JP2001348310A

JP2001348310A - 油中水型固形メイクアップ化粧料

Info

Publication number: JP2001348310A
Application number: JP2000168525A
Authority: JP
Inventors: Akihiko Takatsu; 昭彦高津
Original assignee: Kanebo Ltd
Current assignee: Kanebo Ltd
Priority date: 2000-06-06
Filing date: 2000-06-06
Publication date: 2001-12-18
Anticipated expiration: 2020-06-06
Also published as: JP4159231B2

Abstract

(57)【要約】【課題】固形乳化化粧料の長所である使用特性（なめら
かな伸びの良さ、付着性の良さ）、経時持続性（化粧持
ちの良さ）を維持し、更に保存安定性（乳化安定性、顔
料分散安定性）に優れた油中水型固形メイクアップ化粧
料を提供する。【解決手段】（１）ＨＬＢ６以下のソルビタン脂肪酸エ
ステル及び／又は脂肪酸ジグリセリル０．５〜５．０質
量％、（２）ワックス、（３）液状油剤、（４）水、
（５）粉体顔料、（６）ＨＬＢ１２以上のノニオン系界
面活性剤０．１〜５．０質量％を含有する油中水型固形
メイクアップ化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、油中水型固形メイ
クアップ化粧料に関し、詳しくは使用特性（なめらかな
伸びの良さ、付着性の良さ）、経時持続性（化粧持ちの
良さ）及び保存安定性（乳化安定性、顔料分散安定性）
に優れた油中水型固形メイクアップ化粧料に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
固形メイクアップ化粧料は顔料を主成分としてプレスも
しくは溶剤にて充填乾燥した固形粉末化粧料、ワックス
及び液状油を主成分として溶融充填した固形油性化粧
料、そしてワックス及び油剤に界面活性剤と水とを配合
して溶融充填した固形乳化化粧料があり、中でも固形乳
化化粧料は粉末化粧料にはないなめらかな伸びの良さ、
付着性の良さと油性化粧料にはない化粧持ちの良さを兼
ね備えた剤形として種々の開発が行われてきた。しか
し、従来の技術では製造時あるいは保存時に水が分離し
たり、顔料、特にタール色素や酸化チタン、グンジョウ
等の着色剤の凝集が生じ、満足する安定性を得ることが
難しかった。

【０００３】そこで、本発明の目的は、固形乳化化粧料
の長所である使用特性（なめらかな伸びの良さ、付着性
の良さ）、経時持続性（化粧持ちの良さ）を維持し、更
に安定性及び保存安定性（乳化安定性、顔料分散安定
性）に優れた油中水型固形メイクアップ化粧料を提供す
ることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明は、（１）ＨＬＢ６以下のソルビタン脂肪酸エステル及び／
又は脂肪酸ジグリセリルをを０．５〜５．０質量％（２）ワックス（３）液状油剤（４）水（５）粉体顔料（６）ＨＬＢ１２以上のノニオン系界面活性剤０．１〜
５．０質量％を含有する油中水型固形メイクアップ化粧
料にある。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を説明する。
本発明に用いるＨＬＢ６以下のソルビタン脂肪酸エステ
ル並びに脂肪酸ジグリセリルは、カプリン酸、ミリスチ
ン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステア
リン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸と、ソルビタン又
はジグリセリンとのモノエステル、ジエステル、トリエ
ステルであり、中でも脂肪酸がイソステアリン酸のモノ
エステルであるモノイソステアリン酸ソルビタン（ＨＬ
Ｂ５．０）又はモノイソステアリン酸ジグリセリル（Ｈ
ＬＢ５．５）が乳化安定性及び化粧料の原料臭のなさの
点で最も好ましい。

【０００６】また、本発明に用いるＨＬＢ６以下のソル
ビタン脂肪酸エステル並びに脂肪酸ジグリセリルの含有
量総計は０．５〜５．０質量％（以下、単に％と記す
る）で、好ましくは０．７〜３．０％である。即ち、こ
れが、０．５％未満では乳化安定性が悪くなり製造時あ
るいは保存時の安定性に劣り、水が分離したり顔料、特
にタール色素や酸化チタン、グンジョウ等の着色剤の凝
集が生じる。一方５．０％を超えると伸びの重さ等を生
じ、好ましくない感触を与える。

【０００７】本発明に用いるワックスは、一般的には化
粧料を固形化させるためや光沢を付与する等の目的で用
いられるものであるが、常温において固体で、かつ液状
油と溶融混合できる成分であれば特に限定されず、高級
脂肪酸と高級アルコールとのエステル、高級脂肪酸、高
級アルコール、トリグリセライド等を用いることがで
き、具体的には、例えば、固形パラフィン、セレシン、
マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、
キャンデリラワックス、ミツロウ、モクロウ、ゲイロ
ウ、牛脂、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレン
コポリマー、硬化ヒマシ油、ロジン酸ペンタエリトリッ
ト、ステアリン酸、ベヘニン酸、セチルアルコール、ス
テアリルアルコール等の固形油分である。

【０００８】上記ワックスの含有量は、好ましくは３〜
３０％であり、更に好ましくは５〜１５％である。３％
未満ではメイクアップ化粧料が固形化しなくなる場合が
あり、３０％を超えるとと藤の伸びが悪くなる場合があ
り、好ましくない。

【０００９】本発明に用いる液状油剤は、一般的には化
粧料になめらかな伸びの良さを与える目的等で用いられ
るものであるが、常温で流動性のある液状の油剤成分で
あれば特に限定されず、その具体例としては、ジメチル
ポリシロキサン、環状シリコーン４〜６量体、メチルフ
ェニルポリシロキサン等のシリコーン類、スクワラン、
流動パラフィン、軽質流動パラフィン、α−オレフィン
オリゴマー、水素添加ポリブテン等の炭化水素油類、ラ
ウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリス
チン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、パルミチ
ン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、
イソノナン酸イソノニル、リンゴ酸ジイソステアリル、
トリ（カプリル・カプリン酸）グリセリル、ジカプリン
酸プロピレングリコール等の脂肪酸エステル油類、液状
ラノリン、オリーブ油、アボカド油、ホホバ油、マカデ
ミア油、ヒマシ油等の動植物油、イソステアリルアルコ
ール等の高級アルコール、液状ジグセリド、等が挙げら
れる。中でも揮発性を有し、かつ原料臭のない環状シリ
コーン４〜６量体を使用すると、化粧料の経時持続性
（化粧持ちの良さ）が向上し、更に使用特性（なめらか
な伸びの良さ）が優れているので最も好ましい。

【００１０】上記液状油剤の含有量は、好ましくは５〜
７０％であり、更に好ましくは２０〜６０％である。５
％未満では塗布時の伸びが悪くなる場合があり、７０％
を超えると固形化しなくなる場合があり、好ましくな
い。

【００１１】本発明に用いる粉体顔料は、メイクアップ
化粧料として着色を目的としたタール色素、天然色素、
ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、グンジョウ、コンジョ
ウ、酸化チタン、マンガンバイオレット、酸化クロム、
パール剤等の着色顔料、感触及び質感を調整することを
目的としたタルク、マイカ、カオリン、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、ナイロン末、樹脂ビーズ、シリカ
粉末、シルク末、ベントナイト等の体質顔料等、化粧品
に配合可能な粉末状の顔料が全て含まれる。

【００１２】粉体顔料の含有量は、好ましくは１〜５０
％であり、更に好ましくは５〜４０％である。１％未満
では発色の程度が低くメイクアップ化粧料としての効果
が得られない場合があり、５０％を超えると安定性が悪
くなる場合があり、好ましくない。

【００１３】本発明に用いるＨＬＢ１２以上のノニオン
系界面活性剤は、特に限定されるものではなく、例え
ば、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポ
リグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキ
シエチレンフィトスタノール、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラノ
リン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール等を挙げ
ることができる。これらは、いずれも水に容易に溶解、
もしくは分散するものである。中でもポリオキシエチレ
ン及び／又はポリオキシプロピレンの付加物であり、そ
の付加モル数の合計が１５以上であるノニオン系界面活
性剤が、水に容易に溶解し、保存安定性（乳化安定性、
顔料分散安定性）に優れている点で最も好ましい。これ
らのポリオキシエチレン及び／又はポリオキシプロピレ
ンの付加物であり、その付加モル数の合計が１５以上で
あるノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレ
ン（２０）ソルビタンモノステアレート（ＨＬＢ１４．
９）、ポリオキシエチレン（２０）ソルビタンモノオレ
エート（ＨＬＢ１５．０）、ポリオキシエチレン（４
５）モノステアレート（ＨＬＢ１８．０）、ポリオキシ
エチレン（１５）グリセリルモノステアレート（ＨＬＢ
１３．５）、ポリオキシエチレン（２０）セチルエーテ
ル（ＨＬＢ１７．０）、ポリオキシエチレン（２０）フ
ィトステロール（ＨＬＢ１５．５）、ポリオキシエチレ
ン（１５）ノニルフェニルエーテル（ＨＬＢ１８．０）
等がある。

【００１４】これらのノニオン性界面活性剤は、２種以
上を組み合わせて用いてもよく、その含有量の総量は
０．１〜５．０％であり、好ましくは０．５〜３．０％
である。即ち、これが、０．１％未満では乳化安定性、
顔料分散安定性が悪くなり保存安定性に劣り、一方５．
０％を超えると伸びの重さやべたつき感等を生じ、好ま
しくない感触を与える。

【００１５】本発明の油中水型固形メイクアップ化粧料
には、上記の必須成分に加えて必要に応じて保湿剤、上
記の必須成分以外の界面活性剤、香料、紫外線吸収剤、
パラベン、デヒドロ酢酸塩、エデト酸塩等の防腐剤等を
配合することができる。

【００１６】本発明の油中水型固形メイクアップ化粧料
は、具体的には、口紅、アイシャドウ、ファンデーショ
ン、頬紅、アイブロウ、アイライナー等とすることがで
きる。

【００１７】

【実施例】次に、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、表中の数値は含有量（質量％）を表わす。実施例に
先立ち、各実施例で採用した評価方法を説明する。

【００１８】（１）保存安定性評価試験方法所定の方法で油中水型固形メイクアップ化粧料を調製
し、調製した油中水型固形メイクアップ化粧料を５〜３
５℃の１サイクル／日の往復恒温槽内に放置して、３週
間後の保存安定性を下記の評価基準に従って評価した。＜評価基準＞分離凝集なし；○ 分離凝集わずかに有り；△ 分離凝集あり；×

【００１９】（２）使用特性評価試験方法女性パネラー２０名によって、使用特性（なめらかな伸
びの良さ、付着性の良さ）、経時持続性（化粧持ちの良
さ）についての使用特性を下記の評価基準に従って評価
した。

【００２０】・調製方法油相成分を７０℃に加熱してこれに粉末を分散させ、予
め７０℃に加熱しておいた水相成分を添加し、常法によ
り乳化後、アイシャドウは所定の気密容器に流し込んで
室温まで冷却、スティック状口紅は所定の金型に流し込
んで成型した後に冷却して気密容器に装填、目的の油中
水型固形メイクアップ化粧料を得た。

【００２１】スティック状口紅の成分組成及び試験結果
を表１に示す。

【００２２】

【表１】

【００２３】アイシャドウの成分組成及び試験結果を表
２に示す。

【表２】

【００２４】表１、２に示すように、本発明の油中水型
メイクアップ化粧料は、保存安定性及び使用特性、経時
持続性の全ての点において比較例のものより明らかに優
れていた。

【００２５】実施例８（ファンデーション）下記処方のファンデーションを常法により調製した。保
存安定性及び使用特性、経時持続性の全ての点において
優れていた。％・モノイソステアリン酸ソルビタン（ＨＬＢ３．０）３．０・カルナウバワックス２．０・キャンデリラワックス５．０・セチルアルコール２．０・流動パラフィン１５．０・環状シリコーン（５量体）１５．０・トリメチルシロキシケイ酸２．０・精製水残量・ポリオキシエチレン（４５）モノステアレート０．５・酸化チタン１０．０・ベンガラ０．２・黄酸化鉄０．８・黒酸化鉄０．１・ナイロン末５．０・セリサイト３．９・マルビット液（７５％溶液）３．０・プロピレングリコール２．０・防腐剤０．５・パラジメチルアミノ安息香酸２−エチルヘキシル３．０

【００２６】実施例９（頬紅）下記処方の頬紅を常法により調製した。保存安定性及び
使用特性、経時持続性の全ての点において優れていた。％・モノイソステアリン酸ソルビタン（ＨＬＢ５．０）４．０・セレシン４．０・マイクロクリスタリンワックス６．０・水素添加ポリブテン１０．０・リンゴ酸ジイソステアリル１０．０・環状シリコーン（５量体）残量・精製水１５．０・ポリオキシエチレン（４５）モノステアレート１．０・酸化チタン３．０・赤色２０２号１．０・赤色２２６号０．５・黄色４号アルミニウムレーキ２．０・黄酸化鉄５．０・グンジョウ２．０・合成金雲母６．０・タルク０．５・マルビット液（７５％溶液）１．０・グリセリン３．０・防腐剤０．５

【００２７】実施例１０（ペンシル状アイブロウ）下記処方の頬紅を常法により調製した。保存安定性及び
使用特性、経時持続性の全ての点において優れていた。％・モノイソステアリン酸ソルビタン（ＨＬＢ５．０）３．０・トリステアリン酸グリセリル１２．０・ミツロウ５．０・硬化ヒマシ油１０．０・環状シリコーン（５量体）５．０・精製水残量・ポリオキシエチレン（４５）モノステアレート２．０・黒酸化鉄２５．０・ベンガラ１５．０・コンジョウ２．０・マイカ８．０・マルビット液（７５％溶液）３．０・１，３−ブチレングリコール２．０・防腐剤０．５

【００２８】

【発明の効果】上述したように、本発明が、使用特性
（なめらかな伸びの良さ、付着性の良さ）、経時持続性
（化粧持ちの良さ）及び保存安定性（乳化安定性、顔料
分散安定性）に極めて優れた油中水型固形メイクアップ
化粧料を提供することは明らかである。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（１）ＨＬＢ６以下のソルビタン脂肪酸エ
ステル及び／又は脂肪酸ジグリセリル０．５〜５．０質
量％、（２）ワックス、（３）液状油剤、（４）水、
（５）粉体顔料、（６）ＨＬＢ１２以上のノニオン系界
面活性剤０．１〜５．０質量％を含有する油中水型固形
メイクアップ化粧料。
【請求項２】（１）ＨＬＢ６以下のソルビタン脂肪酸
エステル及び／又は脂肪酸ジグリセリルが、モノイソス
テアリン酸ソルビタン又はモノイソステアリン酸ジグリ
セリルである請求項１記載の油中水型固形メイクアップ
化粧料。
【請求項３】（３）液状油剤が環状シリコーン４〜６
量体のうちの一種又は二種以上である請求項１又は２記
載の油中水型固形メイクアップ化粧料。
【請求項４】（６）ＨＬＢ１２以上のノニオン系界面
活性剤が、ポリオキシエチレン及び／又はポリオキシプ
ロピレンの付加物であり、その付加モル数の合計が１５
以上である請求項１〜３いずれか記載の油中水型固形メ
イクアップ化粧料。