JPH10279607A - 脱蛋白天然ゴムラテックスおよび加硫ゴム - Google Patents

脱蛋白天然ゴムラテックスおよび加硫ゴム

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JPH10279607A
JPH10279607A JP8291497A JP8291497A JPH10279607A JP H10279607 A JPH10279607 A JP H10279607A JP 8291497 A JP8291497 A JP 8291497A JP 8291497 A JP8291497 A JP 8291497A JP H10279607 A JPH10279607 A JP H10279607A
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rubber
phr
rubber latex
natural rubber
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JP8291497A
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Yoshiaki Miyamoto
芳明 宮本
Hideo Nobuchika
英男 信近
Masaharu Hayashi
正治 林
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Kao Corp
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の脱蛋白天然ゴムラテックスに存在しな
い、優れた材料強度を有する天然ゴムラテックスを提供
することである。 【解決手段】 0.02〜0.25PHRのプロテア−
ゼと2.5〜5PHRのロジン酸塩とを用いて蛋白質分
解処理を行い、ついで3〜10PHRの無機塩の存在下
で遠心分離処理を行なうことによって得られる脱蛋白天
然ゴムラテックス、およびこのゴムラテックスを加硫し
て得られる加硫ゴムであって、引張強さが29〜32M
Pa、切断時伸びが1050〜1200%および引裂強
さが26〜29kg/cmであることを特徴とする加硫
ゴム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱蛋白質天然ゴム
ラテックスおよびこのラテックスを加硫して得られる加
硫ゴムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、天然ゴムは、自動車タイヤ、
ベルト、接着剤などの工業用品から手袋などの家庭用品
まで幅広く利用されている。かかる天然ゴムは、ゴム分
のほか、水、蛋白質などを含むラテックスから得られ
る。ところが、近年、天然ゴムからなる手術用手袋や各
種カテーテル、麻酔用マスク等の医療用具が原因で患者
が呼吸困難、アナフィラキシー様症状(血管性浮腫、じ
んましん、虚脱、チアノーゼなど)を起こすことが報告
されおり、その原因としては、天然ゴム中に存在する不
純物の蛋白質であると推測されている。
【0003】かかる蛋白質は、その種類や量が天然ゴム
ラテックスの産地や産出時期などによって異なるため
に、天然ゴムの品質や加硫特性などにばらつきを生じさ
せたり、天然ゴムのクリープ特性や耐老化性などの機械
特性、絶縁性等の電気特性を低下させる原因となるた
め、低蛋白ラテックスまたは低蛋白ラテックス製品の研
究、開発が進められている。
【0004】特開平6−56902号公報には、ゴムラ
テックスに蛋白分解酵素を添加し、蛋白質を分解させた
後、界面活性剤によって繰り返し洗浄することによって
得られる脱蛋白天然ゴムラテックスおよびその製造方法
が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平6−569
02号公報に開示された脱蛋白天然ゴムラテックスは、
アレルギー問題に対応する以外にも、通常の天然ゴムに
比べて、伸びが大きく、低モジュラス、低クリープ、低
吸水性、電気絶縁性など優れた特性を有するため、高品
質、高精度のゴム製品を提供できる原料として期待され
るものである。
【0006】しかし、ゴルフボールなどの製品の糸ゴム
材料に前記脱蛋白ゴムラテックスを使用した場合には、
そのラテックスの引裂強さおよび引張強さが十分なもの
でなく、高伸張下での糸巻き時に糸切れが生じてしま
う。また、界面活性剤としてロジン酸塩を使用すると、
前記ゴムラテックスの材料強度は向上するが、その反
面、遠心分離処理過程でラテックスの配管部および遠心
分離機内にゴムラテックスの凝固物が生じてしまい、加
工時の安定性が低下し、ラテックスの品質を損なう原因
となる。
【0007】そこで本発明の目的は、上記脱蛋白天然ゴ
ムラテックスの品質を損なうことなく、優れた材料強度
を有する脱蛋白天然ゴムラテックスを提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の脱蛋白天然ゴム
ラテックスは、天然ゴムラテックス中の蛋白質を、0.
02〜0.25PHR(ゴム固形分100重量部に対す
る重量部、以下同じ)のプロテアーゼと2.5〜5PH
Rのロジン酸塩で分解するとともに、3〜10PHRの
無機塩の存在下で遠心分離処理を行なうことによって得
られることを特徴とするものである。
【0009】また、前記脱蛋白質天然ゴムラテックスを
用いて作製した加硫ゴムの物性は、引張強さが29〜3
2MPa、切断時伸びが1050〜1200(%)およ
び引裂強さが26〜29kg/cmである。すなわち、
本発明者は、上記課題に掲げている糸ゴム等の材料強
度、特に引裂力を上げるべく種々検討を重ねた結果、脱
蛋白処理に用いる界面活性剤にロジン酸塩を使用する
と、ゴムラテックスの材料強度が向上することを見出し
たが、遠心分離処理過程でラテックスの配管部および遠
心分離機内にゴムラテックスの凝固物が生じ、十分な安
定性を保つことができなくなった。
【0010】この欠点を補うために無機塩の存在下で遠
心分離処理を行うと、加工時のゴムラテックスの安定性
が向上すると共に、残存蛋白量も低下させることができ
るが、無機塩の添加は、温度変化に対するラテックスの
安定性を損なう原因となり、低温環境下に曝されるとラ
テックスはゲル状となる問題があった。そこで、天然ゴ
ムラテックスの分解蛋白質を除去する際の加工安定性
と、温度変化に対する安定性との両立を図るために、ロ
ジン酸塩および無機塩の添加量を調節し、最適化を行な
うことで、従来の脱蛋白天然ゴムラテックスに存在しな
い、優れた材料強度を有する天然ゴムラテックスを提供
できるという事実を見出し、本発明を完成するに至った
のである。
【0011】従って、本発明の脱蛋白質天然ゴムラテッ
クスを使用して作製された加硫ゴムは、従来、ゴム製品
への実用化としては不十分であった、上記特開平6−5
6902号公報に開示された脱蛋白質天然ゴムラテック
スの引張強さおよび引裂強さの物理特性が改善でき、優
れた材料強度をもつゴム材料となり得るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 (蛋白質分解処理)本発明の脱蛋白ゴムラテックスを得
るには、先ず、蛋白質分解酵素としてプロテア−ゼ、お
よび界面活性剤としてロジン酸塩を使用して、天然ゴム
ラテックス中の蛋白質を分解させる。
【0013】本発明の脱蛋白天然ゴムラテックスの原料
である天然ゴムラテックスは、市販のアンモニア処理ラ
テックスでも、新鮮なフィールドラテックスのいずれで
あってもよい。前記蛋白質分解酵素として使用するプロ
テアーゼの由来としては、細菌由来のもの、糸状菌由来
のもの、酵母由来のもの等があげられる。このうち、本
発明で使用するプロテア−ゼとしては、細菌由来のもの
が好ましい。また、リパーゼ、エステラーゼ、アミラー
ゼ、ラッカーゼ、セルラーゼ等の酵素を併用することも
可能である。
【0014】本発明で使用するプロテア−ゼはフィ−ル
ドラテックスまたはアンモニア処理ラテックスに対して
0.001〜10PHR、好ましくは0.02〜0.2
5PHR、更に好ましくは0.05〜0.10PHRを
添加する。添加量が0.001PHR未満の場合は添加
量が少なすぎて十分な効果が得られず、10PHRを超
えると量が多すぎてコストアップにつながると共に、酵
素活性も低下する。
【0015】また、前記界面活性剤としてロジン酸塩を
使用するが、この化合物の塩を形成する金属原子として
は、アルカリ金属原子が好適である。かかるアルカリ金
属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなど
があげられ、本発明で使用するロジン酸の金属塩として
は、カリウム塩が好ましい。その添加量は、ラテックス
のゴム固形分に対して1.0〜10PHR、好ましくは
2.4〜5.0PHR、更に好ましくは2.5〜2.7
PHR添加する。添加量が1.0PHR未満の場合は、
ゴムラテックスのもつ伸び、引裂強さなどの物理特性が
向上せず、10PHRを超えると、コストアップにつな
がると共に、加工性において問題が生じる。
【0016】上記蛋白分解酵素反応を行なうにあたり、
ロジン酸塩以外の他の界面活性剤または他の添加剤を併
用することができる。界面活性剤としては、例えば陰イ
オン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤または両性イ
オン界面活性剤が使用可能である。両性イオン界面活性
剤としては、例えばアミノ酸型、ベタイン型、アミンオ
キサイド型等の両性イオン界面活性剤が挙げられる。
【0017】非イオン界面活性剤としては、例えばポリ
オキシアルキレンエ−テル系,ポリオキシアルキレンエ
ステル系,多価アルコ−ル脂肪酸エステル系,糖脂肪酸
エステル系,アルキルポリグリコシド系などがあげられ
る。陰イオン界面活性剤には、例えばカルボン酸系、ス
ルホン酸系、硫酸エステル系、リン酸エステル系などの
界面活性剤がある。スルホン酸系界面活性剤としては、
例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホ
ン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレン
スルホン酸塩、ジフェニルエ−テルスルホン酸塩等が挙
げられる。これらの化合物の塩としては、金属塩(N
a,k,Ca,Mg,Zn等)、アンモニア塩、アミン
塩(トリエタノールアミン塩等)などがあげられる。
【0018】本発明に使用するロジン酸塩は、カルボン
酸系界面活性剤であるので、同種のカルボン酸系界面活
性剤を使用するのが好ましい。かかる界面活剤として、
例えば炭素数が6以上30以下である脂肪酸塩、多価カ
ルボン酸塩、ダイマ−酸塩、ポリマ−酸塩、ト−ル油脂
肪酸塩等があげらるが、好ましくは炭素数10〜20の
カルボン酸塩である。炭素数が6以下では蛋白質及び不
純物の分散・乳化が不十分であり、炭素数30以上では
水に分散し難くなる。
【0019】他の添加剤として、例えばpH調整剤とし
てリン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸ナ
トリウム等の燐酸塩や酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等
の酢酸塩、さらに硫酸、酢酸、塩酸、硝酸、クエン酸、
コハク酸等の酸類またはその塩、あるいはアンモニア、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸水素ナトリウム等を併用できるが、本発明に使用す
る上記pH調整剤の添加量は、ラテックスのゴム固形分
に対して通常0.01〜0.5PHRである。
【0020】さらに、必要に応じてスチレンスルホン酸
共重合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、リ
グニンスルホン酸、多環型芳香族スルホン酸共重合物、
アクリル酸及び無水マレイン酸ホモポリマ−及び共重合
物、イソブチレン−アクリル酸、イソブチレン−無水マ
レイン酸共重合物等の分散剤を併用することができる。
【0021】蛋白質を分解する処理時間は特に限定され
ないが、数分から1週間程度行うことが好ましい。蛋白
質分解処理中、ラテックスは攪拌していてもよく、静置
していてもよい。温度調節は必要に応じてすればよい
が、処理に適当な温度としては5〜90℃、より好まし
くは20〜60℃である。処理温度が90℃を超えると
酵素の失活が早く、5℃未満であれば酵素の反応が進行
しにくくなる。
【0022】(遠心分離処理)本発明の脱蛋白質ゴムラ
テックスを得るには、無機塩の存在下で遠心分離処理を
行う。この無機塩の使用は、天然ゴムラテックスから分
解蛋白質を除去する際の、ゴムラテックスの加工安定性
を向上させるとともに残存蛋白質の低下をもたらすもの
である。
【0023】かかる無機塩は、蛋白分解処理前の当初か
ら添加してもよく、あるいは遠心分離処理時に添加して
もよい。上記塩類としては、種々の無機塩や有機塩があ
げられる。無機塩としては、例えば炭酸塩、炭酸水素
塩、チオ硫酸塩、ホウ酸塩等が挙げられる。有機塩とし
ては、例えば有機酸塩、アミン塩等が挙げられる。これ
らの化合物の塩を形成する金属原子としては、アルカリ
金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属
(カルシウム、マグネシウム等)、亜鉛等が挙げられ
る。
【0024】上記塩類としては、具体的には炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、四ホ
ウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等が例示され、上記の
2種以上を組み合わせて使用することもできる。尚、2
価の陽イオンを有する塩類を使用した場合、ラテックス
が不安定化して凝固することがあるために、1価の陽イ
オンを有する塩類を使用するのが好ましい。
【0025】前記塩類の添加量は、ラテックスのゴム固
形分に対して2〜30PHR、好ましくは3〜10PH
Rである。塩類の添加量が2PHR以下では十分な蛋白
質の除去効果が得られず、30PHR以上ではその効果
は飽和状態であるし、天然ゴムラテックス中に残存する
量も多くなる。上記遠心分離による場合、蛋白質分解処
理液をゴム分が20重量%、好ましくは10重量%とな
るように水で希釈する。次いで、7500rpmで30
分間遠心分離して、ゴム分であるクリームを取り出す。
また、ディスク式の遠心分離器で連続的に分離してもよ
い。
【0026】一般のゴム製品の材料として使用する天然
ゴムは、前記脱蛋白天然ゴムラテックスからゴム分を凝
固させ、さらに素練り、各種添加剤の配合、成形、加硫
などの操作を施して製造される。また、ゴム手袋など
は、加硫剤等の各種添加剤を配合した前記脱蛋白天然ゴ
ムラテックス中に、ゴム手袋の型、もしくは当該型に織
布、不織布からなる手袋体を装着したものを浸積した
後、引き上げ、乾燥、加硫する方法を施して製造され
る。
【0027】ゴムラテックスに配合される添加剤として
は、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤(活性化剤)、
老化防止剤、充填剤、分散剤などの、ラテックス配合に
用いる従来公知の種々の添加剤があげられる。上記加硫
剤としては、例えば硫黄および有機含硫黄化合物などが
あげられ、その添加量は、0.5〜3PHRであるのが
好ましい。
【0028】また加硫促進剤としては、例えばPX(N
−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛)、P
Z(ジメチルチオカルバミン酸亜鉛)、EZ(ジエチル
ジチオカルバミン酸亜鉛)、BZ(ジブチルチオカルバ
ミン酸亜鉛)、MZ(2−メルカプトベンゾチアゾ−ル
の亜鉛塩)、TT(テトラメチルチウラムジスルフィ
ド)などのうちの1種または2種以上があげられ、その
添加量は、総量で0.5〜3PHRであるのが好まし
い。
【0029】加硫促進剤としては、例えば亜鉛華などが
あげられ、その添加量は、0.5〜5PHRであるのが
好ましい。老化防止剤としては一般に、非汚染性のフェ
ノ−ル類が好適に使用されるが、アミン類を使用しても
よい。老化防止剤の添加量は、1〜3PHR程度であ
る。さらに充填剤としては、カオリンクレ−、ハ−ドク
レ−、炭酸カルシウムなどがあげられ、その添加量は、
20PHR以下であるのが好ましい。
【0030】分散剤は、主として上記各添加剤の、ラテ
ックス中への分散を良好にするためのもので、かかる分
散剤としては、例えばカゼインやアニオン系界面活性剤
などがあげられる。分散剤の添加量は、分散対象である
成分の重量の0.1〜2重量%であるのが好ましい。
【0031】
【実施例】以下に、実施例、比較例を示して本発明を詳
細に説明する。 実施例1 天然ゴムのラテックスを水で希釈し、ゴム固形分が30
重量%の天然ゴムラテックス333gを調製した。
【0032】次いで、このラテックスにpH調整剤とし
てリン酸二水素ナトリウムを添加してpHを9.0に調
整し、蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)0.067g、
界面活性剤(ロジン酸カリウム、荒川化学(株)製のK
−25)2.7gを添加し、30℃で24時間、攪拌し
た。攪拌後、天然ゴムラテックスに水を加えてゴム分1
0重量%まで希釈し、その際に炭酸ナトリウム3gを添
加した。次いで、10000rpmで30分間遠心分離
を行い、分離した上層のクリーム分を取り出して72時
間減圧乾燥した。 実施例2 炭酸ナトリウム5g使用した以外は実施例1と同様に行
なった。 実施例3 炭酸ナトリウム3g使用した以外は実施例1と同様に行
なった。 比較例1 実施例1と同様にして調製した天然ゴムラテックスに蛋
白質分解酵素および界面活性剤を添加し、蛋白質分解処
理を行った。
【0033】次いで、このラテックスにpH調整剤とし
てリン酸二水素ナトリウムを添加してpHを9.0に調
整し、蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)0.067g、
界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸
ナトリウム、花王(株)製のE70C)1.5gを添加
し、30℃で24時間攪拌した。攪拌後、天然ゴムラテ
ックスに水を加えてゴム分10重量%まで希釈し、次い
で、10000rpmで30分間遠心分離を行い、分離
した上層のクリーム分を取り出して72時間減圧乾燥し
た。 比較例2 界面活性剤にロジン酸カリウムを1.5g使用した以外
は比較例1と同様に行なった。 比較例3 界面活性剤にロジン酸カリウムを2.4g使用した以外
は比較例1と同様に行なった。 比較例4 界面活性剤にロジン酸カリウムを2.4g、無機塩に炭
酸ナトリウム20gを使用した以外は実施例1と同様に
行なった。 比較例5 界面活性剤にロジン酸カリウムを2.7g、無機塩に炭
酸ナトリウム20gを使用した以外は実施例1と同様に
行なった。 比較例6 界面活性剤にロジン酸カリウムを2.7g、無機塩に炭
酸ナトリウム15gを使用した以外は実施例1と同様に
行なった。 比較例7 界面活性剤にロジン酸カリウムを2.7g、無機塩に炭
酸ナトリウム2gを使用した以外は実施例1と同様に行
なった。
【0034】上記各実施例、比較例のゴムラテックスに
ついて、以下の各試験を行ない、その特性を評価した。 (窒素含有率の測定)実施例1〜3および比較例1〜7
で得られた固形ゴムの窒素含有率をケ−ルダ−ル法に基
づいて測定した。
【0035】(ラテックスの加工安定性)実施例1〜3
および比較例1〜7における遠心分離操作時のゴムラテ
ックスの安定性について評価した。この時の評価基準は
次の通りである。 ○・・・・遠心分離内またはその出口管にも凝固物は観
られず、良好なラテックスが得られる。 △・・・・遠心分離内またはその出口管で一部凝固物が
生じているが、ラテックスは連続的に得られる。 ×・・・・遠心分離操作中または遠心分離機内で、ラテ
ックスが凝固してしまい、全くラテックスが得られな
い。
【0036】(ラテックスの温度安定性)実施例1〜3
および比較例1〜7において、遠心分離操作後に得られ
たゴムラテックスをディスクカップ内に入れ、冷蔵庫内
で4°Cに保ち、3日間放置後のゴムラテックスの安定
性について評価した。この時のゴムラテックスの状態を
次の基準に従って評価した。 ○・・・・・ラテックスは液状の状態で、変化なし。 ×・・・・・ラテックスはクリ−ム状化した。
【0037】(加硫ゴム試験用フィルムの作製)まず、
実施例1〜3および比較例1〜7で得られたゴムラテッ
クスを固形ゴム分60%に調製した。 (成分) (配合量) ZnO 20% 1.0 PHR S 20% 1.0 PHR Bz(前出) 10% 0.5 PHR 前記ラテックスに上記各成分を配合し、室温で24時間
放置した。得られた加硫ゴムラテックス72gを12cm
×12cmのガラス板上に流延し、室温に放置して乾燥し
た後、ガラス板から剥して、ガラス面に接していた面を
一日乾燥させた。次いで真空下で乾燥してフィルムを作
成した。さらに100℃のオーブン中で30分間加熱し
て加硫し試験試料とした。
【0038】上記実施例および比較例の加硫フィルムに
ついて、JIS−K6250の5.1に準拠して以下の
各試験を行い、その物理特性を評価した。 (加硫ゴムの引張試験)実施例および比較例の加硫フィ
ルムを打ち抜いて、JIS−K6250の5.5に規定
された引張試験用の試験片(ダンべル状4号形:厚さ
0.49〜0.51mm)を作製した。そしてこの試験
片を用いて、JIS−K6251に記載の試験操作方法
に準じて、伸び300%時の引張応力M300 、伸び50
0%時の引張応力M500 、切断時伸びEb(%)、およ
び引張強さTb(MPa)を求めた。
【0039】(加硫ゴムの引裂試験)実施例および比較
例の加硫フィルムを打ち抜いて、JIS−K6250の
5.5に規定された引裂試験用の試験片(B形:厚さ
0.49〜0.51mm)を作製した。そしてこの試験
片を用いて、JIS−K6252に記載の試験操作方法
に準じて、引裂強さTR(kg/cm)を求めた。
【0040】以上の結果を表1および2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】表2から、比較例2、3および7のゴムラ
テックスは、無機塩を添加しないか、あるいは添加量が
十分でないために、遠心分離処理時の安定性が損なわ
れ、加硫ゴムの物性試験に使用することができなかっ
た。また表1および2から、ゴムラテックスにロジン酸
カリウムを配合して得られた実施例1〜3および比較例
4〜6のゴムラテックスは、界面活性剤としてラウリル
硫酸ナトリウムを使用して得られた比較例1のラテック
スに比べて、ラテックス中の残存蛋白量が低下するとと
もに、その加硫ゴムの引裂強さおよび引張強さが向上す
ることが分かった。
【0044】しかし、比較例4〜6は、無機塩の添加量
が多いために温度安定性が悪くなっていた。これに対
し、実施例1〜3では、無機塩の添加量を3〜10PH
Rとすることにより、温度安定性を良好なものにし、し
かも、加工安定性を損なうことなく、材料強度の良い加
硫ゴムが得られた。
【0045】
【発明の効果】本発明の脱蛋白ゴムラテックスは、従来
のゴムラテックスに比べて、加工時の安定性および温度
安定性を損なうことなく、引張強度および引裂強度が向
上した物理特性をもつもので、高品質、高精度のゴム製
品の材料となる。また、本発明の脱蛋白ゴムラテックス
は、蛋白質が除去されているため、抗アレルギ−ゴム製
品の材料として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 正治 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.02〜0.25PHRのプロテアーゼ
    と2.5〜5PHRのロジン酸塩とを用いて蛋白分解処
    理を行い、ついで3〜10PHRの無機塩の存在下で遠
    心分離処理を行なうことによって得られる脱蛋白天然ゴ
    ムラテックス。
  2. 【請求項2】請求項1記載の脱蛋白天然ゴムラテックス
    を加硫して得られる加硫ゴムであって、引張強さが29
    〜32MPa、切断時伸びが1050〜1200%およ
    び引裂強さが26〜29kg/cmであることを特徴と
    する加硫ゴム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1077895C (zh) * 1998-11-18 2002-01-16 中国科学院昆明植物研究所 天然胶乳的生物凝固工艺
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