JP3604445B2 - 脱蛋白質天然ゴムラテックス成形体の製造方法 - Google Patents

脱蛋白質天然ゴムラテックス成形体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、人体に安全な天然ゴムラテックス由来の手術用手袋、カテーテル、コンドーム等のゴム製品を提供することができる脱蛋白質天然ゴムラテックス成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
天然ゴムラテックスは、ゴム分のほかに、燐脂質、蛋白質、無機塩類等の非ゴム分を含んだ状態のものに、アンモニア等の保存剤を加え、遠心分離等の手段で精製濃縮したものが供給されており、これは粘着テープ、手術用手袋、コンドーム、カテーテル、ラバーダム等のゴム製品の原料として汎用されている。
【0003】
しかし、このような天然ゴムラテックス由来のゴム製品を使用した人のなかに、蕁麻疹に代表されるIV型アレルギー反応や呼吸困難やアナフィラキシ症状を呈するI型アレルギー反応を起こす場合があることが問題となっている。このうちIV型アレルギー反応の場合は、未加硫天然ゴムラテックスに配合された加硫促進剤が誘発物質となり、I型アレルギー反応の場合は、ゴム中の蛋白質が誘発物質となることが知られている。
【0004】
これらのアレルギー反応のなかでも症状の重大さから、特にゴム中の蛋白質を除去し、I型アレルギー反応を防止することが求められているが、従来はこの課題を十分に工業的に達成する技術は開発されるに至っていない。
例えば、特開平6−56902号公報、特開平6−56903号公報、特開平6−56904号公報、特開平6−56905号公報及び特開平6−56906号公報には、脱蛋白質天然ゴムラテックスを得る技術が記載されている。しかし、これらはまず初めに非ゴム分(蛋白質分解酵素、界面活性剤、蛋白分解生成物等)を含まない低蛋白質化された未加硫天然ゴムラテックスを製造する方法であるため、非ゴム分を洗浄除去するための遠心分離、限外濾過等の装置が必要となることや、工程が増加することにより、歩留りが低下し、製造コストが上昇する等の問題を有している。
【0005】
また、特開平6−256404号公報には、非ゴム分を含んだ前加硫天然ゴムラテックスを所望の形状に成形する前に、それから非ゴム分(更に加硫促進剤等の添加剤を含む)を除去し、成形する、天然ゴムラテックス中のアレルギー誘発物質の除去方法が記載されている。この技術によれば、人体に安全性の高い、しかも防水性、電気絶縁性等の物理的性質の優れたゴム製品を得ることができるが、工程の簡略化、歩留りの向上等の点において更なる改善の余地がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、人体に安全性の高い天然ゴムラテックス由来の製品を、高い歩留りでかつ簡略化された工程により製造できる脱蛋白質天然ゴムラテックス成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意研究の結果、蛋白質分解生成物、蛋白質分解酵素及び界面活性剤等の非ゴム分を含んだまま所望形状に成形し、その後前記成形体から非ゴム分を抽出除去することにより、遠心分離や限外濾過等が不要となるため工程を簡略化でき、それにより歩留りがよく、製造コストが低い、しかも人体への安全性が高い天然ゴムラテックス由来のゴム成形体を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、天然ゴムラテックスに蛋白質分解酵素、界面活性剤及び水を添加して蛋白質を分解する工程、前加硫する工程、成形工程、非ゴム分を抽出除去し、洗浄する工程及び後加硫する工程を具備することを特徴とする脱蛋白質天然ゴムラテックス成形体の製造方法を提供する。
【0009】
第1工程は、天然ゴムラテックスに蛋白質分解酵素、界面活性剤及び水を添加して蛋白質を分解する工程である。この工程の処理により、蛋白質が分解されて低分子量化されるため、それまでゴム粒子に結合又は吸着していた蛋白質を容易に水相に移行させることができる。
【0010】
原料となる天然ゴムラテックスは特に制限されず、市販されているハイ−アンモニア天然ゴムラテックス又はロー−アンモニア天然ゴムラテックス等を用いることができる。
【0011】
蛋白質分解酵素としてはプロテアーゼを用いることができるが、特にアルカリプロテアーゼを用いることが好ましい。このプロテアーゼの由来は特に制限されるものではなく、細菌由来のプロテアーゼ、糸状菌由来のプロテアーゼ、酵母由来のプロテアーゼ等を挙げることができ、これらのなかでも細菌由来のプロテアーゼが好ましい。また、プロテアーゼは、必要に応じて他の酵素、例えば、セルラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、エステラーゼと組み合わせて用いることもできる。
【0012】
界面活性剤は、蛋白質の存在により安定に分散していたゴム粒子が、蛋白質の分解により不安定化し、凝集することを防止するための成分である。この界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤を挙げることができる。
【0013】
陰イオン界面活性剤としては、カルボン酸系活性剤、スルホン酸系活性剤、硫酸エステル系活性剤、リン酸エステル系活性剤等を挙げることができる。
【0014】
カルボン酸系活性剤としては、脂肪酸塩、多価カルボン酸塩、ポリカルボン酸塩、ロジン酸塩、ダイマー酸塩、ポリマー酸塩、トール油脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテル酢酸塩等を挙げることができる。
スルホン酸系活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸アルデヒド縮合物、アリールスルホン酸アルデヒド縮合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等を挙げることができる。
硫酸エステル系活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノ、ジ又はトリスチリルフェニル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンモノ、ジ又はトリスチリルフェニル硫酸エステル塩等を挙げることができる。
リン酸エステル系活性剤としては、アルキルリン酸エステル塩、アルキルフェノールリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンモノ、ジ又はトリスチリルフェニルエーテルリン酸エステル塩等を挙げることができる。
また、これらの活性剤の塩としては、金属塩(Na,K,Ca,Mg,Zn等)、アンモニア塩、アルカノールアミン塩(トリエタノールアミン塩等)等を挙げることができる。
【0015】
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンエーテル系活性剤、ポリオキシアルキレンエステル系活性剤、多価アルコール脂肪酸エステル系活性剤、糖脂肪酸エステル系活性剤、アルキルポリグリコシド系活性剤等を挙げることができる。
【0016】
ポリオキシアルキレンエーテル系の活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンポリオールアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンモノ、ジ又はトリスチリルフェニルエーテル等を挙げることができる。前記のポリオールとしては、炭素数2〜12の多価アルコール、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、グルコース、シュークロース、ペンタエリスリトール、ソルビタンを挙げることができる。
ポリオキシアルキレンエステル系活性剤としては、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルロジン酸エステル等を挙げることができる。
多価アルコール脂肪酸エステル系活性剤としては、炭素数2〜12の多価アルコールの脂肪酸エステル又はポリオキシアルキレン多価アルコールの脂肪酸エステル等を挙げることができる。より具体的には、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル等を挙げることができ、そのほかにもこれらのポリアルキレンオキシド付加物(例えば、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル等)も用いることができる。
糖脂肪酸エステル系活性剤としては、ショ糖、グルコース、マルトース、フラクトース、多糖類等の脂肪酸エステル等を挙げることができ、そのほかにもこれらのポリアルキレンオキシド付加物も用いることができる。
アルキルポリグリコシド系活性剤としては、グリコシドとしてグルコース、マルトース、フルクトース、ショ糖等を有する、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルポリグルコシド等のほか、これらの脂肪酸エステル類を挙げることができる。また、これらのポリアルキレンオキシド付加物も用いることができる。
また、上記以外にも、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等も用いることができる。
【0017】
これらの非イオン界面活性剤におけるアルキル基としては、例えば、炭素数4〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルキル基を挙げることができる。また、前記ポリオキシアルキレン基としては、炭素数2〜4のアルキレン基を有するもの、例えば、エチレンオキシドの付加モル数が1〜50モル程度のものを挙げることができる。更に、前記脂肪酸としては、例えば、炭素数4〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸を挙げることができる。
【0018】
両性界面活性剤としては、アミノ酸系活性剤、ベタイン系活性剤、イミダゾリン系活性剤、アミンオキシド系活性剤等を挙げることができる。
【0019】
アミノ酸系活性剤としては、アシルアミノ酸塩、アシルサルコシン酸塩、アシロイルメチルアミノプロピオン酸塩、アルキルアミノプロピオン酸塩、アシルアミドエチルアミノヒドロキシエチルメチルカルボン酸塩等を挙げることができる。
ベタイン系活性剤としては、アルキルジメチルベタイン、アルキルヒドロキシエチルベタイン、アシルアミドプロピルヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタイン、アシルアミドプロピルヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルジメチルカルボキシメチルアンモニオベタイン等を挙げることができる。
イミダゾリン系活性剤としては、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルエトキシカルボキシメチルカルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等を挙げることができる。
アミンオキシド系活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキシド等を挙げることができる。
【0020】
界面活性剤の使用量は、天然ゴムラテックスの固形分100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。この使用量が0.1重量部未満の場合には添加効果が得られず、10重量部を超える場合は前加硫後の成形が困難になったり、成形体の強度が低下したりするため好ましくない。
【0021】
水の使用量は特に制限されないが、あまり稀釈し過ぎると酵素反応の進行を遅延させるおそれがあるので、前記天然ゴムラテックス中の固形分濃度が約10〜60重量%になるように添加することが好ましい。
【0022】
処理条件は特に制限されないが、通常、約20〜60℃で、数分〜24時間行うことが好ましい。なお、反応に先立って、pH調整剤により使用する酵素の最適pHに調整することが好ましい。
【0023】
第2工程は、前加硫する工程である。この工程の処理により、次工程の成形作業性を向上させることができる。この工程における加硫は、硫黄加硫系、無硫黄加硫系、過酸化物加硫系又は放射線による加硫のいずれの方法も適用することができる。
【0024】
ここで用いる加硫剤としては、硫黄、塩化硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、セレン、テルルのほか、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドなどの含硫黄有機化合物、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシドなどの有機過酸化物、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、過酸化亜鉛などの金属酸化物などを挙げることができる。
また、加硫促進剤としては、公知のアルデヒドアンモニア類、アルデヒドアミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、スルフェンアミド類、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン酸塩類などを挙げることができる。更に、必要に応じて、公知の加硫促進助剤、可塑剤、硬化剤、老化防止剤、界面活性剤などを配合することができる。
【0025】
加硫条件は天然ゴムラテックスの量等に応じて適宜決定されるが、通常、約20〜60℃で、約0.1〜24時間が好ましい。また、放射線加硫法を適用する場合には、アクリル酸エステル等の増感剤を配合し、公知の方法により行うことができる。この場合の放射線の照射強度は天然ゴムラテックスの組成、成形方法等に応じて適宜決定されるが、通常、約1.0〜5Mradが好ましい。
【0026】
第3工程は、成形工程である。なお、この工程の処理に先立ち、必要に応じて、ラテックスを安定化させるためにアンモニア水を添加することができる。成形方法は特に制限されず、公知の方法、例えば浸漬法、注型法、押出法等を適用することができる。
【0027】
第4工程は、非ゴム分を抽出除去し、洗浄する工程(以下、「抽出洗浄工程」という)である。この抽出洗浄工程は、非ゴム分を抽出して除去するとともに、成形体表面を洗浄する工程である。この工程でいう非ゴム分とは、製造工程において添加したもの及び天然ゴムラテックス中にもともと含有されていたもののうち、人体に有害か又はゴム製品の品質保持に不要な成分をいうものであり、例えば、蛋白質分解酵素、界面活性剤、加硫促進剤、蛋白質分解物を挙げることができる。
【0028】
この工程の処理方法としては、成形体と抽出液とを十分に接触させる方法であれば特に制限されず、例えば、適当な容器中に成形体と抽出液を入れ、必要に応じて攪伴しながら保持する方法を適用することができる。
【0029】
抽出液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水溶液又はアンモニアを挙げることができる。この抽出液の例としては、0.1〜1.0%水酸化ナトリウム水溶液若しくは0.001〜1.0%のアンモニア水溶液又はそれらを組み合わせたものを用いることができる。
【0030】
また、抽出液には、粘着防止剤として、0.01〜1.0%のシリコーンエマルジョン又は0.01〜1.0%の界面活性剤を配合することができる。更に、より粘着防止を確実にするため、タルク、コーンスターチ、シリカ等の微粉末をスラリー又は乾燥状態で成形体の表面に塗布したり、成形体の表面を塩素ガス処理することもできる。
【0031】
この工程の処理条件は、20〜100℃で数分〜24時間が好ましい。また、この抽出工程は、除去すべき非ゴム分の含有量等に応じて2回以上繰り返すことができるが、2回目以降の処理条件は1回目と同等か又はより高温度でより長時間行うことが好ましい。更に、抽出工程を2回以上設ける場合には、各工程の間に剥離工程を設ける。この剥離工程における処理は、例えば、回転ブラシによる方法、加圧注水による方法、圧縮空気による方法、手作業による方法等により行う。
【0032】
次に、前記抽出洗浄工程により蛋白質分解物を初めとする非ゴム分が除去された成形体を、後加硫し、最終製品を得る。後加硫条件は特に制限されないが、通常は、約70〜120℃で約0.1〜24時間が好ましい。
【0033】
本発明の製造方法においては、上記した各工程以外にも、必要に応じて公知のゴム製品製造工程の処理を適宜組み合わせることができる。
【0034】
【実施例】
以下において、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、蛋白質含有率(総窒素量)の測定方法及び歩留りの算出方法は下記のとおりである。
【0035】
(蛋白質含有率):ケールダール窒素分析法(YASUYUKI TANAKA etc., J.nat.Rubb.Res.,7(2),152−155,1992)により測定した。
(歩留り)
次の数式から算出した。
【0036】
【数1】
歩留り(%)=(後加硫乾燥後の成形体重量)/(Σ原料ラテックス中の固形分濃度)×100
【0037】
実施例1
(蛋白質分解工程)
高アンモニア天然ゴムラテックス(マレーシア産、固形分濃度60%、総窒素含有量0.200%)167gに、界面活性剤としてラウリン酸カリウム水溶液(固形分濃度20%)10g及びプロテアーゼ0.5gを加え、反応系を均一に分散させた状態で、50℃で5時間保持した。
(前加硫工程)
次に、反応系を放冷後、硫黄分散体(固形分濃度50%)4g、亜鉛華分散体(固形分濃度50%)2g、加硫促進剤としてジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛分散体(固形分濃度50%,総窒素含有量0.06%)1g及び老化防止剤としてフェノール系老化防止剤分散体(固形分濃度50%,総窒素量0%)1gを加え、撹拌しながら50℃で15時間加熱し、非ゴム分(蛋白質分解酵素、界面活性剤、加硫促進剤、蛋白質分解生成物、老化防止剤等)を含むラテックスを得た。
(成形工程)
次に、このラテックスをガラス板上に流延し、室温で24時間放置してフィルム状の成形体106.7gを得た。
(抽出洗浄工程)
その後、抽出洗浄タンク(容量20リットル)に、フィルム状の成形体106.7gと、0.1%水酸化ナトリウム水溶液10kgを加え、攪伴しながら40℃で2分間保持した。
(後加硫工程)
次に、抽出洗浄タンクから成形体を取り出し、90℃で30分間の条件で後加硫し、最終製品としてのフィルム104.2gを得た。歩留り及び総窒素量の測定結果を表1に示す。
【0038】
実施例2〜5
図1に示す製造工程に従って、天然ゴム成形体を得た。原料の天然ゴムラテックスは実施例1と同様のものを同量用い、各工程の処理方法及び条件は実施例1と同様にした。なお、抽出洗浄工程は表1に示す条件で2回行い、その間に剥離工程を設けた。この剥離工程における処理は、粘着防止剤として0.1%シリコーンエマルジョン及び1%コーンスターチを加えて行った。歩留り及び総蛋白質量の測定結果を表1に示す。
【0039】
比較例1
図2に示す製造工程に従って、天然ゴム成形体を得た。原料の天然ゴムラテックスは実施例1と同様のものを同量用い、各工程の処理方法及び条件は実施例1と同様にした。なお、遠心分離は、デ・ラバル型遠心分離機(約10000G)を用い、固形分が約65%になるまで行った。歩留り及び総窒素量の測定結果を表1に示す。
【0040】
比較例2及び3
図3に示す製造工程に従って、天然ゴム成形体を得た。原料の天然ゴムラテックスは実施例1と同様のものを同量用い、各工程の処理方法及び条件は実施例1と同様にした。なお、遠心分離は比較例1と同条件で行った。歩留り及び総窒素量の測定結果を表1に示す。
【0041】
比較例4
図4に示す製造工程に従って、天然ゴム成形体を得た。原料の天然ゴムラテックスは実施例1と同様のものを同量用い、各工程の処理方法及び条件は実施例1と同様にした。歩留り及び総窒素量の測定結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0003604445
【0043】
表1から明らかなとおり、実施例1により得られた天然ゴム成形体は、歩留りが98%であった。また、総窒素量も0.045%まで低下させることができた。更に、抽出洗浄工程を2回設けた実施例2〜5は、歩留りは98%のままで、総窒素量をより一層低下させることができた。
これに対して、比較例1は総窒素量は低下させることができたものの、工程数が多過ぎるため歩留りが悪く、また製造時間が長くかかり過ぎるため、工業的には不利な方法であった。
また、比較例2及び3は、総窒素量を大きく低下させることができる点では優れているが、遠心分離工程を要するため設備投資が大きくなり、それにともない歩留りも低下していた。
更に、比較例4は、工程数が少ないため歩留りは高いが、天然ゴム成形体中に残存する総窒素量が大き過ぎ、この方法では安全な製品を提供することができない。
【0044】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、製造工程を簡略化することにより製造時間を短縮し、同時に歩留りを上げることができるので、製造コストの上昇を抑えることができる。また、本発明の製造方法により得られた最終製品は、人体に安全な程度にまで蛋白質含有量が低下しているので、人体と直接接触する各種ゴム製品として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜5の製造方法を説明するための図である。
【図2】比較例1の製造方法を説明するための図である。
【図3】比較例2及び3の製造方法を説明するための図である。
【図4】比較例4の製造方法を説明するための図である。

Claims (3)

  1. 天然ゴムラテックスに蛋白質分解酵素、界面活性剤及び水を添加して蛋白質を分解する工程、前加硫する工程、成形工程、非ゴム分を抽出除去し、洗浄する工程及び後加硫する工程を具備することを特徴とする脱蛋白質天然ゴムラテックス成形体の製造方法。
  2. 非ゴム分を抽出除去する工程を2回具備し、その間に剥離工程を具備している請求項1記載の脱蛋白質天然ゴムラテックス成形体の製造方法。
  3. 脱蛋白質天然ゴムラテックス成形体中におけるケールダール法により測定した総窒素量が0.05%以下である請求項1又は2記載の脱蛋白質天然ゴムラテックス成形体の製造方法。
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