JP2004107578A - ゴムラテックス組成物およびこれを用いるゴム製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】アレルギー誘発を防止するために脱蛋白処理された天然ゴムラテックスを用いるゴム製品において、脱蛋白処理することに伴うゴム強度の低下を防ぎ、通常の脱蛋白処理がなされていない天然ゴムと同程度もしくはそれ以上のゴム強度を有するゴム製品を提供する。
【解決手段】脱蛋白処理された天然ゴムラテックス(ゴム分50〜70重量%)に、天然ゴムラテックスより副産物として分離される漿液から採取した非ゴム成分と加硫剤とを配合してなるゴムラテックス組成物、およびそのゴムラテックスを所望の形状に成形してなるゴム製品。前記非ゴム成分はその採取過程において脱蛋白処理がなされているものであり、またゴム製品は浸漬法により皮膜成形してなるものが好対象である。
【選択図】なし
【解決手段】脱蛋白処理された天然ゴムラテックス(ゴム分50〜70重量%)に、天然ゴムラテックスより副産物として分離される漿液から採取した非ゴム成分と加硫剤とを配合してなるゴムラテックス組成物、およびそのゴムラテックスを所望の形状に成形してなるゴム製品。前記非ゴム成分はその採取過程において脱蛋白処理がなされているものであり、またゴム製品は浸漬法により皮膜成形してなるものが好対象である。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱蛋白された天然ゴムを含むゴムラテックス組成物とそれを用いるゴム製品に関し、さらに詳しくは脱蛋白処理により低下したゴム強度を、天然ゴムラテックスより副産物として分離される漿液から採取した非ゴム成分を配合することにより、天然ゴムと同等もしくはそれ以上に増強したゴム製品を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
天然ゴムを原料とするゴム製品は、十分な強度を有し、安価であることなどから、市場には多種多様の製品が見られる。その反面、ゴム製品の種類によっては天然ゴムに由来する蛋白質によってアレルギーが誘発されることになり、とりわけゴム手袋やカテーテルなどのラテックス浸漬製品の場合に問題が生ずる。
この問題に対処すべく脱蛋白処理された天然ゴムが開発されており、蛋白質によるアレルギーの誘発防止に効果を上げている。例えば、プロテアーゼと、分散性の優れたスルホン酸系、硫酸エステル系または/およびリン酸エステル系の陰イオン界面活性剤とを有効成分とする天然ゴム用脱蛋白処理剤により、窒素含有量レベルで0.01%程度までに脱蛋白処理された天然ゴムを得ている(特許文献1参照)。これは、単に水で処理したときの窒素含有量レベルが0.09%程度であることからすると、脱蛋白処理の効果がきわめて著しいといえる。一方において、天然ゴムは脱蛋白処理によって、通常の天然ゴムに比べて、ゴム強度が10%強も低下するという問題がある。このために、ゴム製品(例えばゴム手袋)の製造に供したきに、脱蛋白処理していない天然ゴムを原料とするときに比べて、強度と剛性感が弱くなる。
【0003】
天然ゴム製品に対抗するものとしては、例えばポリ塩化ビニル(PVC)製の手袋が挙げられる。しかし、PVCなどの合成系原料は、近年ダイオキシン問題やフタル酸等による環境ホルモン影響物質との関係から、一般に慎重な廃棄処理が必要である。天然ゴム原料には、このような問題がなく環境に優しい材料であり、さらに利用が望まれている。
天然ゴムラテックス中の蛋白質の除去は、前記の特許文献1以外にも、例えば蛋白質分解酵素と界面活性剤で処理し、蛋白質を分解し除去する方法によって、窒素含有率が0.02%以下もしくはさらに低レベルにまで脱蛋白された天然ゴムラテックスが得られている(例えば、特許文献2〜4参照)。また、ラテックス製品を水よりイオン強度が大きい塩の溶液または他の溶液中で洗浄するかまたは浸出してアレルゲン性蛋白を選択的に除去する方法が提案されている(特許文献5参照)。このように、天然ゴムラテックスは、対象製品によっては、脱蛋白処理することが市場性の拡大につながっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−56905号公報(請求項1、段落[0013]〜[0014]、[0018])
【特許文献2】
特開平6−56903号公報(請求項1〜3、段落[0021])
【特許文献3】
特開平6−56904号公報(請求項6および7、段落[0026]〜[0027])
【特許文献4】
特開平6−56905号公報(請求項4および5、段落[0017]〜[0018])
【特許文献5】
特開平8−277295号公報(請求項16)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
脱蛋白天然ゴムラテックスを原料とするゴム製品は、上述のように有用性は高いものであるが、通常の天然ゴム製品に比べると剛性感に欠けるという指摘があり、品質をさらに向上させる上での課題となっている。剛性は曲げや捻りなどの変形に対する弾性的性質を意味するが、剛性感が不足してくると、装着・脱着がし難く、装着感が悪くなると言われている。
【0006】
そこで、本発明の目的は、脱蛋白処理された天然ゴムが、その低アレルギー性を有することに加えて、通常の脱蛋白処理がなされていない天然ゴムと同程度もしくはそれ以上のゴム強度を有するゴム製品を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
一般に、天然ゴムラテックスの脱蛋白処理は、ゴム分30%程度を含むフィールドラテックスまたはハイアンモニアラテックスに、脱蛋白処理剤を添加して熟成し、遠心分離等により、漿液を除去し、通常はさらに洗浄を繰り返して、ゴム分50〜70%程度の脱蛋白処理された濃縮ラテックスを得ている。
このようにして、天然ゴム中の蛋白質が脱蛋白処理剤によって除去されるメカニズムは必ずしも明らかになっていないが、プロテアーゼにより蛋白質がゴム成分から脱離されると同時に低分子化され、界面活性剤により蛋白質が分散し易い形状に変性されることにより効率よく洗浄されるためと考えられている。また、脱蛋白処理によりゴム強度が低下する理由も明確にはなっていない。
【0008】
本発明者らは、当初、ゴム強度の低下の原因が漿液を除去したことにより、少量とはいえゴム分が逸失していくことに原因があるのではないかと考えてそのゴム分を回収して脱蛋白ゴムに加えてみたが、ゴム強度の向上は認められなかった。ところが、漿液からゴム分を除去した非ゴム成分を採取し脱蛋白ゴムラテックスに加えてみたところ、意外にもゴム強度が向上するとの知見を得た。本発明は、この知見に基づいてさらに検討して完成されたものである。
【0009】
すなわち、本発明は、以下のゴムラテックス組成物およびそれを用いて成形してなるゴム製品に関するものである。
1)脱蛋白処理された天然ゴムラテックスに、天然ゴムラテックス漿液より採取した非ゴム成分と加硫剤とを配合してなることを特徴とするゴムラテックス組成物。
2)前記脱蛋白処理された天然ゴムラテックスのゴム分が50〜70重量%である上記1)項記載のゴムラテックス組成物。
【0010】
3)前記非ゴム成分が天然ゴムラテックス漿液の脱蛋白処理液から採取したものである上記1)項記載のゴムラテックス組成物。
4)前記非ゴム成分が脱蛋白処理した天然ゴムラテックスの漿液から採取したものである上記1)項記載のゴムラテックス組成物。
5)上記1)〜4)項のいずれかに記載のゴムラテックス組成物を成形してなるゴム製品。
【0011】
6)浸漬法により皮膜成形してなる上記5)項記載のゴム製品。
上記でいう成形は、ゴムラテックス組成物を所要のゴム製品の形状に整えて加硫することを意味する。前記のゴム製品は、ゴム特有の弾力性や防水性等を利用するものであればその種類を限定されるものではないが、天然ゴムラテックスに由来する蛋白質によって誘発されるアレルギーが問題となるようなゴム製品であり、特に浸漬法により皮膜成形するゴム製品が好対象である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において、脱蛋白処理された天然ゴムラテックスは、フィールドラテックスあるいはハイアンモニアラテックスに含まれる蛋白質を、アレルギー誘発を引き起こさない程度まで除去したものをいう。脱蛋白処理は、従来の方法により、プロテアーゼと界面活性剤を有効成分とする天然ゴム用脱蛋白処理剤をフィールドラテックスまたはアンモニア処理ラテックスに添加しラテックス粒子を処理し、窒素含有率を例えば0.02%以下の低レベルにまで脱蛋白処理したものが対象となる。具体例としては、前記に挙げた特許文献1等に記載の天然ゴム用脱蛋白処理剤により脱蛋白処理された天然ゴムラテックスが挙げられる。
次に、本発明における「天然ゴムラテックス漿液より採取した非ゴム成分」は、フィールドラテックス(ゴム分20〜40重量%)またはハイアンモニアラテックス(ゴム分50〜70重量%)を遠心分離等の方法によってゴム分50〜70重量%の濃縮ラテックスとする際に、副産物として得られる漿液からゴム分を除いた成分をいう。このゴム分の除去は、例えば、漿液を限外濾過(限外濾過膜:5〜10万画分)に付する方法あるいは漿液にゴム凝集剤(例、酸もしくは2価の金属塩、硝酸カルシウムなど)を添加する方法などにより行われる。ゴム成分を除去した液が、非ゴム成分を含有する水溶液として回収される。当該非ゴム成分は、天然ゴムラテックスに由来するものであるが、その採取するまでの任意の工程において蛋白分解処理がなされていることを要する。本発明では、非ゴム成分を含む水溶液は、その固形分濃度が約1〜20重量%であるものを用いる。
【0013】
前記非ゴム成分は、ゴムラテックスの精製濃縮工程における副産物として得られるものであるが、その採取方法を以下に工程1および工程2として例示する。
(工程1)
[1]原料ゴムラテックス(フィールドラテックスまたはハイアンモニアラテックス、ゴム分30%程度)に脱蛋白処理剤を添加する。
[2]蛋白質分解のために熟成する。
【0014】
[3]前記の熟成したゴムラテックスを通常、15%程度に水希釈した後、遠心分離等により濃縮ラテックス(ゴム分50〜70重量%)と漿液(ゴム分数%と非ゴム成分5重量%程度を含む)に分離する。
[4]漿液よりゴム分を限外濾過法あるいはゴム凝集剤添加法などにより除去し、非ゴム成分を含む水溶液を回収する。
[5]前記非ゴム成分を含む水溶液を、必要により固形分濃度1〜20重量%に調整する。
【0015】
(工程2)
[1]原料ゴムラテックス(フィールドラテックスまたはハイアンモニアラテックス)を遠心分離等により濃縮ラテックス(ゴム分50〜70重量%)と漿液(ゴム分数%と非ゴム成分5重量%程度を含む)に分離する。
[2]漿液にプロテアーゼを含む脱蛋白処理剤を添加して蛋白分解を行う。
[3]蛋白分解後に、ゴム分を限外濾過法あるいはゴム凝集剤添加法などにより除去し、非ゴム成分を含む水溶液を回収する。
【0016】
[4]前記非ゴム成分を含む水溶液を、必要により固形分濃度1〜20重量%に調整する。
上記の工程1は、脱蛋白処理された天然ゴムラテックスを得るための工程において、副産物として得られる漿液から非ゴム成分を採取するものである。ここで、脱蛋白処理および濃縮処理された天然ゴムラテックス(主産物)は、必要によりさらに精製洗浄を行って、本発明のゴムラテックス組成物(およびゴム製品)の原料として用いられる。
上記の工程2は、天然ゴムラテックスを通常の方法により濃縮するときに副産物として得られる漿液から非ゴム成分を採取する方法である。ここで得られた漿液は、前記[2]のように、その後に採取する非ゴム成分がアレルギーを誘発しないようにするためとゴム強度の増強効果大きくするための両面から、蛋白分解処理を行う。
【0017】
次に、本発明のゴムラテックス組成物は、前記の脱蛋白処理された天然ゴムラテックスに、前記の非ゴム成分と加硫剤とを配合して調製される。
このゴムラテックス組成物において、非ゴム成分は固形分として、脱蛋白処理された天然ゴムラテックスのゴム分100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜5重量部の割合で配合することが好ましい。このような配合割とすることにより、脱蛋白処理された天然ゴムの強度を、通常の天然ゴム(脱蛋白処理なし)と同程度もしくはそれ以上に増強することができる。
【0018】
本発明のゴムラテックス組成物に配合する加硫剤は、従来、天然ゴム製品の加硫に用いられているものであればよく、硫黄、無機・有機含硫黄化合物が好ましく用いられる。また、この組成物には、天然ゴム−硫黄加硫系用の加硫促進剤を適量添加しておくのが好ましく、その例としては亜鉛華などの無機促進剤や、チアゾール類(MZ、DMなど)、ジチオカーバメート類(BZなど)、チウラム類(TTなど)、グアニジン類、アミン類などの有機促進剤が挙げられる。更に、本発明のゴム組成物には、ゴム製品の品質改良等を目的に、可塑剤、充填剤、着色剤あるいは老化防止剤などを適宜配合する。
【0019】
次に、本発明のゴム製品は、上記のとおり調製したゴムラテックス組成物を用いて、所望の形状に成形し、加熱加硫に付すことにより得られる。ここで対象とするゴム製品は、天然ゴム材料を用いるものであれば特に制限するものではないが、天然ゴムラテックスに由来する蛋白質によって誘発されるアレルギーを避けたいゴム製品、例えば手袋、コンドーム、風船、カテーテルなどの浸漬法により得られる製品が好対象になり得る。
【0020】
本発明において、浸漬法によるゴム製品は、従来法どおり、所望のゴム製品を形成するための型(浸漬型)に凝固液を付着させ、これを上記のゴムラテックス組成物中に浸漬して製膜し、引き上げてから、脱型して成形することによって得られる。例えば、手袋の場合は、特開平6−17301号公報に記載されているように、手袋金型を洗浄し、オーブンで予備加熱後、凝固液(例、硝酸カルシウム溶液)に浸漬し、直ちに取り出した後、100℃付近のオーブンで乾燥・加硫することによって製造される。この製造方法は、上記のゴムラテックス組成物を原料とすること以外、その他の作製条件、例えば凝固液、浸漬温度、浸漬時間、あるいはゴム製品を成形するための型、などは基本的に従来と同様である。
【0021】
本発明のゴム製品は、後述するJIS K 6251所載の試験方法に従って、モジュラスM500(Mpa)を測定するとき、通常の天然ゴムラテックス(脱蛋白処理なし)と同程度にまで増強されており、さらに後述の実施例の結果にも示されるとおり、非ゴム成分の配合量を多くすることによりより一層増強させることができる。
【0022】
【実施例】
以下に、参考例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
参考例1
前記の工程1にそって、フィールドラテックスを原料として、脱蛋白処理と濃縮処理された天然ゴムラテックスを製造し、かつ非ゴム成分を採取した。
フィールドラテックス(ゴム分約30重量%)をpH9に調整したのち、アルカリプロテアーゼ2重量部とポリオキシエチレンノニルフェニル硫酸ナトリウム(界面活性剤)98重量部よりなる脱蛋白処理剤を1%添加した。次いで、30℃で24時間静置し、水で固形分15%に希釈した後、13000rpmで30分間遠心分離した後、分離してくる上層のクリーム部分を取り出して同量の水に分散した。2回および3回遠心分離したものは、1回目の遠心分離後、クリーム部分を界面活性剤1%溶液(プロテアーゼを含まないもの)で洗浄し、13000rpmで30分間遠心分離を行い、以下同様の作業を繰り返して、脱蛋白処理されたゴムラテックス得た。このゴムラテックス中の窒素含有率をケルダール法により測定したところ、0.02重量%であった。
【0023】
一方、前記の遠心分離により得られた漿液を回集して、ゴム分を約4%含む液を得た。この漿液を限外濾過(限外濾過膜:10万画分)によりゴム分が2倍になるまで濃縮し、その際に限外濾過膜の外液として得られる非ゴム成分を含む液を採取した。この採取した液は、非ゴム成分を固形分として5重量%を含むものであった。
実施例1〜3
表1に示す各組成の脱蛋白天然ゴムラテックス組成物を調製した。すなわち、参考例1で得られた蛋白天然ゴムラテックス(全固形分:60%、固形分の窒素含量:0.02%、pH:10.5)に、ボールミルで分散した硫黄、亜鉛華および加硫促進剤BZと、参考例1で得た非ゴム成分を含む水溶液を順次配合して、ゴムラテックス組成物を調製した。ここで、非ゴム分水溶液は、実施例1、2および3の順に配合量を増加させると共に、固形分量が一定になるように軟水を加えて調整した。
【0024】
次に、上記のとおり調製された脱蛋白天然ゴムラテックス組成物中に、アノード浸漬法により、凝固液(硝酸カルシウム30%水溶液)を均一に付着させ、50℃に加温した陶器製の手袋型を浸漬し、直ちに引き上げ、100℃で30分間オーブン中に放置して加硫後、脱型し、ゴム手袋を得た。
比較例1
実施例3において、非ゴム分水溶液を配合せず、その代わりに軟水を同量加えてゴムラテックス組成物を調製し、その組成物を用いて同様にしてアノード浸漬法によりゴム手袋を製造した。
【0025】
比較例2
比較例1において、脱蛋白天然ゴムラテックスに代えて天然ゴムラテックス(脱蛋白処理なし)を用いた以外は同様にしてゴムラテックス組成物を調製し、その組成物を用いて同様にしてアノード浸漬法によりゴム手袋を製造した。
〔引張試験測定法〕
上記の実施例1〜3、比較例1および2で得たゴム手袋を打ち抜いて、JIS4号に規定された引張試験用の試験片を作製した。この試験片を用いて、JIS K 6251所載の試験方法に従って、伸び率500%のときのモジュラスを測定した。それらの測定結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
表1において、比較例1と比較例2の結果を比較すればわかるように、天然ゴムラテックスは、脱蛋白処理することによりゴム手袋の引張強度が約10%以上低下する。しかし、脱蛋白処理された天然ゴムラテックスに、漿液から採取した非ゴム成分水溶液を配合することにより、実施例1にみられるように、通常の天然ゴムラテックス(脱蛋白処理なし)を用いたと同程度の引張強度を有するゴム手袋を製造することができる。さらに、実施例2および3にみられるように、非ゴム成分水溶液の配合量を増加させることにより、通常の天然ゴムラテックスを用いたものよりも、引張強度を増大させることもできる。
【0028】
【発明の効果】
本発明によると、脱蛋白処理された天然ゴムラテックスに、その製造工程において副産物として得られる非ゴム成分を配合するという簡単な手段により、脱蛋白処理に伴うゴム強度の低下を補い、さらに増強させることができる。従って、本発明のゴム製品は、脱蛋白処理したことによってアレルギー誘発が防止され、かつゴム製品の強度、剛性感においても優れた品質を有する。
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱蛋白された天然ゴムを含むゴムラテックス組成物とそれを用いるゴム製品に関し、さらに詳しくは脱蛋白処理により低下したゴム強度を、天然ゴムラテックスより副産物として分離される漿液から採取した非ゴム成分を配合することにより、天然ゴムと同等もしくはそれ以上に増強したゴム製品を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
天然ゴムを原料とするゴム製品は、十分な強度を有し、安価であることなどから、市場には多種多様の製品が見られる。その反面、ゴム製品の種類によっては天然ゴムに由来する蛋白質によってアレルギーが誘発されることになり、とりわけゴム手袋やカテーテルなどのラテックス浸漬製品の場合に問題が生ずる。
この問題に対処すべく脱蛋白処理された天然ゴムが開発されており、蛋白質によるアレルギーの誘発防止に効果を上げている。例えば、プロテアーゼと、分散性の優れたスルホン酸系、硫酸エステル系または/およびリン酸エステル系の陰イオン界面活性剤とを有効成分とする天然ゴム用脱蛋白処理剤により、窒素含有量レベルで0.01%程度までに脱蛋白処理された天然ゴムを得ている(特許文献1参照)。これは、単に水で処理したときの窒素含有量レベルが0.09%程度であることからすると、脱蛋白処理の効果がきわめて著しいといえる。一方において、天然ゴムは脱蛋白処理によって、通常の天然ゴムに比べて、ゴム強度が10%強も低下するという問題がある。このために、ゴム製品(例えばゴム手袋)の製造に供したきに、脱蛋白処理していない天然ゴムを原料とするときに比べて、強度と剛性感が弱くなる。
【0003】
天然ゴム製品に対抗するものとしては、例えばポリ塩化ビニル(PVC)製の手袋が挙げられる。しかし、PVCなどの合成系原料は、近年ダイオキシン問題やフタル酸等による環境ホルモン影響物質との関係から、一般に慎重な廃棄処理が必要である。天然ゴム原料には、このような問題がなく環境に優しい材料であり、さらに利用が望まれている。
天然ゴムラテックス中の蛋白質の除去は、前記の特許文献1以外にも、例えば蛋白質分解酵素と界面活性剤で処理し、蛋白質を分解し除去する方法によって、窒素含有率が0.02%以下もしくはさらに低レベルにまで脱蛋白された天然ゴムラテックスが得られている(例えば、特許文献2〜4参照)。また、ラテックス製品を水よりイオン強度が大きい塩の溶液または他の溶液中で洗浄するかまたは浸出してアレルゲン性蛋白を選択的に除去する方法が提案されている(特許文献5参照)。このように、天然ゴムラテックスは、対象製品によっては、脱蛋白処理することが市場性の拡大につながっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−56905号公報(請求項1、段落[0013]〜[0014]、[0018])
【特許文献2】
特開平6−56903号公報(請求項1〜3、段落[0021])
【特許文献3】
特開平6−56904号公報(請求項6および7、段落[0026]〜[0027])
【特許文献4】
特開平6−56905号公報(請求項4および5、段落[0017]〜[0018])
【特許文献5】
特開平8−277295号公報(請求項16)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
脱蛋白天然ゴムラテックスを原料とするゴム製品は、上述のように有用性は高いものであるが、通常の天然ゴム製品に比べると剛性感に欠けるという指摘があり、品質をさらに向上させる上での課題となっている。剛性は曲げや捻りなどの変形に対する弾性的性質を意味するが、剛性感が不足してくると、装着・脱着がし難く、装着感が悪くなると言われている。
【0006】
そこで、本発明の目的は、脱蛋白処理された天然ゴムが、その低アレルギー性を有することに加えて、通常の脱蛋白処理がなされていない天然ゴムと同程度もしくはそれ以上のゴム強度を有するゴム製品を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
一般に、天然ゴムラテックスの脱蛋白処理は、ゴム分30%程度を含むフィールドラテックスまたはハイアンモニアラテックスに、脱蛋白処理剤を添加して熟成し、遠心分離等により、漿液を除去し、通常はさらに洗浄を繰り返して、ゴム分50〜70%程度の脱蛋白処理された濃縮ラテックスを得ている。
このようにして、天然ゴム中の蛋白質が脱蛋白処理剤によって除去されるメカニズムは必ずしも明らかになっていないが、プロテアーゼにより蛋白質がゴム成分から脱離されると同時に低分子化され、界面活性剤により蛋白質が分散し易い形状に変性されることにより効率よく洗浄されるためと考えられている。また、脱蛋白処理によりゴム強度が低下する理由も明確にはなっていない。
【0008】
本発明者らは、当初、ゴム強度の低下の原因が漿液を除去したことにより、少量とはいえゴム分が逸失していくことに原因があるのではないかと考えてそのゴム分を回収して脱蛋白ゴムに加えてみたが、ゴム強度の向上は認められなかった。ところが、漿液からゴム分を除去した非ゴム成分を採取し脱蛋白ゴムラテックスに加えてみたところ、意外にもゴム強度が向上するとの知見を得た。本発明は、この知見に基づいてさらに検討して完成されたものである。
【0009】
すなわち、本発明は、以下のゴムラテックス組成物およびそれを用いて成形してなるゴム製品に関するものである。
1)脱蛋白処理された天然ゴムラテックスに、天然ゴムラテックス漿液より採取した非ゴム成分と加硫剤とを配合してなることを特徴とするゴムラテックス組成物。
2)前記脱蛋白処理された天然ゴムラテックスのゴム分が50〜70重量%である上記1)項記載のゴムラテックス組成物。
【0010】
3)前記非ゴム成分が天然ゴムラテックス漿液の脱蛋白処理液から採取したものである上記1)項記載のゴムラテックス組成物。
4)前記非ゴム成分が脱蛋白処理した天然ゴムラテックスの漿液から採取したものである上記1)項記載のゴムラテックス組成物。
5)上記1)〜4)項のいずれかに記載のゴムラテックス組成物を成形してなるゴム製品。
【0011】
6)浸漬法により皮膜成形してなる上記5)項記載のゴム製品。
上記でいう成形は、ゴムラテックス組成物を所要のゴム製品の形状に整えて加硫することを意味する。前記のゴム製品は、ゴム特有の弾力性や防水性等を利用するものであればその種類を限定されるものではないが、天然ゴムラテックスに由来する蛋白質によって誘発されるアレルギーが問題となるようなゴム製品であり、特に浸漬法により皮膜成形するゴム製品が好対象である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において、脱蛋白処理された天然ゴムラテックスは、フィールドラテックスあるいはハイアンモニアラテックスに含まれる蛋白質を、アレルギー誘発を引き起こさない程度まで除去したものをいう。脱蛋白処理は、従来の方法により、プロテアーゼと界面活性剤を有効成分とする天然ゴム用脱蛋白処理剤をフィールドラテックスまたはアンモニア処理ラテックスに添加しラテックス粒子を処理し、窒素含有率を例えば0.02%以下の低レベルにまで脱蛋白処理したものが対象となる。具体例としては、前記に挙げた特許文献1等に記載の天然ゴム用脱蛋白処理剤により脱蛋白処理された天然ゴムラテックスが挙げられる。
次に、本発明における「天然ゴムラテックス漿液より採取した非ゴム成分」は、フィールドラテックス(ゴム分20〜40重量%)またはハイアンモニアラテックス(ゴム分50〜70重量%)を遠心分離等の方法によってゴム分50〜70重量%の濃縮ラテックスとする際に、副産物として得られる漿液からゴム分を除いた成分をいう。このゴム分の除去は、例えば、漿液を限外濾過(限外濾過膜:5〜10万画分)に付する方法あるいは漿液にゴム凝集剤(例、酸もしくは2価の金属塩、硝酸カルシウムなど)を添加する方法などにより行われる。ゴム成分を除去した液が、非ゴム成分を含有する水溶液として回収される。当該非ゴム成分は、天然ゴムラテックスに由来するものであるが、その採取するまでの任意の工程において蛋白分解処理がなされていることを要する。本発明では、非ゴム成分を含む水溶液は、その固形分濃度が約1〜20重量%であるものを用いる。
【0013】
前記非ゴム成分は、ゴムラテックスの精製濃縮工程における副産物として得られるものであるが、その採取方法を以下に工程1および工程2として例示する。
(工程1)
[1]原料ゴムラテックス(フィールドラテックスまたはハイアンモニアラテックス、ゴム分30%程度)に脱蛋白処理剤を添加する。
[2]蛋白質分解のために熟成する。
【0014】
[3]前記の熟成したゴムラテックスを通常、15%程度に水希釈した後、遠心分離等により濃縮ラテックス(ゴム分50〜70重量%)と漿液(ゴム分数%と非ゴム成分5重量%程度を含む)に分離する。
[4]漿液よりゴム分を限外濾過法あるいはゴム凝集剤添加法などにより除去し、非ゴム成分を含む水溶液を回収する。
[5]前記非ゴム成分を含む水溶液を、必要により固形分濃度1〜20重量%に調整する。
【0015】
(工程2)
[1]原料ゴムラテックス(フィールドラテックスまたはハイアンモニアラテックス)を遠心分離等により濃縮ラテックス(ゴム分50〜70重量%)と漿液(ゴム分数%と非ゴム成分5重量%程度を含む)に分離する。
[2]漿液にプロテアーゼを含む脱蛋白処理剤を添加して蛋白分解を行う。
[3]蛋白分解後に、ゴム分を限外濾過法あるいはゴム凝集剤添加法などにより除去し、非ゴム成分を含む水溶液を回収する。
【0016】
[4]前記非ゴム成分を含む水溶液を、必要により固形分濃度1〜20重量%に調整する。
上記の工程1は、脱蛋白処理された天然ゴムラテックスを得るための工程において、副産物として得られる漿液から非ゴム成分を採取するものである。ここで、脱蛋白処理および濃縮処理された天然ゴムラテックス(主産物)は、必要によりさらに精製洗浄を行って、本発明のゴムラテックス組成物(およびゴム製品)の原料として用いられる。
上記の工程2は、天然ゴムラテックスを通常の方法により濃縮するときに副産物として得られる漿液から非ゴム成分を採取する方法である。ここで得られた漿液は、前記[2]のように、その後に採取する非ゴム成分がアレルギーを誘発しないようにするためとゴム強度の増強効果大きくするための両面から、蛋白分解処理を行う。
【0017】
次に、本発明のゴムラテックス組成物は、前記の脱蛋白処理された天然ゴムラテックスに、前記の非ゴム成分と加硫剤とを配合して調製される。
このゴムラテックス組成物において、非ゴム成分は固形分として、脱蛋白処理された天然ゴムラテックスのゴム分100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜5重量部の割合で配合することが好ましい。このような配合割とすることにより、脱蛋白処理された天然ゴムの強度を、通常の天然ゴム(脱蛋白処理なし)と同程度もしくはそれ以上に増強することができる。
【0018】
本発明のゴムラテックス組成物に配合する加硫剤は、従来、天然ゴム製品の加硫に用いられているものであればよく、硫黄、無機・有機含硫黄化合物が好ましく用いられる。また、この組成物には、天然ゴム−硫黄加硫系用の加硫促進剤を適量添加しておくのが好ましく、その例としては亜鉛華などの無機促進剤や、チアゾール類(MZ、DMなど)、ジチオカーバメート類(BZなど)、チウラム類(TTなど)、グアニジン類、アミン類などの有機促進剤が挙げられる。更に、本発明のゴム組成物には、ゴム製品の品質改良等を目的に、可塑剤、充填剤、着色剤あるいは老化防止剤などを適宜配合する。
【0019】
次に、本発明のゴム製品は、上記のとおり調製したゴムラテックス組成物を用いて、所望の形状に成形し、加熱加硫に付すことにより得られる。ここで対象とするゴム製品は、天然ゴム材料を用いるものであれば特に制限するものではないが、天然ゴムラテックスに由来する蛋白質によって誘発されるアレルギーを避けたいゴム製品、例えば手袋、コンドーム、風船、カテーテルなどの浸漬法により得られる製品が好対象になり得る。
【0020】
本発明において、浸漬法によるゴム製品は、従来法どおり、所望のゴム製品を形成するための型(浸漬型)に凝固液を付着させ、これを上記のゴムラテックス組成物中に浸漬して製膜し、引き上げてから、脱型して成形することによって得られる。例えば、手袋の場合は、特開平6−17301号公報に記載されているように、手袋金型を洗浄し、オーブンで予備加熱後、凝固液(例、硝酸カルシウム溶液)に浸漬し、直ちに取り出した後、100℃付近のオーブンで乾燥・加硫することによって製造される。この製造方法は、上記のゴムラテックス組成物を原料とすること以外、その他の作製条件、例えば凝固液、浸漬温度、浸漬時間、あるいはゴム製品を成形するための型、などは基本的に従来と同様である。
【0021】
本発明のゴム製品は、後述するJIS K 6251所載の試験方法に従って、モジュラスM500(Mpa)を測定するとき、通常の天然ゴムラテックス(脱蛋白処理なし)と同程度にまで増強されており、さらに後述の実施例の結果にも示されるとおり、非ゴム成分の配合量を多くすることによりより一層増強させることができる。
【0022】
【実施例】
以下に、参考例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
参考例1
前記の工程1にそって、フィールドラテックスを原料として、脱蛋白処理と濃縮処理された天然ゴムラテックスを製造し、かつ非ゴム成分を採取した。
フィールドラテックス(ゴム分約30重量%)をpH9に調整したのち、アルカリプロテアーゼ2重量部とポリオキシエチレンノニルフェニル硫酸ナトリウム(界面活性剤)98重量部よりなる脱蛋白処理剤を1%添加した。次いで、30℃で24時間静置し、水で固形分15%に希釈した後、13000rpmで30分間遠心分離した後、分離してくる上層のクリーム部分を取り出して同量の水に分散した。2回および3回遠心分離したものは、1回目の遠心分離後、クリーム部分を界面活性剤1%溶液(プロテアーゼを含まないもの)で洗浄し、13000rpmで30分間遠心分離を行い、以下同様の作業を繰り返して、脱蛋白処理されたゴムラテックス得た。このゴムラテックス中の窒素含有率をケルダール法により測定したところ、0.02重量%であった。
【0023】
一方、前記の遠心分離により得られた漿液を回集して、ゴム分を約4%含む液を得た。この漿液を限外濾過(限外濾過膜:10万画分)によりゴム分が2倍になるまで濃縮し、その際に限外濾過膜の外液として得られる非ゴム成分を含む液を採取した。この採取した液は、非ゴム成分を固形分として5重量%を含むものであった。
実施例1〜3
表1に示す各組成の脱蛋白天然ゴムラテックス組成物を調製した。すなわち、参考例1で得られた蛋白天然ゴムラテックス(全固形分:60%、固形分の窒素含量:0.02%、pH:10.5)に、ボールミルで分散した硫黄、亜鉛華および加硫促進剤BZと、参考例1で得た非ゴム成分を含む水溶液を順次配合して、ゴムラテックス組成物を調製した。ここで、非ゴム分水溶液は、実施例1、2および3の順に配合量を増加させると共に、固形分量が一定になるように軟水を加えて調整した。
【0024】
次に、上記のとおり調製された脱蛋白天然ゴムラテックス組成物中に、アノード浸漬法により、凝固液(硝酸カルシウム30%水溶液)を均一に付着させ、50℃に加温した陶器製の手袋型を浸漬し、直ちに引き上げ、100℃で30分間オーブン中に放置して加硫後、脱型し、ゴム手袋を得た。
比較例1
実施例3において、非ゴム分水溶液を配合せず、その代わりに軟水を同量加えてゴムラテックス組成物を調製し、その組成物を用いて同様にしてアノード浸漬法によりゴム手袋を製造した。
【0025】
比較例2
比較例1において、脱蛋白天然ゴムラテックスに代えて天然ゴムラテックス(脱蛋白処理なし)を用いた以外は同様にしてゴムラテックス組成物を調製し、その組成物を用いて同様にしてアノード浸漬法によりゴム手袋を製造した。
〔引張試験測定法〕
上記の実施例1〜3、比較例1および2で得たゴム手袋を打ち抜いて、JIS4号に規定された引張試験用の試験片を作製した。この試験片を用いて、JIS K 6251所載の試験方法に従って、伸び率500%のときのモジュラスを測定した。それらの測定結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
表1において、比較例1と比較例2の結果を比較すればわかるように、天然ゴムラテックスは、脱蛋白処理することによりゴム手袋の引張強度が約10%以上低下する。しかし、脱蛋白処理された天然ゴムラテックスに、漿液から採取した非ゴム成分水溶液を配合することにより、実施例1にみられるように、通常の天然ゴムラテックス(脱蛋白処理なし)を用いたと同程度の引張強度を有するゴム手袋を製造することができる。さらに、実施例2および3にみられるように、非ゴム成分水溶液の配合量を増加させることにより、通常の天然ゴムラテックスを用いたものよりも、引張強度を増大させることもできる。
【0028】
【発明の効果】
本発明によると、脱蛋白処理された天然ゴムラテックスに、その製造工程において副産物として得られる非ゴム成分を配合するという簡単な手段により、脱蛋白処理に伴うゴム強度の低下を補い、さらに増強させることができる。従って、本発明のゴム製品は、脱蛋白処理したことによってアレルギー誘発が防止され、かつゴム製品の強度、剛性感においても優れた品質を有する。
Claims (6)
- 脱蛋白処理された天然ゴムラテックスに、天然ゴムラテックス漿液より採取した非ゴム成分と加硫剤とを配合してなることを特徴とするゴムラテックス組成物。
- 前記脱蛋白処理された天然ゴムラテックスのゴム分が50〜70重量%である請求項1記載のゴムラテックス組成物。
- 前記非ゴム成分が天然ゴムラテックス漿液の脱蛋白処理液から採取したものである請求項1記載のゴムラテックス組成物。
- 前記非ゴム成分が脱蛋白処理した天然ゴムラテックスの漿液から採取したものである請求項1記載のゴムラテックス組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のゴムラテックス組成物を成形してなるゴム製品。
- 浸漬法により皮膜成形してなる請求項5記載のゴム製品。
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---|---|---|---|---|
JP2012116970A (ja) * | 2010-12-01 | 2012-06-21 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 改質天然ゴム、タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
JP2013199619A (ja) * | 2012-03-26 | 2013-10-03 | Bridgestone Corp | スキム天然ゴムの製造方法、被処理スキム、スキム天然ゴム、ゴム組成物、及びタイヤ |
CN104403339A (zh) * | 2014-11-10 | 2015-03-11 | 苏州维泰生物技术有限公司 | 一种输血胶管及其制备方法 |
CN113651902A (zh) * | 2021-08-24 | 2021-11-16 | 中国热带农业科学院橡胶研究所 | 一种脱蛋白天然胶乳的制备方法 |
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2002
- 2002-09-20 JP JP2002275420A patent/JP2004107578A/ja active Pending
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