2Aを厚くしている。厚いスリット外刃板2Aは、肌Hを平行スリット2aに深く圧入しないかぎり、スリット内刃5で肌Hを損傷させなくなる。
【0034】
平行スリット2aの幅を広くして、アーチ外刃1の網刃1Aよりも厚くしているスリット外刃板2Aは、くせ髭Kを確実にカットして、しかも肌Hの損傷を少なくできる。スリット外刃2のスリット外刃板2Aは、くせ髭Kを粗剃りする。粗剃りされたくせ髭Kは、スリット外刃2に続いて肌Hに沿って移動されるアーチ外刃1で仕上げ剃りされる。短くカットされたくせ髭Kは、アーチ外刃1でさらに短くカットされる。
【0035】
粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bとスリット外刃2は、図6に示すように、それぞれ独立して弾性的に出入りできるように、外刃ケース6に装着される。粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bとスリット外刃2は、出入バネ16で肌に向かって弾性的に押し出される。出入バネ16は、コイルスプリングの押しバネで、大きなストロークで、アーチ外刃1とスリット外刃2を肌に押圧する。
【0036】
出入バネ16は、仕上剃アーチ外刃1bのフロート圧を、粗剃アーチ外刃1aのフロート圧よりも大きくして、いいかえると、粗剃アーチ外刃1aよりも仕上剃アーチ外刃1bを強く弾性的に押し出している。粗剃アーチ外刃1aは、フロート圧を小さくしているので、図11と図12に示すように、仕上剃アーチ外刃1bよりも高く突出しているが、肌に押圧されると、仕上剃アーチ外刃1bよりも軽く押し込まれる。この構造の電気かみそりは、高く突出する粗剃アーチ外刃1aを肌で押し込んで、粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bの両方を肌に接触させて、広い面積で能率よく髭剃りできる。また、粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bの両方を肌に接触させる状態で、仕上剃アーチ外刃1bを強く肌に押圧して、髭を短く深剃りできる特長もある。
【0037】
粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bとスリット外刃2は、肌に接触しない状態、いいかえると、出入バネ16を圧縮する方向に押されない状態では、図12に示すように、左側のスリット外刃2と仕上剃アーチ外刃1bと粗剃アーチ外刃1aからなる3列の外刃の先端面を、破線Aで示すように、一直線上に並べている。この図の外刃は、仕上剃アーチ外刃1bを左側のスリット外刃2よりも突出させ、さらに、粗剃アーチ外刃1aを仕上剃アーチ外刃1bと隣接するスリット外刃2よりも突出させている。
【0038】
この図の外刃は、粗剃アーチ外刃1aを最も突出させて、粗剃アーチ外刃1aでくせ髭を速やかにカットする。さらに、この図の外刃は、粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bとの高低差(H1)を、仕上剃アーチ外刃1bとスリット外刃の高低差(H2)よりも高くしている。この構造の外刃は、電気かみそりを多少傾斜する状態で肌に押し付けて、1直線に並べた3列の外刃を一緒に肌に接触させて、能率よく髭剃りできる。
【0039】
さらに、肌に接触させる電気かみそりの姿勢を、傾斜する状態から肌に直交する方向に向けるにしたがって、最も突出している粗剃アーチ外刃1aを、仕上剃アーチ外刃1bとスリット外刃2よりも確実に肌に接触できる。とくに、粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bの高低差を、スリット外刃2と仕上剃アーチ外刃1bの高低差よりも大きくしているので、電気かみそりを、傾斜する姿勢から垂直姿勢に傾動させるにしたがって、粗剃アーチ外刃1aを他の内刃に比較してより優先的に肌に接触できる。さらに、電気かみそりが肌に直交する姿勢になるにしたがって、粗剃アーチ外刃1aを肌に接触させる割合を、仕上剃アーチ外刃1bおよびスリット外刃を肌に接触させる割合よりも急激に改善して、くせ髭を確実にカットできる。このため、電気かみそりを肌に直交する姿勢で当てるほど、くせ髭を能率よくカットできる。
【0040】
粗剃アーチ外刃1aの先端を仕上剃アーチ外刃1bの先端から突出させる高低差は、たとえば2〜4mm、好ましくは約2.5mm、仕上剃アーチ外刃1bをスリット外刃から突出させる高低差は、たとえば、1.5〜3mm、好ましくは約2mmに設定される。
【0041】
粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bは、フロートストロークが異なり、鎖線で示す位置まで押し下げられる。このとき、出入バネ16は弾性的に圧縮される。押し下げられた状態で、粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bとスリット外刃2の先端面は、図12に示すように、同一平面に並ぶ。したがって、この電気かみそりの外刃は、粗剃アーチ外刃1aのフロートストロークを仕上剃アーチ外刃1bのフロートストロークよりも大きくし、さらに、仕上剃アーチ外刃1bのフロートストロークを、左側のスリット外刃2Aのフロートストロークよりも大きくしている。4連の外刃の先端が同一平面に並ぶ平面は、図12において、右上がりの傾斜面となる。同一平面に並ぶ粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bとスリット外刃2は、4連全ての外刃で髭を能率よくカットできる。さらに、最も押し込まれた状態で、4連の外刃を傾斜面に並べる電気かみそりは、肌に直角にあてるのではなくて、多少傾斜する姿勢で接触されて、4連全ての外刃で、能率よく髭剃りできる特長がある。
【0042】
4連の外刃は、図6と図12に示すように、外刃ケース6に上下に移動できるように装着されている。したがって、粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bとスリット外刃2は、外刃ホルダー1B、2Bの両端面に上下スリット9を設けている。上下スリット9には、外刃ケース6に装着される中間台6aの内面に突出しているガイド突起10を案内している。
【0043】
4連の外刃は、上下スリット9とガイド突起10とを介して上下に移動できるように、中間台6aを介して外刃ケース6に装着される。4連の外刃が、それぞれ独立して上下に移動されるとき、上下スリット9は、ガイド突起10に沿って上下に移動する。
【0044】
粗剃アーチ外刃1aは、仕上剃アーチ外刃1bよりも突出しているので、図6に示すように、粗剃アーチ外刃1aの上下スリット9を、仕上剃アーチ外刃1bの上下スリット9よりも上下に長く延長している。長い上下スリット9の粗剃アーチ外刃1aは、出入バネ16に弾性的に押されて、仕上剃アーチ外刃1bよりも高く突出する。さらに、図11において、右側に配設されるスリット外刃2は、図6に示すように、左側のスリット外刃2よりも外刃ホルダー1Bの上下スリット9を上下に長く延長して、左側のスリット外刃2よりも高く突出している。
【0045】
4連の外刃は、上下スリット9の下端を、ガイド突起10に当接させる位置まで、出入バネ16で弾性的に押し出される。いいかえると、上下スリット9とガイド突起10の相対位置で、粗剃アーチ外刃1aと上下スリット9とスリット外刃2の突出位置を調整できる。
【0046】
4連の外刃を外刃ケース6に装着する中間台6aは、外刃ケース6の内側に嵌着して固定される。中間台6aは、図6に示すように、両端に位置する弾性プレート61aと、この弾性プレート61aを連結する3本の連結ロッド62aとからなり、全体をプラスチックで一体成形している。弾性プレート61aは、粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bとスリット外刃2を連結するガイド突起10を内側に設けている。
【0047】
弾性プレート61aは、外側の形状を、外刃ケース6両端の内面に嵌着される形状に成形している。弾性プレート61aの下端は、外刃ケース6の引掛凸部13を案内して、中間台6aが外刃ケース6から抜けないようにする貫通孔14を開口している。さらに、弾性プレート61aの上面には、出入バネ16を挿入する連結ピン8を突出して設けている。
【0048】
連結ロッド62aは、薄い板状に成形され、4連の外刃の間に配設されて、弾性プレート61aの上面の3カ所を連結している。弾性プレート61a中央の連結ロッド62aは、両側の連結ロッド62aよりも上方に突出して、その上面を櫛状に成形している。
【0049】
外刃ケース6は、両端に位置する端部プレート61と、この端部プレート61の両端を連結している側面プレート62とからなる。端部プレート61と側面プレート62からなる外刃ケース6は、プラスチックで方形状に一体成形されている。外刃ケース6は、内側に中間台6aを嵌着できる方形状である。側面プレート62は、上面に櫛4を設けている。櫛4の間隔は、スリット外刃2の平行スリット2aの間隔よりも広く成形される。くせ髭をスムーズに間に案内するためである。さらに、図8に示す櫛4は、先端部を外側に湾曲して突出されている。この形状の櫛4は、傾斜させる姿勢で肌Hに接触するときに、突出部がくせ髭Kを効率よく整列して、スリット外刃2に誘い込みできる特長がある。
【0050】
櫛4の位置は、スリット外刃2が出入バネ16で押し出される状態、いいかえると、スリット外刃2が肌に押圧されない状態では、図12の実線で示すように、スリット外刃2の上面よりも下方に位置する。スリット外刃2が肌に押圧されて、最も押し込まれた状態では、図の鎖線で示すように、櫛4は、上端をスリット外刃2の上面と同一平面とする。粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bは、押圧された状態ではスリット外刃2と同一平面となり、押圧されない状態ではスリット外刃2よりも突出している。このため、粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bとスリット外刃2は、櫛4よりも突出する位置で出入り自在に配設されており、粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bとスリット外刃2が最も押し下げられると、櫛4の先端と同一平面となる。
【0051】
外刃ケース6は、図4に示すように、外刃枠7の上端開口部である開口窓7Cに脱着自在に装着される。外刃ケース6は、図4と図13に示すように、端部プレート61の外側に設けている引掛片6Aを、外刃枠7の内面に設けている凹部の引掛部7Aに引っかけて、外刃枠7に脱着自在に装着される。引掛片6Aは、外刃ケース6の両端面から突起して下から上に延長して設けられている。引掛片6Aは内面に弾性金属板6Bを内蔵して弾性変形できるようになっている。引掛片6Aは上端の幅を広くしてT字状としている。外刃枠7は、外刃ケース6を装着した状態で、図13の断面図に示すように、引掛片6Aを引っかける位置に引掛部7Aを設けている。外刃ケース6を外刃枠7に装着すると、引掛片6Aが引掛部7Aに案内されて外刃枠7に装着される。
【0052】
外刃ケース6を外刃枠7から外すために、外刃枠7の引掛部7Aには、脱着ツマミ15を配設している。脱着ツマミ15は、弾性変形するプラスチックで全体の形状を板状に成形している。脱着ツマミ15は、上部を弾性変形できるように、下端部を外刃枠7に固定している。脱着ツマミ15の上部には、T字状に形成された引掛片6Aの両端を押圧する押圧ロッド15Aを一体成形している。さらに、脱着ツマミ15は、外刃枠7の外部に突出する押ボタン15Bを一体成形している。押ボタン15Bは、外刃枠7の貫通孔7Bに出入りできるよう挿入されている。外刃ケース6を外刃枠7から外すときに、押ボタン15Bが押される。押ボタン15Bが押されると、押圧ロッド15Aが引掛片6Aを引掛部7Aから押し出して、外刃ケース6と外刃枠7の引っかけ状態が解除されて、外刃枠7から引き出される。
【0053】
図に示す電気かみそりは、外刃枠7を脱着自在に電気かみそりの本体に装着しているが、外刃枠は電気かみそり本体と一体構造とすることもできる。
【0054】
粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bの内面を摺動するアーチ内刃3と、スリット外刃2の内面を摺動するスリット内刃5は、図14に示すように、内刃台11で往復運動される。内刃台11は、2連のアーチ内刃3を、互いに反対方向に往復運動させる。アーチ内刃3の外側に配設される2連のスリット内刃5も反対方向に往復運動されるように、1連のアーチ内刃3と1連のスリット内刃5とを一体として、互いに反対方向に振動される二つの内刃台11に連結している。
【0055】
アーチ内刃3は、図4に示すように、複数枚のアーチ金属刃3Aを平行に並べてプラスチック製の内刃ホルダー3Bにインサートして製造されている。アーチ金属刃3Aは金属板で、アーチ状に湾曲される粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bの内面に接触するように上端を湾曲形状に成形している。
【0056】
スリット内刃5は、図8に示すように、櫛形にスリットを設けたスリット金属刃5Aを備える。スリット金属刃5Aの上面は、スリット外刃板2Aの内面を摺動して、スリット外刃板2Aの平行スリット2aに誘いこまれる髭をカットする。
【0057】
アーチ内刃3は、アーチ金属刃3Aをインサートしているプラスチック製の内刃ホルダー3Bに、図15に示すように、一対の連結支柱3Cを一体成形している。連結支柱3Cは、上下台11Aを介して内刃台11に連結される。上下台11Aは、出入りできるように内刃台11に連結されている。連結支柱3Cは、上下台11Aに挿入されるので、外側の間隔を上下台11Aの内側間隔にほぼ等しく設計している。
【0058】
さらに内刃ホルダー3Bは、内面に突出して係止部3Dを成形している。係止部3Dは、アーチ内刃3を上下台11Aに連結したときに、上下台11Aから簡単に外れるのを阻止する係止部材である。係止部3Dは、平行板の形状に成形される内刃ホルダー3Bの中央に位置して、その下端部に一体成形して設けられている。さらに、係止部3Dは、上下台11Aにスムーズに挿入して引っかけられるように、図15に示すごとく、対向面をテーパー面とするフック状に成形されている。係止部3Dは、アーチ内刃3を上下台11Aに連結したときに、上下台11Aの係止窓11aに案内されて、アーチ内刃3が上下台11Aから外れるのを防止する。アーチ内刃3の連結支柱3Cを、上下台11Aに挿入して連結するとき、平行板の形状に成形された内刃ホルダー3Bが弾性変形してその間隔が多少広がって、係止部3Dが上下台11Aの係止窓11aに案内される。係止部3Dが係止窓11aに案内されると、内刃ホルダー3Bの間隔は狭くなって、係止部3Dが係止窓11aに引っかかる。
【0059】
内刃ホルダー3Bは、上下台11Aの外側に、連結支柱3Cは上下台11Aの内側に挿入されるので、内刃ホルダー3Bと連結支柱3Cとの間には、上下台11Aを挿入できる隙間を設けている。
【0060】
上下台11Aは、コイルスプリングである中央スプリング21に押されて上下に移動できるように内刃台11の連結筒11Bに連結されている。したがって、上下台11Aは、図16に示すように、中央スプリング21を弾性的に押圧する状態で、内刃台11に連結される。
【0061】
上下台11Aは、上下に移動できるが抜けないように内刃台11に連結される。上下台11Aは、中央スプリング21を内蔵できる角筒状に成形され、図14に示すように、内蔵する中央スプリング21の上端に押圧される底板11bを中間に設けている。底板11bの下面には、中央スプリング21の上端を挿入する凸部を成形している。
【0062】
内刃台11は、図17に示すように、振動ホルダー23を介してブレードホルダー22に連結される。振動ホルダー23は、両端に弾性変形できる弾性アーム23Aを有し、この弾性アーム23Aの先端をブレードホルダー22に連結している。弾性アーム23Aは、水平方向に振動できるように振動ホルダー23をブレードホルダー22に連結する。
【0063】
図14と図16に示す内刃台11は、スリット内刃5を振動させるプラスチック製の駆動片11Cを連結している。駆動片11Cは、内刃台11を弾性的に挟着する挟着アーム11Dを有する。さらに、駆動片11Cは、スリット内刃5の下端を挿入して連結する連結凹部11Eとを有する。駆動片11Cは、振動ホルダー23をブレードホルダー22に連結して、振動ホルダー23とブレードホルダー22との間にパッキンゴム12を装着した後、内刃台11に連結される。この構造の内刃台11は、パッキンゴム12を簡単に装着できる。それは、パッキンゴム12を装着するときに、内刃台11から駆動片11Cが突出しないからである。
【0064】
スリット内刃5は、駆動片11Cを介して内刃台11で振動される。スリット内刃5は、スリット外刃2に装着され、スリット外刃2を中間台6aに装着して、スリット内刃5も中間台6aに装着されている。スリット内刃5は、アーチ内刃3のように、内刃台11に装着されない。スリット内刃5は、スリット外刃2を介して中間台6aに装着され、スリット内刃5とスリット外刃2は、一体的に出入りできるよう装着される。
【0065】
スリット内刃5とスリット外刃2の連結構造を示す分解斜視図を図18に示す。この図のスリット内刃5は、スリット金属刃5Aと、プラスチック製の内刃ホルダー5Bと、板バネである刃圧バネ24とを備える。スリット金属刃5Aと刃圧バネ24は、内刃ホルダー5Bに積層して固定されている。内刃ホルダー5Bは、全体の形状をT字状に成形して、上部側面の定位置に、スリット金属刃5Aと刃圧バネ24を連結する複数の凸起5Dを設けている。スリット金属刃5Aは、内刃ホルダー5Bの凸起5Dを挿入する位置に連結孔5Eを設けている。
【0066】
刃圧バネ24は、薄い弾性金属板をプレス成形したもので、内刃ホルダー5Bの凸起5Dを挿入する位置に連結孔24Aを設けて、両側にはハ字状に弾性片24Bを突出させている。弾性片24Bは、スリット外刃2の外刃ホルダー2Bの上面を押圧して、スリット金属刃5Aをスリット外刃2の内面に弾性的に押圧する。
【0067】
この図に示すスリット内刃5は、内刃ホルダー5Bの上部に、スリット金属刃5Aと刃圧バネ24の連結孔5E、24Aを、凸起5Dに挿入して簡単に、正確な位置に連結できる。この状態で、内刃ホルダー5Bの凸起5Dの先端を加熱して押し潰すと、スリット金属刃5Aと刃圧バネ24はより確実に内刃ホルダー5Bに連結される。スリット金属刃5Aと刃圧バネ24を連結したT字状の内刃ホルダー5Bは、下方に延長されるロッド部をスリット外刃2の外刃ホルダー2Bに挿入して、スリット外刃2に連結する。
【0068】
内刃ホルダー5Bが、外刃ホルダー2Bに挿入された後、外刃ホルダー2Bに、コ字状に折曲されたスリット外刃板2Aを連結して、スリット内刃5を、スリット外刃2の定位置に保持する。スリット金属刃5Aと刃圧バネ24とを連結している内刃ホルダー5Bは、全体の厚さを、スリット外刃板2Aの内幅にほぼ等しくして、スリット外刃2の内部で傾かないように定位置に保持される。
【0069】
アーチ内刃3とスリット内刃5とを振動させる二つの内刃台11は、図5に示すように、本体ケース25に内蔵される駆動機構によって互いに反対方向に往復運動される。駆動機構は、内刃台11を連結して振動させる振動台17と、この振動台17を往復運動させるモーター18と、モーター18の回転を往復運動に変換して振動台17を往復運動させる変換機構とを備える。
【0070】
変換機構は、モーター18の回転軸に固定されるカム軸19と、このカム軸19の偏心軸を振動台17に連結するコンロッド20とで構成される。カム軸19の中心は、2本のコンロッド20を反対方向に振動させるために、回転軸を中心として対称位置に配設されている。一方のコンロッド20が右に移動するとき、他方のコンロッド20は左に移動して、内刃台11を逆方向に往復運動させる。
【0071】
この構造の駆動機構は、モーター18でカム軸19を回転させ、カム軸19の偏心軸の回転運動をコンロッド20で往復運動に変換して振動台17を往復運動させる。振動台17の中央には、内刃台11の連結ロッドを連結する孔が垂直に開口されている。振動台17の孔に内刃台11の連結ロッドを挿入して、内刃台11は振動台17に連結される。
【0072】
振動台17は、本体ケース25の上端に設けた開口窓25Aから外部に表出されている。開口窓25Aは、髭屑等が本体ケース25に侵入するのを阻止するために、図4と図5に示すように、パッキンゴム26で閉塞している。パッキンゴム26は、外周を開口窓25Aの内周に連結し、内周を振動台17の外周に隙間なく連結している。パッキンゴム26は、自由な変形できる柔軟なゴム状弾性体で、振動台17を自由に振動できる状態で、振動台17と開口窓25Aの間の隙間を閉塞している。パッキンゴム26の外周を、開口窓25Aに確実に隙間なく連結するために、パッキンゴム26の上面に固定枠27を嵌入している。固定枠27は、プラスチックで開口窓25Aの周縁に沿う方形状に成形されており、本体ケース25の上面に設けられた段差部25Bに嵌着して固定される。段差部25Bは、固定枠27を嵌着できる幅に成形されており、かつ、上端面から内側に係止凸起28を突出させている。この構造は、パッキンゴム26を簡単な構造で確実に開口窓25Aに固定できる特長がある。また、狭い領域にパッキンゴム26を確実に固定できる特長もある。
【0073】
【発明の効果】
本発明の請求項1の電気かみそりは、くせ髭を速やかにカットできることに加えて、肌の損傷を少なくして、能率よく深剃りできる特長がある。それは、本発明の電気かみそりが、粗剃孔に髭を誘い込んでカットする粗剃アーチ外刃と、仕上剃孔で髭をカットする仕上剃アーチ外刃の両方を、同じフロート圧で弾性的に押し出すのではなくて、粗剃アーチ外刃を仕上剃アーチ外刃よりも弱いフロート圧で弾性的に押し出す構造をしているからである。この構造の電気かみそりは、粗剃アーチ外刃と仕上剃アーチ外刃の両方を肌に接触させるとき、粗剃アーチ外刃はソフトに肌に接触し、仕上剃アーチ外刃は強く肌に接触する。粗剃アーチ外刃は、カールしたくせ髭を速やかに誘い込んでカットできる粗剃孔を網刃に開口している。この構造の網刃は、肌に強く押圧することなく、くせ髭をカットできる。粗剃アーチ外刃は、強く押圧するよりも、肌に沿って軽く移動して、速やかにくせ髭をカットできる。ただ、強く押圧されない粗剃アーチ外刃は、くせ髭を短く深剃りすることはできない。しかしながら、本発明の電気かみそりは、粗剃アーチ外刃でカットされたくせ髭を、仕上剃アーチ外刃で短く深剃りできる。仕上剃アーチ外刃は、粗剃アーチ外刃でカットされたくせ髭と、くせ髭でない通常の髭を一緒に仕上剃孔に誘い込んで、短く深剃りする。
【0074】
粗剃アーチ外刃と仕上剃アーチ外刃の両方を肌に押圧して髭剃りする従来の電気かみそりは、かみそり全体の押圧力が、粗剃アーチ外刃と仕上剃アーチ外刃に二等分に分散される。これに対して、本発明の電気かみそりは、粗剃アーチ外刃と仕上剃アーチ外刃の両方を肌に押圧して髭剃りするとき、その押圧力の多くを仕上剃アーチ外刃に作用させることができる。粗剃アーチ外刃のフロート圧を弱くして、仕上剃アーチ外刃のフロート圧を強くしているからである。このため、本発明の電気かみそりは、粗剃アーチ外刃と仕上剃アーチ外刃の両方を肌に接触して能率よく髭剃りできるにもかかわらず、仕上剃アーチ外刃で髭を短く深剃りでき、粗剃アーチ外刃でくせ髭を速やかにカットできる特長がある。さらに、大きな粗剃孔の粗剃アーチ外刃が強く肌に押圧されることもないので、粗剃アーチ外刃が肌に損傷を与えて、髭剃り後にヒリヒリすることもなく、快適に能率よく髭剃りできる、正に理想的な特長を実現できる。
【0075】
さらに、粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bからなるアーチ外刃1と平行にスリット外刃2を配設し、仕上剃アーチ外刃1bがスリット外刃2よりも突出する共に、粗剃アーチ外刃1aが仕上剃アーチ外刃1bよりも突出するように装着している。この構造の外刃は、電気かみそりを多少傾斜する状態で肌に押しつけて、3列の外刃を一緒に肌に接触させて、効率よく髭剃りできる。
【0076】
また、本発明の請求項2の電気かみそりは、粗剃アーチ外刃を仕上剃アーチ外刃よりも突出させてフロートストロークを大きくしている。この構造の電気かみそりは、突出してフロートストロークの大きい粗剃アーチ外刃を、凹凸のある肌の表面に優先して接触させながら髭剃りできる。粗剃アーチ外刃は、くせ髭を効率よくカットできるように設計されるので、粗剃アーチ外刃を優先的に肌に接触させて、くせ髭を速やかに効率よくカットできる。反対に、仕上剃アーチ外刃を突出させてフロートストロークを大きくした電気かみそりは、粗剃アーチ外刃に優先して仕上剃アーチ外刃が肌の凹凸に剃って移動するので、仕上剃アーチ外刃でもって、髭をより効率よく深剃りできる特長を実現する。さらに、この構造の電気かみそりは、仕上剃アーチ外刃を肌に沿わせて移動させるとき、フロートストロークの小さい粗剃アーチ外刃は、肌に接近し、あるいは、肌から離れて移動する。この状態で肌に沿って移動する粗剃アーチ外刃は、種々の形状をしているくせ髭を効率よくカットできることに効果がある。とくに、粗剃アーチ外刃は、髭を短くカットする必要はない。カールする等、種々の形状をしているくせ髭の先端をカットして、仕上剃アーチ外刃の仕上剃孔に誘い込みできる形状にカットすればよい。くせ髭は種々の形状をしているので、必ずしも粗剃アーチ外刃を肌に密着させる必要はない。粗剃アーチ外刃を肌に密着させ、あるいは、肌から離すなど、種々の状態で粗剃アーチ外刃を肌に沿って移動させて、くせ髭をカットできる。このため、仕上剃アーチ外刃を優先的に肌に沿わせて移動させるときに、粗剃アーチ外刃が肌に密着し、あるいは肌から離れて移動する電気かみそりは、粗剃アーチ外刃で種々の形状のくせ髭を効率よくカットできる特長がある。
【0077】
さらに、粗剃アーチ外刃1aと仕上剃アーチ外刃1bからなるアーチ外刃1と平行にスリット外刃2を配設し、仕上剃アーチ外刃1bがスリット外刃2よりも突出する共に、粗剃アーチ外刃1aが仕上剃アーチ外刃1bよりも突出するように装着している。この構造の外刃は、電気かみそりを多少傾斜する状態で肌に押しつけて、3列の外刃を一緒に肌に接触させて、効率よく髭剃りできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の電気かみそりのアーチ外刃の網刃の平面図
【図2】変形したくせ髭の一例を示す断面図
【図3】くせ髭が湾曲して先端を肌に接触させる状態を示す断面図
【図4】本発明の実施例の電気かみそりの分解斜視図
【図5】図4に示す電気かみそりの分解斜視図
【図6】図4に示す電気かみそりのアーチ外刃とスリット外刃と中間台と外刃ケースを分解した状態を示す分解斜視図
【図7】図4に示す電気かみそりのアーチ外刃とスリット外刃と櫛の概略斜視図
【図8】櫛とスリット外刃が髭を平行スリットに誘い込みしてカットする状態を示す斜視図
【図9】図6に示すスリット外刃の分解斜視図
【図10】図9に示す外刃ホルダーの底面図
【図11】アーチ外刃とスリット外刃が中間台を介して外刃ケースに装着された状態を示す斜視図
【図12】図11に示すアーチ外刃とスリット外刃の横断面図
【図13】外刃ケースを脱着自在に外刃枠に連結する部分の断面図
【図14】アーチ内刃とスリット内刃を内刃台に連結する状態を示す一部断面側面図
【図15】アーチ内刃を内刃台に連結する状態を示す斜視図
【図16】内刃台をブレードホルダーに連結する状態を示す斜視図
【図17】内刃台を振動ホルダーを介してブレードホルダーに連結する状態を示す分解斜視図
【図18】スリット内刃の分解斜視図
【符号の説明】
1…アーチ外刃 1A…網刃 1B…外刃ホルダー
1a…粗剃アーチ外刃 1b…仕上剃アーチ外刃
2…スリット外刃 2A…スリット外刃板 2B…外刃ホルダー
2a…平行スリット 2b…連結部
2c…外側連結部 2d…内側連結部
2e…外側連結面 2f…内側連結面
2g…貫通孔 2h…引掛凸部
3…アーチ内刃 3A…アーチ金属刃 3B…内刃ホルダー
3C…連結支柱 3D…係止部
4…櫛
5…スリット内刃 5A…スリット金属刃 5B…内刃ホルダー
5D…凸起 5E…連結孔
6…外刃ケース 6A…引掛片 6B…弾性金属板
61…端部プレート 62…側面プレート
6a…中間台
61a…弾性プレート 62a…連結ロッド
7…外刃枠 7A…引掛部 7B…貫通孔
7C…開口窓
8…連結ピン
9…上下スリット
10…ガイド突起
11…内刃台 11A…上下台 11B…連結筒
11C…駆動片 11D…挟着アーム
11E…連結凹部
11a…係止窓 11b…底板
12…パッキンゴム
13…引掛凸部
14…貫通孔
15…脱着ツマミ 15A…押圧ロッド 15B…押ボタン
16…出入バネ
17…振動台
18…モーター
19…カム軸
20…コンロッド
21…中央スプリング
22…ブレードホルダー
23…振動ホルダー 23A…弾性アーム
24…刃圧バネ 24A…連結孔 24B…弾性片
25…本体ケース 25A…開口窓 25B…段差部
26…パッキンゴム
27…固定枠
28…係止凸起
29…粗剃孔
30…仕上剃孔
K…くせ髭 H…肌

Claims (2)

  1. 網刃(1A)に多数の粗剃孔(29)を開口している粗剃アーチ外刃(1a)と、この粗剃アーチ外刃(1a)と平行に配設されると共に、網刃(1A)に多数の仕上剃孔(30)を開口している仕上剃アーチ外刃(1b)とを備え、粗剃アーチ外刃(1a)と仕上剃アーチ外刃(1b)が、所定のフロート圧で弾性的に押し出される状態で装着されてなる電気かみそりにおいて、
    粗剃アーチ外刃 (1a) と仕上剃アーチ外刃 (1b) からなるアーチ外刃 (1) と平行にスリット外刃 (2) を配設し、
    仕上剃アーチ外刃 (1b) がスリット外刃 (2) よりも突出する共に、粗剃アーチ外刃 (1a) が仕上剃アーチ外刃 (1b) よりも突出するように装着し、
    粗剃アーチ外刃(1a)のフロート圧を、仕上剃アーチ外刃(1b)のフロート圧よりも弱くしてなることを特徴とする電気かみそり。
  2. 網刃(1A)に多数の粗剃孔(29)を開口している粗剃アーチ外刃(1a)と、この粗剃アーチ外刃(1a)と平行に配設されると共に、網刃(1A)に多数の仕上剃孔(30)を開口している仕上剃アーチ外刃(1b)とを備え、粗剃アーチ外刃(1a)と仕上剃アーチ外刃(1b)が、所定のフロート圧で弾性的に押し出される状態で装着されてなる電気かみそりにおいて、
    粗剃アーチ外刃 (1a) と仕上剃アーチ外刃 (1b) からなるアーチ外刃 (1) と平行にスリット外刃 (2) を配設し、
    仕上剃アーチ外刃 (1b) がスリット外刃 (2) よりも突出する共に、粗剃アーチ外刃 (1a) が仕上剃アーチ外刃 (1b) よりも突出するように装着し、
    粗剃アーチ外刃 (1a) を仕上剃アーチ外刃 (1b) よりフロートストロークを大きくしていることを特徴とする電気かみそり。
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