JP3610482B2 - 固形化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結合剤として水膨潤性粘土鉱物を用いる固形化粧料に関し、更に詳しくは、肌への付着が良好であり、滑らかで、塗布時の粉ちりがない等の優れた使用感触を有し、しかも使用に耐えうる強度を有する優れた固形化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、固形化粧料の固化方法としては、粉体と油剤とを混合して皿状容器に圧縮固化させる方法、ワックスを含有する油剤に粉体を分散させ該ワックスが溶融した状態で容器に流し込み、その後、冷却固化させる方法、水膨潤性粘土鉱物を含有する粉体と水を混合し、容器又は充填型に充填し、その後、水を乾燥して固化させる方法等の技術が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、皿状容器に圧縮固化させる方法は、成型品の形状が皿状等の圧縮しやすい形状に限られる欠点と、滑らかな使用感触を演出するために、球状や板状の粉体を多量に含有すると圧縮固化しにくくなる場合があった。また、ワックスを溶融して固化させる方法は、化粧料を皮膚に塗布した時に油っぽさ等の好ましくない使用感を有していた。更に、水膨潤性粘土鉱物を用いて固化させる方法では、水膨潤性粘土鉱物に由来する、好ましくないざらざらとした使用感触を有する場合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記実状に鑑み、鋭意研究した結果、結合剤として水膨潤性粘土鉱物を用いる固形化粧料において、球状及び/又は粒状の有機粉体を含有することによって、滑らかな使用感触を有し、更に、その有機粉体が異種のオルガノポリシロキサンからなる複合粉体であると、滑らかな使用感触が更に向上する固形化粧料が得られることを見出した。また、結合剤として水膨潤性粘土鉱物を用いる固形化粧料において、部分架橋型オルガノポリシロキサンを含有することにより、肌への良好な付着性を有しながら、粉ちりが少ない固形化粧料が得られることを見出した。更に、結合剤として水膨潤性粘土鉱物を用いる固形化粧料において、アラビアゴムを配合することにより、肌への良好な付着性を有しながら、使用に耐えうる強度を有する固形化粧料が得られることを見出した。そして、結合剤として水膨潤性粘土鉱物を用いる固形化粧料において、球状及び/又は粒状の有機粉体、部分架橋型オルガノポリシロキサン、アラビアゴムとを含有することによって、滑らかな使用感触を有し、肌への良好な付着性を有しながら、粉ちりがなく、使用に耐えうる強度を有する優れた固形化粧料が得られ、更に、その有機粉体が異種のオルガノポリシロキサンからなる複合粉体であると、前記優れた品質がより向上することを見出した。そこで、本発明者は、これら見出された知見により本発明を完成させた。
【0005】
すなわち、本発明の第一は、粉体と結合剤である水膨潤性粘土鉱物とを混合し、水を加えて混練した後、成型し、乾燥して得た固形化粧料であって、球状及び/又は粒状の有機粉体を含有し、且つ油剤の含有量が0〜20重量%であることを特徴とする固形化粧料、第二は、粉体と結合剤である水膨潤性粘土鉱物とを混合し、水を加えて混練した後、成型し、乾燥して得た固形化粧料であって、部分架橋型オルガノポリシロキサンを含有し、且つ油剤の含有量が0〜20重量%であることを特徴とする固形化粧料、第三は、粉体と結合剤である水膨潤性粘土鉱物とを混合し、水を加えて混練した後、成型し、乾燥して得た固形化粧料であってアラビアゴムを含有し、且つ油剤の含有量が0〜20重量%であることを特徴とする固形化粧料、第四は、粉体と結合剤である水膨潤性粘土鉱物とを混合し、水を加えて混練した後、成型し、乾燥して得た固形化粧料であって、球状及び/又は粒状の有機粉体、部分架橋型オルガノポリシロキサン及びアラビアゴムを含有し、且つ油剤の含有量が0〜20重量%であることを特徴とする固形化粧料、第五は、有機粉体が異種のオルガノポリシロキサンからなる複合粉体である前記第一又は第四の固形化粧料を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の固形化粧料は、粉体と結合剤である水膨潤性粘土鉱物、及び必要な場合は油剤とを混合し、水やアルコール等の溶剤を加えて混練した後、容器に充填するか又は希望する形状にそのまま成型し、乾燥して得られるものである。
【0007】
本発明に用いられる水膨潤性粘土鉱物とは、水又はアルコール等の溶剤と混合し、乾燥させることによって固化作用を有するものである。具体的には、例えば、ベントナイト、スメクタイト、モンモリロナイト、ビーデライト、ノントライト、ヘクトライト等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。この水膨潤性粘土鉱物の平均粒径は、0.1〜50μmの範囲であると、ざらざらとした感触やきしみ感がないため、より好ましい。本発明の固形化粧料における水膨潤性粘土鉱物の含有量は、0.1〜10重量%(以下単に「%」と略す)の範囲であると、良好な強度を保持しつつ、良好な使用感触が得られるため、より好ましい。
【0008】
本発明に用いられる球状及び/又は粒状の有機粉体とは、肌上で粒子が回転することにより、滑らかな使用感触を発現させるものである。具体的には、例えば、ナイロンパウダー、ポリアクリル酸メチル等のポリアクリル酸アルキルパウダー、シリコーンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリエチレンパウダー等挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。この球状及び/又は粒状の有機粉体の平均粒径は、0.1〜50μmの範囲であると、滑らかな使用感触が得られるので、より好ましい。本発明の固形化粧料における球状及び/又は粒状の有機粉体含有量は、1〜50%の範囲であると、良好な強度を保持しつつ、良好な使用感触が得られるため、より好ましい。
【0009】
本発明に用いられる球状及び/又は粒状の有機粉体が、異種のオルガノポリシロキサンからなる複合粉体であると、滑らかさが非常に良好である。この異種のオルガノポリシロキサンからなる複合粉体とは、(a)ビニル基含有オルガノポリシロキサン(b)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとを油系中に含む水中油型乳化物に触媒を加えて反応させ、球状微粒子の水分散液とした後、その水分散液にアルカリ性物質又はアルカリ性水溶液とオルガノトリアルコキシシランを添加し、オルガノトリアルコキシシランを加水分解、縮合反応させた後、乾燥させて得られる複合粉体である。異種のオルガノポリシロキサンからなる複合粉体の平均粒径は、0.1〜100μmの範囲であると、滑らかな使用感触が得られるため、より向上するため好ましい。
【0010】
本発明に用いられる部分架橋型オルガノポリシロキサンとは、化粧料塗布時に粉ちりを抑えるのに有効なものである。具体的には、ベンゼンに不溶であるが、自重と同重量以上のベンゼンを含みうる三次元架橋構造を有するオルガノポリシロキサン重合物で、特公平8−6035号公報等に記載されているものが例示される。市販品としては、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物にシリコーン油を配合したものとして、例えば、KSG15、KSG16、KSG17、KSG18(何れも、信越化学工業社製)等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。本発明の固形化粧料における部分架橋型オルガノポリシロキサンの含有量は、1〜30%の範囲であると、粉ちりを抑える効果と化粧料の肌への密着性がより向上するため、より好ましい。
【0011】
本発明に用いられるアラビアゴムとは、水又はアルコール等の溶剤に溶解又は分散するものであり、粉体同士の結合作用を高めるものである。アラビアゴムは、カルボキシメチルセルロースナトリウムやポリビニルピロリドン等の水溶性高分子の結合剤と異なり、乾燥した後に、固形化粧料の外周部のみ固化作用を起こすもので、使用時に化粧料が指等に付着するのを防ぐ効果があり、適度に化粧料が崩れるため、肌に化粧料を塗布することができ、且つ、使用に耐えうる強度を保持することができる。例えば、ペンシル状固形化粧料の場合は、シャープナー等で外周部を削ることにより、内部は柔らかく肌への付着に優れるといった効果を有する。このようなアラビアゴムは、市販品として、例えば、アラビックコールSS(三栄薬品貿易社製)等が挙げられる。本発明に固形化粧料におけるアラビアゴムの含有量は、0.1〜20%の範囲であると、使用に耐え得る強度と使用感触がより向上するため、好ましい。
【0012】
本発明の固形化粧料に用いられる上記以外の粉体としては、通常化粧料において、着色剤、感触調整剤、賦形剤、紫外線遮断剤等の目的で用いられる粉体であり、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造、等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、黒酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、N−アシルリジン、タール系顔料等の有機粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。尚、これら粉体は、シリコーン類、フッ素化合物、金属石鹸類、油剤等の通常公知の方法により、表面処理して用いても良い。本発明に固形化粧料における粉体の含有量は、化粧料の用途によって異なるが、概ね40〜99%の範囲である。
【0013】
本発明の固形化粧料には、粉っぽさの抑制、肌への付着性向上、エモリエント感の付与、化粧持続性の向上等の目的で、通常化粧料に用いられる油剤が配合可能であり、動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等の油剤が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モクロウ、モンタンワックス、フィッシャトロプスワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、ラノリン、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ロジン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類、等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。本発明に固形化粧料における油剤の含有量は、化粧料の用途によって異なるが、概ね0〜20%の範囲である。
【0014】
本発明の固形化粧料には、上記した必須成分の他に、通常化粧料に使用される成分、例えば、界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、冷感剤、酸化防止剤、美容成分、水性成分、防腐剤、香料等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0015】
本発明の固形化粧料の製造方法は、例えば、水膨潤性粘土鉱物、球状及び/又は粒状の有機粉体、部分架橋型オルガノポリシロキサン、アラビアゴム、油剤、その他成分からなる化粧料組成物を混合機により混合し、この化粧料組成物に溶剤を加えて混練した後、容器に充填するか又は希望する形状にそのまま成型し、乾燥させて溶剤を除去することにより得られるものである。
【0016】
本発明の固形化粧料の製造に用いられる溶剤は、エタノール、イソプロピルアルコール、水、ヘキサン、揮発性シリコーン、揮発性炭化水素等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。この中でも、溶剤の回収のし易さより、エタノール、水、及び水とエタノールの混合溶剤等が、より好ましい。水とエタノールの混合溶剤の混合比は、重量比としては、水:エタノール=3:7〜9:1の範囲が好ましい。
【0017】
また、本発明の固形化粧料の製造における、化粧料組成物に添加する溶剤の重量比は、皿や容器の形状や、充填する際の充填機器により影響されるものであり、例えば、押し出し成型機を用いる場合は、化粧料組成物:溶剤=40:60〜95:5が好ましく、スラリー充填機を用いる場合は、化粧料組成物:溶剤=8:2〜1:3が好ましい。
【0018】
更に、本発明の固形化粧料の製造における、溶剤の除去方法としては、特に限定されず、例えば、容器底部から化粧料基材と溶剤の混合物を充填中に上部より溶剤の吸収体を通して除去する方法、底面が網状になった容器の上部から化粧料基材と溶剤の混合物を充填中に底部より除去する方法、容器に化粧料基材と溶剤の混合物を充填した後、室温又は加温して溶剤を乾燥除去する方法等が挙げられる。
【0019】
本発明の固形化粧料は、アイカラー、ファンデーション、頬紅、アイライナー、口紅等のメークアップ化粧料、ボデイパウダ―、制汗パウダー等のスキンケア化粧料等が挙げられるが、この中でも、本発明の効果が発揮されやすい化粧料は、メークアップ化粧料である。
【0020】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0021】
製造例1:オルガノポリシロキサン複合粉体
次の化学式(1)で示される粘度が600cStのメチルビニルシロキサン500gと、次の化学式(2)で示される粘度が30cStのメチルハイドロジェンポリシロキサン20gを、1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサーを用いて2,000rpmで撹拌混合した後、ポリオキシエチレン(付加モル数;9モル)オクチルフェニルエーテル1g、水150gを加えて6,000rpmで撹拌、転相してから更に2,000rpm撹拌下、水329gを加え、O/W型エマルションを得た。
【0022】
【化1】
Figure 0003610482
【0023】
【化2】
Figure 0003610482
【0024】
このO/W型エマルションを錨型撹拌翼による撹拌装置の付いたガラスフラスコに移し、室温で撹拌下、塩化白金酸−オレフィン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.05%)1gと、ポリオキシエチレン(付加モル数;9モル)オクチルフェニルエーテル1gの混合物を添加、12時間反応を行ない、球状微粒子分散液を得た。この分散液中の球状微粒子の平均粒径をコールターカウンター(コールターエレクトロニクス社製)を用いて測定したところ、15μmであった。
次に、この球状微粒子分散液580g、水2,290g,及びアンモニア水(濃度28重量%)60gを3リットルのガラスフラスコに仕込み、10℃、200rpmの条件で錨型撹拌翼により撹拌を行ない、メチルトリメトキシシラン65gを20分かけて滴下した。液温5〜15℃で4時間撹拌、更に55〜60℃で1時間撹拌して得られた液を加圧濾過器を用いて水約30%のケーキ状物とし、更に熱風循環乾燥機中で105℃で乾燥した後、ジェットミルで解砕して複合粉体が得られた。
この複合粉体を界面活性剤を用いて水に分散させ、その平均粒径をコールターカウンターで測定したところ、15μmであった。また、この複合粉体は、重量分析により、前記球状微粒子100重量部に対してポリオルガノシルセスキオキサン樹脂が10重量部複合化された球状複合粉体あった。
【0025】
製造例2:オルガノポリシロキサン複合粉体
前記した製造例1のメチルトリメトキシシラン65gをメチルトリメトキシシラン55gとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10gの混合物としたほかは、製造例1と同様にして複合粉体を作成した。この複合粉体を界面活性剤を用いて水に分散させ、その平均粒径をコールターカウンターで測定したところ、15μmであった。また、この複合粉体は、重量分析により、前記球状微粒子100重量部に対してポリオルガノシルセスキオキサン樹脂が11重量部複合化された球状複合粉体あった。
【0026】
製造例3:オルガノポリシロキサン複合粉体
前記した製造例1におけるO/W型エマルション作成時に使用したポリオキシエチレン(付加モル数;9モル)オクチルフェニルエーテルを5gとし、製造例1と同様にして球状微粒子分散液を得たが、この分散液中の粒子の平均粒径はコールターカウンターを用いて測定したところ、3μmであった。この球状微粒子分散液を製造例1と同様にして複合粉体を作成した。この複合粉体を界面活性剤を用いて水に分散させ、その平均粒径をコールターカウンターで測定したところ、3μmであった。また、この複合粉体は、重量分析により、前記球状微粒子100重量部に対してポリオルガノシルセスキオキサン樹脂が10重量部複合化された球状複合粉体であった。
【0027】
実施例1〜14及び比較例1〜4:スティック状アイシャドウ
表1〜表4に示す組成のスティック状アイシャドウを調製し、肌への化粧料の付着の良さ、塗布時の滑らかさ、塗布時の粉ちりのなさ等の使用感触及び強度について以下に示す評価方法により評価し、その結果も併せて表1〜表4に示す。
【0028】
(製法)
A:成分(1)〜(7)を混合分散する。
B:Aの混合物100部に対して、水−エタノール混合溶剤(水:エタノール=3:1)30部を添加混合する。
C:Bを押し出し成型機により、棒状に成型し、乾燥させ、スティック状アイシャドウを得た。
【0029】
(官能評価及び判定基準)
実施例1〜14及び比較例1〜4のスティック状アイシャドウを化粧品専門パネル16人に使用してもらい、肌への化粧料の付着の良さ(付着の良さ)、塗布時の滑らかさ(滑らかさ)、塗布時の粉ちりのなさ(粉ちりのなさ)等の使用感触及び強度について下記5段階評価基準及び判定基準により判定した。
Figure 0003610482
【0030】
(強度評価及び判定基準)
実施例1〜14及び比較例1〜4のスティック状アイシャドウを50cmの高さからコンクリート上のタイルの上に5本落下させたときの状態を観察し、以下のように評価、判定した。
落下した時の状態 判定
5本とも折れや、カケけ等が無い。:◎
5本の内、1本だけカケが生じる。:○
5本の内、2本以上欠けが生じる。:△
5本の内、1本以上折れが生じる。:×
【0031】
【表1】
Figure 0003610482
【0032】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜4のスティック状アイシャドウは、付着の良さ、滑らかさ、粉ちりのなさ等の使用感触に優れ、しかも強度も良好であった。一方、比較例1のスティック状アイシャドウは、滑らかさと強度は良好であったが、肌への付着性悪く、塗布時の粉ちりするものであった。
【0033】
【表2】
Figure 0003610482
【0034】
表2の結果から明らかなように、実施例5〜7のスティック状アイシャドウは、付着の良さ、滑らかさ、粉ちりのなさ等の使用感触に優れ、しかも強度も良好であった。一方、比較例2〜3のスティック状アイシャドウは、粉ちりのなさと強度は良好であったが、肌への付着性が悪く、滑らかな使用感触が得られなかった。
【0035】
【表3】
Figure 0003610482
【0036】
表3の結果から明らかなように、実施例8〜10のスティック状アイシャドウは、付着の良さ、粉ちりのなさ等の使用感触に優れ、しかも強度も良好であった。一方、比較例4のスティック状アイシャドウは、粉ちりのなさと強度は良好であったが、肌への付着性が悪いものであった。
【0037】
【表4】
Figure 0003610482
【0038】
表4の結果から明らかなように、実施例11〜14のスティック状アイシャドウは、付着の良さ、滑らかさ、粉ちりのなさ等の使用感触に優れ、しかも強度も良好であった。
【0039】
実施例15:ステイック状ファンデーション
成分 重量%
(1)セリサイト 残部
(2)タルク 20
(3)スメクタイト 1
(4)製造例3の複合粉体 5
(5)二酸化チタン 12
(6)酸化鉄系顔料(黄色、赤色、黒色) 2.5
(7)流動パラフィン 2
(8)ジメチルポリシロキサン 5
(製法)
A:成分(1)〜(8)を混合分散する。
B:Aの混合物100部に対して、水−エタノール混合溶剤(水:エタノール=9:1)110部を添加混合する。
C:Bを押し出し成型機により、棒状に成型し、乾燥させ、スティック状ファンデーションを得た。
実施例15のパウダーファンデーションは、付着の良さ、滑らかさ、粉ちりのなさ等の使用感触に優れ、しかも強度も良好であった。
【0040】
【発明の効果】
本発明の固形化粧料は、肌への付着が良好であり、化粧料塗布時の滑らかで、粉ちりがない等の優れた使用感触を有し、しかも使用に耐えうる強度を有する優れた特性を有していた。

Claims (5)

  1. 粉体と結合剤である水膨潤性粘土鉱物とを混合し、水を加えて混練した後、成型し、乾燥して得た固形化粧料であって、球状及び/又は粒状の有機粉体を含有し、且つ油剤の含有量が0〜20重量%であることを特徴とする固形化粧料。
  2. 粉体と結合剤である水膨潤性粘土鉱物とを混合し、水を加えて混練した後、成型し、乾燥して得た固形化粧料であって、部分架橋型オルガノポリシロキサンを含有し、且つ油剤の含有量が0〜20重量%であることを特徴とする固形化粧料。
  3. 粉体と結合剤である水膨潤性粘土鉱物とを混合し、水を加えて混練した後、成型し、乾燥して得た固形化粧料であってアラビアゴムを含有し、且つ油剤の含有量が0〜20重量%であることを特徴とする固形化粧料。
  4. 粉体と結合剤である水膨潤性粘土鉱物とを混合し、水を加えて混練した後、成型し、乾燥して得た固形化粧料であって、球状及び/又は粒状の有機粉体、部分架橋型オルガノポリシロキサン及びアラビアゴムを含有し、且つ油剤の含有量が0〜20重量%であることを特徴とする固形化粧料。
  5. 有機粉体が異種のオルガノポリシロキサンからなる複合粉体であることを特徴とする請求項1又は4記載の固形化粧料。
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