JP2003035615A - 静電容量式センサ - Google Patents

静電容量式センサ

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JP2003035615A
JP2003035615A JP2001223422A JP2001223422A JP2003035615A JP 2003035615 A JP2003035615 A JP 2003035615A JP 2001223422 A JP2001223422 A JP 2001223422A JP 2001223422 A JP2001223422 A JP 2001223422A JP 2003035615 A JP2003035615 A JP 2003035615A
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capacitance
signal
electrode
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Hideo Morimoto
森本  英夫
Tomohiro Agatani
智宏 阿賀谷
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Nitta Corp
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Nitta Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度特性が優れているとともに、ノイズの影
響を受けにくい静電容量式センサを提供する。 【解決手段】 基板20上に容量素子用電極E1〜E5
および接地された基準電極E0が形成されている。これ
らの電極E0〜E5に対向する位置には、外部から操作
される検知部材30がZ軸方向に移動するのにともなっ
てZ軸方向に変位する変位電極40が配置されている。
変位電極40は、容量素子用電極E1〜E5および基準
電極E0との間で容量素子C0〜C5をそれぞれ構成し
ている。各容量素子C1〜C5は外部から入力された信
号に対してそれぞれ容量素子C0と直列に接続された関
係となり、検知部材30が移動したときの容量素子C1
〜C5の静電容量値の変化が、ヒステリシス特性を有す
る信号処理回路によって検出されることにより、検知部
材30の変位が認識される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多次元方向の操作
入力を行うために用いて好適な静電容量式センサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】静電容量式センサは、操作者が加えた力
の大きさおよび方向を電気信号に変換する装置として利
用されている。例えば、ゲーム機器の入力装置として、
多次元方向の操作入力を行うための静電容量式力覚セン
サ(いわゆるジョイスティック)として組み込んだ装置
が利用されている。
【0003】静電容量式センサでは、操作者から伝えら
れた力の大きさとして、所定のダイナミックレンジをも
った操作量を入力することができる。また、加えられた
力を各方向成分ごとに分けて検出することが可能な二次
元または三次元力覚センサとしても利用されている。特
に、2枚の電極によって静電容量素子を形成し、電極間
隔の変化に起因する静電容量値の変化に基づいて力の検
出を行う静電容量式力覚センサは、構造を単純化してコ
ストダウンを図ることができるメリットがあるために、
さまざまな分野で実用化されている。
【0004】静電容量式センサとして、相反する方向成
分の力を検出するための一対の固定電極と、これらの電
極に対向するように配置された変位電極とを備えたもの
が知られている。この静電容量式センサでは、一方の固
定電極と変位電極との間で構成される容量素子および他
方の固定電極と変位電極との間で構成される容量素子の
静電容量値の変化に基づいて外部から加えられた力が検
出される。ここで、一対の固定電極に対してはそれぞれ
信号が入力されており、これらの信号はそれぞれの容量
素子の静電容量値の変化に基づく遅延が生じた後で、排
他和回路などで読み取られることによって出力信号が導
出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
静電容量式センサが有する感度特性では、各方向成分の
力を十分に検出することができないことがある。また、
それぞれの固定電極に入力される信号に対してノイズが
乗っている場合には、誤った出力信号が検出されること
によって、センサが誤作動を起こしてしまう。
【0006】そこで、本発明の主な目的は、感度特性が
優れているとともに、ノイズの影響を受けにくい静電容
量式センサを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の静電容量式センサは、導電性部材と、前
記導電性部材との間で第1の容量素子を構成する容量素
子用電極と、前記導電性部材と電気的に接続されるとと
もに、接地または一定の電位に保持された基準電極とを
備え、前記第1の電極に対して入力される信号を利用し
て前記第1の容量素子の静電容量値の変化が検出される
ことに基づいて外部から作用した力を認識可能であっ
て、対となる2つの前記容量素子用電極を有しており、
これら一対の容量素子用電極の一方を含む回路および他
方を含む回路にそれぞれ入力された信号の出力信号が、
ヒステリシス特性を有する信号処理回路により検出され
ることを特徴としている。
【0008】請求項1によると、ヒステリシス特性を有
する信号処理回路では、入力信号増加時のしきい値と入
力信号減少時のしきい値とが異なっているため、第1の
容量素子の静電容量値の変化に対応する出力信号の変化
が大きくなる。従って、出力信号がヒステリシス特性を
有さない信号処理回路により検出される場合と比較し
て、センサとしての感度特性が向上する。
【0009】また、入力信号にノイズが乗っている場合
でも、入力信号増加時のしきい値と入力信号減少時のし
きい値とが異なっているため、誤った出力信号が検出さ
れるのが抑制される。これにより、ノイズの影響による
センサの誤作動を防止することができる。
【0010】また、請求項2の静電容量式センサは、前
記基準電極と前記導電性部材との間に、第2の容量素子
が構成されていることを特徴としている。
【0011】請求項2によると、第1および第2の容量
素子を構成するために共通に用いられる導電性部材が、
直接接触することによってではなく、容量結合によって
接地または一定の電位に保持された基準電極と電気的に
結合される。そのため、センサの耐電圧特性が向上し、
スパーク電流が流れることによってセンサが破損するこ
とがほとんどなくなるとともに、接続不良などの不具合
を防止することができるため、信頼性の高い静電容量式
センサを得ることができる。それとともに、第1および
第2の容量素子が直列に接続された関係となるので、容
量素子用電極および基準電極を支持する基板などの部材
だけに配線を設ければ、導電性部材を接地または一定の
電位に保持するための配線を別途設ける必要がない。そ
のため、構造が簡単な静電容量式センサを少ない製造工
程数で製造することが可能となる。
【0012】また、請求項3の静電容量式センサは、X
YZ三次元座標系を定義したときに、XY平面を規定す
る基板と、前記基板と対向している検知部材と、前記基
板と前記検知部材との間に位置し、前記検知部材がZ軸
方向に変位するのにともなってZ軸方向に変位する導電
性部材と、前記基板上に形成され、前記導電性部材との
間で第1の容量素子を構成する容量素子用電極と、前記
基板上に形成され、前記導電性部材との間で第2の容量
素子を構成する接地または一定の電位に保持された基準
電極とを備え、前記第1の容量素子と前記第2の容量素
子とが前記容量素子用電極に対して入力される信号に対
して直列に接続された関係となり、前記導電性部材と前
記容量素子用電極との間隔の変化に起因する前記第1の
容量素子の静電容量値の変化が検出されることに基づい
て前記検知部材の変位を認識可能であって、且つ、対と
なる2つの前記容量素子用電極を有しており、これら一
対の容量素子用電極の一方を含む回路および他方を含む
回路にそれぞれ入力された信号の出力信号が、ヒステリ
シス特性を有する信号処理回路により検出されることを
特徴としている。
【0013】請求項3によると、請求項1と同様に、出
力信号がヒステリシス特性を有する信号処理回路により
検出されるため、ヒステリシス特性を有さない信号処理
回路により検出される場合よりも、センサとしての感度
特性を向上させることができる。また、請求項2と同様
に、信頼性の高い静電容量式センサを得ることができ
る。
【0014】また、請求項4の静電容量式センサは、前
記容量素子用電極が、Y軸に対して線対称に配置された
一対の第1の容量素子用電極と、X軸に対して線対称に
配置された一対の第2の容量素子用電極と、原点近傍に
配置された第3の容量素子用電極を有していることを特
徴としている。
【0015】請求項4によると、検知部材が外部から受
けた力のX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の方向成分
をそれぞれ別々に認識することができる。なお、第3の
容量素子用電極は、Z軸方向の成分を認識するために使
用しないで、入力の決定操作に使用してもよい。
【0016】また、請求項5の静電容量式センサにおい
て、前記信号処理回路は、入力信号増加時のしきい値が
入力信号減少時のしきい値よりも大きいものであること
を特徴としている。また、請求項6〜10の静電容量式
センサは、前記信号処理回路が、排他的論理和演算、論
理和演算、論理積演算、論理積演算および否定演算のい
ずれかを行うシュミット・トリガ型論理素子を利用した
ものであることを特徴としている。また、請求項11の
静電容量式センサは、前記信号処理回路が、シュミット
・トリガ型バッファ素子を利用したものであることを特
徴としている。また、請求項12の静電容量式センサ
は、前記信号処理回路が、シュミット・トリガ型インバ
ータ素子を利用したものであることを特徴としている。
また、請求項13の静電容量式センサは、前記信号処理
回路が、ヒステリシスコンパレータを利用したものであ
ることを特徴としている。請求項5〜13によると、出
力信号を精度よく検出することができ、さらに必要に応
じて検出精度または検出感度を調整することができる。
【0017】また、請求項14の静電容量式センサは、
前記一対の容量素子用電極の一方を含む回路および他方
を含む回路に、互いに位相が異なる信号が供給されるこ
とを特徴としている。請求項14によると、一対の容量
素子用電極の一方を含む回路および他方を含む回路の時
定数が同じものであるかどうかにかかわらず、検知部材
の変位を認識することができる。
【0018】また、請求項15の静電容量式センサは、
前記一対の容量素子用電極の一方を含むCR回路と他方
を含むCR回路との時定数が異なることを特徴としてい
る。請求項15によると、回路を通過することによる信
号の位相のずれを大きくできるため、検知部材の変位認
識の精度を向上させることができる。
【0019】また、請求項16の静電容量式センサは、
前記信号は、ハイレベルとローレベルとを周期的に繰り
返す信号であって、前記信号がローレベルである時に前
記第1の容量素子を放電させる機能を有する制御素子が
備えられていることを特徴としている。また、請求項1
7の静電容量式センサは、前記制御素子として、オープ
ンコレクタ型のインバータ素子が用いられていることを
特徴としている。
【0020】請求項16、17によると、オープンコレ
クタ型のインバータ素子などの制御素子によって、容量
素子に保持された電荷が瞬時に放電されるため、効率よ
く充電ができるとともに、信号の波形の密度を増加させ
ることができ、信号処理回路の感度を向上させることが
できる。
【0021】なお、これらの構成の静電容量式センサ
は、パソコン、携帯電話、ゲームなどの入力装置、力覚
センサ、加速度センサまたは圧力センサとして利用され
るのに好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説
明する実施の形態は本発明の静電容量式センサを力覚セ
ンサとして用いたものである。
【0023】図1は、本発明の実施の形態に係る静電容
量式センサの模式的な断面図である。図2は、図1の静
電容量式センサの検知部材の上面図である。図3は、図
1の静電容量式センサの基板上に形成されている複数の
電極の配置を示す図である。
【0024】静電容量式センサ10は、基板20と、人
などによって操作されることによって外部から力が加え
られる操作用部材である検知部材30と、変位電極40
と、基板20上に形成された容量素子用電極E1〜E5
および基準電極(共通電極)E0と、容量素子用電極E
1〜E5および基準電極E0に密着して基板20上を覆
うように形成された絶縁膜50と、検知部材30および
変位電極40を基板20に対して支持固定する支持部材
60とを有している。
【0025】ここでは、説明の便宜上、図示のとおり、
XYZ三次元座標系を定義し、この座標系を参照しなが
ら各部品に配置説明を行うことにする。すなわち、図1
では、基板20上の変位電極40の中心位置に対向する
位置に原点Oが定義され、右水平方向にX軸が、上垂直
方向にZ軸が、紙面に垂直奥行方向にY軸がそれぞれ定
義されている。ここで、基板20の表面は、XY平面を
規定し、基板20上の容量素子用電極E5、検知部材3
0および変位電極40のそれぞれの中心位置をZ軸が通
ることになる。
【0026】基板20は、一般的な電子回路用のプリン
ト回路基板であり、この例ではガラスエポキシ基板が用
いられている。また、基板20として、ポリイミドフィ
ルムなどのフィルム状の基板を用いてもよいが、フィル
ム状の基板の場合は可撓性を有しているため、十分な剛
性をもった支持基板上に配置して用いるのが好ましい。
【0027】検知部材30は、受力部となる小径の上段
部31と、上段部31の下端部に伸延する大径の下段部
32とから構成され、全体として円盤状に形成されてい
る。ここで、上段部31の径は、容量素子用電極E1〜
E4のそれぞれの外側の曲線を結んでできる円の径とほ
ぼ同じか、それより若干小さく、下段部32の径は、基
準電極E0の外径とほぼ同じである。なお、操作性を向
上させるために、検知部材30に樹脂製のキャップをか
ぶせてもよい。
【0028】また、検知部材30の上段部31の上面に
は、図2に示すように、X軸およびY軸のそれぞれの正
方向および負方向に対応するように、すなわち、容量素
子用電極E1〜E4に対応するように、操作方向(カー
ソルの移動方向)に対応した矢印が形成されている。
【0029】変位電極40は、導電性を有するゴムで形
成され、検知部材30の下段部32と同一の径を有する
円盤状であり、検知部材30の下面に付着されている。
また、変位電極40の下面には、変位電極40の中心位
置を中心とする円形で下方に開いた凹部が形成されてい
る。さらに、その凹部の底部には、変位電極40の中心
位置を中心とする円形で下方に突出した凸部が形成さ
れ、その凸部の中心位置(変位電極40の中心位置)に
は突起体45が形成されている。このように、変位電極
40は、検知部材30の変位にともなって変位する変位
部41(変位電極40の下面に形成された凹部底部の凸
部)と、最も外周よりの固定部43(変位電極40の下
面に形成された凹部以外の部分)と、変位部41と固定
部43とを接続する接続部42(変位電極40の下面に
形成された凹部底部の凸部以外の部分)とにより形成さ
れている。なお、突起体45は無くてもよいし、変位電
極40は、導電性を有する金属によって形成してもよ
い。
【0030】このように、変位電極40の中心位置に突
起体45が形成されているため、検知部材30に力が作
用したときに変位電極40が突起体45を支点として傾
くことができるようになっている。また、変位電極40
は、固定部43の下面および突起体45の下面が基板2
0上に形成された絶縁膜50に密着するように、支持部
材60によって、検知部材30とともに支持固定されて
いる。なお、突起体45は、検知部材30がZ軸方向に
強く押された場合には、変位電極40をある程度の力を
受けて基板20に接近させる弾性材の機能を有してい
る。
【0031】また、基板20上には、図3に示すよう
に、原点Oを中心とする円形の容量素子用電極E5と、
その外側に扇形の容量素子用電極E1〜E4と、さらに
その外側に原点Oを中心とするリング状の基準電極E0
とが形成されている。一対の容量素子用電極E1および
E2は、X軸方向に離隔してY軸に対して線対称に配置
されている。また、一対の容量素子用電極E3およびE
4は、Y軸方向に離隔してX軸に対して線対称に配置さ
れている。なお、基準電極E0は、容量素子用電極E5
と容量素子用電極E1〜E4との間に形成されてもよ
い。また、容量素子用電極E5を無くし、原点Oを中心
とする円形の基準電極E0を形成してもよい。ただし、
この場合には、Z軸方向成分は検出できなくなる。
【0032】ここでは、容量素子用電極E1はX軸の正
方向に対応するように配置され、一方、容量素子用電極
E2はX軸の負方向に対応するように配置され、外部か
らの力のX軸方向成分の検出に利用される。また、容量
素子用電極E3はY軸の正方向に対応するように配置さ
れ、一方、容量素子用電極E4はY軸の負方向に対応す
るように配置され、外部からの力のY軸方向成分の検出
に利用される。さらに、容量素子用電極E5は、原点O
上に配置されており、外部からの力のZ軸方向成分の検
出に利用される。
【0033】また、容量素子用電極E1〜E5および基
準電極E0は、スルーホールなどを利用して端子T0〜
T5(図4参照)にそれぞれ接続されており、端子T0
〜T5を通じて外部の電子回路に接続されるようになっ
ている。なお、ここでは、基準電極E0は、端子T0を
介して接地されている。
【0034】また、絶縁膜50が、基板20上の容量素
子用電極E1〜E5および基準電極E0に密着して、基
板20上を覆うように形成されている。このため、銅な
どで形成された容量素子用電極E1〜E5および基準電
極E0が空気にさらされることがなく、それらが酸化さ
れるのを防止する機能を有している。また、絶縁膜50
が形成されているため、容量素子用電極E1〜E5およ
び基準電極E0と、変位電極40とが直接接触すること
はない。
【0035】したがって、容量素子用電極E1〜E5お
よび基準電極E0は、それぞれ変位電極40との間で容
量素子を構成する。なお、容量素子用電極E1〜E5
は、変位電極40の変位部41との間でそれぞれ容量素
子C1〜C5を構成し、また、基準電極E0は、変位電
極40の固定部43との間で容量素子C0を構成する。
【0036】次に、上述のように構成された本実施の形
態に係る静電容量式センサ10の動作について、図面を
参照して説明する。図4は、図1に示す静電容量式セン
サの構成に対する等価回路図である。図5は、図1に示
す静電容量式センサに入力される周期信号から出力信号
を導出する方法を説明するための説明図である。図6
は、図1に示す静電容量式センサの検知部材にX軸正方
向への操作が施された場合の側面の模式的な断面図であ
る。
【0037】まず、静電容量式センサ10の構成と等価
な回路構成について、図4を参照して説明する。基板2
0上に形成された容量素子用電極E1〜E5および基準
電極E0は、変位電極40と対向しており、共通の電極
である変位可能な変位電極40と、固定された個別の容
量素子用電極E1〜E5および基準電極E0との間で容
量素子C0〜C5を形成している。容量素子C1〜C5
は、それぞれ変位電極40の変位に起因して静電容量値
が変化するように構成された可変容量素子であるという
ことができる。
【0038】容量素子C0〜C5のそれぞれの静電容量
値は、変位電極40と、容量素子用電極E1〜E5およ
び基準電極E0のそれぞれに接続された端子T0〜T5
との間の静電容量値として、それぞれ独立して測定する
ことができる。ここで、基準電極E0は、端子T0を介
して接地されており、容量素子C1〜C5における共通
の電極である変位電極40は、容量素子C0および端子
T0を介して接地されていると考えられる。すなわち、
容量素子C0は、変位電極40と端子T0とを容量結合
している。
【0039】次に、容量素子C1〜C5のそれぞれの静
電容量値の変化から、検知部材30への外部からの力の
大きさおよび方向を示す出力信号の導出方法について、
図5を参照して説明する。ここで、出力信号Vx、V
y、Vzは、それぞれ外部からの力のX軸方向成分、Y
軸方向成分およびZ軸方向成分の大きさおよび方向を示
す。なお、出力信号Vx、Vy、Vzは、ヒステリシス
特性を有する信号処理回路に含まれるシュミット・トリ
ガ型論理素子からそれぞれ出力されることを示すため、
論理素子の記号内にはヒステリシス特性をシンボル化し
たマークが描かれている。
【0040】また、図5に示す容量素子C6は、常に一
定の静電容量値を保つように基板20の下面に形成され
ており、容量素子C6を構成する一方の電極は出力信号
Vzを導出するC/V変換回路に接続されており、他方
の電極は接地されている。この容量素子C6は、容量素
子C5とともに、外部からの力のZ軸方向成分の出力信
号Vzを導出するために用いられる。なお、容量素子C
6として、ICの入力容量を利用することもできる。
【0041】ここで、出力信号Vx、Vy、Vzを導出
するために、端子T1〜T6に対して、常にクロック信
号などの周期信号が入力される。例えば、端子T1に入
力された周期信号に対して、2つの容量素子C1とC0
は直列に接続された関係となっている。同様に、2つの
容量素子C2とC0は端子T2に入力された周期信号に
対して直列に接続された関係となっており、2つの容量
素子C3とC0は端子T3に入力された周期信号に対し
て直列に接続された関係となっており、2つの容量素子
C4とC0は端子T4に入力された周期信号に対して直
列に接続された関係となっており、2つの容量素子C5
とC0は端子T5に入力された周期信号に対して直列に
接続された関係となっている。
【0042】端子T1〜T6に周期信号が入力されてい
る状態で検知部材30が外部からの力を受けて変位する
と、これにともなって変位電極40がZ軸方向に変位
し、容量素子C1〜C5の電極間隔が変化して、容量素
子C1〜C5のそれぞれの静電容量値が変化する。する
と、端子T1〜T6に入力された周期信号の位相にずれ
が生じる。このように、周期信号に生じる位相のずれを
利用して、検知部材30の変位、つまり検知部材30が
外部から受けた力のX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向
の大きさと方向を示す出力信号Vx、Vy、Vzを得る
ことができる。
【0043】さらに詳細に説明すると、端子T1〜T6
に対して周期信号を入力するとき、端子T1、T3、T
5に対しては周期信号Aが入力され、一方、端子T2、
T4、T6に対しては周期信号Aと同一の周期で、か
つ、周期信号Aの位相とは異なる周期信号Bが入力され
る。そのとき、検知部材30が外部から力を受けて、容
量素子C1〜C5の静電容量値がそれぞれ変化すると、
端子T1〜T5にそれぞれ入力された周期信号Aまたは
周期信号Bの位相にそれぞれ異なった量のずれが生じ
る。なお、容量素子C6の静電容量値は変化しないた
め、端子T6に入力された周期信号Bの位相にはずれは
生じない。
【0044】すなわち、外部からの力にX軸方向成分が
含まれる場合は、容量素子C1の静電容量値が変化し、
端子T1に入力された周期信号Aの位相にずれが生じる
とともに、容量素子C2の静電容量値が変化し、端子T
2に入力された周期信号Bの位相にもずれが生じる。こ
こで、容量素子C1、C2の静電容量値の変化は、それ
ぞれ外部からの力のX軸正方向成分、X軸負方向成分に
対応している。したがって、端子T1に入力された周期
信号Aの位相のずれと、端子T2に入力された周期信号
Bの位相のずれとは、互いに逆方向の位相のずれであ
る。このように、端子T1および端子T2にそれぞれ入
力された周期信号Aおよび周期信号Bの位相のずれを排
他和回路で読み取ることによって、出力信号Vxが導出
される。この出力信号Vxの符号が、外部からの力のX
軸方向成分が正方向または負方向の向きかを示し、その
絶対値がX軸方向成分の大きさを示す。
【0045】また、外部からの力にY軸方向成分が含ま
れる場合は、容量素子C3の静電容量値が変化し、端子
T3に入力された周期信号Aの位相にずれが生じるとと
もに、容量素子C4の静電容量値が変化し、端子T4に
入力された周期信号Bの位相にもずれが生じる。ここ
で、容量素子C3、C4の静電容量値の変化は、それぞ
れ外部からの力のY軸正方向成分、Y軸負方向成分に対
応している。したがって、端子T3に入力された周期信
号Aの位相のずれと、端子T4に入力された周期信号B
の位相のずれとは、互いに逆方向の位相のずれである。
このように、端子T3および端子T4にそれぞれ入力さ
れた周期信号Aおよび周期信号Bの位相のずれを排他和
回路で読み取ることによって、出力信号Vyが導出され
る。この出力信号Vyの符号が、外部からの力のY軸方
向成分が正方向または負方向の向きかを示し、その絶対
値がY軸方向成分の大きさを示す。
【0046】さらに、外部からの力にZ軸方向成分が含
まれる場合は、容量素子C5の静電容量値が変化し、端
子T5に入力された周期信号Aの位相にずれが生じる。
また、容量素子C6の静電容量値は一定に保たれている
ため、端子T6に入力された周期信号Bの位相にはずれ
が生じない。したがって、端子T5に入力された周期信
号Aにのみ位相のずれが生じ、この周期信号Aの位相の
ずれを排他和回路で読み取ることによって、出力信号V
zが導出される。この出力信号Vzの符号が、外部から
の力のZ軸方向成分が正方向または負方向の向きかを示
し、その絶対値がZ軸方向成分の大きさを示す。
【0047】なお、外部からの力にX軸方向成分または
Y軸方向成分が含まれる場合において、検知部材30に
対する力の加わり方によっては、次のような場合が考え
られる。例えば、X軸方向について考えると、変位部4
1のX軸正方向部分とX軸負方向部分とが、突起体45
を支点として互いに上下反対方向に変位することなく、
X軸正方向部分およびX軸負方向部分がともに下方へと
変位し、かつ、そのときのそれぞれの変位量が異なる場
合がある。この場合には、端子T1およびT2に入力さ
れたそれぞれの周期信号Aおよび周期信号Bの位相に
は、同じ方向のずれが生じることとなるが、上述した場
合と同様に、その位相のずれを排他和回路で読み取るこ
とによって、出力信号Vxが導出される。また、このこ
とは、Y軸方向についての出力信号Vyの導出に対して
も同様のことがいえる。
【0048】次に、図1に示す検知部材30に力が作用
していないときの状態において、図6に示すように、検
知部材30にX軸正方向への操作が施された場合、すな
わち、検知部材30の上段部31に形成されたX軸正方
向に対応するように形成された矢印を基板20側に押し
下げるような力(Z軸負方向への力)を加えた場合を考
える。
【0049】検知部材30のX軸正方向に対応する部分
が押し下げられることにより、変位電極40の接続部4
2が弾性変形を生じてたわみ、変位部41のX軸正方向
部分は下方へと変位し、やがて変位部41のX軸正方向
部分の下面が絶縁膜50に接触する位置まで変位する。
また、このとき、変位部41のX軸正方向部分とX軸負
方向部分とは、突起体45を支点として互いに上下反対
方向に変位するようになっている。したがって、変位部
41のX軸正方向部分が下方へと変位したときには、変
位部41のX軸負方向部分は、突起体45を支点とし
て、上方へと変位する。
【0050】また、変位部41のY軸正方向部分のX軸
正方向側は下方に若干変位し、X軸負方向側は上方に若
干変位する。同様に、Y軸負方向部分のX軸正方向側は
下方に若干変位し、X軸負方向側は上方に若干変位す
る。また、このとき、変位部41の中心位置(Z軸上)
に形成された突起体45は、押しつぶされて弾性変形す
る。
【0051】したがって、変位部41のX軸正方向部分
と容量素子用電極E1との間隔は小さくなり、一方、変
位部41のX軸負方向部分と容量素子用電極E2との間
隔は大きくなる。また、変位部41のY軸正方向部分と
容量素子用電極E3との間隔、および、変位部41のY
軸負方向部分と容量素子用電極E4との間隔は変化しな
いと考えられる。実際には、上述のように、変位部41
のY軸正方向部分およびY軸負方向部分のそれぞれX軸
正方向側は下方に若干変位し、X軸負方向側は上方に若
干変位するが、変位部41のY軸正方向部分およびY軸
負方向部分全体としての容量素子用電極E3およびE4
との間隔は変化しないと考えられる。また、変位部41
のY軸正方向部分と容量素子用電極E3との間隔、およ
び、変位部41のY軸負方向部分と容量素子用電極E4
との間隔が部分的に異なっていても、機械的対称性よ
り、変位部41のY軸正方向部分と容量素子用電極E3
との間に構成される容量素子C3の静電容量値および変
位部41のY軸負方向部分と容量素子用電極E4との間
に構成される容量素子C4の静電容量値の変化量は等し
いと考えられ、作動原理により出力には現れない。ま
た、変位部41の中心位置と容量素子用電極E5との間
隔は小さくなる。
【0052】そして、容量素子C1〜C5のなかで、容
量素子用電極E1〜E5と変位電極40との間の間隔に
変化があった容量素子C1、C2、C5の静電容量値の
みが変化する。ここで、一般的に、容量素子の静電容量
値は、容量素子を構成する電極の間隔に反比例すること
より、容量素子C1の静電容量値は大きくなり、容量素
子C2の静電容量値は小さくなる。すなわち、容量素子
C1〜C4のそれぞれの静電容量値の大小関係は、以下
のようになる。 C2<C3=C4<C1 なお、容量素子C5の静電容量値は、元の値より大きく
なる。
【0053】このとき、端子T1およびT2に入力され
たそれぞれの周期信号Aおよび周期信号Bの位相にずれ
が生じ、その位相のずれを読み取ることによって出力信
号Vxが導出される。同様に、端子T5に入力された周
期信号Aの位相にずれが生じ、その位相のずれ(実際に
は、端子T6に入力された周期信号Bの位相とともに)
を読み取ることによって出力信号Vzが導出される。
【0054】次に、端子T1〜T6に入力された周期信
号A、Bによる出力信号Vx、Vy、Vzを導出するた
めの信号処理回路について、図7を参照しながら説明す
る。図7は、図1に示す静電容量式センサの信号処理回
路を示す回路図である。図8および図9は、図7に示す
静電容量式センサの信号処理回路と等価な信号処理回路
を示す回路図である。
【0055】上述のように、端子T1〜T6には、図示
されていない交流信号発振器から所定周波数の周期信号
が入力される。これらの端子T1〜T6には、インバー
タ素子I1〜I6および抵抗素子R1〜R6が、端子T
1〜T6側からインバータ素子I1〜I6、抵抗素子R
1〜R6の順にそれぞれ接続されている。また、抵抗素
子R1、R2の出力端、抵抗素子R3、R4の出力端お
よび抵抗素子R5、R6の出力端には、それぞれシュミ
ット・トリガ型の排他和回路の論理素子であるEX−O
R素子101〜103が接続されており、その出力端は
端子T11〜T13に接続されている。また、抵抗素子
R1〜R5の出力端は、それぞれ容量素子用電極E1〜
E5に接続され、それぞれ変位電極40との間で容量素
子C1〜C5を構成している。また、変位電極40は、
容量素子C0を介して接地されている。
【0056】また、図7に示すシュミット・トリガ型の
排他和回路の論理素子であるEX−OR素子101〜1
03が利用された信号処理回路は、図8に示すシュミッ
ト・トリガ型バッファ素子111〜116が利用された
信号処理回路、または、図9に示すシュミット・トリガ
型インバータ素子121〜126が利用された信号処理
回路に変更することが可能であり、これらは、いずれも
等価な信号処理回路である。
【0057】ここから、例として、X軸方向成分の出力
信号Vxの導出方法について、図10を参照して説明す
る。なお、Y軸方向成分の出力信号VyおよびZ軸方向成
分の出力信号Vzの導出方法についても同様であるので
説明を省略する。図10(a)および図10(b)は、
図1に示す静電容量式センサのX軸方向成分についての
信号処理回路を示す回路図(図8の一部分)である。な
お、図7〜図9の信号処理回路を示す回路図はいずれも
等価であるため、ここでは図8に基づいて説明する。
【0058】この信号処理回路において、容量素子C1
と抵抗素子R1および容量素子C2と抵抗素子R2はそ
れぞれCR遅延回路を形成している。端子T1、T2に
入力された周期信号(矩形波信号)は、それぞれCR遅
延回路によって所定の遅延が生じて、シュミット・トリ
ガ型バッファ素子111、112を通過した後、EX−
OR素子131において合流する。また、インバータ素
子I1、I2として、同一の素子を用いているため、異
なる経路の信号を同じ条件で比較することが可能であ
る。ここで、インバータ素子I1、I2は、CR遅延回
路を駆動するために十分な駆動電力を発生させる素子で
あり、論理的には意味のない素子である。したがって、
端子T1、T2に対して十分な駆動能力を持った信号を
供給することが可能であればこれらのインバータ素子I
1、I2はなくてもよい。したがって、図10(b)
は、図10(a)の信号処理回路に含まれるインバータ
素子I1、I2を省いたものであるため、回路としては
図10(a)と全く等価なものであると考えられる。
【0059】次に、本実施の形態に係る静電容量式セン
サの信号処理回路について、図面を参照して説明する。
図11は、図10に示す信号処理回路と比較するための
信号処理回路を示す回路図である。図12は、図10お
よび図11に示す信号処理回路の各端子および各節点に
おける周期信号の波形を示す図である。
【0060】図10(b)に示す信号処理回路におい
て、端子T1、T2のそれぞれに周期信号が入力された
場合の各端子および各節点における周期信号の波形につ
いて、本実施の形態に係る静電容量式センサの信号処理
回路として、ヒステリシス特性を有さない信号処理回路
(図11参照)が利用された場合における各端子および
各節点における周期信号の波形と比較して説明する。
【0061】図10(b)の信号処理回路において、端
子T1、T2のそれぞれに入力された周期信号は、CR
遅延回路を通過することにより、それぞれ所定の遅延を
生じて、シュミット・トリガ型バッファ素子111、1
12を通過した後、EX−OR素子131に入力され
る。詳細に説明すると、端子T1には周期信号f(φ)
(上述の周期信号Aに対応しており、以下周期信号Aと
称する)が入力され、また、端子T2にはf(φ)と同
一の周期で、かつ、位相がθだけずれている周期信号f
(φ−θ)(上述の周期信号Bに対応しており、以下周
期信号Bと称する)が入力される。ここでは、周期信号
Aのデューティ比D0は50%であり、周期信号Bは周
期信号Aの位相が周期信号Aの周期の1/4だけ遅れて
いる場合について説明する。なお、図12の(a)、
(b)は、端子T1、T2に入力される周期信号Aおよ
び周期信号Bの波形を示している。
【0062】ここで、端子T1、T2にそれぞれ入力さ
れる異なる位相の周期信号Aおよび周期信号Bは、1つ
の交流信号発振器から出力された周期信号を2つの経路
に分け、その一方の経路に図示しないCR遅延回路を設
け、CR遅延回路を通過する周期信号の位相を遅延させ
ることによって発生させられる。なお、周期信号の位相
をずらせる方法は、CR遅延回路を用いる方法に限ら
ず、他のどのような方法であってもよいし、また、2つ
の交流信号発振器を用いて、それぞれ異なる位相の周期
信号Aおよび周期信号Bを発生させ、端子T1、T2の
それぞれに入力してもよい。
【0063】図10(b)の信号処理回路において、端
子T1、T2に入力される周期信号Aおよび周期信号B
は、容量素子C1および抵抗素子R1で構成される遅延
回路または容量素子C2および抵抗素子R2で構成され
る遅延回路を通過することにより遅延して、それぞれ節
点X11、X12に到達する。ここで、検知部材30に
外部から力が作用していない(操作が施されていない)
状態における容量素子C1、C2の静電容量値は、検知
部材30に外部から力が作用していない状態における変
位電極40と容量素子用電極E1、E2との間隔に基づ
く静電容量値である。なお、図12(c)は、図10
(b)に示す信号処理回路の節点X11における電位の
変化を示しており、図12(d)は、図10(b)に示
す信号処理回路の節点X12における電位の変化を示し
ている。
【0064】端子T1に「Hi」または「Lo」の信号
を繰り返す周期信号が入力された場合には、図12
(c)に示すように、「Hi」の信号の入力が開始する
とCR遅延回路を構成する容量素子C1に次第に電荷が
蓄えられることにより、節点X11における電位は次第
に増加し、また、「Lo」の信号の入力が開始するとC
R遅延回路を構成する容量素子C1の電荷が次第に放電
されることにより節点X11における電位は次第に減少
するという変化を繰り返す。同様に、端子T2に「H
i」または「Lo」の信号を繰り返す周期信号が入力さ
れた場合には、図12(d)に示すように、節点X12
における電位は、節点X11における電位と同様の変化
を繰り返す。
【0065】そして、節点X11および節点X12の電
位の波形は、シュミット・トリガ型バッファ素子11
1、112に入力されることにより、図12(e)、
(f)に示すような矩形波に変換される。なお、図12
(e)は、図10(b)に示す信号処理回路の節点X1
3における周期信号の波形を示しており、図12(f)
は、図10(b)に示す信号処理回路の節点X14にお
ける周期信号の波形を示している。
【0066】ここで、シュミット・トリガ型バッファ素
子111、112における変換処理について、詳しく説
明する。シュミット・トリガ型バッファ素子111、1
12においては、入力電圧の増加時のスレショルド電圧
(以下、ポジティブスレショルド電圧Vpと称する)
と、逆に入力電圧の減少時のスレショルド電圧(以下、
ネガティブスレショルド電圧Vnと称する)とが異なっ
ており、ポジティブスレショルド電圧Vpとポジティブ
スレショルド電圧Vpよりも小さい値であるネガティブ
スレショルド電圧Vnとの2つのスレショルド電圧が設
定されている。
【0067】従って、入力電圧が増加しつつポジティブ
スレショルド電圧Vpよりも大きくなった場合には、出
力信号は「Lo」の信号から「Hi」の信号に切り換え
られ、一方、入力電圧が減少しつつネガティブスレショ
ルド電圧Vnよりも小さくなった場合に、出力信号は
「Hi」の信号から「Lo」の信号に切り換えられる。
【0068】また、入力電圧にノイズが乗っている場合
の出力信号について、図13を参照して説明する。図1
3は、ノイズが乗っている入力電圧と出力信号の関係を
示す図である。
【0069】まず、ノイズが乗っている入力電圧が増加
する場合には、図13に示すとおり、入力電圧は、時間
Taにおいて一旦ポジティブスレショルド電圧Vpより
大きくなる。その後、入力電圧は時間Tbでポジティブ
スレショルド電圧Vpより小さくなり、時間Tcにおい
て再度ポジティブスレショルド電圧Vpより大きくな
る。ここで、上述したように、時間Taにおいて出力信
号が「Lo」の信号から「Hi」の信号に切り換えられ
る。そして、入力電圧は時間Tbでポジティブスレショ
ルド電圧Vpより小さくなるが、ネガティブスレショル
ド電圧Vnよりも小さくならないため、出力信号が「H
i」の信号から「Lo」の信号に切り換えられることは
ない。従って、時間Tb、Tcでは、「Hi」の出力信
号が継続される。
【0070】一方、ノイズが乗っている入力電圧が減少
する場合には、入力電圧は、時間Tdにおいて一旦ネガ
ティブスレショルド電圧Vnより小さくなる。その後、
入力電圧は時間Teでネガティブスレショルド電圧Vn
より大きくなり、時間Tfにおいて再度ネガティブスレ
ショルド電圧Vnより小さくなる。ここで、上述したよ
うに、時間Tdにおいて出力信号が「Hi」の信号から
「Lo」の信号に切り換えられる。そして、入力電圧は
時間Teでネガティブスレショルド電圧Vnより大きく
なるが、ポジティブスレショルド電圧Vpよりも大きく
ならないため、出力信号が「Lo」の信号から「Hi」
の信号に切り換えられることはない。従って、時間T
e、Tfでは、「Lo」の出力信号が継続される。
【0071】このように、入力電圧にノイズが乗ってい
ることによって、入力電圧がポジティブスレショルド電
圧Vpおよびネガティブスレショルド電圧Vn付近で変
動する場合でも、誤った出力信号を検出することが抑制
される。
【0072】なお、シュミット・トリガ型バッファ素子
111、112がC−MOS型素子で電源電圧がVccで
ある場合には、通常、ポジティブスレショルド電圧Vp
は、Vcc/2とVccとの間の値であり、ネガティブスレ
ショルド電圧Vnは、0とVcc/2との間の値である。
一般的なシュミット・トリガ型バッファ素子では、電源
電圧Vccが4.5Vの場合には、ポジティブスレショル
ド電圧Vpが2.7Vであり、ネガティブスレショルド
電圧Vnが1.6Vである。なお、後述するように、C
−MOS型の論理素子のスレショルド電圧のスレショル
ド電圧は、Vcc/2程度であるのが一般的である。
【0073】以上のように、EX−OR素子131に
は、節点X13における矩形波(図12(e)参照)
と、節点X14における矩形波(図12(f)参照)が
入力され、これらの信号の間で排他的論理演算が行わ
れ、その結果が端子T11に対して出力される。ここ
で、端子T11に対して出力される出力信号Vxは、図
12(g)に示すように、デューティ比D1を有する矩
形波信号である。
【0074】次に、図6に示すように、検知部材30に
X軸正方向への操作が施された場合について考える。こ
のとき、上述したように、検知部材30のX軸正方向に
対応する部分が押し下げられることにより、検知部材3
0のX軸正方向に対応する部分が下方に変位し、検知部
材30のX軸負方向に対応する部分が上方に変位するこ
とにより、容量素子C1の静電容量値は大きくなり、容
量素子C2の静電容量値は小さくなる。これにより、端
子T1、T2に入力される周期信号Aおよび周期信号B
の容量素子C1および抵抗素子R1で構成される遅延回
路または容量素子C2および抵抗素子R2で構成される
遅延回路を通過することによる遅延量が変化することに
なる。
【0075】図10(b)の信号処理回路において、端
子T1、T2に入力される周期信号Aおよび周期信号B
は、容量素子C1、C2の静電容量値は変化した状態に
おいて、容量素子C1および抵抗素子R1で構成される
遅延回路または容量素子C2および抵抗素子R2で構成
される遅延回路を通過することにより遅延して、それぞ
れ節点X11’、X12’に到達する。なお、図10
(b)に示す信号処理回路の節点X11、X12と同位
置の節点を、検知部材30にX軸正方向への操作が施さ
れた場合には、節点X11’、X12’と示す。ここ
で、図12(h)は、図10(b)に示す信号処理回路
の節点X11’における電位の変化を示しており、図1
2(i)は、図10(b)に示す信号処理回路の節点X
12’における電位の変化を示している。
【0076】ここで、検知部材30にX軸正方向への操
作が施された場合においても同様に、節点X11’、X
12’における電位の波形が、それぞれシュミット・ト
リガ型バッファ素子111、112に入力されることに
より矩形波に変換される。そして、EX−OR素子13
1には、その変換された矩形波が入力され、これらの信
号の間で排他的論理演算が行われ、その結果が端子T1
1に対して出力される。ここで、端子T11に対して出
力される出力信号Vxは、図12(j)に示すように、
デューティ比D2を有する矩形波信号である。
【0077】次に、本実施の形態に係る静電容量式セン
サ10の信号処理回路として、ヒステリシス特性を有さ
ない信号処理回路、すなわち、図11に示すように、図
10(b)に示す信号処理回路からシュミット・トリガ
型バッファ素子111、112が取り外した信号処理回
路が利用された場合における各端子および各節点におけ
る周期信号の波形について説明する。
【0078】ここで、図11に示す信号処理回路におい
て利用されるC−MOS型の論理素子であるEX−OR
素子131の場合には、シュミット・トリガ型バッファ
素子111、112に2つの異なるスレショルド電圧が
設定されているのに対して、スレショルド電圧は1つだ
け設定されている。そして、入力電圧がスレショルド電
圧よりも大きくなった場合には、出力信号は「Lo」の
信号から「Hi」の信号に切り換えられ、一方、入力電
圧がスレショルド電圧よりも小さくなった場合に、出力
信号は「Hi」の信号から「Lo」の信号に切り換えら
れることにより、矩形波信号に変換される。なお、C−
MOS型の論理素子の場合の場合には、電源電圧がVcc
である場合、スレショルド電圧はVcc/2程度に設定さ
れていることが多い。
【0079】図11に示す信号処理回路において、端子
T1、T2に入力される周期信号Aおよび周期信号B
は、検知部材30に外部から力が作用していない(操作
が施されていない)状態において、容量素子C1および
抵抗素子R1で構成される遅延回路または容量素子C2
および抵抗素子R2で構成される遅延回路を通過するこ
とにより遅延して、それぞれ節点X21、X22に到達
する。なお、このときの図11に示す信号処理回路の節
点X21、X22における電位の変化は、図12
(c)、(d)と同様である。
【0080】従って、EX−OR素子131には、節点
X21、X22における電位の波形が入力される。そし
て、節点X21、X22における電位の波形は、上述の
ように矩形波に変換された後、これらの信号の間で排他
的論理演算が行われ、その結果が端子T11に対して出
力される。ここで、端子T11に対して出力される出力
信号Vxは、図12(k)に示すように、デューティ比
D3を有する矩形波信号である。
【0081】次に、図6に示すように、検知部材30に
X軸正方向への操作が施された場合について考える。こ
のとき、上述したのと同様に、容量素子C1、C2の静
電容量値が変化する。
【0082】図11に示す信号処理回路において、端子
T1、T2に入力される周期信号Aおよび周期信号B
は、容量素子C1、C2の静電容量値は変化した状態に
おいて、容量素子C1および抵抗素子R1で構成される
遅延回路または容量素子C2および抵抗素子R2で構成
される遅延回路を通過することにより遅延して、それぞ
れ節点X21’、X22’に到達する。なお、図11に
示す信号処理回路の節点X21、X22と同位置の節点
を、検知部材30にX軸正方向への操作が施された場合
には、節点X21’、X22’と示す。
【0083】従って、このとき、EX−OR素子131
には、節点X11’、X12’における波形が入力さ
れ、矩形波に変換された後、これらの信号の間で排他的
論理演算が行われ、その結果が端子T11に対して出力
される。ここで、端子T11に対して出力される出力信
号Vxは、図12(l)に示すように、デューティ比D
4を有する矩形波信号である。
【0084】このように、本実施の形態に係る静電容量
式センサ10の信号処理回路として、ヒステリシス特性
を有する信号処理回路(図10(b)参照)が利用され
た場合には、検知部材30に外部から力が作用していな
い状態から検知部材30にX軸正方向への操作が施され
ることにより、端子T11に対して出力される出力信号
Vxのデューティ比は、D1からD2に変化する。一
方、ヒステリシス特性を有さない信号処理回路(図11
参照)が利用された場合には、検知部材30に外部から
力が作用していない状態から検知部材30にX軸正方向
への操作が施されることにより、端子T11に対して出
力される出力信号Vxのデューティ比は、D3からD4
に変化する。
【0085】つまり、図12(g)の矩形波信号のデュ
ーティ比D1と図12(j)の矩形波信号のデューティ
比D2との間の変化量の方が、図12(k)の矩形波信
号のデューティ比D3と図12(l)の矩形波信号のデ
ューティ比D4との間の変化量よりも大きくなる。ここ
で、端子T11に対して出力される出力信号Vxは、ア
ナログ電圧に変換して利用されることが多い。従って、
出力信号Vxがアナログ電圧に変換された場合には、2
つの矩形波信号間のデューティ比の変化量は積算される
ことになる。これにより、デューティ比の変化量が大き
いヒステリシス特性を有する信号処理回路(図10
(b)参照)が利用された場合の方が、ヒステリシス特
性を有さない信号処理回路(図11参照)が利用された
場合よりも、センサとしての感度特性を向上させること
ができる。
【0086】以上のように、本実施の形態の静電容量式
センサ10は、信号処理回路として、ヒステリシス特性
を有する信号処理回路が利用されているため、入力電圧
の増加時のポジティブスレショルド電圧Vpと入力電圧
の減少時のネガティブスレショルド電圧Vnとが異なっ
ている。従って、ヒステリシス特性を有する信号処理回
路により検出される場合の出力信号のデューティ比の変
化量は、ヒステリシス特性を有さない信号処理回路によ
り検出される場合の出力信号のデューティ比の変化量よ
りも大きくなる。これにより、センサとしての感度特性
が向上する。
【0087】また、入力される周期信号にノイズが乗っ
ている場合でも、入力電圧の増加時のしきい値と入力電
圧の減少時のしきい値とが異なっているため、誤った出
力信号が検出されるのが抑制される。これにより、ノイ
ズの影響によるセンサの誤作動を防止することができ
る。
【0088】複数の容量素子C0〜C5を構成するため
に共通に用いられる変位電極40が、接地または一定の
電位に保持された基準電極E0と容量結合を介して電気
的に結合されるため、直接基準電極E0と接触すること
によって電気的に接続される必要がなくなる。これによ
り、センサの耐電圧特性が向上し、スパーク電流が流れ
ることによって破損することがほとんどなくなるととも
に、接続不良などの不具合を防止することができるた
め、信頼性の高い静電容量式センサを得ることができ
る。また、周期信号に対して容量素子C1、C0;C
2、C0;…;C5、C0がそれぞれ直列に接続された
関係となっているので、容量素子用電極および基準電極
を支持する基板20だけに配線を設ければ、変位電極4
0を接地または一定の電位に保持するために配線を設け
る必要がなくなる。そのため、構造が簡単な静電容量式
センサを少ない製造工程数で製造することが可能とな
る。
【0089】また、複数の容量素子用電極E1〜E5が
形成され、検知部材30が外部から受けた力のX軸方
向、Y軸方向およびZ軸方向の方向成分をそれぞれ別々
に認識することができる。ここで、対となる容量素子用
電極(E1およびE2、E3およびE4)に対して、互
いに位相が異なる信号が供給されるため、回路を通過す
ることによる信号の位相のずれを大きくでき、さらに、
その信号を論理素子を利用した信号処理回路を用いるた
め、精度よく検出することができる。
【0090】次に、本発明の実施の形態の第1の変形例
について、図面を参照しつつ説明する。図14は、第1
の変形例に係る静電容量式センサの基板上に形成されて
いる複数の電極の配置を示す図である。
【0091】第1の変形例に係る静電容量式センサは、
図1の静電容量式センサにおける基板20上の基準電極
E0の構成を変更し、図14に示すように、基準電極E
01〜E04が形成されたものである。なお、その他の
構成は、図1の静電容量式センサと同一であるので、同
一符号を付して説明を省略する。
【0092】基板20上には、図14に示すように、原
点Oを中心とする円形の容量素子用電極E5と、その外
側に扇形の容量素子用電極E1〜E4と、さらにその外
側に扇形の基準電極E01〜E04とが形成されてい
る。ここで、容量素子用電極E1と基準電極E01、容
量素子用電極E2と基準電極E02、容量素子用電極E
3と基準電極E03および容量素子用電極E4と基準電
極E04のそれぞれの扇形の中心角は同一であり、それ
ぞれの中心位置が一致するように形成されている。
【0093】図15は、第1の変形例に係る静電容量式
センサのX軸方向成分についての信号処理回路を示す回
路図である。図15の信号処理回路が、図1の静電容量
式センサの信号処理回路と異なる点は、基板20上の基
準電極E01、E02が、容量素子用電極E1、E2の
それぞれに対して別々に分割されて形成されている点で
ある。このため、変位電極40は容量素子C01、C0
2を介してそれぞれ別々接地されている。なお、このこ
とはY軸方向成分の検出に関しても同様である。
【0094】このように、基準電極E01〜E04を複
数の分割して形成すると、基準電極E01〜E04に囲
まれるように配置された容量素子用電極E1〜E4があ
る場合でも、基準電極E01〜E04どうしの間隙を通
して容量素子用電極の配線を容易に設けることができ
る。なお、この変形例では、基準電極が4つに分割され
ているが、基準電極の分割数量、形状および配置はどの
ようなものであってもよく、基板上の配線の配置を考慮
して適宜変更することが可能である。
【0095】次に、本発明の実施の形態の第2の変形例
について、図面を参照しつつ説明する。図16は、第2
の変形例に係る静電容量式センサのX軸方向成分につい
ての信号処理回路を示す回路図である。図16の信号処
理回路が、図1の静電容量式センサの信号処理回路と異
なる点は、端子T1と抵抗素子R1および容量素子C1
との間にオープンコレクタ型のインバータ素子91が配
置され、同様に端子T2と抵抗素子R2および容量素子
C2との間にオープンコレクタ型のインバータ素子92
が配置されており、また、抵抗素子R1、R2の端子T
1、T2に接続されている方と反対側の電位が一定の電
位Vccに保持されている点である。なお、その他の構
成は、図1の静電容量式センサと同一であるので、同一
符号を付して説明を省略する。オープンコレクタ型のイ
ンバータ素子91、92は、容量素子用電極に対して入
力されるハイレベルとローレベルとを周期的に繰り返す
信号がハイレベルであるときにはEX−OR素子の入力
端の状態に影響を与えないが、ローレベルである時には
容量素子を放電させる機能を有する制御素子である。
【0096】ここで、端子T1、T2に、周期信号を入
力した場合の図10(b)に示す信号処理回路の節点X
11、X12および図16に示す信号処理回路の節点X
31、X32における電位の変化について、図17を参
照して説明する。なお、ここでは、節点X11と節点X
31における電位の変化についてのみ説明する。
【0097】図17に示すように、「Hi」または「L
o」の信号を繰り返す周期信号が端子T1に入力された
場合を考えると、「Hi」の信号の入力が開始するとC
R遅延回路を構成する容量素子C1に次第に電荷が蓄え
られることにより、節点X11における電位は次第に増
加し、また、「Lo」の信号の入力が開始するとCR遅
延回路を構成する容量素子C1の電荷が次第に放電され
ることにより節点X1における電位は次第に減少すると
いう変化を繰り返す。一方、節点X31における電位
は、「Hi」の信号の入力が開始するとCR遅延回路を
構成する容量素子C1に次第に電荷が蓄えられることに
より次第に増加し、また、「Lo」の信号の入力が開始
するとCR遅延回路を構成する容量素子C1の電荷がオ
ープンコレクタ型のインバータ素子91を介して瞬時に
放電されることにより瞬時に減少するという変化を繰り
返す。
【0098】このような構成にして、端子T1に入力さ
れる周期信号のデューティ比を大きくすると、各容量素
子に保持された電荷が瞬時に放電されるため、効率よく
充電ができるとともに、図16の信号処理回路の方が図
10(b)の信号処理回路よりも周期信号の周期を小さ
くして波形の密度を増加させることができ、信号処理回
路の感度を向上させることができる。
【0099】次に、本発明の実施の形態の第3の変形例
について、図面を参照しつつ説明する。図18は、第3
の変形例に係る静電容量式センサのX軸方向成分につい
ての信号処理回路を示す回路図である。図18の信号処
理回路が、図1の静電容量式センサの信号処理回路と異
なる点は、論理素子として、EX−OR素子の代わりに
OR素子が用いられている点である。なお、その他の構
成は、図1の静電容量式センサと同一であるので、同一
符号を付して説明を省略する。
【0100】図18において、端子T1に入力された周
期信号Aには、容量素子C1と抵抗素子R1により構成
されるCR遅延回路を通過して、節点X11に到達す
る。このとき、節点X11における周期信号には、図1
2に示すように、所定の遅延が生じている。同様に、端
子T12に入力された周期信号Bは、容量素子C2と抵
抗素子R2により構成されるCR遅延回路を通過して、
節点X12に到達する。このとき、節点12における周
期信号には、所定の遅延が生じている。したがって、図
10(b)と同様に、OR素子134には、節点X1
1、X12における周期信号がシュミット・トリガ型バ
ッファ素子111、112を通過することにより変換さ
れた信号が入力され、これらの信号の間で論理和演算が
行われ、その結果が端子T11に対して出力される。こ
のとき、端子11に対して出力される信号は、所定のデ
ューティ比をもった矩形波信号である。
【0101】ここで、OR素子134が用いられた場合
に端子11に対して出力される矩形波信号と検知部材3
0に操作が施されていないときに端子11に対して出力
される矩形波信号との間のデューティ比の変化量は、E
X−OR素子131が用いられた場合に端子11に対し
て出力される矩形波信号のそれと比較して小さくなる。
このため、静電容量式センサとしての感度特性が低下す
ると考えられる。
【0102】したがって、静電容量式センサの各部材が
感度特性が非常によくなる材料で製作された場合に、信
号処理回路の構成によって、静電容量式センサの感度特
性を調節する(ここでは、感度特性を低下させる)ため
に用いるのに好ましい。
【0103】次に、本発明の実施の形態の第4の変形例
について、図面を参照しつつ説明する。図19は、第4
の変形例に係る静電容量式センサのX軸方向成分につい
ての信号処理回路を示す回路図である。図19の信号処
理回路が、図1の静電容量式センサの信号処理回路と異
なる点は、論理素子として、EX−OR素子の代わりに
AND素子が用いられている点である。なお、その他の
構成は、図1の静電容量式センサと同一であるので、同
一符号を付して説明を省略する。
【0104】図18において、端子T1に入力された周
期信号Aには、容量素子C1と抵抗素子R1により構成
されるCR遅延回路を通過して、節点X11に到達す
る。このとき、節点X11における周期信号には、図1
2に示すように、所定の遅延が生じている。同様に、端
子T12に入力された周期信号Bは、容量素子C2と抵
抗素子R2により構成されるCR遅延回路を通過して、
節点X12に到達する。このとき、節点12における周
期信号には、所定の遅延が生じている。したがって、図
10(b)と同様に、AND素子135には、節点X1
1、X12における周期信号がシュミット・トリガ型バ
ッファ素子111、112を通過することにより変換さ
れた信号が入力され、これらの信号の間で論理積演算が
行われ、その結果が端子T11に対して出力される。こ
のとき、端子11に対して出力される信号は、所定のデ
ューティ比をもった矩形波信号である。
【0105】ここで、AND素子135が用いられた場
合に端子11に対して出力される矩形波信号と検知部材
30に操作が施されていないときに端子11に対して出
力される矩形波信号との間のデューティ比の変化量は、
EX−OR素子131が用いられた場合に端子11に対
して出力される矩形波信号のそれと比較して小さくな
る。このため、静電容量式センサとしての感度特性が低
下すると考えられる。
【0106】したがって、静電容量式センサの各部材
が、静電容量式センサとしたときの感度特性が非常によ
くなる材料で製作された場合に、信号処理回路の構成に
よって、静電容量式センサの感度特性を調節する(ここ
では、感度特性を低下させる)ために用いるのが好まし
い。
【0107】次に、本発明の実施の形態の第5の変形例
について、図面を参照しつつ説明する。図20は、第5
の変形例に係る静電容量式センサのX軸方向成分につい
ての信号処理回路を示す回路図である。図20の信号処
理回路が、図1の静電容量式センサの信号処理回路と異
なる点は、論理素子として、EX−OR素子の代わりに
NAND素子が用いられている点である。なお、その他
の構成は、図1の静電容量式センサと同一であるので、
同一符号を付して説明を省略する。
【0108】図20において、端子T1に入力された周
期信号Aには、容量素子C1と抵抗素子R1により構成
されるCR遅延回路を通過して、節点X11に到達す
る。このとき、節点X11における周期信号には、図1
2に示すように、所定の遅延が生じている。同様に、端
子T12に入力された周期信号Bは、容量素子C2と抵
抗素子R2により構成されるCR遅延回路を通過して、
節点X12に到達する。このとき、節点12における周
期信号には、所定の遅延が生じている。したがって、図
10(b)と同様に、NAND素子136には、節点X
11、X12における周期信号がシュミット・トリガ型
バッファ素子111、112を通過することにより変換
された信号が入力され、これらの信号の間で論理積演算
が行われた後、引き続き否定演算が行われ、その結果が
端子T11に対して出力される。このとき、端子11に
対して出力される信号は、所定のデューティ比をもった
矩形波信号である。
【0109】ここで、NAND素子136が用いられた
場合に端子11に対して出力される矩形波信号と検知部
材30に操作が施されていないときに端子11に対して
出力される矩形波信号との間のデューティ比の変化量
は、EX−OR素子131が用いられた場合に端子11
に対して出力される矩形波信号のそれと比較して小さく
なる。このため、静電容量式センサとしての感度特性が
低下すると考えられる。
【0110】したがって、静電容量式センサの各部材
が、静電容量式センサとしたときの感度特性が非常によ
くなる材料で製作された場合に、信号処理回路の構成に
よって、静電容量式センサの感度特性を調節する(ここ
では、感度特性を低下させる)ために用いるのが好まし
い。
【0111】次に、本発明の実施の形態の第6の変形例
について、図面を参照しつつ説明する。図21は、第6
の変形例に係る静電容量式センサのX軸方向成分につい
ての信号処理回路を示す回路図である。図21の信号処
理回路が、図1の静電容量式センサの信号処理回路と異
なる点は、シュミット・トリガ型バッファ素子111、
112の代わりにヒステリシスコンパレータ141、1
42が用いられている点である。なお、その他の構成
は、図1の静電容量式センサと同一であるので、同一符
号を付して説明を省略する。
【0112】ヒステリシスコンパレータ141、142
は、それぞれコンパレータ141a、142aと、可変
抵抗器Rf1、Rf2と、基準電圧141b、142b
と、抵抗素子Rc1、Rc2とにより構成されている。
また、コンパレータ141a、142aの出力端には、
それぞれ抵抗素子(プルアップ抵抗)Rp1、Rp2が
接続されており、抵抗素子Rp1、Rp2のコンパレー
タ141a、142aの出力端と反対側の電位は、一定
の電位Vccに保持されている。
【0113】コンパレータ141aの一方の入力端子に
は抵抗素子Rc1の出力端が接続されており、他方の入
力端子には基準電圧141bが接続されている。従っ
て、コンパレータ141aと基準電圧141bとの間の
節点X141は、所定の電位に維持されている。コンパ
レータ141aの出力端は、EX−OR素子131の入
力端に接続されている。また、コンパレータ141aの
一方の入力端と抵抗素子Rc1の出力端との間の節点
と、コンパレータ141aの出力端とEX−OR素子1
31との間の節点とは、可変抵抗器Rf1を介して接続
されている。また、コンパレータ141aの出力端とE
X−OR素子131との間の節点は、抵抗素子Rp1が
接続されており、コンパレータ141aからの出力はプ
ルアップされている。なお、ヒステリシスコンパレータ
142の構成は、ヒステリシスコンパレータ141の構
成と同様であるので説明は省略する。
【0114】ここで、ヒステリシスコンパレータ141
において、電源電圧Vccと、ポジティブスレショルド電
圧Vpと、ネガティブスレショルド電圧Vnと、ヒステリ
シス電圧(VpとVnとの電圧差)Vhtとの間には、次
のような関係がある。ここで、ヒステリシスコンパレー
タ141に含まれる可変抵抗器Rf1の抵抗値をRf、
抵抗素子Rc1の抵抗値をRcとし、基準電圧141b
の電圧値をVrefとする。なお、ヒステリシスコンパレ
ータ142についても、同様の関係がある。 ◎
【式1】
【式2】
【式3】
【0115】例えば、ヒステリシスコンパレータ141
において、電源電圧Vccが5V、基準電圧141bの電
圧が2.5V、抵抗素子Rc1の抵抗値Rcが10k
Ω、可変抵抗器Rf1の抵抗値Rfが100kΩである
場合には、ポジティブスレショルド電圧Vpは2.75
V、ネガティブスレショルド電圧Vnは2.25V、ヒ
ステリシス電圧Vhtは0.5Vとなる。
【0116】ここで、ヒステリシスコンパレータ14
1、142に入力電圧に対しては、シュミット・トリガ
型バッファ素子111、112に入力電圧に対して行わ
れるのと同様の変換処理が行われる。つまり、入力電圧
が増加しつつポジティブスレショルド電圧Vpよりも大
きくなった場合には、出力信号は「Lo」の信号から
「Hi」の信号に切り換えられ、一方、入力電圧が減少
しつつネガティブスレショルド電圧Vnよりも小さくな
った場合に、出力信号は「Hi」の信号から「Lo」の
信号に切り換えられる。
【0117】図21において、端子T1に入力された周
期信号Aには、容量素子C1と抵抗素子R1により構成
されるCR遅延回路を通過して、節点X11に到達す
る。このとき、節点X11における周期信号には、図1
2に示すように、所定の遅延が生じている。同様に、端
子T12に入力された周期信号Bは、容量素子C2と抵
抗素子R2により構成されるCR遅延回路を通過して、
節点X12に到達する。このとき、節点12における周
期信号には、所定の遅延が生じている。したがって、図
10(b)と同様に、EX−OR素子131には、節点
X11、X12における周期信号がヒステリシスコンパ
レータ141、142を通過することにより変換された
矩形波信号が入力され、これらの信号の間で排他的論理
和演算が行われ、その結果が端子T11に対して出力さ
れる。このとき、端子11に対して出力される信号は、
所定のデューティ比をもった矩形波信号である。
【0118】このように、本実施の形態の静電容量式セ
ンサ10の信号処理回路にヒステリシス特性を持たせる
ために、シュミット・トリガ型バッファ素子を利用する
代わりに、ヒステリシスコンパレータを利用することが
できる。そして、ヒステリシスコンパレータでは、それ
を構成する可変抵抗器(図21におけるRf1およびR
f2)の抵抗値を変更することにより、ポジティブスレ
ショルド電圧Vpとネガティブスレショルド電圧Vnとの
電位差であるヒステリシス電圧Vhtを任意に変更する
ことができる。したがって、静電容量式センサの感度特
性を信号処理回路の構成によって容易に調節することが
可能となる。
【0119】次に、本発明の実施の形態の第7の変形例
について、図面を参照しつつ説明する。図22は、第7
の変形例に係る静電容量式センサのX軸方向成分につい
ての信号処理回路を示す回路図である。図22の信号処
理回路が、図1の静電容量式センサの信号処理回路と異
なる点は、容量素子C1、C2の一方の電極である変位
電極40が容量素子C0を介することなく直接接地され
ている点である。なお、その他の構成は、図1の静電容
量式センサと同一であるので、同一符号を付して説明を
省略する。
【0120】変位電極40は、別途設けられた配線によ
って接地されており、基板20上に基準電極E0を形成
する必要がなくなる。従って、基板20上において容量
素子用電極の配線を容易に設けることができるようにな
る。
【0121】なお、本発明の好適な実施の形態について
説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるもの
ではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様
々な設計変更を行うことが可能なものである。例えば、
上述の実施の形態では、静電容量式センサの信号処理回
路として、シュミット・トリガ型論理素子、シュミット
・トリガ型バッファ素子、シュミット・トリガ型インバ
ータ素子またはヒステリシスコンパレータを利用するこ
とによりヒステリシス特性を有する信号処理回路が用い
られる場合について説明しているが、これに限らず、本
実施の形態と同様のヒステリシス特性を有する信号処理
回路であれば、どのような構成のものであってもよい。
【0122】また、上述の実施の形態では、固定された
容量素子用電極に対して変位電極が変位することによ
り、容量素子用電極と変位電極との間で構成される容量
素子の静電容量値が変化する場合について説明している
が、これに限らず、例えば、容量素子用電極および導電
性部材が固定されて、その間を絶縁性部材が移動するこ
とによって容量素子用電極と導電性部材との間で構成さ
れる容量素子の静電容量値が変化するものなど、容量素
子の静電容量値を変化させるための構成はどのようなも
のであってもよい。
【0123】また、上述の実施の形態では、X軸方向、
Y軸方向、Z軸方向の3方向に対応する容量素子用電極
が形成されているが、用途に合わせて必要な方向の成分
だけを検出できるように容量素子用電極を形成してもよ
い。
【0124】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1による
と、ヒステリシス特性を有する信号処理回路では、入力
信号増加時のしきい値と入力信号減少時のしきい値とが
異なっているため、第1の容量素子の静電容量値の変化
に対応する出力信号の変化が大きくなる。従って、出力
信号がヒステリシス特性を有さない信号処理回路により
検出される場合と比較して、センサとしての感度特性が
向上する。また、入力信号にノイズが乗っている場合で
も、入力信号増加時のしきい値と入力信号減少時のしき
い値とが異なっているため、誤った出力信号が検出され
るのが抑制される。これにより、ノイズの影響によるセ
ンサの誤作動を防止することができる。
【0125】請求項2によると、第1および第2の容量
素子を構成するために共通に用いられる導電性部材が、
直接接触することによってではなく、容量結合によって
接地または一定の電位に保持された基準電極と電気的に
結合される。そのため、センサの耐電圧特性が向上し、
スパーク電流が流れることによってセンサが破損するこ
とがほとんどなくなるとともに、接続不良などの不具合
を防止することができるため、信頼性の高い静電容量式
センサを得ることができる。それとともに、第1および
第2の容量素子が直列に接続された関係となるので、容
量素子用電極および基準電極を支持する基板などの部材
だけに配線を設ければ、導電性部材を接地または一定の
電位に保持するための配線を別途設ける必要がない。そ
のため、構造が簡単な静電容量式センサを少ない製造工
程数で製造することが可能となる。
【0126】請求項3によると、請求項1と同様に、出
力信号がヒステリシス特性を有する信号処理回路により
検出されるため、ヒステリシス特性を有さない信号処理
回路により検出される場合よりも、センサとしての感度
特性を向上させることができる。また、請求項2と同様
に、信頼性の高い静電容量式センサを得ることができ
る。
【0127】請求項4によると、検知部材が外部から受
けた力のX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の方向成分
をそれぞれ別々に認識することができる。なお、第3の
容量素子用電極は、Z軸方向の成分を認識するために使
用しないで、入力の決定操作に使用してもよい。
【0128】請求項5〜13によると、出力信号を精度
よく検出することができ、さらに必要に応じて検出精度
または検出感度を調整することができる。
【0129】請求項14によると、一対の容量素子用電
極の一方を含む回路および他方を含む回路の時定数が同
じものであるかどうかにかかわらず、検知部材の変位を
認識することができる。
【0130】請求項15によると、回路を通過すること
による信号の位相のずれを大きくできるため、検知部材
の変位認識の精度を向上させることができる。
【0131】請求項16、17によると、オープンコレ
クタ型のインバータ素子などの制御素子によって、容量
素子に保持された電荷が瞬時に放電されるため、効率よ
く充電ができるとともに、信号の波形の密度を増加させ
ることができ、信号処理回路の感度を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る静電容量式センサの
模式的な断面図である。
【図2】図1の静電容量式センサの検知部材の上面図で
ある。
【図3】図1の静電容量式センサの基板上に形成されて
いる複数の電極の配置を示す図である。
【図4】図1に示す静電容量式センサの構成に対する等
価回路図である。
【図5】図1に示す静電容量式センサに入力される周期
信号から出力信号を導出する方法を説明するための説明
図である。
【図6】図1に示す静電容量式センサの検知部材にX軸
正方向への操作が施された場合の側面の模式的な断面図
である。
【図7】図1に示す静電容量式センサの信号処理回路を
示す回路図である。
【図8】図7に示す静電容量式センサの信号処理回路に
対する等価回路図である。
【図9】図7に示す静電容量式センサの信号処理回路に
対する等価回路図である。
【図10】図1に示す静電容量式センサのX軸方向成分
についての信号処理回路を示す回路図である。
【図11】図10に示す信号処理回路と比較するための
信号処理回路を示す回路図である。
【図12】図1に示す信号処理回路の各端子および各節
点における周期信号の波形を示す図である。
【図13】ノイズが乗っている入力電圧と出力信号の関
係を示す図である。
【図14】図1の静電容量式センサの第1の変形例の基
板上に形成されている複数の電極の配置を示す図であ
る。
【図15】図1に示す静電容量式センサの第1の変形例
のX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図で
ある。
【図16】図1に示す静電容量式センサの第2の変形例
のX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図で
ある。
【図17】図1に示す信号処理回路および図16に示す
信号処理回路の端子および各節点における周期信号の波
形を示す図である。
【図18】図1に示す静電容量式センサの第3の変形例
のX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図で
ある。
【図19】図1に示す静電容量式センサの第4の変形例
のX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図で
ある。
【図20】図1に示す静電容量式センサの第5の変形例
のX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図で
ある。
【図21】図1に示す静電容量式センサの第6の変形例
のX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図で
ある。
【図22】図1に示す静電容量式センサの第7の変形例
のX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図で
ある。
【符号の説明】
10 力覚センサ(静電容量式センサ) 20 基板 30 検知部材 40 変位電極(導電性部材) 101〜103 シュミット・トリガ型論理素子 111〜113 シュミット・トリガ型バッファ素子 121〜123 シュミット・トリガ型インバータ素子 131〜133 EX−OR素子 134 OR素子 135 AND素子 136 NAND素子 141、142 ヒステリシスコンパレータ E1〜E5 容量素子用電極 E0 基準電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F051 AB06 AC07 BA07 DA03 5B087 AA09 AB02 AE00 BC02 BC12 BC13 BC26 BC31

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性部材と、 前記導電性部材との間で第1の容量素子を構成する容量
    素子用電極と、 前記導電性部材と電気的に接続されるとともに、接地ま
    たは一定の電位に保持された基準電極とを備え、 前記第1の電極に対して入力される信号を利用して前記
    第1の容量素子の静電容量値の変化が検出されることに
    基づいて外部から作用した力を認識可能であって、 対となる2つの前記容量素子用電極を有しており、これ
    ら一対の容量素子用電極の一方を含む回路および他方を
    含む回路にそれぞれ入力された信号の出力信号が、ヒス
    テリシス特性を有する信号処理回路により検出されるこ
    とを特徴とする静電容量式センサ。
  2. 【請求項2】 前記基準電極と前記導電性部材との間
    に、第2の容量素子が構成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の静電容量式センサ。
  3. 【請求項3】 XYZ三次元座標系を定義したときに、
    XY平面を規定する基板と、 前記基板と対向している検知部材と、 前記基板と前記検知部材との間に位置し、前記検知部材
    がZ軸方向に変位するのにともなってZ軸方向に変位す
    る導電性部材と、 前記基板上に形成され、前記導電性部材との間で第1の
    容量素子を構成する容量素子用電極と、 前記基板上に形成され、前記導電性部材との間で第2の
    容量素子を構成する接地または一定の電位に保持された
    基準電極とを備え、 前記第1の容量素子と前記第2の容量素子とが前記容量
    素子用電極に対して入力される信号に対して直列に接続
    された関係となり、前記導電性部材と前記容量素子用電
    極との間隔の変化に起因する前記第1の容量素子の静電
    容量値の変化が検出されることに基づいて前記検知部材
    の変位を認識可能であって、 対となる2つの前記容量素子用電極を有しており、これ
    ら一対の容量素子用電極の一方を含む回路および他方を
    含む回路にそれぞれ入力された信号の出力信号が、ヒス
    テリシス特性を有する信号処理回路により検出されるこ
    とを特徴とする静電容量式センサ。
  4. 【請求項4】 前記容量素子用電極が、Y軸に対して線
    対称に配置された一対の第1の容量素子用電極と、X軸
    に対して線対称に配置された一対の第2の容量素子用電
    極と、原点近傍に配置された第3の容量素子用電極を有
    していることを特徴とする請求項3に記載の静電容量式
    センサ。
  5. 【請求項5】 前記信号処理回路は、入力信号増加時の
    しきい値が入力信号減少時のしきい値よりも大きいもの
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の静電容量式センサ。
  6. 【請求項6】 前記信号処理回路は、シュミット・トリ
    ガ型論理素子を利用したものであることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか1項に記載の静電容量式センサ。
  7. 【請求項7】 前記シュミット・トリガ型論理素子が、
    排他的論理和演算を行うことを特徴とする請求項6に記
    載の静電容量式センサ。
  8. 【請求項8】 前記シュミット・トリガ型論理素子が、
    論理和演算を行うことを特徴とする請求項6に記載の静
    電容量式センサ。
  9. 【請求項9】 前記シュミット・トリガ型論理素子が、
    論理積演算を行うことを特徴とする請求項6に記載の静
    電容量式センサ。
  10. 【請求項10】 前記シュミット・トリガ型論理素子
    が、論理積演算および否定演算を行うことを特徴とする
    請求項6に記載の静電容量式センサ。
  11. 【請求項11】 前記信号処理回路は、シュミット・ト
    リガ型バッファ素子を利用したものであることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電容量式セ
    ンサ。
  12. 【請求項12】 前記信号処理回路は、シュミット・ト
    リガ型インバータ素子を利用したものであることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電容量式
    センサ。
  13. 【請求項13】 前記信号処理回路は、ヒステリシスコ
    ンパレータを利用したものであることを特徴とする請求
    項1〜5のいずれか1項に記載の静電容量式センサ。
  14. 【請求項14】 前記一対の容量素子用電極の一方を含
    む回路および他方を含む回路に、互いに位相が異なる信
    号が供給されることを特徴とする請求項1〜13のいず
    れか1項に記載の静電容量式センサ。
  15. 【請求項15】 前記一対の容量素子用電極の一方を含
    むCR回路と他方を含むCR回路との時定数が異なるこ
    とを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の
    静電容量式センサ。
  16. 【請求項16】 前記信号は、ハイレベルとローレベル
    とを周期的に繰り返す信号であって、前記信号がローレ
    ベルである時に前記第1の容量素子を放電させる機能を
    有する制御素子が備えられていることを特徴とする請求
    項1〜15のいずれか1項に記載の静電容量式センサ。
  17. 【請求項17】 前記制御素子として、オープンコレク
    タ型のインバータ素子が用いられていることを特徴とす
    る請求項16に記載の静電容量式センサ。
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