JP3591529B2 - 貴金属薄膜パターンの形成方法 - Google Patents

貴金属薄膜パターンの形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3591529B2
JP3591529B2 JP2002223613A JP2002223613A JP3591529B2 JP 3591529 B2 JP3591529 B2 JP 3591529B2 JP 2002223613 A JP2002223613 A JP 2002223613A JP 2002223613 A JP2002223613 A JP 2002223613A JP 3591529 B2 JP3591529 B2 JP 3591529B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
noble metal
metal thin
substrate
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002223613A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003258327A (ja
Inventor
潔 夏目
寛 内藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP2002223613A priority Critical patent/JP3591529B2/ja
Publication of JP2003258327A publication Critical patent/JP2003258327A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3591529B2 publication Critical patent/JP3591529B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C2217/00Coatings on glass
    • C03C2217/40Coatings comprising at least one inhomogeneous layer
    • C03C2217/42Coatings comprising at least one inhomogeneous layer consisting of particles only

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、白金などの貴金属の薄膜パターンを形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
白金薄膜抵抗温度センサは、基板上に白金薄膜を堆積し、これを細線状にパターニングして、これを抵抗体としたもので、白金抵抗体の電気抵抗値の温度による変化を計測して、温度を測定するものである。
このため、白金薄膜の温度特性は重要な特性であり、この温度特性は、白金薄膜の結晶粒径などの膜質に左右され、結晶粒径は薄膜生成時の製膜条件に影響される。
【0003】
最近、白金抵抗体を酸化膜などで挟み込んだ薄いメンブレン構造の温度センサが熱容量が小さく、応答性が良いものとして注目されるようになった。このセンサは、シリコン基板上に絶縁膜を形成し、この上に白金抵抗体を形成し、この白金抵抗体を絶縁膜で覆った後、白金抵抗体下方のシリコン基板を除去して得られるもので、シリコン基板による熱伝導、熱容量が除外され、高感度、高応答の温度センサとなる。
このメンブレン構造の温度センサでは、メンブレン構造自体に高い機械的強度が要求されるため、白金薄膜パターンの加工、仕上げはこれに見合うようなレベルとされる。
【0004】
例えば、白金薄膜パターンに汚れや異物が付着していたり、加工時に下地の酸化膜を過剰に薄くしたり、荒らしたりしてしまうことは避けねばならない。また、白金薄膜パターンの側壁が膜表面に対して垂直である場合には、この上に堆積される酸化膜などが段切れ状態となり、白金薄膜パターンを完全に包み込むことができず、隙間が残り、メンブレンの機械的強度が低下するため、白金薄膜パターンの側壁を傾斜させた台形の断面形状をとる必要がある。
【0005】
このような白金薄膜パターンの形成方法として、次の2種の方法がある。
第1の方法は、図6(a)に示すように、基板1上の全面に絶縁膜7を形成し、その上に白金薄膜2をスパッタ法などで堆積し、ついでこの上にレジストを塗布し露光、現像して必要な部分にレジストパターン3を残すようにしてパターニングを行う。残ったレジストパターン3の側壁をテーパー状とするために150〜200℃に加熱して流動化させ、ポストベークを行う。
【0006】
ついで、図6(b)に示すように、ミリング装置を用いて白金薄膜2をミリングし、白金薄膜2とレジストパターン3とのミリング速度の違いを利用して、パターン化された白金薄膜2の側壁を傾斜させ、ついで図6(c)に示すように、レジストパターン3を灰化などにより除去したのち 図6(c)に示すように、パターニングした白金薄膜2を覆って、基板1上に絶縁膜8を形成し、さらに図6(d)に示すように白金薄膜2下方の基板1をエッチングで除去するものである。
【0007】
しかし、この第1の方法では、ミリングが高エネルギーのイオンの衝撃による物理的な加工手段であるので、ミリング後の硬化したレジストやミリング特有のスパッタされた側壁堆積物4が残り、これを除去することが困難である。
また、ミリングを実施するためには、基板1をクランプなどで固定する必要があるが、クランプに起因して製品への傷付け、製品収量の低下などの問題がある。ミリングは基板1の表層をも必然的に削り取ることになり、条件等によっては図6(c)に示すように絶縁膜7が過剰に削れて溝状の凹部5が生じ、これにより機械的強度などの品質が低下する。
【0008】
また、白金薄膜パターンの側壁の傾斜の度合いは、レジストパターンの側壁の傾斜の度合いに左右されるが、レジストパターンの幅が狭くなると傾斜の度合いを大きくすることができなくなる。また、レジストパターンの側壁の傾斜の度合いを大きくするために、レジストのポストベーク時の温度を高くすると、レジストの除去が困難になるなどの不都合がある。
【0009】
第2の方法は、図7(a)に示すように、絶縁膜7を形成した基板1上にレジスト膜3を塗布し、白金薄膜パターンを形成したい領域のレジスト3を除去する。この時、レジスト膜3の厚さを十分厚くして、次工程で堆積させる白金薄膜に段切れが生じるようにしたり、レジストの露光時に焦点をずらして意図的にレジストの側壁が厚み方向に下方に広がるようにする。
【0010】
ついで、図7(b)のように、白金薄膜2を全面に堆積する。この時、レジスト膜3上の白金薄膜2と絶縁膜7上の白金薄膜2とは段切れ状態となる。この後、レジスト膜3を灰化などの手段によりリフトオフし、これによりレジスト膜3の上に存在する不要な白金薄膜2を取り除き、図7(c)に示すように白金薄膜パターン2を形成する方法である。
【0011】
しかし、この第2の方法では、得られる白金薄膜パターンの側壁の傾斜度合いを制御性良く形成することができない。たとえ、レジスト膜3を2層構造にするなどして、この問題を回避しても、レジストなどの有機材料を使用する限りにおいては、白金薄膜2の堆積時にレジスト膜3から水分、未反応成分、分解成分などが発生し、これが白金薄膜に悪影響を与える。また、白金薄膜中に不純物があると、結晶成長が不十分になり、温度特性が悪くなって、良質の白金薄膜2が得られない。さらに、レジスト膜3を高温で加熱処理し、予めこれら成分を除去しておくことも考えられるが、レジスト膜3の除去が困難となるなどの欠点がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明における課題は、白金などの貴金属からなる貴金属薄膜パターンを形成する際に、得られる貴金属薄膜パターンの側壁の傾斜度合いを再現性よく制御でき、かつレジストから発生するガスの影響を受けることがなく良質の薄膜が得られ、貴金属薄膜パターンに異物が付着したり、貴金属薄膜パターンに傷が付いたり、その収量が低下したりすることがなく、さらには基板下地が過度に削れることがなく、機械的強度が低下することがない製造方法を得ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、請求項1の発明は、基板上に金属犠牲膜を
形成し、この上にマスク層を積層した後、このマスク層を所定のパターンとする開口部を形成し、この開口部に露出した金属犠牲層をこのマスク層開口部の縁より所定量サイドエッチされるよう部分的に除去し、ついで基板全面に貴金属薄膜を堆積したのち、金属犠牲膜を溶解、除去する貴金属薄膜パターンの形成方法である。
【0014】
また、請求項2の発明は、基板が、下基板とその上に形成された絶縁層からなり、貴金属薄膜下方の下基板をエッチングすることを特徴とする請求項1に記載の貴金属薄膜パターンの形成方法である。
請求項3の発明は、貴金属薄膜の堆積を、基板に対して傾斜した方向から貴金属粒子が入射するように行う請求項1または2に記載の貴金属薄膜パターンの形成方法である。
請求項4の発明は、隣接する貴金属薄膜パターン間にパターン形成されたマスク層の幅が、3〜40μmである請求項1ないし3のいずれかに記載の貴金属薄膜パターンの形成方法である。
【0015】
請求項5の発明は、貴金属薄膜パターンの厚みを1とすると、金属犠牲膜の厚みを0.7〜1.7とする請求項1ないし4のいずれかに記載の貴金属薄膜パターンの形成方法である。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の方法で形成され、その側壁が傾斜している貴金属薄膜パターンである。
本発明において、貴金属薄膜パターンとは、貴金属薄膜からなり、所定の形状(パターン)を有するもので、目的とする回路、抵抗体等を構成するものを言う。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の形成方法の一例を工程順に示したものである。
図1中符号11は、基板を示す。この基板11は、ガラス、石英、セラミック、シリコンなどからなり、その表面に酸化膜、窒化膜などの絶縁膜が形成されていても良い。以下、酸化シリコン等からなる絶縁膜7を形成したシリコン基板11の場合について説明する。
【0017】
この基板11上に、まず金属犠牲膜12をスパッタ、蒸着などの手段により堆積する。この犠牲膜12は、チタン、アルミニウム、クロム、銅などの貴金属以外の金属からなる層である。ここで犠牲層12をなす金属は、酸、アルカリによるエッチングまたはプラズマエッチングによりサイドエッチング量を制御でき、かつ酸、アルカリによって効率よく溶解除去できるもので、製品そのものや製造ラインを汚染しないものが選択される。
【0018】
この犠牲膜12の厚みは、得ようとする貴金属薄膜パターンの厚みの0.7〜1.7倍とされ、例えば貴金属薄膜パターンの厚みが300nmの時は200〜500nmとされる。犠牲膜12の厚みが厚すぎると、貴金属薄膜の堆積時に薄膜をなす金属粒子が入り込む距離が長くなり、微細な線幅や間隔のパターニングができなくなる。
【0019】
逆に、その厚みが薄くすぎると、得られる貴金属薄膜パターンの側壁を適度に傾斜させることが難しくなり、犠牲膜12を除去する際の薬剤の浸入が不十分になり易い。また、マスク層上の貴金属薄膜と、空洞部内に堆積した貴金属薄膜とが繋がってしまい、リフトオフが困難となる。
【0020】
また、貴金属薄膜パターンの側壁の傾斜角度をなだらかにする場合には、犠牲膜12の厚みを、貴金属薄膜パターンの厚みよりも厚くし、1〜1.7倍とすることが好ましい。さらに、貴金属薄膜パターンの側壁の傾斜角度を急峻にするには、犠牲膜12の厚みを、貴金属薄膜パターンの厚みよりも薄くし、0.7〜1倍とすることが好ましい。
【0021】
次いで、この犠牲膜12上全面にマスク層13を堆積する。このマスク層13は、犠牲膜12のエッチングに対して耐性があり、ハードマスクとしての機能を果たせる材料で形成される。このマスク層13は、例えばCVD法などによって得られる厚み300〜500nmの酸化珪素などの酸化膜、窒化珪素などの窒化膜、常圧CVD法によるフォスフォシリケートガラス(PSG)膜、ボロフォスフォシリケートガラス(BPSG)膜、塗布によるスピンオングラス(SOG)膜、スパッタ法による絶縁膜、金属膜などである。
【0022】
このマスク層13としては、この上に貴金属薄膜を堆積しても空洞部に張り出した部分が変形しないこと、開口加工が容易で、犠牲膜12のサイドエッチングの際に寸法変換差(設計寸法と実際に加工してできあがった寸法の差をいう)が大きくならないように、フッ酸などによるエッチング速度あるいはプラズマによるエッチング速度が十分に低いものがよい。この寸法変換差が大きいとは、例えば図1(d)において、金属犠牲膜12をエッチングする際、マスク層13もエッチングされて開口幅が広がってしまい、マスク層13の開口幅も広がってしまい、できあがった貴金属薄膜パターン18(図1(g))の線幅が設計寸法よりも太くなってしまうことをいう。
【0023】
マスク層13の厚みが厚くなるとその強度は増すが、斜め方向から空洞部内部への貴金属粒子の堆積が困難になり、線幅の広い貴金属薄膜パターンと線幅の狭い貴金属薄膜パターンとの側壁の傾斜および厚さが相違することになる。
【0024】
ついで、図1(b)に示すように、マスク層13の上に、貴金属薄膜パターンを形成したい領域に開口を有するレジストパターン14を形成する。このレジストパターン14の形成は、通常のホトリソグラフィで行われる。
この際、隣接する貴金属薄膜パターンを得る場合は、それらの平面的な位置の間に形成するマスク層13の幅(図1(e)中Wで示す)の設定を適切に選ぶことが必要であり、図1(b)で形成するレジストパターン14のレジストが存在する領域の平面的な寸法を適切に選ぶ。
【0025】
寸法Wは、3〜40μm程度が望ましい。後工程での犠牲膜12の全体の除去の際に薬剤が十分に空洞部内に到達する必要があり、工業的には、Wは40μm程度以下とする必要がある。また、次工程で犠牲膜12をサイドエッチングする際に、この上のマスク層13が流失、除去されないように、Wは3μm程度以上が必要となる。
【0026】
ついで、図1(c)に示すように、レジストパターン14をマスクとしてマスク層13をドライエッチングして、開口部15を形成する。ドライエッチングには、CHF3+CF4などのガスを用いた反応性イオンエッチングなどが用いられる。
【0027】
このドライエッチングの際、エッチング条件を選べば、開口部15に露出するマスク層13の側壁を傾斜させることもでき、これによって貴金属薄膜パターンの側壁の傾斜形状、特に線幅の狭いパターンの厚さを微調整することができる。
【0028】
ついで、図1(d)に示すように、開口部15に露出した犠牲膜12をエッチングおよびサイドエッチングして、開口部15よりも広い空洞部16を基板11の上に形成する。
このエッチングは、希フッ化水素酸、硫酸+過酸化水素などの薬剤によるエッチング、CF4などのガスによるプラズマエッチングによって行われる。
【0029】
ここでの犠牲膜12のサイドエッチング量は1〜5μmとされる。5%HFをエッチャントとし犠牲膜12がチタンの場合は、常温で1μm/分の速度でサイドエッチングが進行する。HFの濃度をさらに希釈したものを用いれば、サイドエッチング量をより制御しやすくなる。
【0030】
硫酸+過酸化水素からなるエッチャントは、マスク層13、基板11素地を全く侵さずに、チタンの犠牲膜12のみをサイドエッチングするので、理想的なエッチャントであるが、その濃度、温度を厳密に制御しないと、サイドエッチングが進行しすぎて、マスク層13が流れてしまう危険がある。
【0031】
次に、図1(e)に示すように、レジストパターン14をプラズマアッシングなどにより除去する。このレジストパターン14の除去は、前工程の犠牲膜12のエッチングの前に行っても良いが、この場合には犠牲膜12が酸化し、犠牲膜12のサイドエッチングの制御が難しくなることがある。
【0032】
ついで、貴金属薄膜の堆積前の前洗浄を行う。これは、基板11上に形成された膜構造を損なわないように行う必要がある。
例えば、有機剥離剤による処理に続いてイソプロパノールによる洗浄を行い、ついで純水ですすいだのち乾燥する方法が採用される。また、レジストパターン14の除去を犠牲膜12のエッチングの前に行う場合は、犠牲膜12の希フッ化水素酸によるエッチングがこの前洗浄を兼ねることになり、有利となる。
【0033】
この後、図1(f)に示すように貴金属薄膜を全面に堆積し、マスク層13上に貴金属薄膜17を、空洞部16内に貴金属薄膜パターン18を形成する。
この貴金属薄膜の堆積は、スパッタ法、蒸着法などの指向性堆積によって行われる。この際、貴金属薄膜粒子に基板11への入射角度を基板11に対して垂直としても良いが、図2(a)、(b)に示すように入射角度を基板に対する垂直方向よりも僅かに傾斜させることが、得られる貴金属薄膜パターンの壁面を順テーパ状に傾斜させる(高さとともにパターンの幅が減少する形状にする)ことができて好ましい。
【0034】
貴金属粒子の入射角度を基板11に対して傾斜させるには、スパッタ装置や蒸着装置のターゲット、蒸着源と基板11との配置関係などを調整することによって簡単に行うことが出来る。
【0035】
図3は、マグネトロンスパッタリングにおけるターゲットと基板の関係を示すものであり、基板11となるウエハWfはターゲットTに平行に配置される。ターゲットTは通常ウエハWfより大きくマグネットのあるエロージョン領域Eを備える。ターゲットTからウエハWfまでの距離を短くすると、ウエハWfに対してより傾いて入射する粒子が増加する。すなわち、ウエハWfとターゲットTとの距離を変えると入射角度分布も変わる。
【0036】
DCマグネトロンスパッタ装置を用いた場合には、基板への均一な堆積がなされるようにターゲットのエロージョン領域が基板と同程度に広げられているので、貴金属粒子の基板への入射方向は、基板に対して垂直な方向よりもかなり傾斜した方向で行われ、空洞部16への平均入射角度が大きくなり、図2(b)に示すように、得られる貴金属薄膜パターン18の側壁の傾斜がなだらかになる。
一方、図2(a)に示すように、入射角度を基板に対する垂直方向からあまり傾斜しない方向とすれば、得られる貴金属薄膜パターン18の側壁の傾斜は急峻となる。
【0037】
蒸着装置を用いる場合には、スパッタ装置の場合に比べて入射角度をあまり傾斜させることが出来ないが、蒸着源と基板とのなす角度を自由に変えることができるので、結果的に貴金属薄膜パターン18の側壁の傾斜角度を自由に調整することができる。例えば、入射角を傾けて2方向以上の方向から蒸着する。
また、この堆積に先立って、基板11を加熱して吸着水等を除去しておくことが好ましく、堆積と同時に加熱して、貴金属薄膜パターン18の膜質を調整することもできる。
【0038】
また、ここでの貴金属薄膜としては、白金、金などの貴金属の単層膜のみならず、Au/Ni/Ti、Pt/Ti、Pt/TiOなどの最上層に貴金属層を有する積層膜であってもよい。
これにより、基板11上の空洞部16内に目的とする貴金属薄膜パターン18が形成される。
【0039】
ついで、基板11全体を犠牲膜12用のエッチャントに浸漬し、基板11上の犠牲膜12を溶解し、マスク層13およびその上に堆積した貴金属薄膜17を除去すれば、図1(g)に示すように基板11上の目的とする位置に目的とするパターン形状の貴金属薄膜パターン18が得られることになる。
【0040】
このエッチャントには、貴金属を侵さないが一般の金属を溶解する薬剤が用いられ、例えば、硝酸、塩酸、フッ酸、硫酸などの酸、アンモニア、水酸化カリウムなどのアルカリ、硫酸+過酸化水素などが用いられる。ただし、フッ酸やアルカリを用いた場合には、基板11の下地が酸化膜では、これが多少侵されるので、避けることが望ましい。しかし、下地が窒化膜などではフッ酸、アルカリには侵されないので使用可能である。
【0041】
犠牲膜12がチタンからなるときには、硫酸+過酸化水素(3:1)溶液を130℃で使用すると、チタンのみが溶解でき、基板11の下地表面としてよく使用されるシリコン酸化膜を全く浸食しないので好ましい。この条件では、5分で約5μmのサイドエッチングが行え、温度を150℃にすれば10分で約15μmのサイドエッチングが進行する。
【0042】
貴金属薄膜パターン18の形状は、犠牲膜12で持ち上げられたマスク層13の開口パターンで決まる。貴金属薄膜の不要部分は犠牲膜12のエッチングによりリフトオフされ、この除去によって下地表面を損なうことが防止される。
【0043】
ついで、図1(h)に示すように、貴金属薄膜パターン18を覆って絶縁膜19を堆積する。この絶縁膜19としては、例えば、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜あるいはこれら膜の積層膜を用いてもよい。ただし、積層膜の場合は、絶縁膜の構成は貴金属薄膜パターン18の上下で対称となるようにする。また、貴金属薄膜パターン18に接する絶縁膜7は、酸化シリコン膜が望ましい。
【0044】
図4は、基板11がシリコン基板1の上に酸化シリコン膜7を形成したものである場合、貴金属薄膜パターン18下方のシリコン基板1をエッチングで除去した状態の一例を示す。貴金属薄膜パターン18は上下の絶縁膜7、19に挟まれた保持されている。
【0045】
図5は、このような方法で形成された温度センサの一例の平面構造を示すものである。基板11はシリコン基板1上に酸化シリコン膜7を形成したものであるが、点線で示した窓領域Vはシリコン基板1が除去されている。白金抵抗体18は、窓領域Vの中央部で酸化シリコン膜7上に形成され、数μm程度の幅を有する。リードLは、例えば幅50〜100μm程度の白金抵抗体18と同一層で形成された白金薄膜であり、白金抵抗体18の両端に電気的に接続されている。
【0046】
そして、白金抵抗体18、リードLを覆って酸化シリコン膜19が形成され、リード端部上に開口が形成される。酸化シリコン膜19上に開口を介してリードLと接続されたパッドPが形成されている。
【0047】
このような貴金属薄膜パターンの形成方法では、貴金属薄膜パターン18の側壁の傾斜角度を自由に、再現性よく制御することができる。また、貴金属薄膜を堆積するときにはレジストなどの有機質成分が基板11上に存在しておらず、堆積した貴金属薄膜が有機質成分に起因するガス等によって汚染されることがなく、堆積が高真空中ないし不活性ガスの減圧雰囲気中で行われるので良好な膜質の貴金属薄膜パターン18が得られる。
【0048】
また、得られる貴金属薄膜パターン18には異物が付着したり、傷が付いたりすることがない。さらに、基板11が工程中において損傷を受けることがなく、その機械的強度が低下したり、収量が減少したりすることもない。また、すべての工程が、半導体製造ラインの標準的な設備で実施できるので、特別の設備等を必要としない。
【0049】
以下、具体例を示す。
シリコン製基板の表面の酸化シリコン膜上に、スパッタ法により厚み300nmのチタンの犠牲膜を堆積した。この犠牲膜の上にプラズマCVD法で窒化珪素からなる厚み300nmのマスク層を堆積し、さらにこの上にポジ型ホトレジスト膜の塗布、露光、現像により、開口幅1500nmの線状のレジストパターンを形成した。
【0050】
ついで、このレジストパターンをマスクとして、窒化珪素からなるマスク層をCF4+CHF3ガスを使用したプラズマエッチングによりエッチングして、開
口幅1500nmの線状の開口部を形成した。この後、開口部に露出したチタンの犠牲膜を硫酸+過酸化水素水溶液でエッチングおよびサイドエッチングして、幅3500nmの線状の空洞部を基板の酸化シリコン膜上に形成した。
【0051】
つぎに、レジストパターンをプラズマアッシング(灰化)して、除去した。この後、基板を洗浄、乾燥したのち、基板全体に白金薄膜を堆積した。この堆積は、直流マグネトロンスパッタ装置を使用して行われ、白金粒子の基板に対する入射角度を基板の垂直方向に対して45度が中心となるように基板とターゲットとの間隔等を設定した。堆積厚みは約300nmとした。
【0052】
ついで、基板全体を硫酸+過酸化水素水溶液のエッチング液に浸漬し、130℃で10分間処理し、チタンからなる犠牲膜を溶解し、これによって犠牲膜上のマスク層と白金薄膜をリフトオフして、基板上に上部の線幅1200nm、下部の線幅1600nm、厚み300nm、側壁の傾斜角度約45度の線状の白金薄膜パターンが得られた。
【0053】
このようにして得られた白金薄膜パターンは、その側壁、表面には異物の付着がなく、基板の下地の酸化膜の浸食もなかった。また、膜質も良好であり、これを白金抵抗体として、白金抵抗温度センサとしたところ、良好な温度特性が得られた。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の貴金属薄膜パターンの形成法によれば、貴金属薄膜パターンの側壁の傾斜角度を自由に、再現性よく制御することができる。また、貴金属薄膜を堆積するときにはレジストなどの有機質成分が基板上に存在しておらず、堆積した貴金属薄膜が有機質成分に起因するガス等によって汚染されることがなく、堆積が高真空中で行われるので良好な膜質の貴金属薄膜パターンが得られる。
【0055】
また、得られる貴金属薄膜パターンには異物が付着したり、傷が付いたりすることがない。さらに、基板が工程中において損傷を受けることがなく、その機械的強度が低下したり、収量が減少したりすることもない。また、すべての工程が、半導体製造ラインの標準的な設備で実施できるので、特別の設備等を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の貴金属薄膜パターンの形成方法の一例を工程順に示す概略構成図である。
【図2】貴金属薄膜粒子の基板への入射角度と得られる貴金属薄膜パターンの側壁の傾斜角度との関係を示す概略構成図である。
【図3】マグネトロンスパッタリングにおけるターゲットと基板との配置関係を示す概略構成図である。
【図4】本発明の形成方法で得られたセンサの概略断面図である。
【図5】本発明の形成方法で得られたセンサの概略平面図である。
【図6】従来の貴金属薄膜パターンの形成方法の一例を工程順に示す概略構成図である。
【図7】従来の貴金属薄膜パターンの形成方法の一例を工程順に示す概略構成図である。
【符号の説明】
7…絶縁膜、11…基板、12…犠牲膜、13…マスク層、14…レジストパターン、15…開口部、16…空洞部、18…貴金属薄膜パターン

Claims (6)

  1. 基板上に金属犠牲膜を形成し、この上にマスク層を積層した後、このマスク層に所定のパターンの開口部を形成し、この開口部に露出した金属犠牲層をこのマスク層の開口部の縁より所定量サイドエッチされるよう部分的に除去し、ついで基板全面に貴金属薄膜を堆積したのち、金属犠牲膜を溶解、除去することを特徴とする貴金属薄膜パターンの形成方法。
  2. 基板が、下基板とその上に形成された絶縁層からなり、貴金属薄膜下方の下基板をエッチングすることを特徴とする請求項1に記載の貴金属薄膜パターンの形成方法。
  3. 貴金属薄膜の堆積を、基板に対して傾斜した方向から貴金属粒子が入射するように行うことを特徴とする請求項1または2に記載の貴金属薄膜パターンの形成方法。
  4. 隣接する貴金属薄膜パターン間にパターン形成されたマスク層の幅が、3〜40μmであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の貴金属薄膜パターンの形成方法。
  5. 貴金属薄膜パターンの厚みを1とすると、金属犠牲膜の厚みを0.7〜1.7とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の貴金属薄膜パターンの形成方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の方法で形成され、その側壁が傾斜していることを特徴とする貴金属薄膜パターン。
JP2002223613A 2001-08-03 2002-07-31 貴金属薄膜パターンの形成方法 Expired - Fee Related JP3591529B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002223613A JP3591529B2 (ja) 2001-08-03 2002-07-31 貴金属薄膜パターンの形成方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001236062 2001-08-03
JP2001-236062 2001-08-03
JP2001-398728 2001-12-28
JP2001398728 2001-12-28
JP2002223613A JP3591529B2 (ja) 2001-08-03 2002-07-31 貴金属薄膜パターンの形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003258327A JP2003258327A (ja) 2003-09-12
JP3591529B2 true JP3591529B2 (ja) 2004-11-24

Family

ID=28678680

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002223613A Expired - Fee Related JP3591529B2 (ja) 2001-08-03 2002-07-31 貴金属薄膜パターンの形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3591529B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100909139B1 (ko) * 2007-10-22 2009-07-23 주식회사 동부하이텍 반도체 소자의 금속패턴 형성방법
JP2011096699A (ja) * 2009-10-27 2011-05-12 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置およびその製造方法
US10504733B2 (en) * 2017-01-19 2019-12-10 Texas Instruments Incorporated Etching platinum-containing thin film using protective cap layer
US10297497B2 (en) * 2017-01-19 2019-05-21 Texas Instruments Incorporated Sacrificial layer for platinum patterning

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003258327A (ja) 2003-09-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100490575B1 (ko) 귀금속 박막 패턴 형성방법
JP3418307B2 (ja) 非プレーナ面を有するウエハのパターン形成による半導体デバイス製造方法
CN114038989B (zh) 用于超导量子电路的约瑟夫森结的制备方法
JP2606900B2 (ja) パターン形成方法
CN109243971A (zh) 一种半导体器件介质膜低角度蚀刻方法
JP3591529B2 (ja) 貴金属薄膜パターンの形成方法
JP7219521B2 (ja) プラチナパターニングのための犠牲層
JP2699559B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP3246707B2 (ja) 強誘電体膜のエッチング方法
JP3941629B2 (ja) 金属配線のエッチング方法
JP3809754B2 (ja) 転写マスクの製造方法
JPH07202124A (ja) 半導体装置の製造方法
JP3519641B2 (ja) 金配線を有する半導体装置およびその製造方法
JP2503256B2 (ja) パタ―ン形成方法
JPH0117253B2 (ja)
JPS5816545A (ja) 半導体装置の製造方法
JP2001291706A (ja) 高融点金属の加工方法及びこの金属を用いた半導体装置の製造方法
JP2882284B2 (ja) 導電層形成法
JP3211287B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2004241458A (ja) 半導体装置の製造方法及び半導体装置
JPS628030B2 (ja)
JPS6286714A (ja) 半導体装置の電極の形成方法
JPH1174252A (ja) 半導体装置および製造方法
JPH01297821A (ja) アモルファス半導体薄膜上の金属電極のパターニング法
JPH01298740A (ja) 半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040803

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040816

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070903

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080903

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090903

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100903

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100903

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110903

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120903

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees