JP2008020256A - 静電容量型センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】検知部材に作用する力の方向にかかわらず、検知部材の変位を同じ感度で検出する。
【解決手段】変位電極104と容量素子用電極E1、E2との間に容量素子が構成されている。外部から力が加えられると、変位電極104が変位して、接地電位に保持されているスイッチ用電極E3またはE4に接触し、その後、スイッチ用電極E3またはE4との接触状態を維持したまま変位する。変位電極104が変位して容量素子用電極E1、E2との間隔が変化すると、容量素子の静電容量値が変化し、この変化に基づいて力が認識される。
【選択図】図1
【解決手段】変位電極104と容量素子用電極E1、E2との間に容量素子が構成されている。外部から力が加えられると、変位電極104が変位して、接地電位に保持されているスイッチ用電極E3またはE4に接触し、その後、スイッチ用電極E3またはE4との接触状態を維持したまま変位する。変位電極104が変位して容量素子用電極E1、E2との間隔が変化すると、容量素子の静電容量値が変化し、この変化に基づいて力が認識される。
【選択図】図1
Description
本発明は、力の検出を行う際に用いて好適な静電容量型センサに関する。
静電容量型センサは、操作者によって加えられた力の大きさ及び方向を電気信号に変換することにより、力の検出を行う装置として一般に用いられ、特に加えられた力を方向成分毎に検出することが可能な二次元または三次元のセンサとして利用されている。例えば、携帯電話の入力装置として、多次元方向の操作入力を行うための静電容量型センサをいわゆるジョイスティックとして組み込んだものがある。
静電容量型センサでは、操作者から加えられた力の大きさとして、所定のダイナミクスレンジをもった操作量を入力することができる。かかる静電容量型センサには、容量素子用電極と変位電極との2種類の対向した電極の間で容量素子を形成し、この容量素子の静電容量値の変化に基づいて力の検出を行うものがある(特許文献1参照)。
かかる静電容量型センサでは、検知部材に作用した上下方向(基板と垂直なZ軸方向)の力を検出するために、力のZ軸方向成分を検出するための1つの容量素子用電極E5が基板上に形成されており、検知部材がZ軸方向に変位したときの容量素子用電極E5と変位電極との間に構成される容量素子の静電容量値の変化に基づいて力のZ軸方向成分が検出される。
ここで、検知部材が下方に押し下げられた場合(Z軸負方向の力が作用した場合)には、容量素子用電極E5と変位電極との間隔は小さくなり、容量素子の静電容量値は大きくなる。一方、検知部材が上方に引き上げられた場合(Z軸正方向の力が作用した場合)には、容量素子用電極E5と変位電極との間隔は大きくなり、容量素子の静電容量値は小さくなる。
ところで、図14に示すように、容量素子用電極E5と変位電極との間の電極間隔と、それらの間の容量素子の静電容量値との間には反比例の関係があるので、電極間隔が同じ距離だけ変化したとしても、電極間隔が大きくなる場合の静電容量値の変化量は、電極間隔が小さくなる場合の静電容量値の変化量よりも小さくなる。そのため、検知部材が上方に引き上げられた場合の出力感度は、検知部材が下方に押し下げられた場合の出力感度よりが低下することになる。このように、かかる静電容量型センサでは、Z軸正方向の力が検知部材に作用した場合とZ軸負方向の力が検知部材に作用した場合とで感度差が生じてしまう。
また、検知部材を上方に引き上げる操作は、検知部材を下方に押し下げる操作に比べ、操作性が悪い。
ところで、図14に示すように、容量素子用電極E5と変位電極との間の電極間隔と、それらの間の容量素子の静電容量値との間には反比例の関係があるので、電極間隔が同じ距離だけ変化したとしても、電極間隔が大きくなる場合の静電容量値の変化量は、電極間隔が小さくなる場合の静電容量値の変化量よりも小さくなる。そのため、検知部材が上方に引き上げられた場合の出力感度は、検知部材が下方に押し下げられた場合の出力感度よりが低下することになる。このように、かかる静電容量型センサでは、Z軸正方向の力が検知部材に作用した場合とZ軸負方向の力が検知部材に作用した場合とで感度差が生じてしまう。
また、検知部材を上方に引き上げる操作は、検知部材を下方に押し下げる操作に比べ、操作性が悪い。
本発明の主たる目的は、検知部材に作用する力の方向にかかわらず、検知部材の変位を同じ感度で検出することができる静電容量型センサを提供することである。
本発明の静電容量型センサは、第1の基板と、前記第1の基板と離隔した状態で対向する第2の基板と、外部からの力を受ける検知部材と、前記第1の基板の内側面に形成された第1の容量素子用電極と、前記第2の基板の内側面に形成された第2の容量素子用電極と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の容量素子用電極との間で第1の容量素子を構成する接地または一定の電位に保持された第1の導電性部材と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第2の容量素子用電極との間で第2の容量素子を構成する接地または一定の電位に保持された第2の導電性部材とを備えており、前記検知部材が前記第1の基板と垂直な方向に変位するのに伴って、前記第1の容量素子用電極と前記第1の導電性部材との間隔及び前記第2の容量素子用電極と前記第2の導電性部材との間隔はいずれか一方が大きくなると他方が小さくなり、前記第1及び第2の容量素子用電極に対して入力される信号を利用して前記第1及び第2の容量素子の少なくとも一方の静電容量値の変化が検出されることに基づいて前記検知部材の変位を認識可能である。
この構成によると、検知部材が受けた外部からの力により、第1及び第2の導電性部材が変位することで、第1の導電性部材と第1の容量素子用電極との間隔及び第2の導電性部材と第2の容量素子用電極との間隔はいずれか一方が大きくなると共に他方が小さくなる。つまり、所定方向(第1の基板に垂直な方向)の力が検知部材に作用した場合には、第1の導電性部材と第1の容量素子用電極との間隔が小さくなるので、第1の容量素子の静電容量値の変化量に基づいて検知部材の変位を検出可能であり、所定方向と反対方向の力が検知部材に作用した場合には、第2の導電性部材と第2の容量素子用電極との間隔が小さくなるので、第2の容量素子の静電容量値の変化量に基づいて検知部材の変位を検出可能である。
そのため、検知部材に作用する力の方向にかかわらず、容量素子を構成する電極間隔が小さくなる場合の静電容量値の変化量に基づいて検知部材の変位を検出することができる。従って、検知部材に作用する力の方向にかかわらず、検知部材の変位を同じ感度で検出することができる。
また、第1の容量素子の静電容量値の変化量及び第2の容量素子の静電容量値の変化量の両方を用いた差動原理を利用して検知部材の変位を検出することが可能であり、この場合は、検知部材の変位を検出する場合の感度をさらに向上させることができる。
また、検知部材に対する上記の所定方向及びそれと反対方向のいずれの操作も、検知部材を押すことで行えるので、どちらの方向に関しても操作性がよい。
そのため、検知部材に作用する力の方向にかかわらず、容量素子を構成する電極間隔が小さくなる場合の静電容量値の変化量に基づいて検知部材の変位を検出することができる。従って、検知部材に作用する力の方向にかかわらず、検知部材の変位を同じ感度で検出することができる。
また、第1の容量素子の静電容量値の変化量及び第2の容量素子の静電容量値の変化量の両方を用いた差動原理を利用して検知部材の変位を検出することが可能であり、この場合は、検知部材の変位を検出する場合の感度をさらに向上させることができる。
また、検知部材に対する上記の所定方向及びそれと反対方向のいずれの操作も、検知部材を押すことで行えるので、どちらの方向に関しても操作性がよい。
本発明の静電容量型センサは、第1の基板と、前記第1の基板と離隔した状態で対向する第2の基板と、外部からの力を受ける検知部材と、前記第1の基板の内側面に形成された第1の容量素子用電極と、前記第2の基板の内側面に形成された第2の容量素子用電極と、前記第1の基板の内側面に形成され、接地または一定の電位に保持された第1のスイッチ用電極と、前記第2の基板の内側面に形成され、接地または一定の電位に保持された第2のスイッチ用電極と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に前記第1のスイッチ用電極と離隔して配置され、前記第1の容量素子用電極との間で第1の容量素子を構成する絶縁状態に維持された第1の導電性部材と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に前記第2のスイッチ用電極と離隔して配置され、前記第2の容量素子用電極との間で第2の容量素子を構成する絶縁状態に維持された第2の導電性部材とを備えており、前記検知部材が前記第1の基板と垂直な方向に変位するのに伴って、前記第1の容量素子用電極と前記第1の導電性部材との間隔及び前記第2の容量素子用電極と前記第2の導電性部材との間隔はいずれか一方が大きくなると他方が小さくなり、且つ、前記第1の導電性部材と前記第1のスイッチ用電極とが接触する状態及び前記第2の導電性部材と前記第2のスイッチ用電極とが接触する状態のいずれかの状態を取り得るものであり、前記第1及び第2の容量素子用電極に対して入力される信号を利用して前記第1及び第2の容量素子の少なくとも一方の静電容量値の変化が検出されることに基づいて前記検知部材の変位を認識可能である。
この構成によると、検知部材が受けた外部からの力により、第1及び第2の導電性部材が変位することで、第1の導電性部材と第1の容量素子用電極との間隔及び第2の導電性部材と第2の容量素子用電極との間隔はいずれか一方が大きくなると共に他方が小さくなる。つまり、所定方向(第1の基板に垂直な方向)の力が検知部材に作用した場合には、第1の導電性部材と第1の容量素子用電極との間隔が小さくなることで、第1の導電性部材と第1のスイッチ用電極とが接触し、第1の容量素子の静電容量値の変化量に基づいて検知部材の変位が検出可能であり、所定方向と反対方向の力が検知部材に作用した場合には、第2の導電性部材と第2の容量素子用電極との間隔が小さくなることで、第2の導電性部材と第2のスイッチ用電極とが接触し、第2の容量素子の静電容量値の変化量に基づいて検知部材の変位が検出可能である。
そのため、検知部材に作用する力の方向にかかわらず、容量素子を構成する電極間隔が小さくなる場合の静電容量値の変化量に基づいて検知部材の変位を検出することができる。従って、検知部材に作用する力の方向にかかわらず、検知部材の変位を同じ感度で検出することができる。
また、検知部材に対する上記の所定方向及びそれと反対方向のいずれの操作も、検知部材を押すことで行えるので、どちらの方向に関しても操作性がよい。
そのため、検知部材に作用する力の方向にかかわらず、容量素子を構成する電極間隔が小さくなる場合の静電容量値の変化量に基づいて検知部材の変位を検出することができる。従って、検知部材に作用する力の方向にかかわらず、検知部材の変位を同じ感度で検出することができる。
また、検知部材に対する上記の所定方向及びそれと反対方向のいずれの操作も、検知部材を押すことで行えるので、どちらの方向に関しても操作性がよい。
また、第1及び第2の導電性部材は、第1及び第2のスイッチ用電極とそれぞれ接触していないときは電気的にどこにも接続されずに絶縁状態に維持されるので、第1及び第2の容量素子には電圧がかからなくなる。従って、操作前後において第1及び第2の導電性部材の位置が多少ずれた場合でも、第1の導電性部材と第1のスイッチ用電極、もしくは、第2の導電性部材と第2のスイッチ用電極とが接触しない限り、静電容量型センサの第1もしくは第2の容量素子に対応する(第1もしくは第2の容量素子用電極からの)出力信号はほとんど同じになる。これにより、静電容量型センサの第1及び第2の容量素子に対応する出力信号のヒステリシスを低減することができる。
本発明の静電容量型センサでは、前記第1の導電性部材と前記第2の導電性部材とは電気的に接続されていてもよい。
この構成によると、第1の導電性部材と第1のスイッチ用電極とが接触した場合、及び、第2の導電性部材と第2のスイッチ用電極とが接触した場合のいずれにおいても、第1の容量素子の静電容量値の変化量及び第2の容量素子の静電容量値の変化量の両方を用いた差動原理を利用して検知部材の変位を検出することができる。従って、検知部材の変位を検出する場合の感度をさらに向上させることができる。
本発明の静電容量型センサは、基板と、外部からの力を受ける検知部材と、前記基板の一側面に形成された第1の容量素子用電極と、前記基板の他側面に形成された第2の容量素子用電極と、前記基板の一側面側に配置され、前記第1の容量素子用電極との間で第1の容量素子を構成する接地または一定の電位に保持された第1の導電性部材と、前記基板の他側面側に配置され、前記第2の容量素子用電極との間で第2の容量素子を構成する接地または一定の電位に保持された第2の導電性部材とを備えており、前記検知部材が前記基板と垂直な方向に変位するのに伴って、前記第1の容量素子用電極と前記第1の導電性部材との間隔及び前記第2の容量素子用電極と前記第2の導電性部材との間隔はいずれか一方が大きくなると他方が小さくなり、前記第1及び第2の容量素子用電極に対して入力される信号を利用して前記第1及び第2の容量素子の少なくとも一方の静電容量値の変化が検出されることに基づいて前記検知部材の変位を認識可能である。
この構成によると、検知部材が受けた外部からの力により、第1及び第2の導電性部材が変位することで、第1の導電性部材と第1の容量素子用電極との間隔及び第2の導電性部材と第2の容量素子用電極との間隔はいずれか一方が大きくなると共に他方が小さくなる。つまり、所定方向(基板に垂直な方向)の力が検知部材に作用した場合には、第1の導電性部材と第1の容量素子用電極との間隔が小さくなるので、第1の容量素子の静電容量値の変化量に基づいて検知部材の変位を検出可能であり、所定方向と反対方向の力が検知部材に作用した場合には、第2の導電性部材と第2の容量素子用電極との間隔が小さくなるので、第2の容量素子の静電容量値の変化量に基づいて検知部材の変位を検出可能である。
そのため、検知部材に作用する力の方向にかかわらず、容量素子を構成する電極間隔が小さくなる場合の静電容量値の変化量に基づいて検知部材の変位を検出することができる。従って、検知部材に作用する力の方向にかかわらず、検知部材の変位を同じ感度で検出することができる。
また、第1の容量素子の静電容量値の変化量及び第2の容量素子の静電容量値の変化量の両方を用いた差動原理を利用して検知部材の変位を検出することが可能であり、この場合は、検知部材の変位を検出する場合の感度をさらに向上させることができる。
また、検知部材に対する上記の所定方向及びそれと反対方向のいずれの操作も、検知部材を押すことで行えるので、どちらの方向に関しても操作性がよい。
そのため、検知部材に作用する力の方向にかかわらず、容量素子を構成する電極間隔が小さくなる場合の静電容量値の変化量に基づいて検知部材の変位を検出することができる。従って、検知部材に作用する力の方向にかかわらず、検知部材の変位を同じ感度で検出することができる。
また、第1の容量素子の静電容量値の変化量及び第2の容量素子の静電容量値の変化量の両方を用いた差動原理を利用して検知部材の変位を検出することが可能であり、この場合は、検知部材の変位を検出する場合の感度をさらに向上させることができる。
また、検知部材に対する上記の所定方向及びそれと反対方向のいずれの操作も、検知部材を押すことで行えるので、どちらの方向に関しても操作性がよい。
本発明の静電容量型センサは、基板と、外部からの力を受ける検知部材と、前記基板の一側面に形成された第1の容量素子用電極と、前記基板の他側面に形成された第2の容量素子用電極と、前記基板の一側面に形成され、接地または一定の電位に保持された第1のスイッチ用電極と、前記基板の他側面に形成され、接地または一定の電位に保持された第2のスイッチ用電極と、前記基板の一側面側に前記第1のスイッチ用電極と離隔して配置され、前記第1の容量素子用電極との間で第1の容量素子を構成する絶縁状態に維持された第1の導電性部材と、前記基板の他側面側に前記第2のスイッチ用電極と離隔して配置され、前記第2の容量素子用電極との間で第2の容量素子を構成する絶縁状態に維持された第2の導電性部材とを備えており、前記検知部材が前記基板と垂直な方向に変位するのに伴って、前記第1の容量素子用電極と前記第1の導電性部材との間隔及び前記第2の容量素子用電極と前記第2の導電性部材との間隔はいずれか一方が大きくなると他方が小さくなり、且つ、前記第1の導電性部材と前記第1のスイッチ用電極とが接触する状態及び前記第2の導電性部材と前記第2のスイッチ用電極とが接触する状態のいずれかの状態を取り得るものであり、前記前記第1及び第2の容量素子用電極に対して入力される信号を利用して前記第1及び第2の容量素子の少なくとも一方の静電容量値の変化が検出されることに基づいて前記検知部材の変位を認識可能である。
この構成によると、検知部材が受けた外部からの力により、第1及び第2の導電性部材が変位することで、第1の導電性部材と第1の容量素子用電極との間隔及び第2の導電性部材と第2の容量素子用電極との間隔はいずれか一方が大きくなると共に他方が小さくなる。つまり、所定方向(基板に垂直な方向)の力が検知部材に作用した場合には、第1の導電性部材と第1の容量素子用電極との間隔が小さくなることで、第1の導電性部材と第1のスイッチ用電極とが接触し、第1の容量素子の静電容量値の変化量に基づいて検知部材の変位が検出可能であり、所定方向と反対方向の力が検知部材に作用した場合には、第2の導電性部材と第2の容量素子用電極との間隔が小さくなることで、第2の導電性部材と第2のスイッチ用電極とが接触し、第2の容量素子の静電容量値の変化量に基づいて検知部材の変位が検出可能である。
そのため、検知部材に作用する力の方向にかかわらず、容量素子を構成する電極間隔が小さくなる場合の静電容量値の変化量に基づいて検知部材の変位を検出することができる。従って、検知部材に作用する力の方向にかかわらず、検知部材の変位を同じ感度で検出することができる。
また、検知部材に対する上記の所定方向及びそれと反対方向のいずれの操作も、検知部材を押すことで行えるので、どちらの方向に関しても操作性がよい。
そのため、検知部材に作用する力の方向にかかわらず、容量素子を構成する電極間隔が小さくなる場合の静電容量値の変化量に基づいて検知部材の変位を検出することができる。従って、検知部材に作用する力の方向にかかわらず、検知部材の変位を同じ感度で検出することができる。
また、検知部材に対する上記の所定方向及びそれと反対方向のいずれの操作も、検知部材を押すことで行えるので、どちらの方向に関しても操作性がよい。
また、第1及び第2の導電性部材は、第1及び第2のスイッチ用電極とそれぞれ接触していないときは電気的にどこにも接続されずに絶縁状態に維持されるので、第1及び第2の容量素子には電圧がかからなくなる。従って、操作前後において第1及び第2の導電性部材の位置が多少ずれた場合でも、第1の導電性部材と第1のスイッチ用電極、もしくは、第2の導電性部材と第2のスイッチ用電極とが接触しない限り、静電容量型センサの第1もしくは第2の容量素子に対応する(第1もしくは第2の容量素子用電極からの)出力信号はほとんど同じになる。これにより、静電容量型センサの第1及び第2の容量素子に対応する出力信号のヒステリシスを低減することができる。
本発明の静電容量型センサでは、前記第1の導電性部材と前記第2の導電性部材とは電気的に接続されていてもよい。
この構成によると、第1の導電性部材と第1のスイッチ用電極とが接触した場合、及び、第2の導電性部材と第2のスイッチ用電極とが接触した場合のいずれにおいても、第1の容量素子の静電容量値の変化量及び第2の容量素子の静電容量値の変化量の両方を用いた差動原理を利用して検知部材の変位を検出することができる。従って、検知部材の変位を検出する場合の感度をさらに向上させることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
まず、図1及び図2を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る静電容量型センサ10の構成について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る静電容量型センサ10の横断面図である。図2は、静電容量型センサ10の基板101、201上の電極の配置を示す図である。
図1に示すように、静電容量型センサ10は、基板101と、基板101と対向する基板201と、外部からの力を検出するための検知部材105と、検知部材105と嵌合された外部からの力を検出するための検知部材205と、基板101の上面に配置された容量素子用電極E1及びスイッチ用電極E3と、基板201の下面に配置された容量素子用電極E2及びスイッチ用電極E4と、検知部材105、205を基板101、201の間に支持する変位電極104と、基板101の下面及び基板202の上面をそれぞれ覆うカバー106、206とを有する。
ここでは説明の便宜上XYZ三次元座標系を定義し、この座標系を参照しながら各部品に配置説明を行うことにする。図1においては、静電容量型センサ10の中心位置が原点O、右水平方向がX軸、上垂直方向がZ軸、紙面に垂直奥方向がY軸、とそれぞれ定義される。
基板101は、基板201と対向して配置されている。基板101、201は、一般的な電子回路用のプリント基板であり、本実施形態ではガラスエポキシ基板が用いられる。なお、基板101、201としてポリイミドフィルムなどのフィルム状の基板を用いてもよいが、フィルム状の基板の場合は可撓性を有しているため、十分な剛性をもった支持基板上に配置して用いるのが好ましい。
図1及び図2に示すように、基板101、201には、Z軸を中心とする孔101a、201aがそれぞれ形成されている。また、基板101の上面及び201の下面には、孔101a、201aの外側に配置された環状のスイッチ用電極E3、E4と、スイッチ用電極E3、E4の外側に配置された環状の容量素子用電極E1、E2とがそれぞれ設けられている。そして、容量素子用電極E1及びスイッチ用電極E3と、容量素子用電極E2及びスイッチ用電極E4とは互いに対向した位置に設けられている。
ここで、容量素子用電極E1、E2は、Z軸の周りに環状に配置され、外部からの力のZ軸方向成分の検出に利用される。また、容量素子用電極E1、E2は、スルーホールなどを利用して端子T1、T2(図3参照)にそれぞれ接続されており、端子T1、T2を通じて外部の電子回路に接続されるようになっている。
なお、本実施形態では、容量素子用電極E1、E2の表面には図示しない絶縁膜(レジスト膜)を被覆されているので、銅などで形成された容量素子用電極E1、E2が空気にさらされることがなく、それらの酸化が防止されるようになっている。
スイッチ用電極E3、E4は、Z軸の周りに環状に配置され、外部からの力の検出用スイッチとして利用される。また、スイッチ用電極E3、E4は、スルーホールなどを利用して端子T0(図3参照)にそれぞれ接続されており、端子T0を通じて接地されている。
図1に戻って、変位電極104は、弾性体であり且つ導電性を有する材質(例えば、導電性Siゴム)から形成されており、基板101の一辺の長さよりも小さな外形を有する環状部材である。そして、変位電極104は、大径で環状の中段部107と、中段部107の下端部に突出した小径で環状の下段部108と、中段部107の上端部に突出した小径で環状の上段部208と、中段部107の周囲に設けられた大径で環状の支持部110、210とから構成されている。また、中段部107の外縁部近傍には厚さの薄い肉薄部109、209が形成されている。中段部107と支持部110とは肉薄部109により接続されており、中段部107と支持部210とは肉薄部209により接続されている。中段部107には、後述する検知部材205の下段部205dと嵌合される円形状の空洞部107aが形成されている。また、上段部208、中段部107及び下段部108には、Z軸を中心とする孔107bが形成されている。
ここで、支持部110は、中段部107よりも下方に形成されている。そして、支持部110の下面は基板101の上面に当接しており、中段部107の下面は基板101の表面から所定距離だけ隔離している。従って、変位電極104の中段部107の下面と容量素子用電極E1との間に容量素子C1が構成される。さらに、変位電極104の下段部108の下面とスイッチ用電極E3との間には、所定の間隔の空隙が形成される。また、支持部210は、中段部107よりも上方に形成されている。そして、支持部210の上面は基板201の下面に当接しており、中段部107の上面は基板201の表面から所定距離だけ隔離している。従って、変位電極104の中段部107の上面と容量素子用電極E2との間に容量素子C2が構成される。さらに、変位電極104の上段部208の上面とスイッチ用電極E4との間には、所定の間隔の空隙が形成される。
肉薄部109、209は、検知部材105または検知部材205を介して変位電極104に力が加わった時に、変位電極104の上段部208、中段部107及び下段部108がZ軸方向に変位しやすくするためのものである。そして、変位電極104は弾性を有しているため、力が加えられることにより、肉薄部109、209が弾性変形して上段部208、中段部107及び下段部108がZ軸方向に変位した後で、その力が加えられなくなると、上段部208、中段部107及び下段部108は自動的に元の位置に戻る。
検知部材105は、基板101の孔101aの径よりも小さな径を有する円柱状部材である。下方からの力の受力部となる小径の下段部105aと、下段部105aの上端部に伸延する孔107bの径と同等の径を有する上段部105bとから構成されている。また、検知部材105の上面には、その中心位置を中心とする円形で上方に突出した小径の凸部105cが形成されている。
検知部材205は、検知部材105と同等の小さな径を有する円柱状部材である。上方からの力の受力部となる小径の上段部205aと、上段部205aの下端部に伸延する孔107bの径と同等の径を有する中段部205bと、中段部205bの下端部に伸延する大径の下段部205dとから構成されている。また、検知部材205の下面には、その中心位置を中心とする円形で上方に開いた小径の凹部205cが形成されている。そして、検知部材105の凸部105cと検知部材205の凹部205cとは嵌合されている。また、検知部材205の下段部205dは、変位電極104の中段部107の空洞部107aに嵌合されている。これにより、検知部材105、205及び変位電極104は一体的に動作する。
ここで、検知部材105の下段部105aの径は、基板101の孔101aの径より若干小さく、下段部105aの先端は孔101aから下方に突出している。検知部材205の上段部205aの径は、基板201の孔201aの径より若干小さく、上段部205aの先端は孔201aから上方に突出している。
カバー106は、基板101の孔101aの外周にわたって内側に折り曲げられて基板101の下面に固定され、検知部材105を外部から操作しやすいように露出させるとともに基板101の下面を覆っている。カバー206は、基板201の孔201aの外周にわたって内側に折り曲げられて基板201の上面に固定され、検知部材205を外部から操作しやすいように露出させるとともに基板201の上面を覆っている。
次に、図3を参照しつつ、本実施形態における静電容量型センサ10の回路構成について説明する。図3は、図1に示す静電容量型センサ10の構成に対する等価回路図である。
本実施形態に係る静電容量型センサ10において、図1に示した共通の電極である変位可能な変位電極104(中段部107)と、固定された個別の容量素子用電極E1、E2との間には、変位電極104の中段部107の変位に起因して静電容量値が変化する可変な容量素子C1、C2が構成されている。中段部107と容量素子用電極E1、E2との間隔は、検知部材105または検知部材205に力が加わった場合に変化し、加えられた力が解除されると元に戻る。
また、スイッチ用電極E3、E4は、端子T0を介して接地されていると共に、検知部材105または検知部材205に力が加えられていない状態においては、変位電極104は電気的にどこにも接続されずに絶縁状態(浮いた状態)になっている。そして、スイッチ用電極E3、E4は、変位電極104と接触する状態及び接触しない状態のいずれかの状態を取り得ることから、スイッチ用電極E3、E4と変位電極104との間にはスイッチSW3、SW4が形成される。
次に、容量素子C1、C2のそれぞれの静電容量値の変化から、検知部材105または検知部材205への外部からの力の大きさ及び方向を示す出力信号の導出方法について、図4を参照して説明する。図4は、図1に示す静電容量型センサ10に入力される同期信号から出力信号を導出する方法を説明するための説明図である。Vzは、外部からの力のZ軸方向成分の大きさ及び方向を示す。
ここで、出力信号Vzを導出するために、端子T1、T2に対して、クロック信号などの周期信号が入力される。このとき、例えば検知部材105にZ軸正方向の力が加わると、変位電極104が検知部材105によりその力の方向に押圧されることによって、変位電極104は変位する。そして、検知部材105に加えられるZ軸正方向の力が所定値に達した時点で、変位電極104の上段部208の上面とスイッチ用電極E4とが接触する。
このように、変位電極104とスイッチ用電極E4とが接触した後、さらに変位電極104が変位されることで、容量素子C1、C2のそれぞれの静電容量値が変化し、端子T1、T2に入力された周期信号の位相にずれが生じる。そして、周期信号に生じる位相のずれを利用して、検知部材105が外部から受けた力のZ軸方向の大きさと方向を示す出力信号Vzを得ることができる。
さらに詳細に説明すると、端子T1、T2に対して周期信号を入力するとき、端子T1に対しては周期信号Aが入力され、一方、端子T2に対しては周期信号Aと同一の周期を有し、位相は異なる周期信号Bが入力される。このとき、検知部材105または検知部材205に力が加えられて、容量素子C1、C2の静電容量値がそれぞれ変化すると、端子T1、T2にそれぞれ入力された周期信号Aまたは周期信号Bの位相にそれぞれ異なった量のずれが生じる。
すなわち、容量素子C1の静電容量値が変化し、端子T1に入力された周期信号Aの位相にずれが生じるとともに、容量素子C2の静電容量値が変化し、端子T2に入力された周期信号Bの位相にもずれが生じる。ここで、容量素子C1、C2の静電容量値の変化は、一方が大きくなると、他方が小さくなる。したがって、端子T1に入力された周期信号Aの位相のずれと、端子T2に入力された周期信号Bの位相のずれとは、互いに逆方向の位相のずれである。このように、端子T1および端子T2にそれぞれ入力された周期信号Aおよび周期信号Bの位相のずれを差動原理を利用して読み取ることによって、出力信号Vzが導出される。この出力信号Vzの変化量の符号が、外部からの力のZ軸方向成分が正方向または負方向の向きかを示し、出力信号Vzの変化量の絶対値がZ軸方向成分の大きさを示す。
次に、図5及び図6を参照しつつ、静電容量型センサ10の動作について説明する。図5は、図1に示す静電容量型センサ10の検知部材105に対して、Z軸正方向の力が加えられた状態を示す横断面図である。図6は、Z軸正方向の力が加えられたときの容量素子の静電容量値の変化を示す図である。
まず、図5に示すように、検知部材105に対して、Z軸正方向の力が加えられる。このとき、検知部材105は、Z軸正方向に向かって変位する。すると、変位電極104の中段部107は、検知部材105とともに、Z軸正方向に変位する。したがって、変位電極104にはZ軸正方向の力が作用する。
この力によって、変位電極104の中段部107はZ軸正方向に変位する。この変位にともなって、変位電極104の中段部107の上面と容量素子用電極E2との間隔は小さくなり、変位電極104の中段部107の下面と容量素子用電極E1との間隔は大きくなる。そして、力が所定の大きさ以上になると、絶縁状態に維持されている変位電極104の上段部208の上面が、接地されているスイッチ用電極E4と接触し、スイッチSW4がオフからオンに切り替わる。したがって、変位電極104は接地電位となる。
なお、容量素子の静電容量値は、容量素子を構成する電極の間隔に反比例することが一般的に知られている。したがって、以上のような操作によりスイッチSW4がオンになり、変位電極104の中段部107の上面と容量素子用電極E2との間隔が小さくなり、且つ、変位電極104の中段部107の下面と容量素子用電極E1との間隔が大きくなると、図6に示すように、変位電極104の中段部107の上面と容量素子用電極E2との間に構成される容量素子C2の静電容量値は大きくなる。そして、変位電極104の中段部107の下面と容量素子用電極E1との間に構成される容量素子C1の静電容量値は小さくなる。そして、これら容量素子C1、C2の静電容量値の差動原理を利用して出力信号Vzが導出される。
以上のように、本実施形態の静電容量型センサ10は、検知部材105、205が受けた外部からの力により、変位電極104が変位することで、変位電極104と容量素子用電極E1との間隔及び変位電極104と容量素子用電極E2との間隔はいずれか一方が大きくなると他方が小さくなる。つまり、Z軸正方向の力が検知部材105に作用した場合には、変位電極104とスイッチ用電極E4とが接触し、容量素子C1、C2の静電容量値の変化量に基づいて検知部材105の変位が検出可能であり、Z軸負方向の力が検知部材205に作用した場合には、変位電極104とスイッチ用電極E3とが接触し、容量素子C1、C2の静電容量値の変化量に基づいて検知部材205の変位が検出可能である。
そのため、変位電極104とスイッチ用電極E3とが接触した場合、及び、変位電極104とスイッチ用電極E4とが接触した場合のいずれにおいても、容量素子C1、C2の静電容量値の変化量の両方を用いた差動原理を利用して検知部材105、205の変位を検出することができる。これにより、検知部材105、205の変位を検出する場合の感度を向上させることができる。
また、Z軸正方向の力の操作においては検知部材105を押すことで行うことができ、Z軸負方向の力の操作においては検知部材205を押すことで行うことができるので、Z軸正負どちらの方向に関しても操作性がよい。
また、操作前後において変位電極104の位置が多少ずれた場合でも、変位電極104とスイッチ用電極E3もしくはスイッチ用電極E4とが接触しない限り、静電容量型センサ10の容量素子C1、C2に対応する出力信号Vzはほとんど同じになる。これにより、静電容量型センサ10の容量素子C1、C2に対応する出力信号Vzのヒステリシスを低減することができる。
次いで、図7及び図8を参照しつつ、本発明の第2実施形態に係る静電容量型センサの構成について説明する。図7は、静電容量型センサの基板121、221上の電極の配置を示す図である。図8は、図7に示した第2実施形態に係る静電容量型センサの構成に対する等価回路図である。
本実施形態に係る静電容量型センサの構成が、図1に示した第1実施形態に係る静電容量型センサ10と主に異なる点は、第1実施形態の基板101、201上に設けられていたスイッチ用電極E3、E4が分割されて、スイッチ用電極E5、E6及び制御用電極E7、E8が設けられた点である。なお、その他の構成については、図1に示した第1実施形態に係る静電容量型センサ10とほぼ同様であるので、詳細な説明は省略する。
図7に示すように、基板121、221には、Z軸を中心とする孔121a、221aがそれぞれ形成されている。また、基板121の上面及び221の下面には、孔121a、221aの外側に配置され複数に分割された、環状のスイッチ用電極E5、E6と制御用電極E7、E8とがそれぞれ設けられている。さらに、基板121の上面及び221の下面には、スイッチ用電極E5、E6及び制御用電極E7、E8の外側に配置された環状の容量素子用電極E1、E2が設けられている。スイッチ用電極E5、E6及び制御用電極E7、E8は、複数に分割され、交互に配置されている。
スイッチ用電極E5、E6は、Z軸の周りに複数に分割されて環状に配置され、外部からの力の検出用スイッチとして利用される。また、複数に分割されたスイッチ用電極E5、E6は、スルーホールなどを利用して端子T0(図8参照)にそれぞれ接続されており、端子T0を通じて接地されている。
制御用電極E7、E8は、Z軸の周りに複数に分割されて環状に配置され、外部からの力を検出したときに制御を行う制御用スイッチとして利用される。また、複数に分割された制御用電極E7、E8は、スルーホールなどを利用して端子T7、T8(図8参照)にそれぞれ接続されている。
次に、本実施形態における静電容量型センサの回路構成について説明する。図8に示すように、スイッチ用電極E5、E6は、端子T0を介して接地されていると共に、検知部材105または検知部材205に力が加えられていない状態においては、変位電極104は電気的にどこにも接続されずに絶縁状態(浮いた状態)になっている。そして、スイッチ用電極E5、E6は、変位電極104と接触する状態及び接触しない状態のいずれかの状態を取り得ることから、スイッチ用電極E5、E6と変位電極104との間にはスイッチSW5、SW6が形成される。
また、制御用電極E7、E8は、検知部材105または検知部材205に力が加えられていない状態においては、変位電極104は電気的にどこにも接続されずに絶縁状態(浮いた状態)になっている。そして、制御用電極E7、E8は、変位電極104と接触する状態及び接触しない状態のいずれかの状態を取り得ることから、制御用電極E7、E8と変位電極104との間にはスイッチSW7、SW8が形成される。
外部からの力の検出は第1実施形態と同様であるが、Z軸正方向の力が作用すると、変位電極104の中段部107はZ軸正方向に変位する。そして、力が所定の大きさ以上になると、絶縁状態に維持されている変位電極104の上段部208の上面が、接地されているスイッチ用電極E6及び制御用電極E8と接触し、スイッチSW6、SW8がオフからオンに切り替わる。このとき、スイッチSW6とほぼ同時にスイッチSW8はオフからオンに切り替わっている。
また、Z軸負方向の力が作用した場合についても、Z軸正方向の力が作用した場合と同様であるので、ここでは省略する。
これにより、外部からの力を検出して、スイッチSW7またはスイッチSW8がオフからオンに切り替わったときに出力信号を端子T7、T8から取り出して、さまざまな制御に利用可能となる。
次いで、図9を参照しつつ、本発明の第3実施形態に係る静電容量型センサ30の構成について説明する。図9は、本発明の第3実施形態に係る静電容量型センサ30の横断面図であり、図1に示した第1実施形態と対応したものである。
本実施形態に係る静電容量型センサ30の構成が異なる点は、第1実施形態においては、検知部材105、205が直接外部から力を受ける構成である点に対して、本実施形態においては、検知部材105、205にSiゴムからなるキャップ130、230を装着して間接的に力を受ける構成である点である。また、変位電極104に、肉薄部109、209及び支持部110、210が形成されずに、変位電極134が形成されている点である。なお、その他の構成については、図1に示した第1実施形態に係る静電容量型センサ10とほぼ同様であるので、詳細な説明は省略する。
キャップ130、230は、弾性体であり且つ絶縁性を有する物質(例えば、絶縁性Siゴム)から形成されており、基板101の一辺の長さよりも小さな外形を有する円板状部材である。そして、キャップ130、230は、基板101の孔101aとほぼ同等の径を有する小径のキャップ部130a、230aと、キャップ部130a、230aの周囲に設けられた環状の支持部130c、230cとから構成されている。また、キャップ部130a、230aの外縁部近傍には厚さの薄い肉薄部130b、230bがそれぞれ形成されている。キャップ部130a、230aと支持部130c、230cとは肉薄部130b、230bにより接続されている。
肉薄部130b、230bは、検知部材135または検知部材235を介して変位電極134に力が加わった時に、変位電極134がZ軸方向に変位しやすくするためのものである。そして、力が加えられることにより、肉薄部130b、230bが弾性変形して変位電極134がZ軸方向に変位した後で、その力が加えられなくなると、変位電極134は自動的に元の位置に戻る。
ここで、キャップ部130a、230aは、検知部材135、235を覆っている。支持部130cは、キャップ部130aよりも上方に形成されており、支持部130cの上面は基板101の下面に当接している。支持部230cは、キャップ部230aよりも下方に形成されており、支持部230cの下面は基板201の上面に当接している。また、キャップ130、230の支持部130c、230cはカバー136、236によって押さえ込まれている。
これにより、キャップ130、230は、Siゴムで形成されており、カバー136、236によって押さえ込まれているので、パッキンの役目を果たし、防水、防塵の効果を有することができる。
次いで、図10〜13を参照しつつ、本発明の第4実施形態に係る静電容量型センサ40の構成について説明する。図10は、本発明の第4実施形態に係る静電容量型センサ40の横断面図であり、図1に示した第1実施形態と対応したものである。図11は、静電容量型センサ40の基板141の下面及び上面の電極の配置を示す図である。
図10に示すように、静電容量型センサ40は、基板141と、外部からの力を検出するための検知部材145と、検知部材と嵌合された外部からの力を検出するための検知部材245と、基板141の下面に配置された容量素子用電極E11、E19〜E22、スイッチ用電極E15及び制御用電極E17(図11参照)と、基板141の上面に配置された容量素子用電極E12、E23〜E26、スイッチ用電極E16及び制御用電極E18(図11参照)と、基板141の下方に配置された変位電極144と、基板141の上方に配置された変位電極244と、これらの周囲を囲むカバー146、246とを有する。
ここでは説明の便宜上XYZ三次元座標系を定義し、この座標系を参照しながら各部品に配置説明を行うことにする。図10においては、静電容量型センサ40の中心位置が原点O、右水平方向がX軸、上垂直方向がZ軸、紙面に垂直奥方向がY軸、とそれぞれ定義される。
図11に示すように、基板141には、Z軸を中心とする孔141aが形成されている。また、基板141の下面及び上面には、孔141aの外側に配置された環状のスイッチ用電極E15、E16と制御用電極E17、E18とがそれぞれ設けられている。さらに、基板141の下面及び上面には、スイッチ用電極E15、E16及び制御用電極E17、E18の外側に配置された環状の容量素子用電極E11、E12がそれぞれ設けられている。加えて、基板141の下面及び上面には、容量素子用電極E11、E12の外側に配置された略扇形の容量素子用電極E19〜E22及びE23〜E26がそれぞれ設けられている。スイッチ用電極E15、E16及び制御用電極E17、E18は、複数に分割され、交互に配置されている。
ここで、容量素子用電極E19、E23はX軸の正方向に対応するように配置され、一方、容量素子用電極E20、E24はX軸の負方向に対応するように配置され、外部からの力のX軸方向成分の検出に利用される。また、容量素子用電極E21、E25はY軸の正方向に対応するように配置され、一方、容量素子用電極E22、E26はY軸の負方向に対応するように配置され、外部からの力のY軸方向成分の検出に利用される。さらに、容量素子用電極E11、E12は、Z軸の周りに環状に配置され、外部からの力のZ軸方向成分の検出に利用される。
また、容量素子用電極E11、E12及びE19〜E26は、スルーホールなどを利用して端子T11、T12及びT19〜T26(図12参照)にそれぞれ接続されており、端子T11、T12及びT19〜T26を通じて外部の電子回路に接続されるようになっている。
なお、本実施形態では、容量素子用電極E11、E12及びE19〜E26の表面には図示しない絶縁膜(レジスト膜)を被覆されているので、銅などで形成された容量素子用電極E11、E12及びE19〜E26が空気にさらされることがなく、それらの酸化が防止されるようになっている。
スイッチ用電極E15、E16は、Z軸の周りに複数に分割されて環状に配置され、外部からの力の検出用スイッチとして利用される。また、複数に分割されたスイッチ用電極E15、E16は、スルーホールなどを利用して端子T0(図12参照)にそれぞれ接続されており、端子T0を通じて接地されている。
制御用電極E17、E18は、Z軸の周りに複数に分割されて環状に配置され、外部からの力を検出したときに制御を行う制御用スイッチとして利用される。また、複数に分割された制御用電極E17、E18は、スルーホールなどを利用して端子T17、T18(図12参照)にそれぞれ接続されている。
図10に戻って、変位電極144は、弾性体であり且つ導電性を有する材質(例えば、導電性Siゴム)から形成されており、基板141の一辺よりも小さな径を有する環状部材である。そして、変位電極144は、大径で環状の下段部147と、下段部147の上端部に突出した小径で環状の上段部148と、下段部147の周囲に設けられた大径で環状の支持部150とから構成されている。また、下段部147の外縁部近傍には厚さの薄い肉薄部149が形成されており、下段部147と支持部150とは肉薄部149により接続されている。また、下段部147及び上段部148には、Z軸を中心とする孔147aが形成されている。
ここで、支持部150は、下段部147よりも上方に形成されている。そして、支持部150の上面は基板141の下面に当接しており、下段部147の上面は基板141の表面から所定距離だけ隔離している。従って、変位電極144の下段部147の上面と容量素子用電極E11、E19〜22との間に容量素子C11、C19〜22がそれぞれ構成される。さらに、変位電極144の上段部148の上面とスイッチ用電極E15及び制御用電極E17との間には、所定の間隔の空隙が形成される。
基板141を挟んで対向して、変位電極244は、弾性体であり且つ導電性を有する材質(例えば、導電性Siゴム)から形成されており、基板141の一辺よりも小さな径を有する円板状部材である。そして、変位電極244は、大径で環状の上段部247と、上段部247の下端部に突出した小径で環状の下段部248と、上段部247の周囲に設けられた大径で環状の支持部250とから構成されている。また、上段部247の外縁部近傍には厚さの薄い肉薄部249が形成されており、上段部247と支持部250とは肉薄部249により接続されている。また、上段部247及び下段部248には、Z軸を中心とする孔247aが形成されている。
ここで、支持部250は、上段部247よりも下方に形成されている。そして、支持部250の下面は基板141の上面に当接しており、上段部247の下面は基板141の表面から所定距離だけ隔離している。従って、変位電極244の上段部247の下面と容量素子用電極E12、E23〜26との間に容量素子C12、C23〜26がそれぞれ構成される。さらに、変位電極244の下段部248の上面とスイッチ用電極E16及び制御用電極E18との間には、所定の間隔の空隙が形成される。
肉薄部149、249は、検知部材145または検知部材245を介して変位電極144、244に力が加わった時に、変位電極144の下段部147、上段部148及び変位電極244の上段部247、下段部248がZ軸方向に変位しやすくするためのものである。そして、変位電極144、244は弾性を有しているため、力が加えられることにより、肉薄部149、249が弾性変形して変位電極144の下段部147、上段部148及び変位電極244の上段部247、下段部248がZ軸方向に変位した後で、その力が加えられなくなると、変位電極144の下段部147、上段部148及び変位電極244の上段部247、下段部248は自動的に元の位置に戻る。
検知部材145は、基板141の孔141aの径よりも小さな径を有する円柱状部材である。下方からの力の受力部となる小径の下段部145aと、下段部145aの上端部に伸延する大径の上段部145bとから構成されている。また、検知部材145の上面には、その中心位置を中心とする円形で上方に突出した小径の凸部145cが形成されている。上段部145bの上面には、変位電極144の下段部147の下面が当接している。
検知部材245は、検知部材145と同等の小さな径を有する円柱状部材である。上方からの力の受力部となる小径の上段部245aと、上段部245aの中端部に伸延する大径の中段部245bと、上段部245aと同等の径を有する下段部245dとから構成されている。また、検知部材245の下面には、その中心位置を中心とする円形で上方に開いた小径の凹部245cが形成されている。中段部245bの下面には、変位電極244の上段部247の上面が当接している。また、下段部245dは基板141の孔141aを貫通しており、検知部材145の凸部145cと検知部材245の凹部245cとは嵌合されている。これにより、検知部材145、245及び変位電極144、244は一体的に動作する。
カバー146は、検知部材145の下段部145aのその全周にわたって内側に折り曲げられ、下段部145aの径より大きな開口を有しており、その開口から下端部145aの先端が下方に突出したカバー部146aを有している。カバー部146aの上面には、変位電極144の支持部150に当接した円筒状の支持部146bが形成されている。これにより、検知部材145を外部から操作しやすいように露出させるとともに基板141の下面を覆っている。
カバー246は、検知部材245の上段部245aのその全周にわたって内側に折り曲げられ、上段部245aの径より大きな開口を有しており、その開口から上段部245aの先端が上方に突出したカバー部246aを有している。カバー部246aの上面には、変位電極244の支持部250に当接した円筒状の支持部246bが形成されている。これにより、検知部材245を外部から操作しやすいように露出させるとともに基板141の上面を覆っている。
また、カバー146の支持部146b及びカバー246の支持部246bにより、変位電極144の支持部150及び変位電極244の支持部250は、基板141に固定されている。
次に、図12を参照しつつ、本実施形態における静電容量型センサ40の回路構成について説明する。図12は、図10に示す静電容量型センサ40の構成に対する等価回路図である。
本実施形態に係る静電容量型センサ40において、図10に示した共通の電極である変位可能な変位電極144(下段部147)と、固定された個別の容量素子用電極E11、E19〜E22との間には、変位電極144の下段部147の変位に起因して静電容量値が変化する可変な容量素子C11、C19〜C22が構成されている。下段部147と容量素子用電極E11、E19〜E22との間隔は、検知部材145または検知部材245に力が加わった場合に変化し、加えられた力が解除されると元に戻る。
また、図10に示した共通の電極である変位可能な変位電極244(上段部247)と、固定された個別の容量素子用電極E12、E23〜E26との間には、変位電極244の上段部247の変位に起因して静電容量値が変化する可変な容量素子C12、C23〜C26が構成されている。上段部247と容量素子用電極E12、E23〜E26との間隔は、検知部材145または検知部材245に力が加わった場合に変化し、加えられた力が解除されると元に戻る。
また、スイッチ用電極E15、E16は、端子T0を介して接地されていると共に、検知部材145または検知部材245に力が加えられていない状態においては、変位電極144及び変位電極244は電気的にどこにも接続されずに絶縁状態(浮いた状態)になっている。そして、スイッチ用電極E15は、変位電極144と接触する状態及び接触しない状態のいずれかの状態を取り得ることから、スイッチ用電極E15と変位電極144との間にはスイッチSW15が形成される。スイッチ用電極E16は、変位電極245と接触する状態及び接触しない状態のいずれかの状態を取り得ることから、スイッチ用電極E16と変位電極244との間にはスイッチSW16が形成される。
また、制御用電極E17、E18は、検知部材145または検知部材245に力が加えられていない状態においては、変位電極144及び変位電極244は電気的にどこにも接続されずに絶縁状態(浮いた状態)になっている。そして、制御用電極E17は、変位電極144と接触する状態及び接触しない状態のいずれかの状態を取り得ることから、制御用電極E17と変位電極144との間にはスイッチSW17が形成される。制御用電極E18は、変位電極245と接触する状態及び接触しない状態のいずれかの状態を取り得ることから、制御用電極E18と変位電極244との間にはスイッチSW18が形成される。
次に、容量素子C11、C12及びC19〜C26のそれぞれの静電容量値の変化から、検知部材145または検知部材245への外部からの力の大きさ及び方向を示す出力信号の導出方法について、図13を参照して説明する。Vx、Vy及びVzは、それぞれ外部からの力のX軸方向成分、Y軸方向成分及びZ軸方向成分の大きさ及び方向を示す。
容量素子19と容量素子24、容量素子20と容量素子23、容量素子21と容量素子26、容量素子22と容量素子25は、並列に接続されている。
ここで、出力信号Vx、Vy、Vzを導出するために、端子T11、T12及びT19〜T26に対して、クロック信号などの周期信号が入力される。このとき、例えば検知部材145にX軸正方向の力及びZ軸正方向の力が加わると、変位電極144の下段部147が検知部材145によりその力の方向に押圧されることによって、変位電極144の下段部147は傾けられる。このとき、変位電極144の下段部147の力方向下流側の部分は上方に変位し、変位電極144の下段部147の力方向上流側の部分は下方に変位する。そして、検知部材145に加えられる水平方向の力が所定値に達した時点で、変位電極144の下段部147の力方向下流側の部分がスイッチ用電極E15とが接触する。
このように、変位電極144とスイッチ用電極E15とが接触した後、さらに変位電極144が傾けられることで、容量素子C11、C19〜C22のそれぞれの静電容量値が変化し、端子T11、T19〜T22に入力された周期信号の位相にずれが生じる。そして、周期信号に生じる位相のずれを利用して、検知部材145が外部から受けた力のX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の大きさと方向を示す出力信号Vx、Vy、Vzを得ることができる。
また、検知部材145へのX軸正方向の力及びZ軸正方向の力の加わり方によっては、変位電極144の下段部147とスイッチ用電極E15とが接触すると同時もしくはその後に、さらに検知部材145に水平方向の力が加わると、変位電極244の上段部247とスイッチ用電極E16とが接触する。
このとき、変位電極144とスイッチ用電極E15とが接触した後、さらに変位電極144が傾けられることで、容量素子C11、C19〜C22のそれぞれの静電容量値が変化し、端子T11、T19〜T22に入力された周期信号の位相にずれが生じる。そして、変位電極244とスイッチ用電極E16とが接触した後、さらに変位電極244が傾けられることで、容量素子C12、C23〜C26のそれぞれの静電容量値が変化し、端子T12、T23〜T26に入力された周期信号の位相にずれが生じる。そして、周期信号に生じる位相のずれを利用して、検知部材145が外部から受けた力のX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の大きさと方向を示す出力信号Vx、Vy、Vzを得ることができる。
また、検知部材245にX軸正方向の力及びZ軸負方向の力が加わった場合の静電容量型センサ40の動作についても、検知部材145にX軸正方向の力及びZ軸正方向の力が加わった場合と同様であるので、ここでは説明を省略する。
さらに詳細に説明すると、端子T11、T12、T19〜T26に対して周期信号を入力するとき、端子T11、T19、T21、T24、T26に対しては同一の位相を有する周期信号Aが入力され、一方、端子T12、T20、T22、T23、T25に対しては周期信号Aと同一の周期を有し、位相は異なる周期信号Bが入力される。このとき、検知部材145または検知部材245に力が加えられて、容量素子C11、C12、C19〜C26の静電容量値がそれぞれ変化すると、端子T11、T12、T19〜T26にそれぞれ入力された周期信号Aまたは周期信号Bの位相にそれぞれ異なった量のずれが生じる。
すなわち、外部からの力にX軸方向成分が含まれており、スイッチ15がオンに切り替わった場合は、容量素子C19の静電容量値が変化し、端子T19に入力された周期信号Aの位相にずれが生じるとともに、容量素子C20の静電容量値が変化し、端子T20に入力された周期信号Bの位相にもずれが生じる。ここで、容量素子C19、C20の静電容量値の変化は、それぞれ外部からの力のX軸正方向成分、X軸負方向成分に対応している。したがって、端子T19に入力された周期信号Aの位相のずれと、端子T20に入力された周期信号Bの位相のずれとは、互いに逆方向の位相のずれである。このように、端子T19及び端子T20にそれぞれ入力された周期信号A及び周期信号Bの位相のずれを排他和回路などで読み取ることによって、出力信号Vxが導出される。この出力信号Vxの変化量の符号が、外部からの力のX軸方向成分が正方向または負方向の向きかを示し、出力信号Vxの変化量の絶対値がX軸方向成分の大きさを示す。なお、スイッチ16がオンに切り替わった場合についても、スイッチ15がオンに切り替わった場合と同様である。また、外部からの力にY軸方向成分およびZ軸方向成分が含まれている場合についても、X軸方向成分の力が含まれている場合と同様である。
以上のように、本実施形態の静電容量型センサ40は、検知部材145、245が受けた外部からの力により、変位電極144、244が変位することで、変位電極144と容量素子用電極E11との間隔及び変位電極244と容量素子用電極E12との間隔はいずれか一方が大きくなると他方が小さくなる。つまり、Z軸正方向の力が検知部材145に作用した場合には、変位電極144と容量素子用電極E11との間隔が小さくなることで、変位電極144とスイッチ用電極15とが接触し、容量素子C11の静電容量値の変化量に基づいて検知部材145の変位が検出可能であり、Z軸負方向の力が検知部材245に作用した場合には、変位電極244と容量素子用電極E12との間隔が小さくなることで、変位電極244とスイッチ用電極E16とが接触し、容量素子C12の静電容量値の変化量に基づいて検知部材245の変位が検出可能である。
そのため、Z軸正負の力の方向にかかわらず、容量素子を構成する電極間隔が小さくなる場合の静電容量値の変化量に基づいて検知部材145、245の変位を検出することができる。従って、Z軸正負の力の方向にかかわらず、検知部材145、245の変位を同じ感度で検出することができる。
また、Z軸正方向の力の操作においては検知部材145を押すことで行うことができ、Z軸負方向の力の操作においては検知部材245を押すことで行うことができるので、Z軸正負どちらの方向に関しても操作性がよい。
また、操作前後において変位電極144、244の位置が多少ずれた場合でも、変位電極144とスイッチ用電極E15、もしくは、変位電極244とスイッチ用電極E16とが接触しない限り、静電容量型センサ40の容量素子C11、C12、C19〜C26に対応する出力信号はほとんど同じになる。これにより、静電容量型センサの容量素子C11、C12、C19〜C26に対応する出力信号Vx、Vy、Vzのヒステリシスを低減することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、上述の第1実施形態では、容量素子用電極E1との間に容量素子C1を構成する部材と、容量素子用電極E2との間に容量素子C2を構成する部材とは電気的に接続されていたが、容量素子用電極E1との間に容量素子C1を構成する部材と、容量素子用電極E2との間に容量素子C2を構成する部材とは別々の部材であり、電気的に接続されていなくてもよい。このとき、検知部材105、205に作用する力の方向にかかわらず、容量素子を構成する電極間隔が小さくなる場合の静電容量値の変化量に基づいて検知部材の変位を検出することによって、検知部材105、205に作用する力の方向にかかわらず、検知部材の変位を同じ感度で検出することができる。
また、上述の第1実施形態では、変位電極104は電気的にどこにも接続されずに絶縁状態(浮いた状態)になっていたが、変位電極104は電気的に絶縁されていなくてもよい。同様に、上述の第4実施形態では、変位電極144及び変位電極244は電気的にどこにも接続されずに絶縁状態(浮いた状態)になっていたが、変位電極144及び変位電極244は電気的に絶縁されていなくてもよい。
また、上述の第1実施形態では、Z軸方向の力検出用の容量素子用電極E1、E2のみ形成されており、Z軸方向の力のみ検出可能であったが、上述の第4実施形態のようにX軸方向及びY軸方向の力検出用の容量素子用電極を形成して、X軸、Y軸及びZ軸方向の力を検出することも可能である。
また、上述の第4実施形態では、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の力検出用の容量素子用電極E11、E12、E19〜E26を形成して、X軸、Y軸及びZ軸方向の力を検出可能であったが、Z軸方向の力検出用の容量素子用電極のみ形成して、Z軸方向の力のみ検出してもよい。
また、上述の第4実施形態では、Z軸方向の力検出用の容量素子用電極E11、E12の外側にX軸及びY軸方向の力検出用の容量素子用電極E19〜E26は形成されていたが、X軸及びY軸方向の力検出用の容量素子用電極が内側に形成され、その外側にZ軸方向の力検出用の容量素子用電極が形成されてもよい。
また、上述の第4実施形態では、変位電極144、244は分割されており、電気的に絶縁されていたが、変位電極144、244は分割されずに同部材で構成され、電気的に接続されていてもよい。この構成によると、変位電極とスイッチ用電極E15とが接触した場合、変位電極とスイッチ用電極E16とが接触した場合のいずれにおいても、容量素子C11の静電容量値の変化量及び容量素子C12の静電容量値の変化量の両方を用いた差動原理を利用して検知部材145、245の変位を検出することができる。従って、検知部材の変位を検出する場合の感度を向上させることができる。
10、40 静電容量型センサ
101、141、201、241 基板
104、144、244 変位電極
105、145、205、245 検知部材
E1、E2、E11、E12、E19〜E26 容量素子用電極
E3、E4、E15、E16 スイッチ用電極
101、141、201、241 基板
104、144、244 変位電極
105、145、205、245 検知部材
E1、E2、E11、E12、E19〜E26 容量素子用電極
E3、E4、E15、E16 スイッチ用電極
Claims (6)
- 第1の基板と、
前記第1の基板と離隔した状態で対向する第2の基板と、
外部からの力を受ける検知部材と、
前記第1の基板の内側面に形成された第1の容量素子用電極と、
前記第2の基板の内側面に形成された第2の容量素子用電極と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の容量素子用電極との間で第1の容量素子を構成する接地または一定の電位に保持された第1の導電性部材と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第2の容量素子用電極との間で第2の容量素子を構成する接地または一定の電位に保持された第2の導電性部材とを備えており、
前記検知部材が前記第1の基板と垂直な方向に変位するのに伴って、前記第1の容量素子用電極と前記第1の導電性部材との間隔及び前記第2の容量素子用電極と前記第2の導電性部材との間隔はいずれか一方が大きくなると他方が小さくなり、
前記第1及び第2の容量素子用電極に対して入力される信号を利用して前記第1及び第2の容量素子の少なくとも一方の静電容量値の変化が検出されることに基づいて前記検知部材の変位を認識可能であることを特徴とする静電容量型センサ。 - 第1の基板と、
前記第1の基板と離隔した状態で対向する第2の基板と、
外部からの力を受ける検知部材と、
前記第1の基板の内側面に形成された第1の容量素子用電極と、
前記第2の基板の内側面に形成された第2の容量素子用電極と、
前記第1の基板の内側面に形成され、接地または一定の電位に保持された第1のスイッチ用電極と、
前記第2の基板の内側面に形成され、接地または一定の電位に保持された第2のスイッチ用電極と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に前記第1のスイッチ用電極と離隔して配置され、前記第1の容量素子用電極との間で第1の容量素子を構成する絶縁状態に維持された第1の導電性部材と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に前記第2のスイッチ用電極と離隔して配置され、前記第2の容量素子用電極との間で第2の容量素子を構成する絶縁状態に維持された第2の導電性部材とを備えており、
前記検知部材が前記第1の基板と垂直な方向に変位するのに伴って、前記第1の容量素子用電極と前記第1の導電性部材との間隔及び前記第2の容量素子用電極と前記第2の導電性部材との間隔はいずれか一方が大きくなると他方が小さくなり、且つ、前記第1の導電性部材と前記第1のスイッチ用電極とが接触する状態及び前記第2の導電性部材と前記第2のスイッチ用電極とが接触する状態のいずれかの状態を取り得るものであり、
前記第1及び第2の容量素子用電極に対して入力される信号を利用して前記第1及び第2の容量素子の少なくとも一方の静電容量値の変化が検出されることに基づいて前記検知部材の変位を認識可能であることを特徴とする静電容量型センサ。 - 前記第1の導電性部材と前記第2の導電性部材とは電気的に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の静電容量型センサ。
- 基板と、
外部からの力を受ける検知部材と、
前記基板の一側面に形成された第1の容量素子用電極と、
前記基板の他側面に形成された第2の容量素子用電極と、
前記基板の一側面側に配置され、前記第1の容量素子用電極との間で第1の容量素子を構成する接地または一定の電位に保持された第1の導電性部材と、
前記基板の他側面側に配置され、前記第2の容量素子用電極との間で第2の容量素子を構成する接地または一定の電位に保持された第2の導電性部材とを備えており、
前記検知部材が前記基板と垂直な方向に変位するのに伴って、前記第1の容量素子用電極と前記第1の導電性部材との間隔及び前記第2の容量素子用電極と前記第2の導電性部材との間隔はいずれか一方が大きくなると他方が小さくなり、
前記第1及び第2の容量素子用電極に対して入力される信号を利用して前記第1及び第2の容量素子の少なくとも一方の静電容量値の変化が検出されることに基づいて前記検知部材の変位を認識可能であることを特徴とする静電容量型センサ。 - 基板と、
外部からの力を受ける検知部材と、
前記基板の一側面に形成された第1の容量素子用電極と、
前記基板の他側面に形成された第2の容量素子用電極と、
前記基板の一側面に形成され、接地または一定の電位に保持された第1のスイッチ用電極と、
前記基板の他側面に形成され、接地または一定の電位に保持された第2のスイッチ用電極と、
前記基板の一側面側に前記第1のスイッチ用電極と離隔して配置され、前記第1の容量素子用電極との間で第1の容量素子を構成する絶縁状態に維持された第1の導電性部材と、
前記基板の他側面側に前記第2のスイッチ用電極と離隔して配置され、前記第2の容量素子用電極との間で第2の容量素子を構成する絶縁状態に維持された第2の導電性部材とを備えており、
前記検知部材が前記基板と垂直な方向に変位するのに伴って、前記第1の容量素子用電極と前記第1の導電性部材との間隔及び前記第2の容量素子用電極と前記第2の導電性部材との間隔はいずれか一方が大きくなると他方が小さくなり、且つ、前記第1の導電性部材と前記第1のスイッチ用電極とが接触する状態及び前記第2の導電性部材と前記第2のスイッチ用電極とが接触する状態のいずれかの状態を取り得るものであり、
前記前記第1及び第2の容量素子用電極に対して入力される信号を利用して前記第1及び第2の容量素子の少なくとも一方の静電容量値の変化が検出されることに基づいて前記検知部材の変位を認識可能であることを特徴とする静電容量型センサ。 - 前記第1の導電性部材と前記第2の導電性部材とは電気的に接続されていることを特徴とする請求項5に記載の静電容量型センサ。
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