JP2003095846A - 油性固形化粧料 - Google Patents

油性固形化粧料

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JP2003095846A
JP2003095846A JP2001296267A JP2001296267A JP2003095846A JP 2003095846 A JP2003095846 A JP 2003095846A JP 2001296267 A JP2001296267 A JP 2001296267A JP 2001296267 A JP2001296267 A JP 2001296267A JP 2003095846 A JP2003095846 A JP 2003095846A
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Hiroko Misaki
裕子 三▲さき▼
Teruhiko Suetake
照彦 末武
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Kose Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温に保存した後もあばたを残して外観を損ね
ることがなく、且つ、塗布時の伸びが滑らかで、且つ塗
布後のべたきがない油性固形化粧料を提供すること。 【解決手段】成分(a)ワックス 3〜30質量%、成
分(b)極性油 10〜85質量%、成分(c)デキス
トリン脂肪酸エステル 0.01〜1質量%、成分
(d)粉体 5〜85質量%を含有することを特徴とす
る油性固形化粧料。また更に、成分(e)としてポリブ
テンを1〜30%質量含有する前記油性固形化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワックス、極性
油、デキストリン脂肪酸エステル及び粉体をそれぞれ特
定量含有する油性固形化粧料に関し、更に詳細には、高
温に保存した後もあばたを残して外観を損ねることがな
く、且つ、塗布時の伸びが滑らかで、且つべたつかない
油性固形化粧料に関するものである。尚、本発明で「あ
ばた」とは、高温において液体油が化粧料の表面に浸出
し、室温に戻した後に、この浸出の痕跡が点状、縞状等
に残る状態をいう。
【0002】
【従来の技術】従来より、油性固形化粧料は、ファンデ
−ション、フェイスカラ−、コントロ−ル等メーキャッ
プ化粧料に汎用されている化粧品剤型の一種である。こ
のような油性固形化粧料は、液状油、ワックス及び粉体
を主骨格として、構成されており、それらの配合比率を
変えることにより、種々の品質を具現化していた。更に
近年では、油性固形化粧料でありながら、塗布時の伸び
が滑らかで、肌馴染みが良く、べたつきのない感触が求
められることが多くなってきている。油性固形化粧料に
液状油を多量に配合すれば、肌上で溶けるような滑らか
な伸び広がりが得られるが、液状油として流動パラフィ
ン等の無極性油を選択し多量に配合すると、塗布時にべ
たつき感を感じたり、肌馴染みが悪くなる場合があっ
た。このため、液体油として極性油を配合して、滑らか
な伸びを有し、肌馴染みを良くすることも行われてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、配合す
る液体油の種類によっては、油性固形化粧料の必須成分
であるワックスとの相性により、高温で保存すると液体
油が化粧料の表面に浸出し、室温に戻した後にあばたが
残ることがあった。すなわち、夏場の倉庫での保管時や
店頭での陳列時には高温に放置される場合があり、この
ような問題が発生する可能性がある。様々な剤型の化粧
料の中でも、油性固形化粧料はスティック状であった
り、金皿に充填されたケーキ状であったりして、店頭陳
列時や、使用時に直接化粧料の表面が見えるため、外観
の美しさは重要な品質の一つである。従来より、微粒子
状の疎水性無水ケイ酸等を配合することにより、液体油
の浸出を防止する技術が知られていた(特表平9−50
3785号)が、塗布時に重さやきしみ感等を生じて、
滑らかさが失われるという欠点があった。このため、塗
布時の伸びが滑らかで、べたつかず、且つ、高温で保存
した後にもあばたが残らない油性固形化粧料の開発が望
まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる事情に鑑み、本発
明者らは、鋭意研究を行った結果、ワックス、極性油、
デキストリン脂肪酸エステル及び粉体をそれぞれ特定量
含有する油性固形化粧料が、塗布時に滑らかな伸びが得
られ、塗布後のべたつきもなく、高温で保存した後もあ
ばたを残すことが無いことを見出し本発明を完成させ
た。
【0005】すなわち本発明は、次の成分(a)〜
(d); (a)ワックス 3〜30質量% (b)極性油 10〜85質量% (c)デキストリン脂肪酸エステル 0.01〜1質量% (d)粉体 5〜60質量% を含有することを特徴とする油性固形化粧料を提供する
ものである。また更に、成分(e)としてポリブテンを
1〜30質量%含有することを特徴とする前記油性固形
化粧料を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる成分(a)のワックスは、本発明の
油性固形化粧料において、成分(b)の極性油をゲル化
させ、固形化するための成分であり、通常化粧料に用い
られる融点が70℃以上の固体油である。成分(a)に
用いられるワックスは、例えば、炭化水素類、ロウ類等
の固体油が挙げられ、具体的には、パラフィンワック
ス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、エチレンプロピレンコポリマー、フィッシャートロ
プシュワックス、モクロウ、ゲイロウ、ポリエチレンワ
ックス、モンタンワックス、カルナウバワックス、キャ
ンデリラワックス、ミツロウ等が挙げられ、これらを一
種又は二種以上用いることができる。尚、これらの中で
も、分子量が450〜700程度のポリエチレンワック
スを選択すると、より安定性に優れる油性固形化粧料を
得ることができる。このような成分(a)は市販品とし
て、PERFORMALENE 500(ニュ−フェ−
ズテクノロジ−社製:ポリエチレンワックス 融点約8
5℃)、PERFORMALENE 655(ニュ−フ
ェ−ズテクノロジ−社製:ポリエチレンワックス 融点
約95℃)等を挙げることができる。
【0007】本発明の油性固形化粧料における成分
(a)は、3〜30質量%(以下、単に%と略す)含有
することが必須である。含有量が3%未満であると化粧
料が固形とならない場合があり、30%を超えて含有す
ると、伸び広がりが悪くなるため、好ましくない。更
に、成分(a)の含有量が8〜20%であると、高温に
保存した後もあばたを生じることがなく、塗布時の伸び
がより滑らかで、塗布後のべたつきがより少ない油性固
形化粧料を得ることができる。
【0008】本発明に用いられる成分(b)は、分子内
に極性基を有する非シリコ−ン系の常温にて半固形又は
液体の油剤である。このような成分(b)は、例えば、
パルミチン酸2−エチルヘキシル,2−エチルヘキサン
酸セチル,イソノナン酸イソトリデシル等の脂肪酸と一
価のアルコールのエステル、ジカプリン酸プロピレング
リコール,ジカプリン酸ネオペンチルグリコール,ジ−
2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール等の脂肪
酸とグリコールのエステル、トリ2−エチルヘキサン酸
グリセリルなどの脂肪酸とグリセリンのエステル、モノ
イソステアリン酸ポリグリセリル,ジイソステアリン酸
ポリグリセリル,トリイソステアリン酸ポリグリセリル
等の脂肪酸とポリグリセリンのエステル、トリイソステ
アリン酸トリメチロールプロパン,テトラ2−エチルヘ
キサン酸ペンタエリスリトールなどの脂肪酸と多価アル
コールのエステル、リンゴ酸ジイソステアリルなどの水
酸基を持つエステル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル,
炭酸ジアルキルなどの二塩基酸のエステル、マカデミア
ナッツ油脂肪酸コレステリル,マカデミアナッツ油脂肪
酸フィトステリル等の脂肪酸とステロールとのエステル
等が挙げられ、これらを一種または二種以上用いること
ができる。尚、これらの中でも、トリイソステアリン酸
ポリグリセリルを選択すると、高温に保存した後もあば
たが残ることが無く、塗布時の伸びがより滑らかかで、
且つ、塗布後にべたつかない油性固形化粧料を得ること
ができる。このような成分(b)は市販品としてコスモ
ール43(日清製油社製)等が挙げられる。
【0009】本発明の油性固形化粧料における成分
(b)は、10〜85%含有させることが必須である。
成分(b)の含有量が10%未満では、高温に保存した
後にあばたが残ることがあり、85%を超えて含有する
と固形化しない場合があるため好ましくない。
【0010】本発明に用いる成分(c)のデキストリン
脂肪酸エステルは、デキストリンと脂肪酸とのエステル
であり、通常は油性ゲル化剤として用いられるものであ
るが、本発明においては、特定量の成分(a)及び成分
(b)と組み合わせることにより、あばたを残さない効
果を有するものである。具体的には、ラウリン酸デキス
トリン、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキ
ストリン、ステアリン酸デキストリン、ベヘン酸デキス
トリン、ヤシ油脂肪酸デキストリン等が挙げられ、これ
らを一種又は二種以上用いることができる。これらの中
でもパルミチン酸デキストリンを選択すると、安定性、
使用性面が特に良好な油性固形化粧料を得ることができ
る。このような成分(c)は市販品として、レオパール
KL、レオパールKE、レオパールTL(何れも、千葉
製粉社製)等が挙げられる。
【0011】本発明の油性固形化粧料における成分
(c)は0.01〜1%の範囲で含有することが必須で
ある。成分(c)の含有量が0.01%未満であると、
高温に保存した後にあばたが残る場合があり、1%を超
えて含有すると、べたつきを生じる上、ワックスの固化
力が低下して化粧料が固形状にならないため、好ましく
ない。更に、成分(c)の含有量が0.01〜0.5%
であると、塗布時の伸び広がりがより滑らかで、塗布後
のべたつきがより少なく、あばたが残らない油性固形化
粧料を得ることができる。
【0012】本発明で用いられる成分(d)の粉体は、
成分(a)や成分(b)の油感を低減し、塗布時のさら
さら感を実現させ、さらにメーキャップ効果を演出する
成分であり、通常化粧料に使用されるものであれば、球
状、板状、紡錘状、針状等の形状、粒子径、多孔質、無
孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体
類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体
類等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベ
ンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、
酸化アルミニウム、酸化セリウム、無水ケイ酸、酸化マ
グネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭
酸カルシウム、酸化クロム、水酸化アルミニウム、水酸
化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケ
イ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、
雲母、スメクタイト、ベントナイト、カオリン、合成雲
母、合成セリサイト、セリサイト、タルク、炭化珪素、
硫酸バリウム、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビ
スマス、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母
チタン、有機顔料被覆雲母チタン、アルミニウムパウダ
ー等の光輝性粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステ
アリン酸亜鉛、N−アシルリジン、ポリスチレン、ナイ
ロン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルシルセス
キオキサンパウダー、オルガノポリシロキサンエラスト
マーパウダー等の有機粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲
母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウ
ム被覆雲母チタン、酸化チタン含有無水ケイ酸、酸化亜
鉛含有無水ケイ酸等の複合粉体等が挙げられ、これらを
一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。ま
た、これら粉体は一種または二種以上の複合化したもの
を用いても良く、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金
属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用い
て公知の方法により表面処理を施したものであっても良
い。尚、これらの中でも、無水ケイ酸、ナイロン、ポリ
スチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルシル
セスキオキサンパウダー、オルガノポリシロキンエラス
トマーパウダー等の球状粉体を選択すると、塗布時のべ
たつきがより良好に抑えられた油性固形化粧料を得るこ
とができる。
【0013】本発明の油性固形化粧料における成分
(d)は、5〜60%含有することが必須である。成分
(d)の含有量が5%未満であると塗布時にべたつきを
抑えることができず、60%を超えて含有すると、溶融
充填時に流動性が無くなり充填成型できなくなるため好
ましくない。更に、成分(d)の含有量が20〜50%
であると、あばたを残すことがなく、塗布時のべたつき
がより抑えられた油性固形化粧料を得ることができる。
【0014】本発明の油性固形化粧料に、化粧持続性を
高めるために成分(e)として、ポリブテンを含有する
ことが好ましい。成分(e)のポリブテンとは、イソブ
チレンとn−ブテンを重合して得られる液体ポリマーで
あり、本発明に用いられるポリブテンは、平均分子量が
350〜2300程度のものが好ましい。このような成
分(e)は市販品として、ポリブテン35R、ポリブテ
ン300R、ポリブテン35H、ポリブテン2000H
(何れも、出光石油化学社製)等が挙げられる。本発明
の油性固形化粧料に成分(e)を含有させると、高温に
保存した後もあばたが残らず、より伸びが滑らかで、し
かも化粧持続性が良好な油性固形化粧料を得ることがで
きる。
【0015】本発明で用いられる成分(e)の含有量は
1〜30%が好ましく、2〜20%が特に好ましい。こ
の範囲であれば、伸びが滑らかで、べたつきが無く、化
粧持続性に優れた油性固形化粧料を得ることができる。
【0016】本発明の油性固形化粧料は、特に限定され
ないが、例えば、成分(a)に成分(b)及び成分
(c),成分(e)を添加して加熱溶解し、次いで成分
(d)を添加し、均一に分散し、溶融、脱泡後、容器に
充填して、室温まで冷却固化する方法等により得られる
ものである。
【0017】本発明の油性固形化粧料は、ファンデ−シ
ョン、フェイスカラ−、コンシ−ラ−、口紅、リップグ
ロス、アイシャドウ、アイブロウ等のメーキャップ化粧
料等に適用することができ、その形態は、皿に流し込む
ケーキタイプ、スティックタイプ等である。
【0018】本発明の油性固形化粧料には、上記成分に
加え、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質
的範囲において、界面活性剤、成分(a),成分(b)
及び成分(e)以外の油剤、水性成分、トリメチルシロ
キシケイ酸、アクリレートシリコーン等の皮膜形成剤、
ベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル
酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾ
イルメタン、オキシベンゾン等の紫外線吸収剤、タンパ
ク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等
の保湿剤、α−トコフェロール、アスコルビン酸等の酸
化防止剤、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエ
タノール等の防腐剤、pH調整剤、褪色防止剤、ビタミ
ン類、消炎剤、生薬、キレート剤、香料、美容成分等の
通常化粧料に汎用される成分の配合が可能である。
【0019】本発明の油性固形化粧料には、分散剤、湿
潤剤、化粧持続性向上等の目的で、界面活性剤を含有す
ることができる。このような界面活性剤としては、通常
化粧料に一般に用いられている界面活性剤であれば何れ
でも良く、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性
剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げら
れる。非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリ
ン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加
物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレン
グリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステ
ル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂
肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソ
ルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコ
ール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステ
ル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキ
ルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加
物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、
ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられ、これらを一
種又は二種以上組み合わせて用いることができる。アニ
オン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼン硫
酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン
酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂
肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−ア
ルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル
−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸
塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられ、これらを
一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。カ
チオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン
塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、
アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩
等が挙げられ、これらを一種又は二種以上組み合わせて
用いることができる。両性界面活性剤としては、アミノ
酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステ
ル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、
人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、
N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメ
チルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノ
アルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N
−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−
ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)
アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシ
エチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイ
ン、レシチン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上
組み合わせて用いることができる。本発明の油性固形化
粧料に界面活性剤を含有する場合の含有量は、0.01
〜5%が好ましい。
【0020】本発明の油性固形化粧料には、感触調整の
目的より、本発明の効果であるあばた及びベタつきを防
止する効果を妨げない範囲で、成分(a),成分(b)
及び成分(e)以外の油剤を含有することができる。こ
のような油剤としては、高級脂肪酸類、高級アルコール
類等の固体油、極性を有さない炭化水素、シリコーン系
油、フッ素系油等が挙げられる。脂肪酸としては、ステ
アリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベへニン酸等、
高級アルコールとしてはセチルアルコール、ステアリル
アルコール、ラウリルアルコール等、極性を有しない炭
化水素としては、流動パラフィン、スクワラン、ワセリ
ン等、シリコーン系油としては、低重合度ジメチルポリ
シロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチル
フェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロ
キサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエ
ーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・ア
ルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共
重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、架橋型オルガ
ノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等、フッ
素系油としては、パーフルオロデカン、パーフルオロオ
クタン、パーフルオロポリエーテル等が挙げられ、これ
らを一種又は二種以上組み合わせて用いることができ
る。本発明の油性固形化粧料に上記油剤を含有する場合
の含有量は、0.1〜40%が好ましい。
【0021】本発明の油性固形化粧料には、保湿剤、媒
質、清涼剤等として、水性成分を配合することができ
る。このような水性成分としては、水及び水に可溶な成
分であれば何れでもよく、例えば、エチルアルコール、
イソプロピルアルコール等のアルコール類、プロピレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール
類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグ
リセロール類、ソルビトール、マルチトール、ショ糖、
でんぷん糖、ラクチトール等の糖類、グアーガム、コン
ドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、
アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリ
ウム等の水溶性高分子、アロエベラ、ウィッチヘーゼ
ル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ロー
ズ等の植物抽出液等が挙げられ、これらを一種又は二種
以上用いることができる。本発明の油性固形化粧料にこ
れら水性成分を配合する場合の含有量は、0.01〜1
0%である。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に
説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものでは
ない。
【0023】実施例1〜7及び比較例1〜7:アイシャ
ドウ(皿流し込みケーキタイプ) 表1及び表2に示す組成のアイシャドウを以下に示す製
造方法により調製し、「高温に保存した後のあばたの有
無」、「伸びの滑らかさ」、「塗布後のべたつきの無
さ」、「形状保持性」、「化粧持続性」の各項目につい
て、以下に示す評価方法及び判定基準により評価し、結
果を併せて表1及び表2に示した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】(製造方法) A:成分4〜13を110℃に加熱し、均一溶解する。 B:Aに成分1〜3、及び成分14〜19を添加して、
均一分散する。 C:Bを溶融して、脱泡する。 D:Cを再び溶融して金皿に流し込み、室温まで冷却し
て、アイシャドウを得た。
【0027】評価方法:「高温に保持した後のあばたの
有無」 上記実施例及び比較例のアイシャドウ、40℃にて1週
間放置した後、室温に24時間放置して、化粧料表面の
観察を行い、浸出の跡(あばた)があるかどうかを以下
に示す判定基準に従って評価した。
【0028】評価方法:「伸びの滑らかさ」、「塗布後
のべたつきの無さ」、「化粧持続性」化粧品専門パネル
20人に上記実施例及び比較例のアイシャドウを使用し
てもらい、各アイシャドウ毎に下記5段階評価基準に従
って、評点を付し、全パネルの評点の平均点を算出し、
以下に示す判定基準に従って、評価した。尚、化粧持続
性については、塗布直後と6時間日常生活をした後を比
較して評価した。
【0029】評価方法:「形状保持性」 上記実施例及び比較例のアイシャドウを各3個、35℃
にて1時間放置し、以下の条件にて最大針入荷重を測定
し、3個の平均針入荷重を算出し、以下に示す基準に従
って、固形状を保持しているかどうかを評価した。 測定機 :FUDOH RHEOMETER RT−2002D・D(レ オテック社製) 針入速度 : 6cm/min 針入深度 :2mm アダプタ−:直径2mm (判定基準) 平均荷重値 : 判定 40gf以上 : ○ (固形状) 30gf以上〜40g未満 : △ (半固形状) 30gf未満 : × (ペースト状)
【0030】表1及び表2より明らかなように、本発明
の実施品である実施例1〜7のアイシャドウは、「高温
に保存した後のあばたの有無」、「伸びの滑らかさ」、
「塗布後のべたつきの無さ」、「形状保持性」、「化粧
持続性」の全ての項目に優れた油性固形化粧料であっ
た。一方、成分(c)を含有しない比較例1では、高温
に保存した後にあばたが残り、成分(c)の代わりに微
粒子無水ケイ酸を配合した比較例2では、伸びの滑らか
さが得られず、成分(c)の代わりにショ糖脂肪酸エス
テルを配合した比較例3では、高温に保存した後にあば
たが残り、また、成分(c)のデキストリン脂肪酸エス
テルを多く配合した比較例4では、固形状にならず、塗
布後のべたつきの無さの点で、何れも実施例より劣って
いた。更に、成分(b)を含有しない比較例5では、塗
布後のべたつきの無さ、成分(a)の含有量が少ない比
較例6では、固形状にならず、成分(d)の含有量が多
い比較例7では、伸びの滑らかさが、何れも実施例より
劣っていた。
【0031】 実施例8:ファンデーション(皿流し込みケーキタイプ) (処方) (質量%) 1.パルミチン酸デキストリン *注1 0.05 2.ポリエチレンワックス *注4 3 3.セレシンワックス 2 4.キャンデリラワックス 1.5 5.ジステアリン酸エチレングリコール 1.5 6.2−エチルヘキサン酸セチル 10 7.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3 8.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 15 9.トリイソステアリン酸ポリグリセリル 10 10.メチルポリシロキサン 2 11.ワセリン 5 12.ポリブテン *注5 2 13.有機変性ベントナイト *注9 0.5 14.黄酸化鉄 1.5 15.黒酸化鉄 0.05 16.ベンガラ 0.1 15.メチルハイドロジェン処理(2%)タルク 残量 16.メチルハイドロジェン処理(2%)酸化チタン 10 17.ナイロン末 *注6 5 18.無水ケイ酸 *注10 3 *注9 ベントン38(NLインダストリー社製) *注10 ゴッドボールD11−796C(鈴木油脂工業社製)
【0032】(製造方法) A:成分2〜12を110℃に加熱し、均一溶解する。 B:Aに成分1及び成分13〜18を添加して、均一分
散する。 C:Bを溶融して、脱泡する。 D:Cを再び溶融して金皿に流し込み、室温まで冷却し
て、ファンデーションを得た。実施例8のファンデーシ
ョンは、「高温に保存した後のあばたの有無」、「伸び
の滑らかさ」、「塗布後のべたつきの無さ」、「形状保
持性」、「化粧持続性」の全ての項目に優れた油性固形
化粧料であった。
【0033】 実施例9:口紅(スティックタイプ) (処方) (質量%) 1.マイクロクリスタリンワックス 2 2.ポリエチレンワックス *注11 8 3.キャンデリラワックス 7 4.セレシンワックス 2 5.パルミチン酸デキストリン *注1 0.03 6.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル ・ベヘニル・オクチルドデシル) *注12 10 7.リンゴ酸ジイソステアリル 10 8.イソノナン酸イソトリデシル 19 9.流動パラフィン 2 10.トリイソステアリン酸ポリグリセリル 18 11.雲母チタン 15 12.ベンガラ被覆雲母チタン 5 13.赤色202号 適量 *注11:PERFORMALENE 655(ニューフェーズテクノロジー 社製) *注12:エルデュウCL−301(味の素社製)
【0034】(製造方法) A:成分1〜10を110℃に加熱し、均一溶解する。 B:Aに成分11〜13を添加して、均一分散する。 C:Bを溶融して、脱泡する。 D:Cを再び溶融して金型に流し込み、室温まで冷却し
て、口紅を得た。実施例9の口紅は、「高温に保存した
後のあばたの有無」、「伸びの滑らかさ」、「塗布後の
べたつきの無さ」、「形状保持性」、「化粧持続性」の
全ての項目に優れた油性固形化粧料であった。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の油性固形
化粧料は、高温に保存した後もあばたを残して外観を損
ねることがなく、且つ、塗布時の伸びが滑らかで、且つ
塗布後のべたつきがない油性固形化粧料であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AA122 AB172 AB242 AB432 AB442 AC011 AC012 AC022 AC352 AC372 AC392 AC422 AC662 AC792 AD022 AD072 AD152 AD222 AD241 AD242 AD492 BB11 BB21 CC12 CC13 CC14 DD11 DD17 DD21

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(a)〜(d); (a)ワックス 3〜30質量% (b)極性油 10〜85質量% (c)デキストリン脂肪酸エステル 0.01〜1質量% (d)粉体 5〜60質量% を含有することを特徴とする油性固形化粧料。
  2. 【請求項2】 更に、成分(e)としてポリブテンを1
    〜30質量%含有することを特徴とする請求項1記載の
    油性固形化粧料。
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