JP6491463B2 - 常温硬化型ポリウレタン塗膜材用組成物および常温硬化型ポリウレタン塗膜材の施工方法 - Google Patents

常温硬化型ポリウレタン塗膜材用組成物および常温硬化型ポリウレタン塗膜材の施工方法 Download PDF

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本発明は、手塗り塗工に適する常温硬化型ポリウレタン塗膜材用組成物、およびこれを用いた常温硬化型ポリウレタン塗膜材の施工方法に関するものである。
ポリウレタン塗膜材は、ビルディングの屋上、ベランダ、廊下などの防水や塗床、スポーツ施設の弾性舗装などの用途に広く使用されている。これらの2液型ポリウレタン塗膜材用組成物は、ポリオキシプロピレンポリオール(以下、PPGともいう)またはポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTGともいう)をポリオール成分、トリレンジイソシアネート(以下、TDIともいう)またはジフェニルメタン系ポリイソシアネート(以下、MDI系ともいう)等をイソシアネート成分とするイソシアネート基末端プレポリマーを含む主剤と、該主剤の硬化剤とから成り、これらを攪拌混合して施工現場で塗工し、硬化させることによって上記塗膜を得ることができる。
上記塗膜材用組成物であるウレタンエラストマーのスプレー塗工に関する技術情報としては、例えば、特許文献1がある。該特許文献1は、(A)部分プレポリマー成分としてポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG)に主にジフェニルメタン系イソシアネート(MDI系)とを反応させたプレポリマー、(B)レジン成分は上記PTG、ジエチルトルエンジアミン(以下、DETDAともいう)等の芳香族ポリアミン化合物、および触媒(有機ビスマス化合物)との混合物、を二成分型高圧スプレーマシンで直接基材に吹付けることによりなる、無溶剤型スプレーウレタンエラストマーの製造方法に関するものである。
そして、上記の二成分型高圧スプレーマシンによる上記(A)および(B)成分との混合物の硬化時間は、1秒ないし10数秒と超・速硬化性のものである。
また、上記PTGの低分子量体(分子量850以下)のTDIプレポリマーは常温(5〜35℃)で液状物のためハンドリングは容易であるが、該プレポリマー体とポリアミン架橋剤の上記DETDAを含む硬化剤との可使時間は極端に短く、上記ウレタンエラストマーと同様に手塗り塗工には不向きであると考えられていた。
ポリウレタン塗膜防水材用組成物については、通常主剤のポリオール成分はエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドの一種もしくは二種以上を、2個以上の活性水素を有する化合物に付加重合させた上記PPGやポリオキシエチレンプロピレンポリオールが用いられている。PPG等とTDIとの反応により得られるイソシアネート基末端プレポリマーを含む主剤と硬化剤のポリアミン架橋剤にジエチルトルエンジアミン(DETDA)を用いて、手塗り塗工に適した可使時間を保持するポリウレタン塗膜防水材に関する技術情報としては、例えば、特許文献2がある。
上記特許文献2記載のPPG等をポリオール成分とする主剤は、液状物であるため現場施工時のハンドリングは容易である。また該主剤とその硬化剤との混合物(未硬化液状物)は手塗り塗工に適した可使時間は保持しているが、得られる硬化塗膜の物性はJIS A 6021:2011(建築用塗膜防水材、「高伸長形(旧1類)」)の規格しか適合できない。このように手塗り塗工に適した可使時間を保持し、更に得られる硬化塗膜の物性がJIS A 6021:2011(建築用塗膜防水材、「高強度形」および「高伸長形(旧1類)」)の両規格に規定する数値を満足できるポリウレタン塗膜防水材は未だ知られていない。
また、ウレタン塗膜防水材用組成物のスプレー塗工に関する技術情報としては、特許文献3がある。該特許文献3は、スプレー装置の使用に向けて、上記TDIをイソシアネート成分、PPG等をポリオール成分とするイソシアネート基末端プレポリマーを主成分とする主剤と、上記DETDA等の芳香族ポリアミンを主成分とする硬化剤とから成る高反応性二液型ウレタン組成物を圧送供給し、スタティックミキサーで混合して得られる混合物を、上記スプレー装置から吐出し塗工して硬化させるポリウレタン塗膜防水材用組成物およびその施工方法に関するものである。
上記特許文献3記載の主剤および硬化剤の組成は、主剤中の可塑剤含有量を増やして低粘度化し、主剤に対する硬化剤の配合割合を下げることで、機械圧送に適した組成設計にしている。また、硬化剤中のフィラー成分を極力低減し、ポリウレタン樹脂の含有割合を高くすることで硬化物の高強度化を実現したポリウレタン塗膜防水材である。
特に、特許文献3(例1)記載の硬化剤組成物は可塑剤を含まないため、例中での引張強度(初期物性)は最も高い値が得られている。しかしながら、その硬化性(レベリング可能時間)は6分と短く、手塗り塗工としての使用には難しい。
特開平2−258877号公報 特許第3114557号公報 特開2008−297338号公報
本発明は、建築用塗膜防水材(ウレタンゴム系)のJIS A 6021:2011(高
強度形および高伸長形)の両規格に適合可能(以下、JIS適合材という)な、手塗り塗
工に適する常温硬化型ポリウレタン塗膜材用組成物、およびこれを用いた常温硬化型ポリウレタン塗膜材の施工方法を提供することである。
すなわち本発明は、トリレンジイソシアネートとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート基末端プレポリマーを主成分とする主剤と、芳香族ポリアミン架橋剤および可塑剤を含有する硬化剤からなる、手塗り塗工に適する常温硬化型ポリウレタン塗膜材用組成物において、
a)前記トリレンジイソシアネートと反応させるポリオールの主成分であるポリオキシアルキレンポリオールは、一般式(I)
Figure 0006491463

(式中、R、R、は水素原子または直鎖もしくは分枝のアルキル基(炭素数1〜3)を表し、R、R、は相互に異なっており、nは正の整数を表し、pは0または正の整数を表す)で示されるポリオールから選択される一種または二種以上で、その数平均分子量は700〜4000のポリオールであって、
b)前記トリレンジイソシアネート中の2,4−トリレンジイソシアネート含有量を80質量%以上とし、
c)前記硬化剤中の芳香族ポリアミン架橋剤の主成分はジエチルトルエンジアミンであり、
d)前記硬化剤中の可塑剤の使用量は、イソシアネート基末端プレポリマー100質量部に対して30〜110質量部とし、
e)前記主剤と前記硬化剤とを施工現場で混合する際に、主剤中のプレポリマーのイソシアネート基(NCO基)と硬化剤中の芳香族ポリアミンのアミノ基(NH基)との当量比(NCO基/NH基)が1.0〜2.8となる、手塗り塗工に適する常温硬化型ポリウレタン塗膜材用組成物を提供する。
前記ポリオキシアルキレンポリオールは上記一般式(I)で示される、nが正の整数でpが0である、テトラヒドロフランが開環重合反応により生成するポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG)、および/または、nおよびpが正の整数、R、Rのうちどちらか一方がメチル基、他は水素原子を有する、テトラヒドロフランとメチルテトラヒドロフランとのランダム共重合体(以下、PTG−Lともいう)である、常温硬化型ポリウレタン塗膜材用組成物を提供する。
前記常温硬化型ポリウレタン塗膜材用組成物を混合し、手塗り塗工し、常温で硬化せしめ
た前記ポリウレタン塗膜材はJIS K 6253に準じて評価し、その硬さ(硬度A)
が35〜90である、常温硬化型ポリウレタン塗膜材用組成物でもある。
また前記ポリウレタン塗膜材はJIS A 6021に準じて評価し、ウレタンゴム系高伸長形および高強度形の両規格値に適合する常温硬化型ポリウレタン塗膜材用組成物でもある。
さらに本発明は、トリレンジイソシアネートとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート基末端プレポリマーを主成分とする主剤と、芳香族ポリアミン架橋剤および可塑剤を含有する硬化剤とを混合し、手塗り塗工して、常温で硬化せしめるポリウレタン塗膜材の施工方法において、
a)前記トリレンジイソシアネートと反応させるポリオールの主成分であるポリオキシアルキレンポリオールは、一般式(II)
Figure 0006491463
(式中、R、R、は水素原子または直鎖もしくは分枝のアルキル基(炭素数1〜3)を表し、R、R、は相互に異なっており、nは正の整数を表し、pは0または正の整数を表す)で示されるポリオールから選択される一種または二種以上で、その数平均分子量は700〜4000のポリオールであって、
b)前記トリレンジイソシアネート中の2,4−トリレンジイソシアネート含有量を80質量%以上とし、
c)前記硬化剤中の芳香族ポリアミン架橋剤の主成分はジエチルトルエンジアミンであり、
d)前記硬化剤中の可塑剤の使用量は、イソシアネート基末端プレポリマー100質量部に対して30〜110質量部とし、
e)前記主剤中のプレポリマーのイソシアネート基(NCO基)と前記硬化剤中の芳香族ポリアミンのアミノ基(NH基)との当量比(NCO基/NH基)が1.0〜2.8となるように施工現場で混合し、手塗り塗工して、硬化せしめる、手塗り塗工に適する常温硬化型ポリウレタン塗膜材の施工方法を提供する。
前記ポリオキシアルキレンポリオールは上記一般式(II)で示される、nが正の整数でpが0である、テトラヒドロフランが開環重合反応により生成するポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG)、および/または、nおよびpが正の整数、R、Rのうちどちらか一方がメチル基、他は水素原子を有する、テトラヒドロフランとメチルテトラヒドロフランとのランダム共重合体(PTG−L)である、常温硬化型ポリウレタン塗膜材の施工方法を提供する。
また前記ポリウレタン塗膜材はJIS A 6021に準じて評価し、ウレタンゴム系高伸長形および高強度形の両規格値に適合する常温硬化型ポリウレタン塗膜材の施工方法でもある。
硬化剤は、ジエチルトルエンジアミン以外の芳香族ポリアミン架橋剤、およびポリオールを含んでいても良い。特に、硬化剤がジエチルトルエンアミンを含む場合、安全性が高いため製造や使用に際しての制約を受けない。
本発明によれば、JIS A 6021(高強度形および高伸長形)の両規格に適合可能
な、手塗り塗工に適した常温硬化型ポリウレタン塗膜材用組成物、およびこれを用いた常
温硬化型ポリウレタン塗膜材の施工方法を提供することができる。すなわち、該ポリウレタン塗膜材用組成物は、手塗り塗工に適しているので、高価なスプレー装置を用意する必要がなく、塗工作業の際にミストの飛散などによる作業環境汚染等の問題を生じる恐れもない。
また本発明のポリウレタン塗膜材用組成物を用いて得られる塗膜材は、「高強度形」と「高伸長形(旧1類)」の両性能を併せ持つ、優れた塗膜性能を有している。高強度形と高伸長形とのJIS規格値を比較すると、高強度形は高伸長形より破断時の引張強さ(TB)は4倍以上、引裂強さ(TT)は2倍以上の強度を有するため、塗層においては従来の塗布量の半分の量で済むなどの利点もある。この優れた塗膜性能と歩行性が良好なため、従来の防水材用途だけでなく、高強度性能や高負荷性能が要求されるスポーツ施設等の床材、またJIS A 6021記載の試験項目である加熱(80℃)処理、酸処理、アルカリ処理、促進暴露処理等の試験にも充分に対応できるため建築物等の被覆材、更には金属等の腐食防止のための防錆材用途にも使用することができる。
さらに本発明においては、主剤の無溶剤化が可能であり、有機溶剤が使用できない作業環境下等でも対応でき大変有利である。
[ポリウレタン塗膜材用組成物]
本発明の実施形態に係る主剤と硬化剤との混合直後の未硬化液状物が、施工時のレベリングを保持できる程度の粘度を有するために、主剤の23℃における粘度は3000〜25000mPa・sであることが好ましく、4000〜20000mPa・sであることがより好ましく、5000〜15000mPa・sであることが更に好ましい。
上記主剤は、イソシアネート基末端プレポリマー以外に、塗工前の混合攪拌時の粘度調整、手塗り塗工時の粘度調整等のために可塑剤、溶剤等を更に含んでいてもよい。
イソシアネート基末端プレポリマーの合成方法には特に限定しないが、例えば、イソシアネート基含有化合物を活性水素含有化合物に対して所定の当量比(NCO基/OH基)で一括して混合、またはどちらか一方を先に仕込んでおき、他方を後から添加し、所定の温度と時間で反応させ得ることができる。
本発明におけるイソシアネート基末端プレポリマーは、ポリオール成分である前記ポリオキシアルキレンポリオールとイソシアネート成分であるTDIとを、ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基(OH基)に対するTDIのイソシアネート基(NCO基)との当量比(NCO基/OH基)が1.5〜2.1となるように反応させて得ることができる。
前記ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基に対するTDIのイソシアネート基の当量比は、1.5〜2.1であるが、好ましくは1.6〜2.0であり、より好ましくは1.7〜2.0である。当量比が1.5未満になると、イソシアネート基末端プレポリマーの粘度が高くなり、また引裂強さ(TT)等の硬化塗膜の物性値がJIS規格値を満たさない可能性がある。当量比が2.1を超えると、主剤中の遊離TDI含有量が多くなり経日により主剤が増粘するおそれがある。
ポリオールとイソシアネートとを反応させる反応温度は、100℃以下であることが好ましく、90℃以下であることがより好ましく、80℃以下であることが更に好ましい。反応温度を上記の温度範囲内にすると、副反応を抑制することができる。一方、反応温度の下限は特に制限されないが、例えば30℃である。
イソシアネート基末端プレポリマーの製造に使用する前記ポリオキシアルキレンポリオールの含有量は、ポリオール全量基準で、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上が最も好ましい。
本発明の塗膜材用途に好適な所望のイソシアネート基末端プレポリマーを得るには、前記ポリオキシアルキレンポリオール、特にPTGおよびPTG−Lの場合では、数平均分子量は700〜4000であることが好ましく、850〜3500であることが更に好ましい。
イソシアネート基末端プレポリマー中のNCO基含有率は、好ましくは1.9〜8.0質量%、更に好ましくは2.2〜7.0質量%である。なお、NCO基含有率が8.0質量%以上であると、所望する手塗り塗工が可能な可使時間が得られ難くなる。一方、NCO基含有率が1.9質量%以下であると、ポリウレタン塗膜材としての物性が好ましくない。
主剤に溶剤成分等を含む場合のNCO基含有率は、上記プレポリマー中のNCO基含有率と連動する。主剤中に溶剤成分等(例えば5%)を含む場合では、前記したプレポリマーのNCO基含有率の値から、好ましくは1.8〜7.6質量%、更に好ましくは2.1〜6.7質量%と換算できる。
PTGはウレタン化学の分野において有用なポリオールの一つであるが、分子量500〜2000のPTGの融点(融解温度)は10〜35℃の範囲にあり、10℃以下では上記分子量範囲のPTGはすべて結晶化を起こす。また分子量が2000以上のPTGのTDIプレポリマーの場合、20℃以下の温度では結晶化を起こすためハンドリングや作業性等に難点を有する。このため、常温での硬化を必要とする施工現場での塗装やコーティング材の塗工の分野においては、結晶化を防ぐために有機溶剤等を添加する方法で対処している。
一方、PTG−LはPTGの特性を保持し、欠点である上記結晶性を改善するものである。該PTG−Lは、原料のテトラヒドロフラン(THF)とメチルテトラヒドロフラン(メチル基置換THF)が強酸触媒下で共重合反応して得られるコポリエーテルポリオールであり、開環時にメチルテトラメチレンエーテルユニットのメチル基が2位または3位等の位置にランダムに付くため、構造配列の規則性が乱れて結晶性を失う要因となっている。このためPTG−Lの特性は上記PTGとは異なり、10℃の温度でも液体状態を保っている。
プレポリマーの性状に関して、10℃におけるPTG−2000および1000のTDIプレポリマーは、それぞれ白色固形状(結晶化)および白濁(半結晶化)状態であり、これらを10℃以下で使用する場合は予め溶剤や可塑剤等でプレポリマーを溶解しておく必要がある。然しながら、PTG−L1000〜L3000の各TDIプレポリマーはすべて無色液状である。さらには後述するPTG/PTG−L等の異種ポリオールを二種以上混合してプレポリマー化することにより、溶剤による希釈の必要がない主剤の無溶剤化が可能である。
上記の結晶性以外に、両者の構造に起因する相違が見られる。硬化塗膜の物性値に関しては、分子量がほぼ同一のPTGおよびPTG−Lの各TDI(T−100)プレポリマーを含む主剤を用いて得られる硬化塗膜の物性値を比較すると、破断時の引張強さ(TB)等はPTGの方がやや強度は高い傾向にある。また見掛けの硬化速度に関しては、後述する可使時間(主剤と硬化剤との混合液の23℃での粘度が、10万mPa・sに達するまでの時間)で比較すると、PTG−LのTDIプレポリマーを含む主剤の方が見掛けの硬化速度は遅く、PTGと比べ手塗り塗工には有利である。
しかしながら、PTG−LはPTGと同様にTDIとの反応性に富み、該ポリオールとTDIからなるポリウレタン樹脂はゴム弾性に優れている。
イソシアネート基末端プレポリマーの製造に使用する前記TDIは、市販品として入手可能な2,4−異性体含有率が80〜100質量%のTDIを用いることができる。また本発明の効果を損なわない範囲内において、他のジイソシアネート化合物を併用できる。他のジイソシアネート化合物としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIともいう)、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の一般的にポリウレタン樹脂の合成に用いられるポリイソシアネート化合物が挙げられる。
本発明のイソシアネート中のTDIの含有量は、イソシアネート化合物全量基準で、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。なお、イソシアネートは、当該含有量は99質量%以上であることが好ましい。
TDIは、TDI全量基準で、2,4−異性体を80質量%以上含むが、90質量%以上含むことが好ましく、95質量%以上含むことがより好ましい。2,4−異性体の含有量が80質量%未満であると、得られる主剤の可使時間が短くなるおそれがある。
硬化剤中の芳香族ポリアミン架橋剤としては、ジエチルトルエンジアミン(DETDA)を用いる。DETDAは、通常3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミンと3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミンとの混合物であり、異性体含有率の異なるものが市販されている。市販品としては、例えば“エタキュア100”(商品名、アルベマール・コーポレーション社製、2,4−異性体/2,6−異性体の質量比80/20)などがある。また、DETDAは、従来芳香族ポリアミンとして慣用されていた4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)(以下、MOCAともいう)より安全性が高いため、製造や使用に際しての制約がなく好ましい。
また、DETDAと他の芳香族ポリアミン架橋剤とを併用することも可能である。なお、DETDAと他の芳香族ポリアミンとを併用する場合、塗膜の硬化速度の調整のために必要に応じて硬化剤に触媒を添加することができる。
硬化剤は、可塑剤を更に含むことができる。可塑剤としては、主剤に含まれるイソシアネート基末端プレポリマーのNCO基との反応性を有さない可塑剤が使用できる。このような可塑剤としては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソノニル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸イソノニル、イソフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、塩素化パラフィン、トリス・B−クロロプロピルホスフェート等が挙げられる。
可塑剤の使用量は、手塗り塗工に適した可使時間、塗膜の硬化性、物性等を考慮して適宜決定されるが、例えば、イソシアネート基末端プレポリマー100質量部に対して30〜110質量部である。可塑剤の使用量が、110質量部以上であると、塗膜表面に可塑剤がブリードアウトするおそれがあり、また30質量部以下であると、手塗り塗工に適した可使時間が確保し難くなる。なお、可塑剤は、上記主剤に配合することもできる。
硬化剤は、湿潤分散剤;沈降防止剤;光安定剤;消泡剤;炭酸カルシウム、タルク、カオリン、ゼオライト、ケイソウ土等の無機充填材;酸化クロム、ベンガラ、酸化鉄、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料などを更に含むことができる。
常温硬化型ポリウレタン塗膜材用組成物においては、主剤に含まれるイソシアネート基末端プレポリマーのNCO基と硬化剤に含まれる芳香族ポリアミン架橋剤のNH2基との当量比(NCO基/NH2基)が、好ましくは1.0〜2.8、より好ましくは1.0〜2.5、更に好ましくは1.0〜2.0である。当量比(NCO基/NH2基)が上記範囲内になるように施工現場で混合し、被塗物上に手塗り塗工すると、所望する可使時間で硬化性は良好であり、且つJIS A 6021(高強度形および高伸長形)の両規格に適合する塗膜が得られやすくなり、遊離のアミンによる黄変や発泡を抑制できる。また、当量比(NCO基/NH2基)が上記範囲内であると、他材料との層間接着性にも優れる傾向がある。
本発明のウレタン塗膜材の施工環境温度は、常温(5〜35℃)を想定している。主剤と硬化剤とを上述した当量比(NCO基/NH2基)の範囲内で混合することにより、可使時間を15分以上120分以下に保持することができる。可使時間が15分以上あれば、補修あるいは小面積での施工が可能である。20℃における可使時間が15分以上であると、冬場においては大面積の施工も充分対応が可能である。
本実施形態の常温硬化型ポリウレタン塗膜材は、手塗り塗工に適しているが、可使時間およびレベリング可能時間が比較的長くとれる点から、スタティックミキサー、ダイナミックミキサー等の自動混合装置を使用した、レベリング性を備えた機械塗工にも適用することができる。また、ダレ止め剤を配合して、立面、壁面、曲面等をローラー、リシンガン、エアレスガン等の方法でも塗工することもできる。
また、本発明の実施形態のポリウレタン塗膜材は、従来からの防水材用途以外に、高強度性能や高負荷性能が要求されるスポーツ施設等の床材、建築物等の被覆材、更には防錆材用途にも使用することができる。なお使用の際には作業性に応じてキシレン等の有機溶剤を加えて施工することも可能である。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の「%」または「部」はいずれも質量%または質量部、主剤と硬化剤との配合比は質量比を示す。また、実施例等において使用される記号は、下記の意味を有する。すなわち、表中の“←”は、左欄の内容と同じであることを示す。
実施例及び比較例において用いた主剤及び硬化剤に含まれる成分を以下の通り略称する。また、実施例及び比較例で用いた評価方法についても以下に示す。
<主剤>
PTG−650:ポリテトラメチレンエーテルグリコール、分子量650
(商品名“PTG−650SN”、保土谷化学工業社製)
PTG−850:ポリテトラメチレンエーテルグリコール、分子量850
(商品名“PTG−850SN”、保土谷化学工業社製)
PTG−1000:ポリテトラメチレンエーテルグリコール、分子量1000
(商品名“PTG−1000SN”、保土谷化学工業社製)
PTG−2000:ポリテトラメチレンエーテルグリコール、分子量2000
(商品名“PTG−2000SN”、保土谷化学工業社製)
PTG−L1000:THF/メチル基置換THF共重合体、分子量1000
(商品名“PTG−L1000”、保土谷化学工業社製)
PTG−L2000:THF/メチル基置換THF共重合体、分子量2000
(商品名“PTG−L2000”、保土谷化学工業社製)
PTG−L3000:THF/メチル基置換THF共重合体、分子量3000
(商品名“PTG−L3000”、保土谷化学工業社製)
T−80:トリレンジイソシアネート、2,4/2,6異性体比=80/20
(商品名“コロネートT−80”、日本ポリウレタン工業社製)
T−100:トリレンジイソシアネート、2,4/2,6異性体比=100/0
(商品名“コロネートT−100”、日本ポリウレタン工業社製)
<硬化剤>
DETDA:ジエチルトルエンジアミン
(商品名“エタキュア100”、アルベマール・コーポレーション社製)
可塑剤:フタル酸ジオクチル(大八化学工業所製)
有機溶剤:NSソルベント(イソパラフィン系炭化水素、保土谷バンデックス建材社製)
無機充填材:炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)
<粘度の測定方法>
粘度は、JIS K 7301:1995の「熱硬化性ウレタンエラストマー用トリレンジイソシアネート型プレポリマー試験方法 6.2粘度」に準じて、回転粘度計(東機産業(株)BH II形)を用い23℃で測定した。
<歩行性の評価方法>
主剤と硬化剤とを混合した後ガラス板上に流延し、流延後16時間経過時点での塗膜の硬化状態を手で触わることにより歩行性を評価した。歩行性が特に良好なものを++、良好なものを+、やや不良なものを±、不良なものを−とした。
<可使時間の評価方法>
主剤と硬化剤とを混合した後、混合液の23℃での粘度が10万mPa・sに達するまでの時間(分)を、支障なく塗工できる時間(可使時間)とした。
<硬化塗膜の物性の評価方法>
塗工後、23℃で7日経過後にJIS A 6021:2011(建築用塗膜防水材、高強度形および高伸長形)に準じて硬化塗膜の物性を評価した。本実施例及び比較例に記載する基礎物性の主な試験項目は、破断時の引張強さ(TB)、破断時の伸び率(EB)、抗張積、つかみ間の伸び率、および引裂強さ(TT)である。それらの規格値は下記の通りで、示されている温度は試験時温度である。なお、本JIS A 6021:2011においては、硬さに関する試験項目とその規格値は特に定められていないので、下記のJIS K 6253に規定する方法により評価する。また100%モジュラスに関しても同様に、本JIS A 6021には定められていない。
・破断時の引張強さ(TB、単位;N/mm):10以上/23℃、
および6.0以上/60℃、
・破断時の伸び率(EB、単位;%): 450以上/23℃、
・抗張積(単位;N/mm):700以上/23℃、
・つかみ間の伸び率(単位:%):250以上/−20℃、
・引裂強さ(TT、単位;N/mm):30以上/23℃、
・硬さ(JIS K 6253に規定するデュロメータによる。硬度A):35〜90、
加熱処理(80℃×7日処理)後の主な試験項目は、破断時の伸び率、および引張強さ比であり、そのJIS A 6021:2011に定められている規格値は下記の通りである。
・破断時の伸び率(単位:%):400以上/23℃、
・引張強さ比(単位:%):80以上/23℃、
なお本発明のJIS適合材とは、JIS A 6021:2011(高強度形および高伸長形)に記載された上記の試験項目以外のすべての項目について評価を行い、硬化塗膜の物性が上記JISの両規格で定められた規格値に適合するポリウレタン塗膜材をいう。
[主剤の調製]
2リットルのガラスコルベンに、配合表に従い所定量のポリオール(PTG、またはPTG−L)を仕込み、95℃〜105℃で1時間減圧脱水を実施する。液温を40℃以下まで冷却後、窒素気流下で所定の当量比(NCO基/OH基)に従ってTDIを徐々に加え、60℃〜80℃で2〜4時間加熱撹拌して反応を完結させる。室温まで冷却して、主剤(イソシアネート基末端プレポリマー)を調製する。
[硬化剤の調製]
2リットルの円筒形開放容器(SUS製)に、実施例および比較例に記載する配合表に従い所定量のDETDA、可塑剤、無機充填材を仕込み、室温でディゾルバーを用いて30分間撹拌し、それぞれの硬化剤を調製する。
[実施例1]
所定温度に調整した恒温槽に、上記の条件で調製した各イソシアネート基末端プレポリマー(NCO基/OH基=2.0で反応)を96時間(4日間)放置し、TDIプレポリマーの性状を観察した。結果を表1に示す。
なお、実施例1−1のPTG−L1000&TDI(T−100)とは、PTG−L1000のTDI(T−100)プレポリマーの略称であり、以下同様に表1の名称に略す。
Figure 0006491463
[実施例2、比較例2]
表2に示す組成の主剤および硬化剤を以下の手順に従って調製した。
まず、2リットルのガラスコルベンに、PTG−L2000を851.7g仕込み、95℃〜105℃で1時間減圧脱水を行った。液温を40℃以下まで冷却し、窒素雰囲気下で当量比(NCO基/OH基は2.0)に従って2,4−異性体/2,6−異性体質量比が100/0のTDIを148.3gを徐々に加え、70〜75℃で1〜2時間加熱撹拌し反応を完結させて、NCO基含有率3.5質量%の主剤(粘度:20,200mPa・s/23℃)1000gが得られた。室温まで冷却し、必要により溶剤50.0g(主剤に対して5.0質量%)を添加し調製した。
これとは別に、2リットルの円筒型開放容器に、表2に示した配合表に従い、DETDA、可塑剤(DOP)、および炭酸カルシウムを仕込み、室温でディゾルバーにて30分間撹拌し、各1000gの硬化剤を調製した。
上記方法により調製した主剤と硬化剤とを23℃の環境下で一夜静置した後、主剤および硬化剤を質量比で1対2(NCO基/NH基の当量比:0.9〜3.0)の割合で混合し、また必要により所定量の有機溶剤を添加し、可使時間をチェックしながらプライマー処理したスレート板にヘラを用いて厚さ1〜2mmになるように手塗り塗布した。
また、23℃で上記方法により混合したものの1部をガラス板上に厚さ1〜2mmになるように流延し、23℃の環境下で7日間硬化させた硬化塗膜の物性(基礎および加熱処理後)を評価した。
なお主剤と硬化剤との混合時の当量比(NCO基/NH基)は、主剤(プレポリマー)のNCO含有量と硬化剤中のアミン架橋剤(DETDA)含有量から当量比を算出した。
試験結果を表3に示す。
主剤/硬化剤の配合比を1/2に設定し主剤に対して有機溶剤5.0質量%添加した実施例2−1〜2−4、および配合比を1/1に設定した実施例2−5、また有機溶剤を添加していない実施例2−6の硬化塗膜の物性はいずれもJIS規格値を満足していた。すなわち、23℃で7日後の硬化塗膜の基礎物性および加熱処理後の物性は、ポリウレタン塗膜防水材のJIS(高強度形および高伸長形)の両規格に適合する性能を示した(JIS適合材)。
Figure 0006491463
Figure 0006491463
[実施例3、比較例3]
実施例2と同様に、表4に示す組成の主剤を調製した。
2リットルのガラスコルベンに、PTG−L1000を747.7g仕込み、95℃〜105℃で1時間減圧脱水を行った。液温を40℃以下まで冷却し、窒素雰囲気下で当量比(NCO基/OH基)2.0に従って2,4−異性体/2,6−異性体質量比が100/0のTDIを252.3gを徐々に加え、65〜70℃で1〜2時間加熱撹拌し反応を完結させて、NCO基含有率6.2質量%の主剤(粘度:12,000mPa・s/23℃)1000gが得られた。室温まで冷却し、必要により有機溶剤50.0g(主剤に対して5.0質量%)を添加し調製した。
上記実施例2と同様に、表4に示す組成の各硬化剤1000gを調製し、得られた主剤および硬化剤を用いて、硬化塗膜の物性(基礎および加熱処理後)を評価した。
試験結果を表5に示す。
主剤に対して有機溶剤5.0質量%添加した表4の実施例3−1〜3−5、また有機溶剤を添加していない実施例3−6、いずれも硬化塗膜の物性はJIS規格値を満足していた(JIS適合材)。
Figure 0006491463
Figure 0006491463
[実施例4]
実施例2と同様に、表6に示す組成の主剤を調製した。
2リットルのガラスコルベンに、PTG−L3000を898.3g仕込み、95℃〜105℃で1時間減圧脱水を行った。液温を40℃以下まで冷却し、窒素雰囲気下で当量比(NCO基/OH基は2.0)に従って2,4−異性体/2,6−異性体質量比が100/0のTDIを101.7gを徐々に加え、75〜80℃で1〜2時間加熱撹拌し反応を完結させて、NCO基含有率2.5質量%の主剤1000gが得られた(粘度:42,000mPa・s/23℃)。室温まで冷却し、必要により溶剤50.0g(主剤に対して5.0質量%)を添加し調製した。
上記実施例2と同様に、表6に示す組成の各硬化剤1000gを調製し、得られた主剤および硬化剤を用いて、硬化塗膜の物性(基礎および加熱処理後)を評価した。
試験結果を表7に示す。
主剤/硬化剤の配合比を1/1.9〜1/1に設定した実施例4−1〜4−3は、いずれもJIS規格値を充分満足する性能を示した(JIS適合材)。
Figure 0006491463
Figure 0006491463
[実施例5、比較例5]
実施例2と同様に、表8に示す組成の主剤を調製した。
2リットルのガラスコルベンに、PTG−1000を739.7g仕込み、95℃〜105℃で1時間減圧脱水を行った。液温を40℃以下まで冷却し、窒素雰囲気下で当量比(NCO基/OH基は2.0)に従って2,4−異性体/2,6−異性体質量比が100/0のTDIを260.3gを徐々に加え、65〜70℃で1〜2時間加熱撹拌し反応を完結させて、NCO基含有率6.3質量%の主剤1000gが得られた(粘度:9,100mPa・s/23℃)。室温まで冷却し、必要により溶剤50.0g(主剤に対して5.0質量%)を添加し調製した。
上記実施例2と同様に、表8に示す組成の各硬化剤1000gを調製し、得られた主剤および硬化剤を用いて、歩行性、硬化塗膜の物性(基礎および加熱処理後)等を評価した。
試験結果を表9に示す。
塗膜物性値(実施例5−1〜5−5)は、いずれもJIS規格値を充分満足する性能を示した(JIS適合材)。
Figure 0006491463
Figure 0006491463
[実施例6]
実施例2と同様に、表10に示す組成の主剤1000gを調製した。
また同様に、表10に示す組成の各硬化剤1000gを調製し、得られた主剤および硬化剤を用いて、可使時間、歩行性、硬化塗膜の物性(基礎および加熱処理後)等を評価した。
試験結果を表11に示す。
塗膜物性値(実施例6−1〜6−2)は、いずれもJIS規格値を充分満足する性能を示した(JIS適合材)。
Figure 0006491463
Figure 0006491463
[実施例7]
前記した表1の実施例1−7の結果から、PTG−2000のTDIプレポリマーは、20℃の環境下では結晶化する。有用なポリアルキレンポリオールであるPTG−2000の性能を保持し、プレポリマーの結晶化温度を下げ液状での使用温度範囲を広げるために、PTG−2000と相溶性が高い共重合体のPTG−L2000とを混合(当量比で4対6)し、TDI(T−100)によるプレポリマー化を試みた。その組成を表12に示す。
また得られた上記混合プレポリマー(主剤)を下記の環境条件下で放置後、その性状を観察した(各所定温度で96時間放置)。結果を表14に示す。
また表12に示す組成の硬化剤を調製し、得られた主剤および硬化剤を用いて、可使時間、歩行性、硬化塗膜の物性(基礎および加熱処理後)を評価した。結果を表13に示す。
Figure 0006491463
Figure 0006491463
Figure 0006491463
表14より、上記二種混合プレポリマーは10℃においては結晶化しているが、20℃においては液状である。このため溶剤や可塑剤等による希釈の必要がなく、希釈せずに使用可能な温度範囲を更に広げることができた。
また表13の結果より、二種混合プレポリマーを用いて得られた塗膜の物性は、PTG−2000のTDIプレポリマーの特性を損なうことなくJIS規格値を充分満足する性能を示した。また塗膜の歩行性等も良好で、本発明の塗膜材用主剤として充分使用が可能である(JIS適合材)。
[実施例8]
主剤のイソシアネート成分である2,4−異性体/2,6―異性体含有率の異なるTDIを用いて、性状(可使時間、歩行性)および硬化塗膜の物性への効果を検討した。
表15に示す組成で主剤および硬化剤を調製し、得られた主剤および硬化剤を用いて実施例2と同様にして硬化塗膜を得た。なお実施例8−2および比較例8−1は、TDI中の2,4−異性体の含有量はそれぞれ90質量%、65質量%である。性状および硬化塗膜の物性を表16に示す。
実施例8−1〜8−3の塗膜物性は、いずれもJIS規格値を充分満足する性能を示した(JIS適合材)。また実施例8−1の可使時間(23℃)は35分/10万mPa・sであり、塗膜のレベリングや歩行性等も良好であった。
しかし、比較例8−1の可使時間は13分と短く、また破断時の引張強さ(TB)/60℃試験ではJIS規格に不適合であった。
Figure 0006491463
Figure 0006491463
[実施例9、比較例9]
実施例2と同様に、表17に示す組成の主剤および硬化剤を調製した。得られた主剤および硬化剤を用いて、歩行性、硬化塗膜の物性(基礎および加熱処理後)等を評価した。
低分子量PTG(PTG−650)のTDIプレポリマーを主剤とし、ポリアミン架橋剤にDETDAを使用すると、表18の比較例9−1に示す通り、得られた硬化塗膜の物性値はJIS規格値を満たすことができない[破断時の伸び率(EB、単位:%)、つかみ間の伸び率(単位:%、−20℃)等が不適合]。
また、硬化塗膜の表面には可塑剤等の浮き(ブリード)が激しく認められた。
これらの問題を有する低分子量PTG−650であるが、表17に示す組成で各主剤を調製した。まず、PTG−650と相溶性が高い異種ポリオールのPTG−L2000等とを混合(当量比で1対1)し、所定量のTDIと反応させてプレポリマー(主剤)を調製した。また表17の配合表に従って硬化剤を調製し、硬化塗膜の物性(基礎および加熱処理後)、ブリードの有無、および歩行性を評価した。
試験結果を表18に示す。
Figure 0006491463
Figure 0006491463
表18の結果より、硬化塗膜の物性(実施例9−2および9−3)は、いずれもPTG−L2000およびL3000単品(実施例2−2および4−2)では得られなかった性能に改善することができた。また得られた塗膜表面のブリードも抑止でき、歩行性も良好で、予想以上に硬化塗膜の改質効果が認められた。
すなわち、低分子量のPTG−650を配合することにより、実施例9−2(PTG−650/PTG−L2000のTDI(T−100)プレポリマーでは、PTG−L2000単品を使用した実施例2−2と比較すると、硬さ(硬度A)、破断時の引張強さ(TB)/60℃、および引裂強さ(TT)が格段に向上し、また歩行性も良好であり、全体的にバランスのとれた塗膜性能(物性値)に改善することができた。また実施例9−3(PTG−650/PTG−L3000のTDI(T−100)プレポリマー)の場合も、PTG−L3000単品を使用した実施例4−2と比較すると、上記実施例9−2と同様に、塗膜物性値が格段に向上し、全体的にバランスのとれた塗膜性能に改善ができた。
[比較例10]
前記した特許文献3(例1)との対比試験を行った。
特許文献3の記載内容に従い、表19に示す組成(比較例10−1)の主剤および硬化剤を調製し、得られた主剤および硬化剤を用いて硬化塗膜の物性(基礎および加熱処理後)を評価した。また比較例10−2および10−3は、一般的な手塗り塗工を想定し主剤と硬化剤との配合比を1/1および1/2に調製した。得られた硬化塗膜の性状および物性を表20に示す。
Figure 0006491463
Figure 0006491463
特許文献3(例1)に記載されたスプレー塗工用組成による硬化塗膜の物性値(比較例10−1)は、JIS規格(高強度形および高伸長形)の両規格に適合した。しかし、その硬化性(レベリング可能時間)は6分で、本発明の手塗り塗工としての使用は難しい。
また、比較例10−2および10−3の硬化塗膜の物性は、いずれも破断時の引張強さ(TB)/23および60℃、破断時の伸び率(EB)、抗張積、引裂強さ(TT)等は大幅に低下し、上記JIS規格には不適合であった。
上記比較例10−2および10−3の結果より、スプレー塗工用組成をそのまま手塗り塗工用組成に置き換えても、上記JIS規格への適合は難しい。
[実施例11、比較例11]
本発明品と保土谷バンデックス社(HVC社)製品との対比試験を行なった。評価結果を表21に示す。
比較例11−1は、主に手塗り塗工による高強度タイプの床材製品である。
比較例11−2は、床材やピット向けのスプレータイプの床材製品である。
また、比較例11−3は汎用ウレタン塗膜防水材製品(主剤/硬化剤との配合比は1/2)である。
Figure 0006491463
比較例11−1〜11−3の各製品は、いずれもポリウレタン塗膜防水材のJIS規格(高強度形および高伸長形)の両規格値を同時には満たすことはできなかった。特に高強度が要求される比較例11−2は、JIS規格(高強度形)についてすべての項目に適合するが、高伸長形の規格項目[破断時の伸び率(EB、単位:%)、つかみ間の伸び率(単位:%)/−20℃、および加熱処理後の破断時の伸び率(単位:%)]が不適合であった。
また比較例11−1では、JIS規格(高強度形)のつかみ間の伸び率(単位:%)/−20℃が不適合であった。JIS規格(高伸長形)では、上記比較例11−2と同様に[破断時の伸び率(EB、単位:%)、つかみ間の伸び率(単位:%)/−20℃、加熱処理後の破断時の伸び率(単位:%)]が不適合であった。
一方、比較例11−3は従来の塗膜防水材であり、JIS規格(高伸長形)は満たすものの、高強度形の規格の23℃と60℃の引張強さ(TB、単位:N/mm)、および引裂強さ(TT、単位:N/mm)は、JIS規格(高強度形)に不適合であった。
参考までに、本発明に関するJIS A 6021:2011(建築用塗膜防水材、「高強度形」および「高伸長形」)に記載の、両規格の主な試験項目とその規格値を記載する。
なお本発明では、「高強度形」および「高伸長形」の両規格に規定された数値のうち、高い方の数値を物性範囲として設定している。
Figure 0006491463
本発明によれば、従来のウレタン塗膜防水材(高伸長形、旧1類)の性能に新たに高強度性能(高強度形)を付加した、手塗り塗工が適した新しいウレタン塗膜用組成物である。従来の防水材用途だけでなく、歩行性が良好で高強度性能や高負荷性能が要求されるスポーツ施設等の床材用途、またJIS A 6021記載の試験項目である酸処理、アルカリ処理、促進暴露処理等にも充分に対応可能なため建築物等の被覆材用途、更には金属等の腐食防止のための防錆材用途にも安定して顧客に提供できる。

Claims (7)

  1. トリレンジイソシアネートとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート基末端プレポリマーを主成分とする主剤と、芳香族ポリアミン架橋剤および可塑剤を含有する硬化剤からなる、手塗り塗工に適する常温硬化型ポリウレタン塗膜材用組成物において、
    a)前記トリレンジイソシアネートと反応させるポリオールの主成分であるポリオキシアルキレンポリオールは、一般式(I)
    Figure 0006491463

    (式中、R、R、は水素原子または直鎖もしくは分枝のアルキル基(炭素数1〜3)を表し、R、R、は相互に異なっており、nは正の整数を表し、pは0または正の整数を表す)で示されるポリオールから選択される一種または二種以上で、その数平均分子量は1000〜4000のポリオールであって、
    b)前記トリレンジイソシアネート中の2,4−トリレンジイソシアネート含有量を80質量%以上とし、
    c)前記硬化剤中の芳香族ポリアミン架橋剤の主成分はジエチルトルエンジアミンであり、
    d)前記硬化剤中の可塑剤の使用量は、イソシアネート基末端プレポリマー100質量部に対して30〜110質量部とし、
    e)前記主剤と前記硬化剤とを施工現場で混合する際に、主剤中のプレポリマーのイソシアネート基(NCO基)と硬化剤中の芳香族ポリアミンのアミノ基(NH基)との当量比(NCO基/NH基)が1.0〜2.8となることを特徴とする、手塗り塗工に適する常温硬化型ポリウレタン塗膜材用組成物。
  2. 前記ポリオキシアルキレンポリオールは上記一般式(I)で示される、nが正の整数でpが0である、テトラヒドロフランが開環重合反応により生成するポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG)、および/または、nおよびpが正の整数、R、Rのうちどちらか一方がメチル基、他は水素原子を有する、テトラヒドロフランとメチルテトラヒドロフランとのランダム共重合体(PTG−L)であることを特徴とする、請求項1に記載の常温硬化型ポリウレタン塗膜材用組成物。
  3. 前記常温硬化型ポリウレタン塗膜材用組成物を混合し、手塗り塗工し、常温で硬化せしめた前記ポリウレタン塗膜材はJIS K 6253に準じて評価し、その硬さ(硬度A)が35〜90であることを特徴とする、請求項1または2に記載の常温硬化型ポリウレタン塗膜材用組成物。
  4. 前記常温硬化型ポリウレタン塗膜材用組成物を混合し、手塗り塗工し、常温で硬化せしめた前記ポリウレタン塗膜材はJIS A 6021に準じて評価し、ウレタンゴム系高伸長形および高強度形の両規格値に適合することを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の常温硬化型ポリウレタン塗膜材用組成物。
  5. トリレンジイソシアネートとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート基末端プレポリマーを主成分とする主剤と、芳香族ポリアミン架橋剤および可塑剤を含有する硬化剤とを混合し、手塗り塗工して、常温で硬化せしめるポリウレタン塗膜材の施工方法において、
    a)前記トリレンジイソシアネートと反応させるポリオールの主成分であるポリオキシアルキレンポリオールは、一般式(II)
    Figure 0006491463

    (式中、R、R、は水素原子または直鎖もしくは分枝のアルキル基(炭素数1〜3)を表し、R、R、は相互に異なっており、nは正の整数を表し、pは0または正の整数を表す)で示されるポリオールから選択される一種または二種以上で、その数平均分子量は1000〜4000のポリオールであって、
    b)前記トリレンジイソシアネート中の2,4−トリレンジイソシアネート含有量を80質量%以上とし、
    c)前記硬化剤中の芳香族ポリアミン架橋剤の主成分はジエチルトルエンジアミンであり、
    d)前記硬化剤中の可塑剤の使用量は、イソシアネート基末端プレポリマー100質量部に対して30〜110質量部とし、
    e)前記主剤中のプレポリマーのイソシアネート基(NCO基)と前記硬化剤中の芳香族ポリアミンのアミノ基(NH基)との当量比(NCO基/NH基)が1.0〜2.8となるように施工現場で混合し、手塗り塗工して、硬化せしめることを特徴とする、手塗り塗工に適する常温硬化型ポリウレタン塗膜材の施工方法。
  6. 前記ポリオキシアルキレンポリオールは上記一般式(II)で示される、nが正の整数でpが0である、テトラヒドロフランが開環重合反応により生成するポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG)、および/または、nおよびpが正の整数、R、Rのうちどちらか一方がメチル基、他は水素原子を有する、テトラヒドロフランとメチルテトラヒドロフランとのランダム共重合体(PTG−L)であることを特徴とする、請求項5に記載の常温硬化型ポリウレタン塗膜材の施工方法。
  7. 前記ポリウレタン塗膜材はJIS A 6021に準じて評価し、ウレタンゴム系高伸長形および高強度形の両規格値に適合することを特徴とする、請求項5または6に記載の常温硬化型ポリウレタン塗膜材の施工方法。
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