JP2004020210A - 静電容量式センサ - Google Patents

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JP2004020210A JP2002171343A JP2002171343A JP2004020210A JP 2004020210 A JP2004020210 A JP 2004020210A JP 2002171343 A JP2002171343 A JP 2002171343A JP 2002171343 A JP2002171343 A JP 2002171343A JP 2004020210 A JP2004020210 A JP 2004020210A
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Abstract

【課題】スリープモードに切り換えることによって、消費電力を低減する。
【解決手段】基板20上において、絶縁状態に維持された変位電極40から離隔すると共に、変位電極40の端部近傍に対応する位置に、接地された復帰スイッチ用電極E11および電源電圧に保持された復帰スイッチ用電極E12を配置する。従って、操作ボタン31に対する操作が行われた場合には、まず最初に復帰スイッチ用電極E11、E12と変位電極40とが必ず接触して、復帰スイッチ用電極E11、E12と変位電極40とが接触した状態が維持されつつ、変位電極40が変位させられる。これにより、操作ボタン31に対する操作が行われたことを確実に検出することができるようになる。
【選択図】        図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部から加えられる力の検出を行うために用いて好適な静電容量式センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
静電容量式センサは、操作者によって加えられた力の大きさおよび方向を電気信号に変換する装置として一般的に利用されている。例えば、携帯電話の入力装置として、多次元方向の操作入力を行うための静電容量式センサをいわゆるジョイスティックとして組み込んだ装置が利用されている。
【0003】
静電容量式センサでは、操作者から加えられた力の大きさとして、所定のダイナミックレンジをもった操作量を入力することができる。また、加えられた力を各方向成分ごとに分けて検出することが可能な二次元または三次元のセンサとしても利用されている。特に、2枚の電極によって静電容量素子を形成し、電極間隔の変化に起因する静電容量値の変化に基づいて力の検出を行う静電容量式力覚センサは、構造を単純化してコストダウンを図ることができるメリットがあるために、さまざまな分野で実用化されている。
【0004】
ここで、例えば、本件出願人による2000年12月27日付けの特許協力条約に基づく国際出願に係るPCT/JP00/09355号明細書には、図16に示すような静電容量式センサ501が記載されている。静電容量式センサ501は、基板520と、人などによって操作されることによって外部から力が加えられる操作用部材である検知部材530と、導電性を有する変位電極512と、基板520上に形成された容量素子用電極E501〜E505および基準電極(共通電極)E500と、容量素子用電極E501〜E505および基準電極E500に密着して基板520上を覆うように形成された絶縁膜513と、検知部材530および変位電極512を基板520に対して支持固定する支持部材560とを有している。
【0005】
基板520上には、図17に示すように、原点Oを中心とする円形の容量素子用電極E505と、その外側に扇形の容量素子用電極E501〜E504と、さらにその外側に原点Oを中心とする環状の基準電極E500とが形成されている。なお、変位電極512と容量素子用電極E501〜E505とのそれぞれの間には、容量素子が構成されている。
【0006】
ここで、静電容量式センサ501では、容量素子用電極E501〜E505に対して、常にクロック信号などの信号が入力されている。そして、容量素子用電極E501〜E505に信号が入力されている状態で、検知部材530が外部からの力を受けて変位すると、これにともなって変位電極512がZ軸方向に変位する。すると、変位電極512と容量素子用電極E501〜E505とのそれぞれの間に構成された容量素子の電極間隔が変化することにより、これらの容量素子のそれぞれの静電容量値が変化して、容量素子用電極E501〜E505に入力された信号の位相にずれが生じる。このように、入力された信号に生じる位相のずれを利用して、検知部材530の変位、つまり、検知部材530が外部から受けた力のX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の大きさと方向を知ることが可能となっている。
【0007】
従って、静電容量式センサ501においては、検知部材530に対する操作の有無に拘わらず、容量素子用電極E501〜E505に対して信号が入力されているため、常に電力が消費されていることになる。そこで、静電容量式センサ501に対する操作が長時間にわたって行われない場合には、容量素子用電極E501〜E505に対する信号の入力が適宜停止されることが好ましい。
【0008】
ここで、例えばオン状態とオフ状態とを切り換え可能なスイッチ機能を有する入力装置をマイコン制御システムとともに用いると、所定時間が経過しても操作が行われない(スイッチの切り換えが行われない)場合には、消費電力が極力小さく押さえられたスリープモードに自動的に切り換えられることが多い。そして、操作が行われた時点で、自動的にスリープモードが解除されるようになっている。なお、かかる入力装置からの出力信号は、電源電圧付近のHiレベルおよび接地電位付近のLoレベルのいずれかの信号であって、操作が行われた場合には、その出力信号はLoレベルからHiレベルに或いはHiレベルからLoレベルに切り換わる。つまり、かかる入力装置では、操作後における出力信号は、操作前の状態から必ず電源電圧の約半分であるスレッシホールド電圧(しきい値電圧)を跨いで変化する。従って、かかる入力装置の出力信号を監視することによって、操作が行われたことを確実に検出できるため、スリープモードを適正に解除することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、静電容量式センサ501では、検知部材530に加えられる力の大きさによって、出力信号がスレッシホールド電圧を跨いで変化しない場合がある。従って、静電容量式センサ501において、上述のスイッチ機能を有する入力装置と同様に、所定時間が経過しても操作が行われない場合に自動的にスリープモードに切り換えられた場合には、静電容量式センサ501の出力信号を監視していても、検知部材530に対する操作が行われたことを確実に検知することができないため、スリープモードが適正に解除されないという問題が生じる。従って、静電容量式センサ501においては、検知部材530に対する操作が長時間にわたって行われない場合でも、スリープモードに切り換えることができず、電力が無駄に消費されてしまう。
【0010】
また、静電容量式センサ501では、検知部材530に対する操作が行われているか否かに拘わらず、変位電極512と容量素子用電極E501〜E505との間に構成される容量素子には電圧がかかっている。従って、検知部材530に対する操作が行われることによって当該容量素子に蓄えられている電荷量が変化したとしても、検知部材530に対する操作前および操作後における当該容量素子に蓄えられている電荷量および検知部材に対する操作が行われている場合の当該容量素子に蓄えられている電荷量は、いずれも大きなものとなっている。そのため、検知部材530の操作前の位置と操作後の位置とが異なっている場合、つまり、変位電極512の復帰位置が元の位置からずれた場合においても、当該容量素子には十分な電荷量を蓄えることができるのでセンサとして十分に機能するため、検知部材530に対する操作前および操作後における静電容量式センサ501からの出力信号の変化量を無視することが出来なくなる。これにより、静電容量式センサ501の出力信号のヒステリシスが大きくなる。
【0011】
そこで、本発明の目的は、マイコン制御システムとともに用いられた場合に、スリープモードに切り換えることによって、消費電力を低減することができる静電容量式センサを提供することである。
【0012】
また、本発明のさらなる目的は、出力信号のヒステリシスを低減することができる静電容量式センサを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の静電容量式センサは、基板と、前記基板と対向している検知部材と、前記基板と前記検知部材との間に位置し、前記検知部材が前記基板と垂直な方向に変位するのに伴ってそれと同じ方向に変位可能であって、絶縁状態に維持された導電性部材と、前記基板上に形成され、前記導電性部材との間で容量素子を構成する容量素子用電極と、前記導電性部材から離隔するように配置されており、接地された1または複数の第1のスイッチ用電極と、前記導電性部材から離隔するように配置されており、接地電位とは異なる電位に保持された1または複数の第2のスイッチ用電極とを備えており、前記導電性部材が、前記検知部材が変位するのに伴って、前記容量素子用電極に向かう方向に変位し且つ前記第1のスイッチ用電極および前記第2のスイッチ用電極と接触可能であって、前記容量素子用電極に対して入力される信号を利用して前記導電性部材と前記容量素子用電極との間隔の変化に起因する前記容量素子の静電容量値の変化が検出されることに基づいて前記検知部材の変位を認識可能であることを特徴とするものである。
【0014】
請求項1によると、検知部材に対する操作が行われた場合(検知部材の変位が検出される場合)には、検知部材が変位するのに伴って、導電性部材が変位することによって、まず最初に第1および第2のスイッチ用電極と導電性部材とが必ず接触する。そして、第1および第2のスイッチ用電極と導電性部材とが接触した状態が維持されつつ、導電性部材がさらに変位させられる。ここで、第1および第2のスイッチ用電極と導電性部材とが接触する状態および接触しない状態における静電容量式センサの第2のスイッチ用電極からの出力信号は、第2のスイッチ用電極が保持される電位付近のHiレベルおよび接地電位付近のLoレベルのいずれかの信号であるため、例えば両者が接触しない状態から接触する状態に切り換わる場合の第2のスイッチ用電極からの出力信号は、必ずスレッシホールド電圧を跨いで変化する。従って、静電容量式センサの第2のスイッチ用電極からの出力信号を監視することによって、静電容量式センサに対する操作が行われたことを確実に検出できるため、スリープモードを確実に解除することができる。これにより、静電容量式センサにおいても、検知部材に対する操作が長時間にわたって行われない場合には、スリープモードに切り換えることによって、消費電力を低減することができる。
【0015】
また、検知部材に対する操作が行われていない場合には、導電性部材が絶縁状態に維持されているため、導電性部材と容量素子用電極との間に構成される容量素子には電圧がかからない。そのため、当該容量素子に蓄えられている電荷量が無視できる程度に小さくなり、出力信号は一定の大きさで安定している。一方、検知部材に対する操作が行われると、導電性部材が第1のスイッチ用電極を介して接地されるため、当該容量素子に電圧がかかるようになる。そのため、当該容量素子に蓄えられている電荷量が急激に大きくなり、出力信号が当該容量素子の静電容量値の変化に応じて大きく変化する。このように、検知部材に対する操作前および操作後における当該容量素子に蓄えられている電荷量は、検知部材に対する操作が行われている場合と比較すると、いずれも無視できる程度に小さい。そのため、検知部材の操作前の位置と操作後の位置とが異なっている場合、つまり、導電性部材の復帰位置が元の位置からずれた場合でも、検知部材に対する操作前および操作後における静電容量式センサの容量素子に対応する(容量素子用電極からの)出力信号は、ほとんど同じになる。これにより、静電容量式センサの容量素子に対応する出力信号のヒステリシスを低減することができる。
【0016】
なお、「検知部材の変位を認識可能である」とは、「検知部材に外部から加えられる力を認識可能である」ということとほぼ同じ意味である。また、請求項1において、「接地電位とは異なる電位」とは、「所定のスレッシホールド電圧の絶対値よりも大きい絶対値を有する電位」を示している。
【0017】
請求項2の静電容量式センサは、前記第1のスイッチ用電極および前記第2のスイッチ用電極が、前記基板上に設けられていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項2によると、第1および第2のスイッチ用電極が形成し易いため、センサの製造工程が簡略化される。
【0019】
請求項3の静電容量式センサは、前記第1のスイッチ用電極および前記第2のスイッチ用電極が、いずれも互いに隣接して配置された環状の部材であって、前記第1のスイッチ用電極が、前記第2のスイッチ用電極に近接する方向に向かって突出する複数の第1の突出部を有しており、前記第2のスイッチ用電極が、前記第1のスイッチ用電極に近接する方向に向かって突出する複数の第2の突出部を有しており、前記第1の突出部と前記第2の突出部とは交互に設けられていることを特徴とするものである。
【0020】
請求項3によると、導電性部材が、第1および第2のスイッチ用電極とほぼ同時に接触するようになるため、静電容量式センサに対する操作が行われた場合に、スリープモードをより確実に解除することができる。
【0021】
請求項4の静電容量式センサは、前記基板上に配置された光源と、前記光源と前記検知部材との間に配置された透光領域および非透光領域を有する膜状部材とをさらに備えており、前記検知部材は、透光性を有していることを特徴とするものである。
【0022】
請求項4によると、光源から出射された光は、膜状部材に形成された所定形状の透光領域に対応する部分を通過して検知部材に導かれるため、検知部材を外部から見たとき、透光領域の所定形状の部分のみを照らし出すようにすることができる。したがって、検知部材の位置および操作方向を容易に把握することができるようになり、特に静電容量式センサを備えた機器を暗い場所で使用する場合でも検知部材に対する操作を適切に施すことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0024】
まず、本発明の第1の実施の形態に係る静電容量式センサ1の構成について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る静電容量式センサの模式的な断面図である。図2は、図1の静電容量式センサの基板上に形成されている複数の電極の配置を示す図である。
【0025】
静電容量式センサ1は、基板20と、人などによって操作されることによって外部から力が加えられる操作用の操作ボタン31および操作ボタン31を基板20に対して支持固定する支持部材32を含む検知部30と、変位電極40と、基板20上に形成された容量素子用電極E1〜E4(図1ではE1およびE2のみを示す)と、基板20上に形成された復帰スイッチ(ウェイクアップスイッチ)用電極E11、E12と、容量素子用電極E1〜E4に密着して基板20上を覆うように形成された絶縁膜(レジスト膜)50と、ハウジング70とを有している。
【0026】
ここでは、説明の便宜上、図示のとおり、XYZ三次元座標系を定義し、この座標系を参照しながら各部品に配置説明を行うことにする。すなわち、図1では、基板20上の容量素子用電極E1とE2との間の中心位置に原点Oが定義され、右水平方向にX軸が、上垂直方向にZ軸が、紙面に垂直奥行方向にY軸がそれぞれ定義されている。従って、基板20の表面は、XY平面を規定し、変位電極40および操作ボタン31のそれぞれの中心位置をZ軸が通ることになる。
【0027】
基板20は、一般的な電子回路用のプリント回路基板であり、この例ではガラスエポキシ基板が用いられている。また、基板20として、ポリイミドフィルムなどのフィルム状の基板を用いてもよいが、フィルム状の基板の場合は可撓性を有しているため、十分な剛性をもった支持基板上に配置して用いるのが好ましい。なお、本実施の形態では、基板20上には、後述するマイコン5(図7参照)および電子回路(センサ回路)が設けられている。
【0028】
検知部30は、容量素子用電極E1〜E4の上方に配置された操作ボタン31と、容量素子用電極E1〜E4の外側に配置された支持部材32と、操作ボタン31と支持部材32とを連結する連結部33とを有している。なお、検知部30は、例えばシリコンゴムなどの弾性を有する材料により形成されている。
【0029】
操作ボタン31は、所定の高さを有する略円柱状の部材である。ここで、操作ボタン31の径は、復帰スイッチ用電極E11の外径とほぼ同じ径を有している。また、操作ボタン31の上面には、X軸およびY軸のそれぞれの正方向および負方向に対応するように、すなわち、容量素子用電極E1〜E4に対応するように、操作方向(カーソルの移動方向)に対応した矢印が形成されている。
【0030】
また、支持部材32は、基板20上に配置された平板状の部材である。また、支持部材32には、基板20上の容量素子用電極E1〜E4および復帰スイッチ用電極E11、E12に対応する位置に、復帰スイッチ用電極E12の外径よりも大きい径を有する開口32aが形成されている。
【0031】
そして、操作ボタン31は、支持部材32の開口32a内に配置されており、両者は連結部33によって連結されている。連結部33は、操作ボタン31の下端部近傍から外側下方に向かって突出しており、支持部材32の開口32aの側面中央部近傍に接続されている。ここで、連結部33は、テーパ状形状に加工されており、操作ボタン31側の端部の方が支持部材32側の端部よりも高い位置に配置されている。従って、操作ボタン31は、その下面と基板20との間に所定間隔の空隙が形成されるように配置されることになる。なお、連結部33は、操作ボタン31および支持部材32よりも薄い厚さを有している。
【0032】
変位電極40は、導電性を有するシリコンゴムで形成され、復帰スイッチ用電極E11の外径とほぼ同じ径を有する円盤状であり、操作ボタン31の下面に一体に成形されている。なお、変位電極40としては、導電性を有するシリコンゴムの他、例えば、導電性熱可塑性樹脂(PPT、エラストマー)、導電性プラスチック、非導電性のゴムなどの弾性体上に導電性インクが塗布されたもの、非導電性のゴムなどの弾性体上にスパッタリング法などによって金属膜(金属蒸着フィルム)が形成されたものであってもよい。
【0033】
また、基板20上には、図2に示すように、X軸およびY軸のそれぞれの正方向および負方向に対応するとともに、原点Oに対して対称に配置された略扇形形状である容量素子用電極E1〜E4と、それらの外側に配置された環状の円周部11aおよび円周部11aから外側に向かって突出する複数の突出部11bから構成される復帰スイッチ用電極E11と、復帰スイッチ用電極E11の外側に配置された環状の円周部12aおよび円周部12aから内側に向かって突出する複数の突出部12bから構成される復帰スイッチ用電極E12とが設けられている。
【0034】
ここでは、容量素子用電極E1はX軸の正方向に対応するように配置され、一方、容量素子用電極E2はX軸の負方向に対応するように配置されており、外部からの力のX軸方向成分の検出に利用される。また、容量素子用電極E3はY軸の正方向に対応するように配置され、一方、容量素子用電極E4はY軸の負方向に対応するように配置され、外部からの力のY軸方向成分の検出に利用される。また、一対の容量素子用電極E1およびE2は、X軸方向に離隔してY軸に対して線対称に配置されている。また、一対の容量素子用電極E3およびE4は、Y軸方向に離隔してX軸に対して線対称に配置されている。
【0035】
また、復帰スイッチ用電極E11、E12は、図1に示すように、変位電極40の端部近傍に対向するように配置されている。そして、復帰スイッチ用電極E11、E12において、円周部11aおよび円周部12aは、全周にわたって同じ幅を有している。また、突出部11bおよび突出部12bは、いずれも円周部11aおよび円周部12aとほぼ同じ幅を有するとともに、円周部11aと円周部12aとが離隔する間隔よりも短い長さの略矩形状をしている。また、突出部11bと突出部12bとは、円周方向に沿って交互に配置されており、復帰スイッチ用電極E11の外周部および復帰スイッチ用電極E12の内周部は、いずれも櫛歯状に形成されている。なお、突出部11bおよび突出部12bの数および形状は、任意に変更することが可能であって、両者は接触しない範囲で出来る限り隙間無く配置されていることが好ましい。
【0036】
なお、容量素子用電極E1〜E4および復帰スイッチ用電極E11、E12は、スルーホールなどを利用して端子T1、T2、T11、T12(図3参照)にそれぞれ接続されており、これらの端子を通じてマイコン5および電子回路に接続されるようになっている。
【0037】
また、絶縁膜50は、基板20上の容量素子用電極E1〜E4に密着して、基板20上を覆うように形成されている。このため、銅などで形成された容量素子用電極E1〜E4は空気にさらされることがなく、それらが酸化されるのを防止する機能を有している。また、復帰スイッチ用電極E11、E12の表面上には、酸化防止対策として、導電性を有するハンダが塗布されている。なお、容量素子用電極E1〜E4および復帰スイッチ用電極E11、E12において、その表面への金メッキ或いは銀メッキの形成などの酸化防止対策を施しておいてもよい。
【0038】
ここで、上述したように、操作ボタン31の下面と基板20との間には所定間隔の空隙が形成されているが、その間隔は変位電極40、容量素子用電極E1〜E4および絶縁膜50のそれぞれの厚さの合計よりも大きくなっている。従って、操作ボタン31に対して操作が行われていない状態では、変位電極40の下面と、容量素子用電極E1〜E4上の絶縁膜50の上面との間には、空隙が存在する。なお、絶縁膜50が配置されているため、容量素子用電極E1〜E4と、変位電極40とが直接接触して誤作動することはない。
【0039】
また、ハウジング70は、支持部材32上において、操作ボタン31の周囲を覆うように配置されている。なお、ハウジング70および基板20は、その間に配置された弾性材料で形成された支持部材32を挟持している。従って、ハウジング70と支持部材32との接合部は、シール効果による防水および防塵機能を有している。
【0040】
また、本実施の形態では、復帰スイッチ用電極E11、E12が、操作ボタン31に対する操作が行われて変位電極40が傾いた場合に、最も大きく変位する変位電極40の操作方向の端部近傍に対応するように配置されているため、変位電極40が変位し始めてから比較的早い段階で復帰スイッチ用電極E11、E12と接触するようになる。その結果、静電容量式センサ1の操作性を向上させることができる。
【0041】
また、本実施の形態のように、変位電極40が導電性を有する弾性体である場合には、変位電極40と復帰スイッチ用電極E11、E12との間のチャタリングが発生しにくく、両者の間に形成されるスイッチのオン/オフ制御を適正に行うことが可能である。
【0042】
また、本実施の形態では、操作ボタン31、支持部材32および変位電極40は、いずれも弾性材料によって形成されているため、衝撃に強く耐久性に優れた静電容量式センサ1を含むジョイスティクを製造することができる。
【0043】
また、本実施の形態では、操作ボタン31と支持部材32との間の連結部33がテーパ状形状に加工されているため、連結部33の復元力により、操作ボタン31に対する操作が行われた後、操作ボタン31に力が加えられなくなった場合に、操作ボタン31が元の位置に復帰し易くなっている。さらに、操作ボタンに対する操作を行う場合に、軽いクリック感を感じつつ操作を行うことができるようになっている。なお、連結部33は、必ずしもテーパ状形状に加工される必要はないが、本実施の形態と同様の機能を有していることが好ましい。
【0044】
また、本実施の形態における基板20、検知部30およびハウジング70を、本発明の静電容量式センサ1の周辺部に配置される他のスイッチなどの部材と統合して製造することによって、大きなコストダウン効果が期待できる。
【0045】
次に、静電容量式センサ1の回路構成について、図3を参照して説明する。図3は、図1に示す静電容量式センサの構成に対する等価回路図である。
【0046】
静電容量式センサ1では、変位電極40と容量素子用電極E1〜E4との間には、共通の電極である変位可能な変位電極40と、固定された個別の容量素子用電極E1〜E4で形成される容量素子C1〜C4が構成されている。ここで、容量素子C1〜C4では、変位電極40と容量素子用電極E1〜E4との間の間隔が操作ボタン31に対する操作が行われた場合には狭くなって、その加えられた力が解除されると元の間隔に戻ることが可能であり、それぞれ変位電極40の変位に起因して静電容量値が変化するように構成された可変容量素子であるということができる。
【0047】
また、復帰スイッチS1が、変位電極40と、復帰スイッチ用電極E11、E12との間に形成されている。つまり、復帰スイッチS1は、変位電極40が、復帰スイッチ用電極E11、E12と接触する状態(オン状態)および復帰スイッチ用電極E11、E12と接触しない状態(オフ状態)のいずれかの状態を取り得るようになっている。
【0048】
なお、変位電極40は、復帰スイッチS1がオフ状態である場合には、復帰スイッチ用電極E11、E12のいずれからも離隔しており、電気的にどこにも接続されずに絶縁された状態(浮いた状態)になっている。また、復帰スイッチ用電極E11に接続された端子T11は接地されており、復帰スイッチ用電極E12に接続された端子T12は、プルアップ抵抗素子R5を介して電源電圧Vccに保持されている。
【0049】
従って、後述するように、変位電極40が復帰スイッチ用電極E11、E12と接触する状態(復帰スイッチS1のオン状態)において、容量素子用電極E1〜E4のそれぞれに接続された端子T1または端子T2から入力され、容量素子C1〜C4を含む遅延回路を通過した周期信号を利用して、操作ボタン31に加えられた力を検出することができる。
【0050】
ここで、静電容量式センサ1は、操作ボタン31に対して加えられる力を検出可能なモード(以下、「通常モード」と称する)および消費電力が極力小さく押さえられたモード(以下、「スリープモード」と称する)のいずれかを選択的に取り得ることができる。そして、通常モードにおいて、所定時間が経過しても、操作ボタン31に対する操作が行われない場合には、通常モードからスリープモードに自動的に切り換わるようになっている。一方、スリープモードにおいて、操作ボタン31に対する操作が行われた場合には、スリープモードが解除されて、スリープモードから通常モードに自動的に復帰するようになっている。
【0051】
通常モードでは、後で詳述するように、容量素子用電極E1〜E4に接続された端子T1、T2に対して周期信号が入力される。そして、これらの周期信号が利用されることによって、変位電極40と容量素子用電極E1〜E4との間で構成される容量素子C1〜C4の静電容量値が検出されて、操作ボタン31に対して加えられた力の方向および大きさが検出される。
【0052】
これに対して、スリープモードでは、容量素子用電極E1〜E4に接続された端子T1、T2に対して周期信号が入力されなくなる。従って、操作ボタン31に対する操作が行われない状態(待ち受け状態)において、電力が無駄に消費されるのが抑制される。
【0053】
また、基板20上のマイコン5には、通常モードにおいて、直前の操作ボタン31に対する操作終了時からの経過時間を測定するためのタイマ6(図7参照)が設けられている。なお、通常モードにおいて、操作ボタン31に対する操作が行われない場合に、スリープモードに自動的に切り換えるまでの時間(所定時間)はあらかじめ設定されている。
【0054】
ここで、静電容量式センサ1におけるモード切り換えについて、図4を参照して説明する。図4は、図1に示す静電容量式センサにおけるモード切り換えを説明するための図である。なお、図4では、時間経過に対する通常モード、スリープモードおよび復帰スイッチのそれぞれの状態(オン状態またはオフ状態)が互いに対応するように描かれている。
【0055】
まず、図4の時間t1においては、操作ボタン31に対する操作が行われているとする。従って、操作ボタン31に対する操作が行われているため、復帰スイッチS1はオン状態になっているとともに、静電式容量式センサ1のモードは通常モードになっている(通常モードがオン状態になっているとともにスリープモードがオフ状態になっている)。
【0056】
引き続き、図4の時間t2に達するまでは、操作ボタン31に対する操作が継続して行われている。そして、時間t2において操作ボタン31に対する操作が行われなくなると、復帰スイッチS1がオン状態からオフ状態に切り換わる。これとほぼ同時に、マイコン5のタイマ6の作動が開始される。
【0057】
その後、操作ボタン31に対する操作が行われなくなった時間t2から、所定時間t0だけ経過した時間t3までの間は、通常モードにおいて、操作ボタン31に対する操作が行われない状態が維持される。なお、本実施の形態では、通常モードにおいて、操作ボタン31に対する操作が行われない状態が所定時間t0の間だけ継続された場合に、通常モードからスリープモードに自動的に切り換わるように設定されている。
【0058】
従って、図4の時間t3に達すると、通常モードからスリープモードに切り換わる。つまり、通常モードがオン状態からオフ状態に切り換わるとともに、スリープモードがオフ状態からオン状態に切り換わる。そして、再度、操作ボタン31に対する操作が行われるまでの間は、スリープモードがオン状態に維持される。
【0059】
その後、図4の時間t4において、再度、操作ボタン31に対する操作が行われると、復帰スイッチS1がオフ状態からオン状態に切り換わるのとほぼ同時に、スリープモードから通常モードに切り換わる。つまり、スリープモードがオン状態からオフ状態に切り換わるとともに、通常モードがオフ状態からオン状態に切り換わる。
【0060】
ここで、復帰スイッチS1がオフ状態からオン状態に切り換わると、復帰スイッチ用電極E12の電圧は、必ず電源電圧の約半分であるスレッシホールド電圧を跨いで変化する。従って、マイコン5において、復帰スイッチ用電極E12に接続された端子T12の電圧の変化を監視しておけば、操作ボタン31に対する操作が行われたことを確実に検出することができる。
【0061】
なお、マイコン5のタイマ6は、再度、操作ボタン31に対する操作が行われた時点で、停止するとともにリセットされる。そして、図4の時間t4において開始された操作ボタン31に対する操作が行われなくなると、タイマ6の作動が開始される。
【0062】
次に、上述のように構成された本実施の形態に係る静電容量式センサ1の動作について、図面を参照して説明する。図5は、図1に示す静電容量式センサの操作ボタンにX軸正方向への操作が行われた場合の側面の模式的な断面図である。
【0063】
図1に示す操作ボタン31に力が作用していないときの状態において、図5に示すように、操作ボタン31にX軸正方向への操作が行われた場合、すなわち、操作ボタン31の上面に形成されたX軸正方向に対応するように矢印を基板20側に押し下げるような力(Z軸負方向への力)が加えられた場合を考える。
【0064】
操作ボタン31のX軸正方向に対応する部分が押し下げられることにより、操作ボタン31と支持部材32との間の連結部33が弾性変形を生じてたわみ、操作ボタン31のX軸正方向に対応する部分が下方へと変位する。このとき、操作ボタン31の下面に配置された変位電極40は、操作ボタン31と同様に変位するため、変位電極40のX軸正方向に対応する部分が下方へと変位して、基板20に対して所定の傾きを有するようになる。
【0065】
このように、変位電極40の当該部分が所定高さだけ押し下げられると、変位電極40のX軸正方向端部近傍と復帰スイッチ用電極E11、E12とがほぼ同時に接触するようになる。これにより、復帰スイッチS1がオフ状態からオン状態に切り換わる。このとき、復帰スイッチ用電極E11は接地されているため、復帰スイッチ用電極E11に接触させられた変位電極40も接地されることになる。なお、このとき、変位電極40と容量素子用電極E1と間の間隔が、操作ボタン31に対する操作が行われる前と比較して小さくなっている。
【0066】
その後、引き続き、操作ボタン31が押し下げられると、復帰スイッチS1がオン状態を保持しつつ、操作ボタン31および連結部33が弾性変形を生じてたわみ、変位電極40がさらに下方に変位する。このとき、変位電極40と容量素子用電極E1と間の間隔がさらに小さくなる。なお、一般的に、容量素子の静電容量値は、容量素子を構成する電極の間隔に反比例することより、容量素子C1の静電容量値は大きくなる。
【0067】
従って、操作ボタン31にX軸正方向への操作が行われた場合には、容量素子C1〜C4のなかで、変位電極40と容量素子用電極E1〜E4との間の間隔に最も大きな変化があった容量素子C1の静電容量値が最も大きく変化する。そして、このとき、後で詳述するように、端子T1に入力される周期信号Aは、容量素子C1を含む遅延回路を通過することによって位相にずれが生じ、その位相のずれが読み取られることによって出力信号Vxが導出される。
【0068】
また、このとき、変位電極40と容量素子用電極E2との間隔はほとんど変化しない。そのため、容量素子C2の静電容量値は大きく変化せず、容量素子C2を含む遅延回路を通過することによっては、位相に大きなずれは生じない。また、容量素子C3、C4の静電容量値の変化量は、それらの対称性より、ほぼ等しいので、容量素子C3、C4をそれぞれ含む遅延回路を通過することによる位相のずれはほぼ等しいものとなる。なお、操作ボタン31にX軸正方向への操作が行われた場合に、操作ボタン31の上面に対する力の加わり方によって、容量素子C2〜C4の静電容量値が変化することもあるが、その変化量は、容量素子C1の静電容量値の変化量と比較して小さい。
【0069】
次に、容量素子C1〜C4のそれぞれの静電容量値の変化から、操作ボタン31への外部からの力の大きさおよび方向を示す出力信号の導出方法について、図6〜図9を参照して説明する。図6は、図1に示す静電容量式センサに入力される周期信号から出力信号を導出する方法を説明するための説明図である。ここで、出力信号Vx、Vyの変化は、それぞれ外部からの力のX軸方向成分およびY軸方向成分の大きさおよび方向を示す。
【0070】
ここで、通常モードでは、出力信号Vx、Vyを導出するために、端子T1、T2に対して、常にクロック信号などの周期信号が入力される。そして、端子T1、T2に周期信号が入力されている状態で操作ボタン31が外部からの力を受けて変位すると、これにともなって変位電極40がZ軸負方向に変位し且つ復帰スイッチ用電極E11、E12と接触する。その後、容量素子C1〜C4の電極間隔が変化して、容量素子C1〜C4のそれぞれの静電容量値が変化する。すると、端子T1、T2に入力された周期信号の位相にずれが生じる。このように、周期信号に生じる位相のずれを利用して、操作ボタン31の変位、つまり、操作ボタン31が外部から受けた力のX軸方向およびY軸方向の大きさと方向を示す出力信号Vx、Vyを得ることができる。
【0071】
さらに詳細に説明すると、端子T1に対して周期信号Aが入力されるとき、端子T2に対しては周期信号Aと同一の周期で、かつ、周期信号Aの位相とは異なる周期信号Bが入力される。そのとき、操作ボタン31が外部から力を受けて、容量素子C1〜C4の静電容量値がそれぞれ変化すると、端子T1、T2にそれぞれ入力された周期信号Aおよび周期信号Bの少なくともいずれかの位相にずれが生じる。つまり、容量素子C1、C3の静電容量値が変化すると、端子T1にそれぞれ入力された周期信号Aの位相にずれが生じ、一方、容量素子C2、C4の静電容量値が変化すると、端子T2にそれぞれ入力された周期信号Bの位相にずれが生じる。
【0072】
すなわち、外部からの力にX軸方向成分が含まれる場合は、容量素子C1の静電容量値が変化し、端子T1に入力された周期信号Aの位相にずれが生じるか、或いは、容量素子C2の静電容量値が変化し、端子T2に入力された周期信号Bの位相にずれが生じるかのいずれか或いは両方である。ここで、容量素子C1、C2の静電容量値の変化は、外部からの力のX軸正方向成分、X軸負方向成分にそれぞれ対応している。このように、端子T1および端子T2にそれぞれ入力された周期信号Aおよび周期信号Bの位相のずれを例えば排他和回路などで読み取ることによって、出力信号Vxが導出される。この出力信号Vxの変化量の符号が、外部からの力のX軸方向成分が正方向または負方向の向きかを示し、出力信号Vxの変化量の絶対値がX軸方向成分の大きさを示す。
【0073】
また、外部からの力にY軸方向成分が含まれる場合は、容量素子C3の静電容量値が変化し、端子T1に入力された周期信号Aの位相にずれが生じるか、或いは、容量素子C4の静電容量値が変化し、端子T2に入力された周期信号Bの位相にずれが生じるかのいずれか或いは両方である。ここで、容量素子C3、C4の静電容量値の変化は、外部からの力のY軸正方向成分、Y軸負方向成分にそれぞれ対応している。このように、端子T1および端子T2にそれぞれ入力された周期信号Aおよび周期信号Bの位相のずれを例えば排他和回路などで読み取ることによって、出力信号Vyが導出される。この出力信号Vyの変化量の符号が、外部からの力のY軸方向成分が正方向または負方向の向きかを示し、出力信号Vyの変化量の絶対値がY軸方向成分の大きさを示す。
【0074】
次に、端子T1、T2に入力された周期信号A、Bによる出力信号Vx、Vyを導出するための信号処理回路について、図7を参照しながら説明する。図7は、図1に示す静電容量式センサの信号処理回路を示す回路図である。
【0075】
ここで、マイコン5には、入力ポート5aおよび出力ポート5b、5cが設けられている。入力ポート5aは、復帰スイッチS1を構成する復帰スイッチ用電極E12に接続されている。また、入力ポート5aは、プルアップ抵抗素子R5を介して一定の電圧値を有する電源電圧Vccに接続されている。出力ポート5b、5cは、容量素子用電極E1〜E4に連結された端子T1、T2にそれぞれ接続されている。
【0076】
従って、復帰スイッチS1がオフ状態では、入力ポート5aは電源電圧Vccに維持されている。このとき、出力ポート5b、5cからは端子T1、T2に対して周期信号は供給されない。つまり、端子T1、T2における電圧が変動しなくなるため、この状態(スリープモード)において、電力が無駄になるのが抑制される。そして、復帰スイッチS1がオン状態になると、プルアップ抵抗素子R5が接地されるとともに、入力ポート5aも接地される。このとき、出力ポート5b、5cから端子T1、T2に対して周期信号が供給されるようになる。ここで、端子T1、T2に対しては、周期信号発振器(図示しない)から所定周波数の周期信号が供給される。
【0077】
なお、入力ポート5aは、ディジタル入力ポートであって、入力ポート5aでは、電源電圧付近のHiレベルおよび接地電位付近のLoレベルのいずれかの判別しか行うことができない。また、端子T1、T2に対して周期信号を供給するか否か(周期信号を供給するタイミング)は、マイコン5によって判定されるが、復帰スイッチS1がオフ状態からオン状態に切りかわるとほぼ同時に、端子T1、T2に対して周期信号が供給されるのが一般的である。
【0078】
また、端子T1には、抵抗素子R1、R3が接続されており、端子T2には、抵抗素子R2、R4が接続されている。また、抵抗素子R1、R2の出力端および抵抗素子R3、R4の出力端には、それぞれ排他和回路の論理素子であるEX−OR素子100、101が接続されており、その出力端は端子T120、T121に接続されている。そして、端子T120、T121には、ローパスフィルター(平滑回路)110、111が接続されており、その出力端は端子T130、T131に接続されている。また、抵抗素子R1〜R4の出力端は、それぞれ容量素子用電極E1〜E4に接続され、それぞれ変位電極40との間で容量素子C1〜C4を構成している。
【0079】
ここで、ローパスフィルター110、111は、EX−OR素子100、101から出力される出力信号Vxをアナログ電圧Vx ’に変換するためのものである。つまり、容量素子C1〜C4のそれぞれの静電容量値の変化が、ローパスフィルター110、111に入力される前の出力信号Vxの波形のデューティ比の変化として検出され、この信号をローパスフィルター110、111を通過させて平滑することにより、このデューティ比を電圧値に変換して利用することができる。ローパスフィルター110、111は、抵抗素子R110、R111および容量素子C110、C111でそれぞれ構成されている。なお、容量素子C110、C111の2つの電極のなかで抵抗素子R110、R111に接続されていない方の電極は接地されている。
【0080】
従って、EX−OR素子100、101から端子T120、T121に対して出力される出力信号Vx は、ローパスフィルター110、111を通過することにより平滑され、端子T130、T131に対してアナログ電圧Vx ’として出力される。このアナログ電圧Vx ’の値は、出力信号Vx のデューティ比に比例して変化する。したがって、出力信号Vx のデューティ比が大きくなるとそれに伴ってアナログ電圧Vx ’の値も大きくなり、一方、出力信号Vx のデューティ比が小さくなるとそれに伴ってアナログ電圧Vx ’の値も小さくなる。また、出力信号Vx のデューティ比がほとんど変化しないときはアナログ電圧Vx ’の値もほとんど変化しない。
【0081】
ここから、X軸方向成分の出力信号Vxの導出方法について、図8および図9を参照して説明する。図8は、図1に示す静電容量式センサのX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図(図7の一部分)である。図9は、図8に示す信号処理回路の各端子および各節点における周期信号の波形を示す図である。なお、Y軸方向成分の出力信号Vyの導出方法については、X軸方向成分の出力信号Vxの導出方法と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0082】
図8の信号処理回路において、容量素子C1と抵抗素子R1および容量素子C2と抵抗素子R2はそれぞれCR遅延回路を形成している。従って、端子T1、T2に入力された周期信号(矩形波信号)は、それぞれCR遅延回路によって所定の遅延が生じ、EX−OR素子100に入力される。
【0083】
さらに詳細に説明すると、端子T1には周期信号f(φ)(上述の周期信号Aに対応している)が入力され、また、端子T2にはf(φ)と同一の周期で、かつ、位相がθだけずれている周期信号f(φ+θ)(上述の周期信号Bに対応している)が入力される。端子T1に入力される周期信号f(φ)は、容量素子C1と抵抗素子R1により構成されるCR遅延回路を通過して、節点X1に到達する。このとき、節点X1における周期信号には、図9に示すように、時間aの遅延が生じている。同様に、端子T2に入力される周期信号f(φ+θ)は、容量素子C2と抵抗素子R2により構成されるCR遅延回路を通過して、節点X2に到達する。このとき、節点X2における周期信号には、時間bの遅延が生じている。
【0084】
ここで、端子T1、T2にそれぞれ入力される異なる位相の周期信号f(φ)、f(φ+θ)は、1つの周期信号発振器から出力された周期信号を2つの経路に分け、その一方の経路に図示しないCR遅延回路を設け、CR遅延回路を通過する周期信号の位相を遅延させることによって発生させられる。なお、周期信号の位相をずらせる方法は、CR遅延回路を用いる方法に限らず、他のどのような方法であってもよいし、また、2つの周期信号発振器を用いて、それぞれ異なる位相の周期信号f(φ)、f(φ+θ)を発生させ、端子T1、T2のそれぞれに入力してもよい。
【0085】
ここで、時間a、bは、それぞれCR遅延回路における遅延時間に対応し、それぞれのCRの時定数により決定される。したがって、抵抗素子R1、R2の抵抗値が同一である場合は、時間a、bの値は容量素子C1、C2の静電容量値に対応するようになる。すなわち、容量素子C1、C2の静電容量値が大きくなると、時間a、bの値も大きくなり、容量素子C1、C2の静電容量値が小さくなると、時間a、bの値も小さくなる。
【0086】
このように、EX−OR素子100には、節点X1、X2における周期信号と同一の波形の信号が入力され、これらの信号の間で排他的論理演算が行われ、その結果を端子T120に対して出力される。ここで、端子T120に対して出力される信号は、所定のデューティ比をもった矩形波信号である(図9参照)。
【0087】
ここで、操作ボタン31のX軸正方向部分に対する操作が行われた場合(図5参照)の各端子および各節点における周期信号の波形を考えることにする。なお、この場合の信号処理回路における容量素子用電極E1、E2と変位電極40との間で構成される容量素子をC1’、C2’とし、操作ボタン31に対する操作が行われていない場合の信号処理回路の節点X1、X2および端子T120と同位置における各節点および端子を節点X1’、X2’および端子T120’とする(図8参照)。
【0088】
このとき、上述と同様に、図8の信号処理回路において、端子T1には周期信号f(φ)が入力され、また、端子T2には、f(φ)と同一の周期で位相がθだけずれている周期信号f(φ+θ)が入力されている。端子T1に入力される周期信号f(φ)は、容量素子C1’と抵抗素子R1により構成されるCR遅延回路を通過して、節点X1’に到達する。このとき、節点X1’における周期信号には、図9に示すように、時間a+Δaの遅延が生じている。これは、容量素子C1’の静電容量値が容量素子C1よりも大きくなったことにより、CR遅延回路の時定数が大きくなったためである。一方、端子T2に入力される周期信号f(φ+θ)は、容量素子C2’と抵抗素子R2により構成されるCR遅延回路を通過して、節点X2’に到達する。このとき、操作ボタン31のX軸負方向部分には力が加えられていないため、節点X2’における周期信号は、節点X2における周期信号と同じ波形を有している。
【0089】
このように、EX−OR素子100には、節点X1’、X2’における周期信号と同一の波形の信号が入力され、これらの信号の間で排他的論理演算が行われ、その結果を端子T120’に対して出力される。ここで、端子T120’に対して出力される信号は、所定のデューティ比をもった矩形波信号であり、図9に示すように、操作ボタン31に対する操作が行われていない場合において、端子T120に出力された矩形波信号よりも、デューティ比の小さい矩形波信号である。
【0090】
ここで、実際には、上述したように、端子T120および端子T120’に対して出力される信号は、いずれもローパスフィルター110によって平滑された後で出力される。
【0091】
なお、本実施の形態の静電容量式センサ1は、力覚センサとして用いられており、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パソコン、ゲーム、リモコンなどの入力装置(ジョイスティック)として利用されるのに好ましい。特に、電池駆動の入力装置に対して大変有用である。また、本実施の形態の静電容量式センサ1は、力覚センサとして用いられる場合に限らず、例えば加速度センサなど、その他のセンサとして用いられる場合も、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0092】
以上のように、本実施の形態に係る静電容量式センサ1においては、操作ボタン31に対する操作が行われた場合(操作ボタン31の変位が検出される場合)には、操作ボタン31が変位するのに伴って、変位電極40が変位することによって、まず最初に復帰スイッチ用電極E11、E12とと変位電極40とが必ず接触する。そして、復帰スイッチ用電極E11、E12と変位電極40とが接触した状態が維持されつつ、変位電極40がさらに変位させられる。ここで、復帰スイッチ用電極E11、E12と変位電極40とが接触する状態および接触しない状態における静電容量式センサ1の復帰スイッチ用電極E12からの出力信号は、復帰スイッチ用電極E12が保持される電位付近のHiレベルおよび接地電位付近のLoレベルのいずれかの信号であるため、例えば両者が接触しない状態から接触する状態に切り換わる場合の復帰スイッチ用電極E12からの出力信号は、必ずスレッシホールド電圧を跨いで変化する。従って、静電容量式センサ1の復帰スイッチ用電極E12からの出力信号を監視することによって、静電容量式センサ1に対する操作が行われたことを確実に検出できるため、スリープモードを確実に解除することができる。これにより、静電容量式センサ1においても、操作ボタン31に対する操作が長時間にわたって行われない場合には、スリープモードに切り換えることによって、消費電力を低減することができる。
【0093】
また、操作ボタン31に対する操作が行われていない場合には、変位電極40が絶縁状態に維持されているため、変位電極40と容量素子用電極E1〜E4との間に構成される容量素子C1〜C4には電圧がかからない。そのため、当該容量素子C1〜C4に蓄えられている電荷量が無視できる程度に小さくなり、出力信号は一定の大きさで安定している。一方、操作ボタン31に対する操作が行われると、変位電極40が復帰スイッチ用電極E11を介して接地されるため、容量素子C1〜C4に電圧がかかるようになる。そのため、容量素子C1〜C4に蓄えられている電荷量が急激に大きくなり、出力信号が当該容量素子の静電容量値の変化に応じて大きく変化する。このように、操作ボタン31に対する操作前および操作後における当該容量素子に蓄えられている電荷量は、操作ボタン31に対する操作が行われている場合と比較すると、いずれも無視できる程度に小さい。そのため、操作ボタン31の操作前の位置と操作後の位置とが異なっている場合、つまり、変位電極40の復帰位置が元の位置からずれた場合でも、操作ボタン31に対する操作前および操作後における静電容量式センサ1の容量素子C1〜C4に対応する(容量素子用電極E1〜E4からの)出力信号は、ほとんど同じになる。これにより、静電容量式センサ1の容量素子C1〜C4に対応する出力信号のヒステリシスを低減することができる。
【0094】
また、復帰スイッチ用電極E11、E12が、基板20上に設けられているため、これらを形成するのが容易である。従って、静電容量式センサ1の製造工程が簡略化される。
【0095】
また、復帰スイッチ用電極E11、E12はいずれも環状であって、復帰スイッチ用電極E11の外周部および復帰スイッチ用電極E12の内周部は、いずれも櫛歯状に形成されているため、変位電極40が、復帰スイッチ用電極E11、E12とほぼ同時に接触するようになる。従って、静電容量式センサ1に対する操作が行われた場合に、スリープモードをより確実に解除することができる。
【0096】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る静電容量式センサ101の構成について、図面を参照しつつ説明する。図10は、本発明の第2の実施の形態に係る静電容量式センサの模式的な断面図である。図11は、図10の静電容量式センサの基板上に形成されている複数の電極の配置を示す図である。図12は、図10の静電容量式センサの文字印刷部材の上面図である。
【0097】
静電容量式センサ101は、基板120と、人などによって操作されることによって外部から力が加えられる操作用ボタン130と、変位電極140と、基板120上に形成された容量素子用電極E101〜E104(図10ではE101およびE102のみを示す)と、復帰スイッチ(ウェイクアップスイッチ)用電極E111、E112と、決定スイッチ用固定電極E121と、ドーム形状を有する決定スイッチ用可動電極E122と、基準電極(共通電極)E123と、容量素子用電極E101〜E104に密着して基板120上を覆うように形成された絶縁膜150と、決定スイッチ用可動電極E122および基準電極E123の一部に密着して基板120上を覆うように形成された絶縁膜151と、操作用ボタン130を基板120に対して支持固定する支持部材160と、ハウジング170と、支持部材160内部に配置された発光ダイオード180と、操作用ボタン130と支持部材160との間に配置された文字印刷部材190とを有している。
【0098】
ここでは、説明の便宜上、図示のとおり、XYZ三次元座標系を定義し、この座標系を参照しながら各部品に配置説明を行うことにする。すなわち、図10では、基板120上の容量素子用電極E101とE102との間の中心位置に原点Oが定義され、右水平方向にX軸が、上垂直方向にZ軸が、紙面に垂直奥行方向にY軸がそれぞれ定義されている。従って、基板120の表面は、XY平面を規定し、操作ボタン130、変位電極140および文字印刷部材190のそれぞれの中心位置をZ軸が通ることになる。
【0099】
基板120は、第1の実施の形態の基板20と同様に、一般的な電子回路用のプリント回路基板であり、この例ではガラスエポキシ基板が用いられている。なお、本実施の形態では、基板120上には、マイコンおよび電子回路(センサ回路)が設けられている。
【0100】
操作ボタン130は、Z軸を中心とする円形の決定ボタン131と、決定ボタン131の外側に配置された環状の方向ボタン132とから構成されている。ここで、決定ボタン131の径は、基準電極E122の外径とほぼ同じである。また、方向ボタン132は、その内径は、容量素子用電極E101〜E104のそれぞれの内側の曲線を結んでできる円の径とほぼ同じであり、その外径は、復帰スイッチ用電極E111の外径とほぼ同じである。なお、決定ボタン131および方向132は別部材である方が好ましいが、同一部材であってもよい。
【0101】
ここで、操作ボタン130の決定ボタン131および方向ボタン132は、例えば硬質のポリカーボネードなどで成形されたものである。また、決定ボタン131の下面には、決定スイッチ用可動電極E122(決定スイッチ用固定電極E121)に対向するように棒状の突起部131aが設けられている。また、突起部131aの先端部は丸くなっている。なお、突起部131aは、決定ボタン131に対する操作が行われていない状態において、その下端部が決定スイッチ用可動電極E122の上面近傍に配置される長さを有している。
【0102】
支持部材160は、ボタン支持部161と、固定部162と、連結部163とを有している。支持部材160は、例えば、透光性および弾性を有するシリコンゴムなどで形成されている。ボタン支持部161は、操作ボタン130の方向ボタン132の外径とほぼ同じ径を有する円盤状の部材である。ボタン支持部161の中央部には、決定ボタン131の突起部131aとほぼ同じ径を有する貫通孔161aが形成されている。
【0103】
固定部162は、基板120上に配置された平板状の部材であって、その下面が基板120上に接着されている。また、固定部162には、基板120上の容量素子用電極E101〜E104および復帰スイッチ用電極E111、E112に対応する位置に、復帰スイッチ用電極E112の外径よりも大きい径を有する開口162aが形成されている。
【0104】
そして、ボタン支持部161は、固定部162の開口162a内に配置されており、両者は連結部163によって連結されている。連結部163は、ボタン支持部161の下端部近傍から外側下方に向かって突出しており、固定部162の開口162aの側面中央部近傍に接続されている。ここで、連結部163は、テーパ状形状に加工されており、ボタン支持部161側の端部の方が固定部162側の端部よりも高い位置に配置されている。従って、ボタン支持部161は、その下面と基板120との間に所定間隔の空隙が形成されるように配置されることになる。なお、連結部163は、ボタン支持部161および固定部162よりも薄い厚さを有している。また、固定部162の下面の開口162a近傍には、2つの凹部162bが形成されている。そして、基板120上の固定部162の凹部162bに対応する位置には、発光ダイオード180がそれぞれ配置されている。
【0105】
また、ボタン支持部161の上面には、それと同じ径を有する円盤状の文字印刷部材190が配置されている。文字印刷部材190は、有色であり且つ透光性を有さない(遮光性の)部材であり、図12に示すように、X軸およびY軸のそれぞれの正方向および負方向に対応するように、すなわち、容量素子用電極E101〜E104に対応するように、操作方向(カーソルの移動方向)を示す矢印の形状の貫通孔190aが形成されている。なお、文字印刷部材190に形成される貫通孔190aの形状は、数字、文字、記号など必要に応じて適宜変更してもよく、機能説明または装飾用の抜き絵文字が形成されていることが好ましく、視覚効果および装飾効果が期待できる。また、文字印刷部材190の中央部には、決定ボタン131の突起部131aとほぼ同じ径を有する貫通孔190bが形成されている。
【0106】
文字印刷部材190は、貫通孔190aの部分のみ光を通過させ、貫通孔190a以外の部分は光を通過させないようになっている。これにより、固定部162の内部に配置された発光ダイオード180から出射された光は、支持部材160の固定部162、連結部163、ボタン支持部161、文字印刷部材190の貫通孔190a、方向ボタン132の順に操作ボタン130の上方に向かって通過する。したがって、方向ボタン132を上方から見ると、操作方向を示す矢印(文字印刷部材190に形成された貫通孔190aの部分)が発光ダイオード180の光により照らし出されて見える。これにより、操作ボタン130の位置および操作方向を容易に把握することができ、特に静電容量式センサ101を備えた機器を暗い場所で使用するときでも、操作ボタン130に対する操作を適切に施すことができる。
【0107】
なお、発光ダイオード180が光を出射するタイミングは、静電容量式センサ101の機能とは関係なく、発光ダイオード180に対する制御は目的に合わせて任意に変更することができる。
【0108】
変位電極140は、導電性を有する材料で形成されており、ボタン支持部161の外径とほぼ同じ径を有する円盤状の膜状部材である。そして、変位電極140は、ボタン支持部161の下面に接着されている。また、変位電極140の中央部には、決定ボタン131の突起部131aとほぼ同じ径を有する貫通孔140aが形成されている。なお、本実施の形態では、変位電極140は、ボタン支持部161の下面に対してスクリーン印刷により導電性インクを塗布することによって平板状に(面一に)形成されている。なお、変位電極140は、導電性インクの他、例えばスパッタリング法などによって形成される金属膜(金属蒸着フィルム)、ウレタン、エチレンプロピレンゴム、樹脂の中に酸化イレジウム、酸化スズなどの金属粒子または繊維状の金属などを分散混入したフィルムまたは膜状部材であってもよい。
【0109】
上述したように、ボタン支持部161の上面には文字印刷部材190が配置され、ボタン支持部161の下面には変位電極140が配置される。このとき、それらに形成された貫通孔190a、161a、140aが互いに重なるように配置されている。そして、文字印刷部材190の上面には、操作ボタン130が配置される。従って、決定ボタン131は、その突起部131aが、貫通孔190a、161a、140aの順に嵌挿された後、その下面の突起部131a以外の部分が文字印刷部材190の上面に接着される。また、方向ボタン132の下面全体が文字印刷部材190の上面に接着される。
【0110】
また、基板120上には、図11に示すように、原点Oを中心とする円形の決定スイッチ用固定電極E121と、決定スイッチ用固定電極E121の外側に配置された環状の基準電極E123と、基準電極E123の外側において、X軸およびY軸のそれぞれの正方向および負方向に対応するとともに、原点Oに対して対称に配置された略扇形形状である容量素子用電極E101〜E104と、それらの外側に配置された環状の円周部111aおよび円周部111aから外側に向かって突出する複数の突出部111bから構成される復帰スイッチ用電極E111と、復帰スイッチ用電極E111の外側に配置された環状の円周部112aおよび円周部112aから内側に向かって突出する複数の突出部112bから構成される復帰スイッチ用電極E112とが設けられている。
【0111】
また、基板120上には、基準電極E123に接触するとともに、決定スイッチ用固定電極E121と離隔しつつこれを覆うようにドーム状の決定スイッチ用可動電極E122が配置されている。従って、決定スイッチ用可動電極E122は、基準電極E123の内径よりも大きい径を有している。
【0112】
ここでは、容量素子用電極E101はX軸の正方向に対応するように配置され、一方、容量素子用電極E102はX軸の負方向に対応するように配置されており、外部からの力のX軸方向成分の検出に利用される。また、容量素子用電極E103はY軸の正方向に対応するように配置され、一方、容量素子用電極E104はY軸の負方向に対応するように配置され、外部からの力のY軸方向成分の検出に利用される。また、一対の容量素子用電極E101およびE102は、X軸方向に離隔してY軸に対して線対称に配置されている。また、一対の容量素子用電極E103およびE104は、Y軸方向に離隔してX軸に対して線対称に配置されている。
【0113】
また、復帰スイッチ用電極E111、E112は、変位電極140の端部近傍に対向するように配置されている。ここで、復帰スイッチ用電極E111、E112の構成については、第1の実施の形態の復帰スイッチ用電極E11、E12と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0114】
なお、容量素子用電極E101〜E104、復帰スイッチ用電極E111、E112、決定スイッチ用固定電極E121および基準電極E123は、スルーホールなどを利用して端子T101、T102、T111、T112、T121、T123(図13参照)にそれぞれ接続されており、これらの端子を通じてマイコンおよび電子回路に接続されるようになっている。
【0115】
また、絶縁膜150は、基板120上の容量素子用電極E101〜E104に密着して、基板120上を覆うように形成されている。そして、絶縁膜151は、基板120上の決定スイッチ用可動電極E122および基準電極E123の一部に密着して、基板120上を覆うように形成されている。また、ハウジング170は、支持部材160上において、操作ボタン130の周囲を覆うように配置されている。
【0116】
次に、静電容量式センサ101の回路構成について、図13を参照して説明する。図13は、図10に示す静電容量式センサの構成に対する等価回路図である。
【0117】
静電容量式センサ101では、変位電極140と容量素子用電極E101〜E104との間には、共通の電極である変位可能な変位電極140と、固定された個別の容量素子用電極E101〜E104で形成される容量素子C101〜C104が構成されている。また、復帰スイッチS101が、変位電極140と、復帰スイッチ用電極E111、E112との間に形成されている。なお、静電容量式センサ101における変位電極140、容量素子用電極E101〜E104および復帰スイッチ用電極E111、E112の回路構成については、第1の実施の形態の静電容量式センサ1における変位電極40、容量素子用電極E1〜E4および復帰スイッチ用電極E11、E12の回路構成と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0118】
さらに、決定スイッチS102が、基準電極E123と決定スイッチ用固定電極E121との間に形成されている。つまり、基準電極E113に接触している決定スイッチ用可動電極E122が、決定スイッチ用固定電極E121と接触する状態(オン状態)および決定スイッチ用固定電極E121と接触しない状態(オフ状態)のいずれかの状態を取り得るようになっている。
【0119】
なお、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、操作ボタン130の方向ボタン132に対する操作が行われなくなった後、方向ボタン132に対する操作が行われない状態が所定時間だけ継続された場合に、通常モードからスリープモードに自動的に切り換わる。そして、再度、方向ボタン132に対する操作が行われると、復帰スイッチS101がオフ状態からオン状態に切り換わるのとほぼ同時に、スリープモードから通常モードに切り換わる。
【0120】
また、本実施の形態では、スリープモードにおいて、方向ボタン132に対する操作が行われることなく、操作ボタン130の決定ボタン131に対する操作が行われた場合にも、決定スイッチS102がオフ状態からオン状態に切り換わるのとほぼ同時に、スリープモードから通常モードに切り換わる。
【0121】
次に、上述のように構成された本実施の形態に係る静電容量式センサ101の動作について、図面を参照して説明する。図14は、図10に示す静電容量式センサの方向ボタンにX軸正方向への操作が行われた場合の側面の模式的な断面図である。
【0122】
まず、図10に示す操作ボタン130に力が作用していないときの状態において、図14に示すように、方向ボタン132にX軸正方向への操作が行われた場合の動作は、第1の実施の形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。つまり、方向ボタン132のX軸正方向に対応する部分が押し下げられると、変位電極140のX軸正方向に対応する部分が下方へと変位して、変位電極140のX軸正方向端部近傍と復帰スイッチ用電極E111、E112とがほぼ同時に接触するようになる。これにより、復帰スイッチS101がオフ状態からオン状態に切り換わる。その後、引き続き、方向ボタン132が押し下げられると、復帰スイッチS101がオン状態を保持しつつ、変位電極140がさらに下方に変位し、変位電極140と容量素子用電極E101と間の間隔がさらに小さくなって、容量素子C101の静電容量値が変化する。このとき、端子T101に入力される周期信号Aは、容量素子C101を含む遅延回路を通過することによって位相にずれが生じ、その位相のずれが読み取られることによって出力信号Vxが導出される。
【0123】
なお、方向ボタン132に対する操作を行う場合(決定ボタン131に対する操作を行わない場合)に、決定スイッチS102がオフ状態からオン状態に切りかわるという誤操作が生じることはほとんどない。
【0124】
次に、図10に示す操作ボタン130に力が作用していないときの状態において、図15に示すように、決定ボタン131に操作が行われた場合、すなわち、決定ボタン131の突起部131aの先端部を基板120側に押し下げるような力(Z軸負方向への力)が加えられた場合を考える。
【0125】
決定ボタン131が押し下げられることにより、ボタン支持部161と支持部材162との間の連結部163が弾性変形を生じてたわみ、決定ボタン131の突起部131aの先端部が下方へと変位する。このように、決定ボタン131の突起部131aの先端部が所定高さだけ押し下げられると、当該先端部と決定スイッチ用可動電極E122の上面とが接触するようになる。なお、このとき、操作ボタン130および変位電極140は、水平に(基板120とほぼ平行に)維持されている。
【0126】
そして、決定ボタン131を押し下げる力が所定値に満たないときには決定スイッチ用可動電極E122はほとんど変位しないが、その力が所定値に達したときには、決定スイッチ用可動電極E122の頂部近傍部分が座屈を伴って急激に弾性変形して凹んだ状態となって決定スイッチ用固定電極E121と接触するようになる。これにより、決定スイッチS102がオフ状態からオン状態に切り換えられる。このとき、操作者には、明瞭なクリック感が与えられることになる。
【0127】
ここで、決定ボタン131に対する操作が行われる場合には、方向ボタン132に対する操作が行われていない場合と同様に、変位電極140は絶縁状態に維持されている。従って、変位電極140と容量素子用電極E101〜E104との間に構成される容量素子C101〜C104には電圧がかからないため、当該容量素子C101〜C104に蓄えられている電荷量が無視できる程度に小さくなり、出力信号は一定の大きさで安定している。その結果、X軸方向およびY軸方向に対応する出力信号とは独立して、決定スイッチS102がオフ状態からオン状態に切り換えられる。
【0128】
このように、決定スイッチS102のオン/オフ状態を切り換えるための決定ボタン131に対する操作と、X軸方向およびY軸方向への力が加えられる方向ボタン132に対する操作とは、意識的に使い分けることが可能である。
【0129】
なお、静電容量式センサ110において、容量素子C101〜C104のそれぞれの静電容量値の変化から、方向ボタン132への外部からの力の大きさおよび方向を示す出力信号の導出方法およびその出力信号を導出するための信号処理回路について、第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
【0130】
以上のように、本実施の形態に係る静電容量式センサ101においては、第1の実施の形態の静電容量式センサ1と同様の効果を得ることができる。さらに、発光ダイオード180から出射された光が文字印刷部材190に形成された貫通孔190aのみを通過して操作ボタン130に達するため、操作ボタン130を外部から見たとき、貫通孔190aのみを照らし出すようにすることができる。したがって、操作ボタン130の位置および操作方向を容易に把握することができるようになり、特に静電容量式センサ101を備えた機器を暗い場所で使用する場合でも操作ボタン130に対する操作を適切に施すことができる。
【0131】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。例えば、上述の第1および第2の実施の形態では、接地されている復帰スイッチ用電極および電源電圧Vccに保持されている復帰スイッチ用電極が、基板上において変位電極の端部近傍に対応するようにそれぞれ1つずつ設けられている場合について説明しているが、これに限らず、これらの復帰スイッチ用電極の数および配置は、本実施の形態と同様の効果が得られる範囲で任意に変更することができる。従って、接地されている復帰スイッチ用電極および電源電圧Vccに保持されている復帰スイッチ用電極は、いずれも2つ以上設けられていてもよい。特に、電源電圧Vccに保持されている復帰スイッチ用電極が2つ以上設けられている場合には、例えば、その電極の一つを発光ダイオードに電気的に接続しておくと、復帰スイッチがオン状態であるときだけ、発光ダイオードを発光させることがハード的に可能となる。
【0132】
また、接地されている復帰スイッチ用電極および電源電圧Vccに保持されている復帰スイッチ用電極は、必ずしも基板上に設けられる必要はない。従って、例えば、接地されている復帰スイッチ用電極が、図1の検知部30の連結部33の下面において、変位電極40と離隔して配置されているとともに、電源電圧Vccに保持されている復帰スイッチ用電極が基板上に設けられており、操作ボタン31に対する操作が行われた場合に、変位電極40および接地されている復帰スイッチ用電極が変位することにより、電源電圧Vccに保持されている復帰スイッチ用電極に接触する構成のものであってもよい。また、接地されている復帰スイッチ用電極および電源電圧Vccに保持されている復帰スイッチ用電極が、必ずしも変位電極の端部近傍に対応するように設けられていなくてもよい。
【0133】
また、上述の第1の実施の形態では、復帰スイッチ用電極E11が接地されており、復帰スイッチ用電極E12がプルアップ抵抗素子R5を介して電源電圧Vccに保持されている場合について説明しているが、これに限らず、復帰スイッチ用電極E11がプルアップ抵抗素子を介して電源電圧Vccに保持されており、復帰スイッチ用電極E12が接地されていてもよい。
【0134】
また、上述の第1の実施の形態では、操作ボタン31に対して操作が行われたとき、復帰スイッチ用電極E11、E12が変位電極40とほぼ同時に接触する場合について説明しているが、これに限らず、復帰スイッチ用電極E11、E12は、必ずしも変位電極40とほぼ同時に接触しなくてもよい。但し、変位電極が両者にほぼ同時に接触しない場合には、変位電極は、まず接地されている復帰スイッチ用電極に接触した後で、プルアップ抵抗素子を介して電源電圧Vccに保持されている復帰スイッチ用電極に接触することが好ましい。
【0135】
また、上述の第1の実施の形態では、環状の復帰スイッチ用電極E11、E12が櫛歯状に設けられている場合について説明しているが、これに限らず、2つの復帰スイッチ用電極の形状は、変位電極が変位することにより、いずれもが接触可能な範囲で、任意に変更することができる。従って、必ずしも両者は櫛歯状に形成されている必要はない。
【0136】
また、上述の第1および第2の実施の形態では、外部から加えられた力のX軸方向成分およびY軸方向成分の2つの成分を検出可能な静電容量式センサについて説明しているが、これに限らず、上述の2つのうち必要な1成分だけを検出可能なものであってもよい。
【0137】
また、上述の第2の実施の形態では、文字印刷部材として、透光性を有さない部材に貫通孔(透光領域)が形成されているものについて説明しているが、これに限らず、透光性を有さない部材に透光性を有する部材により窓などの透光領域が形成されているものであってもよい。また、文字印刷部材として、透光性を有する部材に透光性を有さない非透光領域は形成されているものを用いてもよい。
【0138】
また、上述の第1および第2の実施の形態では、EX−OR素子が含まれる信号処理回路が用いられる場合について説明しているが、これに限らず、信号処理回路の構成は任意に変更することができる。従って、排他的論理和演算を行うEX−OR素子の代わりに、論理和演算を行うOR素子、論理積演算を行うAND素子、論理積演算および否定演算を行うNAND素子のいずれかが含まれる信号処理回路が用いられてもよい。この場合には、静電容量式センサの各部材が感度が非常によくなる材料で製作された場合に、信号処理回路の構成によって、静電容量式センサの感度を調節する(ここでは、感度を低下させる)ことができる。
【0139】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によると、検知部材に対する操作が行われた場合(検知部材の変位が検出される場合)には、検知部材が変位するのに伴って、導電性部材が変位することによって、まず最初に第1および第2のスイッチ用電極と導電性部材とが必ず接触する。そして、第1および第2のスイッチ用電極と導電性部材とが接触した状態が維持されつつ、導電性部材がさらに変位させられる。ここで、第1および第2のスイッチ用電極と導電性部材とが接触する状態および接触しない状態における静電容量式センサの第2のスイッチ用電極からの出力信号は、第2のスイッチ用電極が保持される電位付近のHiレベルおよび接地電位付近のLoレベルのいずれかの信号であるため、例えば両者が接触しない状態から接触する状態に切り換わる場合の第2のスイッチ用電極からの出力信号は、必ずスレッシホールド電圧を跨いで変化する。従って、静電容量式センサの第2のスイッチ用電極からの出力信号を監視することによって、静電容量式センサに対する操作が行われたことを確実に検出できるため、スリープモードを確実に解除することができる。これにより、静電容量式センサにおいても、検知部材に対する操作が長時間にわたって行われない場合には、スリープモードに切り換えることによって、消費電力を低減することができる。
【0140】
また、検知部材に対する操作が行われていない場合には、導電性部材が絶縁状態に維持されているため、導電性部材と容量素子用電極との間に構成される容量素子には電圧がかからない。そのため、当該容量素子に蓄えられている電荷量が無視できる程度に小さくなり、出力信号は一定の大きさで安定している。一方、検知部材に対する操作が行われると、導電性部材が第1のスイッチ用電極を介して接地されるため、当該容量素子に電圧がかかるようになる。そのため、当該容量素子に蓄えられている電荷量が急激に大きくなり、出力信号が当該容量素子の静電容量値の変化に応じて大きく変化する。このように、検知部材に対する操作前および操作後における当該容量素子に蓄えられている電荷量は、検知部材に対する操作が行われている場合と比較すると、いずれも無視できる程度に小さい。そのため、検知部材の操作前の位置と操作後の位置とが異なっている場合、つまり、導電性部材の復帰位置が元の位置からずれた場合でも、検知部材に対する操作前および操作後における静電容量式センサの容量素子に対応する(容量素子用電極からの)出力信号は、ほとんど同じになる。これにより、静電容量式センサの容量素子に対応する出力信号のヒステリシスを低減することができる。
【0141】
請求項2によると、第1および第2のスイッチ用電極が形成し易いため、センサの製造工程が簡略化される。
【0142】
請求項3によると、導電性部材が、第1および第2のスイッチ用電極とほぼ同時に接触するようになるため、静電容量式センサに対する操作が行われた場合に、スリープモードをより確実に解除することができる。
【0143】
請求項4によると、光源から出射された光は、膜状部材に形成された所定形状の透光領域に対応する部分を通過して検知部材に導かれるため、検知部材を外部から見たとき、透光領域の所定形状の部分のみを照らし出すようにすることができる。したがって、検知部材の位置および操作方向を容易に把握することができるようになり、特に静電容量式センサを備えた機器を暗い場所で使用する場合でも検知部材に対する操作を適切に施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る静電容量式センサの模式的な断面図である。
【図2】図1の静電容量式センサの基板上に形成されている複数の電極の配置を示す図である。
【図3】図1に示す静電容量式センサの構成に対する等価回路図である。
【図4】図1に示す静電容量式センサにおけるモード切り換えを説明するための図である。
【図5】図1に示す静電容量式センサの操作ボタンにX軸正方向への操作が行われた場合の側面の模式的な断面図である。
【図6】図1に示す静電容量式センサに入力される周期信号から出力信号を導出する方法を説明するための説明図である。
【図7】図1に示す静電容量式センサの信号処理回路を示す回路図である。
【図8】図1に示す静電容量式センサのX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図(図7の一部分)である。
【図9】図8に示す信号処理回路の各端子および各節点における周期信号の波形を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る静電容量式センサの模式的な断面図である。
【図11】図10の静電容量式センサの基板上に形成されている複数の電極の配置を示す図である。
【図12】図10の静電容量式センサに含まれる文字印刷部材の上面図である。
【図13】図10に示す静電容量式センサの構成に対する等価回路図である。
【図14】図10に示す静電容量式センサの方向ボタンにX軸正方向への操作が行われた場合の側面の模式的な断面図である。
【図15】図10に示す静電容量式センサの決定ボタンへの操作が行われた場合の側面の模式的な断面図である。
【図16】従来の静電容量式センサの模式的な断面図である。
【図17】図16の静電容量式センサの基板上に形成されている複数の電極の配置を示す図である。
【符号の説明】
1、101  静電容量式センサ
20、120  基板
30  検知部
31  操作ボタン(検知部材)
40、140  変位電極(導電性部材)
130  操作ボタン(検知部材)
131  決定ボタン
132  方向ボタン
180  発光ダイオード(光源)
190  文字印刷部材(膜状部材)
E1〜E4、E101〜E104  容量素子用電極
E11、E111  復帰スイッチ用電極(第1のスイッチ用電極)
E12、E112  復帰スイッチ用電極(第2のスイッチ用電極)
C1〜C4、C101〜C104  容量素子

Claims (4)

  1. 基板と、
    前記基板と対向している検知部材と、
    前記基板と前記検知部材との間に位置し、前記検知部材が前記基板と垂直な方向に変位するのに伴ってそれと同じ方向に変位可能であって、絶縁状態に維持された導電性部材と、
    前記基板上に形成され、前記導電性部材との間で容量素子を構成する容量素子用電極と、
    前記導電性部材から離隔するように配置されており、接地された1または複数の第1のスイッチ用電極と、
    前記導電性部材から離隔するように配置されており、接地電位とは異なる電位に保持された1または複数の第2のスイッチ用電極とを備えており、
    前記導電性部材が、前記検知部材が変位するのに伴って、前記容量素子用電極に向かう方向に変位し且つ前記第1のスイッチ用電極および前記第2のスイッチ用電極と接触可能であって、
    前記容量素子用電極に対して入力される信号を利用して前記導電性部材と前記容量素子用電極との間隔の変化に起因する前記容量素子の静電容量値の変化が検出されることに基づいて前記検知部材の変位を認識可能であることを特徴とする静電容量式センサ。
  2. 前記第1のスイッチ用電極および前記第2のスイッチ用電極が、前記基板上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の静電容量式センサ。
  3. 前記第1のスイッチ用電極および前記第2のスイッチ用電極は、いずれも互いに隣接して配置された環状の部材であって、
    前記第1のスイッチ用電極が、前記第2のスイッチ用電極に近接する方向に向かって突出する複数の第1の突出部を有しており、
    前記第2のスイッチ用電極が、前記第1のスイッチ用電極に近接する方向に向かって突出する複数の第2の突出部を有しており、
    前記第1の突出部と前記第2の突出部とは交互に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の静電容量式センサ。
  4. 前記基板上に配置された光源と、
    前記光源と前記検知部材との間に配置された透光領域および非透光領域を有する膜状部材とをさらに備えており、
    前記検知部材は、透光性を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電容量式センサ。
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