JP2004107483A - ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】極めて柔軟性の高い皮膜を形成することのできる、特にゴム手袋形成用材料として好適なゴム組成物を提供する。
【解決手段】天然ゴムラテックスにプロテアーゼを添加して熟成させ、さらに遠心分離処理を施すことによって脱蛋白天然ゴムとし、さらに加硫剤等の所定の配合剤を加え、リン脂質を配合(外添)する。リン脂質の外添量は、好ましくは脱蛋白天然ゴムの固形分100重量部に対して0.1重量部以上とする。
【選択図】 なし
【解決手段】天然ゴムラテックスにプロテアーゼを添加して熟成させ、さらに遠心分離処理を施すことによって脱蛋白天然ゴムとし、さらに加硫剤等の所定の配合剤を加え、リン脂質を配合(外添)する。リン脂質の外添量は、好ましくは脱蛋白天然ゴムの固形分100重量部に対して0.1重量部以上とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は脱蛋白天然ゴムを含むゴム組成物に関し、特に、柔軟性に優れた皮膜を形成するのに適したゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
天然ゴムは伸びが大きく、弾性が高く、皮膜の強さが適度であり、しかも安価であるといった特徴を有することから、ゴム手袋を始めとして、その他幅広い分野で利用されている。
一方、近年、天然ゴム(NR)ラテックスを用いたゴム製品については、当該製品中に含まれる蛋白質を高度に除去することが求められている。これは、(a) 天然ゴム製品を人体の皮膚や粘膜と直接に接触させると呼吸困難やじんましん等の即時型(I型)アレルギーを誘発する場合があり、その原因物質として、天然ゴムラテックスに含まれる蛋白質が関与している旨の指摘がなされていること、(b) 前記蛋白質の種類や含有量はラテックスの産地や産出時期等によって異なるために、天然ゴム製品の品質や加硫特性等にばらつきを生じさせる原因となること、さらに(c) 前記蛋白質は、ゴム製品のクリープ特性、耐老化性等の機械特性、絶縁性等の電気特性を低下させる原因にもなること、が主な理由である。
【0003】
そこで、特許文献1〜3には、プロテアーゼと、陰イオン界面活性剤および/または非イオン界面活性剤との組合せによる脱蛋白処理剤と、天然ゴムラテックスに上記脱蛋白処理剤を加えて蛋白質を分解した後、遠心分離によってゴム分を洗浄する脱蛋白ゴムの製造方法と、が開示されている。
上記処理剤を用いた脱蛋白処理によれば、天然ゴムラテックス中の蛋白質を非常に高いレベルで除去することができる。かかる処理により得られる脱蛋白天然ゴムの蛋白質含有量を、ケルダール法によって測定される窒素含有量(N%)で示した場合、0.1重量%以下にまで低減させることができ、その結果、上記(a) 〜(c) の問題を著しく改善することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−56904号公報
【特許文献2】
特開平6−56905号公報
【特許文献3】
特開平6−56906号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
さらに驚くべきことに、こうして蛋白質の分解および除去処理(脱蛋白処理)が施された、いわゆる脱蛋白天然ゴム(DPNR)ラテックスを用いてなるゴム製品については、上記(a) 〜(c) の問題が改善されるだけでなく、脱蛋白処理を施していない通常の天然ゴムを用いたゴム製品と比べて柔軟性に優れたゴム皮膜(製品)を得ることができるという事実が知られている。
【0006】
しかしながら、例えばゴム組成物の用途がゴム手袋である場合には、長時間にわたってゴム手袋を装着した場合に生じる疲労感を低減するためにも、ゴム皮膜の柔軟性をより一層向上させることが求められる。
そこで本発明の目的は、極めて柔軟性の高い皮膜を形成することのできるゴム組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するための本発明に係るゴム組成物は、
プロテアーゼを添加して熟成させた天然ゴムラテックスに遠心分離処理を施してなる脱蛋白天然ゴムと、
加硫剤と、
外添されたリン脂質と、
を含むことを特徴とする。
【0008】
天然ゴム(NR)ラテックスは、ゴム分のほかに、蛋白質、無機塩類等の非ゴム分を含んでいるが、この非ゴム分にはリン脂質も含まれている。一般に、ゴムの樹から採取されたフレッシュラテックス(例えば、乾燥ゴム分37重量%,固形分総量40.5重量%のもの)には、蛋白質が0.5重量%程度、レシチンが0.48重量%程度含まれていることから、これをアンモニア等で安定化させ、さらに濃縮してなるNRラテックスでは、その窒素含有量をもとに換算して、ゴム分100重量部に対し0.5〜0.6重量部のレシチンが含まれていると推定される。
【0009】
一方、上記脱蛋白天然ゴム(DPNR)ラテックスは、NRラテックスにプロテアーゼを添加し、熟成させることによってラテックス中の蛋白質を分解し(蛋白質の分解処理)、さらに分解された蛋白質をプロテアーゼとともに遠心分離処理によって除去する(脱蛋白処理)ことにより得られるものであって、この脱蛋白処理の工程を経ることで、分解された蛋白質だけでなく、リン脂質等の非ゴム分までもが除去されている。
【0010】
具体的に、DPNRラテックスには、処理後の窒素含有量をもとに換算して、ゴム分100重量部に対し0.1〜0.2重量部のレシチンが含まれていると推定される。
ここで、リン脂質は、天然ゴム製品の使用によって引き起こされる即時型(I型)アレルギーの原因物質ではないと考えられるものの、非ゴム成分であるゆえに、前述の(b) および(c) に示したように、天然ゴム製品の品質や加硫特性等にばらつきを生じさせ、かつゴム製品の機械特性や電気特性を低下させる原因にもなると考えられていたことから、NRラテックス中から除去することの是非について、従来、特別な考慮がなされていなかった。
【0011】
しかしながら、本発明者らは、上記課題を解決するための研究の中で、プロテアーゼを用いた蛋白質の分解処理と、遠心分離による分解蛋白質の除去処理とによる脱蛋白処理が施されてなる天然ゴム中に、加硫剤等の皮膜形成に必要な添加剤を加えるとともに、さらに、あえてリン脂質を添加したときには、意外にも、柔軟性に優れたゴム皮膜を形成することができ、しかもその効果は、脱蛋白処理を施しただけのゴムと比べても優れているという全く新たな事実を見出した。上記本発明のゴム組成物は、かかる新規な事実に基づいて完成されたものである。
【0012】
本発明のゴム組成物において、リン脂質の外添量は、脱蛋白天然ゴムの固形分100重量部に対して0.1重量部以上であるのが、ゴム皮膜の柔軟性の向上効果を十分なものとする上で好ましい。
本発明のゴム組成物によれば、後述する実施例より明らかなように、当該ゴム組成物を用いて形成したゴム皮膜(ゴム製品)のモジュラスを、従来のゴム組成物を用いた場合に比べて、顕著に低下させることができる。それゆえ、単に脱蛋白処理を施した天然ゴムに比べても、より一層柔軟性に優れたゴム皮膜(ゴム製品)を得ることができる。かかるゴム組成物を用いて作製されたゴム手袋は、長時間にわたって装着した場合であっても、疲労感を感じにくいものとなる。
【0013】
すなわち、本発明のゴム組成物は、柔軟性に優れたゴム皮膜(ゴム製品)を必要とする用途において好適であって、とりわけ手袋用材料として好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るゴム組成物について詳細に説明する。
〔リン脂質〕
本発明のゴム組成物において、リン脂質には、従来公知の種々のものを用いることができ、グリセロリン脂質とスフィンゴリン脂質のいずれに分類されるものであってもよい。
前者のグリセロリン脂質の具体例としては、例えばレシチン(ホスファチジルコリン)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール(カルジオリピン)等が挙げられる。後者のスフィンゴリン脂質の具体例としては、例えばスフィンゴミエリン等が挙げられる。
【0015】
(リン脂質の含有量)
本発明のゴム組成物をなすゴム分は、プロテアーゼによる蛋白質の分解処理と、遠心分離による(分解)蛋白質の除去処理と、を施してなる天然ゴムラテックスに由来するものであることから、当該遠心分離処理によって、本来天然ゴムラテックスに微量ながら含まれているリン脂質が分解蛋白質等とともに除去されている。具体的に、DPNRラテックス中に残存するレシチン量は、前述のように、ゴム分100重量部に対して0.1〜0.2重量部程度であると推定される。
【0016】
本発明のゴム組成物において、外添される(すなわち、新たに添加される)リン脂質の含有量は、ゴム組成物の用途(ゴム組成物を形成してなる皮膜に要求される柔軟性の程度)、使用するリン脂質の種類等に応じて適宜設定されるものであって、特に限定されるものではないが、通常、外添するリン脂質の量を、脱蛋白天然ゴム100重量部に対して0.1重量部以上、好ましくは1.0重量部以上、より好ましくは2.0重量部以上の範囲に設定するのが好ましい。
【0017】
リン脂質の含有量が上記範囲を満たす場合には、当該ゴム組成物を用いて形成されるゴム皮膜(ゴム製品)を柔軟なものにするという本発明の効果を十分に発揮することができる。こうして得られるゴム皮膜の柔軟性は、ゴム手袋用の皮膜としてとりわけ良好である。
リン脂質の含有量の上限は特に限定されるものではないが、必要以上に配合しても柔軟性を向上させる効果に変化はなく、むしろコスト面で不利になる問題がある。使用するリン脂質の種類等によって異なるものの、リン脂質の含有量は、脱蛋白天然ゴム100重量部に対して10重量部以下とするのが好ましい。
【0018】
リン脂質の配合は、ゴム成分中での分散性を高めるために、例えばラテックス中に、アンモニア水等に分散させた状態で配合してもよい。
リン脂質の含有量は、例えば、試料のゴム固形分濃度が10重量%を下回る程度にまで希釈した後、これにマグネシア混液を加えてリン酸マグネシウムアンモニウム塩を生成させ、さらにこれを遠心分離してその沈殿物を分離、採取し、水酸化Na水溶液で沈殿を溶解させた後、塩酸またはフェノールフタレイン溶液で中和滴定を行なうことにより測定すればよい。
【0019】
〔脱蛋白天然ゴム〕
本発明に用いられる脱蛋白天然ゴムは、天然ゴムラテックスにプロテアーゼを添加し、熟成させることによって蛋白質の分解処理を施し、さらに、遠心分離によって(分解)蛋白質の除去処理(脱蛋白処理)を施して得られるものである。本発明に用いられる、蛋白質の分解処理が施されてなる天然ゴムは、例えば天然ゴムラテックスにプロテアーゼを添加し、熟成させるといった、従来公知の種々の方法で蛋白分解処理を行ったものである。
【0020】
脱蛋白天然ゴムの原料となる天然ゴムラテックスおよび蛋白質の分解処理を施すための天然ゴムラテックスは、ゴム樹液として得られるフィールドラテックスまたはアンモニア保存濃縮ラテックスのいずれであってもよい。
蛋白質の分解処理の方法については特に限定されるものではなく、従来公知の種々の方法を採用することができる。なかでも、天然ゴムラテックスにプロテアーゼと界面活性剤とを加えて熟成させ、遠心分離によってゴム分を分離、精製する方法が、蛋白分解の効果が高いことから好適である。
【0021】
(プロテアーゼ)
脱蛋白処理および蛋白質の分解処理に用いられるプロテアーゼは特に限定されるものではなく、従来公知の種々のものが挙げられるが、中でもアルカリプロテアーゼが好適である。プロテアーゼの由来としては、細菌由来のもの、糸状菌由来のもの、酵母由来のもの等いずれのものであってもよいが、これらの中では細菌由来のもので、特にBacillus属のものが好ましい。また、リパーゼ、エステラーゼ、アミラーゼ、ラッカーゼ、セルラーゼ等の酵素を併用することも可能である。
【0022】
アルカリプロテアーゼを用いる場合において、その活性〔アンソン−ヘモグロビン法(Anson. M. L.,J. Gen. Physiol.,22,79(1938))の改良法による測定値〕は0.1〜50APU/g、好ましくは1〜25APU/gの範囲であるのが適当である。
脱蛋白処理および蛋白質の分解処理に使用するプロテアーゼの量はプロテアーゼ自体の活性に応じて変動するものであって、特に限定されるものではない。しかし、一般的には、プロテアーゼの含有量が天然ゴムラテックス中のゴム分100重量部に対して0.0001〜20重量部となるように調整するのが好ましく、0.001〜10重量部となるように調整するのがより好ましい。プロテアーゼの含有量が上記範囲内であると、プロテアーゼの活性を保持しつつラテックス中の蛋白質を十分に分解することができ、あるいはプロテアーゼの使用量に見合った効果を有効に発現でき、コスト的に有利になる。
【0023】
(界面活性剤)
脱蛋白処理および蛋白質の分解処理には、蛋白質の分解効果を向上させるという観点から、上記プロテアーゼとともに界面活性剤を使用するのが好ましい。かかる界面活性剤には、例えばアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤が挙げられる。
アニオン界面活性剤には、例えばカルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系、リン酸エステル系等の界面活性剤が挙げられる。ノニオン界面活性剤には、例えばポリオキシアルキレンエーテル系、ポリオキシアルキレンエステル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、糖脂肪酸エステル系、アルキルポリグリコシド系等の界面活性剤が挙げられる。
【0024】
(脱蛋白処理)
脱蛋白処理および蛋白質の分解処理は、原料となる天然ゴムラテックスに上記プロテアーゼと界面活性剤とを所定量添加して、数十分から1週間程度、好ましくは1〜3日程度熟成させることによって行なわれる。かかる熟成により、天然ゴムラテックスに対する蛋白質分解処理を実現することができる。
この熟成処理は、ラテックスを撹拌しながら行なってもよく、静置した状態で行なってもよい。また、必要に応じて温度調整を行なってもよい。酵素の活性を十分なものとするには、5〜90℃にするのが好ましく、20〜60℃に調整するのがより好ましい。5℃を下回ると酵素反応が進まないおそれがあり、逆に90℃を超えると酵素の失活のおそれがある。
【0025】
蛋白分解処理後の、ラテックス中のゴム粒子の洗浄(精製)処理としては特に限定されるものではないが、例えば遠心分離、限外濾過法等によってラテックスを濃縮し、水中に移行した蛋白質分解物等の非ゴム成分と、ラテックス中のゴム粒子とを分離する処理や、ゴム粒子を酸等によって凝集させて分離する処理が挙げられる。中でも、遠心分離処理により精製を行なうのが、精製の精度、効率等の観点からもっとも好ましい。
【0026】
(脱蛋白および蛋白分解の程度)
脱蛋白処理の程度は特に限定されるものではないが、最終のゴム製品に対して低アレルギー性を付与するという観点から、処理後のケルダール法による窒素含有量(N%)が0.1%以下となるように調整するのが好ましい。上記窒素含有量(N%)は、上記範囲の中でも特に0.05%以下であるのが好ましく、0.02%以下であるのがより好ましい。
【0027】
窒素含有量が上記範囲を超えると脱蛋白の程度が不十分になり、最終ゴム製品の使用によりアレルギーが発生してしまうのを十分に抑制することができなくなるおそれがある。
蛋白分解処理の程度についても特に限定されるものではないが、最終のゴム製品に対して低アレルギー性を付与するという観点から、数平均分子量で4500以上の蛋白質およびその分解生成物が検出されない程度にまで分解されているのが好ましい。
【0028】
脱蛋白および蛋白分解の程度は、赤外線吸収スペクトルでの蛋白質に基づく吸収の有無および吸収の程度によっても確認することができる。本発明に用いられるゴムについては、短鎖ペプチドまたはアミノ酸に由来する3320cm−1の吸収が観察されてもよいが、アレルギーの原因となる高分子ポリペプチドに由来する3280cm−1の吸収は小さい方が好ましく、3280cm−1に吸収が全く観察されないのがより好ましい。
【0029】
〔加硫剤等の添加剤〕
本発明のゴム組成物には、加硫剤、およびその他の皮膜形成に必要な添加剤が配合される。
(加硫剤)
加硫剤としては、例えば硫黄や有機含硫黄化合物等が挙げられる。加硫剤の配合量は特に限定されるものではないが、通常、ゴム分100重量部に対して0.5〜3重量部の範囲で設定される。
【0030】
本発明のゴム組成物には、上記加硫剤とともに、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤等の、従来公知の種々の加硫系配合剤を配合することもできる。
加硫促進剤としては、例えばPX(N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛)、PZ(ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛)、EZ(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)、BZ(ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛)、MZ(2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩)、TT(テトラメチルチウラムジスルフィド)等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。加硫促進剤の配合量は、ゴム固形分100重量部に対して0.5〜3重量部程度であるのが好ましい。加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華等が挙げられる。加硫促進助剤の配合量は、ゴム分100重量部に対して0.5〜3重量部であるのが好ましい。
【0031】
(他の添加剤)
本発明のゴム組成物には、ゴム製品に求められる性質等に応じて、上記加硫系配合剤以外の他の配合剤を添加することができる。
かかる他の添加剤としては、例えば老化防止剤、充填剤、可塑剤、軟化剤、補強剤等の、従来公知の種々の添加剤が挙げられる。
老化防止剤としては、一般に、CPL(ヒンダート・フェノール)、アンテーージW−300〔4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)〕等の、非汚染性のフェノール類が好適であるが、オクチル化ジフェニルアミン等のアミン類を使用してもよい。老化防止剤の配合量は、ラテックスのゴム固形分100重量部に対して0.5〜3重量部程度であるのが好ましい。
【0032】
充填剤としては、例えばカオリンクレー、ハードクレー、炭酸カルシウム等が挙げられる。充填剤の配合量は、ラテックスのゴム固形分100重量部に対して10重量部以下であるのが好ましい。
また、上記各添加剤のゴムラテックス中への分散を良好にするために分散剤を配合してもよい。かかる分散剤としては、例えば各種の界面活性剤等、とりわけアニオン界面活性剤が挙げられる。分散剤の配合量は、分散対象である成分における重量の0.3〜1.0重量%程度であるのが好ましい。なお、上記界面活性剤の含有量が多くなると、ラテックスの安定性が過度になり、安定性と感熱凝固性とを両立した本発明の効果が損なわれるおそれがあり、また、粘度が上昇して加工性が損なわれるおそれがある。従って、分散剤として界面活性剤を配合する場合には、その配合量に十分な注意を払う必要がある。
【0033】
〔ゴム製品の製造〕
本発明のゴム組成物は、例えばラテックスの状態で種々のゴム製品(浸漬製品)の製造の用に供してもよく、固形ゴムの状態で種々の加工の用に供してもよい。特に限定されるものではないが、柔軟性に優れたゴム皮膜を形成することができるという本発明の特徴を考慮するならば、本発明のゴム組成物は、ラテックス状態に調製した上で浸漬法によるゴム製品の製造に供するのが好ましい。
本発明のゴム組成物を用いて浸漬製品を製造する場合において、当該浸漬製品は、例えばラテックス状態に調製された本発明のゴム組成物に、あらかじめ表面にアノード凝固剤を付着させた浸漬型を浸漬してゴム皮膜を形成し、次いで、これを加硫して脱型することにより得られる。かかる浸漬製品には、例えばゴム手袋等が挙げられる。
【0034】
(アノード凝固剤)
浸漬型の表面にあらかじめ付着させておくアノード凝固剤としては、これに限定されるものではないが、例えばイオン価が2以上の金属塩や有機アルキルアミン塩等が挙げられる。イオン価が2以上の金属塩としては、硝酸カルシウム、塩化カルシウム等が挙げられる。これらのアノード凝固剤は一般に水溶液として使用されるものである。
【0035】
ゴム皮膜の形成時(成膜時)におけるアノード凝固剤の濃度は常法に従って設定すればよく、特に限定されるものではないが、通常、5〜20重量%、好ましくは10〜15重量%となるように設定される。この濃度は、アノード凝固剤が硝酸カルシウム(式量164)であると仮定した場合において、Ca2+濃度に換算すると、0.3〜1.2mol/L程度、好ましくは0.6〜0.9mol/L程度である。
【0036】
上記ゴム製品の製造に用いられる浸漬型は、目的とするゴム製品の形状に応じたものであればよい。例えば、ゴム製品がゴム手袋の場合、浸漬型には、従来公知の手型を用いればよい。成膜条件は、目的とするゴム製品の種類、ゴム皮膜の厚み等に応じて、常法に従って設定すればよい。
【0037】
【実施例】
次に、実施例および比較例を挙げて、本発明を説明する。
〔参考例〕
脱蛋白天然ゴムラテックスの調製
天然ゴムのハイアンモニアラテックス〔ゴム固形分60重量%、ケルダール法による窒素含有量0.3%、リン脂質(天然ゴムラテックス由来のもの)の含有量0.6重量%〕を、その固形分(ゴム分)濃度が30重量%となるように希釈した。
【0038】
次いで、ハイアンモニアラテックスのゴム分100重量部に対し、アルカリプロテアーゼ(蛋白分解酵素)0.07重量部と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業(株)製のアニオン界面活性剤)1.0重量部とを添加して、30℃で24時間静置した。
静置後、ラテックスに、13000rpmで30分間遠心分離処理を施し、上層に分離したクリーム分を取り出した。さらに、このクリーム分を同体積の水に再分散させることによって、脱蛋白天然ゴムラテックスを得た。
【0039】
得られた脱蛋白天然ゴムラテックスの窒素含有量をケルダール法によって測定したところ、0.017%であった。また、リン脂質の含有量を測定したところ、0.1重量%であった。
リン脂質の含有量は、試料のゴム固形分濃度を10重量%以下となるように希釈してマグネシア混液を加え、リン酸マグネシウムアンモニウム塩を生成させた後、これを遠心分離してその沈殿物を分離、採取し、水酸化Na水溶液で沈殿を溶解させた後、塩酸またはフェノールフタレイン溶液で中和滴定を行なうことにより測定した。
【0040】
〔実施例1〕
配合ラテックスの調製
上記参考例で得られた脱蛋白天然ゴムラテックスのゴム分100重量部に対して、硫黄を1.0重量部、亜鉛華を1.0重量部、加硫促進剤BZ(ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛)を1.0重量部、およびリン脂質であるレシチンを1.0重量部秤量して、適量の水酸化カリウム(pH調整剤)とともにボールミルで分散させた。その後、これらの添加剤を脱蛋白天然ゴムラテックスに加え、十分に攪拌して分散させることにより、配合ラテックスを調整した。なお、水酸化カリウムは、外添されたレシチンに伴って生じたラテックスのpH変化を調整するために用いた。
ゴム手袋の製造
手袋の型を20%の硝酸カルシウム水溶液(凝固液)に浸漬し、その表面を十分乾燥させた上で、上記配合ラテックスに浸漬した。
型を配合ラテックスから引き上げた後、100℃で35分間加熱し、加硫されたゴム皮膜を脱型することによって、ゴム手袋を得た。
【0041】
〔実施例2および3〕
配合ラテックス中でのレシチンの含有量(外添量)を、脱蛋白天然ゴム100重量部に対して2.0重量部(実施例2)または5.0重量部(実施例3)としたほかは、実施例1と同様にして配合ラテックスの調製とゴム手袋の製造とを行なった。
【0042】
〔比較例1〕
配合ラテックス中にレシチンを添加(外添)しなかったほかは、実施例1と同様にして配合ラテックスの調製とゴム手袋の製造とを行なった。
〔比較例2〕
脱蛋白天然ゴムラテックスに代えて、前出のハイアンモニアラテックス(ゴム固形分60重量%、ケルダール法による窒素含有量0.3%、リン脂質の含有量0.6重量%)を使用し、かつ、レシチンの外添を行なわなかったほかは、実施例1と同様にして配合ラテックスの調製とゴム手袋の製造とを行なった。
【0043】
〔ゴム手袋の物性評価〕
実施例1〜3および比較例1〜3で得られたゴム手袋と、対照1〜3のゴム手袋について、下記の引張試験を行なってその物性を評価した。
引張試験
ゴム手袋のゴム皮膜を打ち抜いて、引張試験用の試験片(ダンベル状4号形,JIS K 6251)を作製した。この試験片を用いて、JIS K 6251「加硫ゴムの引張試験方法」に所載の試験方法に従って、引張強さTB (MPa)、300%伸び時における引張応力M300 (MPa)、500%伸び時における引張応力M500 (MPa)および切断時伸び(%)を求めた。なお、試験は、引張速度を500mm/minに設定して行なった。
【0044】
【表1】
【0045】
表1中、物性評価の「比率」欄の数値は、比較例1の物性値を100としたときの相対値である。
「リン脂質」欄における「ラテックス由来」欄の数値は、天然ゴムラテックスに含まれるリン脂質のうち、脱蛋白天然ゴムに残存しているリン脂質の量(ゴム分100重量部に対する重量部)を示す。この値は、脱蛋白処理によって窒素含有量が低減した程度に応じて求めた推定値である。
【0046】
「レシチン(外添)」欄の数値は、配合ラテックス作製時に添加(外添)されたレシチンの量(ゴム分100重量部に対する重量部)を示す。
表1に示した実施例1〜3と比較例1および2との比較より明らかなように、ゴム組成物のゴム成分として脱蛋白天然ゴムを使用し、さらにそのゴム組成物にリン脂質を添加(外添)したときには、引張応力(モジュラス)の低いゴム皮膜を形成できることが分かった。
【0047】
さらに、実施例1〜3と比較例2との比較より明らかなように、ゴム成分に脱蛋白処理を施すことで、リン脂質の添加(外添)に伴う引張応力の低減効果を著しく大きなものとすることができた。
【発明の属する技術分野】
本発明は脱蛋白天然ゴムを含むゴム組成物に関し、特に、柔軟性に優れた皮膜を形成するのに適したゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
天然ゴムは伸びが大きく、弾性が高く、皮膜の強さが適度であり、しかも安価であるといった特徴を有することから、ゴム手袋を始めとして、その他幅広い分野で利用されている。
一方、近年、天然ゴム(NR)ラテックスを用いたゴム製品については、当該製品中に含まれる蛋白質を高度に除去することが求められている。これは、(a) 天然ゴム製品を人体の皮膚や粘膜と直接に接触させると呼吸困難やじんましん等の即時型(I型)アレルギーを誘発する場合があり、その原因物質として、天然ゴムラテックスに含まれる蛋白質が関与している旨の指摘がなされていること、(b) 前記蛋白質の種類や含有量はラテックスの産地や産出時期等によって異なるために、天然ゴム製品の品質や加硫特性等にばらつきを生じさせる原因となること、さらに(c) 前記蛋白質は、ゴム製品のクリープ特性、耐老化性等の機械特性、絶縁性等の電気特性を低下させる原因にもなること、が主な理由である。
【0003】
そこで、特許文献1〜3には、プロテアーゼと、陰イオン界面活性剤および/または非イオン界面活性剤との組合せによる脱蛋白処理剤と、天然ゴムラテックスに上記脱蛋白処理剤を加えて蛋白質を分解した後、遠心分離によってゴム分を洗浄する脱蛋白ゴムの製造方法と、が開示されている。
上記処理剤を用いた脱蛋白処理によれば、天然ゴムラテックス中の蛋白質を非常に高いレベルで除去することができる。かかる処理により得られる脱蛋白天然ゴムの蛋白質含有量を、ケルダール法によって測定される窒素含有量(N%)で示した場合、0.1重量%以下にまで低減させることができ、その結果、上記(a) 〜(c) の問題を著しく改善することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−56904号公報
【特許文献2】
特開平6−56905号公報
【特許文献3】
特開平6−56906号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
さらに驚くべきことに、こうして蛋白質の分解および除去処理(脱蛋白処理)が施された、いわゆる脱蛋白天然ゴム(DPNR)ラテックスを用いてなるゴム製品については、上記(a) 〜(c) の問題が改善されるだけでなく、脱蛋白処理を施していない通常の天然ゴムを用いたゴム製品と比べて柔軟性に優れたゴム皮膜(製品)を得ることができるという事実が知られている。
【0006】
しかしながら、例えばゴム組成物の用途がゴム手袋である場合には、長時間にわたってゴム手袋を装着した場合に生じる疲労感を低減するためにも、ゴム皮膜の柔軟性をより一層向上させることが求められる。
そこで本発明の目的は、極めて柔軟性の高い皮膜を形成することのできるゴム組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するための本発明に係るゴム組成物は、
プロテアーゼを添加して熟成させた天然ゴムラテックスに遠心分離処理を施してなる脱蛋白天然ゴムと、
加硫剤と、
外添されたリン脂質と、
を含むことを特徴とする。
【0008】
天然ゴム(NR)ラテックスは、ゴム分のほかに、蛋白質、無機塩類等の非ゴム分を含んでいるが、この非ゴム分にはリン脂質も含まれている。一般に、ゴムの樹から採取されたフレッシュラテックス(例えば、乾燥ゴム分37重量%,固形分総量40.5重量%のもの)には、蛋白質が0.5重量%程度、レシチンが0.48重量%程度含まれていることから、これをアンモニア等で安定化させ、さらに濃縮してなるNRラテックスでは、その窒素含有量をもとに換算して、ゴム分100重量部に対し0.5〜0.6重量部のレシチンが含まれていると推定される。
【0009】
一方、上記脱蛋白天然ゴム(DPNR)ラテックスは、NRラテックスにプロテアーゼを添加し、熟成させることによってラテックス中の蛋白質を分解し(蛋白質の分解処理)、さらに分解された蛋白質をプロテアーゼとともに遠心分離処理によって除去する(脱蛋白処理)ことにより得られるものであって、この脱蛋白処理の工程を経ることで、分解された蛋白質だけでなく、リン脂質等の非ゴム分までもが除去されている。
【0010】
具体的に、DPNRラテックスには、処理後の窒素含有量をもとに換算して、ゴム分100重量部に対し0.1〜0.2重量部のレシチンが含まれていると推定される。
ここで、リン脂質は、天然ゴム製品の使用によって引き起こされる即時型(I型)アレルギーの原因物質ではないと考えられるものの、非ゴム成分であるゆえに、前述の(b) および(c) に示したように、天然ゴム製品の品質や加硫特性等にばらつきを生じさせ、かつゴム製品の機械特性や電気特性を低下させる原因にもなると考えられていたことから、NRラテックス中から除去することの是非について、従来、特別な考慮がなされていなかった。
【0011】
しかしながら、本発明者らは、上記課題を解決するための研究の中で、プロテアーゼを用いた蛋白質の分解処理と、遠心分離による分解蛋白質の除去処理とによる脱蛋白処理が施されてなる天然ゴム中に、加硫剤等の皮膜形成に必要な添加剤を加えるとともに、さらに、あえてリン脂質を添加したときには、意外にも、柔軟性に優れたゴム皮膜を形成することができ、しかもその効果は、脱蛋白処理を施しただけのゴムと比べても優れているという全く新たな事実を見出した。上記本発明のゴム組成物は、かかる新規な事実に基づいて完成されたものである。
【0012】
本発明のゴム組成物において、リン脂質の外添量は、脱蛋白天然ゴムの固形分100重量部に対して0.1重量部以上であるのが、ゴム皮膜の柔軟性の向上効果を十分なものとする上で好ましい。
本発明のゴム組成物によれば、後述する実施例より明らかなように、当該ゴム組成物を用いて形成したゴム皮膜(ゴム製品)のモジュラスを、従来のゴム組成物を用いた場合に比べて、顕著に低下させることができる。それゆえ、単に脱蛋白処理を施した天然ゴムに比べても、より一層柔軟性に優れたゴム皮膜(ゴム製品)を得ることができる。かかるゴム組成物を用いて作製されたゴム手袋は、長時間にわたって装着した場合であっても、疲労感を感じにくいものとなる。
【0013】
すなわち、本発明のゴム組成物は、柔軟性に優れたゴム皮膜(ゴム製品)を必要とする用途において好適であって、とりわけ手袋用材料として好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るゴム組成物について詳細に説明する。
〔リン脂質〕
本発明のゴム組成物において、リン脂質には、従来公知の種々のものを用いることができ、グリセロリン脂質とスフィンゴリン脂質のいずれに分類されるものであってもよい。
前者のグリセロリン脂質の具体例としては、例えばレシチン(ホスファチジルコリン)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール(カルジオリピン)等が挙げられる。後者のスフィンゴリン脂質の具体例としては、例えばスフィンゴミエリン等が挙げられる。
【0015】
(リン脂質の含有量)
本発明のゴム組成物をなすゴム分は、プロテアーゼによる蛋白質の分解処理と、遠心分離による(分解)蛋白質の除去処理と、を施してなる天然ゴムラテックスに由来するものであることから、当該遠心分離処理によって、本来天然ゴムラテックスに微量ながら含まれているリン脂質が分解蛋白質等とともに除去されている。具体的に、DPNRラテックス中に残存するレシチン量は、前述のように、ゴム分100重量部に対して0.1〜0.2重量部程度であると推定される。
【0016】
本発明のゴム組成物において、外添される(すなわち、新たに添加される)リン脂質の含有量は、ゴム組成物の用途(ゴム組成物を形成してなる皮膜に要求される柔軟性の程度)、使用するリン脂質の種類等に応じて適宜設定されるものであって、特に限定されるものではないが、通常、外添するリン脂質の量を、脱蛋白天然ゴム100重量部に対して0.1重量部以上、好ましくは1.0重量部以上、より好ましくは2.0重量部以上の範囲に設定するのが好ましい。
【0017】
リン脂質の含有量が上記範囲を満たす場合には、当該ゴム組成物を用いて形成されるゴム皮膜(ゴム製品)を柔軟なものにするという本発明の効果を十分に発揮することができる。こうして得られるゴム皮膜の柔軟性は、ゴム手袋用の皮膜としてとりわけ良好である。
リン脂質の含有量の上限は特に限定されるものではないが、必要以上に配合しても柔軟性を向上させる効果に変化はなく、むしろコスト面で不利になる問題がある。使用するリン脂質の種類等によって異なるものの、リン脂質の含有量は、脱蛋白天然ゴム100重量部に対して10重量部以下とするのが好ましい。
【0018】
リン脂質の配合は、ゴム成分中での分散性を高めるために、例えばラテックス中に、アンモニア水等に分散させた状態で配合してもよい。
リン脂質の含有量は、例えば、試料のゴム固形分濃度が10重量%を下回る程度にまで希釈した後、これにマグネシア混液を加えてリン酸マグネシウムアンモニウム塩を生成させ、さらにこれを遠心分離してその沈殿物を分離、採取し、水酸化Na水溶液で沈殿を溶解させた後、塩酸またはフェノールフタレイン溶液で中和滴定を行なうことにより測定すればよい。
【0019】
〔脱蛋白天然ゴム〕
本発明に用いられる脱蛋白天然ゴムは、天然ゴムラテックスにプロテアーゼを添加し、熟成させることによって蛋白質の分解処理を施し、さらに、遠心分離によって(分解)蛋白質の除去処理(脱蛋白処理)を施して得られるものである。本発明に用いられる、蛋白質の分解処理が施されてなる天然ゴムは、例えば天然ゴムラテックスにプロテアーゼを添加し、熟成させるといった、従来公知の種々の方法で蛋白分解処理を行ったものである。
【0020】
脱蛋白天然ゴムの原料となる天然ゴムラテックスおよび蛋白質の分解処理を施すための天然ゴムラテックスは、ゴム樹液として得られるフィールドラテックスまたはアンモニア保存濃縮ラテックスのいずれであってもよい。
蛋白質の分解処理の方法については特に限定されるものではなく、従来公知の種々の方法を採用することができる。なかでも、天然ゴムラテックスにプロテアーゼと界面活性剤とを加えて熟成させ、遠心分離によってゴム分を分離、精製する方法が、蛋白分解の効果が高いことから好適である。
【0021】
(プロテアーゼ)
脱蛋白処理および蛋白質の分解処理に用いられるプロテアーゼは特に限定されるものではなく、従来公知の種々のものが挙げられるが、中でもアルカリプロテアーゼが好適である。プロテアーゼの由来としては、細菌由来のもの、糸状菌由来のもの、酵母由来のもの等いずれのものであってもよいが、これらの中では細菌由来のもので、特にBacillus属のものが好ましい。また、リパーゼ、エステラーゼ、アミラーゼ、ラッカーゼ、セルラーゼ等の酵素を併用することも可能である。
【0022】
アルカリプロテアーゼを用いる場合において、その活性〔アンソン−ヘモグロビン法(Anson. M. L.,J. Gen. Physiol.,22,79(1938))の改良法による測定値〕は0.1〜50APU/g、好ましくは1〜25APU/gの範囲であるのが適当である。
脱蛋白処理および蛋白質の分解処理に使用するプロテアーゼの量はプロテアーゼ自体の活性に応じて変動するものであって、特に限定されるものではない。しかし、一般的には、プロテアーゼの含有量が天然ゴムラテックス中のゴム分100重量部に対して0.0001〜20重量部となるように調整するのが好ましく、0.001〜10重量部となるように調整するのがより好ましい。プロテアーゼの含有量が上記範囲内であると、プロテアーゼの活性を保持しつつラテックス中の蛋白質を十分に分解することができ、あるいはプロテアーゼの使用量に見合った効果を有効に発現でき、コスト的に有利になる。
【0023】
(界面活性剤)
脱蛋白処理および蛋白質の分解処理には、蛋白質の分解効果を向上させるという観点から、上記プロテアーゼとともに界面活性剤を使用するのが好ましい。かかる界面活性剤には、例えばアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤が挙げられる。
アニオン界面活性剤には、例えばカルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系、リン酸エステル系等の界面活性剤が挙げられる。ノニオン界面活性剤には、例えばポリオキシアルキレンエーテル系、ポリオキシアルキレンエステル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、糖脂肪酸エステル系、アルキルポリグリコシド系等の界面活性剤が挙げられる。
【0024】
(脱蛋白処理)
脱蛋白処理および蛋白質の分解処理は、原料となる天然ゴムラテックスに上記プロテアーゼと界面活性剤とを所定量添加して、数十分から1週間程度、好ましくは1〜3日程度熟成させることによって行なわれる。かかる熟成により、天然ゴムラテックスに対する蛋白質分解処理を実現することができる。
この熟成処理は、ラテックスを撹拌しながら行なってもよく、静置した状態で行なってもよい。また、必要に応じて温度調整を行なってもよい。酵素の活性を十分なものとするには、5〜90℃にするのが好ましく、20〜60℃に調整するのがより好ましい。5℃を下回ると酵素反応が進まないおそれがあり、逆に90℃を超えると酵素の失活のおそれがある。
【0025】
蛋白分解処理後の、ラテックス中のゴム粒子の洗浄(精製)処理としては特に限定されるものではないが、例えば遠心分離、限外濾過法等によってラテックスを濃縮し、水中に移行した蛋白質分解物等の非ゴム成分と、ラテックス中のゴム粒子とを分離する処理や、ゴム粒子を酸等によって凝集させて分離する処理が挙げられる。中でも、遠心分離処理により精製を行なうのが、精製の精度、効率等の観点からもっとも好ましい。
【0026】
(脱蛋白および蛋白分解の程度)
脱蛋白処理の程度は特に限定されるものではないが、最終のゴム製品に対して低アレルギー性を付与するという観点から、処理後のケルダール法による窒素含有量(N%)が0.1%以下となるように調整するのが好ましい。上記窒素含有量(N%)は、上記範囲の中でも特に0.05%以下であるのが好ましく、0.02%以下であるのがより好ましい。
【0027】
窒素含有量が上記範囲を超えると脱蛋白の程度が不十分になり、最終ゴム製品の使用によりアレルギーが発生してしまうのを十分に抑制することができなくなるおそれがある。
蛋白分解処理の程度についても特に限定されるものではないが、最終のゴム製品に対して低アレルギー性を付与するという観点から、数平均分子量で4500以上の蛋白質およびその分解生成物が検出されない程度にまで分解されているのが好ましい。
【0028】
脱蛋白および蛋白分解の程度は、赤外線吸収スペクトルでの蛋白質に基づく吸収の有無および吸収の程度によっても確認することができる。本発明に用いられるゴムについては、短鎖ペプチドまたはアミノ酸に由来する3320cm−1の吸収が観察されてもよいが、アレルギーの原因となる高分子ポリペプチドに由来する3280cm−1の吸収は小さい方が好ましく、3280cm−1に吸収が全く観察されないのがより好ましい。
【0029】
〔加硫剤等の添加剤〕
本発明のゴム組成物には、加硫剤、およびその他の皮膜形成に必要な添加剤が配合される。
(加硫剤)
加硫剤としては、例えば硫黄や有機含硫黄化合物等が挙げられる。加硫剤の配合量は特に限定されるものではないが、通常、ゴム分100重量部に対して0.5〜3重量部の範囲で設定される。
【0030】
本発明のゴム組成物には、上記加硫剤とともに、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤等の、従来公知の種々の加硫系配合剤を配合することもできる。
加硫促進剤としては、例えばPX(N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛)、PZ(ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛)、EZ(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)、BZ(ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛)、MZ(2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩)、TT(テトラメチルチウラムジスルフィド)等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。加硫促進剤の配合量は、ゴム固形分100重量部に対して0.5〜3重量部程度であるのが好ましい。加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華等が挙げられる。加硫促進助剤の配合量は、ゴム分100重量部に対して0.5〜3重量部であるのが好ましい。
【0031】
(他の添加剤)
本発明のゴム組成物には、ゴム製品に求められる性質等に応じて、上記加硫系配合剤以外の他の配合剤を添加することができる。
かかる他の添加剤としては、例えば老化防止剤、充填剤、可塑剤、軟化剤、補強剤等の、従来公知の種々の添加剤が挙げられる。
老化防止剤としては、一般に、CPL(ヒンダート・フェノール)、アンテーージW−300〔4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)〕等の、非汚染性のフェノール類が好適であるが、オクチル化ジフェニルアミン等のアミン類を使用してもよい。老化防止剤の配合量は、ラテックスのゴム固形分100重量部に対して0.5〜3重量部程度であるのが好ましい。
【0032】
充填剤としては、例えばカオリンクレー、ハードクレー、炭酸カルシウム等が挙げられる。充填剤の配合量は、ラテックスのゴム固形分100重量部に対して10重量部以下であるのが好ましい。
また、上記各添加剤のゴムラテックス中への分散を良好にするために分散剤を配合してもよい。かかる分散剤としては、例えば各種の界面活性剤等、とりわけアニオン界面活性剤が挙げられる。分散剤の配合量は、分散対象である成分における重量の0.3〜1.0重量%程度であるのが好ましい。なお、上記界面活性剤の含有量が多くなると、ラテックスの安定性が過度になり、安定性と感熱凝固性とを両立した本発明の効果が損なわれるおそれがあり、また、粘度が上昇して加工性が損なわれるおそれがある。従って、分散剤として界面活性剤を配合する場合には、その配合量に十分な注意を払う必要がある。
【0033】
〔ゴム製品の製造〕
本発明のゴム組成物は、例えばラテックスの状態で種々のゴム製品(浸漬製品)の製造の用に供してもよく、固形ゴムの状態で種々の加工の用に供してもよい。特に限定されるものではないが、柔軟性に優れたゴム皮膜を形成することができるという本発明の特徴を考慮するならば、本発明のゴム組成物は、ラテックス状態に調製した上で浸漬法によるゴム製品の製造に供するのが好ましい。
本発明のゴム組成物を用いて浸漬製品を製造する場合において、当該浸漬製品は、例えばラテックス状態に調製された本発明のゴム組成物に、あらかじめ表面にアノード凝固剤を付着させた浸漬型を浸漬してゴム皮膜を形成し、次いで、これを加硫して脱型することにより得られる。かかる浸漬製品には、例えばゴム手袋等が挙げられる。
【0034】
(アノード凝固剤)
浸漬型の表面にあらかじめ付着させておくアノード凝固剤としては、これに限定されるものではないが、例えばイオン価が2以上の金属塩や有機アルキルアミン塩等が挙げられる。イオン価が2以上の金属塩としては、硝酸カルシウム、塩化カルシウム等が挙げられる。これらのアノード凝固剤は一般に水溶液として使用されるものである。
【0035】
ゴム皮膜の形成時(成膜時)におけるアノード凝固剤の濃度は常法に従って設定すればよく、特に限定されるものではないが、通常、5〜20重量%、好ましくは10〜15重量%となるように設定される。この濃度は、アノード凝固剤が硝酸カルシウム(式量164)であると仮定した場合において、Ca2+濃度に換算すると、0.3〜1.2mol/L程度、好ましくは0.6〜0.9mol/L程度である。
【0036】
上記ゴム製品の製造に用いられる浸漬型は、目的とするゴム製品の形状に応じたものであればよい。例えば、ゴム製品がゴム手袋の場合、浸漬型には、従来公知の手型を用いればよい。成膜条件は、目的とするゴム製品の種類、ゴム皮膜の厚み等に応じて、常法に従って設定すればよい。
【0037】
【実施例】
次に、実施例および比較例を挙げて、本発明を説明する。
〔参考例〕
脱蛋白天然ゴムラテックスの調製
天然ゴムのハイアンモニアラテックス〔ゴム固形分60重量%、ケルダール法による窒素含有量0.3%、リン脂質(天然ゴムラテックス由来のもの)の含有量0.6重量%〕を、その固形分(ゴム分)濃度が30重量%となるように希釈した。
【0038】
次いで、ハイアンモニアラテックスのゴム分100重量部に対し、アルカリプロテアーゼ(蛋白分解酵素)0.07重量部と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業(株)製のアニオン界面活性剤)1.0重量部とを添加して、30℃で24時間静置した。
静置後、ラテックスに、13000rpmで30分間遠心分離処理を施し、上層に分離したクリーム分を取り出した。さらに、このクリーム分を同体積の水に再分散させることによって、脱蛋白天然ゴムラテックスを得た。
【0039】
得られた脱蛋白天然ゴムラテックスの窒素含有量をケルダール法によって測定したところ、0.017%であった。また、リン脂質の含有量を測定したところ、0.1重量%であった。
リン脂質の含有量は、試料のゴム固形分濃度を10重量%以下となるように希釈してマグネシア混液を加え、リン酸マグネシウムアンモニウム塩を生成させた後、これを遠心分離してその沈殿物を分離、採取し、水酸化Na水溶液で沈殿を溶解させた後、塩酸またはフェノールフタレイン溶液で中和滴定を行なうことにより測定した。
【0040】
〔実施例1〕
配合ラテックスの調製
上記参考例で得られた脱蛋白天然ゴムラテックスのゴム分100重量部に対して、硫黄を1.0重量部、亜鉛華を1.0重量部、加硫促進剤BZ(ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛)を1.0重量部、およびリン脂質であるレシチンを1.0重量部秤量して、適量の水酸化カリウム(pH調整剤)とともにボールミルで分散させた。その後、これらの添加剤を脱蛋白天然ゴムラテックスに加え、十分に攪拌して分散させることにより、配合ラテックスを調整した。なお、水酸化カリウムは、外添されたレシチンに伴って生じたラテックスのpH変化を調整するために用いた。
ゴム手袋の製造
手袋の型を20%の硝酸カルシウム水溶液(凝固液)に浸漬し、その表面を十分乾燥させた上で、上記配合ラテックスに浸漬した。
型を配合ラテックスから引き上げた後、100℃で35分間加熱し、加硫されたゴム皮膜を脱型することによって、ゴム手袋を得た。
【0041】
〔実施例2および3〕
配合ラテックス中でのレシチンの含有量(外添量)を、脱蛋白天然ゴム100重量部に対して2.0重量部(実施例2)または5.0重量部(実施例3)としたほかは、実施例1と同様にして配合ラテックスの調製とゴム手袋の製造とを行なった。
【0042】
〔比較例1〕
配合ラテックス中にレシチンを添加(外添)しなかったほかは、実施例1と同様にして配合ラテックスの調製とゴム手袋の製造とを行なった。
〔比較例2〕
脱蛋白天然ゴムラテックスに代えて、前出のハイアンモニアラテックス(ゴム固形分60重量%、ケルダール法による窒素含有量0.3%、リン脂質の含有量0.6重量%)を使用し、かつ、レシチンの外添を行なわなかったほかは、実施例1と同様にして配合ラテックスの調製とゴム手袋の製造とを行なった。
【0043】
〔ゴム手袋の物性評価〕
実施例1〜3および比較例1〜3で得られたゴム手袋と、対照1〜3のゴム手袋について、下記の引張試験を行なってその物性を評価した。
引張試験
ゴム手袋のゴム皮膜を打ち抜いて、引張試験用の試験片(ダンベル状4号形,JIS K 6251)を作製した。この試験片を用いて、JIS K 6251「加硫ゴムの引張試験方法」に所載の試験方法に従って、引張強さTB (MPa)、300%伸び時における引張応力M300 (MPa)、500%伸び時における引張応力M500 (MPa)および切断時伸び(%)を求めた。なお、試験は、引張速度を500mm/minに設定して行なった。
【0044】
【表1】
【0045】
表1中、物性評価の「比率」欄の数値は、比較例1の物性値を100としたときの相対値である。
「リン脂質」欄における「ラテックス由来」欄の数値は、天然ゴムラテックスに含まれるリン脂質のうち、脱蛋白天然ゴムに残存しているリン脂質の量(ゴム分100重量部に対する重量部)を示す。この値は、脱蛋白処理によって窒素含有量が低減した程度に応じて求めた推定値である。
【0046】
「レシチン(外添)」欄の数値は、配合ラテックス作製時に添加(外添)されたレシチンの量(ゴム分100重量部に対する重量部)を示す。
表1に示した実施例1〜3と比較例1および2との比較より明らかなように、ゴム組成物のゴム成分として脱蛋白天然ゴムを使用し、さらにそのゴム組成物にリン脂質を添加(外添)したときには、引張応力(モジュラス)の低いゴム皮膜を形成できることが分かった。
【0047】
さらに、実施例1〜3と比較例2との比較より明らかなように、ゴム成分に脱蛋白処理を施すことで、リン脂質の添加(外添)に伴う引張応力の低減効果を著しく大きなものとすることができた。
Claims (3)
- プロテアーゼを添加して熟成させた天然ゴムラテックスに遠心分離処理を施してなる脱蛋白天然ゴムと、
加硫剤と、
外添されたリン脂質と、
を含むゴム組成物。 - リン脂質の外添量が脱蛋白天然ゴムの固形分100重量部に対して0.1重量部以上である請求項1記載のゴム組成物。
- 手袋用材料である請求項1または2記載のゴム組成物。
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