JP3592479B2 - 常温硬化型ポリウレタン防水材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、常温で硬化するポリウレタン防水材に関し、更に詳しくは、特に上塗り材との接着性にすぐれた常温硬化型ポリウレタン防水材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタン塗り床材、防水材は従来からビルディングの屋上、ベランダ、廊下などの防水、スポーツ施設の弾性舗装などの用途に大量に使用されている。かような塗り床材、防水材の製造方法は、ポリオキシプロピレンポリオールなどのポリオールとトリレンジイソシアネート[以下TDIと略記する]との反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーを主剤とし、4,4′−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)[以下MOCAと略記する]およびポリオキシプロピレンポリオールをイソシアネート反応成分としてこれに有機金属鉛などの触媒や必要に応じて可塑剤を配合して硬化剤とし、上記の主剤と硬化剤の2液を施工現場で混合した後、コテ、ヘラ、またはレーキ等を用いて手塗り塗工して硬化せしめるものである。
【0003】
この従来方法において、硬化剤中のイソシアネート反応成分の主成分として使用するMOCAは、指定化学物質であるため安全性に問題があり、また常温では固体で結晶性が高いため可塑剤への溶解安定性が悪く取り扱い難いものであるにもかかわらず、イソシアネートとの反応が比較的緩やかであり、塗り床材、防水材として特に必要とされる可使時間(2液混合後これを支障なく塗布できるまでの時間であり、一般に、混合後に粘度が10万センチポイズに達するまでの時間とされている)が得られ、更にウレタン塗り床材、防水材に必要とされる各種物性を保持できるので、この分野で使用可能なほとんど唯一の芳香族ポリアミン架橋剤であった。
【0004】
最近このMOCAに代えて、生理的に安全で高反応性のジエチルトルエンジアミン(以下DETDAと略記する)を芳香族ポリアミン架橋剤の主成分として使用し、従来から使用されているTDIプレポリマーと組合せて常温硬化せしめる速硬化性のポリウレタン防水材が開発された。然しながらこの方法による防水材は、トップコートまたは舗装材などの上塗り材との接着性が不充分であり、改善が要求されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、指定化学物質であるMOCAに替えて安全性の高い芳香族ポリアミン架橋剤が使用でき、かつトップコートあるいは舗装材などの上塗り材との接着性に不安のない常温硬化型ポリウレタン防水材の開発を目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは種々検討の結果、主剤の主成分であるポリイソシアネートとして、従来から使用されているTDIプレポリマーの外に、脂肪族または脂環族ジイソシアネート系ポリイソシアネートを混用し、これと高反応性のDETDAを主成分とする芳香族ポリアミン架橋剤および可塑剤を配合した硬化剤とを所定の割合で混合、塗工、硬化せしめることにより、トップコートあるいは舗装材などの上塗り材との接着性を従来より格段に向上させることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち本発明の第1の発明は、ポリイソシアネートを主成分とする主剤と、DETDAを主成分とする芳香族ポリアミン架橋剤および可塑剤を含有する硬化剤とを、混合して塗工、硬化せしめる常温硬化型ポリウレタン防水材において、a)ポリイソシアネートとして、TDIとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーと、脂肪族または脂環族ジイソシアネートモノマー、オリゴマーまたは脂肪族または脂環族ジイソシアネートモノマーとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーとの混合物を使用し、b)該混合物の混合割合は、それぞれのイソシアネート基に基づくモル比が98/2〜70/30の割合とし、c)主剤と硬化剤とを、主剤中のイソシアネート基と硬化剤中のアミノ基との当量比が0.8〜2.0となるように混合して塗工、硬化せしめることを特徴とする、常温硬化型ポリウレタン防水材の製造方法であり、第2の発明は、第1の発明の脂肪族または脂環族ジイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネートを使用するものであり、第3の発明は、第1の発明のトリレンジイソシアネートとして、2,4−トリレンジイソシアネートを85重量%以上含有するTDIを使用するものである。
【0008】
本発明において主剤の主成分となるポリイソシアネートのうち、一方のTDIプレポリマーは従来から常温硬化型ポリウレタン防水材のイソシアネート成分として主に使用されているもので、TDIとポリオールとをTDIのイソシアネート基(以下NCO基と略記する)とポリオールのOH基の当量比が2近傍前後となるようにして仕込んで反応させて製造される。原料TDIとしては市販品として入手可能な2,4−異性体含有率が65〜100重量%のものが使用できるが、2,4−異性体含有率の少ないTDIを原料として製造したプレポリマーを主剤の主成分として使用すると可使時間を短くする傾向があるので、本発明では2,4−異性体含有率が80重量%以上のものを使用するのが望ましく、85重量%以上が最も好ましい。
【0009】
本発明において使用するもう一方のポリイソシアネートは、脂肪族または脂環族ジイソシアネートモノマー、オリゴマーまたはこれらモノマーとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーである。脂肪族または脂環族ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDIと略記する)、イソホロンジイソシアネート(IPDIと略記する)水添キシレンジイソシアネートなどのモノマーがあげられ、オリゴマーとしてはヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体、またはヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体などがあげられ、プレポリマーとしてはこれらのモノマーとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーがあげられる。
【0010】
本発明においては、TDIプレポリマーと、上記の脂肪族または脂環族ジイソシアネート系ポリイソシアネートとを、それぞれのNCO基に基づくモル比が98/2〜70/30の割合で混合して使用する。98/2以上では、脂肪族または脂環族系ポリイソシアネート混用の効果が明瞭でなく、70/30以下では脂肪族または脂環族ジイソシアネートモノマー混用の場合は可使時間が短くなり過ぎて実用に耐えなくなり、またこのモノマー、オリゴマーないしプレポリマーのいづれもこれ以上混用しても接着性改善の効果に顕著な向上が認められなくなる。たとえばイソホロンジイソシアネートモノマーの混用は接着性を向上させる効果がある反面、可使時間を短縮する傾向が認められるが、イソホロンジイソシアネートとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーの混用は、接着性向上の効果とともに可使時間を延長する効果も認められている。従って本発明においてTDIプレポリマーと混用する脂肪族または脂環族系ポリイソシアネートとしては、どちらかといえばオリゴマーまたはプレポリマーを使用する方が好ましい。可使時間を保持しながら接着性向上の効果を効率よく発揮させるために、若干のモノマーを含むイソホロンジイソシアネートプレポリマーを混用することも可能である。
【0011】
イソシアネート末端プレポリマーの製造に用いられるもう一方の原料であるポリオールとしては、ポリオキシプロピレンポリオールまたはポリオキシエチレンプロピレンポリオール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオールなど通常のウレタン原料として一般に知られているポリオールが使用できる。これら一般のポリオールのうち本発明の分野では、粘度あるいは低温での結晶性の点においてポリオキシプロピレンポリオールまたはポリオキシエチレンプロピレンポリオールを使用するのが好ましい。
【0012】
ポリイソシアネートのNCO含有率は1〜7重量%とすることが好ましい。7重量%を越えると本発明で用いる硬化剤と組合わせた場合所望の可使時間を確保することが困難となり、一方1重量%未満のものを使用するとポリウレタン防水材として所望の物性が得られなくなる。最も好ましい範囲は1.5〜5.0重量%である。
本発明において、硬化剤中の芳香族ポリアミン架橋剤の主成分として使用するDETDAは、3,5−ジエチルトルエン−2,4または2,6−ジアミンであり、異性体含有率の異なるものが市販されている。市販品としては例えば“エタキュア100”(エチレンコーポレーション社製の商品名、2,4−異性体/2,6−異性体の重量比80/20)などが使用できる。このDETDAは我国においては既存化学物質として登録済であり、従来技術のMOCAとは異なり安全であり、製造や使用に際しての制約がない。
【0013】
本発明で使用される可塑剤は、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジオクチル、塩素化パラフィン、トリス−β−クロロプロピルホスフェート等の、主剤中のイソシアネート末端プレポリマーのNCO基と反応性のない通常の可塑剤が使用できる。
硬化剤中の可塑剤の使用量は、主剤ポリイソシアネートの使用量100重量部に対して20〜130重量部の範囲にあることが望ましい。20重量部以下では所望の可使時間が保持し難く、130重量部を越えると塗膜の表面に可塑剤がブリードする傾向が激しくなり、また硬化塗膜が所望の強度を保てなくなる。
【0014】
従来のMOCA−ポリオール併用系硬化剤中の架橋剤成分として使用されていたポリオールは、本発明の組成物の硬化剤中では不可欠成分ではなく配合する必要がない。然しながらDETDAよりも反応性が低く、特に硬化初期過程においてはDETDAの反応を遅延させる可塑剤と同様の作用を有するため、ポリオールが最終的にイソシアネート反応する、しないに拘らず、ポリオールを可塑剤的に小量配合することもできる。
本発明においては、DETDAという高反応性の芳香族ポリアミン架橋剤を使用するので、従来から慣用されている硬化促進触媒は不可欠成分ではなく、原則として使用しない。しかしながら厳冬期の施工の場合または硬化剤中にポリオールを併用する場合のように必要に応じて鉛オクトエート、鉛ナフテネートなどの有機金属触媒、またはオクチル酸、オレイン酸などの有機酸の如き硬化促進触媒を小量使用することができる。例えば鉛オクトエート(鉛含有量20重量%)を使用する場合、硬化剤中に3重量%以下の小量を添加することにより、厳冬期の施工でも速硬化が達成できる。この程度の触媒量であれば硬化塗膜の耐熱性が劣化することがない。
【0015】
本発明で使用する硬化剤には、必要に応じて炭酸カルシウム、タルク、カオリン、ゼオライト、ケイソウ土などの無機充填材、酸化クロム、ベンガラ、酸化鉄、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系、ベンゾトリアゾール系などの安定剤を添加することができる。
本発明の防水材は、TDIプレポリマーと、脂肪族または脂環族系ポリイソシアネートとの所定の割合の混合物を主成分とする主剤と、DETDAを主成分とする芳香族ポリアミン架橋剤、可塑剤、必要に応じてポリオール、無機充填剤、触媒、安定剤及び顔料等を配合した硬化剤とを、主剤中のNCO基と硬化剤中のアミノ基(NH2基)との当量比が0.8〜2.0となるように施工現場で混合し、対象面に手塗り塗工し、硬化せしめることによって得られる。主剤中のNCO基と硬化剤中のNH2基との当量比が0.8未満では、所望の可使時間が確保できず、遊離のアミンによる黄変性が激しくなり、一方2.0を越えると硬化性が遅くなり過ぎ、速硬化性を示さなくなる。主剤と硬化剤とを上述したような割合で混合することにより、施工環境温度(通常のウレタン防水材、塗り床材では5〜35℃)下で、30分以上120分以下といった可使時間を保持することができ、かつ上塗り材との接着性が良好なポリウレタン防水材が得られるのである。
【0016】
本発明の防水材の施工は、手作業による混合、塗工に適しているが、可使時間およびレベリング可能時間が長くとれるため、スタチックミキサーあるいはダイナミックミキサー等の自動混合装置を使用した機械塗工によっても行なうことができる。
また、無機質充填剤の選定または有機質ダレ止め材の配合などにより、立面、壁面、曲面等をローラー、リシンガン、エアレスガン等の方法で施工することも可能である。
また本発明の防水材は、従来からの防水材、塗り床材の用途でもある廊下や階段等の発音性低下、モルタル保護、防塵性を目的として床材、金属等の腐食防止のための防錆材、コーキング材としても使用できる。
施工の際には作業性に応じてキシレン、トルエン等の溶剤を若干量加えることができる。
【0017】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに説明する。実施例および比較例に使用した材料および試験項目はそれぞれ下記の通りである。
(主剤)
TDIプレポリマー:2リットルのガラスコルベンに、148.2gのTDI(実施例1のみ2,4−/2,6異性体含有率80/20重量比のものを使用、他はすべて2,4−異性体100%のものを使用)を仕込み、681.4gのアクトコールP−2020(分子量2000のポリオキシプロピレンジオール、武田薬品工業社製)と、170.4gのアクトコールP−3030(分子量3000のポリオキシプロピレントリオール、武田薬品工業社製)を徐々に加え、80℃に加熱し攪拌しながら90〜100℃に昇温し、この温度で5時間保ち反応を完結させ、NCO含有率3.5重量%のNCO末端TDIプレポリマー1000gを調製した。実施例および比較例のTDIプレポリマーはすべてこれを用いた。
IPDIモノマー:イソホロンジイソシアネート、ヒユルス社製
IPDIプレポリマー:2リットルのガラスコルベンに183.2gのIPDI、653.4gのアクトコールP−2020および163.4gのアクトコールP−3030を仕込み、攪拌しながら0.01gのジブチル錫ジラウレートを加え、徐々に加温して80〜100℃に昇温し、この温度で4時間攪拌して反応を完結させ、NCO含有率3.5重量%のNCO末端IPDIプレポリマー1000gを調製した。実施例および比較例のIPDIプレポリマーはすべてこれを用いた。
HDIイソシアヌレート:ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートHX、NCO含有率21.4重量%。
(硬化剤)
DETDA:ジエチルトルエンジアミン、商品名エタキユア100、エチルコーポレーション社製。
DOP:フタル酸ジオクチル、可塑剤、大八化学工業所製。
炭酸カルシウム:無機充填材、丸尾カルシウム社製。
【0018】
硬化剤の調製:2リットルの円筒型開放容器に、DETDA62g、DOP658gおよび炭酸カルシウム1280gを仕込み、室温でデゾルバーを用いて15分間攪拌し、2000gの硬化剤を調製した。実施例および比較例で使用した硬化剤はすべてこのものを使用した。
混合:主剤と硬化剤とはすべて重量比で1対2の割合で混合した。
主剤/硬化剤 NCO/NH2当量比:混合時の主剤のNCO基と硬化剤の NH2当量比。
可使時間:主剤と硬化剤とを20℃で混合した後、混合液の粘度が10万センチポイズに達するまでの時間(分)。(支障なく防水材が塗工できる限度の時間の目安とする。)
粘着性:スレート板に一液性ウレタンプライマーCB−40(保土谷建材工業社製)をハケ塗りし、これが乾燥した後(約4時間後)この上に実施例の処方に従って主剤と硬化剤とを重量比で1対2の割合で混合した混合液を1平方米当り2kgとなるように塗布し、これを35℃、相対湿度40%の雰囲気の下に放置し、ポリウレタン防水材の試験片を作製した。この条件下で2日間硬化させた後この上に上塗り材として2液型ウレタン床材、HCパーク(保土谷建材工業社製)を1平方米当り1kgとなるように塗布し、同一条件下で7日間放置し、接着性試験用試験片を作製した。7日後、これを20℃の常温に戻し、180゜ピール試験により防水材と上塗り材との接着性をテストした。試験結果で○としたのは、防水材の材料破壊となり、接着性が良好だったことを示しており、×としたのは防水材と上塗り材との界面で剥離し、接着が不良だったことを示している。
【0019】
実施例1〜4
主剤のTDIプレポリマーと混合して使用する脂肪族または脂環族ポリイソシアネートとしてIPDIプレポリマーを使用した場合の例である。いづれも前記した主剤の製造例に従って製造したTDIプレポリマーとIPDIプレポリマーを用いた。但し実施例1のTDIプレポリマーのみは他の例と異なり、2,4−/2,6−異性体含有量が80/20重量比のTDIを使用したプレポリマーを用いた場合である。結果は表に示した通りである。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0023】
実施例1と2を比較すると可使時間は1の方が短くなっており、2,4−異性体含有率の多いTDIを使用した2の方が可使時間を確保する上でより好ましいことを示している。接着性はいづれも良好で比較例1(後述)と比べて改善されたことが分かった。
実施例3および4はIPDIプレポリマーの混合量を1または2よりふやした場合の例である。結果に示したようにIPDIプレポリマーの混合量がふえるに従って可使時間が延長する傾向が認められ、接着性はいづれも良好であった。
【0024】
実施例5、6および7
実施例5はTDIプレポリマーと混合して使用する脂肪族または脂環族ポリイソシアネートとしてIPDIモノマーを使用した例であり、6はIPDIプレポリマーとIPDIモノマーとを併用した場合であり、7は脂肪族ジイソシアネートのオリゴマーとしてHDIイソシアヌレートを混合した場合の例である。結果は表1に示す通り、実施例5では接着性は良好であるが可使時間がやや短くなり、IPDIモノマーが可使時間短縮に影響を及ぼすことを示している。実施例6ではIPDIモノマーの他にIPDIプレポリマーを併用したので5の場合と異なり可使時間にほとんど影響を及ぼさずに接着性を向上させることが出来ることが分かった。実施例7ではHDIイソシアヌレートも接着性向上の効果があることを示しているが、一方では可使時間を短縮することが認められた。
【0025】
比較例1〜4
比較例1は主剤としてTDIプレポリマーのみを使用した場合であり、接着性が不良であった。
比較例2または3はTDIプレポリマーの他にIPDIプレポリマー(2)またはIPDIモノマー(3)をそれぞれ小量混合した場合であり、表2に示したように接着性にほとんど改善が認められなかった。比較例4は主剤中にIPDIモノマーを36モル%と多量に混用した場合の例であり、結果に示した通り、接着性は向上するが可使時間が実用に耐えない程度にまで短くなることが分かった。
すなわちこれらの結果と、実施例の結果とを勘案すると、可使時間を保持したまま接着性を改善させるためには、主剤のTDIプレポリマーと混合する脂肪族または脂環族ポリイソシアネートの使用量には有効な範囲が存在し、比較例2、3または4はいづれもその範囲外であることを示している。
【0026】
【発明の効果】
TDIプレポリマーを主成分とする主剤と、DETDAと可塑剤とを配合した硬化剤とからなる常温硬化性ポリウレタン防水材においてTDIプレポリマーの他に限定量の脂肪族または脂環族ポリイソシアネートを混合した主剤を使用することによって、上塗り材との接着性を改善することができる。
Claims (8)
- ポリイソシアネートを主成分とする主剤と、ジエチルトルエンジアミンを主成分とする芳香族ポリアミン架橋剤および可塑剤を含有する硬化剤とを、混合して塗工、硬化せしめる常温硬化型ポリウレタン防水材において、a)ポリイソシアネートとして、トリレンジイソシアネートとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーと、脂肪族または脂環族ジイソシアネートモノマー、オリゴマーまたは脂肪族または脂環族ジイソシアネートモノマーとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーとの混合物を使用し、b)該混合物の混合割合は、それぞれのイソシアネート基に基づくモル比が98/2〜70/30の割合とし、c)主剤と硬化剤とを、主剤中のイソシアネート基と硬化剤中のアミノ基との当量比が0.8〜2.0となるように混合して塗工、硬化せしめることを特徴とする、常温硬化型ポリウレタン防水材の製造方法。
- 前記したトリレンジイソシアネートとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーと、脂肪族または脂環族ジイソシアネートモノマー、オリゴマーまたは脂肪族または脂環族ジイソシアネートモノマーとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーとの混合物である、ポリイソシアネートのNCO含有率が1〜7重量%である請求項1記載の常温硬化型ポリウレタン防水材の製造方法。
- 前記したトリレンジイソシアネートとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーと、脂肪族または脂環族ジイソシアネートモノマー、オリゴマーまたは脂肪族または脂環族ジイソシアネートモノマーとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーとの混合物である、ポリイソシアネートのNCO含有率が1.5〜5.0重量%である請求項1記載の常温硬化型ポリウレタン防水材の製造方法。
- 前記した硬化剤中の可塑剤含量が、前記したポリイソシアネートを主成分とする主剤100重量部に対して20〜130重量部である、請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の常温硬化型ポリウレタン防水材の製造方法。
- 前記したトリレンジイソシアネートとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーと、脂肪族または脂環族ジイソシアネートモノマー、オリゴマーまたは脂肪族または脂環族ジイソシアネートモノマーとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーとの混合物である、ポリイソシアネートを製造する際に、ポリオールとしてポリオキシプロピレンポリオールまたはポリオキシエチレンプロピレンポリオールを使用する、請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載の常温硬化型ポリウレタン防水材の製造方法。
- 前記した脂肪族または脂環族ジイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネートを使用する、請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載の常温硬化型ポリウレタン防水材の製造方法。
- 前記したトリレンジイソシアネートとして2,4−トリレンジイソシアネートを80重量%以上含有するトリレンジイソシアネートを使用する、請求項1〜請求項6のいずれかの項に記載の常温硬化型ポリウレタン防水材の製造方法。
- 前記したトリレンジイソシアネートとして2,4−トリレンジイソシアネートを85重量%以上含有するトリレンジイソシアネートを使用する、請求項1〜請求項6のいずれかの項に記載の常温硬化型ポリウレタン防水材の製造方法。
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JPH11240932A (ja) | 1999-09-07 |
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