JP3628972B2 - 静電容量式センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多次元方向の操作入力を行うために用いて好適な静電容量式センサに関し、特に、クリック感を感じつつ操作を行うことができる静電容量式センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
静電容量式センサは、操作者が加えた力の大きさおよび方向を電気信号に変換する装置として利用されている。例えば、ゲーム機器の入力装置として、多次元方向の操作入力を行うための静電容量式力覚センサ(いわゆるジョイスティック)として組み込んだ装置が利用されている。
【0003】
静電容量式センサでは、操作者から伝えられた力の大きさとして、所定のダイナミックレンジをもった操作量を入力することができる。また、加えられた力を各方向成分ごとに分けて検出することが可能な二次元または三次元力覚センサとしても利用されている。特に、2枚の電極によって静電容量素子を形成し、電極間隔の変化に起因する静電容量値の変化に基づいて力の検出を行う静電容量式力覚センサは、構造を単純化してコストダウンを図ることができるメリットがあるために、さまざまな分野で実用化されている。
【0004】
例えば、特開平7−200164号公報には、図22に示すような静電容量式力覚センサが開示されている。力覚センサ510は、基板520と、基板520上に設けられた弾性ゴム板530と、弾性ゴム板530の下面に設けられた電極部540と、基板520の上面に設けられた電極部500〜504(図23参照)と、弾性ゴム板530を基板520に対して支持固定する押え板560と、基板520の下面に設けられた電子装置580とから構成されている。また、電極部500〜504は、図23に示すように、原点について対称に配置された4つの電極部501〜504と、これらの外側に配置された円環状の電極部500とにより構成されている。また、電極部540の外周部分は、接地されている電極部500と接触しており、電極部500を介して接地されている。
【0005】
操作者が弾性ゴム板530を押下すると、その押下力に伴って電極部540が下方に変位して、これと4つの電極部501〜504との間の距離が変化する。すると、4つの電極部501〜504のそれぞれと電極部540との間で構成された容量素子の静電容量値が変化する。従って、この静電容量値の変化を検出することによって、操作者が加えた力の大きさおよび方向を知ることが可能となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図22および図23に示した力覚センサ510では、操作者が弾性ゴム板530を押下したとき、その押下する力に伴って電極部540は変位するが、その変位量は押下力に対してほぼ比例するように変化することが多く、操作者は明確な操作感を感じることがほとんどない。したがって、操作者は操作を実行していることを感覚的に把握することなく操作を施すことになり、力覚センサ510の操作対象の動作を視覚により確認しない限り操作を実行していることを容易に把握することができない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、操作を実行していることを感覚的に容易に把握することができる静電容量式センサを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の静電容量式センサは、XYZ三次元座標系を定義したときに、XY平面を規定する基板と、前記基板と対向している検知部材と、前記基板と前記検知部材との間に位置し、前記検知部材がZ軸方向に変位するのに伴ってZ軸方向に変位する導電性部材と、前記基板上に形成され、前記導電性部材と電気的に接続されるとともに、接地または一定の電位に保持された基準電極と、前記基板上に形成された第1の電極と、前記基板上に形成され、前記導電性部材との間で第1の容量素子を構成する第2の電極と、前記第2の電極に接触し且つ前記第1の電極から離隔しつつ前記第1の電極を覆うように配置されていると共に、前記導電性部材が変位するのに伴ってクリック感を付随しつつ弾性変形して前記第1の電極と接触可能なドーム形状の第3の電極とを備えている。そして、請求項1の静電容量式センサは、前記第1の電極と前記第3の電極とが接触しているときに、前記第1の電極に対して入力される信号を利用して前記導電性部材と前記第2の電極との間隔の変化に起因する前記第1の容量素子の静電容量値の変化を検出することに基づいて前記検知部材の変位を認識可能である。
【0009】
請求項1において、第3の電極がクリック感を付随しつつ弾性変形して第1の電極と接触可能とするために、第3の電極は、ある一定以上の外力を加えると第1の電極の方向への変位速度が(好ましくは急激に)大きくなる部材、つまり、加えられる外力が所定値を超えると、外力が所定値よりも小さいとき(このときの変位速度はゼロでもよい)よりも第1の電極の方向への変位速度が大きくなる部材で構成されている。
【0010】
請求項1によると、検知部材に対して操作を施す場合には、操作方向に対応する第3の電極がクリック感を付随しつつ弾性変形して第1の電極と接触したときに始めて検知部材の変位の認識が開始されるため、操作者はクリック感を感じることで操作を実行していることを感覚的に容易に把握することができる。また、クリック感を生じさせるのに必要な所定の大きさの外力が与えられて始めて検知部材の変位の認識が開始されるので、操作者が意識的に操作したのではないクリック感を生じさせない範囲の小さな外力が検知部材に加えられたときには検知部材の変位が認識されない。従って、検知部材が偶然に別部材に接触するなどの外乱を排して、操作者の意識的な操作に基づく検知部材の変位だけを確実に検出することが可能になる。
【0012】
また、請求項1によると、導電性部材から作用する力が所定値に達したときにドーム形状をした第3の電極の頂部近傍が急激に変位して凹んだ状態となって第1の電極に接触するため、操作者に明瞭なクリック感を与えることが可能となる。
【0013】
請求項の静電容量式センサは、前記基準電極と前記導電性部材との間に、第2の容量素子が構成されていることを特徴としている。請求項によると、導電性部材が直接接触することによってではなく、容量結合によって接地または一定の電位に保持された基準電極と電気的に結合される。そのため、センサの耐電圧特性が向上し、スパーク電流が流れることによってセンサが破損することがほとんどなくなるとともに、接続不良などの不具合を防止することができるため、信頼性の高い静電容量式センサを得ることができる。また、基準電極と導電性部材との間に絶縁膜を配置した場合においても、絶縁膜の一部をカットして基準電極と導電性部材とを接触させる必要がないため、組立および実装面でも有利となる。
【0014】
請求項の静電容量式センサは、前記第1の電極、前記第2の電極および前記第3の電極の組が複数形成されていることを特徴としている。請求項によると、各組を別方向の力を認識するために用いることによって多次元的な力の認識が可能になる。
【0015】
請求項の静電容量式センサは、前記第1の電極、前記第2の電極および前記第3の電極の組を2つ有しており、これら二組の一方を含む回路および他方を含む回路に、互いに位相が異なる信号が供給されることを特徴としている。請求項によると、二組の一方を含む回路および他方を含む回路の時定数が同じものであるかどうかにかかわらず、検知部材の変位を認識することができる。
【0016】
請求項の静電容量式センサは、前記第1の電極、前記第2の電極および前記第3の電極の組を2つ有しており、これら二組の一方を含むCR回路と他方を含むCR回路との時定数が異なることを特徴としている。請求項によると、回路を通過することによる信号の位相のずれを大きくできるため、検知部材の変位認識の精度を向上させることができる。また、検知部材の変位検出可能範囲を大きくすることができる。
【0017】
請求項6〜10の静電容量式センサは、前記第1の電極、前記第2の電極および前記第3の電極の組を2つ有しており、これら二組の一方を含む回路および他方を含む回路にそれぞれ入力された信号の出力信号が排他的論理和演算、論理和演算、論理積演算、論理積演算および否定演算のいずれかを行う論理素子を利用した信号処理回路により検出されることを特徴としている。請求項6〜10によると、出力信号を精度よく検出することができ、さらに必要に応じて検出精度を調整することができる。
【0018】
請求項11の静電容量式センサは、前記第2の電極が、X軸方向に離隔し且つY軸に対して線対称に配置された一対の第4の電極と、Y軸方向に離隔し且つX軸に対して線対称に配置された一対の第5の電極とを含んでいることを特徴としている。請求項11によると、検知部材が外部から受けた力のX軸方向およびY軸方向の方向成分をそれぞれ別々に認識することができる。
【0019】
請求項12の静電容量式センサは、前記検知部材が、前記第4の電極および前記第5の電極のそれぞれに対応して分割されていることを特徴としている。請求項12によると、外部からの力のX軸方向またはY軸方向の各成分が明確に分離されるため、異なる方向の成分が互いに干渉するのを軽減することができ、誤操作を減少させることができる。
【0020】
請求項13の静電容量式センサは、前記基板上に形成された第6の電極と、前記基準電極に接触し且つ前記第6の電極から離隔するように配置されていると共に、前記導電性部材が変位するのに伴って弾性変形して前記第6の電極と接触可能な第7の電極とをさらに備えていることを特徴としている。
【0021】
請求項13によると、上述した効果が得られるほか、さらに、検知部材の操作によって互いに接触可能な第6の電極および第7の電極を備えていることで、入力の決定操作を行う際などに使用可能なスイッチを付加することができる。
【0022】
請求項14の静電容量式センサは、前記検知部材が、前記第2の電極および前記第6の電極に対応して分割されていることを特徴としている。請求項14によると、操作方向に対応する外部からの力と決定操作に対応する外部からの力とが明確に分離されるため、これらの力が互いに干渉するのを軽減することができ、誤操作を減少させることができる。
【0023】
請求項15の静電容量式センサは、前記導電性部材を支持し且つ弾性体で形成された支持部材をさらに備えており、前記導電性部材が、前記支持部材に塗布された導電性インクにより形成されていることを特徴としている。請求項15によると、導電性部材が製造しやすく、製造コストを低減することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態は本発明の静電容量式センサを力覚センサとして用いたものである。
【0025】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る静電容量式センサの模式的な断面図である。図2は、図1の静電容量式センサの検知部材の上面図である。図3は、図1の静電容量式センサの基板上に形成されている複数の電極の配置を示す図である。
【0026】
静電容量式センサ10は、基板20と、人などによって操作されることによって外部から力が加えられる操作用の検知部材30と、変位電極40と、基板20上に形成された容量素子用電極E1〜E4と、ドーム形状を有するスイッチ用可動電極E21〜E24(図1ではE21およびE22のみを示す)と、その内側に配置されたスイッチ用固定電極E11〜E14(図1ではE11およびE12のみを示す)と、基準電極(共通電極)E0と、複数の電極に密着して基板20上を覆うように形成された絶縁膜50と、検知部材30および変位電極40を基板20に対して支持固定する支持部材60と、支持部材60および検知用部材30の周囲を覆うように配置されたカバーケース70とを有している。
【0027】
ここでは、説明の便宜上、図示のとおり、XYZ三次元座標系を定義し、この座標系を参照しながら各部品に配置説明を行うことにする。すなわち、図1では、基板20上の基準電極E0の中心位置に原点Oが定義され、右水平方向にX軸が、上垂直方向にZ軸が、紙面に垂直奥行方向にY軸がそれぞれ定義されている。ここで、基板20の表面は、XY平面を規定し、基板20上の基準電極E0、検知部材30および変位電極40のそれぞれの中心位置をZ軸が通ることになる。
【0028】
基板20は、一般的な電子回路用のプリント回路基板であり、この例ではガラスエポキシ基板が用いられている。また、基板20として、ポリイミドフィルムなどのフィルム状の基板を用いてもよいが、フィルム状の基板の場合は可撓性を有しているため、十分な剛性をもった支持基板上に配置して用いるのが好ましい。
【0029】
検知部材30は、受力部となる小径の上段部31と、上段部31の下端部に伸延する大径の下段部32とから構成され、全体として円盤状に形成されている。ここで、上段部31の径は、容量素子用電極E1〜E4のそれぞれの外側の曲線を結んでできる円の径より小さく、下段部32の径は、容量素子用電極E1〜E4のそれぞれの外側の曲線を結んでできる円の径とほぼ同じである。なお、操作性を向上させるために、検知部材30に樹脂製のキャップをかぶせてもよい。
【0030】
また、検知部材30の上段部31の上面には、図2に示すように、X軸およびY軸のそれぞれの正方向および負方向に対応するように、すなわち、容量素子用電極E1〜E4に対応するように、操作方向(カーソルの移動方向)に対応した矢印が形成されている。
【0031】
変位電極40は、導電性を有するシリコンゴムで形成され、容量素子用電極E1〜E4のそれぞれの外側の曲線を結んでできる円の径とほぼ同一の径を有する円盤状であり、弾性を有するシリコンゴムで形成された支持部材60の下面に付着されている。また、変位電極40の下面には、変位電極40の中心位置を中心とし、基準電極E0と同一の径の円形で下方に突出した凸部41が形成されている。凸部41は、その下面が基準電極E0と接触することができる高さを有している。このように、変位電極40の中心位置に凸部41が形成されているため、検知部材30に力が作用したときに変位電極40が凸部41を支点として傾くことができるようになっている。また、スイッチ用固定電極E11〜E14にそれぞれ対向する位置には、4つの突起体42が形成されている。
【0032】
なお、変位電極40としては、シリコンゴムの他、例えば、導電性インク、導電性熱可塑性樹脂(PPT、エラストマー)、導電性プラスチック、金属蒸着フィルムを用いてもよい。また、変位電極40の突起体42は無くてもよい。
【0033】
また、基板20上には、図3に示すように、原点Oを中心とする円形の基準電極E0と、その外側に扇形であり、それぞれのほぼ中央部に円形の孔H1〜H4を有する容量素子用電極E1〜E4と、孔H1〜H4の内側で、孔H1〜H4の径よりも小さい径を有する円形のスイッチ用固定電極E11〜E14とが形成されている。ここで、スイッチ用固定電極E11〜E14の面積は、容量素子用電極E1〜E4の面積に比べて極力小さい方が好ましい。一対の容量素子用電極E1およびE2は、X軸方向に離隔してY軸に対して線対称に配置されている。また、一対の容量素子用電極E3およびE4は、Y軸方向に離隔してX軸に対して線対称に配置されている。なお、基準電極E0は、容量素子用電極E1〜E4の外側に形成されてもよい。この場合には、変位電極40の凸部41も容量素子用電極E1〜E4の外側に形成される。
【0034】
ここでは、容量素子用電極E1はX軸の正方向に対応するように配置され、一方、容量素子用電極E2はX軸の負方向に対応するように配置され、外部からの力のX軸方向成分の検出に利用される。また、容量素子用電極E3はY軸の正方向に対応するように配置され、一方、容量素子用電極E4はY軸の負方向に対応するように配置され、外部からの力のY軸方向成分の検出に利用される。
【0035】
基準電極E0およびスイッチ用固定電極E11〜E14は、スルーホールなどを利用して端子T0〜T5(図4参照)にそれぞれ接続されており、端子T0〜T5を通じて外部の電子回路に接続されるようになっている。なお、ここでは、基準電極E0は、端子T0を介して接地されている。
【0036】
また、容量素子用電極E1〜E4にそれぞれ接触するとともに、スイッチ用固定電極E11〜E14と離隔しつつこれを覆うようにスイッチ用可動電極E21〜E24が配置されている。したがって、スイッチ用可動電極E21〜E24は孔H1〜H4よりも大きい径を有するドーム状の部材である。
【0037】
また、絶縁膜50は、基板20上の容量素子用電極E1〜E4の一部およびスイッチ用可動電極E21〜E24に密着して、基板20上を覆うように形成されている。このため、銅などで形成された容量素子用電極E1〜E4およびスイッチ用可動電極E21〜E24の絶縁膜50で覆われている部分は空気にさらされることがなく、それらが酸化されるのを防止する機能を有している。なお、容量素子用電極E1〜E4およびスイッチ用可動電極E21〜E24に対して、その表面への金メッキの形成などの酸化防止対策を施しておいてもよい。また、絶縁膜50が形成されているため、容量素子用電極E1〜E4およびスイッチ用可動電極E21〜E24と、変位電極40とが直接接触することはない。
【0038】
次に、上述のように構成された本実施の形態に係る静電容量式センサ10の動作について、図面を参照して説明する。図4は、図1に示す静電容量式センサの構成に対する等価回路図である。図5は、図1に示す静電容量式センサの検知部材にX軸正方向への操作が施された場合の側面の模式的な断面図である。図6は、図1に示す静電容量式センサに入力される周期信号から出力信号を導出する方法を説明するための説明図である。
【0039】
まず、静電容量式センサ10の構成と等価な回路構成について、図4を参照して説明する。基板20上に形成された容量素子用電極E1〜E4は、変位電極40と対向している。ここで、容量素子用電極E1〜E4に接続されたスイッチ用可動電極E21〜E24は、スイッチ用固定電極E11〜E14と接触する位置または接触しない位置を選択的にとり得ることにより、端子T1〜T4と容量素子用電極E1〜E4とを接続させるまたは接続させないスイッチS1〜S4としての機能を有している。
【0040】
スイッチ用可動電極E21〜E24がスイッチ用固定電極E11〜E14と接触していない(スイッチがOFF状態)場合には、スイッチ用固定電極E11〜E14の面積が容量素子用電極E1〜E4の面積に比べて非常に小さく、または、スイッチ用可動電極E21〜E24が一種の静電シールドとなることにより、スイッチ用可動電極E21〜E24とスイッチ用固定電極E11〜E14との間には、静電容量がほとんど発生しない。
【0041】
一方、スイッチ用可動電極E21〜E24がスイッチ用固定電極E11〜E14と接触している(スイッチがON状態)場合には、容量素子用電極E1〜E4がスイッチ用固定電極E11〜E14と接続され、容量素子用電極E1〜E4と変位電極40とが対向して、共通の電極である変位可能な変位電極40と、固定された個別の容量素子用電極E1〜E4との間で容量素子C1〜C4を構成する。容量素子C1〜C4は、それぞれ変位電極40の変位に起因して静電容量値が変化するように構成された可変容量素子であるということができる。
【0042】
容量素子C1〜C4のそれぞれの静電容量値は、変位電極40と、容量素子用電極E1〜E4のそれぞれに接続された端子T1〜T4との間の静電容量値として、それぞれ独立して測定することができる。ここで、基準電極E0は、端子T0を介して接地されているため、容量素子C1〜C4における共通の電極である変位電極40は接地されていると考えられる。
【0043】
次に、図1に示す検知部材30に力が作用していないときの状態において、図5に示すように、検知部材30にX軸正方向への操作のみが施された場合、すなわち、検知部材30の上段部31に形成されたX軸正方向に対応するように形成された矢印を基板20側に押し下げるような力(Z軸負方向への力)を加えた場合を考える。
【0044】
検知部材30のX軸正方向に対応する部分が押し下げられることにより、変位電極40に形成されたX軸正方向に対応する突起体42が下方へと変位する。すると、突起体42から絶縁膜50を介してスイッチ用可動電極E21の中央部に対して下方向への力が作用する。そして、その力が所定値に満たないときにはスイッチ用可動電極E21はほとんど変位しないが、その力が所定値に達したときには、スイッチ用可動電極E21の頂部近傍部分が座屈を伴って急激に弾性変形して凹んだ状態となってスイッチ用固定電極E11と接触する。これにより、スイッチS1がON状態になる。このとき、操作者には、明瞭なクリック感が与えられることになる。その後、引き続き検知部材30が変位すると、スイッチS1がON状態を保持しつつ変位電極40がさらに変位することにより、変位電極40のX軸正方向部分と容量素子用電極E1との間隔が変化する。
【0045】
このように、容量素子C1を構成する電極(変位電極40のX軸正方向部分と容量素子用電極E1)の間隔が変化すると、それに伴って容量素子C1の静電容量値も変化する。ここで、一般的に、容量素子の静電容量値は、容量素子を構成する電極の間隔に反比例する。したがって、容量素子C1を構成する電極が小さくなることから容量素子C1の静電容量値は大きくなる。
【0046】
一方、このとき変位電極40のX軸負方向部分はほとんど変位しない。また、変位電極40のY軸正方向部分および変位電極40のY軸負方向部分もほとんど変位しない。ここで、実際には、検知部材30に対する力の加わり方によっては、変位電極40のX軸負方向部分、Y軸正方向部分およびY軸負方向部分が、それぞれ下方に若干変位する場合もあるが、それぞれの方向に対応するスイッチ用可動電極E22〜E24とスイッチ用固定電極E12〜E14とを接触させるまで変位電極40のそれぞれの部分が変位しない限り、スイッチS2〜S4はOFF状態を保持するため、スイッチ用可動電極E22〜E24とスイッチ用固定電極E12〜E14との間には静電容量がほとんど発生せず、それらの変位は出力に影響を与えない。
【0047】
以上のように、検知部材30にX軸正方向への操作のみが施された場合は、容量素子C1〜C4のなかで、スイッチS1〜S4がON状態を保持しつつ容量素子用電極E1〜E4と変位電極40との間の間隔に変化があった容量素子C1の静電容量値のみが変化する。
【0048】
次に、スイッチ用可動電極E21〜E24とスイッチ用固定電極E11〜E14とが接触している(スイッチS1〜S4がON状態)場合において、容量素子C1〜C4のそれぞれの静電容量値の変化から検知部材30への外部からの力の大きさおよび方向を示す出力信号の導出方法について、図6を参照して説明する。ここで、出力信号Vx 、Vy は、それぞれ外部からの力のX軸方向成分およびY軸方向成分の大きさおよび方向を示す。
【0049】
ここで、出力信号Vx 、Vy を導出するために、端子T1〜T4に対して、常にクロック信号などの周期信号が入力される。端子T1〜T4に周期信号が入力されている状態で、検知部材30が外部からの力を受けて変位すると、これに伴って変位電極40がZ軸方向に変位する。そして、変位電極40からスイッチ用可動電極E21〜E24に作用する力が所定値に達すると、スイッチ用可動電極E21〜E24の中央部が座屈をともない弾性変形することにより、スイッチ用固定電極E11〜E14と接触してスイッチS1〜S4がON状態になる。その後、引き続き検知部材30が変位すると、スイッチS1〜S4がON状態を保持しつつ変位電極40がさらに変位することにより、容量素子C1〜C4の電極間隔が変化して、容量素子C1〜C4のそれぞれの静電容量値が変化する。すると、端子T1〜T4に入力された周期信号の位相にずれが生じる。このように、周期信号に生じる位相のずれを利用して、検知部材30の変位、つまり検知部材30が外部から受けた力のX軸方向およびY軸方向の大きさと方向を示す出力信号Vx 、Vy を得ることができる。
【0050】
さらに詳細に説明すると、端子T1〜T4に対して周期信号を入力するとき、端子T1、T3に対しては周期信号Aが入力され、一方、端子T2、T4に対しては周期信号Aと同一の周期で、かつ、周期信号Aの位相とは異なる周期信号Bが入力される。そのとき、検知部材30が外部から力を受けて、容量素子C1〜C4の静電容量値がそれぞれ変化すると、端子T1〜T4にそれぞれ入力された周期信号Aまたは周期信号Bの位相にそれぞれ異なった量のずれが生じる。
【0051】
すなわち、外部からの力にX軸正方向成分が含まれる場合は、容量素子C1の静電容量値が変化し、端子T1に入力された周期信号Aの位相にずれが生じる。また、外部からの力にX軸負方向成分が含まれる場合は、容量素子C2の静電容量値が変化し、端子T2に入力された周期信号Bの位相にもずれが生じる。ここで、容量素子C1、C2の静電容量値の変化量は、それぞれ外部からの力のX軸正方向成分、X軸負方向成分の大きさに対応している。このように、端子T1および端子T2にそれぞれ入力された周期信号Aおよび周期信号Bの位相のずれを排他和回路で読み取ることによって、出力信号Vx が導出される。この出力信号Vx の符号が、外部からの力のX軸方向成分が正方向または負方向の向きかを示し、その絶対値がX軸方向成分の大きさを示す。
【0052】
また、外部からの力にY軸正方向成分が含まれる場合は、容量素子C3の静電容量値が変化し、端子T3に入力された周期信号Aの位相にずれが生じる。また、外部からの力にY軸負方向成分が含まれる場合は、容量素子C4の静電容量値が変化し、端子T4に入力された周期信号Bの位相にもずれが生じる。ここで、容量素子C3、C4の静電容量値の変化量は、それぞれ外部からの力のY軸正方向成分、Y軸負方向成分の大きさに対応している。このように、端子T3および端子T4にそれぞれ入力された周期信号Aおよび周期信号Bの位相のずれを排他和回路で読み取ることによって、出力信号Vy が導出される。この出力信号Vyの符号が、外部からの力のY軸方向成分が正方向または負方向の向きかを示し、その絶対値がY軸方向成分の大きさを示す。
【0053】
なお、外部からの力にX軸方向成分またはY軸方向成分が含まれる場合において、X軸正方向およびX軸負方向の両方の成分またはY軸正方向およびY軸負方向の両方の成分を含む場合がある。ここで、例えばX軸方向について考えると、X軸正方向成分およびX軸負方向成分のそれぞれの大きさが同じ場合の出力信号Vx の値は、外部からの力にX軸方向成分が含まれない場合の出力信号Vx の値とほとんど同じである(詳細は、後述する)。一方、X軸正方向成分とX軸負方向成分とが異なる場合には、端子T1、T2に入力されたそれぞれの周期信号Aおよび周期信号Bの位相のずれる量がそれぞれ異なり、上述した場合と同様に、その位相のずれを排他和回路で読み取ることによって、出力信号Vx が導出される。また、このことは、Y軸方向についての出力信号Vy の導出に対しても同様のことがいえる。
【0054】
次に、端子T1〜T4に入力された周期信号A、Bによる出力信号Vx 、Vyを導出するための信号処理回路について、図面を参照しながら説明する。図7は、図1に示す静電容量式センサの信号処理回路を示す回路図である。
【0055】
図7に示す信号処理回路において、端子T1〜T4には、図示されていない交流信号発振器から所定周波数の周期信号が入力される。これらの端子T1〜T4には、抵抗素子R1〜R4がそれぞれ接続されている。また、抵抗素子R1、R2の出力端および抵抗素子R3、R4の出力端には、それぞれ排他和回路の論理素子であるEX−OR素子81、82が接続されており、その出力端は端子T11〜T12に接続されている。さらに、抵抗素子R1〜R4の出力端は、スイッチ用固定電極E11〜E14およびスイッチ用可動電極E21〜E24により構成されるスイッチS1〜S4の入力端にそれぞれ接続されている。スイッチS1〜S4の出力端は、それぞれ容量素子用電極E1〜E4と変位電極40との間で構成される容量素子C1〜C4に接続されている。また、容量素子C1〜C4のそれぞれの一方の電極である変位電極40は接地されている。
【0056】
ここから、例として、X軸方向成分の出力信号Vxの導出方法について、図8を参照して説明する。なお、Y軸方向成分の出力信号Vyの導出方法についても同様であるので説明を省略する。図8は、図1に示す静電容量式センサのX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図(図7の一部分)である。この信号処理回路において、容量素子C1と抵抗素子R1および容量素子C2と抵抗素子R2はそれぞれCR遅延回路を形成している。端子T1、T2に入力された周期信号(矩形波信号)は、それぞれCR遅延回路によって所定の遅延が生じ、EX−OR素子81において合流する。ここで、容量素子C1と抵抗素子R1を含むCR回路と、容量素子C2と抵抗素子R2を含むCR回路とのそれぞれの時定数は異なっているのが好ましい。この場合には、回路を通過することによる周期信号の位相のずれが大きくなるので、検知部材30の変位認識の精度が向上する。また、このとき、検知部材30の変位検出可能範囲が大きくなる。
【0057】
なお、端子T1、T2に対して十分な駆動能力を持った信号を供給することが出来ない場合には、端子T1と抵抗素子R1との間および端子T2と抵抗素子R2との間にインバータ素子を挿入するのが好ましい。ここで、インバータ素子は、CR遅延回路を駆動するために十分な駆動電力を発生させる素子であり、論理的には意味のない素子である。また、インバータ素子として、同一の素子を用いることにより、異なる経路の信号を同じ条件で比較することが可能である。
【0058】
次に、図8の回路の動作について、図9を参照して説明する。図9は、図8に示す信号処理回路の各端子および各節点における周期信号の波形を示す図である。
【0059】
図8の信号処理回路において、端子T1、T2のそれぞれに入力された周期信号は、CR遅延回路を通過することにより、それぞれ所定の遅延を生じて、それぞれEX−OR素子81に入力される。詳細に説明すると、端子T1には周期信号f(φ)(上述の周期信号Aに対応しており、以下周期信号Aと称する)が入力され、また、端子T2にはf(φ)と同一の周期で、かつ、位相がθだけずれている周期信号f(φ+θ)(上述の周期信号Bに対応しており、以下周期信号Bと称する)が入力される。ここでは、周期信号Aのデューティ比D0は50%であり、周期信号Bは周期信号Aの位相が周期信号Aの周期の1/4だけ進んでいる場合について説明する。
【0060】
ここで、端子T1、T2にそれぞれ入力される異なる位相の周期信号Aおよび周期信号Bは、1つの交流信号発振器から出力された周期信号を2つの経路に分け、その一方の経路に図示しないCR遅延回路を設け、CR遅延回路を通過する周期信号の位相を遅延させることによって発生させられる。なお、周期信号の位相をずらせる方法は、CR遅延回路を用いる方法に限らず、他のどのような方法であってもよいし、また、2つの交流信号発振器を用いて、それぞれ異なる位相の周期信号Aおよび周期信号Bを発生させ、端子T1、T2のそれぞれに入力してもよい。
【0061】
図9の(a)、(b)は、端子T1、T2に入力される周期信号Aおよび周期信号Bの波形を示している。ここで、検知部材30に外部から力が作用していない(操作が施されない)状態では、図8の信号処理回路のスイッチS1、S2はOFF状態であるため、容量素子C1、C2は無視できる位に十分小さく、周期信号Aおよび周期信号Bはほとんど遅延することなくEX−OR素子81に入力される。したがって、EX−OR素子81には、端子T1、T2における周期信号と同一の波形の信号が入力され、これらの信号の間で排他的論理演算が行われ、その結果を端子T11に対して出力される。ここで、端子T11に対して出力される出力信号Vx は、図9の(c)に示すように、デューティ比D1を有する矩形波信号である。
【0062】
次に、検知部材30にX軸正方向への操作のみが施された場合(図5参照)には、スイッチS1がON状態となり、容量素子C1が抵抗素子R1に接続されることにより遅延回路が構成される。端子T1に入力される周期信号Aは、容量素子C1および抵抗素子R1で構成する遅延回路を通過することにより遅延して節点X1に到達する。ここで、図9(d)は、端子T1に周期信号Aを入力した場合の図8に示す信号処理回路の節点X1における電位の変化を示している。
【0063】
端子T1に「Hi」または「Lo」の信号を繰り返す周期信号が入力された場合には、図9(d)に示すように、「Hi」の信号の入力が開始するとCR遅延回路を構成する容量素子C1に次第に電荷が蓄えられることにより、節点X1における電位は次第に増加し、また、「Lo」の信号の入力が開始するとCR遅延回路を構成する容量素子C1の電荷が次第に放電されることにより節点X1における電位は次第に減少するという変化を繰り返す。
【0064】
なお、実際には、節点X1の電位の波形は、所定のしきい値を有するコンパレータ(図示しない)を介することによって矩形波(パルス波形)に変換されるようになっている。このコンパレータでは、設定されたしきい値よりも大きい場合は「Hi」の信号を出力し、小さい場合は「Lo」の信号を出力することにより矩形波を形成する。ここで、EX−OR素子81がC−MOS型の論理素子の場合には、電源電圧がVccであれば、コンパレータのしきい値電圧をVcc/2程度としておくことが好ましい。このように、節点X1の電位の波形は、コンパレータを介することにより、図9(e)に示すように、デューティ比D2を有する矩形波に変換される。
【0065】
また、このときスイッチS2はOFF状態であるから、容量素子C2および抵抗素子R2は遅延回路を構成しないため、節点X2に到達する周期信号の波形は周期信号B(図9(b)に示す波形の信号)と同一である。
【0066】
したがって、EX−OR素子81には、節点X1、X2における周期信号と同一の波形の信号(図9(b)および図9(e)に示す波形の信号)が入力され、これらの信号の間で排他的論理演算が行われ、その結果を端子T11に対して出力される。ここで、端子T11に対して出力される出力信号Vx は、図9(f)に示すようにデューティ比D3を有する矩形波信号である。
【0067】
なお、検知部材30のX軸正方向部分がさらに押下されると、変位電極40と容量素子用電極E1との間隔が小さくなり、それに伴って容量素子C1の静電容量値が大きくなる。このとき、周期信号Aが遅延回路を通過することによる位相のずれ(遅延する量)はおおきくなり、端子T11に対して出力される出力信号Vx のデューティ比D3も大きくなる。
【0068】
次に、検知部材30にX軸負方向への操作のみが施された場合には、スイッチS2がON状態となり、容量素子C2が抵抗素子R2に接続されることにより遅延回路が構成される。端子T2に入力される周期信号Bは、容量素子C2および抵抗素子R2で構成する遅延回路を通過することにより遅延して節点X2に到達する。ここで、図9(g)は、端子T2に周期信号Bを入力した場合の図8に示す信号処理回路の節点X2における電位の変化を示している。
【0069】
端子T2に「Hi」または「Lo」の信号を繰り返す周期信号が入力された場合には、図9(g)に示すように、「Hi」の信号の入力が開始するとCR遅延回路を構成する容量素子C2に次第に電荷が蓄えられることにより、節点X2における電位は次第に増加し、また、「Lo」の信号の入力が開始するとCR遅延回路を構成する容量素子C2の電荷が次第に放電されることにより節点X2における電位は次第に減少するという変化を繰り返す。
【0070】
なお、実際には、節点X2の電位の波形は、所定のしきい値を有するコンパレータ(図示しない)を介することによって矩形波(パルス波形)に変換されるようになっている。このコンパレータでは、設定されたしきい値よりも大きい場合は「Hi」の信号を出力し、小さい場合は「Lo」の信号を出力することにより矩形波を形成する。ここで、EX−OR素子81がC−MOS型の論理素子の場合には、電源電圧がVccであれば、コンパレータのしきい値電圧をVcc/2程度としておくことが好ましい。このように、節点X2の電位の波形は、コンパレータを介することにより、図9(h)に示すように、デューティ比D4を有する矩形波に変換される。
【0071】
また、このときスイッチS1はOFF状態であるから、容量素子C1および抵抗素子R1は遅延回路を構成しないため、節点X1に到達する周期信号の波形は周期信号A(図9(a)に示す波形の信号)と同一である。
【0072】
したがって、EX−OR素子81には、節点X1、X2における周期信号と同一の波形の信号(図9(a)および図9(h)に示す波形の信号)が入力され、これらの信号の間で排他的論理演算が行われ、その結果を端子T11に対して出力される。ここで、端子T11に対して出力される出力信号Vx は、図9(i)に示すようにデューティ比D5を有する矩形波信号である。
【0073】
検知部材30のX軸負方向部分がさらに押下されると、変位電極40と容量素子用電極E2との間隔が小さくなり、それに伴って容量素子C2の静電容量値が大きくなる。このとき、周期信号Bが遅延回路を通過することによる位相のずれ(遅延する量)はおおきくなり、端子T11に対して出力される出力信号Vxのデューティ比D5は小さくなる。
【0074】
このように、検知部材30にX軸負方向への操作のみが施された場合に端子T11に対して出力される出力信号Vx のデューティ比D5(図9(i)参照)は、検知部材30にX軸正方向への操作のみが施された場合に端子T11に対して出力される出力信号Vx のデューティ比D2(図9(e)参照)よりも小さくなっている。
【0075】
ここで、検知部材30にX軸正方向およびX軸負方向への操作が同時に施された場合には、端子T1、T2に入力される周期信号Aおよび周期信号Bは、容量素子C1および抵抗素子R1で構成する遅延回路および容量素子C2および抵抗素子R2で構成する遅延回路をそれぞれ通過して節点X1、X2に到達する。したがって、このときの節点X1、X2における電位の変化は図9(d)および図9(g)に示すようになる。
【0076】
したがって、EX−OR素子81には、節点X1、X2における電位の変化(図9(d)および図9(g)に示す波形)を所定のしきい値でデジタル化した信号(図9(e)および図9(h)に示す波形の信号)が入力され、これらの信号の間で排他的論理演算が行われ、その結果を端子T11に対して出力される。ここで、端子T11に対して出力される出力信号Vx は、図9(j)に示すようにデューティ比D6を有する矩形波信号である。
【0077】
このように、検知部材30にX軸正方向およびX軸負方向への操作が同時に施された場合に端子T11に対して出力される出力信号Vx のデューティ比D6(図9(j)参照)は、検知部材30に操作が施されない場合に端子T11に対して出力される出力信号Vx のデューティ比D1(図9(c)参照)とほとんど同じである。但し、両者の信号の位相はずれている。
【0078】
また、端子T11に対して出力される出力信号Vx は、アナログ電圧Vx ’に変換して利用することができる。図10は、図1に示す静電容量式センサのX軸方向成分についての出力信号をアナログ電圧に変換する回路を含む信号処理回路を示す回路図である。
【0079】
図10に示すように、端子T11に対して出力される出力信号Vx は、抵抗素子R50および容量素子C50で構成されるローパスフィルター50を通過することにより平滑され、端子50に対してアナログ電圧Vx ’として出力される。このアナログ電圧Vx ’の値は、出力信号Vx のデューティ比に比例して変化する。したがって、出力信号Vx のデューティ比が大きくなるとそれに伴ってアナログ電圧Vx ’の値も大きくなり、一方、出力信号Vx のデューティ比が小さくなるとそれに伴ってアナログ電圧Vx ’の値も小さくなる。また、出力信号Vxデューティ比がほとんど変化しないときはアナログ電圧Vx ’の値もほとんど変化しない。
【0080】
以上のように、本実施の形態の静電容量式センサ10は、検知部材30に対して操作を施す場合には、操作方向に対応するスイッチ用可動電極E21〜E24がクリック感を付随しつつ弾性変形してスイッチ用固定電極E11〜E14と接触したときにはじめて検知部材30の変位の認識を開始するため、操作者はクリック感を感じることで操作を実行していることを感覚的に容易に把握することができる。また、クリック感を生じさせるのに必要な所定の大きさの外力が与えられて始めて検知部材30の変位の認識が開始されるので、操作者が意識的に操作したのではないクリック感を生じさせない範囲の小さな外力が検知部材30に加えられたときには検知部材30の変位が認識されない。従って、検知部材30が偶然に別部材に接触するなどの外乱を排して、操作者の意識的な操作に基づく検知部材30の変位だけを確実に検出することが可能になる。
【0081】
また、複数の容量素子用電極E1〜E4が形成され、検知部材30が外部から受けた力のX軸方向およびY軸方向の方向成分をそれぞれ別々に認識することができる。ここで、対となる容量素子用電極(E1およびE2、E3およびE4)に対して、互いに位相が異なる信号が供給されるため、回路を通過することによる信号の位相のずれを大きくでき、さらに、その信号を論理素子を利用した信号処理回路を用いるため、精度よく検出することができる。なお、この構成の静電容量式センサは、パソコン、携帯電話、ゲームなどの入力装置として利用されるのに好ましい。
【0082】
次に、本発明の第1の実施の形態の第1の変形例について、図面を参照しつつ説明する。図11は、第1の変形例に係る静電容量式センサのX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図である。図12は、検知部材に作用する押下力と出力されるアナログ電圧との関係を示す図である。図11の信号処理回路が、図1の静電容量式センサの信号処理回路と異なる点は、図10のローパスフィルター50と端子11との間に回路60が接続されている点である。なお、その他の構成は、図1の静電容量式センサと同一であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0083】
回路60は、コンパレータ63、64と、可変抵抗器65、66と、端子61、62とを有しており、ローパスフィルター50と端子11との間の節点X60に接続されている。コンパレータ63の一方の入力端子には可変抵抗器65が接続されており、他方の入力端子は節点X60に接続されている。また、コンパレータ63の出力端子は端子61に接続されている。同様に、コンパレータ64の一方の入力端子には可変抵抗器66が接続されており、他方の入力端子は節点X60に接続されている。また、コンパレータ64の出力端子は端子62に接続されている。ここで、可変抵抗器65、66には図示しない電源によって所定の電圧が印可されており、それぞれの抵抗値を変化させることによりコンパレータ63、64に入力される値(以下、比較値と称する)を変更することができる。
【0084】
ここで、検知部材30に作用する押下力Fx 1、Fx 2と出力されるアナログ電圧Vx ’との関係を図12を参照して説明する。なお、押下力Fx 1および押下力Fx 2は、それぞれ検知部材30のX軸正方向およびX軸負方向に作用する力を示している。押下力Fx 1および押下力Fx 2がともに作用していないときのアナログ電圧Vx ’の値は電圧値aである。
【0085】
押下力Fx 1が押下力Fx 10に達するまではアナログ電圧Vx ’の値は電圧値aのままで変化しない。そして、押下力Fx 1が押下力Fx 10に達すると、アナログ電圧Vx ’の値は電圧値bに瞬時に増加する。なお、押下力Fx 10は、第1の実施の形態で説明において、スイッチ用可動電極E21の中央部が座屈を伴うことで変位が急増するときの力(所定値)に対応している。さらに、押下力Fx 1が増加すると、それに伴ってアナログ電圧Vx ’の値は比例するように増加する。
【0086】
同様に、押下力Fx 2が押下力Fx 20に達するまではアナログ電圧Vx ’の値は電圧値aのままで変化しない。そして、押下力Fx 2が押下力Fx 20に達すると、アナログ電圧Vx ’の値は電圧値cに瞬時に減少する。なお、押下力Fx 20は、第1の実施の形態で説明において、スイッチ用可動電極E22の中央部が座屈を伴うことで変位が急増するときの力(所定値)に対応している。さらに、押下力Fx 2が増加すると、それに伴ってアナログ電圧Vx ’の値は比例するように減少する。
【0087】
したがって、可変抵抗器65の抵抗値を変化させてコンパレータ63の比較値を電圧値aと電圧値bとの間に設定することにより、端子61に対してON状態またはOFF状態のいずれかを示す信号を出力することが出来る。すなわち、押下力Fx 1が押下力Fx 10に達するまではOFF状態を示し、押下力Fx 1が押下力Fx 10に達するとON状態を示す信号を出力することが出来る(図12参照)。
【0088】
また同様に、可変抵抗器66の抵抗値を変化させてコンパレータ64の比較値を電圧値aと電圧値cとの間に設定することにより、端子62に対してON状態またはOFF状態のいずれかを示す信号を出力することが出来る。すなわち、押下力Fx 2が押下力Fx 20に達するまではOFF状態を示し、押下力Fx 2が押下力Fx 20に達するとON状態を示す信号を出力することが出来る(図12参照)。
【0089】
以上のように、回路60を含む信号処理回路を用いると、静電容量式センサ10をスイッチ機能を有するアナログ電圧制御装置として利用することができる。すなわち、スイッチS1、S2を外部からの力のX軸方向の成分の認識を開始するためのスイッチとして用いるとともに、その他の接続された回路または機器のON状態とOFF状態とを選択的に切り替える別のスイッチとして用いることができる。
【0090】
なお、回路60の機能は、A/D変換ポート付きのマイコンを用いてプログラムなどのソフトウェアにより実行することが可能である。
【0091】
次に、本発明の第1の実施の形態の第2の変形例について、図面を参照しつつ説明する。図13は、第2の変形例に係る静電容量式センサのX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図である。図13の信号処理回路が、図1の静電容量式センサの信号処理回路と異なる点は、変位電極40と基準電極E0との間に容量素子C0が構成されている点である。なお、その他の構成は、図1の静電容量式センサと同一であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0092】
絶縁膜50を基板20上に容量素子用電極E1〜E4、スイッチ用可動電極E21〜E24および基準電極E0に密着して、基板20上を覆うように形成する。このように、変位電極40と基準電極E0との間に絶縁膜50を配置することにより、変位電極40と基準電極E0との間に容量素子C0を構成する。
【0093】
したがって、変位電極40は、直接接触することによってではなく、容量素子C0(カップリングコンデンサとしての機能を有している)による容量結合によって接地された基準電極E0と電気的に結合される。したがって、静電容量式センサ10の耐電圧特性が向上し、スパーク電流が流れることによってセンサが破損することがほとんどなくなるとともに、接続不良などの不具合を防止することができるため、信頼性の高い静電容量式センサを得ることができる。また、基準電極E0が空気にさらされることがなく、それらが酸化されるのを防止することができる。
【0094】
次に、本発明の第1の実施の形態の第3の変形例について、図面を参照しつつ説明する。図14は、第3の変形例に係る静電容量式センサのX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図である。図14の信号処理回路が、図1の静電容量式センサの信号処理回路と異なる点は、論理素子として、EX−OR素子の代わりにOR素子が用いられている点である。なお、その他の構成は、図1の静電容量式センサと同一であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0095】
図14において、検知部材30のX軸正方向部分が押下され、スイッチS1がON状態となり、さらに検知部材30のX軸正方向部分が押下されると、端子T1に入力された周期信号Aは、容量素子C1と抵抗素子R1により構成されるCR遅延回路を通過して、節点X1に到達する。このとき、節点X1における周期信号には、図9(e)に示すように所定の遅延が生じている。同様に、検知部材30のX軸負方向部分が押下され、スイッチS2がON状態となり、さらに検知部材30のX軸負方向部分が押下されると、端子T2に入力された周期信号Bは、容量素子C2と抵抗素子R2により構成されるCR遅延回路を通過して、節点X2に到達する。このとき、節点2における周期信号には、図9(h)に示すように所定の遅延が生じている。
【0096】
したがって、図8と同様に、OR素子83には、節点X1、X2における周期信号と同一の波形の信号が入力され、これらの信号の間で論理和演算が行われ、その結果を端子T11に対して出力される。ここで、端子11に対して出力される信号は、所定のデューティ比をもった矩形波信号である。
【0097】
ここで、OR素子83が用いられた場合に端子51に対して出力される矩形波信号と検知部材30に操作が施されていないときに端子51に対して出力される矩形波信号との間のデューティ比の変化量は、EX−OR素子が用いられた場合に端子51に対して出力される矩形波信号のそれと比較して小さくなり、このため、静電容量式センサとしての感度が低減すると考えられる。
【0098】
したがって、静電容量式センサの各部材が感度が非常によくなる材料で製作された場合に、信号処理回路の構成によって、静電容量式センサの感度を調節する(ここでは、感度を低下させる)ために用いるのに好ましい。
【0099】
次に、本発明の第1の実施の形態の第4の変形例について、図面を参照しつつ説明する。図15は、第4の変形例に係る静電容量式センサのX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図である。図15の信号処理回路が、図1の静電容量式センサの信号処理回路と異なる点は、論理素子として、EX−OR素子の代わりにAND素子が用いられている点である。なお、その他の構成は、図1の静電容量式センサと同一であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0100】
図15において、検知部材30のX軸正方向部分が押下され、スイッチS1がON状態となり、さらに検知部材30のX軸正方向部分が押下されると、端子T1に入力された周期信号Aは、容量素子C1と抵抗素子R1により構成されるCR遅延回路を通過して、節点X1に到達する。このとき、節点X1における周期信号には、図9(e)に示すように所定の遅延が生じている。同様に、検知部材30のX軸負方向部分が押下され、スイッチS2がON状態となり、さらに検知部材30のX軸負方向部分が押下されると、端子T2に入力された周期信号Bは、容量素子C2と抵抗素子R2により構成されるCR遅延回路を通過して、節点X2に到達する。このとき、節点2における周期信号には、図9(h)に示すように所定の遅延が生じている。
【0101】
したがって、図8と同様に、AND素子84には、節点X1、X2における周期信号と同一の波形の信号が入力され、これらの信号の間で論理和演算が行われ、その結果を端子T11に対して出力される。ここで、端子11に対して出力される信号は、所定のデューティ比をもった矩形波信号である。
【0102】
ここで、AND素子84が用いられた場合に端子51に対して出力される矩形波信号と検知部材30に操作が施されていないときに端子51に対して出力される矩形波信号との間のデューティ比の変化量は、EX−OR素子が用いられた場合に端子51に対して出力される矩形波信号のそれと比較して小さくなり、このため、静電容量式センサとしての感度が低減すると考えられる。
【0103】
したがって、静電容量式センサの各部材が、静電容量式センサとしたときの感度が非常によくなる材料で製作された場合に、信号処理回路の構成によって、静電容量式センサの感度を調節する(ここでは、感度を低下させる)ために用いるのが好ましい。
【0104】
次に、本発明の第1の実施の形態の第5の変形例について、図面を参照しつつ説明する。図16は、第5の変形例に係る静電容量式センサのX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図である。図16の信号処理回路が、図1の静電容量式センサの信号処理回路と異なる点は、論理素子として、EX−OR素子の代わりにNAND素子が用いられている点である。なお、その他の構成は、図1の静電容量式センサと同一であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0105】
図16において、検知部材30のX軸正方向部分が押下され、スイッチS1がON状態となり、さらに検知部材30のX軸正方向部分が押下されると、端子T1に入力された周期信号Aは、容量素子C1と抵抗素子R1により構成されるCR遅延回路を通過して、節点X1に到達する。このとき、節点X1における周期信号には、図9(e)に示すように所定の遅延が生じている。同様に、検知部材30のX軸負方向部分が押下され、スイッチS2がON状態となり、さらに検知部材30のX軸負方向部分が押下されると、端子T2に入力された周期信号Bは、容量素子C2と抵抗素子R2により構成されるCR遅延回路を通過して、節点X2に到達する。このとき、節点2における周期信号には、図9(h)に示すように所定の遅延が生じている。
【0106】
したがって、図8と同様に、NAND素子85には、節点X1、X2における周期信号と同一の波形の信号が入力され、これらの信号の間で論理和演算が行われた後、引き続き否定演算が行われ、その結果を端子T11に対して出力される。ここで、端子11に対して出力される信号は、所定のデューティ比をもった矩形波信号である。
【0107】
ここで、端子11に対して出力される矩形波信号は、EX−OR素子が用いられた場合に端子11に対して出力される矩形波信号と比較して、デューティ比の値が平均的に小さくなり、このため、静電容量式センサとしての感度が低減すると考えられる。
【0108】
したがって、静電容量式センサの各部材が、静電容量式センサとしたときの感度が非常によくなる材料で製作された場合に、信号処理回路の構成によって、静電容量式センサの感度を調節する(ここでは、感度を低下させる)ために用いるのが好ましい。
【0109】
次に、本発明の第2の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0110】
図17は、本発明の他の実施の形態に係る静電容量式センサの側面の模式的な断面図である。図18は、図17の静電容量式センサの検知部材の上面図である。図19は、図17の静電容量式センサの基板上に形成されている複数の電極の配置を示す図である。
【0111】
静電容量式センサ110は、基板120と、人などによって操作されることによって外部から力が加えられる操作用の検知部材130と、変位電極140と、基板120上に形成された容量素子用電極E101〜E104と、ドーム形状を有するスイッチ用可動電極E121〜E124(図17ではE121およびE122のみを示す)と、その内側に配置されたスイッチ用固定電極E111〜E114(図17ではE111およびE112のみを示す)と、基準電極(共通電極)E100と、ドーム形状を有するボタン用可動電極E125と、その内側に配置されたボタン用固定電極E115と、複数の電極に密着して基板120上を覆うように形成された絶縁膜150と、検知部材130および変位電極140を基板120に対して支持固定する支持部材160と、支持部材160および検知部材130の周囲を覆うように配置されたカバーケース170とを有している。
【0112】
ここでは、説明の便宜上、図示のとおり、XYZ三次元座標系を定義し、この座標系を参照しながら各部品に配置説明を行うことにする。すなわち、図17では、基板120上のボタン用固定電極E115の中心位置に原点Oが定義され、右水平方向にX軸が、上垂直方向にZ軸が、紙面に垂直奥行方向にY軸がそれぞれ定義されている。ここで、基板120の表面は、XY平面を規定し、基板120上のボタン用固定電極E115、検知部材130および変位電極140のそれぞれの中心位置をZ軸が通ることになる。
【0113】
基板120は、基板20と同様に、一般的な電子回路用のプリント回路基板であり、この例ではガラスエポキシ基板が用いられている。また、基板120として、ポリイミドフィルムなどのフィルム状の基板を用いてもよいが、フィルム状の基板の場合は可撓性を有しているため、十分な剛性をもった支持基板上に配置して用いるのが好ましい。
【0114】
検知部材130は、原点を中心とする円形の中央ボタン131と、中央ボタン131の外側に配置されたリング状のサイドボタン132とから構成されている。ここで、中央ボタン131の径は、基準電極E100の外径とほぼ同じか、それより若干小さく、サイドボタン132の外径は、容量素子用電極E101〜E104のそれぞれの外側の曲線を結んでできる円の径とほぼ同じである。また、中央ボタン131の下面のボタン用固定電極E115に対向する位置には突起体131aが形成されており、サイドボタン132の下面のスイッチ用固定電極E111〜E114にそれぞれ対向する位置には、4つの突起体132aが形成されている。
【0115】
また、弾性を有するシリコンゴムで形成された支持部材160には、突起体131aおよび突起体132aに対応する位置に貫通孔160aおよび160bが形成されている。中央ボタン131は、突起体131aが貫通孔160aに嵌挿され、支持部材160の上面に接着されている。サイドボタン132は、4つの突起体132aがそれぞれ貫通孔160bに嵌挿され、支持部材160の上面に抜け止め構造により配置されている。なお、サイドボタン132を支持部材160の上面に接着してもよい。
【0116】
また、サイドボタン132の上面には、図18に示すように、X軸およびY軸のそれぞれの正方向および負方向に対応するように、すなわち、容量素子用電極E101〜E104に対応するように、操作方向(カーソルの移動方向)に対応した矢印が形成されている。
【0117】
変位電極140は、導電性を有するシリコンゴムで形成され、容量素子用電極E101〜E104のそれぞれの外側の曲線を結んでできる円の径とほぼ同一の径を有する円盤状であり、支持部材160の下面に付着されている。
【0118】
なお、変位電極40としては、シリコンゴムの他、例えば、導電性インク、導電性熱可塑性樹脂(PPT、エラストマー)、導電性プラスチック、金属蒸着フィルムを用いてもよい。ここで、支持部材160の下面に平板状に(面一に)形成されるため、変位電極140をスクリーン印刷により形成することが可能である。
【0119】
また、基板120上には、図19に示すように、原点Oを中心とする円形のボタン用固定電極E115と、その外側に形成されたリング状の基準電極E100と、さらにその外側に扇形であり、それぞれのほぼ中央部に円形の孔H101〜H104を有する容量素子用電極E101〜E104と、孔H101〜H104の内側で、孔H101〜H104の径よりも小さい径を有する円形のスイッチ用固定電極E111〜E114とが形成されている。ここで、スイッチ用固定電極E111〜E114の面積は、容量素子用電極E101〜E104の面積に比べて極力小さい方が好ましい。一対の容量素子用電極E101およびE102は、X軸方向に離隔してY軸に対して線対称に配置されている。また、一対の容量素子用電極E103およびE104は、Y軸方向に離隔してX軸に対して線対称に配置されている。
【0120】
ここでは、容量素子用電極E101はX軸の正方向に対応するように配置され、一方、容量素子用電極E102はX軸の負方向に対応するように配置され、外部からの力のX軸方向成分の検出に利用される。また、容量素子用電極E103はY軸の正方向に対応するように配置され、一方、容量素子用電極E104はY軸の負方向に対応するように配置され、外部からの力のY軸方向成分の検出に利用される。さらに、ボタン用固定電極E115は、原点O上に配置されており、ボタン用可動電極E125とともに、入力などの決定操作に利用される。
【0121】
基準電極E100、スイッチ用固定電極E111〜E114およびボタン用固定電極E115は、スルーホールなどを利用して端子T100〜T104および端子T115(図20参照)にそれぞれ接続されており、端子T100〜T104および端子T115を通じて外部の電子回路に接続されるようになっている。なお、ここでは、基準電極E100は、端子T100を介して接地されている。
【0122】
また、容量素子用電極E101〜E104にそれぞれ接触するとともに、スイッチ用固定電極E111〜E114と離隔しつつこれを覆うようにスイッチ用可動電極E121〜E124が配置されている。したがって、スイッチ用可動電極E121〜E124は孔H101〜H104よりも大きい径を有するドーム状の部材である。同様に、基準電極E100に接触するとともに、ボタン用固定電極E115と離隔しつつこれを覆うようにドーム状のボタン用可動電極E125が配置されている。したがって、ボタン用可動電極E125は基準電極E100の内径よりも大きい径を有している。
【0123】
また、絶縁膜150は、基板120上の容量素子用電極E101〜E104の一部、基準電極E100の一部、スイッチ用可動電極E121〜E124およびボタン用可動電極E125に密着して、基板120上を覆うように形成されている。このため、銅などで形成された容量素子用電極E101〜E104、基準電極E100、スイッチ用可動電極E121〜E124およびボタン用可動電極E125の絶縁膜150で覆われた部分が空気にさらされることがなく、それらが酸化されるのを防止する機能を有している。また、絶縁膜150が形成されているため、スイッチ用可動電極E121〜E124およびボタン用可動電極E125と、変位電極140とが直接接触することはない。
【0124】
次に、上述のように構成された本実施の形態に係る静電容量式センサ110の動作について、図面を参照して説明する。図20は、図17に示す静電容量式センサの構成に対する等価回路図である。図21は、図17に示す静電容量式センサに入力される周期信号から出力信号を導出する方法を説明するための説明図である。
【0125】
まず、静電容量式センサ110の構成と等価な回路構成について、図20を参照して説明する。基板120上に形成された容量素子用電極E101〜E104は、変位電極140と対向している。ここで、容量素子用電極E101〜E104に接続されたスイッチ用可動電極E121〜E124は、スイッチ用固定電極E111〜E114と接触する位置または接触しない位置を選択的にとり得ることにより、端子T101〜T104と容量素子用電極E101〜E104とを接続させるまたは接続させないスイッチS101〜S104としての機能を有している。また、基準電極E100(ボタン用可動電極E125)と変位電極140との間で、容量素子C100を形成している。さらに、基準電極E100に接続されたボタン用可動電極E125と、ボタン用固定電極E115との間には、中央ボタン131の押圧に伴って開閉するスイッチS105が構成されている。
【0126】
スイッチ用可動電極E121〜E124がスイッチ用固定電極E111〜E114と接触していない(スイッチがOFF状態)場合には、スイッチ用固定電極E111〜E114の面積が容量素子用電極E101〜E104の面積に比べて非常に小さく、または、スイッチ用可動電極E121〜E124が一種の静電シールドとなることにより、スイッチ用可動電極E121〜E124とスイッチ用固定電極E111〜E114との間には、静電容量がほとんど発生しない。
【0127】
一方、スイッチ用可動電極E121〜E124がスイッチ用固定電極E111〜E114と接触している(スイッチがON状態)場合には、容量素子用電極E101〜E104がスイッチ用固定電極E111〜E114と接続され、容量素子用電極E101〜E104と変位電極140とが対向して、共通の電極である変位可能な変位電極140と、固定された個別の容量素子用電極E101〜E104との間で容量素子C101〜C104を構成する。容量素子C101〜C104は、それぞれ変位電極140の変位に起因して静電容量値が変化するように構成された可変容量素子であるということができる。
【0128】
容量素子C101〜C104のそれぞれの静電容量値は、変位電極140と、容量素子用電極E101〜E104のそれぞれに接続された端子T101〜T104との間の静電容量値として、それぞれ独立して測定することができる。ここで、基準電極E100は、端子T100を介して接地されているため、容量素子C101〜C104における共通の電極である変位電極140は容量素子C100および端子T100を介して接地されていると考えられる。
【0129】
次に、スイッチ用可動電極E121〜E124とスイッチ用固定電極E111〜E114とが接触している(スイッチS101〜S104がON状態)場合において、容量素子C101〜C104のそれぞれの静電容量値の変化からサイドボタン132への外部からの力の大きさおよび方向を示す出力信号の導出方法について、図21を参照して説明する。ここで、出力信号Vx 、Vy は、それぞれ外部からの力のX軸方向成分およびY軸方向成分の大きさおよび方向を示す。
【0130】
ここで、出力信号Vx 、Vy を導出するために、端子T101〜T104に対して、常にクロック信号などの周期信号が入力される。端子T101〜T104に周期信号が入力されている状態で、サイドボタン132が外部からの力を受けて変位すると、これに伴って変位電極140がZ軸方向に変位する。そして、その力が所定値に満たないときにはスイッチ用可動電極E121〜E124はほとんど変位しないが、その力が所定値に達したときには、スイッチ用可動電極E121〜E124の頂部近傍部分が座屈を伴って急激に弾性変形して凹んだ状態となってスイッチ用固定電極E111〜E114と接触する。これにより、スイッチS101〜S104がON状態になる。このとき、操作者には、明瞭なクリック感が与えられることになる。その後、引き続きサイドボタン132が変位すると、スイッチS101〜S104がON状態を保持しつつ変位電極140がさらにも変位することにより、容量素子C101〜C104の電極間隔が変化して、容量素子C101〜C104のそれぞれの静電容量値が変化する。すると、端子T101〜T104に入力された周期信号の位相にずれが生じる。このように、周期信号に生じる位相のずれを利用して、サイドボタン132の変位、つまりサイドボタン132が外部から受けた力のX軸方向およびY軸方向の大きさと方向を示す出力信号Vx 、Vy を得ることができる。なお、導出方法の詳細については、図1の静電容量式センサにおける信号処理回路について説明したのと同様であるので省略する。
【0131】
以上のように、本実施の形態の静電容量式センサ110は、サイドボタン132に対して操作を施す場合には、操作方向に対応するスイッチ用可動電極E121〜E124がクリック感を付随しつつ弾性変形してスイッチ用固定電極E111〜E114と接触したときにはじめてサイドボタン132の変位の認識を開始するため、操作者はクリック感を感じることで操作を実行していることを感覚的に容易に把握することができる。また、クリック感を生じさせるのに必要な所定の大きさの外力が与えられて始めてサイドボタン132の変位の認識が開始されるので、操作者が意識的に操作したのではないクリック感を生じさせない範囲の小さな外力がサイドボタン132に加えられたときにはサイドボタン132の変位が認識されない。従って、サイドボタン132が偶然に別部材に接触するなどの外乱を排して、操作者の意識的な操作に基づくサイドボタン132の変位だけを確実に検出することが可能になる。また、本実施の形態では、ボタン用可動電極E125とボタン用固定電極E115とが接触する際にもクリック感が操作者に与えられる。
【0132】
また、複数の容量素子用電極E101〜E104が形成され、サイドボタン132が外部から受けた力のX軸方向およびY軸方向の方向成分をそれぞれ別々に認識することができる。ここで、対となる容量素子用電極(E101およびE102、E103およびE104)に対して、互いに位相が異なる信号が供給されるため、回路を通過することによる信号の位相のずれを大きくでき、さらに、その信号を論理素子を利用した信号処理回路を用いるため、精度よく検出することができる。
【0133】
また、決定操作用のスイッチ(中央ボタン131)の付いた入力装置を作成することができ、決定操作をしたときに、明確な操作触感が得られるため、誤操作を防止することができる。また、検知部材130が中央ボタン131とサイドボタン132とに分割されているため、サイドボタン132に作用する操作方向に対応する外部からの力と中央ボタン131に作用する決定操作に対応する外部からの力とが明確に分離されるため、これらの力が互いに干渉するのを軽減することができ、誤操作を減少させることができる。なお、この構成の静電容量式センサは、パソコン、携帯電話、ゲームなどの入力装置として利用されるのに好ましい。
【0134】
また、変位電極140は、直接接触することによってではなく、容量素子C100(カップリングコンデンサとしての機能を有している)による容量結合によって接地された基準電極E100と電気的に結合されるため、静電容量式センサ110の耐電圧特性が向上し、スパーク電流が流れることによってセンサが破損することがほとんどなくなるとともに、接続不良などの不具合を防止することができるため、信頼性の高い静電容量式センサを得ることができる。また、基準電極E100と変位電極140との間に絶縁膜150が配置されているが、絶縁膜150の一部をカットして基準電極E100と変位電極140とを接触させる必要がないため、組立および実装面でも有利となる。
【0135】
なお、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。例えば、上述の第1の実施の形態では、容量素子用電極の内側に形成された基準電極と変位電極の下面中央部に形成された凸部とが接触しているものについて説明しているが、これに限らず、例えば、容量素子用電極の外側に形成された基準電極と変位電極の下面外縁部に形成された凸部とが接触しているものなど、基準電極と変位電極とが電気的に接続されておればどのような構成であってもよい。
【0136】
また、上述の第1または第2の実施の形態では、スイッチ用可動電極として、ドーム形状を有する電極を用いたものについて説明しているが、これに限らず、変位電極が変位するのに伴ってクリック感を付随しつつ弾性変形してスイッチ用固定電極と接触可能な電極であれば、どのような形状の電極を用いてもよい。
【0137】
また、上述の第1または第2の実施の形態では、スイッチ用固定電極が容量素子用電極の内側に形成されたものについて説明しているが、これに限らず、スイッチ用固定電極が容量素子用電極に隣接するように形成されたものであってもよい。
【0138】
また、上述の第1または第2の実施の形態では、検知部材がX軸方向およびY軸方向に対応する容量素子用電極に対して一体に形成されているものについて説明しているが、これに限らず、検知部材がX軸方向およびY軸方向に対応する容量素子用電極のそれぞれに対応して分割されているものであってもよい。
【0139】
また、上述の第1または第2の実施の形態では、X軸およびY軸の正方向および負方向の4方向に対応する容量素子用電極が形成されているものについて説明しているが、これに限らず、用途に合わせて必要な方向の成分だけを検出できるように容量素子用電極を形成してもよい。
【0140】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によると、検知部材に対して操作を施す場合には、操作方向に対応する第3の電極がクリック感を付随しつつ弾性変形して第1の電極と接触したときに始めて検知部材の変位の認識が開始されるため、操作者はクリック感を感じることで操作を実行していることを感覚的に容易に把握することができる。また、クリック感を生じさせるのに必要な所定の大きさの外力が与えられて始めて検知部材の変位の認識が開始されるので、操作者が意識的に操作したのではないクリック感を生じさせない範囲の小さな外力が検知部材に加えられたときには検知部材の変位が認識されない。従って、検知部材が偶然に別部材に接触するなどの外乱を排して、操作者の意識的な操作に基づく検知部材の変位だけを確実に検出することが可能になる。
【0141】
また、請求項1によると、導電性部材から作用する力が所定値に達したときにドーム形状をした第3の電極の頂部近傍が急激に変位して凹んだ状態となって第1の電極に接触するため、操作者に明瞭なクリック感を与えることが可能となる。
【0142】
請求項によると、導電性部材が直接接触することによってではなく、容量結合によって接地または一定の電位に保持された基準電極と電気的に結合される。そのため、センサの耐電圧特性が向上し、スパーク電流が流れることによってセンサが破損することがほとんどなくなるとともに、接続不良などの不具合を防止することができるため、信頼性の高い静電容量式センサを得ることができる。また、基準電極と導電性部材との間に絶縁膜を配置した場合においても、絶縁膜の一部をカットして基準電極と導電性部材とを接触させる必要がないため、組立および実装面でも有利となる。
【0143】
請求項によると、各組を別方向の力を認識するために用いることによって多次元的な力の認識が可能になる。請求項によると、二組の一方を含む回路および他方を含む回路の時定数が同じものであるかどうかにかかわらず、検知部材の変位を認識することができる。
【0144】
請求項によると、回路を通過することによる信号の位相のずれを大きくできるため、検知部材の変位認識の精度を向上させることができる。請求項6〜10によると、出力信号を精度よく検出することができ、さらに必要に応じて検出精度を調整することができる。また、検知部材の変位検出可能範囲を大きくすることができる。
【0145】
請求項11によると、検知部材が外部から受けた力のX軸方向およびY軸方向の方向成分をそれぞれ別々に認識することができる。請求項12によると、外部からの力のX軸方向またはY軸方向の各成分が明確に分離されるため、異なる方向の成分が互いに干渉するのを軽減することができ、誤操作を減少させることができる。
【0146】
請求項13によると、上述した効果が得られるほか、さらに、検知部材の操作によって互いに接触可能な第6の電極および第7の電極を備えていることで、入力の決定操作を行う際などに使用可能なスイッチを付加することができる。請求項14によると、操作方向に対応する外部からの力と決定操作に対応する外部からの力とが明確に分離されるため、これらの力が互いに干渉するのを軽減することができ、誤操作を減少させることができる。請求項15によると、導電性部材が製造しやすく、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る静電容量式センサの模式的な断面図である。
【図2】図1の静電容量式センサの検知部材の上面図である。
【図3】図1の静電容量式センサの基板上に形成されている複数の電極の配置を示す図である。
【図4】図1に示す静電容量式センサの構成に対する等価回路図である。
【図5】図1に示す静電容量式センサの検知部材にX軸正方向への操作が施された場合の側面の模式的な断面図である。
【図6】図1に示す静電容量式センサに入力される周期信号から出力信号を導出する方法を説明するための説明図である。
【図7】図1に示す静電容量式センサの信号処理回路を示す回路図である。
【図8】図1に示す静電容量式センサのX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図である。
【図9】図1に示す信号処理回路の各端子および各節点における周期信号の波形を示す図である。
【図10】図1に示す静電容量式センサのX軸方向成分についての出力信号をアナログ電圧に変換する回路を含む信号処理回路を示す回路図である。
【図11】図1に示す静電容量式センサの第1の変形例のX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図である。
【図12】検知部材に作用する押下力と出力されるアナログ電圧との関係を示す図である。
【図13】図1に示す静電容量式センサの第2の変形例のX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図である。
【図14】図1に示す静電容量式センサの第3の変形例のX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図である。
【図15】図1に示す静電容量式センサの第4の変形例のX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図である。
【図16】図1に示す静電容量式センサの第5の変形例のX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係る静電容量式センサの模式的な断面図である。
【図18】図19の静電容量式センサの検知部材の上面図である。
【図19】図19の静電容量式センサの基板上に形成されている複数の電極の配置を示す図である。
【図20】図19に示す静電容量式センサの構成に対する等価回路図である。
【図21】図19に示す静電容量式センサに入力される周期信号から出力信号を導出する方法を説明するための説明図である。
【図22】従来の静電容量式センサの模式的な断面図である。
【図23】図22の静電容量式センサの基板上に形成されている複数の電極の配置を示す図である。
【符号の説明】
10、110 静電容量式センサ
20、120 基板
30、130 検知部材
40、140 変位電極
42 突起体
50、150 絶縁膜
60、160 支持部材
70、170 カバーケース
131 中央ボタン
132 サイドボタン
131a、132a 突起体
160a、160b 貫通孔
E0、E100 基準電極
E1〜E4、E101〜E104 容量素子用電極
E11〜E14、E111〜E114 スイッチ用固定電極
E21〜E24、E121〜E124 スイッチ用可動電極
E115 ボタン用固定電極
E125 ボタン用可動電極

Claims (15)

  1. XYZ三次元座標系を定義したときに、XY平面を規定する基板と、
    前記基板と対向している検知部材と、
    前記基板と前記検知部材との間に位置し、前記検知部材がZ軸方向に変位するのに伴ってZ軸方向に変位する導電性部材と、
    前記基板上に形成され、前記導電性部材と電気的に接続されるとともに、接地または一定の電位に保持された基準電極と、
    前記基板上に形成された第1の電極と、
    前記基板上に形成され、前記導電性部材との間で第1の容量素子を構成する第2の電極と、
    前記第2の電極に接触し且つ前記第1の電極から離隔しつつ前記第1の電極を覆うように配置されていると共に、前記導電性部材が変位するのに伴ってクリック感を付随しつつ弾性変形して前記第1の電極と接触可能なドーム形状の第3の電極とを備えており、
    前記第1の電極と前記第3の電極とが接触しているときに、前記第1の電極に対して入力される信号を利用して前記導電性部材と前記第2の電極との間隔の変化に起因する前記第1の容量素子の静電容量値の変化を検出することに基づいて前記検知部材の変位を認識可能であることを特徴とする静電容量式センサ。
  2. 前記基準電極と前記導電性部材との間に、第2の容量素子が構成されていることを特徴とする請求項に記載の静電容量式センサ。
  3. 前記第1の電極、前記第2の電極および前記第3の電極の組が複数形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の静電容量式センサ。
  4. 前記第1の電極、前記第2の電極および前記第3の電極の組を2つ有しており、これら二組の一方を含む回路および他方を含む回路に、互いに位相が異なる信号が供給されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の静電容量式センサ。
  5. 前記第1の電極、前記第2の電極および前記第3の電極の組を2つ有しており、これら二組の一方を含むCR回路と他方を含むCR回路との時定数が異なることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の静電容量式センサ。
  6. 前記第1の電極、前記第2の電極および前記第3の電極の組を2つ有しており、これら二組の一方を含む回路および他方を含む回路にそれぞれ入力された信号の出力信号が論理素子を利用した信号処理回路により検出されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の静電容量式センサ。
  7. 前記論理素子が、排他的論理和演算を行うことを特徴とする請求項に記載の静電容量式センサ。
  8. 前記論理素子が、論理和演算を行うことを特徴とする請求項に記載の静電容量式センサ。
  9. 前記論理素子が、論理積演算を行うことを特徴とする請求項に記載の静電容量式センサ。
  10. 前記論理素子が、論理積演算および否定演算を行うことを特徴とする請求項に記載の静電容量式センサ。
  11. 前記第2の電極が、X軸方向に離隔し且つY軸に対して線対称に配置された一対の第4の電極と、Y軸方向に離隔し且つX軸に対して線対称に配置された一対の第5の電極とを含んでいることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の静電容量式センサ。
  12. 前記検知部材が、前記第4の電極および前記第5の電極のそれぞれに対応して分割されていることを特徴とする請求項11に記載の静電容量式センサ。
  13. 前記基板上に形成された第6の電極と、
    前記基準電極に接触し且つ前記第6の電極から離隔するように配置されていると共に、前記導電性部材が変位するのに伴って弾性変形して前記第6の電極と接触可能な第7の電極とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の静電容量式センサ。
  14. 前記検知部材が、前記第2の電極および前記第6の電極に対応して分割されていることを特徴とする請求項13に記載の静電容量式センサ。
  15. 前記導電性部材を支持し且つ弾性体で形成された支持部材をさらに備えており、
    前記導電性部材が、前記支持部材に塗布された導電性インクにより形成されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の静電容量式センサ。
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