JP3835858B2 - ポリウレタン塗膜材の製造方法 - Google Patents

ポリウレタン塗膜材の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、常温で塗工し、硬化せしめるポリウレタン塗膜材(塗り床材、防水材)の製造方法に関し、更に詳しくは、トップコートを塗布する必要のない程度にまで耐候性の改善されたポリウレタン塗り床材、防水材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタン塗り床材、防水材は、従来からビルディングの屋上、ベランダ、廊下などの防水、スポーツ施設の弾性舗装などの用途に大量に使用されている。このような塗り床材、防水材の製造方法は、ポリプロピレンエーテルポリオールとトリレンジイソシアネート(以下TDIと略記する)との反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーを主剤とし、4,4′−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(以下MOCAと略記する)およびポリプロピレンエーテルポリオールをイソシアネート反応成分としてこれに有機酸鉛塩などの触媒や、必要に応じて可塑剤を配合して硬化剤とし、この主剤と硬化剤とを施工現場で混合した後、コテ、ヘラまたはレーキ等を用いて塗工して硬化せしめるものである。
【0003】
この従来方法において、硬化剤中のイソシアネート反応成分の主成分として使用するMOCAは、指定化学物質とされているように生理的な安全性に問題があり、また常温では固体で結晶性が高く、可塑剤などへの溶解安定性が悪く取扱い難いものであるにもかかわらずイソシアネートとの反応性が比較的緩やかで、塗り床材、防水材用途に特に必要とされる可使時間(主剤と硬化剤とを混合した後、これを支障なく塗工できる限度の時間、通常混合後粘度が10万センチポイズに達するまでの時間)が得られ、かつ硬化後の塗膜物性も良好であるのでこの方法がこの分野の主流を占めている。
【0004】
また最近上記したTDIプレポリマーを主剤とし、生理的に安全なジエチルトルエンジアミン(以下DETDAと略記する)を硬化剤の主成分として使用して常温硬化せしめることによる速硬化性ポリウレタン塗膜材の製造方法が開発された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこれらの方法はいずれも主剤中のイソシアネート成分としてTDIという芳香族イソシアネートを使用し、かつプレポリマーのポリオール成分としてポリプロピレンエーテルポリオールを使用しているので硬化塗膜が屋外暴露されると日光により変褪色し、長期の耐候性に劣るために、この塗膜の上にアクリルウレタン塗料などのトップコートを塗布しこれを保護することが必要不可欠とされている。トップコートは4〜5年毎に塗り替えが行われるが、この手間もさることながら、アクリルウレタン塗料は多量の溶剤を含んでいるので環境への悪影響が懸念されている。無溶剤トップコートの試みが種々行われてはいるが性能的に未だ充分といえるものが開発されていない
そこで本発明は、トップコートの必要がない程度にまで耐候性を改善し、生理的に安全でかつ環境を汚染するおそれのない常温硬化型ポリウレタン塗膜材の製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは種々検討の結果、芳香族ポリアミン架橋剤の主成分としてDETDAを使用し、これに所定量の可塑剤を配合してなる硬化剤を、1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサンとポリエステルポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーを主成分とする主剤と所定の割合で施工現場で混合して塗工することによって、必要とされる可使時間を保持するとともに速やかに硬化し、耐水性、強度など所望の物性を具備しながら、トップコート塗布の必要がない程耐候性にすぐれたポリウレタン塗り床材、防水材ができることを見出し、本発明を完成させたのである。
【0007】
すなわち本発明は、ポリイソシアネートを主成分とする主剤と、芳香族ポリアミンおよび可塑剤を含有する硬化剤とを、常温で混合、塗工して硬化せしめるポリウレタン塗膜材の製造方法において、a.ポリイソシアネートとして1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサンとポリエステルポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーのイソシアネート含有率が2〜8重量%である、イソシアネート末端プレポリマーを使用し、b.芳香族ポリアミンの主成分としてDETDAを使用し、c.可塑剤を、イソシアネート末端プレポリマーの使用量100重量部に対し5〜100重量部使用し、d.主剤と硬化剤とを、主剤のイソシアネート基と硬化剤中の芳香族ポリアミンのアミノ基との当量比が0.9〜2.0で、e.有機金属触媒を使用しないで混合、塗工して硬化せしめることを特徴とする常温硬化型ポリウレタン塗膜材の製造方法である。
【0008】
本発明の方法において主剤の主成分となるイソシアネート末端プレポリマーは、1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサンとポリエステルポリオールとの反応によって生成される。1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサンは、通常イソホロンジイソシアネートとも呼ばれ、IPDIと略称される。脂環族の骨格をもち、しかも2つのNCO基のうち片方が2級であるのでTDIの如き芳香族骨格をもつイソシアネートより反応が遅いので必要とされる可使時間がとり易くなり、かつプレポリマーのもう一方の原料としてポリエステルポリオールを使用することとあいまって耐候性にすぐれた硬化塗膜が得られるのである。
【0009】
プレポリマーのもう一方の原料であるポリエステルポリオールとしては、グリコール類とジカルボン酸との縮合により得られるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオールまたはβ−メチル−δ−バレロラクトンの重合体ポリオールなどが使用できる。これらの中で、常温液状のポリカプロラクトンポリオール、β−メチル−δ−バレロラクトンの重合体ポリオールまたはネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールなどの炭素数が5以上の脂肪族グリコールとアジピン酸などのジカルボン酸との縮合によって得られる平均分子量500〜4000のポリエステルポリオールが、粘度、低温での非結晶性、耐加水分解性などの点で特に好ましい。IPDIのプレポリマー用原料ポリオールとしては、ポリプロピレンエーテルポリオールなどのいわゆるPPGを使用することも行われてはいるが、硬化剤と組合せたとき硬化塗膜は、屋外暴露でチョーキングし易く、耐候性に劣るものとなるのでトップコートを必要としない程度までに優れた耐候性を与えるためには、本発明のポリエステルポリオールが必須となるのである。
【0010】
イソシアネート末端プレポリマーを製造するには、IPDIとポリエステルポリオールとをNCO基対OH基の当量比が通常2近傍となるように仕込んで反応させるが、2を越えて過剰のIPDIを仕込んで反応させ未反応の遊離のIPDIが多量に残存する場合には、反応終了後減圧蒸留などの方法によりこの遊離のIPDIを除去することもできる。IPDIとポリエステルポリオールとは通常の条件(例えば80〜110℃)で無触媒で反応させるが、場合によりジブチル錫ジラウレートのような触媒を微量(例えば反応系の0.001重量%)添加することにより更に円滑に遂行することができる。
【0011】
本発明の方法において使用するイソシアネート末端プレポリマーのイソシアネート含有率は、2〜8重量%の範囲にあることが望ましい。2重量%未満では所望の物性が得られず、8重量%を越えると所望の可使時間がとり難くなる。
本発明の方法において、硬化剤中の芳香族ポリアミン架橋剤の主成分として使用するDETDAは、3,5−ジエチルトルエン−2,4−または2,6−ジアミンであり、異性体含有率の異なるものが市販されている。市販品として例えばエタキュア100(エチルコーポレーション社製商品名、2,4−異性体/2,6−異性体の重量比80/20)などが使用できる。
【0012】
本発明の方法で主剤の主成分として使用するIPDIプレポリマーおよび硬化剤の芳香族ポリアミン架橋剤の主成分として使用するDETDAは、いずれも我国においては既存化学物質として登録済みであり、生理的に安全で、製造や使用に際しての制約がない。しかも得られる硬化塗膜は耐候性に優れているので、多量の溶剤を含むアクリルウレタントップコートを塗布する必要がなく、従って環境を汚染するおそれが殆どない。
本発明の方法で硬化剤の必須成分として使用される可塑剤は、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジオクチル、塩素化パラフィンなどの通常の可塑剤、ユーレックス、キシレン樹脂などのウレタン樹脂に一般に使用されている可塑剤的なレジン、ポリプロピレンエーテルポリオールの末端の水酸基をアシル化、アルコキシド化などした可塑剤、またはイソシアネート末端プレポリマーをメタノール、エタノール、ブタノールなどの一官能性アルコールやジエチルアミン、ジプロピルアミンなどの脂肪族2級アミンで封止した可塑剤などを使用することができる。
【0013】
従来のMOCA−ポリオール併用系硬化剤中のイソシアネート反応成分として使用されていたポリオールは、本発明の方法の硬化剤中では不可欠成分ではなく、配合する必要がない。しかしながらDETDAより反応性が低く、特に硬化初期過程においては可塑剤と同様の作用を有するため、これが最終的にイソシアネートと反応するしないに拘わらずポリオール(特に常温液状のポリエステルポリオール)を可塑剤的に配合することもできる。
硬化剤中の可塑剤の使用量は、イソシアネート末端のプレポリマーの使用量100重量部に対し、5〜100重量部の範囲で使用することが必要である。5重量部未満では手塗り塗工に適した可使時間を確保し難くなるとともに主剤と硬化剤との混合比率が大きくなり過ぎ、混合不良が起き易くなる。100重量部を越えると塗膜表面に可塑剤がブリードアウトする傾向が強くなり、また得られる硬化塗膜の物性も低くなってしまう。
【0014】
本発明の方法においては、DETDAというかなり高活性の芳香族ポリアミンを架橋剤の主成分として使用するので硬化促進用触媒は必須ではないが、冬期低温などの厳しい条件下の施工において有機酸鉛塩や、オクチル酸、オレイン酸などの有機酸などの触媒を硬化剤中に小量添加することも可能である。
本発明中の方法で使用する硬化剤には、必要に応じて炭酸カルシウム、タルク、カオリン、ケイソウ土などの無機充填剤、酸化クロム、ベンガラ、酸化鉄、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系、ベンゾトリアゾール系などの安定剤を添加することができる。
【0015】本発明の方法を実施するには、IPDIとポリエステルポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーを主成分とする主剤と、DETDAを主成分とする芳香族ポリアミン架橋剤、所定量の可塑剤、さらには必要に応じて触媒、充填剤、顔料、安定剤等を配合してなる硬化剤とを、主剤のNCO基と硬化剤中の芳香族ポリアミンのNH2基との当量比が0.9〜2.0となるように施工現場で混合し、被塗物上に塗工して硬化せしめる。主剤のNCO基と硬化剤中のNH2基との当量比が0.9未満では物性が低下し、未反応のアミンにより塗膜が黄変し易くなり、2.0を越えると硬化性が遅くなり過ぎ、硬化塗膜の強度が弱くなる。塗膜物性も含めて最も好ましいNCO基とNH2との当量比は、0.9〜1.5の範囲である。主剤と硬化剤とを上述したような割合で混合することによって、施工環境温度下(通常のウレタン塗膜剤では5〜35℃)で20分以上150分以下といった可使時間を保持することができる。20分以上の可使時間があれば、補修あるいは小面積施工が可能であり、150分を越えると硬化が遅くなるので好ましくない。
【0016】
なお、本発明の方法は手作業による混合、塗工に適しているが、可使時間およびレベリング可能時間が長くとれるため、スタチックミキサーあるいはダイナミックミキサー等の自動混合装置を使用した手塗り塗工と同様なレベリング性を備えた機械塗工にも適用することができる。
また、ダレ止め剤を配合して、立面、壁面、曲面等をローラー、リシンガン、エアレスガン等の従来方法で塗工することもできる。
本発明による塗膜材は、従来からの防水材の用途でもある廊下や階段等の発音性低下、モルタル保護、防塵性を目的とした床材、金属の腐食防止のための防錆材、コーキング材としても使用できる。
使用の際には作業性に応じて若干のキシレン等の溶剤を加えて施工することも可能である。
【0017】
【実施例】
以下に実施例および比較例をあげて本発明をさらに説明する。
【0018】
実施例1
2リットルのガラスコルベンに、244.1gのIPDI、49.1gのクラポールP−510、608.5gのクラポールP−2010および98.3gのクラポールF−1010を仕込み(NCO/OH当量比2)、撹拌しながら徐々に加温して80〜100℃で4.5時間保ち反応を完結させ、NCO含有率4.6重量%のイソシアネート末端プレポリマー(主剤)1000gを調製した。
これとは別に、2リットルの円筒型開放容器に89gのDETDA、311gのDOPおよび600gの炭酸カルシウムを仕込み、室温でデイゾルバーを用いて15分間撹拌し、1000gの硬化剤を調製した。
上記で調製した主剤と硬化剤とを20℃の雰囲気に2時間以上静置した後、この温度でなるべく気泡を巻き込まないように両成分を撹拌混合(主剤/硬化剤重量比1/1、NCO基/NH2基当量比1.1)し、混合液の一部で可使時間をチェックしながら、プライマー処理したスレート板にコテまたはヘラを用いて厚さ1〜2mmになるように手塗り塗布した(タックフリータイム測定)。この混合液の別の一部をガラス板上に厚さ1〜2mmになるように流延し、このまま20℃の雰囲気で7日硬化させた塗膜を物性(基礎物性と耐候性)測定用の試験片とした。
【0019】
その結果は、表1に示したように20℃における可使時間は40分と充分に長く、余裕をもっての塗工が可能で、20時間以内にタックフリーとなり硬化性も良好で、発泡もなく平滑で美麗な表面仕上り性を示した。7日硬化後の塗膜物性は防水材のJIS規格を満足する良好な性能を示した。促進耐候性試験の結果も良好で、変色やチョーキングが認められず、トップコート塗布の必要がない程度に耐候性が優れていることが示された。
【0020】
実施例2および3
主剤のプレポリマーのNCO含有率が実施例1よりも小さいもの、すなわち3.2重量%(実施例2)および大きいもの、すなわち6.4重量%(実施例3)について実施した。それぞれのプレポリマーは、いずれもポリオールとしてクラポールを使用し、表1に示した組成に従って仕込み、実施例1と同様の反応を行って製造した。硬化剤は、主剤対硬化剤のそれぞれの重量混合比においてNCO基対NH2基の当量比が1.1対1になるようにそれぞれのプレポリマーのNCO 基含有率に応じてDETDAの含有量を変化させたものを実施例1の硬化剤の製造に準じて調製した。それぞれの主剤、硬化剤の混合後の可使時間、硬化性および硬化塗膜の物性は表1に示した通りである。すなわち実施例2においては、可使時間が68分と実施例1よりも更に余裕をもっての施工が可能となり、硬化性も良好であり、硬化塗膜の物性は実施例1より若干軟いが強度も充分で防水材として好適な性能を示し、耐候性も良好であった。実施例3においては、実施例1よりもNCO含有率の大きいプレポリマーを使用したので、可使時間は25分と短くなったが実用の範囲内であり、硬化性、仕上り性も良好であった。硬化塗膜の物性は、硬さが83と前例よりやや固いが良好な性能を示した。耐候性もトップコート塗布の必要がない程度に良好であった。
【0021】
実施例4および5
主剤プレポリマーは実施例1と同じものを使用し、硬化剤中のDETDAの使用量を増減して主剤のNCO基対硬化剤中のNH2基の当量比が実施例1よりも小さい場合(0.9、実施例4)と、大きい場合(1.5、実施例5)をテストした。結果は表1に示した通りであり、当量比が0.9と小さくなると可使時間が35分と、実施例1より若干短くなり、当量比が1.5と大きくなると60分と長くなる。硬化性もそれに伴って若干変化する傾向が認められるがいずれも実用の範囲内であった。硬化塗膜の物性は実施例5においてやや強度が弱くなったがいずれも防水材として好適な性能を示した。耐候性については、実施例4のみわずかに黄変する傾向を示したが充分実用に耐える程度であった。
【0022】
実施例6
主剤プレポリマーの原料ポリオールとしてε−カプロラクトンの重合体ポリオール(プラクセル)を使用した以外は実施例1と同様に実施した。結果は表1に示した通りであり、実施例1とほぼ同等で、プレポリマー用原料ポリエステルポリオールとしてε−カプロラクトンの重合体ポリオールが、3−メチル−1,5−ペンタンジオール系ポリエステルポリオールと同様な効果をもたらすことが分った。
【0023】
比較例1および2
主剤プレポリマーのNCO含有率が実施例2よりも小さいもの(1.8重量%、比較例1)と、実施例3よりも大きいもの(9.1重量%、比較例2)を使用した例である。結果は表2に示したように、主剤プレポリマーのNCO含有率が1.8重量%と小さいものを使用すると、可使時間は80分と充分に長いが、硬化塗膜の物性が防水材のJIS規格に適合しない程度に劣るものとなり、一方主剤プレポリマーのNCO含有率が9.1重量%と大きいものを使用すると、可使時間が8分と短く、硬化塗膜も堅く弾性に欠けるものとなった。
【0024】
比較例3および4
主剤プレポリマーとして実施例1と同じものを使用し、硬化剤中のDETDAの使用量を増減して主剤のNCO基対硬化剤中のNH2基の当量比が実施例4より小さい場合(0.8、比較例3)と、実施例5より大きい場合(2.2、比較例4)について実施した。結果は表2に示した通りであり、比較例3では可使時間が実施例4より短くなる上、硬化塗膜は促進耐候性試験の結果黄変性が激しく、トップコートなしでは実用に耐えないことが分った。比較例4では、可使時間が充分に長いが、硬化性が不良で所望の塗膜材とはなり得ないことが明らかであった。すなわち実施例1、4および5の結果を勘案すると、本発明の目的を達成するためには、主剤のNCO基対硬化剤中のNH2基の当量比には限界的な所定の範囲が存在することを示している。
【0025】
比較例5
主剤プレポリマーとして実施例1と同じプレポリマーを使用し、硬化剤中の可塑剤の使用量を実施例1または3より増量した場合の例である。結果は表2に示したように塗膜表面に可塑剤がかなりブリードしてしまい、実用に耐えないことが判明した。すなわち実施例1および3の結果を勘案すると、本発明の目的を達成するためには可塑剤の使用量には限界的な所定の範囲が存在し、比較例5はその範囲外であることを示している。
【0026】
【表1】
Figure 0003835858
【0027】
【表2】
Figure 0003835858
【0028】
表1および表2中の主剤および硬化剤中の記号ならびに試験項目はそれぞれ下記の通りである。
(主剤)
IPDI:イソホロンジイソシアネート(ヒュルス社製)
P−510:3−メチル−1,5−ペンタンジオール系ポリエステルジオール分子量500(商品名クラポール、クラレ(株)社製)
P−2010:3−メチル−1,5−ペンタンジオール系ポリエステルジオール分子量2000(商品名クラポール、クラレ(株)社製)
P−3010:3−メチル−1,5−ペンタンジオール系ポリエステルジオール分子量3000(商品名クラポール、クラレ(株)社製)
F−1010:3−メチル−1,5−ペンタンジオール系ポリエステルトリオール分子量1000(商品名クラポール、クラレ(株)社製)
305:ε−カプロラクトン系トリオール分子量550(商品名プラクセル、ダイセル(株)社製)
212AL:ε−カプロラクトン系ジオール分子量1250(商品名プラクセル、ダイセル(株)社製)
220AL:ε−カプロラクトン系ジオール分子量2000(商品名プラクセル、ダイセル(株)社製)
(硬化剤)
DETDA:ジエチルトルエンジアミン(商品名エタキュア100、エチルコーポレーション社製)
DOP:フタル酸ジオクチル(可塑剤、大八化学工業所製)
炭酸カルシウム:無機充填剤(丸尾カルシウム社製)
(混合)
NCO/NH2当量比:主剤のイソシアネート末端プレポリマー中のNCO基と硬化剤中のDETDAのNH2基との当量比
(硬化)
可使時間:主剤と硬化剤とを混合した後、支障なく塗工できる限度の時間(分)(混合液の粘度が10万センチポイズに達するまでの時間)
タックフリータイム:塗膜表面にベトつきがなくなるまでの時間
(塗膜物性)
基礎物性:塗工後、20℃で7日経過後にJISA−1062に準じて行った硬化塗膜の物性試験結果
耐候性:20℃7日経過後の硬化塗膜を、サンシャインウエザーメーターに500時間暴露し、表面の変色の有無を観察

Claims (2)

  1. ポリイソシアネートを主成分とする主剤と、芳香族ポリアミンおよび可塑剤を含有する硬化剤とを、常温で混合、塗工して硬化せしめるポリウレタン塗膜材の製造方法において、a.ポリイソシアネートとして1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサンとポリエステルポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーのイソシアネート含有率が2〜8重量%である、イソシアネート末端プレポリマーを使用し、b.芳香族ポリアミンの主成分としてジエチルトルエンジアミンを使用し、c.可塑剤をイソシアネート末端プレポリマーの使用量100重量部に対し5〜100重量部使用し、d.主剤と硬化剤とを、主剤のイソシアネート基と硬化剤中の芳香族ポリアミンのアミノ基との当量比が0.9〜2.0で、e.有機金属触媒を使用しないで混合、塗工して硬化せしめることを特徴とする常温硬化型ポリウレタン塗膜材の製造方法。
  2. 前記した主剤のイソシアネート基と硬化剤中の芳香族ポリアミンのアミノ基との当量比が0.9〜1.5の範囲である請求項1記載の常温硬化型ポリウレタン塗膜材の製造方法。
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