JP2002112489A - 巻線ボビン構造体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】コイル線の巻回時や接続用部品の取り付け時に
生じる恐れのあるコイル線の切断を防止することができ
る巻線ボビン構造体を提供する。 【構成】接続用端子部とコイル線を巻回するボビン部を
有する巻線ボビン構造体において、ボビン部に設けられ
た、端子を支持する端子支持部は、コイル線がコイル線
同士または他部品と干渉することを防ぐ構造を持つ。

Description

【発明の詳細な説明】

【0001】

【産業上の利用分野】本発明は、モーター等に用いられ
る巻線ボビン構造体に関するものである。

【0002】

【従来の技術】従来、図４に示すように、巻線用ボビン
２には、その上端に、端子を支持する端子支持部（支持
本体）７が固定されており、その端子支持部７に端子１
ａ，１ｂが取り付けられている。この端子１ａ，１ｂの
先端に図のように、コイル線３が巻き付けられる(カラ
ゲ)。また、端子部へのコイル線のカラゲを２段階にわ
け、上段部分にのみ半田付けを行い、下段部のコイル線
引き出し部分にたるみを持たせ、端子１ａ，１ｂにかか
る応力による断線を防ぐ構造をとる。

【0003】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、以下のような欠点があった。図４のボビンで
は、コイルの巻線工程時に端子から引き出されたコイル
線と巻回中のコイル線が接触することでコイル線の切断
を起こす可能性がある。また、図４に示すような形状の
ボビンでは、後工程の接続用部品（プリント配線基板
等）挿入時に2段カラゲによって半田を行わない下段部
分まで接続用部品が挿入されることで、端子１ａ，１ｂ
にカラゲられているコイル線と接触を起こすことでコイ
ル線の切断を起こす可能性がある。

【0004】したがって、本発明の目的は、コイル線の巻回
時や接続用部品の取り付け時に生じる恐れのあるコイル
線の切断を防止することができる巻線ボビン構造体を提
供することにある。

【0005】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、第１に、 接続用端子部とコイル線を巻
回するボビン部を有する巻線ボビン構造体において、ボ
ビン部に設けられた、端子を支持する端子支持部は、コ
イル線がコイル線同士または他部品と干渉することを防
ぐ構造を持つことを特徴とする。

【0006】また、本発明は、前述の第１の構成において、
前記端子支持部には、巻回時や巻回後にコイル線同士の
接触に起因するコイル線の切断を防ぐ凹構造が一方の端
子からボビンに至るコイル線の経路に設けられているこ
とを特徴とする。

【0007】さらに、本発明は、前述の第１の構成におい
て、前記端子支持部には、接続用端子部へ接続される外
部接続用部品(プリント配線基板等)がコイル線と接触す
ることに起因するコイル線の切断を防ぐ凸構造が端子と
併置されて設けられていることを特徴とする。

【0008】上記構成において、巻線ボビンの有する凹構造
は巻線時や巻線後にコイル線同士が接触することによる
断線を防ぐ。また、上記構成において、巻線ボビンの有
する凸構造は接続用端子部へ接続される接続用部品(プ
リント配線基板)がコイル線と接触することを防ぐ。

【0009】

【実施例】（実施例1）図１は本発明の実施例１、２の
巻線ボビン構造体の正面図であり、図２は、実施例１、
２の巻線ボビン構造体の拡大斜視図である。図１、２に
おいて、１ａ，１ｂは外部接続用部品(プリント配線基
板等)との接続用端子、２はコイル線を巻線するボビン
部、３はコイル線である。４はボビン部に形成された凹
構造、５は同じくボビン部に形成された凸構造であり、
７はボビンに設けられた、端子を支持する端子支持部で
ある。

【0010】上記構成において、端子１ａにコイル線の２段
カラゲを行い端子上部にのみ半田付けをする。このコイ
ル線をボビン部に形成された凹構造内にそって引き出し
て巻線を行う。このとき、ボビン部に形成された凹構造
の深さＬはコイル線径よりも大として、巻線時にコイル
線同士の干渉を防ぐ効果を得る。

【0011】(実施例２)図３は実施例１、２の巻線ボビン構
造体を、端子部へ外部接続用部品(プリント配線基板等)
を取り付けた状態で示す正面図である。図３に示すよう
に、端子部へプリント配線基板を装着しても、凸構造５
があるためプリント配線基板は半田付けの行われていな
いコイル線部分に直接接触せず、コイル線の切断を防ぐ
効果がある。

【0012】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コイル線が他部品と干渉することを防ぐ構造を持つこと
により、 （１）コイル線巻線時にコイル線同士の接触が起きない
ため、高い信頼性を得ることができ、断線に弱い細い線
径のコイル線を使用することが可能となる。 （２）断線に強いために細い線径のコイル線を使用でき
るため、ボビンの小型化が行える。 （３）端子部への外部接続用部品(プリント配線基板等)
接続工程において、特に断線対策のための工程管理を行
わずとも断線に対して高い信頼性を得ることができ、工
程数削減によるコストの削減が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の実施例１、２の巻線ボビン構造
体の正面図である。

【図２】図２は実施例１、２の巻線ボビン構造体の拡大
斜視図である。

【図３】図３は図１の巻線ボビン構造体に他の部品を装
着した状態を示す正面図である。

【図４】図４は従来例の巻線ボビン構造体を示す正面図
である。

【符号の説明】

１ａ，１ｂ 端子 ２ ボビン ３ コイル線 ４ 凹構造部 ５ 凸構造部 ６ 外部接続用部品(プリント配線基板等) ７ 端子支持部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】接続用端子部とコイル線を巻回するボビン
   部を有する巻線ボビン構造体において、ボビン部に設け
   られた、端子を支持する端子支持部は、コイル線がコイ
   ル線同士または他部品と干渉することを防ぐ構造を持つ
   ことを特徴とする巻線ボビン構造体。
2. 【請求項２】請求項１の巻線ボビン構造体において、前
   記端子支持部には、巻回時や巻回後にコイル線同士の接
   触に起因するコイル線の切断を防ぐ凹構造が一方の端子
   からボビンに至るコイル線の経路に設けられていること
   を特徴とする巻線ボビン構造体。
3. 【請求項３】請求項１の巻線ボビン構造体において、前
   記端子支持部には、接続用端子部へ接続される外部接続
   用部品(プリント配線基板等)がコイル線と接触すること
   に起因するコイル線の切断を防ぐ凸構造が端子と併置さ
   れて設けられていることを特徴とする巻線ボビン構造
   体。