JP3673502B2 - 脱蛋白天然ゴムラテックス、その製造方法およびそれを用いたゴム製品 - Google Patents

脱蛋白天然ゴムラテックス、その製造方法およびそれを用いたゴム製品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アノード凝着法による成膜性とラテックスの分散安定性とのバランスに優れた脱蛋白天然ゴムラテックス、その製造方法および当該脱蛋白天然ゴムラテックスを用いたゴム製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
天然ゴムは伸びが大きい、弾性が高い、皮膜の強さが良好である等の特徴を有することから、ゴム手袋等の幅広い分野で利用されている。
天然ゴムからなる手袋の製造には、そのゴム皮膜の厚みに応じた製造方法が採用される。例えば家庭用手袋等の、膜厚が1mm程度のゴム手袋を製造するには、あらかじめ表面に凝固剤(アノード凝固剤)が塗布された手袋の型(手型)を天然ゴムラテックスに浸漬して成膜する、いわゆるアノード凝着法(凝固液浸漬法)を採用するのが一般的である。
【0003】
一方、近年、天然ゴムラテックスを用いたゴム製品については、当該製品中に含まれる蛋白質を高度に除去することが求められている。これは、(1) 天然ゴム製品を皮膚や粘膜と直接に接触させると呼吸困難やじんましん等の即時型(I型)アレルギーを誘発する場合があり、その原因物質として、天然ゴムラテックスに含まれる蛋白質が関与している旨の指摘がなされていること、(2) 前記蛋白質の種類や含有量はラテックスの産地や産出時期等によって異なるため、天然ゴム製品の品質や加硫特性等にばらつきを生じさせる原因となること、さらに、(3) 前記蛋白質は、ゴム製品のクリープ特性、耐老化性等の機械特性、絶縁性等の電気特性を低下させる原因にもなること、が主な理由である。
【0004】
そこで、特開平6−56902号公報には、天然ゴムラテックスに蛋白分解酵素(プロテアーゼ)と界面活性剤とを加えて熟成することによって当該ラテックス中の蛋白質を分解し、次いで当該ラテックスに遠心分離処理を施す、という一連の工程を経ることにより、天然ゴムラテックスから蛋白質およびその分解物を除去する方法が開示されている。かかる方法に従って脱蛋白処理を施した場合には、天然ゴムラテックス中の蛋白質を非常に高いレベルで除去することができ、例えばケルダール法によって測定される窒素含有量(N%)が0.1重量%以下になるまで蛋白質の含有量を低減させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に開示の方法によって得られる、いわゆる脱蛋白天然ゴムラテックスには、蛋白質の除去によって不安定化したラテックスを安定化させ、攪拌等の操作によってゴム分が凝集してしまうのを防止することを目的として、界面活性剤が配合されている。
この界面活性剤は、ラテックスの機械的安定性を向上させる作用を示すだけでなく、アノード凝固剤に対する感度に対しても大きな影響を及ぼしている。例えば、界面活性剤として高級アルコール硫酸エステル塩系のアニオン界面活性剤を用いた場合にはラテックスのアノード凝固剤に対する感度が高くなっており、それゆえ、脱蛋白処理が施されていない天然ゴムラテックスと同様の条件であってもアノード凝着法による成膜を行うことができる。
【0006】
しかしながら、上記の場合のアノード凝固剤に対する感度はむしろ高すぎることから、ラテックス浸漬後の皮膜の乾燥が天然ゴムラテックスを用いた場合に比べて極めて速くなってしまう。その結果、例えばゴム皮膜の厚みを大きくする目的でラテックスに型を重ねて浸漬すると、ゴム皮膜の厚みムラや液ダレが起こるという新たな問題が生じる。
また、界面活性剤として高級アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩系の界面活性剤を用いた場合には、ラテックスのアノード凝固剤に対する感度が低くなってゴム分が凝集しにくくなる。このため、脱蛋白処理を施していない天然ゴムの場合と同程度の厚みの皮膜をアノード凝着法によって形成するには、極めて特殊な成膜条件を設定する必要が生じたり、極めて複雑な工程を経る必要が生じたりするといった新たな問題を招いてしまう。
【0007】
なお、本出願人らは、先に、上記の方法によって得られる、ゴム分が過度に安定化された脱蛋白天然ゴムラテックスに対して、特定の感熱化剤やアノード凝固剤を特定の組み合わせで使用し、しかも通常の処方よりも多く配合することによって、十分な膜厚を有する浸漬製品が得られるという事実を見出している(特開2000−17002号公報)。
しかしながら、上記公報に記載の方法では感熱化剤とアノード凝固剤との両方をラテックス中に配合するため、天然ゴムラテックスを用いた通常の感熱法に比べてラテックスが不安定となって長期に亘る安定性が得られなかったり、さらには、感熱特性の制御が難しくなったりするという問題があった。
【0008】
そこで本発明の目的は、脱蛋白処理が施されて、界面活性剤によりゴム分子の分散安定化が図られているラテックスであって、しかもアノード凝着法による成膜性が良好で、ゴム皮膜の形成時にラテックスに型を繰返し浸漬しても皮膜の厚みムラや液ダレなどを生じることがなく、従来と同様の成膜条件にて十分な膜厚を有するゴム製品を製造することのできる脱蛋白天然ゴムラテックスと、その製造方法とを提供することである。
【0009】
また、本発明の他の目的は、かかる脱蛋白天然ゴムラテックスを用いたアノード凝着法による浸漬製品を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
従来の脱蛋白天然ゴムラテックスについては、前述のように、アノード凝固剤に対する感度が高くなりすぎて、重ねて浸漬する際にゴム皮膜の厚みムラや液ダレが生じてしまったり、あるいは逆に、アノード凝固剤に対する感度が低すぎてゴム分が凝集しにくくなってしまったりする問題があった。
しかしながら、本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねていく中で、脱蛋白天然ゴムラテックスのカルシウムイオン(以下、「Ca2+」と表記する。)に対する凝集性を調整して、
Ca2+濃度が0.01mol/L以下である水溶液にラテックスを滴下しても当該ラテックスのゴム分に凝集が生じないものの、
Ca2+濃度が0.1mol/L以上である水溶液にラテックスを滴下したときにはゴム分の凝集が生じる
ものとすれば、意外にも、硝酸カルシウム、塩化カルシウム等のアノード凝固剤に対する感度が適度なものとなり、それゆえアノード凝着法による成膜性を極めて優れたものとしつつ、ラテックスの分散安定性とのバランスを図ることができるという全く新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明のうち第1の発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスは、蛋白質の分解および除去処理が施されてなるものであって、カルシウムイオン(Ca2+)濃度が0.01mol/L以下であるときにゴム分の凝集が生じず、Ca2+濃度が0.1mol/L以上であるときにゴム分の凝集が生じることを特徴とする。
上記第1の発明によれば、例えば型をラテックスに重ねて浸漬してもゴム皮膜の厚みムラや液ダレなどを生じることがなく、脱蛋白処理を施していない天然ゴムラテックスに対するアノード凝着法での成膜と同等の条件にて十分な膜厚を有するゴム製品を製造することができる。
【0012】
また、特開2000−17002号公報に記載の脱蛋白天然ゴムラテックスでは、前述のように、感熱化剤とアノード凝固剤との両方を配合し、しかも通常の処方よりも多く配合する結果、ラテックスの長期に亘る安定性が損なわれるといった問題を生じるものの、上記本発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスによれば、かかる問題を生じるおそれがない。
本発明において「ゴム分の凝集が生じる」とは、脱蛋白天然ゴムラテックス中のゴム分が凝集状の固形分となって、ラテックスの上層にて完全に分離すること(この場合、Ca2+を含有する水溶液は透明になる。)または脱蛋白天然ゴムラテックス中に、凝集状のゴム固形分が部分的に観察されること(この場合、Ca2+を含有する水溶液は白濁状態を残している。)をいう。
【0013】
一方、本発明において「ゴム分の凝集が生じない」とは、脱蛋白天然ゴムラテックス中のゴム分の分散・懸濁状態が維持されており、当該ラテックス中に凝集状のゴム固形分が観察されないこと(この場合、Ca2+を含有する水溶液は白濁したままである。)をいう。
なお、「ゴム分の凝集」の有無は、通常、Ca2+濃度を所定の値に調整した水溶液に脱蛋白天然ゴムラテックスを滴下し、その際、当該ラテックス中のゴム分が凝集状の固形分として観察されるか否かによって判定する。「ゴム分の凝集が生じない」場合は、ラテックスを滴下するとそのゴム分がCa2+を含有する水溶液中に速やかに分散する。
【0014】
Ca2+に対する凝集性を評価するのに用いられる天然ゴムラテックスについて、そのゴム固形分濃度は特に限定されるものではないが、ゴム固形分濃度が低すぎるとゴム分の凝集を判別しにくくなるおそれがあることから、あらかじめラテックスのゴム固形分濃度を30〜60重量%程度に設定しておくのが好ましい。また、ラテックスのCa2+に対する凝固性を評価するのに用いられる、所定のCa2+濃度を有する水溶液についての液温は、特に限定されるものではないが、25℃前後での一定の温度に設定しておくのが好ましい。そこで、本発明においては、特に言及しない限り、Ca2+に対する凝集性を評価する際の天然ゴムラテックスとしてそのゴム固形分濃度が60重量%に調整されたものを使用し、所定のCa2+濃度を有する水溶液の液温は25℃に設定した。
【0015】
上記第1の発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスは、Ca2+に対する凝集性が異なる2種以上の界面活性剤の組み合わせによりラテックスの安定化を図ることによって調製することができる。かかる界面活性剤の組み合わせによって、脱蛋白天然ゴムラテックスのCa2+に対する凝集性が所定の範囲に設定される。
より具体的には、上記第1の発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスは、
(i) Ca2+に対する凝集性が異なる2種以上の界面活性剤と、プロテアーゼとを用いて天然ゴムラテックスに脱蛋白処理を施すことにより、または
(ii)あらかじめ従来公知の種々の方法により脱蛋白処理が施されてなる天然ゴムを、Ca2+に対する凝集性が所定の範囲に設定された水性分散媒に分散させることにより、
調製することができる。
【0016】
本発明のうち第2の発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスは、
前記第1の発明における蛋白質の分解処理が、天然ゴムラテックスにプロテアーゼと、カルシウムイオン(Ca2+)に対する凝集性が異なる2種以上の界面活性剤と、を添加して熟成させることにより施されるものであって、
前記2種以上の界面活性剤は、当該界面活性剤を含有する水溶液(25℃)のCa2+濃度が0.1mol/L以下であると安定に分散し、前記水溶液のCa2+濃度が1.0mol/L以上であると凝集するものであることを特徴とする。
【0017】
また、第3の発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスは、
前記第1の発明における蛋白質の分解および除去処理が施されてなる脱蛋白天然ゴムラテックスが、天然ゴムラテックスにプロテアーゼを添加して熟成させ、このラテックスに遠心分離を施してクリーム状のゴム固形分を取り出し、さらにこのゴム固形分を、カルシウムイオン(Ca2+)に対する凝集性が異なる2種以上の界面活性剤を含有する水性分散媒に分散してなるものであって、
前記水性分散媒は、液温が25℃でCa2+濃度が0.1mol/L以下であるときに前記界面活性剤を安定に分散させ、液温が25℃でCa2+濃度が1.0mol/L以上であるときに前記界面活性剤を凝集させるものであることを特徴とする。
【0018】
上記本発明の脱蛋白天然ゴムラテックスには、脱蛋白処理に伴って不安定化したゴム分の分散状態を維持する目的で、Ca2+に対する凝集性(分散安定性)が異なる2種以上の界面活性剤が用いられている。
相対的にCa2+に対する凝集性が高い(分散性が低い)界面活性剤と、相対的にCa2+に対する凝集性が低い(分散性が高い)界面活性剤と、の組み合わせを用いて、ラテックスのCa2+濃度に対する凝集性を前述の範囲に設定した場合には、アノード凝着法による成膜を行う前の段階で、ラテックス中のゴム分に凝集を生じさせることがなく、ゴム分の安定した分散状態を維持することができる。なお、アノード凝着法による成膜を行う前の段階には、具体的に、脱蛋白天然ゴムラテックスを長期に亘って保存したり、搬送などに際してラテックスに機械的振動を与えたり、ラテックスに加硫剤等の種々の添加剤を配合した場合が挙げられる。
【0019】
また、上記本発明の脱蛋白天然ゴムラテックスを、アノード凝着法において通常用いられる濃度のアノード凝固剤と接触させたときには、前記2種の界面活性剤のうちCa2+に対する凝集性が高い方の界面活性剤に凝集が生じて、ラテックス中でのゴムの分散安定性が著しく低下する。それゆえ、アノード凝着法によるゴム皮膜の形成が可能になる。
本発明において「2種以上の界面活性剤が凝集する」とは、2種以上の界面活性剤のうち少なくとも一方の界面活性剤がCa2+と結合して水に不溶性の塩を形成することをいう。一方、本発明において「2種以上の界面活性剤が安定に分散する」とは、界面活性剤がCa2+によって上記のような塩を生じることがなく、水溶液中での分散性が維持されることをいう。
【0020】
また、本発明において「水性分散媒」とは、主に水をいう。なお、ラテックスの分散安定性を阻害しない範囲において、水と混和する他の溶媒(例えば、有機溶媒等)や、アノード凝着法による成膜に用いるラテックスにおいて通常配合される添加剤などを含有するものを含む。
本発明のうち第4の発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスは、前記第2および第3の発明における2種以上の界面活性剤が、
カルボン酸系アニオン界面活性剤、高級アルコール硫酸エステル塩系アニオン界面活性剤、スルホン酸系アニオン界面活性剤およびリン酸系アニオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤Hと、
高級アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩系アニオン界面活性剤および高級アルキルエーテル硫酸エステル塩系アニオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤Lと、
を含むものであることを特徴とする。
【0021】
前記第2および第3の発明における2種以上の界面活性剤として、上記界面活性剤Hの群に属するものと、上記界面活性剤Lに群に属するものとを併用することにより、界面活性剤のCa2+に対する凝集性を前述の範囲に設定することができる。
本発明のうち第5の発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスは、前記第2の発明での、蛋白質の分解処理時における2種以上の界面活性剤の総添加量が、天然ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対して0.01〜10重量部であることを特徴とする。
【0022】
また、本発明のうち第6の発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスは、前記第3の発明において、水性分散媒中での2種以上の界面活性剤の総含有量が、当該水性分散媒に分散されるゴム固形分100重量部に対して0.01〜10重量部であることを特徴とする。
前記第5および第6の発明においては、前記2種以上の界面活性剤についての総添加量または総含有量が上記範囲に設定されることによって、脱蛋白天然ゴムラテックスについてのアノード凝着法による成膜性と分散安定性とのバランスがより一層良好なものとなる。
【0023】
本発明のうち第7の発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスの製造方法は、天然ゴムラテックスにプロテアーゼと、カルシウムイオン(Ca2+)に対する凝集性が異なる2種以上の界面活性剤と、を添加した後、当該天然ゴムラテックスを熟成する脱蛋白天然ゴムラテックスの製造方法であって、
前記2種以上の界面活性剤は、当該界面活性剤を含有する水溶液(25℃)のCa2+濃度が0.1mol/L以下であると安定に分散し、当該水溶液のCa2+濃度が1.0mol/L以上であると凝集するものであることを特徴とする。
【0024】
また、本発明のうち第8の発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスの製造方法は、天然ゴムラテックスにプロテアーゼによる蛋白質の分解処理と遠心分離による蛋白質の除去処理とを施した後、こうして得られたクリーム状のゴム固形分を下記水性分散媒:
カルシウムイオン(Ca2+)に対する凝集性が異なる2種以上の界面活性剤を含有しており、液温が25℃でCa2+濃度が0.1mol/L以下であるときに前記界面活性剤を安定に分散させ、液温が25℃でCa2+濃度が1.0mol/L以上であるときに前記2種以上の界面活性剤を凝集させる水性分散媒
に分散させることを特徴とする。
【0025】
前記第7および第8の発明によれば、いずれも、カルシウムイオン(Ca2+)濃度が0.01mol/L以下であるときにゴム分の凝集が生じず、Ca2+濃度が0.1mol/L以上であるときにゴム分の凝集が生じる脱蛋白天然ゴムラテックスを製造することができる。
なお、第7の発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスの製造方法は、第2の発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスを製造する方法についての一実施形態である。一方、第8の発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスの製造方法は、第3の発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスを製造する方法についての一実施形態である。
【0026】
前記第7および第8の発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスの製造方法において、2種以上の界面活性剤としては、
カルボン酸系アニオン界面活性剤、高級アルコール硫酸エステル塩系アニオン界面活性剤、スルホン酸系アニオン界面活性剤およびリン酸系アニオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤Hと、
高級アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩系アニオン界面活性剤および高級アルキルエーテル硫酸エステル塩系アニオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤Lと、
を含むものが好適に用いられる。
【0027】
前記第7の発明においては、蛋白質の分解処理時における2種以上の界面活性剤の総添加量が、天然ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対して0.01〜10重量部であるのが好ましく、前記第8の発明においては、水性分散媒中での2種以上の界面活性剤の総含有量が、当該水性分散媒中に分散されるゴム固形分100重量部に対して0.01〜10重量部であるのが好ましい。
この場合、脱蛋白天然ゴムラテックスについてのアノード凝着法による成膜性と当該ラテックスの分散安定性とのバランスをより一層良好なものとすることができる。
【0028】
本発明のうち第9の発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスを用いたゴム製品は、表面にアノード凝固剤が付着した浸漬型を、加硫剤が添加されてなる上記本発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスに浸漬し、こうして当該浸漬型の表面に形成されるゴム皮膜を加硫し、脱型させてなることを特徴とする。
上記第9の発明に係るゴム製品は、本発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスに加硫剤が添加した後、当該脱蛋白天然ゴムラテックスに、表面にアノード凝固剤を付着させた浸漬型を浸漬し、当該浸漬型の表面にゴム皮膜を形成した後、当該ゴム皮膜を加硫して、脱型させることにより製造される。
【0029】
上記第9の発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスを用いたゴム製品と、その製造方法によれば、脱蛋白処理によって即時型(I型)アレルギーを誘発するおそれが著しく低減された脱蛋白天然ゴムラテックスからなるゴム製品を、脱蛋白処理が施されていない天然ゴムラテックスを用いると同様の条件にて、アノード凝着法により製造することができる。従って、上記第9の発明は、例えば膜厚が1mm程度である家庭用ゴム手袋などへの適用に好適である。
【0030】
本発明において「ゴム製品」とは、アノード凝着法によって製造されるゴム製品をいい、具体的には、上記ゴム手袋のほか、カテーテル、二連球等の医療用品、指サック、玩具等が挙げられる。
本発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスを用いたゴム製品およびその製造方法において、アノード凝固剤としてはこれに限定されるものではないが、例えばイオン価が2以上の金属塩や有機アルキルアミン塩等が挙げられる。イオン価が2以上の金属塩としては、硝酸カルシウム、塩化カルシウム等が挙げられる。これらのアノード凝固剤は一般に水溶液として使用されるものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
〔脱蛋白天然ゴムラテックスおよびその製造方法〕
(天然ゴムラテックス)
本発明の脱蛋白天然ゴムラテックスを製造するのに用いられる天然ゴムラテックスは、ゴム樹液として得られるフィールドラテックスまたはアンモニア保存濃縮ラテックスのいずれであってもよい。
【0032】
(プロテアーゼ)
本発明において、天然ゴムラテックスに対する蛋白質の分解処理に用いられるプロテアーゼは、従来公知の種々のものが使用可能であって特に限定されるものではないが、例えばアルカリプロテアーゼ等が好適である。プロテアーゼの由来としては、細菌由来のもの、糸状菌由来のもの、酵母由来のもの等いずれのものであってもよいが、これらの中では細菌由来のもので、特にBacillus属のものが好ましい。また、リパーゼ、エステラーゼ、アミラーゼ、ラッカーゼ、セルラーゼ等の酵素を併用することも可能である。
【0033】
アルカリプロテアーゼを用いる場合において、その活性〔アンソン−ヘモグロビン法(Anson. M. L.,J. Gen. Physiol.,22,79(1938))の改良法による測定値〕は0.1〜50APU/g、好ましくは1〜25APU/gの範囲であるのが適当である。
上記プロテアーゼの使用量は、プロテアーゼ自体の活性に応じて変動するものであって、特に限定されるものではない。しかし、一般的には、プロテアーゼの含有量が天然ゴムラテックス中のゴム分100重量部に対して0.0001〜20重量部となるように調整するのが好ましく、0.001〜10重量部となるように調整するのがより好ましい。プロテアーゼの含有量が上記範囲内であると、プロテアーゼの活性を保持しつつラテックス中の蛋白質を十分に分解することができ、あるいはプロテアーゼの使用量に見合った効果を有効に発現でき、コスト的に有利になる。
【0034】
(界面活性剤)
本発明の脱蛋白天然ゴムラテックスを製造するのに用いられる界面活性剤は、Ca2+に対する凝集性が異なる2種以上の界面活性剤を組み合わせたものである。ここで、2種以上の界面活性剤の組み合わせについては、当該2種以上の界面活性剤を含有する水溶液についてのCa2+に対する凝集性が所定の範囲となるように設定されることが求められる。
【0035】
具体的には、2種以上の界面活性剤を含有する水溶液(または水性分散媒)について、その液温が25℃であり、かつCa2+濃度が0.1mol/L以下であるときには界面活性剤が安定に分散し、前記水溶液(または水性分散媒)の液温が25℃であり、かつCa2+濃度が1.0mol/L以上であるときには界面活性剤に凝集が生じること、が求められる。
本発明に用いられる界面活性剤としては、一般に、
カルボン酸系アニオン界面活性剤、高級アルコール硫酸エステル塩系アニオン界面活性剤、スルホン酸系アニオン界面活性剤およびリン酸系アニオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤Hと、
高級アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩系アニオン界面活性剤および高級アルキルエーテル硫酸エステル塩系アニオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤Lと、
を組み合わせて用いればよい。
【0036】
前記界面活性剤Hの群に含まれるものはCa2+に対する凝集性が相対的に高い(分散性が相対的に低い)界面活性剤であって、前記界面活性剤Lの群に含まれるものはCa2+に対する凝集性が相対的に低い(分散性が相対的に高い)界面活性剤である。
上記界面活性剤Hの群に含まれるものの具体例を表1に示す。また、上記界面活性剤Lの群に含まれるものの具体例を表2に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0003673502
【0038】
【表2】
Figure 0003673502
【0039】
上記界面活性剤Hと界面活性剤Lとの混合割合は特に限定されるものではないが、通常、その重量比(H:L)が15:85〜70:30となるように設定するのが好ましい。
界面活性剤Hと界面活性剤Lとの総添加量(総含有量)を100としたときの界面活性剤Hの添加(含有)割合は、前記範囲の中でも、その下限が20〔H:L(重量比)=20:80〕であるのが好ましく、25〔H:L(重量比)=25:75〕であるのがより好ましい。一方、界面活性剤Hの添加(含有)割合は、前記範囲の中でも、その上限が65〔H:L(重量比)=65:35〕であるのが好ましく、60〔H:L(重量比)=60:40〕であるのがより好ましい。
【0040】
(プロテアーゼと界面活性剤との含有割合)
本発明において、特に本発明のうち第2の発明において、蛋白質の分解処理時におけるプロテアーゼと界面活性剤との含有割合は特に限定されるものではないが、蛋白質の分解処理を効率よく進行させるには、両者の比を重量比で1:1〜1:200、好ましくは1:10〜1:50の範囲に設定するのが好ましい。
(蛋白質の分解・除去処理方法)
天然ゴムラテックスに対する蛋白質の分解処理は、原料となる天然ゴムラテックスに前述のプロテアーゼと、所定の組み合わせからなる界面活性剤とを所定量添加して、数十分から1週間程度、好ましくは1〜3日程度熟成させることによって行われる。
【0041】
この熟成処理は、ラテックスを撹拌しながら行ってもよく、静置した状態で行ってもよい。また、必要に応じて温度調整を行ってもよい。酵素の活性を十分なものとするには、5〜90℃にするのが好ましく、20〜60℃に調整するのがより好ましい。5℃を下回ると酵素反応が進まないおそれがあり、逆に90℃を超えると酵素の失活を招くおそれがある。
蛋白質の分解処理後における蛋白質(およびその分解物)の除去処理としては特に限定されるものではないが、例えば遠心分離、限外濾過法等によってラテックスを濃縮し、水中に移行した蛋白質分解物等の非ゴム成分と、ラテックス中のゴム分とを分離する処理や、ゴム分を酸等によって凝集させて分離する処理が挙げられる。中でも、遠心分離処理により精製を行うのが、精製の精度、効率等の観点からもっとも好ましい。
【0042】
天然ゴムラテックスに添加されたプロテアーゼは、上記蛋白質分解処理に供された後、上記精製処理によって洗浄、除去される。また、天然ゴムラテックスに添加された界面活性剤についても、その一部は上記精製処理によって洗浄、除去される。界面活性剤の一部は、精製処理後も脱蛋白天然ゴムラテックスに残存して、ラテックスの安定剤として作用するが、この残存量が極端に少ないと(精製処理によって大部分が除去されると)、脱蛋白天然ゴムラテックスの安定性が著しく損なわれてしまう。しかし、脱蛋白処理後のラテックスの洗浄(精製)処理を、例えば通常行われる遠心分離の方法で、かつ、通常の処理条件で処理を行うのであれば、すなわちプロテアーゼと蛋白質の分解物等を洗浄除去できる程度の条件で洗浄(精製)処理が行われるのであれば、脱蛋白処理後のラテックスにあらためて界面活性剤を添加する必要はない。
【0043】
より具体的には、例えば遠心分離処理によって洗浄(精製)処理を行う場合、その処理条件を5000〜14000rpmで1〜60分間程度とし、遠心分離処理によって上層に分離したクリーム分を当該クリーム分と同体積程度の水に再分散させるのであれば、脱蛋白処理前にあらかじめ添加した水溶性高分子によって脱蛋白処理後においても十分な安定性と感熱凝固性とが担保される。
なお、本発明のうち第3の発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスを製造する場合においては、天然ゴムラテックスに対する蛋白質の分解処理に用いる界面活性剤の配合量に十分に留意する必要がある。脱蛋白処理によって得られる凝集ゴムに界面活性剤が残存すると、脱蛋白天然ゴムラテックスのアノード凝着性(アノード凝固剤に対する感度)に悪影響を及ぼすおそれがあるからである。前記第3の発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスでは、脱蛋白処理によって得られた固形のゴム分を、後の工程において所定の界面活性剤を含む水性分散媒に分散させることによってラテックスを調製することから、脱蛋白処理時にゴム分が凝集したとしても何ら問題が生じない。従って、蛋白質およびその分解物の除去を十分に達成することができるのであれば、脱蛋白処理時に界面活性剤を添加しなくてもよい。
【0044】
(脱蛋白の程度)
本発明に用いられる脱蛋白天然ゴムラテックスにおける脱蛋白の程度は特に限定されるものではないが、最終のゴム製品に対して低アレルギー性を付与するには、脱蛋白処理後におけるケルダール法による窒素含有量(N%)が0.1%以下、好ましくは0.05%以下、より好ましくは0.02%以下となるように調整されていることが求められる。窒素含有量が上記範囲を超えると脱蛋白の程度が不十分になり、最終ゴム製品の使用によりアレルギーが発生してしまうのを十分に抑制することができなくなるおそれがある。
【0045】
脱蛋白の程度は、赤外線吸収スペクトルでの蛋白質に基づく吸収の有無および吸収の程度によっても確認することができる。本発明の方法によって脱蛋白処理が施されたゴムには、短鎖ペプチドまたはアミノ酸に由来する3320cm-1の吸収が観察されてもよいが、アレルギーの原因となる高分子ポリペプチドに由来する3280cm-1の吸収は小さい方が好ましく、3280cm-1に吸収が全く観察されないのがより好ましい。
【0046】
〔脱蛋白天然ゴムラテックスを用いたゴム製品〕
本発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスを用いたゴム製品は、あらかじめ表面にアノード凝固剤を付着させた浸漬型を使用し、この浸漬型を本発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスに浸漬して、その表面にゴム皮膜を形成し、次いで当該ゴム皮膜を加硫して、脱型することにより得られるものである。
ここで、浸漬型の表面にあらかじめ付着させておくアノード凝固剤としては、これに限定されるものではないが、例えばイオン価が2以上の金属塩や有機アルキルアミン塩等が挙げられる。イオン価が2以上の金属塩としては、硝酸カルシウム、塩化カルシウム等が挙げられる。これらのアノード凝固剤は一般に水溶液として使用されるものである。
【0047】
成膜時におけるアノード凝固剤の濃度は常法に従って設定すればよく、特に限定されるものではないが、通常、5〜20重量%、好ましくは10〜15重量%となるように設定される。この濃度は、アノード凝固剤が硝酸カルシウム(式量164)であると仮定した場合において、Ca2+濃度に換算すると、0.3〜1.2mol/L程度、好ましくは0.6〜0.9mol/L程度である。
上記ゴム製品の製造に用いられる浸漬型は、目的とするゴム製品の形状に応じたものであればよい。例えば、ゴム製品がゴム手袋の場合、浸漬型には、従来公知の手型を用いればよい。
【0048】
成膜条件は、目的とするゴム製品の種類、ゴム皮膜の厚み等に応じて、常法に従って設定すればよい。
上記ゴム製品の製造に用いられる脱蛋白天然ゴムラテックスには、あらかじめ加硫剤が添加される。また、必要に応じて、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤等の加硫系薬剤や、充填剤等の種々の添加剤を配合することができる。
加硫剤には、例えば硫黄;トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素等の有機含硫黄化合物などが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。加硫剤の配合量は、前加硫の程度や加硫促進剤等の配合量と兼ね合いによって決定されるものであるが、通常、ゴムラテックス中のゴム固形分100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部の範囲で設定される。
【0049】
加硫促進剤には、例えばN−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛(PX)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(PZ)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(EZ)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(BZ)、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩(MZ)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。加硫促進剤の配合量は、ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対して0.5〜3重量部程度に調整するのが好ましい。加硫促進助剤には、例えば亜鉛華等が挙げられる。加硫促進助剤の配合量は、ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対して0.5〜3重量部程度に調整するのが好ましい。
【0050】
充填剤には、例えばカオリンクレー、ハードクレー、炭酸カルシウム等が挙げられる。充填剤の配合量は、ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対して10重量部以下であるのが好ましい。
上記ゴム製品の製造に用いられる脱蛋白天然ゴムラテックスには、特開2000−17002号公報に記載の脱蛋白天然ゴムラテックスのように、脱蛋白天然ゴムラテックス中に特定の感熱化剤やアノード凝固剤を、通常の処方よりも多く配合する必要がない。従って、上記本発明に係る脱蛋白天然ゴムラテックスを用いたゴム製品によれば、不純物の混入が少なく、品質の高いゴム製品を、しかも材料コストを低く抑えつつ製造することができる。
【0051】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明を説明する。
実施例1
(1) 脱蛋白天然ゴムラテックスの調製
ハイアンモニアタイプの天然ゴムラテックスをゴム分の濃度が30重量%となるように水で希釈した。次いで、このラテックスのゴム分に対して、プロテアーゼと界面活性剤とからなる脱蛋白処理剤を1重量%の割合で添加し、液温を30℃に保って24時間静置、熟成させることにより、蛋白質の分解処理を施した。
【0052】
上記脱蛋白処理剤には、プロテアーゼ(アルカリプロテアーゼ,ノボノルディスクバイオインダストリー(株)製の商品名「アルカラーゼ2.0M」)2重量部と、オレイン酸カリウム〔表1に示す界面活性剤H(No. H-1-1)〕49重量部と、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム〔表2に示す界面活性剤L(No. L-1-1)〕49重量部とを混合したものを用いた。
蛋白質の分解処理後、ラテックスに13000rpmで30分間遠心分離処理を施し、分離した上層のクリーム分を同量の水に再分散させることによって、脱蛋白天然ゴムラテックスを得た。
【0053】
(2) ゴム皮膜の形成(ゴム手袋の製造)
上記脱蛋白天然ゴムラテックスのゴム分100重量部に対して、水に分散させたコロイド硫黄1重量部、亜鉛華0.5重量部、加硫促進剤(ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(BZ),大内新興化学(株)製の商品名「ノクセラーBz」)1重量部を添加して、40℃で24時間熟成(前加硫)させた。
次いで、ガラス製の浸漬型(手型)の表面に硝酸カルシウム(アノード凝固剤)の15重量%水溶液をあらかじめ塗布しておき、この型を上記前加硫ラテックスに10秒間浸漬して、型表面にゴム皮膜を形成させた。
【0054】
ゴム皮膜の形成後、前加硫ラテックスから引き上げた型を室温(約25℃)で60秒放置し、再度、上記前加硫ラテックスに10秒間浸漬(二度漬け)した。
さらに、型表面のゴム皮膜を100℃に加熱して加硫させ、脱型することにより、ゴム製品(ゴム手袋)を得た。
実施例2
脱蛋白処理剤として、アルカリプロテアーゼ2重量部と、オレイン酸カリウム〔界面活性剤H(No. H-1-1)〕24重量部と、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム〔界面活性剤L(No. L-1-1)〕74重量部とを混合したものを用いたほかは、実施例1と同様にして、「(1) 脱蛋白天然ゴムラテックスの調製」と「(2) ゴム皮膜の作成」とを行った。
【0055】
実施例3
界面活性剤Hとして、オレイン酸カリウムに代えてラウリル硫酸ナトリウム〔表1に示す界面活性剤H(No. H-2-1)〕を用いたほかは、実施例1と同様にして、「(1) 脱蛋白天然ゴムラテックスの調製」と「(2) ゴム皮膜の作成」とを行った。
実施例4
脱蛋白処理剤として、アルカリプロテアーゼ2重量部と、ラウリル硫酸ナトリウム〔界面活性剤H(No. H-2-1)〕24重量部と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム〔表2に示す界面活性剤L(No. L-1-2)〕74重量部とを混合したものを用いたほかは、実施例1と同様にして、「(1) 脱蛋白天然ゴムラテックスの調製」と「(2) ゴム皮膜の作成」とを行った。
【0056】
実施例5
脱蛋白処理剤として、アルカリプロテアーゼ2重量部と、ラウリル硫酸ナトリウム〔界面活性剤H(No. H-2-1)〕49重量部と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム〔界面活性剤L(No. L-1-2)〕49重量部とを用いたほかは、実施例1と同様にして、「(1) 脱蛋白天然ゴムラテックスの調製」と「(2) ゴム皮膜の作成」とを行った。
【0057】
比較例1
脱蛋白処理剤として、アルカリプロテアーゼ2重量部と、オレイン酸カリウム〔界面活性剤H(No. H-1-1)〕98重量部とを用いたほかは(すなわち、界面活性剤Hを単独で用いたほかは)、実施例1と同様にして、「(1) 脱蛋白天然ゴムラテックスの調製」と「(2) ゴム皮膜の作成」とを行った。
比較例2
脱蛋白処理剤として、アルカリプロテアーゼ2重量部と、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム〔界面活性剤L(No. L-1-1)〕98重量部とを用いたほかは(すなわち、界面活性剤Lを単独で用いたほかは)、実施例1と同様にして、「(1) 脱蛋白天然ゴムラテックスの調製」と「(2) ゴム皮膜の作成」とを行った。
【0058】
比較例3
脱蛋白処理剤として、アルカリプロテアーゼ2重量部と、オレイン酸カリウム〔界面活性剤H(No. H-1-1)〕74重量部と、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム〔界面活性剤L(No. L-1-1)〕24重量部とを混合したものを用いたほかは、実施例1と同様にして、「(1) 脱蛋白天然ゴムラテックスの調製」と「(2) ゴム皮膜の作成」とを行った。
【0059】
比較例4
脱蛋白処理剤として、アルカリプロテアーゼ2重量部と、オレイン酸カリウム〔界面活性剤H(No. H-1-1)〕12重量部と、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム〔界面活性剤L(No. L-1-1)〕86重量部とを混合したものを用いたほかは、実施例1と同様にして、「(1) 脱蛋白天然ゴムラテックスの調製」と「(2) ゴム皮膜の作成」とを行った。
【0060】
(Ca2+に対する凝集性の評価)
(i) 上記実施例1〜5および比較例1〜4において、蛋白質の分解処理に用いた界面活性剤についてのCa2+に対する凝集性を評価した。評価は、蛋白質の分解処理に使用した界面活性剤を、脱蛋白処理剤中での含有割合と同じ割合で水に溶解させて、その濃度を10重量%に調整した上で、当該界面活性剤の水溶液をCa2+を含有する水溶液(25℃)に滴下することにより行った。また、測定を行ったCa2+濃度は、0.1mol/Lと1.0mol/Lの2種であった。評価の結果は下記の表3に示すとおりである。
【0061】
なお、表3に示した界面活性剤の含有割合は、下記の表4に示す脱蛋白処理剤中での界面活性剤の含有割合を表した概算値である。
(ii)上記実施例1〜5および比較例1〜4で得られた脱蛋白天然ゴムラテックスについて、そのCa2+に対する凝集性を評価した。評価は、脱蛋白天然ゴムラテックスのゴム固形分濃度が60重量%となるように調整した上で、当該ラテックスをCa2+を含有する水溶液(25℃)に滴下することにより行った。また、測定を行ったCa2+濃度は、0.01mol/Lと0.1mol/Lの2種であった。評価の結果は下記の表4に示すとおりである。
【0062】
(窒素含有量の測定)
上記実施例1〜5および比較例1〜4で得られた脱蛋白天然ゴムラテックスについて、その窒素含有率(N%)をケルダール法によって測定した。測定結果は、下記表4の「N%」欄に示すとおりである。
(加硫ゴム皮膜の特性評価)
上記実施例1〜5および比較例1〜4で得られたゴム製品(ゴム手袋)について、そのゴム皮膜の厚みと均一性との評価を行った。さらに、JIS K 6301 の規定に基づき、ゴム皮膜の引張強さTB (MPa)と切断時伸びEB (%)とを求めた。測定結果は下記の表5に示すとおりである。
【0063】
【表3】
Figure 0003673502
【0064】
【表4】
Figure 0003673502
【0065】
【表5】
Figure 0003673502
【0066】
表3〜表5より明らかなように、実施例1〜5で得られた脱蛋白天然ゴムラテックス、すなわち相対的にCa2+に対する凝集性が高い界面活性剤Hと、相対的にCa2+に対する凝集性が低い界面活性剤Lとを所定の割合で併用して蛋白質の分解処理を施すことによって得られた脱蛋白天然ゴムラテックスは、いずれもカルシウムイオン(Ca2+)濃度が0.01mol/L以下であるときにゴム分が凝集せず、かつ、Ca2+濃度が0.1mol/L以上であるときにゴム分が凝集した。
【0067】
それゆえ、実施例1〜5で得られた脱蛋白天然ゴムラテックスは、アノード凝着法によって成膜を行うのに好適であって、「膜厚」および「皮膜均一性」の結果からも明らかなように、アノード凝着法によって十分な膜厚を有するゴム製品の成膜加工が可能であることがわかった。
これに対し、界面活性剤Hのみを用いた比較例1や、界面活性剤Lに比べて界面活性剤Hの含有割合が極端に多かった比較例3では、Ca2+濃度が0.01mol/L以下のときにゴム分の凝集が生じてしまったため、十分な成膜を行うことができず、とりわけ皮膜の均一性が不良となるという問題が生じた。
【0068】
また、界面活性剤Lのみを用いた比較例2や、界面活性剤Hに比べて界面活性剤Lの含有割合が極端に多かった比較例4では、Ca2+濃度が0.1mol/L以上のときにもゴム分の凝集が生じず、その結果、十分な成膜を行うことができず、特に十分な膜厚の皮膜を均一に形成することができないという問題が生じた。

Claims (9)

  1. 蛋白質の分解および除去処理が施されてなる脱蛋白天然ゴムラテックスであって、カルシウムイオン(Ca2+)濃度が0.01mol/L以下であるときにゴム分の凝集が生じず、Ca2+濃度が0.1mol/L以上であるときにゴム分の凝集が生じることを特徴とする脱蛋白天然ゴムラテックス。
  2. 前記蛋白質の分解処理が、天然ゴムラテックスにプロテアーゼと、カルシウムイオン(Ca2+)に対する凝集性が異なる2種以上の界面活性剤と、を添加して熟成させることにより施されるものであって、
    前記2種以上の界面活性剤は、当該界面活性剤を含有する水溶液(25℃)のCa2+濃度が0.1mol/L以下であると安定に分散し、前記水溶液のCa2+濃度が1.0mol/L以上であると凝集するものである
    請求項1記載の脱蛋白天然ゴムラテックス。
  3. 前記蛋白質の分解および除去処理が施されてなる脱蛋白天然ゴムラテックスが、天然ゴムラテックスにプロテアーゼを添加して熟成させ、このラテックスに遠心分離を施してクリーム状のゴム固形分を取り出し、さらにこのゴム固形分を下記水性分散媒:
    カルシウムイオン(Ca2+)に対する凝集性が異なる2種以上の界面活性剤を含有しており、液温が25℃でCa2+濃度が0.1mol/L以下であるときに前記界面活性剤を安定に分散させ、液温が25℃でCa2+濃度が1.0mol/L以上であるときに前記界面活性剤を凝集させる水性分散媒
    に分散してなるものである
    請求項1記載の脱蛋白天然ゴムラテックス。
  4. 前記2種以上の界面活性剤が、
    カルボン酸系アニオン界面活性剤、高級アルコール硫酸エステル塩系アニオン界面活性剤、スルホン酸系アニオン界面活性剤およびリン酸系アニオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤Hと、
    高級アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩系アニオン界面活性剤および高級アルキルエーテル硫酸エステル塩系アニオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤Lと、
    を含むものである請求項2または3記載の脱蛋白天然ゴムラテックス。
  5. 蛋白質の分解処理時における前記2種以上の界面活性剤の総添加量が、前記天然ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対して0.01〜10重量部である請求項2記載の脱蛋白天然ゴムラテックス。
  6. 前記水性分散媒中での前記2種以上の界面活性剤の総含有量が、当該水性分散媒に分散されるゴム固形分100重量部に対して0.01〜10重量部である請求項3記載の脱蛋白天然ゴムラテックス。
  7. 天然ゴムラテックスにプロテアーゼと、カルシウムイオン(Ca2+)に対する凝集性が異なる2種以上の界面活性剤と、を添加した後、当該天然ゴムラテックスを熟成する脱蛋白天然ゴムラテックスの製造方法であって、
    前記2種以上の界面活性剤は、当該界面活性剤を含有する水溶液(25℃)のCa2+濃度が0.1mol/L以下であると安定に分散し、当該水溶液のCa2+濃度が1.0mol/L以上であると凝集するものであることを特徴とする
    脱蛋白天然ゴムラテックスの製造方法。
  8. 天然ゴムラテックスにプロテアーゼによる蛋白質の分解処理と遠心分離による蛋白質の除去処理とを施した後、こうして得られたクリーム状のゴム固形分を下記水性分散媒:
    カルシウムイオン(Ca2+)に対する凝集性が異なる2種以上の界面活性剤を含有しており、液温が25℃でCa2+濃度が0.1mol/L以下であるときに前記界面活性剤を安定に分散させ、液温が25℃でCa2+濃度が1.0mol/L以上であるときに前記2種以上の界面活性剤を凝集させる水性分散媒
    に分散させることを特徴とする脱蛋白天然ゴムラテックスの製造方法。
  9. 表面にアノード凝固剤が付着した浸漬型を、加硫剤が添加されてなる請求項1〜6のいずれかに記載の脱蛋白天然ゴムラテックスに浸漬し、こうして当該浸漬型の表面に形成されるゴム皮膜を加硫し、脱型させてなる、脱蛋白天然ゴムラテックスを用いたゴム製品。
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