JP5607968B2 - ポリウレタン塗膜防水材用二液型キット - Google Patents

ポリウレタン塗膜防水材用二液型キット Download PDF

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Description

本発明は、防水材に適用されるポリウレタン塗膜を形成するためのポリウレタン塗膜防水材用二液型キットに関する。
ポリウレタン塗膜材は、塗膜防水材、床材、シーリング材、弾性舗装材などの幅広い建材用途に用いられている。
たとえば、塗膜防水材の用途においては、ポリオキシプロピレンポリオールとトリレンジイソシアネートとの反応により得られるイソシアネート基末端プレポリマーを主成分とする主剤と、ポリオキシプロピレンポリオール及び4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)(以下、MOCAという)を主成分とする硬化剤とからなるポリウレタン塗膜防水材用二液型キットを用いる方法が主流であった(例えば、特許文献1)。
しかしながら、硬化剤中の主成分として使用するMOCAは、ヒトに対して発ガン性を有するおそれがある(International Agency for Research on Cancer)と指摘されているため、MOCAの代替材料の開発が求められている。
硬化剤には、通常、イソシアネート基と反応する鎖延長剤として、2個以上の活性水素基を有する化合物が含有されており、前記活性水素基としては、水酸基、第1級又は第2級アミノ基、チオール基(SH基)等が例示できる。MOCAを使用しない硬化剤としては、活性水素基としてアミノ基を有するジメチルチオトルエンジアミンと、活性水素基として水酸基を有するポリオールとを含む硬化剤が提案されている(特許文献2及び3等)。また、特許文献4には、活性水素基として水酸基を有するポリオール化合物を含む硬化剤が提案されている。
特開平08−34829号公報 特開2001−139654号公報 特開2001−335741号公報 特開2006−111811号公報
しかしながら、従来の主剤と上記特許文献2〜4の硬化剤とを用いて塗膜防水材を施工する場合、配合成分によっては、施工に必要な可使時間を確保することが困難となることが、本発明者らの検討により判明した。また、従来の主剤と上記特許文献2〜4の硬化剤とを用いて塗膜防水材を形成すると、塗膜防水材が水によって膨潤しやすくなり、塗膜防水材の浮きやめくれが発生するおそれがあることが、本発明者らの検討により判明した。
本発明は、施工に必要な可使時間を容易に確保できる上、得られる塗膜防水材の水による膨潤を抑制できるポリウレタン塗膜防水材用二液型キットを提供する。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示すポリウレタン塗膜防水材用二液型キットにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを含有する主剤と、鎖延長剤として活性水素基を有する化合物を含有する硬化剤とからなるポリウレタン塗膜防水材用二液型キットであって、前記プレポリマーは、多量化イソシアネートを含有するイソシアネート成分と、ポリオールとの反応によって得られたものであり、前記活性水素基を有する化合物は、前記活性水素基としてアミノ基のみを有する芳香族ジアミンである、ポリウレタン塗膜防水材用二液型キットに関する。
本発明のポリウレタン塗膜防水材用二液型キットによれば、多量化イソシアネートを含有するイソシアネート成分とポリオールから得られたプレポリマーを用い、かつ活性水素基を有する化合物が、活性水素基としてアミノ基のみを有する芳香族ジアミンであるため、施工に必要な可使時間を容易に確保できる上、得られる塗膜防水材の水による膨潤を抑制できる。
本発明では、前記イソシアネート成分中の前記多量化イソシアネートの含有量が、5〜25重量%であることが好ましい。イソシアネート成分中の多量化イソシアネートの含有量を5重量%以上とすることにより、得られる塗膜防水材の水による膨潤を効果的に抑制できる。また、イソシアネート成分中の多量化イソシアネートの含有量を25重量%以下とすることにより、得られる塗膜防水材の脆性が高くなることを抑制できる。
前記多量化イソシアネートは、3分子以上の脂肪族ジイソシアネートが付加することによって得られたものであることが好ましい。施工に必要な可使時間をより容易に確保できるからである。
前記イソシアネート成分は、更にトリレンジイソシアネートを含有することが好ましい。多量化イソシアネートとトリレンジイソシアネートの組み合わせにより、得られる塗膜防水材の水による膨潤を効果的に抑制できるからである。
前記芳香族ジアミンは、ジメチルチオトルエンジアミンを50重量%以上の含有量で含有することが好ましい。施工に必要な可使時間をより容易に確保できるからである。この場合、得られる塗膜防水材と、該塗膜防水材上に仕上げ材として塗布されるウレタントップコートとの間の接着性を向上させる観点から、前記芳香族ジアミンは、更に、下記一般式(1)で表されるジアミン(1)を含有することが好ましい。
Figure 0005607968
本発明のポリウレタン塗膜防水材用二液型キット(以下、単に「二液型キット」ともいう)は、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを含有する主剤と、鎖延長剤として活性水素基を有する化合物を含有する硬化剤とからなるポリウレタン塗膜防水材用二液型キットであり、例えば施工現場において前記主剤及び硬化剤を混合した後、床面等の塗工面に塗布して、これを常温(例えば5〜35℃)で硬化させる、ポリウレタン塗膜防水材の形成方法に好適である。
本発明の二液型キットでは、多量化イソシアネートを含有するイソシアネート成分とポリオールから得られたプレポリマーを用い、かつ活性水素基を有する化合物として、アミノ基以外の活性水素基を有さない芳香族ジアミンのみを用いるため、施工に必要な可使時間を容易に確保できる。また、上記構成により、得られる塗膜防水材の水による膨潤を抑制できる。更に、本発明の二液型キットによれば、得られる塗膜防水材の線膨張率を低減することもできるため、塗膜防水材の熱膨張を低減できる。よって、本発明の二液型キットによれば、塗膜防水材の寸法安定性が向上するため、得られる塗膜防水材の浮きやめくれを防止できる。
本発明の主剤で使用される多量化イソシアネートとは、3分子以上のジイソシアネートが付加することにより多量化したイソシアネート変性体、又はそれらの混合物である。前記イソシアネート変性体としては、例えば、1)トリメチロールプロパンアダクトタイプ等のアダクトタイプ、2)ビウレットタイプ、3)イソシアヌレートタイプなどが挙げられるが、得られる塗膜防水材の水による膨潤を抑制する観点から、アダクトタイプ、イソシアヌレートタイプが好ましい。また、施工に必要な可使時間の確保と、得られる塗膜防水材の水による膨潤を抑制する観点から、イソシアヌレートタイプがより好ましい。混合物の場合には、得られる塗膜防水材の水による膨潤を抑制する観点から、多量化イソシアネート中、三量化イソシアネートを25重量%以上含んでいることが好ましく、35重量%以上含んでいることがより好ましい。なお、多量化イソシアネートは、通常、9分子以下のジイソシアネートが付加することにより多量化したものである。
多量化イソシアネートは、施工に必要な可使時間の確保と、得られる塗膜防水材の水による膨潤を抑制する観点から、多量化イソシアネート1分子当たりのイソシアネート基の個数が3〜5個であることが好ましく、3個であることがより好ましい。
多量化イソシアネートを形成するジイソシアネートとしては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用でき、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等のトリレンジイソシアネート(以下、TDIともいう)、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を混合しても差し支えない。
中でも、多量化イソシアネートを形成するジイソシアネートとしては、施工に必要な可使時間を確保する観点から、脂肪族ジイソシアネートを用いることが好ましく、特に、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを用いることが好ましい。また、多量化イソシアネートは、ウレタン変性、アロファネート変性、ビウレット変性等の変性化したものであってもよい。
多量化イソシアネートとしては、例えば住化バイエルウレタン社製スミジュールN3300(イソシアヌレートタイプ)、住化バイエルウレタン社製スミジュールN3200(ビウレットタイプ)、日本ポリウレタン工業社製コロネートHL(トリメチロールプロパンアダクトタイプ)等が例示できる。
また本発明において、ポリオールと共にプレポリマーを形成するイソシアネート成分として、上記多量化イソシアネート以外に、更に、ジイソシアネート単量体を用いてもよい。中でも、ジイソシアネート単量体としてトリレンジイソシアネート(TDI)を使用することが好ましい。多量化イソシアネートとTDIの組み合わせにより、得られる塗膜防水材の水による膨潤を効果的に抑制できるからである。
イソシアネート成分中の多量化イソシアネートの含有量は、得られる塗膜防水材の水による膨潤を抑制する観点から、5重量%以上であることが好ましく、10重量%以上であることがより好ましく、20重量%以上であることが更に好ましい。また、得られる塗膜防水材の脆性が高くなることを抑制する観点から、イソシアネート成分中の多量化イソシアネートの含有量は、25重量%以下であることが好ましい。上記観点を総合すると、イソシアネート成分中の多量化イソシアネートの含有量は、5〜25重量%であることが好ましく、10〜20重量%であることがより好ましい。
イソシアネート成分中にTDIが含まれる場合、得られる塗膜防水材の水による膨潤を抑制し、施工に必要な可使時間を確保する観点から、イソシアネート成分中のTDIの含有量は、75〜95重量%であることが好ましく、80〜90重量%であることがより好ましい。
イソシアネート成分と反応させるポリオールとしては、通常のウレタンプレポリマー用に使用されるポリオールを特に限定なく使用できる。例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール等に代表されるポリエーテルポリオール、アジペート系ポリオール、ラクトン系ポリオール等のポリエステルポリオール、あるいはポリカプロラクトン等のポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物等で例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いで得られた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリマー粒子を分散させたポリエーテルポリオールであるポリマーポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、塗膜防水材用に好適なポリオールとしては、常温下において液状であり、低粘度である数平均分子量400〜8000のポリアルキレンエーテルポリオールが好ましく、より好ましくはポリプロピレンエーテルポリオール、ポリエチレン−プロピレンエーテルポリオール、又はこれらの混合物である。
末端にイソシアネート基を有するプレポリマーは、上述したイソシアネート成分とポリオールとの反応によって得られる。
プレポリマーの調製方法は、ポリウレタンの分野において公知の調製方法を採用できる。例えば、窒素気流下において、イソシアネート成分とポリオールとを混合し、攪拌しながら60〜90℃の温度で2〜6時間反応させて得られる。
本発明の二液型キットに使用される主剤には、上記プレポリマー以外に、硬化反応を阻害しない範囲内で、可塑剤、酸化防止剤等の添加剤を加えてもよい。
本発明の硬化剤で使用される芳香族ジアミンは、活性水素基としてアミノ基のみを有する芳香族ジアミンであれば、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用でき、例えば、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミン等のジエチルトルエンジアミン、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミン等のジメチルチオトルエンジアミン、上記一般式(1)で表されるジアミン(1)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、得られる塗膜防水材の水による膨潤を抑制し、施工に必要な可使時間を確保する観点から、ジメチルチオトルエンジアミンを含有することが好ましい。
ジメチルチオトルエンジアミンを使用する場合、全芳香族ジアミン中のジメチルチオトルエンジアミンの含有量は、施工に必要な可使時間を容易に確保する観点から、50重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましく、全てジメチルチオトルエンジアミンを使用することが更に好ましい。
得られる塗膜防水材と、該塗膜防水材上に仕上げ材として塗布されるウレタントップコートとの間の接着性を向上させる観点からは、芳香族ジアミンとして、ジメチルチオトルエンジアミンと上記ジアミン(1)を併用することが好ましい。同様の観点から、ジメチルチオトルエンジアミンとジアミン(1)とのモル比は、ジメチルチオトルエンジアミン/ジアミン(1)=90/10〜60/40であることが好ましく、85/15〜70/30であることがより好ましい。
ジアミン(1)は、上記一般式(1)で表される化合物であり、上記式中、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキサイド基を示し、nはアルキレンオキサイド基の平均付加モル数で、1〜15の数を示す。得られる塗膜防水材とウレタントップコートとの間の接着性を向上させる観点からは、AOは炭素数3〜4のアルキレンオキサイド基であることが好ましく、テトラメチレンオキサイド基であることがより好ましい。同様の観点から、アルキレンオキサイド基の平均付加モル数nは、3〜10であることが好ましく、3〜4であることがより好ましい。
ジアミン(1)としては、例えばイハラケミカル工業社製エラスマー250P(ポリテトラメチレンオキサイド−ジ−p−アミノベンゾエート、テトラメチレンオキサイド基の平均付加モル数:3.2)、イハラケミカル工業社製エラスマー1000(ポリテトラメチレンオキサイド−ジ−p−アミノベンゾエート、テトラメチレンオキサイド基の平均付加モル数:13.6)、イハラケミカル工業社製CUA−4(トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート)等が使用できる。
本発明の硬化剤中の芳香族ジアミンの含有量は、得られる塗膜防水材の水による膨潤を抑制し、施工に必要な可使時間を確保する観点から、1〜8重量%であることが好ましく、3〜6重量%であることがより好ましい。
本発明の硬化剤には、硬化反応速度を調整して、可使時間と硬化性のバランスを保つために、触媒を配合してもよい。触媒としては、オクチル酸鉛、オクチル酸ビスマス、オクチル酸錫、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、ジブチル錫ジラウレート等の有機金属触媒や、オクチル酸、ナフテン酸,ラウリル酸、ステアリン酸等の有機酸が例示できる。硬化反応速度を適切な範囲に調整する観点から、硬化剤中の触媒の含有量は、0.1〜2.5重量%であることが好ましく、0.5〜2.0重量%であることがより好ましく、0.7〜1.7重量%であることが更に好ましい。
本発明の硬化剤には、得られる塗膜の柔軟性を向上させる観点から、可塑剤を配合してもよい。可塑剤としては、フタル酸ジオクチル(DOP)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、アジピン酸イソノニル(DINA)などの通常の可塑剤が使用できる。得られる塗膜の柔軟性を向上させる観点から、硬化剤中の可塑剤の含有量は、0〜50重量%であることが好ましく、10〜40重量%であることがより好ましく、15〜35重量%であることが更に好ましい。
本発明の硬化剤には、用途に応じて炭酸カルシウム、クレイなどの無機充填剤、酸化クロム、酸化チタン、ベンガラ、カーボンブラック、酸化鉄などの顔料や、その他の添加剤を加えてもよい。
本発明の二液型キットの使用方法は、ポリウレタンの分野において公知の使用方法を採用できる。例えば、施工現場において、上述した主剤及び硬化剤を、主剤のプレポリマー中のイソシアネート基と、硬化剤の芳香族ジアミン中のアミノ基との当量比(イソシアネート基/アミノ基)が、好ましくは0.8〜2.0、より好ましくは0.9〜1.5、更に好ましくは1.0〜1.2となるように混合して、床面等の塗工面に塗布し、硬化せしめる方法が挙げられる。主剤と硬化剤を混合する方法や塗布方法は、手作業による方法でもよいし、混合装置や塗布装置を用いた方法でもよい。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[測定、評価方法]
(可使時間)
主剤と硬化剤とを混合した後、混合液の25℃における粘度が100Pa・sに達するまでの時間を可使時間とした。なお、粘度は、東機産業社製TV−10Hを用いて、6号ローターで、25℃、10rpmの条件で測定した。
(膨潤率)
膨潤率については、後述する方法で得られた塗膜防水材(厚さ1.5〜2mm)を23℃、相対湿度30%で7日間硬化させた後、JIS K 7312に基づいて測定した。
(線膨張率)
線膨張率については、後述する方法で得られた塗膜防水材(厚さ1.5〜2mm)を23℃、相対湿度30%で7日間硬化させた後、JIS K 7312に基づいて測定した。
(破断時伸び率)
破断時伸び率については、後述する方法で得られた塗膜防水材(厚さ1.5〜2mm)を23℃、相対湿度30%で7日間硬化させた後、JIS A 6021に基づいて測定した。なお、破断時伸び率が高いほど、脆性が低い塗膜防水材であると評価できる。
[実施例1〜6及び比較例1〜4]
(主剤の調製)
実施例1,5及び比較例4については、容器に1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートベースのイソシアヌレートタイプの多量化イソシアネート(住化バイエルウレタン社製、商品名:スミジュールN3300)1.7重量部と、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物(モル比:2,4体/2,6体=80/20、以下「TDI」とする)15.2重量部を仕込み、窒素気流下において、数平均分子量5000のポリプロピレンエーテルポリオール(旭硝子社製、商品名:エクセノール828)20重量部、及び数平均分子量2000のポリプロピレンエーテルジオール(旭硝子社製、商品名:エクセノール2020)80重量部を加え、攪拌しながら、70℃で4時間反応させて、イソシアネート末端プレポリマーからなる主剤を得た。なお、プレポリマー中のイソシアネート基の含有率は3.3重量%であった。その他の例については、表1に示す重量比にてイソシアネート末端プレポリマーからなる主剤を得た。ただし、実施例3については多量化イソシアネートとして、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートベースのビウレットタイプ(住化バイエルウレタン社製、商品名:スミジュールN3200)を使用した。また、実施例4については、多量化イソシアネートとして、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートベースのトリメチロールプロパンアダクトタイプ(日本ポリウレタン工業社製、商品名:コロネートHL)を使用し、この多量化イソシアネートとTDIを混合した後、酢酸エチルを留去してポリオールと反応させ、イソシアネート末端プレポリマーからなる主剤を得た。
Figure 0005607968
(硬化剤の調製)
容器に表2に示す各成分を表2に示す配合量で仕込み、25℃でディゾルバーを用いて15分間攪拌し、硬化剤を得た。なお、表2において、硬化剤中の各成分の含有量は、いずれも硬化剤100重量%中の含有量である。
Figure 0005607968
(塗膜防水材の作製)
主剤100重量部と硬化剤190重量部を混合(イソシアネート基/(水酸基+アミノ基)の当量比=1.1)し、可使時間を確認しながら、離型処理したアルミモールドにコテ又はヘラを用いて厚み1.5〜2mmとなるように塗布し、23℃、相対湿度30%で24時間硬化させ、塗膜防水材を得た。
得られた塗膜防水材を用いて、上記評価方法により評価した。結果を表3に示す。
Figure 0005607968
表3の結果から、本発明の実施例は、いずれも可使時間が70分以上であることから、施工に必要な可使時間を容易に確保できることが確認された。また、本発明の実施例は、いずれも膨潤率及び線膨張率が低いことから、得られる塗膜防水材の寸法安定性を向上できることが確認された。

Claims (5)

  1. 末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを含有する主剤と、鎖延長剤として活性水素基を有する化合物を含有する硬化剤とからなるポリウレタン塗膜防水材用二液型キットであって、
    前記プレポリマーは、イソシアネート成分と、ポリオールとの反応によって得られたものであり、
    前記イソシアネート成分は、3分子以上の1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートが付加することによって得られた多量化イソシアネート及びトリレンジイソシアネートを含有し、
    前記ポリオールは、ポリプロピレンエーテルジオール及び官能基数3のポリプロピレンエーテルポリオールの混合物であり、
    前記イソシアネート成分中の前記多量化イソシアネートの含有量が、5〜25重量%であり、
    前記活性水素基を有する化合物は、前記活性水素基としてアミノ基のみを有する芳香族ジアミンであり、
    前記芳香族ジアミンは、ジメチルチオトルエンジアミンを50重量%以上の含有量で含有する、ポリウレタン塗膜防水材用二液型キット。
  2. 前記ポリオールの数平均分子量が400〜8000である請求項1に記載のポリウレタン塗膜材用二液型キット。
  3. 前記芳香族ジアミンは、更に、下記一般式(1)で表されるジアミン(1)を含有する請求項1又は2に記載のポリウレタン塗膜防水材用二液型キット。
    Figure 0005607968
  4. 前記ジメチルチオトルエンジアミンと前記ジアミン(1)とのモル比(ジメチルチオトルエンジアミン/ジアミン(1))が、90/10〜60/40である請求項1〜3いずれか1項に記載のポリウレタン塗膜防水材用二液型キット。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載のポリウレタン塗膜材用二液型キットを構成する主剤のプレポリマー中のイソシアネート基と、請求項1〜4いずれか1項に記載のポリウレタン塗膜材用二液型キットを構成する硬化剤の芳香族ジアミン中のアミノ基との当量比(イソシアネート基/アミノ基)が、0.8〜2.0となるように混合し、塗工面に塗布し、硬化せしめる、ポリウレタン塗膜の施工方法。
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