JP3595724B2 - 給紙装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に備えられる給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8および図9に、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に備えられた給紙装置の従来例を示す。図8は従来の画像形成装置の給紙装置を表す断面図であり、図9は従来の画像形成装置の給紙装置を表す平面図である。
【0003】
画像形成装置9には、複数枚のシートSを積載支持する給紙トレイlと、給紙トレイl上に積載されたシートSを給紙するための給紙ローラ2と、給紙されたシートSの重送を防止するための分離パッド5が設けられている。
【0004】
給紙ローラ2は、画像形成装置本体の側板9a、9bに軸受8a、8bを介して回転可能に取り付けられた給紙駆動軸20に固定され、電磁クラッチ19のON/OFFによりモータ18からの回転駆動の伝達/停止が行える構成になっている。
【0005】
分離パッド5は、画像形成装置本体の側板9a、9bに設けられた支点6a、6bを中心に揺動自在な分離パッドアーム6上に支持されており、加圧バネ7によって図8の反時計回り(給紙ローラ2に加圧する方向)の所定のモーメント力で給紙ローラ2に対して付勢されている。
【0006】
更に、給紙トレイlには、給紙トレイl上に設けられた支点3a、3bを中心に揺動自在な中板3が設けられている。中板3は、カム軸10aに取り付けられた偏心カム10の停止位置により、給紙ローラ2に対する接離動作が行える構成にあり、接触時は、加圧バネ4a、4bによって図8の時計回り(給紙ローラ2に加圧する方向)の所定のモーメント力で給紙ローラ2に対して付勢されている。
【0007】
カム軸10aは、電磁ソレノイド16がONし、電磁ソレノイド16のソレノイド爪16aとバネクラッチ15のクラッチ爪15a、15bとの係止が外れることにより入力ギヤ17、バネクラッチ15を介してモータ18からの回転駆動入力が行われ、電磁ソレノイド16がOFFし、ソレノイド爪16aがクラッチ爪15a、15bのどちらか一方と係止することにより回転が停止し、所定の角度位置に保たれる構成になっている。
【0008】
クラッチ爪15a、15bの位相は、偏心カム10の位相と関連づけて設けられており、一方のクラッチ爪15aがソレノイド爪16aと係止しているときは、偏心カム10の最小径が中板3に対向した位置となり、中板3が給紙ローラ2と接触し、他方のクラッチ爪15bがソレノイド爪16aと係止しているときは、偏心カム10の最大径が中板3に対向した位置となり、中板3が給紙ローラ2から離間する。
【0009】
よって、電磁ソレノイド16を短時間の間でON/OFFすることにより、ソレノイド爪16aを一方のクラッチ爪15aから外して他方のクラッチ爪15bに係止させ、偏心カム10の位相切り換え、および、中板3の給紙ローラ2に対する接離切り換えが行える。
【0010】
給紙装置によってシートSを給紙する場合は、まず、シートSを給紙トレイl上に置き、シートSの先端を分離パッドアーム6のシート突当て面6cに突き当てる。
【0011】
不図示スタートボタンが押されると、モータ18が回転開始し、電磁ソレノイド16がON/OFFされて偏心カム10の位相が切り換わり、中板3が給紙ローラ2に対して加圧される。その後、電磁クラッチ19がONすることにより、給紙ローラ2が回転開始し、給紙動作が開始され、給送されたシートSの先端が、給紙ローラ2と分離パッド5のニップ部に送り込まれる。このとき、給紙ローラ2によって給送されたシートSが複数枚の場合(いわゆる重送した場合)でも、シートSとシートSとの間の摩擦力よりもシートSと分離パッド5との間の摩擦力の方が大きくなるように設定されているため、最上紙以外は給紙ローラ2と分離パッド5のニップ部でせき止められ、重送紙の分離を行うことができ、最上紙1枚のみがニップ部を通過して給紙される。
【0012】
給紙ローラ2と分離パッド5のニップ部を通過したシートSは、上下のガイド部材ll、12に案内されて、回転停止しているレジストローラ対13、14のニップに先端が突き当たり、適正量のループを形成する、ループの形成によりシートSの斜行送りを行った後は、画像形成装置9の画像信号と同期してレジストローラ対13、14の回転駆動を開始し、画像形成部ヘシートSを給紙する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
近年、従来例に示す画像形成装置においては、装置の高速化、高生産性に伴って、消耗部品の清掃や交換といったメンテナンス作業を極力簡易化し、メンテナンス中の装置のダウンタイムを極力減らすことが希求されてきている。
【0014】
しかしながら、上記従来例の給紙装置においては、耐久により摩耗し、定期清掃や交換を必要とする給紙ローラ2および分離パッド5のメンテナンス作業性は著しく悪い。
【0015】
例えば、給紙ローラ2を外す際は、まず画像形成装置の側板9a、9bに取り付けられている軸受8a、8bを外す必要があり、そのためには軸受8a、8bの周囲を覆うカバーや種々の部品を外すという余分な作業が伴い、ドライバー等の特定の工具を使用する必要もある。更に、分離パッド5の付勢力の解除も必要とするため、分離パッドアーム6を加圧バネ7の加圧力に抗して押さえ付けながら上記作業を行わなくてはならず、作業性も著しく悪い。一方、分離パッド5を外す際は、まず、上記手傾により給紙ローラ2を外した後に、今度はパッドアーム6の支点6a、6bを側板9a、9bから外さなくてはならず、余分な脱着部品が更に増え、作業性は更に悪化する。
【0016】
また、上記従来例の構成では消耗部品である給紙ローラ2、分離パッド5と一緒にそれらの部品が固定されている、給紙駆動軸2aや分離パッドアーム6等、本来なら交換を必要としない大きな部品まで交換しなくてはならず、交換部品のコストが高くなり、装置の維持費が高くなるという不具合もあった。
【0017】
そこで本発明は上記事情に鑑み、メンテナンス作業性を向上させると共に、部品交換時におけるコストを低減させることができる給紙装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明は上述の事情に生みてなされたもので、請求項1記載の発明は、複数のシート材を積載自在な積載トレイと、前記積載トレイに積載されたシート材を1枚ずつ分離して給送自在な分離給送手段とを備え、前記分離給送手段は、給紙ローラと、該給紙ローラに対して当接・離間自在なシート分離体と、該シート分離体を前記給紙ローラに向けて付勢する付勢手段とを有し、前記シート分離体は前記給紙ローラに当接する分離パッドを有する給紙装置において、前記シート分離体を、前記分離パッドが前記給紙ローラに対して離間した位置において固定・固定解除自在な分離体固定手段を設け、前記積載トレイに給紙ローラカバーを設け、前記積載トレイを、前記給紙ローラに接近する給紙位置と、前記給紙ローラから後退する作業位置との間で移動可能でそれぞれの位置で位置決め可能とし、かつ前記積載トレイが前記給紙位置から前記作業位置に移動することにより、前記給紙ローラカバーが移動して、前記給紙ローラを着脱可能とすると共に、前記分離体固定手段により前記シート分離体の前記分離パッドを前記給紙ローラから離間する、ことを特徴とする。
【0019】
また請求項2記載の発明は、複数のシート材を積載自在な積載トレイと、前記積載トレイに積載されたシート材を1枚ずつ分離して給送自在な分離給送手段とを備え、前記分離給送手段は、給紙ローラと、該給紙ローラに対して当接・離間自在なシート分離体と、該シート分離体を前記給紙ローラに向けて付勢する付勢手段とを有し、前記シート分離体は前記給紙ローラに当接する分離パッドを有する給紙装置において、前記シート分離体を、前記分離パッドが前記給紙ローラに対して離間した位置において固定・固定解除自在な分離体固定手段を設け、前記分離給送手段は、軸嵌入穴が形成された軸支持部材と、該軸支持部材により前記軸嵌入穴を介して軸支され、前記給紙ローラを設けたローラ軸を有し、前記軸支持部材には、前記軸嵌入穴を軸放射方向に開口させる軸着脱溝を、前記ローラ軸が該軸着脱溝を介して前記軸嵌入穴に対して着脱自在になる形で形成し、前記積載トレイを、前記給紙ローラに接近する給紙位置と、前記給紙ローラから後退する作業位置との間で移動位置決め自在とし、かつ前記積載トレイに軸着脱溝閉鎖部材を設け、前記積載トレイが前記給紙位置から前記作業位置へ移動することにより、前記軸着脱溝閉鎖部材が前記軸支持部材の前記軸着脱溝を開けて前記給紙ローラを着脱可能とすると共に、前記分離体固定手段により前記シート分離体の前記分離パッドを前記給紙ローラから離間する、ことを特徴とする。
【0020】
また請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の給紙装置において、前記分離体固定手段は、操作部と作用部が形成された操作レバーを有し、前記操作レバーを、前記操作部を操作することにより前記作用部が、前記シート分離体を前記給紙ローラから離間する方向に押圧する押圧位置と、前記シート分離体に対する押圧を解除する待機位置との間で移動するように配置し、前記操作部を前記給紙ローラよりも紙送り上流側に配置した、ことを特徴とする。
【0021】
また請求項4記載の発明は、請求項3記載の給紙装置において、前記分離体固定手段は、前記積載トレイに形成したレバー係合部を有し、前記積載トレイを前記作業位置に位置決めすることにより、前記押圧位置にある前記操作レバーが、前記レバー係合部と係合するようになっている、ことを特徴とする。
【0022】
また請求項5記載の発明は、請求項3記載の給紙装置において、前記積載トレイは、前記操作レバーの前記操作部を兼ねている、ことを特徴とする。
【0024】
また請求項6記載の発明は、請求項1又は2記載の給紙装置において、前記分離給送手段は、軸支持部材と、該軸支持部材により軸支されたローラ軸を有し、前記給紙ローラは、前記ローラ軸に対して、該ローラ軸の軸方向に沿った方向に該ローラ軸の先端を介して着脱自在に設けられている、ことを特徴とする。
【0025】
また請求項7記載の発明は、請求項1又は2記載の給紙装置において、前記シート分離体は分離体本体を有し、前記分離パッドは前記分離体本体に対して着脱自在に設けられている、ことを特徴とする。
【0026】
[作用]
上記構成により、給紙ローラを外す際には、分離体固定手段により、シート分離体を前記給紙ローラから離間した位置において固定する。
【0027】
また、請求項4の場合には、積載トレイを作業位置に移動させれば該積載トレイにより分離体固定手段の操作レバーが係合され、更に、請求項1の場合には、積載トレイを作業位置に移動させれば給紙ローラカバーが給紙ローラを開放する。
【0028】
また、請求項2の場合には、積載トレイを作業位置に移動させれば軸着脱溝閉鎖部材が軸着脱溝を開放する。
【0029】
【発明の実施の形態】
<実施例1>
以下、本発明の実施例を図1、図2、図3、図4を用いて説明する。なお、本給紙装置において、上記従来例の給紙装置と同一の部材には同一符号を付すと共に、機能的に変わらないものについてはその説明を省略する。
【0030】
本画像形成装置9において、給紙トレイ1は、図1から図3に示すように、画像形成装置9の側板9a、9bに設けられた支点1a、1bを中心に回転可能に支持され、その自重により図1、図2中時計回りに回転付勢されている。
【0031】
給紙ローラ2は、給紙ローラ支軸26に固定され、給紙ローラ支軸26は軸受25a、25bを介して画像形成装置9内に固定された給紙ローラ支持板24に対して回転可能に取り付けられている。給紙ローラ2は、給紙ローラ支軸26端部に設けられたカップリング構成による駆動入力手段28aが給紙駆動軸20の端部に設けられた駆動出力手段28bに噛み合うことにより回転駆動される。給紙駆動軸20は、画像形成装置9の側板9b、9cに対して軸受8b、8cを介して回転可能に支持されており、その駆動制御方法は従来例に示した通りである。図2のメンテナンス作業状態において、給紙ローラ2は、前述した給紙ローラ支軸26、軸受25a、25b、カップリング28aと一体となって給紙ローラ支持板24の切り欠き部24aより脱着することが可能な構成になっている。
【0032】
分離パッド5は、図4の詳細図に示すように、分離パッドホルダー27と一体に構成されており、分離バッドホルダー27は、フック27a、27bを撓ませることにより、分離パッドアーム6に対して着脱可能な構成になっている。分離パッドアーム6は、従来例と同様に、画像形成装置本体の側板9a、9bに設けられた支点6a、6bを中心に揺動自在に設けられており、加圧バネ7によって図1、図2中反時計回り(給紙ローラ2に加圧する方向)の所定のモーメント力で給紙ローラ2に対して付勢されている。また、分離パッドアーム6には、図2のメンテナンス作業状態において、後述するリンク部材21に設けられたピン21gと係合し、加圧バネ7の付勢力に抗して、分離パッドアーム6を図1、図2中時計回り(給紙ローラ2から離間する方向)に回転させるためのレバー部6dを有する。
【0033】
また、本画像形成装置9には、給紙トレイ1のトレイ角度を切り換えるためのリンク部材21が設けられている。リンク部材21は、側板9aに設けられた固定ピン22a、22bに対して所定の遊び量を有するガイド穴21a、21bが係合し、水平方向にスライド可能な構成となっている。また、リンク部材21には、給紙トレイ1に当接することにより、上述した回転付勢力に抗して給紙トレイ1を各々所定の角度に保持するための当接部21c、21dを有する。リンク部材21がスライドすることにより、一方の当接部21cの当接が解除され他方の当接部21dが当接し、給紙トレイ1のトレイ角度が切り換わるが、その機構の詳細については後に述べる。また、リンク部材21は、一側面21eをバネ23により付勢されており、通常はその付勢力によってガイド穴21a、21bの一端が固定ピン22a、22bに突き当たった位置に保持されている。バネ付勢面21eの対向側の側面21fは、メンテナンス作業を行うユーザーまたはサービスマンが操作するための操作面21fとなって画像形成装置9の外表面に露出している。また、前述したように、リンク部材21には、分離パッドアーム6のレバー部6dに対して、離間、当接加圧するためのピン21gが設けられている。
【0034】
更に、本画像形成装置9には、給紙ローラ2に対する外部からの接触や、異物の付着、異物の巻き込みによる動作不良の発生防止のための給紙ローラカバー29が設けられている。給紙ローラカバー29は、給紙ローラ支軸26を支える軸受25a,25bに当接して給紙ローラ2の給紙ローラ支板24からの抜けを防止し、給紙ローラ2を所定の位置に保持するための給紙ローラ固定部29a、29bを有する。給紙ローラカバー29は給紙トレイ1に対して一体に設けられており、給紙トレイ1のトレイ角度の切り換え動作に連動して移動する構成となっている。
【0035】
以上の構成における、給紙トレイ1のトレイ角度の切り換え操作について説明する。給紙トレイ1は、図1に示すように、リンク部材21の突起部21cが給紙トレイ1の下面突起部1cに当接することにより、自重による給紙トレイ1の回転付勢力に抗って、給紙動作を行うための第一の角度に保持されている。このときリンク部材21はバネ23の付勢力によってガイド穴21a、21bの一端が固定ピン22a、22bに突き当たった状態の第一の位置に保持されている。この状態で、ユーザーまたはサービスマンがリンク操作面21fを押すと、図2に示すように、リンク部材21が画像形成装置9の内側に押し込まれ、リンク突起部21cの給紙トレイ突起部1cに対する当接が外れる。当接が解除されることにより、給紙トレイ1は、その自重によって支点1a、1bを中心に図2中時計回りに回転するが、リンク上面21dが給紙トレイ下面1dに当接することで回転が止まり、メンテナンス作業を行うための第二の角度に保持される。給紙トレイ1が第二の角度に切り換わることにより、給紙トレイ1上に一体に支持された給紙ローラカバー29も同様に回転し、給紙ローラ固定部29a、29bの給紙ローラ軸受25a、25bに対する当接が外れるとともに、給紙ローラ2を着脱するに十分な開口部9dを形成することができる。このとき、リンク部材21はバネ23の付勢力により、第一の位置に戻ろうとするが、リンク操作面21fが給紙トレイ1に設けられた溝壁1eに当接するため、図2に示される第二の位置に保持される。リンク部材21が第二の位置に切り換わることにより、リンク部材21のピン21gと分離パッドアーム6のレバー部6dとが当接し、加圧バネ7の付勢力に抗して、分離パッドアーム6を図2中時計回りに回転させ、分離パッド5を給紙ローラ2から離間する。
【0036】
以上説明したように、リンク部材21が第一の位置から第二の位置に押し込むという一動作により、給紙トレイ1が、給紙動作を行うための第一の角度からメンテナンス作業を行うための第二の角度に切り換わり、同時に、給紙ローラカバー29の解除、給紙ローラ2の固定解除、分離パッド5の圧解除が連動して行え、容易に給紙ローラ2や分離パッド5の脱着ができ、清掃や部品交換等のメンテナンス作業を容易に行うことが可能となった。また、給紙トレイ1を持ち上げるという一動作により、給紙トレイ1を第二の角度から第一の角度に戻し、それによりリンク操作面21fと給紙トレイ溝壁1eの当接が外れ、加圧バネ23の加圧力により、リンク部材21が第二の位置から第一の位置戻って給紙トレイ1を第一の角度に保持し、給紙ローラカバー29のセット、給紙ローラ2の固定、分離パッド5の加圧も行えるため、戻し操作も非常に簡略化することができた。また、本実施例では、偏心カム10がどの位相にあっても、給紙トレイ1が第二の角度まで倒されることにより、確実に給紙ローラ2に対して離間するため、消耗部品の脱着操作を阻害することはない。
【0037】
なお、本実施例では、給紙駆動軸20から給紙ローラ支軸26への回転駆動伝達をカップリングにより構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、給紙駆動軸20と給紙ローラ支軸26の軸心をずらすことにより、ギアやベルト等の伝達手段を用いても同様な効果が得られることはいうまでもない。
【0038】
<実施例2>
実施例1では給紙トレイ1のトレイ角度切換え手段をリンク部材21により構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0039】
たとえば、図5、図6に示すように、画像形成装置9内にマグネット31を設け、給紙トレイ1上のマグネット31に対向する位置に吸着板32を設けて吸着させることにより給紙トレイ1を第一の角度に保持し、第二の角度に切換える動作としては、マグネット31の吸着力に抗して給紙トレイ1を倒し、自重により画像形成装置9の壁面9eに突き当てる構成とし、かつ、分離パッド5の給紙ローラ2に対する圧解除は、給紙トレイ1の先端に分離パッドアーム6に対する当接部1fを設ける構成によっても同様な効果を得ることができ、リンク部材21が不要となるため、構成が更に簡略化する。
【0040】
また、給紙トレイ1を第一の角度に保持する手段としては、マグネット31に限定されるものではなく、ラッチ等の機構を用いても同様な効果が得られることはいうまでもない。
【0041】
<実施例3>
実施例1では、給紙ローラ2を給紙ローラ支軸26、軸受25a、25b、カップリング28aと一体に脱着交換できるユニット構成としたが、図7に示すように、給紙駆動軸20の軸端にDカット形状20aと溝形状20bを設け、給紙ローラ2の芯金に軸と同様なDカット形状2aと軸溝20bに係合するフック形状2bを設けることにより給紙駆動軸20に対する回転方向とスラスト方向の係止行い、フック2bを撓ませて給紙ローラ2をスラスト方向に移動させることにより給紙駆動軸20に対する脱着が容易に行える構成にすることで、給紙ローラ支軸26、軸受25a、25b、カップリング28aが不要となり、装置構成が更に簡略化し、交換部品を更に減らすことができる。また、給紙ローラ固定部材29aも不要となり、給紙トレイ1の角度を更に立てる方向に回転させて、画像形成装置9の外壁面に沿った位置まで収納することも可能になるため、給紙トレイ1不使用時の画像形成装置9の使用面積を小さくすることもできる。
【0042】
また、給紙ローラ2と給紙駆動軸20との回転方向の係止方法は、Dカット形状に限定されるものではなく、スプリングピンとピン溝の係合である等、給紙ローラ2の給紙駆動軸20に対する回転の係止が可能な構成であれば、同様な効果が得られることはいうまでもない。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のうち請求項1及び2によれば、給紙ローラの取り外し時には、該給紙ローラから離間した位置に移動させたシート分離体を分離体固定手段により固定できるので、従来のようにシート分離体を手で押さえている必要がなく、また余分な作業や特定の工具を必要とせず、メンテナンス作業性が向上する。更に、メンテナンス作業性が向上したことにより、装置のダウンタイムが減り、装置の高速、高生産性を追求した画像形成装置を提供することができる。またこのように良好なメンテナンス作業ができるため、交換を必要としない部品の取り外しは極力しなくて済み、部品交換時におけるコストを低減させることができる。さらに、本発明のメンテナンス作業状態は、たとえば給紙部でジャムしたシートを取り除く際にも活用でき、ジャム処理を行うに当たっての十分な開口スペースが確保できると共に、分離パッドが圧解除されているためシートも取り除き易くなることはいうまでもない。
【0044】
また、請求項3では、給紙ローラよりも紙送り上流側にある操作レバーの操作によってシート分離体を給紙ローラから離間させることができるので作業性が極めて良い。
【0045】
また、請求項4では、積載トレイを利用して操作レバーを押圧位置で係合できるので、操作レバーの係合部を別途に形成する必要がなく、装置全体をコンパクトにすることができる。同様に、請求項5では、積載トレイが操作レバーの操作部を兼ねるので、装置全体をコンパクトにすることができる。
【0046】
また、請求項1では、積載トレイの移動という1操作により、給紙ローラカバーの開放と、操作レバーの係合或いは操作レバーの操作によるシート分離体の給紙ローラからの離間といった2種類以上の動作を行うことができるので作業が簡単かつ迅速に行える。同様に、請求項2では、積載トレイの移動という1操作により、軸着脱溝閉鎖部材による軸着脱溝の開放と、操作レバーの係合或いは操作レバーの操作によるシート分離体の給紙ローラからの離間といった2種類以上の動作を行うことができるので作業が簡単かつ迅速に行える。
【0047】
また、請求項6では、給紙ローラが片持ち軸で支持されているので、該給紙ローラの着脱は容易になり作業性が向上する。
【0048】
また、請求項7では、シート分離体から分離パッドだけを取り外して交換するので、交換部品コストを極力低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の給紙装置を表す断面図(給紙動作を行う状態)。
【図2】本発明の実施例1の給紙装置を表す断面図(メンテナンス作業を行う状態)。
【図3】本発明の実施例1の給紙装置を表す平面図(給紙動作を行う状態)。
【図4】本発明の実施例1の分離パッド構成を表す詳細図。
【図5】本発明の実施例2の給紙装置を表す断面図(給紙動作を行う状態)。
【図6】本発明の実施例2の給紙装置を表す断面図(メンテナンス作業を行う状態)。
【図7】本発明の実施例3の給紙ローラ構成を表す詳細図。
【図8】従来例の給紙装置を表す断面図。
【図9】従来例の給紙装置を表す平面図。
【符号の説明】
l 給紙トレイ
2 給紙口一ラ
5 分離パッド
6 分離パッドアーム
7 加圧バネ
9 画像形成装置
20 給紙駆動軸
21 リンク部材
22 固定ピン
23 リンク加圧バネ
24 給紙ローラ支板
25 軸受
26 給紙ローラ支軸
27 パットホルダー
28 カップリング
29 給紙ローラカバー
Claims (7)
- 複数のシート材を積載自在な積載トレイと、前記積載トレイに積載されたシート材を1枚ずつ分離して給送自在な分離給送手段とを備え、
前記分離給送手段は、給紙ローラと、該給紙ローラに対して当接・離間自在なシート分離体と、該シート分離体を前記給紙ローラに向けて付勢する付勢手段とを有し、
前記シート分離体は前記給紙ローラに当接する分離パッドを有する給紙装置において、
前記シート分離体を、前記分離パッドが前記給紙ローラに対して離間した位置において固定・固定解除自在な分離体固定手段を設け、
前記積載トレイに給紙ローラカバーを設け、
前記積載トレイを、前記給紙ローラに接近する給紙位置と、前記給紙ローラから後退する作業位置との間で移動可能でそれぞれの位置で位置決め可能とし、かつ前記積載トレイが前記給紙位置から前記作業位置に移動することにより、前記給紙ローラカバーが移動して、前記給紙ローラを着脱可能とすると共に、前記分離体固定手段により前記シート分離体の前記分離パッドを前記給紙ローラから離間する、
ことを特徴とする給紙装置。 - 複数のシート材を積載自在な積載トレイと、前記積載トレイに積載されたシート材を1枚ずつ分離して給送自在な分離給送手段とを備え、
前記分離給送手段は、給紙ローラと、該給紙ローラに対して当接・離間自在なシート分離体と、該シート分離体を前記給紙ローラに向けて付勢する付勢手段とを有し、
前記シート分離体は前記給紙ローラに当接する分離パッドを有する給紙装置において、
前記シート分離体を、前記分離パッドが前記給紙ローラに対して離間した位置において固定・固定解除自在な分離体固定手段を設け、
前記分離給送手段は、軸嵌入穴が形成された軸支持部材と、該軸支持部材により前記軸嵌入穴を介して軸支され、前記給紙ローラを設けたローラ軸を有し、
前記軸支持部材には、前記軸嵌入穴を軸放射方向に開口させる軸着脱溝を、前記ローラ軸が該軸着脱溝を介して前記軸嵌入穴に対して着脱自在になる形で形成し、
前記積載トレイを、前記給紙ローラに接近する給紙位置と、前記給紙ローラから後退する作業位置との間で移動位置決め自在とし、かつ前記積載トレイに軸着脱溝閉鎖部材を設け、
前記積載トレイが前記給紙位置から前記作業位置へ移動することにより、前記軸着脱溝閉鎖部材が前記軸支持部材の前記軸着脱溝を開けて前記給紙ローラを着脱可能とすると共に、前記分離体固定手段により前記シート分離体の前記分離パッドを前記給紙ローラから離間する、
ことを特徴とする給紙装置。 - 前記分離体固定手段は、操作部と作用部が形成された操作レバーを有し、
前記操作レバーを、前記操作部を操作することにより前記作用部が、前記シート分離体を前記給紙ローラから離間する方向に押圧する押圧位置と、前記シート分離体に対する押圧を解除する待機位置との間で移動するように配置し、
前記操作部を前記給紙ローラよりも紙送り上流側に配置した、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の給紙装置。 - 前記分離体固定手段は、前記積載トレイに形成したレバー係合部を有し、
前記積載トレイを前記作業位置に位置決めすることにより、前記押圧位置にある前記操作レバーが、前記レバー係合部と係合するようになっている、
ことを特徴とする請求項3記載の給紙装置。 - 前記積載トレイは、前記操作レバーの前記操作部を兼ねている、
ことを特徴とする請求項3記載の給紙装置。 - 前記分離給送手段は、軸支持部材と、該軸支持部材により軸支されたローラ軸を有し、
前記給紙ローラは、前記ローラ軸に対して、該ローラ軸の軸方向に沿った方向に該ローラ軸の先端を介して着脱自在に設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の給紙装置。 - 前記シート分離体は分離体本体を有し、
前記分離パッドは前記分離体本体に対して着脱自在に設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の給紙装置。
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