JP6643647B2 - 感圧素子 - Google Patents

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Description

本開示は、感圧素子に関する。より詳細には、本開示は、各種電子機器に用いることができる感圧素子に関する。
近年、スマートフォン及びカーナビゲーション・システム等の各種電子機器の高機能化及び多様化が急速に図られている。これに伴って、電子機器の構成要素となる感圧素子も確実な操作性が求められている。感圧素子は、導電性弾性体などを素材としており、外部からの荷重印加に伴って検知が行われるセンサである。それゆえ、かかる感圧素子は、各種電気機器において“センサ素子”として利用できる。例えば、特許文献1から3はこれらの背景技術を開示している。
特開平01−92632号公報 特開2014−142193号公報 特開2011−159599
本願発明者らは、鋭意検討の末、静電容量式の感圧センサとして用いられる感圧素子は、その製品寿命の点で改善点があることを今回見出した。従来の感圧素子では、荷重による弾性電極の変形に伴って弾性電極と誘電体層との接触部分の面積が拡大し、容量変化が発生することになり、それよって荷重検出が行われる。従って、従来の感圧素子においては、弾性電極への応力集中により材料疲労を起こすため、製品寿命に課題があった。
本願発明者らはまた、従来の感圧素子は、そのリニアリティの制御の点で更なる改善点があることも見出した。従来の感圧素子では、感圧素子の容量は“接触部分”の拡大のみに依存して増加するものの、弾性電極の変形に必要な荷重は変形量および接触面積の2つのパラメータの上昇に伴って増加する。従って、容量変化は低荷重領域では大きいものの高荷重領域では小さくなり、リニアリティの制御には複雑な感圧素子構造(例えば山形の弾性電極を更に複雑化した形状など)が必要とされる。
本開示は、かかる事情に鑑みて為されたものである。即ち、本開示の課題は、製品寿命の比較的長い感圧素子を提供することである。
本開示の一態様に係る感圧素子は、少なくとも1つの突起部を含む第1電極、前記少なくとも1つの突起部と対向する第2電極、および前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、第1誘電体と第2誘電体とを含む誘電体を備え、前記第1誘電体が、前記少なくとも1つの突起部の最頂部分と前記第2電極との双方に接し、かつそれらの間に位置し、前記第2誘電体が、前記少なくとも1つの突起部を除く前記第1電極と前記第1誘電体との間に位置し、前記少なくとも1つの突起部の弾性率は前記第1誘電体の弾性率よりも高い。
本開示に従えば、製品寿命の比較的長い感圧素子が得られる。
図1は、本開示の感圧素子の構成を模式的に示した断面図である。 図2Aは、本開示の第1実施態様に係る一例の感圧素子に荷重が加えられた際の突起部近傍の経時変化を模式的に示した感圧素子の断面図である。 図2Bは、本開示の第1実施態様に係る一例の感圧素子に荷重が加えられた際の突起部近傍の経時変化を模式的に示した感圧素子の断面図である。 図2Cは、本開示の第1実施態様に係る一例の感圧素子に荷重が加えられた際の突起部近傍の経時変化を模式的に示した感圧素子の断面図である。 図3Aは、本開示の第1実施態様に係る一例の感圧素子に荷重が加えられた際の第2誘電体近傍の経時変化を模式的に示した感圧素子の断面図である。 図3Bは、本開示の第1実施態様に係る一例の感圧素子に荷重が加えられた際の第2誘電体近傍の経時変化を模式的に示した感圧素子の断面図である。 図3Cは、本開示の第1実施態様に係る一例の感圧素子に荷重が加えられた際の第2誘電体近傍の経時変化を模式的に示した感圧素子の断面図である。 図4Aは、本開示の第1実施態様に係る別の一例の感圧素子に荷重が加えられた際の突起部近傍の経時変化を模式的に示した感圧素子の断面図である。 図4Bは、本開示の第1実施態様に係る別の一例の感圧素子に荷重が加えられた際の突起部近傍の経時変化を模式的に示した感圧素子の断面図である。 図4Cは、本開示の第1実施態様に係る別の一例の感圧素子に荷重が加えられた際の突起部近傍の経時変化を模式的に示した感圧素子の断面図である。 図5Aは、本開示の第1実施態様に係る別の一例の感圧素子に荷重が加えられた際の第2誘電体近傍の経時変化を模式的に示した感圧素子の断面図である。 図5Bは、本開示の第1実施態様に係る別の一例の感圧素子に荷重が加えられた際の第2誘電体近傍の経時変化を模式的に示した感圧素子の断面図である。 図5Cは、本開示の第1実施態様に係る別の一例の感圧素子に荷重が加えられた際の第2誘電体近傍の経時変化を模式的に示した感圧素子の断面図である。 図6Aは、本開示の第2実施態様に係る感圧素子の第1コンデンサを模式的に示した断面図である。 図6Bは、本開示の第2実施態様に係る感圧素子に荷重が加えられた際の第1コンデンサの状態を模式的に示した断面図である。 図6Cは、本開示の第2実施態様に係る感圧素子にさらに大きい荷重が加えられた際の第1コンデンサの状態を模式的に示した断面図である。 図6Dは、本開示の第2実施態様に係る感圧素子において、押圧時の第1コンデンサの容量変化特性を説明するための模式図である。 図7Aは、本開示の第2実施態様に係る感圧素子の第2コンデンサを模式的に示した断面図である。 図7Bは、本開示の第2実施態様に係る感圧素子に荷重が加えられた際の第2コンデンサの状態を模式的に示した断面図である。 図7Cは、本開示の第2実施態様に係る感圧素子にさらに大きい荷重が加えられた際の第2コンデンサの状態を模式的に示した断面図である。 図7Dは、本開示の第2実施態様に係る感圧素子において、押圧時の第2コンデンサの容量変化特性を説明するための模式図である。 図8は、「突起部と第1誘電体との接触領域」および「突起部と第1誘電体との非接触領域」をそれぞれ説明するための感圧素子断面である。 図9Aは、感圧素子における第1コンデンサの領域および第2コンデンサの領域を示す断面図である。 図9Bは、押圧時の感圧素子容量の容量変化特性を示す模式図である。 図10は、第1コンデンサおよび第2コンデンサのそれぞれの構成要素を説明するための感圧素子断面である。 図11は、第1コンデンサおよび第2コンデンサのそれぞれの誘電体を説明するための感圧素子断面である。 図12は、支持基材、押圧基材およびスペーサを更に有して成る感圧素子の構成を模式的に示した断面図である。 図13Aは、本開示の感圧素子の製造方法における支持基材の準備工程を示した模式的断面図である。 図13Bは、本開示の感圧素子の製造方法における第1電極の形成工程を示した模式的断面図である。 図13Cは、本開示の感圧素子の製造方法におけるスペーサの形成工程を示した模式的断面図である。 図13Dは、本開示の感圧素子の製造方法における第2電極の形成工程を示した模式的断面図である。 図13Eは、本開示の感圧素子の製造方法における第1誘電体の形成工程を示した模式的断面図である。 図13Fは、本開示の感圧素子の製造方法における押圧側部材の載置工程を示した模式的断面図である。
本開示の一態様の概要は以下の通りである。
(項目1)本開示の一態様に係る感圧素子は、少なくとも1つの突起部を含む第1電極、前記少なくとも1つの突起部と対向する第2電極、および前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、第1誘電体と第2誘電体とを含む誘電体を備え、前記第1誘電体が、前記少なくとも1つの突起部の最頂部分と前記第2電極との双方に接し、かつそれらの間に位置し、前記第2誘電体が、前記少なくとも1つの突起部を除く前記第1電極と前記第1誘電体との間に位置し、前記少なくとも1つの突起部の弾性率は前記第1誘電体の弾性率よりも高い。
(項目2)上記項目1に記載の感圧素子において、前記第1誘電体が可撓性を有していてもよい。
(項目3)上記項目2に記載の感圧素子において、前記感圧素子に荷重が加えられると、前記第1誘電体の撓みに伴って前記第2誘電体の厚みが減少するように、前記第2誘電体が構成されていてもよい。
(項目4)上記項目1に記載の感圧素子において、前記第1誘電体が弾性を有していてもよい。
(項目5)上記項目4に記載の感圧素子において、前記感圧素子に荷重が加えられると、前記少なくとも1つの突起部の少なくとも一部が前記第1誘電体に食い込むことにより、前記少なくとも1つの突起部と前記第1誘電体との接触領域の面積が拡大するように、前記第2誘電体が構成されていてもよい。
(項目6)上記項目5に記載の感圧素子において、前記感圧素子に荷重が加えられると、前記少なくとも1つの突起部の少なくとも一部が前記第1誘電体に食い込むことにより、前記第2誘電体の厚みが減少するように、前記第2誘電体が構成されていてよい。
(項目7)上記項目1から6のいずれかに記載の感圧素子において、前記感圧素子の容量が、第1容量および第2容量を含み、前記第1容量が、前記少なくとも1つの突起部と前記第1誘電体との接触領域を含む第1コンデンサにおける静電容量であり、前記第2容量が、前記第1誘電体と前記第2誘電体との接触領域を含む第2コンデンサにおける静電容量であってもよい。
(項目8)上記項目7に記載の感圧素子において、前記感圧素子の容量特性が、前記第1容量および前記第2容量の各々の容量特性よりも高いリニアリティを有していてもよい。
(項目9)上記項目7または8に記載の感圧素子において、前記第1コンデンサが、前記少なくとも1つの突起部と、前記少なくとも1つの突起部と対向する位置に存在する前記第2電極の第1部分と、前記少なくとも1つの突起部と前記第2電極の前記第1部分との間に位置する前記第1誘電体の第1部分とから構成され、前記第2コンデンサが、前記少なくとも1つの突起部が設けられていない部分である、前記第1電極の第1部分と、前記第1電極の前記第1部分と対向する位置に存在する前記第2電極の第2部分と、前記第1電極の前記第1部分と前記第2電極の前記第2部分との間に位置する前記第1誘電体の第2部分と、前記第2誘電体とから構成されていてもよい。
(項目10)上記項目1から9のいずれかに記載の感圧素子において、前記少なくとも1つの突起部は、その幅が第2電極に向かって漸次減じられたテーパ形状を有していてもよい。
(項目11)上記項目1から10のいずれかに記載の感圧素子において、前記第1電極、前記第2電極、前記第1誘電体および前記第2誘電体の少なくとも1つが光透過性を有していてもよい。
(項目12)上記項目1から11のいずれかに記載の感圧素子において、支持基材および押圧基材を更に備え、前記第1電極が、前記第2電極に対向する第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面とを有し、前記第2電極が、前記第1電極に対向する第3主面と、前記第3主面と反対側の第4主面とを有し、前記支持基材が前記第2主面と接しており、前記押圧基材が前記第4主面と接していてもよい。
(項目13)上記項目1から12のいずれかに記載の感圧素子において、前記第1電極と前記第2電極との間に配置されたスペーサを更に備えていてもよい。
[本開示の感圧素子]
本開示の感圧素子は、容量(キャパシタンス)を有する素子であって、コンデンサ機能またはキャパシタ機能を有している。かかる感圧素子では、荷重印加によって容量変化がもたらされ、その容量変化から荷重が検出される。従って、本開示の感圧素子は“静電容量型感圧センサ素子”、“容量性圧力検出センサ素子”または“感圧スイッチ素子”などとも称される。
以下にて、本開示の一実施態様に係る感圧素子について図面を参照しながら説明する。図面に示す各種の要素は、本開示の理解のために模式的に示したにすぎず、寸法比及び外観などは実物と異なり得ることに留意されたい。尚、本明細書で直接的または間接的に用いる“上下方向”は、図中における上下方向に対応した方向に相当する。また特記しない限り、同じ符号または記号は、形状が異なること以外、同じ部材または同じ意味内容を示すものとする。
図1に、本開示の感圧素子100の構成を模式的に示す。本開示の感圧素子100は、第1電極10、第2電極20および誘電体30を有して成る。
第1電極10は、少なくとも1つの突起部15を備えている。第2電極20は、層形態を有していてもよい。第2電極20は、第1電極10と対向配置されている。より具体的には、第2電極20は、突起部15を間に挟み込むように第1電極10と対向配置されている。誘電体30は、全体として、第1電極10と第2電極20との間に設けられている。
本開示に係る感圧素子100の誘電体30は、第1誘電体31および第2誘電体32という2つの誘電体部から構成されている。図1に示されるように、第1誘電体31と第2誘電体32とは互いに隣接して設けられている(即ち、第1誘電体31と第2誘電体32とが互いに重なり合うように互いに接した状態で設けられている)。特に、第1電極10と第2電極20とが互いに対向する方向(即ち、図面中の“上下方向”)において相互に隣接するように又は重なるように第1誘電体31と第2誘電体32とが設けられている。第1誘電体31は、第1電極10の突起部15の最頂部分15’と第2電極20との双方に接し、それらの間に位置付けられている。即ち、突起部15の最頂部分15’と第2電極20とによって挟まれるように第1誘電体31が設けられている。一方、第2誘電体32は、突起部15に起因して形成された第1電極10の凹部分に位置付けられている。つまり、第2誘電体32は、互いに隣接する突起部15の間の領域に位置付けられている。換言すれば、図示されるように「突起部が設けられていない第1電極10の突起非設置部17の上面」と「突起部15の側面」とが成す間隙部に第2誘電体32が位置付けられている。
以下、各部材について詳しく説明する。
第1電極10は、少なくとも1つの突起部15を備えた電極部材である。特に突起部15は、剛性特性(即ち、「外力による変形に対して抵抗する特性」)を有し、それゆえ、第1電極10は、剛性電極部材に相当し得る。第1電極10は、「剛性特性(特に「突起部15における剛性特性)」と「導電特性」との双方の性質を有していれば、いずれの材質から成るものであってよい。「剛性特性」について、第1電極10、特に突起部15は、例えば、感圧素子に対して加えられる通常の押圧力(例えば約1N〜10Nの押圧力)によっても変形しないような、約106Pa超、特に106Pa超10Pa以下の弾性率、例えば1つ例示すると約107Paの弾性率、を有していればよい。「導電特性」について、第1電極10、特に突起部15は、所望の周波数帯域において容量のインピーダンスよりも十分に小さい抵抗率を有していればよい。
第1電極10は、例えば、金属体から構成されたものであってもよいし、ガラス体およびその表面に形成された導電層および/またはその中に分散された導電性フィラーから構成されたものであってもよいし、または樹脂体およびその表面に形成された導電層および/またはその樹脂体内に分散された導電性フィラーから構成されたものであってよい。金属体は、金属からなる電極部材であり、すなわち第1電極10は実質的に金属からなるものでよい。金属体は、例えば、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)、C(カーボン)、ZnO(酸化亜鉛)、In(酸化インジウム(III))およびSnO(酸化スズ(IV))から成る群から選択される少なくとも1種の金属を含んで成る。ガラス体は、酸化ケイ素の網目状構造を有するものであれば特に限定されず、例えば、石英ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス等から成る群から選択される少なくとも1種のガラス材料を含んで成るものであってよい。樹脂体は、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂(例えば、ポリジメチルポリシロキサン(PDMS))、アクリル系樹脂、ロタキサン系樹脂およびウレタン系樹脂等から成る群から選択される少なくとも1種の樹脂材料を含んで成るものであってよい。ガラス体および樹脂体の導電層は、金属体を構成し得る金属と同様の金属の群から選択される少なくとも1種の金属を蒸着させてなる層であってもよいし、または導電性インクの塗布などによって形成されてなる層であってもよい。ガラス体および樹脂体の導電性フィラーは、金属体を構成し得る金属と同様の金属の群から選択される少なくとも1種の金属を含んで成るものであってよい。
弾性率について、例えば、第1電極10が金属体から構成される場合、またはガラス体および導電層および/または導電性フィラーから構成される場合、その弾性率は通常、上記範囲内である。また例えば、第1電極10が樹脂体および導電層および/または導電性フィラーから構成される場合、その弾性率は、樹脂体を構成する樹脂材料の重合度および化学構造の設計、当該樹脂材料と導電性フィラーの相対的割合を変更することによって調整できる。
また抵抗率について、例えば、第1電極10が金属体から構成される場合、またはガラス体または樹脂体および導電層から構成される場合、その抵抗率は通常、所望の周波数帯域において容量のインピーダンスよりも十分に小さい抵抗率を有している。また例えば、第1電極10がガラス体または樹脂体および導電性フィラーから構成される場合、その抵抗率は、ガラス体を構成するガラス材料または樹脂体を構成する樹脂材料と導電性フィラーとの相対的割合を変更することによって調整できる。
突起部15は、図示するように(例えば図1に示すように)、第1電極10のベース部分から第2電極20に向かって突出する形態を有している。換言すれば、第1電極10は、そのベース部分から第2電極20の設置方向に向かって局所的に隆起した形態を有している。第1電極10の突起部15の個数は、少なくとも1つである。突起部15が2つ以上設けられており、それゆえ、第1電極10は複数の突起部15を有していてもよい。複数の突起部15が設けられている態様に起因して、第1電極10が全体として凹凸形態を有することになり、その凹凸形態における凸部が突起部15に相当する。
突起部15は、第1電極10上における当該突起部15間に第2誘電体32の形成を確保できる限り、あらゆる形状を有していてよい。突起部15は、例えば図1に示すような円錐台、四角錐台などの錐台形状を有していてもよいし、円柱体、四角柱体などの柱体形状を有していてもよいし、または半球体形状を有していてもよい。突起部15は、装置のさらなる長寿命化の観点から、テーパ形状を有していてもよい。具体的には、第1電極の突起部15は、その幅寸法が第2電極に向かって漸次減じられたテーパ形状を有していてもよい(図1参照)。前記形状のうち、テーパ形状としては、錐台形状、半球体形状が挙げられる。
突起部15の高さ寸法は、後述の第1誘電体31の弾性変形または撓み変形に資するものであれば、いずれの寸法であってよい。つまり、第1誘電体31の第2電極側からの押圧によって、第1誘電体31が弾性変形または撓み変形するのであれば、いずれの高さ寸法であってもよい。また、複数の突起部15は規則正しく配列されていてもよい。複数の突起部15のピッチ寸法もまた、第1誘電体31の弾性変形または撓み変形に資すると共に、隣接する突起部間に凹部(即ち、第2誘電体32のための領域)がもたらされるものであれば、特に制限はない。
第1誘電体31は、第1電極10の突起部15の最頂部分15’と第2電極20との双方に接し、それらの間に位置付けられている。即ち、突起部15の最頂部分15’(例えば最頂面)と第2電極20とによって挟まれるように第1誘電体31は設けられている。第1誘電体31は層形態を有していてもよい。
第1誘電体31は、「誘電体」としての性質を有するとともに、「可変形性」を有している。第1誘電体31および後述の第2電極20の説明において「可変形性」とは、「弾性特性」(即ち、「外力によって局所的に凹み変形し、除力すると元の形状へと戻る特性」)および「可撓特性」(即ち、「外力によって撓み変形し、除力すると元の形状へと戻る特性」)を包含して意味する。第1誘電体31は弾性特性または可撓特性のいずれかの特性を有すればよい。
第1誘電体31が弾性特性を有する場合、第1誘電体31は弾性誘電体/弾性誘電体層と称することができる。第1誘電体31が“弾性誘電体”/“弾性誘電体層”となることによって、感圧素子が押圧された際、第1電極10の突起部15の一部に食い込まれることにより、第1誘電体31の弾性変形がもたらされる。また、そのように、第1誘電体31が弾性変形することによって、第2誘電体32は、その厚みを減じるように変形する(後述する「第2実施態様」を参照のこと)。
第1誘電体31が弾性特性を有する場合、当該第1誘電体31は、押圧時にて第1電極10(特にその突起部15)よりも変形するように、第1電極10(特にその突起部15)よりも低い弾性率を有していてもよい。例えば、第1電極10(特にその突起部15)の弾性率が約10Pa超である場合、それよりも低い弾性率、例えば約10Pa〜10Pa、を第1誘電体31が有していてもよい。この場合、第1誘電体31の厚みは、突起部15の一部の第1誘電体31への食い込みによる、突起部15と第1誘電体31との接触領域の面積の拡大および第2誘電体32の厚みの減少に寄与できる程度の弾性変形がもたらされる限り特に限定されない。
第1誘電体31が可撓特性を有する場合、第1誘電体31は可撓性誘電体/可撓性誘電体層と称することができる。第1誘電体31が“可撓性誘電体”/“可撓性誘電体層”となることによって、感圧素子が押圧された際、第1電極10の突起部15間において、第1誘電体31の撓み変形がもたらされる。その撓み変形に伴って第2誘電体32の厚み寸法が減少するように第2誘電体32が変形する。(後述する「第1実施態様」を参照のこと)。
第1誘電体31が可撓特性を有する場合、当該第1誘電体31は通常、約10Pa超の弾性率を有する。この場合、第1誘電体31の厚みは、第2誘電体32の厚みの減少に寄与できる程度の撓み変形がもたらされる限り特に限定されない。例えば、第1誘電体31がフィルム状に薄い場合、撓み変形が起こり易く、その厚みは通常、1〜100μmであってよい。
第1誘電体31は、少なくとも「誘電体」としての性質および「可変形性」を有していれば、いずれの材質から成るものであってよい。例えば、第1誘電体31は、樹脂材、セラミック材および/または酸化金属材などを含んで成るものであってよい。あくまでも例示にすぎないが、第1誘電体31は、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフテレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、Al、およびTaなどから成る群から選択される少なくとも1種の材料を含んで成るものであってよい。弾性率はセラミック材および/または酸化金属材と樹脂成分との相対的割合を変更することによって調整できる。第1誘電体31は、所望の周波数帯域において、容量のインピーダンスよりも高い抵抗値を有する材料を含んでいてもよい。第1誘電体31の誘電率及び膜厚に関していえば、変形前における第2誘電体32よりも単位面積当たりの容量が大きくなるように、第1誘電体31の材料選択・膜厚調整がなされてもよい。
第2誘電体32は、突起部15に起因して形成された第1電極10の凹部分に位置付けられている。つまり、第2誘電体32は、互いに隣接する突起部15の間の領域に位置付けられている。換言すれば、図1に示されるように、「突起部が設けられていない第1電極10の突起非設置部17の上面」と「突起部15の側面」とが成す間隙部に第2誘電体32が位置付けられている。図示される形態から分かるように、第2誘電体32の上面は、突起部15の最頂部分15’(即ち、突起部15の最頂面)と面一になっていてもよい。
第2誘電体32は、誘電体から成るものであり、第1誘電体31の変形を阻害するものでなければ、いずれの誘電体から成るものであってよい。例えば、第2誘電体32が空気部であってよい。かかる場合、感圧素子が押圧された際に、第1誘電体31の変形がもたらされ、それによって、第2誘電体32が、その厚みを効果的に減じるように変形できる。
第2電極20は、第1電極10と対向配置される電極部材である。第2電極20は層形態を有していてもよい。かかる第2電極20は、「導電特性」の性質を少なくとも有するのであれば、いずれの材質から成るものであってよい。例えば、第2電極20の材質は、常套的な感圧素子・センサ素子などの電極層の材質と同様であってよい。
第2電極20は「可変形性」を有していてもよい。第2電極20において「可変形性」は、第1誘電体31の説明における「可変形性」と同様に、「弾性特性」(即ち、「外力によって局所的に凹み変形し、除力すると元の形状へと戻る特性」)および「可撓特性」(即ち、「外力によって撓み変形し、除力すると元の形状へと戻る特性」)を包含して意味する。第2電極20は弾性特性または可撓特性のいずれかの特性を有していてもよい。
第2電極20が弾性特性を有する場合、第2電極20は弾性電極/弾性電極層と称することができる。第2電極20が“弾性電極”/“弾性電極層”となり、さらに第1誘電体31が“弾性誘電体”/“弾性誘電体層”となることによって、感圧素子が押圧された際、第1電極10の突起部15の一部の食い込みにより、第1誘電体31および第2電極20のより一層、大きな弾性変形がもたらされる。また、そのように、第1誘電体31および第2電極20が弾性変形することによって、第2誘電体32は、その厚みをより一層、減じるように変形する(後述する「第2実施態様」を参照のこと)。
第2電極20が弾性特性を有する場合、当該第2電極20は、押圧時にて第1電極10(特にその突起部15)よりも弾性変形するように、第1電極10(特にその突起部15)よりも低い弾性率を有していてもよい。例えば、第1電極10(特にその突起部15)の弾性率が約10Pa超である場合、それよりも低い弾性率、例えば約10Pa〜10Pa、を第2電極20が有していてもよい。この場合、第2電極20の厚みは、突起部15と第1誘電体31との接触領域の面積の拡大および第2誘電体32の厚みの減少に寄与できる程度の弾性変形がもたらされる限り特に限定されない。
第2電極20が可撓特性を有する場合、第2電極20は可撓性電極/可撓性電極層と称することができる。第2電極20が“可撓性電極”/“可撓性電極層”となり、さらに第1誘電体31が“可撓性誘電体”/“可撓性誘電体層”となることによって、感圧素子が押圧された際、第1電極10の突起部15間において、第1誘電体31の撓み変形がより一層、十分にもたらされる。その撓み変形に伴って第2誘電体32の厚み寸法がより一層、十分に減少するように第2誘電体32が変形する。(後述する「第1実施態様」を参照のこと)。
第2電極20が可撓特性を有する場合、当該第2電極20は通常、約107Pa超の弾性率を有する。この場合、第2電極20の厚みは、第2誘電体32の厚みの減少に寄与できる程度の撓み変形がもたらされる限り特に限定されない。
第2電極20が可変形性を有する場合、第2電極20は少なくとも「可変形性」と「導電特性」の性質を有するのであれば、いずれの材質から成るものであってよい。例えば、第2電極20は、第1電極10の説明で記載した樹脂体およびその表面に形成された導電層および/またはその樹脂体内に分散された導電性フィラーから構成されたものであってよい。弾性率は樹脂体の樹脂成分としてのポリマーの重合度、導電性フィラーと樹脂体の樹脂成分との相対的割合を変更することによって調整できる。
本開示に係る感圧素子の一態様では、対向配置された第1電極および第2電極において、第2電極の外面側が感圧素子の押圧側となっている。図1に示すように、感圧素子100の「A側」(図中の上側)および「B側」(図中の下側)という側部でいえば、「A側」が押圧側となる。かかる態様において本開示の感圧素子は、第2電極の外面側からその内面側に向かって押圧される、即ち、感圧素子100の「A側」からB側へと向かって押圧されることになる。
本開示の感圧素子は、種々の実施態様で実現することができる。以下それについて説明する。
(第1実施態様)
本実施態様の感圧素子は、上記した感圧素子において、第1誘電体31および第2電極20が「可撓特性」を有するものである。かかる感圧素子において、感圧素子に荷重が加えられると、例えば図2A〜図2Cに示すように、突起部15(特にその最頂部分)と第1誘電体31との接触領域の面積S1は変化しないが、図3A〜図3Cに示すように、第1誘電体31および第2電極20が撓み変形するため、第2誘電体32が変形し、誘電体の厚みd1(特に第2誘電体32の厚み)が減少する。厚みd1の減少に起因して容量変化がもたらされ、その容量変化から荷重が検出される。本実施態様において検出される容量変化は、具体的には、後述する第2実施態様に係る感圧素子における第2コンデンサにおける静電容量Bの変化と同様の変化に基づくものである。図2A〜図2Cは、本開示の第1実施態様に係る一例の感圧素子に荷重が加えられた際の突起部近傍の経時変化を模式的に示した感圧素子の断面図である。図3A〜図3Cは、図2A〜図2Cと同様の感圧素子に荷重が加えられた際の第2誘電体近傍の経時変化を模式的に示した感圧素子の断面図である。
図2A〜図2Cにおいて突起部15は錐台形状を有しているが、柱体形状または半球体形状を有していてもよい。製品のさらなる長寿命化の観点から、突起部15は錐台形状または半球体形状を有していてもよい。
なお本実施態様において、突起部15を半球体形状にすると、後述する第2実施態様においてと同様に、容量変化特性(荷重印加時の容量変化特性)につきリニアリティが向上する。詳しくは、感圧素子に荷重が加えられると、第1誘電体31および第2電極20が撓み変形により、例えば図4A〜図4Cに示すように、突起部15(特にその最頂部分)と第1誘電体31との接触領域の面積S2が拡大するとともに、図5A〜図5Cに示すように、第2誘電体32が変形し、誘電体の厚みd2(特に第2誘電体32の厚み)が減少する。面積S2の拡大に起因して容量変化がもたらされ、この容量変化は低荷重の方が高荷重よりも大きい。厚みd2の減少に起因して容量変化がもたらされ、この容量変化は高荷重の方が低荷重よりも大きい。このように2種の異なる容量変化特性を組み合わせるため、容量変化特性(荷重印加時の容量変化特性)につきリニアリティが向上する。具体的には、面積S2の拡大に起因する容量変化は後述する第2実施態様に係る感圧素子の第1コンデンサにおける静電容量Aの変化と同様の変化に基づくものである。厚みd2の減少に起因する容量変化は後述する第2実施態様に係る感圧素子の第2コンデンサにおける静電容量Bの変化と同様の変化に基づくものである。図4A〜図4Cは、本開示の第1実施態様に係る別の一例の感圧素子に荷重が加えられた際の突起部近傍の経時変化を模式的に示した感圧素子の断面図である。図5A〜図5Cは、図4A〜図4Cと同様の感圧素子に荷重が加えられた際の第2誘電体近傍の経時変化を模式的に示した感圧素子の断面図である。
容量変化の検出方式、容量変化からの荷重の導出方法および感圧素子と共に使用され得る制御装置は、後述する第2実施態様においてと同様である。
(第2実施態様)
本実施態様の感圧素子は、上記した感圧素子において、少なくとも第1誘電体31が「弾性特性」を有するものである。かかる感圧素子に荷重が加えられると、図6Bに示すように、突起部15の一部が少なくとも第1誘電体31に食い込むように第1誘電体31が弾性変形し、突起部15(特にその最頂部分)と第1誘電体31との接触領域の面積Sが拡大する。面積Sの拡大に起因して容量変化がもたらされる。一方で、第1誘電体31の弾性変形に伴い、図7B及び7Cに示すように、第2誘電体32が変形し、誘電体の厚みd(特に第2誘電体32の厚み)が減少する。厚みdの減少に起因して容量変化がもたらされる。このような2種類の容量変化から荷重が検出されるため、容量変化特性(荷重印加時の容量変化特性)につきリニアリティが向上する。本実施態様においては、第2電極20は弾性特性または可撓特性のいずれかの特性を有していてもよいが、リニアリティのさらなる向上の観点から、第2電極20も「弾性特性」を有し、感圧素子への荷重付加により、図6Cに示すように、第1誘電体31および第2電極20が弾性変形してもよい。
図6Aから6Cにおいて突起部15は錐台形状を有しているが、柱体形状または半球体形状を有していてもよい。容量変化特性に関するリニアリティ特性の向上および製品のさらなる長寿命化の観点から、突起部15は錐台形状または半球体形状を有していてもよい。
本実施態様の感圧素子について、以下、具体的に説明する。
本実施態様の感圧素子の静電容量は、第1容量および第1容量と異なる第2容量とが合わせられることによって成っている。換言すれば、本実施態様の感圧素子では、第1容量および第2容量のそれぞれを検知して、センシングするようになっている。
第1容量は、図8および図9Aに示すように突起部15と第1誘電体31との接触領域を含む第1コンデンサにおける静電容量Aである。つまり、図示するように、突起部15の最頂部分(例えば最頂面)と第1誘電体31の主面との接触面を有する第1コンデンサにおける容量が第1容量に相当する。一方、第2容量は、突起部15と第1誘電体31との非接触領域を含む第2コンデンサにおける静電容量Bである。つまり、図示するように、突起部15の最頂部分(例えば最頂面)と第1電極31の主面との接触面を有していない第2コンデンサにおける容量が第2容量に相当する。第2容量は、図8に示すように、第2誘電体32と第1誘電体31との接触領域を含む第2コンデンサにおける静電容量であるといえる。
「第1容量」および「第2容量」について詳述する。ここで、第1コンデンサの容量C〔pF〕および感圧素子に加えられる荷重F〔N〕は、それぞれ以下の式で表される。
Figure 0006643647
Figure 0006643647
ここで、ε〔pF/m〕は誘電体の誘電率、S〔m〕は突起部と第1誘電体との接触面積、d’〔m〕は第1誘電体の厚さ、E〔Pa〕はヤング率、eはひずみである。
本実施態様において第1容量の特性は、“容量に対して荷重のほうが増加しやすい特性”となっている。換言すれば、図6Dに示されるように、第1コンデンサにおいては、加えられる荷重が大きくなるにつれて、容量Cの増加率が小さくなってくる。容量Cは、面積S(突起部15と第1誘電体31との接触面積)の可変パラメータに依存するところ、荷重Fは、面積Sとひずみe(第1誘電体31および第2電極20の変形量)と2つの可変パラメータに依存する。よって、第1コンデンサは、感圧素子に荷重を加えた際に“容量に対して荷重のほうが増加しやすい特性”を有し得、それゆえ、加えられる荷重Fが大きくなるにつれて、容量Cの増加率が小さくなる傾向を有している。尚、「加えられる荷重Fが大きくなるにつれて、容量Cの増加率が小さくなる傾向」とは、図6Dのグラフに示されるように、低荷重領域では容量Cの増加率が相対的に高いものの、高荷重領域では容量Cの増加率が相対的に低くなる傾向を指している。
第1コンデンサにおいては、突起部15の第1誘電体31への“食い込み”に起因して第1誘電体31の厚みが減少する。即ち、“食い込み”に起因して突起部15の最頂部分15’と第2電極20との離隔距離d’が減じられる。このため、当該離隔距離d’も容量Cの可変パラメータのひとつとなるが、荷重Fが依存するひずみeと比較すると、その影響は極めて小さいため、主たる可変パラメータにはならない。
一方、第2コンデンサの容量C〔pF〕は、以下の式で表される。
Figure 0006643647
ここで、ε〔pF/m〕は誘電体の誘電率、S〔m〕は電極と誘電体との接触面積、d〔m〕は誘電体の厚さである。
本実施態様において第2容量は、図7Dに示されるように、加えられる荷重が大きくなるにつれて、容量Cの増加率が大きくなる傾向を有している。第2コンデンサの容量Cは、誘電体の厚みd(特に第2誘電体32の厚み)の可変パラメータに対して反比例する関係を有し、その影響が大きく、それゆえ、加えられる荷重Fが大きくなるにつれて、容量Cの増加率が大きくなる傾向となっている。「加えられる荷重Fが大きくなるにつれて、容量Cの増加率が大きくなる傾向」とは、図7Dのグラフに示されるように、低荷重領域では容量Cの増加率が相対的に低いものの、高荷重領域では容量Cの増加率が相対的に高くなる傾向を指している。
本実施態様の感圧素子の容量は、このように容量特性の異なる「第1容量」および「第2容量」に基づいており、それゆえ、図9Bに示すように高いリニアリティ特性を呈することができる。具体的には、「第1容量」と「第2容量」との割合が調整されることにより低荷重領域および高荷重領域での感度が調整され、感圧素子の高いリニアリティ特性が実現される。より具体的には、「第1コンデンサにおける荷重と第1容量との相関関係特性」と「第2コンデンサにおける荷重と第2容量との相関関係特性」との割合が適宜調整され合わせられることによって、低荷重領域および高荷重領域での感度が調整され、感圧素子として高いリニアリティ特性が実現される。例えば「加えられる荷重Fが大きくなるにつれて、容量Cの増加率が小さくなる第1コンデンサの特性」が「加えられる荷重Fが大きくなるにつれて、容量Cの増加率が大きくなる第2コンデンサの特性」よりも相対的に大きい場合、「第1容量」の割合を「第2容量」に対して相対的に小さくする、逆にいえば、「第2容量」の割合を「第1容量」に対して相対的に大きくすることによって、感圧素子の高いリニアリティ特性を一般に実現することができる。同様にして、例えば「加えられる荷重Fが大きくなるにつれて、容量Cの増加率が小さくなる第1コンデンサの特性」が「加えられる荷重Fが大きくなるにつれて、容量Cの増加率が大きくなる第2コンデンサの特性」よりも相対的に小さい場合、「第1容量」の割合を「第2容量」に対して相対的に大きくする、逆にいえば、「第2容量」の割合を「第1容量」に対して相対的に小さくすることによって、感圧素子の高いリニアリティ特性を一般に実現することができる。
ちなみに、第1コンデンサの特性(即ち、荷重と第1容量との相関関係特性)が第2コンデンサの特性(即ち、荷重と第2容量との相関関係特性)よりも上回るように「第1容量」と「第2容量」との割合が調整されると、低荷重領域では大きい感度、高荷重領域では小さい感度を呈する感圧センサ素子を実現することもできる。同様にして、第2コンデンサの特性(即ち、荷重と第2容量との相関関係特性)が第1コンデンサの特性(即ち、荷重と第1容量との相関関係特性)よりも上回るように「第1容量」と「第2容量」との割合が調整されると、低荷重領域では小さい感度、高荷重領域では大きい感度を呈する感圧センサ素子を実現することもできる。
感圧素子の容量特性(即ち、荷重と静電容量との相関関係特性)について高いリニアリティが実現される場合、特に図9Bに示すグラフ図から分かるように、かかる感圧素子の容量特性は、第1コンデンサの静電容量特性(即ち、荷重と第1容量との相関関係特性)および第2コンデンサの静電容量特性(即ち、荷重と第2容量との相関関係特性)の各々よりも高いリニアリティを有している。つまり、感圧素子に荷重を加えた際の荷重と容量との相関関係について、感圧素子は、第1コンデンサおよび第2コンデンサのそれぞれ単独よりも高いリニアリティ特性を全体として有している。
「第1コンデンサ」および「第2コンデンサ」について詳述する。第1コンデンサは、突起部15の領域を含むように構成されている。換言すれば、第1コンデンサは、突起部15の最頂部分15’と第1誘電体31の主面との接触面を有するコンデンサ部に相当する。より具体的には、図10に示すように、第1コンデンサは、「第1電極10の突起部15」と、「突起部15と対向する位置に存在する第2電極20の第1部分(20A)」と、「突起部15と第1部分(20A)との間に位置付けられた第1誘電体31の第1部分(31A)」とから構成されている。一方、第2コンデンサは、突起部15の領域を含まない構成を有している。換言すれば、第2コンデンサは、突起部15と第1誘電体31とが接触していない領域に相当する非接触領域を含むように構成されており、即ち、突起部15の最頂部分15’と第2電極10の主面との接触面を有していないコンデンサ部である。より具体的には、図10に示すように、第2コンデンサは、「突起部が設けられていない第1電極の突起非設置部17」と、「突起非設置部17と対向する位置に存在する第2電極20の第2部分(20B)」と、「突起非設置部17と第2部分(20B)との間に位置付けられた、第1誘電体31の第2部分(31B)および第2誘電体32」とから構成されている。
図11には、第1コンデンサおよび第2コンデンサのそれぞれの誘電体が模式的に示されている。図示される態様から分かるように、第1コンデンサでは、第1電極の突起部15と、第2電極20の第1部分(20A)と、最頂部分15’と第1部分(20A)との間の誘電体とから構成される素子領域に電荷が蓄えられるのに対して、第2コンデンサでは、第1電極の突起非設置部17と、第2電極20の第2部分(20B)と、それらの間の誘電体とから構成される素子領域に電荷が蓄えられることになる。
本実施態様の感圧素子は、このような構成の異なる2種類の「第1コンデンサ」および「第2コンデンサ」から成り、それゆえ、荷重印加時における静電容量の変化特性が全体として高いリニアリティを呈し得る。
本実施態様においては、感圧素子の高いリニアリティ特性は、2種類の静電容量を検知してセンシングすることによってもたらされ得る。具体的には、第1電極の突起部分(突起部)と第2電極間で生じる静電容量と、変形可能な誘電体(即ち、第2誘電体)の配置された部分で生じる静電容量の総和の静電容量を検知して、センシングすることによって、感圧素子として高いリニアリティ特性が得られる。
容量変化の検出は、自己容量方式または相互容量方式のいずれを採用してもよい。あるいは、別法にてその他の既知の方式を容量変化の検出のために採用してもよい。すなわち、感圧素子の用途等に応じて適当な方式を適宜採用すればよい。また、感圧素子の静電容量変化からの荷重の導出方法も、既知のいずれかの手法を採用すればよい。
感圧素子は制御装置と共に使用され得る。かかる制御装置は、例えば、感圧素子における静電容量変化もしくは導出した荷重分布を記憶するか、あるいは、外部のPC等の機器へと出力する機能を有していてもよい。このような制御装置は、感圧素子とは別体に設けられるものであってよく、それゆえ、例えば感圧素子が外部のPC等の演算処理装置によって制御されるものであってもよい。
(他の部材)
本開示の一態様では、図12に示すように、支持基材50および押圧基材60を更に有して成る。図示するように、第1電極10と第2電極20と誘電体30とから構成される構造体の両側に支持基材50および押圧基材60が設けられる。
支持基材50は、図12に示すように、第1電極10の外側主面と接するように設けられている。支持基材50は、「第1電極10と第2電極20と誘電体30とから構成される構造体」を少なくとも支持するのに供する部材である。支持基材50は可撓性を有していてもよい。かかる支持基材50は、樹脂基板であってよい。従って、支持基材50は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートおよびポリイミドなどから成る群から選択される少なくとも1種の樹脂成分を含んで成る。
押圧基材60は、図12に示すように、第2電極20の外側主面と接するように押圧基材が設けられている。押圧基材60は、「第1電極10と第2電極20と誘電体30とから構成される構造体」において押圧に直接的に付される部材である。押圧基材60は可撓性を有していてもよい。かかる押圧基材60は、樹脂基板であってよい。従って、押圧基材60は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートおよびポリイミドなどから成る群から選択される少なくとも1種の樹脂成分を含んで成る。
本開示の感圧素子は、スペーサを更に有して成るものであってもよい。具体的には、図12に示すように、対向配置された第1電極10と第2電極20との間にスペーサ70が設けられてよい。図示するように、第1電極10と第2電極20との周縁領域にスペーサ70が設けられてよい。スペーサ70が設けられることによって、第1電極10と第2電極20との対向配置がもたらされると共に、押圧時にて「第1誘電体31の変形およびその変形回復」及び「厚み減少を伴う第2誘電体32の変形およびその変形回復」などがもたらされることになる。スペーサは、例えば、絶縁性樹脂材(ポリエステル樹脂および/またはエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂材)を含んで成るものであってよい。別法にて、第1電極10の突起部15をそのままスペーサとして利用してもよい。
(透明感圧素子の実施態様)
かかる実施態様は、感圧素子が透明な素子となっている態様である。かかる実施態様によれば、第1電極10、第2電極20、第1誘電体31および第2誘電体32の少なくとも1つが光透過性を有している。つまり、感圧素子の構成要素の少なくとも1つが可視光領域において透明となっている。
感圧素子の構成要素の全てが透明要素となっており、それゆえ、第1電極10、第2電極20、第1誘電体31および第2誘電体32の全てが光透過性を有していてもよい。支持基材50および押圧基材60も光透過性を有していてもよい。
本開示の感圧素子100の上記の構成要素は、透明性を担保するため例えば以下の材料的特徴を有している。まず、支持基材50および押圧基材60は、ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリカーボネート等の透明樹脂材料を含んでいてもよい。
第1電極10が樹脂体およびその中に分散した導電性フィラーから構成される場合、樹脂体がシリコーン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂およびロタキサン系樹脂から成る群から選択される少なくとも1種の高い透明性の樹脂材から成っていてもよい。導電性フィラーは、In、ZnO、SnO、In及びSnO、またはZnO及びSnO等から成るナノ粒子の形態を有するものであってもよく、あるいは、Au、Ag、Cuおよび/またはCなどから成る直径数十nmのナノワイヤーの形態を有するものであってもよい。このような、樹脂体と導電性フィラーとから構成されることによって第1電極10の透明性を確保することができる。尚、第1電極10では導電性フィラーを用いず、樹脂体の表面にInのような透明な導電性インクを塗布して透明導電層が設けられてもよい。更には、樹脂体の表面に幅数百nmのラインでAgまたはCu等から構成される数十μm程度の導電性格子パターン等を設けてもよい。
第1電極10がガラス体およびその中に分散した導電性フィラーから構成される場合、ガラス体が石英ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラスおよび鉛ガラスから成る群から選択される少なくとも1種の高い透明性のガラス材から成ってもよい。導電性フィラーは、上記透明樹脂体の導電性フィラーと同様のものが使用される。このような、ガラス体と導電性フィラーとから構成されることによって第1電極10の透明性を確保することができる。尚、第1電極10では導電性フィラーを用いず、ガラス体の表面にInのような透明な導電性インクを塗布して透明導電層が設けられてもよい。更には、ガラス体の表面に幅数百nmのラインでAgまたはCu等から構成される数十μm程度の導電性格子パターン等を設けてもよい。
第2電極20は、透明電極層の形態を有していてもよい。例えば、第2電極20はIn、ZnO、SnO、In及びSnO、またはZnO及びSnOから成る透明電極材料を含んでいてもよい。
第1誘電体31は、透明誘電体層の形態を有していてもよい。例えば、第1誘電体31は、ポリエチレンテレフテレート樹脂および/またはポリイミド樹脂などの透明誘電体材料を含んでいてもよい。
第2誘電体32は、空気層の形態を有していてもよい。このように空気層の形態を有する第2誘電体32は、光透過性を呈し得る。
(マトリックス型の複数センサの実施態様)
かかる実施態様は、センサ素子として複数の感圧素子をマトリックス型に構成した態様である。
かかる実施態様に従えば、静電容量検出部における静電容量の変化に基づいて、複数の感圧素子を備えたセンサデバイスの検出面内において荷重印加位置を特定できる。具体的には、検出面に沿って配列される複数の第2電極と、第2電極に対向して設けられる第1電極と、第2電極および第1電極の対からなる複数の静電容量検出部が設けられている。かかる実施態様において、第1電極は、所定方向にて隣接するもの同士が電気的に接続されていてよい。第2電極同士および/または第1電極同士が電気的に接続されていてもよい。
[感圧素子の製造方法]
次に、本開示の感圧素子の製造方法について説明する。
本開示の感圧素子は、以下の工程を含む方法により製造することができる:
支持基材を準備する工程(支持基材の準備工程)、
前記支持基材上に第1電極を形成する工程(第1電極の形成工程)、
押圧基材上に第2電極を形成する工程(第2電極の形成工程)、
前記第2電極上に第1誘電体を形成する工程(第1誘電体の形成工程)、
前記第2電極と第1誘電体とを備えた押圧基材を、前記第1電極が形成された支持基材上に、第1誘電体と第1電極とが直接的に対向するように載置し、第1誘電体と第1電極との間に第2誘電体を形成する工程(押圧側部材の載置工程)。
以下、本開示の感圧素子の製造方法の一態様を図13A〜図13Fにより詳しく説明する。図13A〜図13Fには、ある1つの態様に従った本開示の感圧素子の製造方法の概略工程を模式的に示している。
〈支持基材の準備工程〉
まず、図13Aに示されるように、支持基材50を準備する。支持基材50としては、可撓性を有する基板を用いてよい。例えば、支持基材50は、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートおよび/またはポリイミド等を含んで成るプラスチック基板であってよい。
〈第1電極の形成工程〉
次いで、支持基材50上に「液状のポリマー樹脂原料に対して導電性フィラーを含有させて成る複合材料」を塗布する。例えば、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂および/またはロタキサン系樹脂等の液状のポリマー樹脂原料に対して導電性フィラーを複合させて成る複合材料を支持基材50上に塗布する。導電性フィラーの材質は、Au、Ag、Cu、C、ZnO、InおよびSnO等から成る群から選択されるものであってよい。
次いで、凹凸パターンを有したモールドを用い、支持基材50上の複合材料層に対して押付け処理を施し、複合材料層を硬化させる。これにより、突起部15を有する第1電極10が形成される(図13B)。具体的には、モールドの凹凸パターンを複合材料層に転写することによって、複数のピラー状突起(即ち、突起部15)が形成される。尚、使用されるモールドの凹凸パターンの形状に応じて、複数のピラー状突起は、種々の形状(例えば、円柱形状、円錐形状、円錐台形状、四角錐台形状、半球形状または格子形状などの形状)を有し得る。
導電性フィラーを含有させて成る複合材料を用いず、第1電極10を形成することもできる。例えば、液状のポリマー樹脂原料を塗布することで得られた樹脂原料層に対して、凹凸パターンを転写して樹脂体を形成した後、かかる樹脂体の表面に導電性フィラーを含んだインクを塗布して導電層を形成してもよい。
このような第1電極10の形成方法は、ナノインプリント技術を用いたものである。ナノインプリント技術とは、凹凸パターンを有したモールドを被転写材料の樹脂体に押し付け、ナノオーダーでモールドに形成されたパターンを樹脂体に転写する技術である。かかる技術は、リソグラフィ技術と比べて微細なパターンかつ円錐等の傾斜を有した立体を形成することができる。ナノインプリント技術では、予め規定した所望の凹凸パターンを備えたモールドを用い、第1電極10の全体的形状及び突起部高さなどを容易に制御することができる。同様にして、ナノインプリント技術では、突起部の形状制御も容易となる。突起部の形状制御によって、感圧素子において突起部15と第1誘電体層31との接触面積の変化(押圧時の接触面積の変化)を特に緩やかにすることができる。つまり、押圧時の容量変化につき制御が可能となり、押圧力が精度良く検知される感圧素子を実現できる。
当然のことながら、ナノインプリント技術以外にフォトリソグラフィエッチングまたは現像・剥離技術を利用することによって第1電極10の形成を行ってもよい。フォトリソグラフィエッチングの場合では、エッチング液の濃度及び流量を制御することにより、所望の突起部高さ・突起部形状を形成できる。
樹脂原料を用いず、第1電極10を形成することもできる。例えば、第1電極10として金属体を用いる場合、金属箔の粗化処理、マイクロブラスト工法、蒸着またはスパッタによる、パターン形成を行い、所望の突起部高さ・突起部形状を形成してもよい。また、第1電極10が複数の突起部15を有する場合、当該複数の突起部は同一の金属から形成されるものに限定されない。また例えば、第1電極10としてガラス体を用いる場合、ブラスト工法、機械加工、研磨技術、ケミカルエッチングを用いてもよい。
〈スペーサの形成工程〉
次いで、図13Cに示すように、スペーサ70を形成する。図示されるように、支持基材50および第1電極10の複合体の周縁部にスペーサ70を形成してもよい。スペーサ自体は、ポリエステル樹脂および/またはエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂原料から形成してよい。別法にて、第1電極10の突起部15をスペーサとして代用してもよい。
〈第2電極の形成工程〉
次いで、図13Dに示すように、押圧基材60に対して複数の第2電極20を形成する。より具体的には、押圧基材60として用いられる「樹脂材から成る可撓性のプラスチック基板」に対して、複数の第2電極20を互いに離隔した形態で設ける。押圧基材60に用いられる樹脂材としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートおよび/またはポリイミド等を挙げることができる。
第2電極20の形成方法は特に制限はない。例えば「液状のポリマー樹脂原料に対して導電性フィラーを含有させた複合材料」を押圧基材60上にパターン印刷し、硬化に付すことで第2電極20を形成できる。ポリマー樹脂原料は、例えば、シリコーン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂および/またはロタキサン系樹脂等であってよい。一方、導電性フィラーは、Au、Ag、Cu、C、ZnO、In、およびSnO等から成る群から選択されるものであってよい。別法にて、無電解めっき又はゾルゲル法を利用して第2電極20を形成してもよい。
〈第1誘電体の形成工程〉
次いで、図13Eに示すように、第1誘電体31を形成する。具体的には、第2電極20上に第1誘電体31を形成する。例えば、樹脂原料を第2電極20上に塗布することを通じて第1誘電体31を形成できる。第1誘電体31の樹脂原料としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフテレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂およびAl、およびTa等から成る群から選択されるものを挙げることができる。
〈押圧側部材の載置工程〉
次いで、押圧側部材を「支持基材および第1電極の複合体」に対して載置させる。具体的には、図13Fに示すように、「第2電極20と第1誘電体31とを備えた押圧基材60」を、スペーサ70を介して、「支持基材50および第1電極10の複合体」に載置させる。特に、第1誘電体31と第1電極10とが直接的に対向するように載置を行う。これにより、第1誘電体31と第1電極10との間に形成される空隙部が第2誘電体32を成すことになる。
上記工程を経ることによって、最終的には、図13Fに示すような感圧素子100を得ることができる。
以上、本開示の実施形態について説明してきたが、本開示はこれに限定されず、種々の改変がなされ得ることを当業者は容易に理解されよう。
本開示の感圧素子は各種電子機器のセンサ素子として好適に利用できる。具体的にいえば、本開示の第1実施態様および第2実施態様に係る感圧素子は、車載機器(カーナビゲーション・システム、音響機器など)、家電機器(電気ポット、IHクッキングヒーターなど)、スマートフォン、電子ペーパー、電子ブックリーダーなどの種々の電子機器に適用され、これまで以上にユーザーの利便性が図られたタッチセンサ素子(操作パネル・操作スイッチ)として利用できる。
特に、第1実施態様において剛性突起部15が半球体形状を有する感圧素子および第2実施態様に係る感圧素子は、簡易的な構造であるものの低荷重領域および高荷重領域の双方におけるリニアリティが好適に制御されるので、シート状であって変位量がマイクロメートルオーダーの感圧センサを実現できる。
10 第1電極
15 第1電極の突起部
15’ 突起部の最頂部分
17 第1電極の突起非設置部
20 第2電極
20A 第2電極の第1部分
20B 第2電極の第2部分
30 誘電体
31 第1誘電体
31A 第1誘電体の第1部分
31B 第1誘電体の第2部分
32 第2誘電体
50 支持基材
60 押圧基材
70 スペーサ
100 感圧素子

Claims (11)

  1. 少なくとも1つの突起部を含む第1電極、
    前記少なくとも1つの突起部と対向する第2電極、および
    前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、第1誘電体と第2誘電体とを含む誘電体
    を備え、
    前記第1誘電体が、前記少なくとも1つの突起部の最頂部分と前記第2電極との双方に接し、かつそれらの間に位置し、
    前記第2誘電体が、前記少なくとも1つの突起部を除く前記第1電極と前記第1誘電体との間に位置し、
    前記少なくとも1つの突起部の弾性率は前記第1誘電体の弾性率よりも高い、感圧素子であって、
    前記感圧素子の容量が、第1容量および第2容量を含み、
    前記第1容量が、前記少なくとも1つの突起部と前記第1誘電体との接触領域を含む第1コンデンサにおける静電容量であり、
    前記第2容量が、前記第1誘電体と前記第2誘電体との接触領域を含む第2コンデンサにおける静電容量であり、
    さらに、前記感圧素子の容量特性が、前記第1容量および前記第2容量の各々の容量特性よりも高いリニアリティを有している、感圧素子
  2. 前記第1誘電体が可撓性を有する、請求項1に記載の感圧素子。
  3. 前記感圧素子に荷重が加えられると、前記第1誘電体の撓みに伴って前記第2誘電体の厚みが減少するように、前記第2誘電体が構成されている、請求項2に記載の感圧素子。
  4. 前記第1誘電体が弾性を有する、請求項1に記載の感圧素子。
  5. 前記感圧素子に荷重が加えられると、前記少なくとも1つの突起部の少なくとも一部が前記第1誘電体に食い込むことにより、前記少なくとも1つの突起部と前記第1誘電体との接触領域の面積が拡大するように、前記第2誘電体が構成されている、請求項4に記載の感圧素子。
  6. 前記感圧素子に荷重が加えられると、前記少なくとも1つの突起部の少なくとも一部が前記第1誘電体に食い込むことにより、前記第2誘電体の厚みが減少するように、前記第2誘電体が構成されている、請求項5に記載の感圧素子。
  7. 前記第1コンデンサが、前記少なくとも1つの突起部と、前記少なくとも1つの突起部と対向する位置に存在する前記第2電極の第1部分と、前記少なくとも1つの突起部と前記第2電極の前記第1部分との間に位置する前記第1誘電体の第1部分とから構成され、
    前記第2コンデンサが、前記少なくとも1つの突起部が設けられていない部分である、前記第1電極の第1部分と、前記第1電極の前記第1部分と対向する位置に存在する前記第2電極の第2部分と、前記第1電極の前記第1部分と前記第2電極の前記第2部分との間に位置する前記第1誘電体の第2部分と、前記第2誘電体とから構成されている、請求項1から6のいずれかに記載の感圧素子。
  8. 前記少なくとも1つの突起部は、その幅が第2電極に向かって漸次減じられたテーパ形状を有する、請求項1からのいずれかに記載の感圧素子。
  9. 前記第1電極、前記第2電極、前記第1誘電体および前記第2誘電体の少なくとも1つが光透過性を有する、請求項1からのいずれかに記載の感圧素子。
  10. 支持基材および押圧基材を更に備え、
    前記第1電極が、前記第2電極に対向する第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面とを有し、
    前記第2電極が、前記第1電極に対向する第3主面と、前記第3主面と反対側の第4主面とを有し、
    前記支持基材が前記第2主面と接しており、
    前記押圧基材が前記第4主面と接している、請求項1からのいずれかに記載の感圧素子。
  11. 前記第1電極と前記第2電極との間に配置されたスペーサを更に備える、請求項1から10のいずれかに記載の感圧素子。
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