JP2000017509A - ゴム手袋 - Google Patents

ゴム手袋

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JP2000017509A
JP2000017509A JP10351571A JP35157198A JP2000017509A JP 2000017509 A JP2000017509 A JP 2000017509A JP 10351571 A JP10351571 A JP 10351571A JP 35157198 A JP35157198 A JP 35157198A JP 2000017509 A JP2000017509 A JP 2000017509A
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rubber
latex
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natural rubber
heat
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JP10351571A
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Atsuko Ochi
敦子 越智
Yoshiaki Miyamoto
芳明 宮本
Hideo Nobuchika
英男 信近
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 界面活性剤によって安定化された脱蛋白天然
ゴムラテックスを用いて、充分な膜厚を有するゴム膜を
形成しうるゴム手袋を提供する。 【解決手段】 本発明のゴム手袋は、窒素含有量が0.
10重量%以下である脱蛋白天然ゴムラテックスのゴム
固形分100重量部に対して、0.1〜20重量部の感
熱化剤(A)と0.1〜10重量部のアノード凝着剤
(B)とを、重量比(A/B)が0.5〜10の範囲で
配合した感熱凝固性ラテックスを用いて形成したことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱蛋白天然ゴムラ
テックスからなる、充分な膜厚を有するゴム手袋に関す
る。
【0002】
【従来の技術】天然ゴムは伸びが大きい、弾性が高い、
皮膜の強さが良好である等の特徴を有することから、従
来より自動車用タイヤ、ベルト、粘着剤、接着剤等の工
業用品から、手袋等の家庭用品、カテーテル等の医療用
具、授乳用具、避妊具等に至る幅広い分野で利用されて
いる。
【0003】例えば手袋は、(a) 型を天然ゴムラテック
スに直接浸漬する、いわゆる直接法、(b) 型にアノード
凝着剤を塗布し、その型を天然ゴムラテックスに浸漬す
る、いわゆるアノード凝着法、(c) 感熱化剤を含有した
天然ゴムラテックス中に、あらかじめ予熱した型を浸漬
して、型表面に順次ゲルを沈着させる、いわゆる感熱法
等を用いて加工されている。
【0004】これらの製法は、上記手袋製品の種類によ
って適宜選択され、一般にゴムの膜厚が非常に薄いコン
ドーム等の製品を作製する場合には直接法が、ゴムの膜
厚が1mm程度の家庭用の手袋等を作製する場合にはア
ノード凝着法が、作業用手袋等の、より厚手のものを作
製するには感熱法がそれぞれ採用されている。ところが
近年、天然ゴムからなる手術用手袋、各種カテーテル等
の医療用具を使用すると、数時間後に呼吸困難やアナフ
ィラキシー様症状(血管性浮腫、じんましん、虚脱、チ
アノーゼ等)の症状を示す即時型(I型)アレルギーを
引き起こすことが報告されている。かかる即時型アレル
ギーは、天然ゴム中の蛋白質が抗原となって誘発すると
推測されている。
【0005】また、天然ゴムラテックス中に含まれる蛋
白質は、その種類や量が天然ゴムラテックスの産地や産
出時期等によって異なるために、天然ゴムの品質や加硫
特性等にばらつきを生じさせたり、天然ゴムのクリープ
特性や耐老化性等の機械特性、絶縁性等の電気特性を低
下させるなどの影響を及ぼすものである。そこで、上記
の問題点に鑑み、蛋白質が高度に除去された脱蛋白天然
ゴムラテックスが有用視されている。
【0006】特開平6−56902号公報には、天然ゴ
ムラテックスに蛋白分解酵素(プロテアーゼ)と界面活
性剤とを加えて蛋白質を分解した後、遠心分離によって
クリーム状の脱蛋白天然ゴム成分を分離する方法が開示
されている。かかる方法によれば、天然ゴムラテックス
中の蛋白質を非常に高いレベルで除去することができ、
蛋白質の含有量は、ケールダール法によって測定される
窒素含有量(N%)が0.1重量%以下になるまで低減
される。
【0007】従って、上記のように蛋白質が高度に除去
されたラテックスを用いれば、従来のアレルギー反応等
の問題点を解決したゴム製品が得られるものと期待され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、発明者等が
実際に上記脱蛋白天然ゴムラテックスを用いて、感熱法
によってゴム製品を作製しようとすると、良好な膜厚を
有するゴム製品が得られず、例えば手袋においては装着
時のソフト感や耐水性が充分でないことが明らかとなっ
た。
【0009】この原因としては、上記公報に開示のよう
に、一般に天然ゴムラテックスから蛋白質を除去するた
めに使用される界面活性剤が、その後ラテックス中に残
留していることがあげられる。すなわち、界面活性剤に
よって天然ゴムラテックス中から蛋白質を効率よく除去
するには、使用する天然ゴムラテックスのpHをある所
定の領域(アルカリ領域)に調節しておく必要がある。
また、得られた脱蛋白天然ゴムラテックスは、上記の界
面活性剤を含有することでラテックスの安定化が保たれ
ている。
【0010】しかし、感熱法によるゴム膜の形成におい
ては、このラテックスのpH領域ではゴム膜の形成に支
障をきたす場合があり、良好な膜厚を有するゴム膜が得
られないおそれがある。また、ラテックス中に残留する
界面活性剤がラテックスの安定化を図っているため、型
表面へのゲルの沈着を妨げてしまい、ゴム膜の形成に支
障をきたしていると考えられる。
【0011】そこで、本発明の目的は、界面活性剤によ
って安定化された脱蛋白天然ゴムラテックスを用いた、
充分な膜厚を有するゴム手袋を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、界面活性剤等
によって安定化された脱蛋白天然ゴムラテックスに、所
定量の感熱化剤とアノード凝固剤とを併せて配合したと
きは、例えばこのラテックスにあらかじめ加熱された手
袋の型を浸漬するいわゆる感熱法等によって、当該型に
ゲルを充分に沈着させることができ、充分な膜厚を有す
るゴム手袋を得ることができるという新たな事実を見出
し、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明のゴム手袋は、窒素含有
量が0.1重量%以下である脱蛋白天然ゴムラテックス
のゴム固形分100重量部に対して、0.1〜20重量
部の感熱化剤(A)と0.1〜10重量部のアノード凝
着剤(B)とを、重量比(A/B)が0.5〜10の範
囲で配合した感熱凝固性ラテックスを用いて形成した、
ゴム膜の厚みが1mm以上のものであることを特徴とす
る。
【0014】本発明によれば、界面活性剤によって安定
化されている脱蛋白天然ゴムラテックスが、上記所定量
の感熱化剤およびアノード凝固剤によってゲル化を起こ
す程度に不安定な状態になるものと推測される。従っ
て、本発明によれば、この不安定化されたラテックス
に、例えば予熱した手袋の型等を浸漬することにより、
当該型の表面に充分な量のゲルを沈着させて、ゴム膜の
厚みが1mm以上の充分な膜厚を有するゴム手袋を形成
することができる。
【0015】こうして得られたゴム手袋には、ソフトな
装着感や、優れた耐水性等が付与されている。上記本発
明のゴム手袋に使用する感熱凝固性ラテックスは、脱蛋
白天然ゴムラテックスを用いていることから品質や加硫
特性等にばらつきが生じず、その結果、優れたゴム特性
を示す。しかもゴム中の蛋白質が除去されているので、
即時型アレルギーを引き起こさないゴム手袋を作製する
ことができる。
【0016】また、ラテックスの感熱凝固性をより一層
良好なものにするという観点から、感熱化剤がアンモニ
ウム塩、または曇点が常温以上100℃以下の水溶性高
分子であり、かつアノード凝着剤が、イオン価が2以上
の金属塩または有機アルキルアミン塩であるのが好まし
い。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明で使用する感熱凝固性ラテックスは、脱蛋
白天然ゴムラテックスに、所定量の感熱化剤およびアノ
ード凝着剤を配合したものである。 〔天然ゴムラテックスの蛋白質分解処理〕上記脱蛋白天
然ゴムラテックスは、例えば上述の特開平6−5690
2号公報に開示の方法に従って、天然ゴムラテックスに
蛋白分解処理を行うことによって得られる。すなわち、
天然ゴムラテックスに蛋白分解酵素を添加して蛋白質を
分解させた後、界面活性剤によってラテックスを繰り返
し洗浄することによって得られる。洗浄は遠心分離など
で行えばよい。
【0018】本発明に用いられる天然ゴムラテックス
は、市販のアンモニア処理ラテックスでも、新鮮なフィ
ールドラテックスのいずれであってもよい。蛋白分解酵
素としては従来公知のものが使用可能であり、特に限定
されないが、例えばアルカリプロテアーゼ等が好適に用
いられる。プロテアーゼの由来としては、細菌由来のも
の、糸状菌由来のもの、酵母由来のもの等いずれでも構
わないが、これらの中では細菌由来のものを使用するの
が好ましい。また、リパーゼ、エステラーゼ、アミラー
ゼ、ラッカーゼ、セルラーゼ等の酵素を併用してもよ
い。
【0019】蛋白分解酵素としてアルカリプロテアーゼ
を用いる場合、その活性は0.1〜50APU/g、好
ましくは1〜25APU/gの範囲であるのが適当であ
る。前記酵素活性は、アンソン−ヘモグロビン法(Anso
n. M. L., J. Gen. Physiol., 22, 79(1938))の改良法
を用いて測定した。すなわち、基質として用いる尿素変
性ヘモグロビンの終濃度が14.7mg/mlとなるよ
うに調整した溶液中で、温度25℃、pH10.5にて
10分間反応させた後、反応溶液にトリクロロ酢酸を終
濃度が31.25mg/mlとなるように添加する。次
いで、トリクロロ酢酸の可溶分をフェノール試薬によっ
て呈色させ、1モルのチロシンの呈色度を1APUとし
た検量線により反応10分間当りの活性を求め、これを
1分間当りに換算することによって測定した。なお、1
APUとは、1モルのチロシンがフェノール試薬によっ
て呈色するのと同じ呈色度のトリクロロ酢酸可溶分量を
1分間に与えるプロテアーゼの量のことを示す。但し、
アルカリプロテアーゼの活性測定はこの測定方法に限定
されるものではない。
【0020】上記蛋白分解酵素の添加量は、酵素活性に
応じて適宜設定されるものであるが、通常天然ゴムラテ
ックスの固形分100重量部に対して0.0001〜2
0重量部、好ましくは0.001〜10重量部の範囲で
設定される。蛋白分解酵素の添加量が前記範囲を下回る
と、ラテックス中の蛋白質を充分に分解することができ
なくなるおそれがある。一方、蛋白分解酵素の添加量が
前記範囲を越えると、酵素の活性が低下し、かつコスト
アップにつながるおそれがある。また、酵素を添加する
際にpH調整剤などの他の添加剤を添加してもよい。
【0021】蛋白質分解処理の処理時間も酵素活性に応
じて適宜設定されるものであって、特に限定されない
が、通常数分から1週間程度行うことが好ましい。蛋白
質分解処理中、ラテックスは攪拌していてもよく、静置
していてもよい。温度調節は必要に応じてすればよい
が、処理に適当な温度としては5〜90℃、好ましくは
20〜60℃である。処理温度が90℃を超えると酵素
の失活が早く、5℃未満であれば酵素の反応が進行しに
くくなる。
【0022】界面活性剤によるラテックス粒子の洗浄方
法としては、例えば酵素処理を完了したラテックスに界
面活性剤を添加し遠心分離法する方法が好適に採用でき
る。その際、界面活性剤はラテックスのゴム固形分10
0重量部に対して0.001〜20重量部の範囲で添加
するのが適当である。遠心分離処理は、まず、蛋白質分
解処理を施した天然ゴムラテックスに界面活性剤を添加
し、5000〜10000rpmで1〜60分間遠心分
離すればよい。遠心分離は1回ないし数回行えばよい
が、通常、1回の遠心分離処理によって、蛋白質が高度
に除去された脱蛋白天然ゴムラテックスを得ることがで
きる。また、遠心分離処理は、蛋白質分解処理を施した
天然ゴムラテックスのゴム分が5〜40重量%、好まし
くは10〜30重量%となるように水で希釈した上で行
ってもよい。
【0023】遠心分離処理後、上層に分離されたクリー
ム状のゴム分を取り出す。かかる操作は、ディスク式の
遠心分離器で連続的に行ってもよい。取り出されたクリ
ーム状のゴム分は、必要に応じて水で希釈することによ
り脱蛋白天然ゴムラテックスとして供給される。また、
遠心分離に代えて、ラテックス粒子を凝集させて分離す
る洗浄方法も採用できる。
【0024】界面活性剤としては、例えば(a) 陰イオン
性界面活性剤、(b) 非イオン性界面活性剤、および(c)
両性イオン界面活性剤が使用可能である。(a) の陰イオ
ン界面活性剤には、例えばカルボン酸系、スルホン酸
系、硫酸エステル系、リン酸エステル系等の界面活性剤
が挙げられる。(b) の非イオン界面活性剤には、例えば
ポリオキシアルキレンエ−テル系、ポリオキシアルキレ
ンエステル系、多価アルコ−ル脂肪酸エステル系、糖脂
肪酸エステル系、アルキルポリグリコシド系等の界面活
性剤が挙げられる。(c) の両性イオン界面活性剤には、
例えばアミノ酸型、ベタイン型、アミンオキサイド型等
が挙げられる。
【0025】なお、以上の説明では、酵素分解後、界面
活性剤を添加してラテックスを洗浄したが、酵素と界面
活性剤とは同時に添加して処理してもよい。また、本発
明において、脱蛋白天然ゴムを得る方法は特に限定され
るものではない。また、上記例示の酵素および界面活性
剤を用いるにあたり、他の添加剤、すなわちpH調整
剤、分散剤等を添加してもよい。
【0026】pH調整剤としては、例えばリン酸二水素
カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリ
ウム、リン酸水素二ナトリウム等のリン酸塩、酢酸カリ
ウム、酢酸ナトリウム等の酢酸塩、硫酸、酢酸、塩酸、
硝酸、クエン酸、コハク酸などの酸類またはその塩、ア
ンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム等があげられる。pH調
整剤の添加量は、ラテックスのゴム固形分100重量部
に対して、通常、0.01〜0.5重量部である。
【0027】蛋白質分解処理においては、上記成分の他
に、さらにスチレンスルホン酸共重合物、ナフタレンス
ルホン酸ホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸、多環
型芳香族スルホン酸共重合物、アクリル酸および無水マ
レイン酸のホモポリマーおよび共重合物、イソブチレン
−アクリル酸およびイソブチレン−無水マレイン酸共重
合物等の分散剤を併用してもよい。
【0028】本発明に用いられる脱蛋白天然ゴムラテッ
クスの窒素含有率(N%)は、即時型アレルギーの発生
を抑制するという観点から、0.10重量%以下となる
ように調整するのが好ましい。窒素含有率(N%)は蛋
白分解処理の程度によって適宜調整できる。即時型アレ
ルギーの発生をより一層確実に抑制するには、窒素含有
率(N%)を上記範囲の中でも特に0.05重量%以下
となるように調整するのが好ましく、0.02重量%以
下となるように調整するのがより好ましい。
【0029】〔感熱凝固性ラテックスの作製〕本発明の
ゴム手袋に用いられる感熱凝固性ラテックスは、上記脱
蛋白天然ゴムラテックスに所定量の感熱化剤およびアノ
ード凝固剤を配合したものである。上記感熱凝固性ラテ
ックスを調製する際、脱蛋白天然ゴムラテックスの濃度
としては、ゴム固形分が30〜52重量%、好ましくは
38〜48重量%の範囲になるように希釈して使用され
るのがよい。
【0030】ゴム固形分が上記範囲より高ければ、ラテ
ックスがより不安定化して凝固してしまう場合がある。
一方、ゴム固形分が上記範囲より小さければ、溶液中の
ゴム分が少ないために実用化に充分な膜厚を有するゴム
製品が得られない場合がある。本発明で使用される感熱
化剤としては、無機または有機アンモニウム塩、あるい
は曇点が常温以上100℃以下の水溶性高分子があげら
れる。具体的に説明すると、例えば上記水溶性高分子と
しては、ポリビニルメチルエーテル、ポリアルキレング
リコール、ポリエーテルポリホルマール、官能性ポリシ
ロキサン等が挙げられる。無機または有機アンモニウム
塩としては、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、種
々の亜鉛アンモニウム錯塩等が例示される。
【0031】またアノード凝固剤としては、イオン価が
2以上の金属塩や有機アルキルアミン塩などがあげられ
る。具体的に説明すると、例えばイオン価が2以上の金
属塩としては、硝酸カルシウム、塩化カルシウム等が例
示される。これらは水溶液として使用される。前記感熱
化剤の配合量は、脱蛋白天然ゴムラテックスのゴム固形
分100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましく
は0.5〜10重量部である。前記アノード凝着剤の配
合量は、脱蛋白天然ゴムラテックスのゴム固形分100
重量部に対して0.1〜10重量部であり、好ましくは
0.5〜8重量部である。また前記感熱化剤(A)とア
ノード凝着剤(B)とは、重量比(A/B)で0.5〜
10の範囲にあるのがよい。
【0032】感熱化剤の配合量、アノード凝着剤、およ
び前記感熱化剤とアノード凝着剤との配合比いずれか一
つが、上記範囲より大きい場合には、ラテックスがより
不安定化して、ゲル化や凝固を引き起こすおそれがあ
る。一方、上記範囲より小さい場合には、良好な膜厚を
有するゴム製品を得ることができないおそれがある。 〔ゴム手袋およびその製造方法〕次に、本発明のゴム手
袋およびその製造方法について説明する。
【0033】本発明のゴム手袋の製造方法としては、感
熱凝固性ラテックス中に下記の各種添加剤を配合した
後、予熱された手袋の型を浸積し、次いで型を引き上
げ、乾燥、加硫する方法が用いられる。感熱凝固性ラテ
ックスに配合される添加剤としては、加硫剤のほか、加
硫促進剤、加硫促進助剤(活性化剤)、老化防止剤、充
填剤、分散剤等の、従来公知の種々の添加剤があげられ
る。
【0034】上記加硫剤としては、例えば硫黄や有機含
硫黄化合物等があげられ、その配合量は、ゴムラテック
スのゴム固形分100重量部に対して0.5〜3重量部
程度であるのが好ましい。加硫促進剤としては、例えば
PX(N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜
鉛)、PZ(ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛)、EZ
(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)、BZ(ジブチル
ジチオカルバミン酸亜鉛)、MZ(2−メルカプトベン
ゾチアゾールの亜鉛塩)、TT(テトラメチルチウラム
ジスルフィド)等があげられる。これらは単独でまたは
2種以上を混合して用いることができる。その配合量
は、ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対して
0.5〜3重量部程度であるのが好ましい。
【0035】加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華等が
あげられる。その配合量は、ゴムラテックスのゴム固形
分100重量部に対して0.5〜3重量部であるのが好
ましい。老化防止剤としては、一般に、非汚染性のフェ
ノール類が好適に用いられるが、アミン類を使用しても
よい。老化防止剤の配合量は、ゴムラテックスのゴム固
形分100重量部に対して0.5〜3重量部程度である
のが好ましい。
【0036】充填剤としては、例えばカオリンクレー、
ハードクレー、炭酸カルシウム等があげられる。その配
合量は、ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対
して10重量部以下であるのが好ましい。また、上記各
添加剤のゴムラテックス中への分散を良好にするために
分散剤を配合してもよい。かかる分散剤としては、例え
ば各種陰イオン系界面活性剤等があげられる。分散剤の
配合量は、分散対象である成分における重量の0.3〜
1.0重量%程度であるのが好ましい。
【0037】型は、例えば陶器、セラミック製のものな
どが使用可能である。型の予熱温度は、使用する感熱化
剤やゴム材料に応じて適宜決定することができるが、通
常80〜100℃、好ましくは85〜95℃程度の温度
に表面を予熱しておくのがよい。加硫の条件は、通常1
00〜120℃にて、約30〜90分間程度行うのがよ
い。
【0038】本発明のゴム手袋は、例えば手術、医療現
場等での検査、化学薬品を用いた作業等において手を保
護するために用いられるものであって、人間の手の形状
に応じて設計される。本発明のゴム手袋におけるゴム膜
の厚みは、従来脱蛋白天然ゴムラテックスを用いた場合
には形成することができなかった厚みであって、1mm
以上、好ましくは1〜3mm範囲で、手袋の種類、使用
目的によって適宜調節される。なお、ゴム膜の厚みが1
mm未満のゴム手袋は、たとえ界面活性剤を含有する脱
蛋白天然ゴムラテックスを用いても、従来の直接法やア
ノード凝着法で形成することができる。
【0039】本発明のゴム手袋における物性(伸縮性、
引張応力等)は、ゴム手袋の種類、使用目的等によって
適宜調節される。例えば本発明のゴム手袋を作業用手袋
として使用する場合には、その膜厚はソフト感を出すこ
とができ、耐水性等の特性を良好なものとすることがで
き、かつゴムの破断などのおそれがない範囲で適宜選択
され、通常0.5〜3mm、好ましくは0.8〜2mm
の範囲で設定される。
【0040】またゴム手袋の伸縮性は、手袋の着脱が容
易でかつ良好なフィット性を発揮するのに必要な伸縮性
を有するように、JIS K 6301に従った測定法
で求めた伸びが、通常700〜1000%、好ましくは
800〜900%であるのがよい。さらにゴム手袋の引
張応力は、装着者の手への手袋の装着が容易になるよう
に、JIS K 6301に従った測定法で求めた引張
応力が、通常、20〜40MPa、好ましくは25〜3
5MPaであるのがよい。
【0041】なお、以上の説明では、感熱凝固性ラテッ
クス中に、予熱した型を浸漬していたが、この感熱凝固
性ラテックスに代えて、感熱化剤とアノード凝着剤とを
配合しない脱蛋白天然ゴムラテックスに、上記各種添加
剤を配合して加硫(以下、前加硫という)を行い、この
前加硫したラテックス中に感熱化剤およびアノード凝着
剤を配合して調製した脱蛋白天然ゴムラテックスを使用
してもよい。
【0042】その際、前加硫は、通常30〜50℃に
て、約15〜30時間行うのがよい。また、上記感熱凝
固性ラテックスからゴム分を凝固、乾燥させた固形脱蛋
白天然ゴムを、ゴム製品の原料として用いてもよい。
【0043】
【実施例】以下、実施例および比較例を示して本発明を
詳細に説明する。 参考例 (脱蛋白天然ゴムラテックスの作製)天然ゴムのハイア
ンモニアラテックスを水で希釈し、ゴム固形分が30重
量%の天然ゴムラテックス100gを調製した。
【0044】次いで、このラテックスにpH調整剤とし
てリン酸二水素ナトリウムを添加してpHを9.0に調
整し、蛋白分解酵素(プロテアーゼ)0.02g、界面
活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナト
リウム、花王(株)製のエマールE−70C)1gを添
加し、30℃で24時間静置した。静置後、天然ゴムラ
テックスに水を加えて300gまで希釈した。次いで、
1000rpm(重力加速度約900G)で30分間遠
心分離を行った。
【0045】こうして上層に分離したクリーム状留分を
取り出して24時間減圧乾燥し、ケルダール法に基づい
て得られたゴムの窒素含有量(N%)を測定したとこ
ろ、0.015%であった。 実施例1 (ゴム手袋の製造)上記参考例で得られた脱蛋白天然ゴ
ムラテックス(全固形分濃度60.0重量%,窒素含有
量0.015%,pH10.8)166.7g(ゴム固
形分100重量部)に対し、各種添加剤〔水に分散させ
たコロイド硫黄、亜鉛華およびノクセラー BZ〕を添
加し、40℃で24時間熟成(前加硫)させた。なお、
上記コロイド硫黄、亜鉛化およびノクセラーBZの添加
量は、順に1重量部、1重量部および0.6重量部であ
った。
【0046】次いで、上記ラテックスを20℃まで冷却
し、感熱化剤としてポリビニルメチルエーテルを0.5
重量部、およびアノード凝着剤として硝酸カルシウム水
溶液0.5重量部をそれぞれ配合した。なお、上記硝酸
カルシウム水溶液の配合量は硝酸カルシウム自体の重量
を示す。また、感熱化剤(A)とアノード凝着剤(B)
との配合比(A/B)は重量比で0.5であった。脱蛋
白天然ゴムラテックス中の界面活性剤の含有量は、ゴム
固形分に対して0.25重量%あった。
【0047】次に、この感熱化剤およびアノード凝着剤
を配合したラテックス中に、あらかじめ90℃に予熱し
た陶器製の手袋の型を30秒間浸漬した後、100℃、
90分間加硫して、ゴム膜の厚みが1.0mmのゴム手
袋を作製した。 実施例2、3および比較例1、2 感熱化剤およびアノード凝着剤の添加量を表1に示す値
に設定したほかは、実施例1と同様にしてゴム手袋を作
製した。
【0048】比較例3 上記参考例で得られた脱蛋白天然ゴムラテックスに代え
て、市販のハイアンモニア天然ゴムラテックス(ゴム固
形分の濃度60.0重量%、窒素含有量0.32重量
%)を使用したほかは、実施例1と同様にしてゴム手袋
を作製した。上記実施例1〜3および比較例1〜3のゴ
ム手袋について、JIS−6301に準拠して以下の各
試験を行い、その物理特性を評価した。
【0049】(引張試験)実施例および比較例のゴム膜
から、JIS−6301に規定された引張試験用の試験
片(ダンベル状3号形:厚さ1.2〜1.4mm)を作
製した。そしてこの試験片を用いて、JIS−6301
に記載の試験操作方法に準じて、伸び500%時の引張
応力(500%モジュラス)M500 、切断時伸びEB
(%)、および引張強さTB (MPa)を求めた。
【0050】(蛋白質の含有量)上記実施例および比較
例で得られたゴム手袋に残存する蛋白質の量を評価する
ため、ゴム手袋中の水溶性蛋白質の量(μg/g)をA
STM D5712に記載の方法に準じて測定した。 (手袋の装着感)各実施例、比較例で得られたゴム手袋
を実際に装着したときの装着感を評価した。評価の基準
は以下のとおりである。 ◎:装着感が極めてソフトで、指の曲げ伸ばしが自然に
行え、あたかも手袋を装着していないように感じられ
た。 〇:装着感がソフトで、指の曲げ伸ばしが自然に行え
た。 △:手袋が多少硬く感じられたものの、実用上問題はな
かった。 ×:装着感が極めて悪く、長時間の装着により手に疲労
感が生じた。
【0051】以上の結果を、各成分の配合量と共に表1
に示す。
【0052】
【表1】
【0053】表1より明らかなように、実施例1〜3で
は、感熱法によっても良好な膜厚を有するのゴム手袋を
製造することができたのに対し、比較例では凝固したり
(比較例1)、充分な膜厚が得られない(比較例2)等
の問題が生じた。また、脱蛋白されていないラテックス
(ハイアンモニアラテックス)に、感熱化剤とアノード
凝着剤との両方を添加した比較例3では、ラテックスが
凝固してしまい、ゴム膜を形成できなかった。
【0054】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれ
ば、脱蛋白天然ゴムラテックスから、十分な膜厚と良好
なゴム特性とを有するゴム手袋を製造することができ
る。また、本発明のゴム手袋は蛋白質が高度に除去され
ているので、即時型アレルギーを引き起こすおそれがな
い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脱蛋白天然ゴムラテックスのゴム固形分1
    00重量部に対して、0.1〜20重量部の感熱化剤
    (A)と0.1〜10重量部のアノード凝着剤(B)と
    を、重量比(A/B)が0.5〜10の範囲で配合した
    感熱凝固性ラテックスを用いて形成した、ゴム膜の厚み
    が1mm以上であることを特徴とするゴム手袋。
  2. 【請求項2】感熱化剤(A)がアンモニウム塩、または
    曇点が常温以上100℃以下の水溶性高分子であり、か
    つアノード凝着剤(B)が、イオン価が2以上の金属塩
    または有機アルキルアミン塩である請求項1記載のゴム
    手袋。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018089358A (ja) * 2016-11-30 2018-06-14 住友ベークライト株式会社 樹脂製可動部材および医療機器
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