JP3618897B2 - 端子付き薄形ボビンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、端子付き薄形ボビンの製造方法に関し、特に、低コスト化およびコイル引出線の断線防止の確実性に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶表示器用等のプリント基板に装着されるトランスは、コイルを巻回する筒状の薄形ボビンと、このボビンの軸方向の端部の鍔部に設けられた端子取付部とを有する。この端子取付部に基板への装着用端子だけが設けられている場合、細線のコイル引出線を基板装着用端子にからげることになる。ところで、外部機器との接触や落下の際の衝撃などにより、ボビンに外力がかかると、基板に固定された基板装着用端子に曲がりやねじれが生じ、細線のコイル引出線が断線するおそれがある。このため、従来は、細線のコイル引出線を複数本(例えば5本)重ねて捩じったツィスト線を、基板装着用端子にからげるようにして、外力による断線を防止していた。
【0003】
また、端子取付部の一方に、基板装着用端子とからげ用端子をコの字状に形成した端子付き薄形ボビンを一体成形して、細線のコイル引出線の断線を防止したものも知られている。これは、細線のコイル引出線を、基板装着用端子にではなく、基板と分離したからげ用端子にからげるので、ボビンに外力がかかっても、基板装着用端子の曲がりやねじれの影響を受けず、断線しにくい。
【0004】
この端子付き薄形ボビンは、まず、図7(a)のように、端子取付部の一方(上側)に、基板装着用端子8と、細線のコイル引出線をからげるからげ用端子10とを略コの字状に形成したりん青銅のような金属板30を加工しておき、次に、(b)のように、この金属加工板30をインサートした状態で樹脂製のボビン32を型成形し、その後、(c)のように、各端子8,10を所定の長さに切断して製作される。なお、端子取付部の他方(下側)は、コイル引出線が太線なので基板装着用端子8にからげても断線のおそれが少ないため、からげ用端子10を設けずに基板装着用端子8だけを設けている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の上記端子取付部に基板装着用端子だけを設けた薄形ボビンにおいては、ツィスト線にするのはその加工工程を必要とし低コスト化が図れないうえに、ツィスト線の端部がコイル側にはみだして、1次コイルと2次コイルをショートさせ絶縁破壊を引き起こす場合があるという問題があった。
【0006】
一方、上記端子付きボビンを一体成形して、基板装着用端子とからげ端子とを設けた薄形ボビンにおいては、図7(a)の金属加工板30のうち材料として用いるのは端子部分8,10のみで、その他の枠体34などは捨てられるので、材料の無駄が多く、低コスト化が図れないという問題があった。
【0007】
この発明は上記の問題点を解決して、低コストで、かつ、確実に断線防止を図ることができる端子付き薄形ボビンを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、コイルを巻回する筒状の巻回部と、前記巻回部の軸方向の端部に設けられた端子取付部とを有する端子付き薄形ボビンの製造方法であって、前記端子取付部に、外部接続用端子を挿通するためのスリット孔を設け、このスリット孔に、1対の平行な縦材と、縦材の長手方向に一定間隔で複数配置されてこれら縦材間を連結する横材とのみを有する端子素材を挿入したのち、少なくとも1方の縦材と単一の横材とを備えた端子片に切断し、この端子片を該スリット孔に固定することによって外部接続用のからげ用端子と基板への装着用端子とを形成する。
【0009】
上記構成によれば、1対の平行な縦材と、縦材の長手方向に一定間隔で複数配置されてこれら縦材間を連結する横材とのみを有する端子素材を用いて、端子取付部にからげ用端子と基板への装着用端子とを形成するので、端子素材の無駄が少なくなり、低コスト化を図ることができるとともに、確実に断線防止を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係る製造方法により製造された端子付き薄形ボビン1の斜視図を示す。このボビン1は、コイルを巻回する筒状の巻回部2と、この巻回部2の上下の軸方向の両端部にそれぞれ形成された上下の鍔部4A,4Bと、下鍔部4Bの両端に設けられた端子取付部6A,6Bとを有する。この端子取付部6に外方に突出する外部接続用端子8,10が固定されている。
【0011】
図2(a)に、図1の端子付き薄形ボビン1の平面図を、(b)にその正面図を示す。(b)に示すように、筒状の巻回部2にコイル3が巻回されたボビン1が基板Kに装着されている。(a)に示すように、ボビン1の端子取付部6の一方(右側)は、基板Kへの装着用端子8と、細線のコイル引出線S1をからげるからげ用端子10とからなる第1端子取付部6Aが形成され、他方(左側)には、太線のコイル引出線S2をからげる基板装着用端子8だけからなる第2端子取付部6Bが形成されている。
【0012】
以下、本発明の端子付き薄形ボビン1の製造方法について説明する。
図3に、図1のボビン1の第1端子取付部6Aの一部の斜視図を示す。同図において、ボビン1は、予め第1端子取付部6Aに略コの字状端子を挿通するためのスリット孔12が設けられた状態で形成されている。
【0013】
図4に、第1端子取付部6Aのスリット孔12に略コの字状端子を形成する工程を示す。(a)に示すスリット孔12に挿入される端子素材14は、例えば、リん青銅からなり、1対の平行な縦材15と、縦材15の長手方向に一定間隔で複数配置されてこれら縦材15間を連結する横材16とのみを有する。
【0014】
まず、図4(a)において、端子素材14の先端をスリット孔12に挿入する。その状態で、(b)のように、第1端子取付部6Aの手前に位置する端子素材14の斜線部20をカッターのような切断手段で切り落とす。したがって、一対の縦材15と単一の横材16からなる略コの字状の端子片14Aが、横材16と両縦材15の一部がスリット孔12に残存し、両縦材15がそれぞれ平行に突出した状態になる。
【0015】
次に、図4(c)のスリット孔12から突出した縦材15の先端部が、プレス等のフォーミング手段により、スリット孔12中に押し込まれて、略コの字状の端子片14Aがスリット孔12に固定される。これとともに、突出した縦材15の一方(基板装着用端子8)に、その先端を基板Kに装着させるための所定の階段状の折り曲げ加工が施される。
【0016】
こうして、図5に示すように、第1端子取付部6Aに、基板装着用端子8とからげ用端子10とが、略コの字状、つまり、第1端子取付部6Aのスリット孔12内で両者が接続され、かつ、第1端子取付部6Aからそれぞれ平行に突出した状態で形成される。なお、図1の第2端子取付部6Bにおいても、予め図示しない挿通孔が設けられ、この挿通孔に図示しないストレートな線状の端子素材が挿通されて、以下同様に、各基板装着用端子8が形成される。
【0017】
このようにして、第1端子取付部6Aに基板装着用端子8とからげ用端子10が、第2端子取付部6Bに基板装着用端子8が形成された端子付き薄形ボビン1が製造される。図2(b)において、この端子付き薄形ボビン1にコイル3が巻回されたうえで、基板装着用端子8を基板Kに半田H付けすることにより、基板Kに装着される。細線のコイルの引出線S1は、同図(a)のように第1端子取付部6Aのからげ用端子10にからげられる。また、太線のコイルの引出線S2は、第2端子取付部6Bの基板装着用端子8にからげられる。これにより、端子付き薄形ボビン1に外力がかかっても確実に断線防止を図ることができる。
【0018】
本製造方法に用いられる端子素材14は、従来の図7(a)の金属加工板30に比較して、素材の大部分が端子として用いられるので、材料の無駄が少ない。従って、部材単価を下げることができるので、低コスト化を図ることができる。また、端子素材14を加工するための金型も簡単な形状で小型になるので金型代も安くなる。さらに、上記切断工程において、端子8,10の長さを容易に変更できるという効果も有する。
【0019】
なお、図6(a)に示すように、第1端子取付部6Aに、上記スリット孔12に代えてスリット孔22を形成することにより、からげ用端子10を基板装着用端子8と異なる方向に配置することもできる。これにより、からげ用端子10へのコイルの引出線S1のからげが容易になる。この場合、同図(b)のように、切断工程における上記端子素材14の切断形状が斜線部24のように変更される。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、1対の平行な縦材と、縦材の長手方向に一定間隔で複数配置されてこれら縦材間を連結する横材とのみを有する端子素材を用いて、端子取付部にからげ用端子と基板への装着用端子とを形成するので、端子素材の無駄が少なくなり、低コスト化を図ることができるとともに、確実に断線防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る製造方法により製造された端子付き薄形ボビンを示す斜視図である。
【図2】(a)は上記端子付き薄形ボビンを示す平面図、(b)はその正面図である。
【図3】上記端子取付部の一部を示す斜視図である。
【図4】上記端子取付部にからげ用端子および基板接続用端子を形成する工程を示す平面図である。
【図5】上記端子取付部にからげ用端子および基板接続用端子が形成された状態を示す斜視図である。
【図6】(a)はからげ用端子および基板接続用端子の他の形成例を示す斜視図、(b)はその製造方法を示す平面図である。
【図7】従来の一体成形された端子付き薄形ボビンを示す平面図である。
【符号の説明】
1…端子付き薄形ボビン、2…巻回部、6(6A,6B)…端子取付部、8…基板装着用端子、10…からげ用端子、12…スリット孔、14…端子素材、15…縦材、16…横材。
Claims (1)
- コイルを巻回する筒状の巻回部と、前記巻回部の軸方向の端部に設けられた端子取付部とを有する端子付き薄形ボビンの製造方法であって、
前記端子取付部に、外部接続用端子を挿通するためのスリット孔を設け、このスリット孔に、1対の平行な縦材と、縦材の長手方向に一定間隔で複数配置されてこれら縦材間を連結する横材とのみを有する端子素材を挿入したのち、少なくとも1方の縦材と単一の横材とを備えた端子片に切断し、この端子片を該スリット孔に固定することによって外部接続用のからげ用端子と基板への装着用端子とを形成する端子付き薄形ボビンの製造方法。
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JP11556996A JP3618897B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 端子付き薄形ボビンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP11556996A JP3618897B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 端子付き薄形ボビンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09283362A JPH09283362A (ja) | 1997-10-31 |
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ID=14665814
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP11556996A Expired - Lifetime JP3618897B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 端子付き薄形ボビンの製造方法 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (2)
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CN102005286B (zh) * | 2009-09-02 | 2015-08-12 | 苏玉锋 | 变压器骨架的加工方法 |
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1996
- 1996-04-12 JP JP11556996A patent/JP3618897B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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