JP3590623B2 - 車両用交流回転電機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、スロットが毎極毎相当たり2個の割合で不等ピッチに形成された固定子鉄心と、各相の巻線が隣り合うスロット群に巻装された第1および第2固定子巻線を千鳥接続されてなる3相固定子巻線とを備えた固定子を搭載した車両用交流回転電機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両用交流回転電機においては、車両エンジンルームが益々狭小化する中で、搭載スペースに余裕がなくなってきている反面、車両負荷の増大による発電出力の向上が求められている。
【0003】
特開2002−169490号公報には、複数の導体セグメントによって固定子巻線を形成し、固定子鉄心に形成するスロット数を通常の2倍とし、異なるスロットからの異なる層の導体セグメント同士を接続することにより、高占積率化と冷却性向上によって固定子巻線の低抵抗化を実現し、小型・高出力を達成する車両用交流回転電機が示されている。
【0004】
この従来の車両用交流回転電機では、スロットが毎極毎相当たり2個の割合で固定子鉄心に等角ピッチ(電気角で30°)に形成されている。つまり、スロットは、電気角の位相が異なる6つのスロット群を構成する。また、回転子の磁極数が16の場合、スロット数は96となる。
そして、4番、10番、16番・・・88番、94番のスロットが第1スロット群を形成し、5番、11番、17番・・・89番、95番のスロットが第2スロット群を形成する。また、6番、12番、18番・・・90番、96番のスロットが第3スロット群を形成し、1番、7番、13番・・・85番、91番のスロットが第4スロット群を形成する。また、2番、8番、14番・・・86番、92番のスロットが第5スロット群を形成し、3番、9番、15番・・・87番、93番のスロットが第6スロット群を形成する。
そして、第1スロット群と第2スロット群とがX相巻線を収容する。また、第3スロット群と第4スロット群とがY相巻線を収容する。また、第5スロット群と第6スロット群とがZ相巻線を収容する。
そして、固定子巻線110は、図23に示されるように、X相巻線110X、Y相巻線110YおよびZ相巻線110ZをY結線して構成されている。
【0005】
固定子鉄心には、U字状の導体セグメントが1磁極ピッチに相当する6スロット離れた2つのスロットに2本ずつ収容される。そして、6スロット離れた2つのスロットに収容された導体セグメントを直列に接続して、固定子鉄心を1周する単位巻線としての12本の波巻巻線が構成されている。つまり、各スロット群には、2本の波巻巻線が収容されている。
【0006】
ここで、第1スロット群には、2本の波巻巻線100a、101aが収容され、第2スロット群には、2本の波巻巻線100b、101bが収容されている。そして、第1スロット群に収容された波巻巻線100aと第2スロット群に収容された波巻巻線100bとが直列に接続されて部分巻線100を構成し、第1スロット群に収容された波巻巻線101aと第2スロット群に収容された波巻巻線101bとが直列に接続されて部分巻線101を構成している。さらに、部分巻線100、101が並列に接続されてX相巻線110Xを構成している。
なお、Y相巻線110Y、Z相巻線110Zも、X相巻線110Xと同様に構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この種の車両用交流回転電機は、低速から高速までの比較的広い回転域で駆動される。特に、エンジン回転が低いアイドリング状態から常用域における高調波の電磁騒音は、エンジンや補機の騒音とは周波数が異なり、人間の聴感的に不快な騒音として聞こえる。
【0008】
従来の車両用交流回転電機は、スロットが電気角で30°の等角ピッチで、毎極毎相当たり2個の割合で形成されており、固定子巻線の各相の巻線が電気角で30°の位相差をもつ波巻巻線を直列に接続して構成されているので、運転時に大きな6fの電磁加振力が発生してしまう。そこで、この6fの電磁加振力の高調波成分の電磁騒音が大きくなり、搭乗者に不快感を与えてしまう、という課題があった。
また、この従来の車両用交流回転電機は、ベルトを介してエンジンのシャフトに連結され、インバータにより制御されて、エンジンに始動トルクを発生させるような用途に適用できる。この場合、6fの電磁加振力による振動がベルトに伝達され、ベルト寿命を悪化させる、という課題もあった。特に、低回転において、インバータユニットで制御されて電力を供給するインバータモード時に、6fの電磁加振力の高調波成分が固定子の共振点と一致するため、ベルト寿命の悪化が促進される、という課題もあった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、スロットが毎極毎相当たり2個の割合で不等ピッチに形成された固定子鉄心に、巻線を1磁極ピッチに相当するスロット数毎のスロットに収容するように巻装し、固定子巻線の各相の巻線を隣り合うスロット群に収容された巻線同士を接続して構成するようにし、発生する6fの電磁加振力を低減して、低電磁騒音かつ低振動の車両用交流回転電機を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る車両用交流回転電機は、スロットが毎極毎相当たり2の割合で設けられた環状の固定子鉄心、および、上記固定子鉄心に装着された3相固定子巻線を有する固定子と、この固定子の内側に回転自在に設けられ、磁束を発生する回転子とを備えた車両用交流回転電機において、上記3相固定子巻線を構成するX相巻線、Y相巻線およびZ相巻線は、それぞれ隣り合うスロット群に巻装された第1および第2固定子巻線を直列に接続して構成され、上記スロットは、スロット開口部の中心線間の間隔が電気角でα°と(60−α)°とを交互に採る不等ピッチ(30°<α°<35°)に形成され、直列に接続される上記第1および第2固定子巻線は、上記スロット開口部の中心線間の間隔をα°とする隣り合う上記スロット群に巻装されているものである。
【0013】
また、直列に接続される上記第1固定子巻線と第2固定子巻線との位相差α°は、電気角で略32.5°である。
【0014】
また、プーリおよびベルトを介してエンジンに連結され、該エンジンを始動させる始動電動機および該エンジンにより駆動されて発電する発電機として動作するように構成されているものである。
【0015】
また、上記プーリおよびベルトを介して上記エンジンにより駆動される発電動作時に、低速回転速度域でインバータにより制御されて発電する発電モードを有するように構成されているものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流回転電機を示す縦断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流回転電機に適用される固定子を示す斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流回転電機に適用される固定子鉄心の要部を示す端面図、図4はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流回転電機における電気回路を示す回路図である。
【0017】
図1において、車両用交流回転電機は、アルミニウム製のフロントブラケット1およびリヤブラケット2から構成されたケース3と、このケース3内に設けられ、一端部にプーリ4が固定されたシャフト6と、このシャフト6に固定されたランデル型の回転子7と、この回転子7の軸方向両端部に固定されたファン5と、回転子7を包囲するようにケース3に固定された固定子8と、シャフト6の他端部に固定されて回転子7に電流を供給するスリップリング9と、スリップリング9の表面に摺動する一対のブラシ10と、このブラシ10を収容するブラシホルダ11と、固定子8に電気的に接続され、固定子8で生じた交流を直流に整流する整流器12と、ブラシホルダ11に嵌着されたヒートシンク17に取り付けられて、固定子8で生じた交流電圧の大きさを調整するレギュレータ18とを備えている。
【0018】
そして、回転子7は、電流を流して磁束を発生する界磁巻線13と、この界磁巻線13を覆うように設けられ、その磁束によって磁極が形成される一対のポールコア20、21とを備えている。一対のポールコア20、21は、鉄製で、それぞれ最外径面形状を略台形形状とする6個の爪状磁極22、23が外周縁部に周方向に等角ピッチで突設されてなり、これらの爪状磁極22、23を噛み合わせるように対向させてシャフト6に固着されている。つまり、この回転子7の磁極数は12である。
また、固定子8は、爪状磁極22、23の外周面と固定子鉄心15の内周面との間に均一なエアギャップを形成するようにフロントブラケット1とリヤブラケット2とに挟持されている。
【0019】
ついで、固定子8の具体的な構成について、図2乃至図5を参照しつつ説明する。
固定子8は、磁性鋼板の積層体からなる円筒状の固定子鉄心15と、固定子鉄心15に巻装された固定子巻線16とから構成されている。
固定子鉄心15には、内周側に開口するスロット15aが周方向に72個形成されている。即ち、スロット15aは毎極毎相当たり2個の割合で形成されている。そして、スロット15aは、図3に示されるように、ティース15cの周方向幅を変えて、スロット開口部15bの中心線の間隔が電気角でα°と(60−α)°とを交互に採る不等ピッチに形成されている。ここでは、α°=34°としている。なお、中心線は、固定子鉄心15の軸心と直交する平面で、スロット開口部15bの周方向中央と固定子鉄心15の軸心とを結ぶ直線である。
【0020】
つぎに、固定子巻線16の構造について説明する。
まず、図5の(a)に示されるように、絶縁被覆された円形断面の連続銅線からなる2本の導体線32を所定回巻回して環状の第1巻線ユニット33aを作製し、引き続いて所定回巻回して環状の第2巻線ユニット33bを作製する。ついで、図5の(b)に示されるように、第1および第2巻線ユニット33a、33bを、隣り合うスロット収容部34aをコイルエンド部34bにより内周側および外周側で交互に連結する星形に成形し、2本の導体線32からなる第1および第2星形巻線ユニット34A、34Bを作製する。ついで、第1および第2星形巻線ユニット34A、34Bを連結している導体線32の部位で折り返し、図5の(c)に示されるように、スロット収容部34aが重なり、かつ、コイルエンド部34bが径方向に相対するように第1および第2星形巻線ユニット34A、34Bを重ね合わせ、星形巻線ユニット35を作製する。
【0021】
このように作製された星形巻線ユニット35が、各スロット収容部34aを1番、7番・・・67番のスロット15aに収容するように、かつ、その巻線端を1番と7番のスロット15aから延出するように、固定子鉄心15に装着されてa相巻線30aとなる。また、星形巻線ユニット35が、各スロット収容部34aを2番、8番・・・68番のスロット15aに収容するように、かつ、その巻線端を2番と8番のスロット15aから延出するように、固定子鉄心15に装着されてd相巻線30dとなる。また、星形巻線ユニット35が、各スロット収容部34aを3番、9番・・・69番のスロット15aに収容するように、かつ、その巻線端を21番と27番のスロット15aから延出するように、固定子鉄心15に装着されてc相巻線30cとなる。また、星形巻線ユニット35が、各スロット収容部34aを4番、10番・・・70番のスロット15aに収容するように、かつ、その巻線端を22番と28番のスロット15aから延出するように、固定子鉄心15に装着されてf相巻線30fとなる。また、星形巻線ユニット35が、各スロット収容部34aを5番、11番・・・71番のスロット15aに収容するように、かつ、その巻線端を11番と17番のスロット15aから延出するように、固定子鉄心15に装着されてb相巻線30bとなる。さらに、星形巻線ユニット35が、各スロット収容部34aを6番、12番・・・72番のスロット15aに収容するように、かつ、その巻線端を12番と18番のスロット15aから延出するように、固定子鉄心15に装着されてe相巻線30eとなる。
【0022】
そして、7番のスロット15aから延出するa相巻線30aの巻線端と、2番のスロット15aから延出するd相巻線30dの巻線端とが、コイルエンド部34bの上部(固定子鉄心15の軸方向外側)を引き回されて1つにまとめられ、締め金31で一体化され、ハンダにより接合される。これにより、a相巻線30aとd相巻線30dとが直列に接続されたX相巻線16Xが形成される。つまり、第1および第2固定子巻線としてのa相巻線30aとd相巻線30dとが、電気角で34°の千鳥接続されている。
【0023】
また、17番のスロット15aから延出するb相巻線30bの巻線端と、12番のスロット15aから延出するe相巻線30eの巻線端とが、同様に、コイルエンド部34bの上部を引き回されて1つにまとめられ、締め金31で一体化され、ハンダにより接合される。これにより、b相巻線30bとe相巻線30eとが直列に接続されたY相巻線16Yが形成される。つまり、第1および第2固定子巻線としてのb相巻線30bとe相巻線30eとが、電気角で34°の千鳥接続されている。
【0024】
また、27番のスロット15aから延出するc相巻線30cの巻線端と、22番のスロット15aから延出するf相巻線30fの巻線端とが、同様に、コイルエンド部34bの上部を引き回されて1つにまとめられ、締め金31で一体化され、ハンダにより接合される。これにより、c相巻線30cとf相巻線30fとが直列に接続されたZ相巻線16Zが形成される。つまり、第1および第2固定子巻線としてのc相巻線30cとf相巻線30fとが、電気角で34°の千鳥接続されている。
【0025】
さらに、8番のスロット15aから延出するd相巻線30dの巻線端と、18番のスロット15aから延出するe相巻線30eの巻線端と、28番のスロット15aから延出するf相巻線30fの巻線端とが、同様に、コイルエンド部34bの上部を引き回されて1つにまとめられ、締め金31で一体化され、ハンダにより接合されて中性点Nを構成している。これにより、X相巻線16X、Y相巻線16YおよびZ相巻線16ZをY結線してなる固定子巻線16(三相交流巻線)が形成される。
【0026】
ここで、a相巻線30a、b相巻線30bおよびc相巻線30cの残っている巻線端がそれぞれX相巻線16X、Y相巻線16YおよびZ相巻線16Zの口出し線OX、OY、OZを構成している。また、各巻線30a、30b、30c、30d、30e、30fのコイルエンド部34bが固定子巻線16のフロント側およびリヤ側のコイルエンド16f、16rを構成している。
【0027】
なお、a相巻線30aは2本の導体線32を一括して巻装しているので、同ターン数の巻線を並列に接続して構成されている。また、a相巻線30aは、1つのスロット15aから延出した導体線32の束が周方向の両側に半分づつ振り分けられて巻装されている。他の巻線30b、30c、30d、30e、30fも同様に構成されている。
そして、a相、b相およびc相巻線30a、30b、30cはそれぞれ電気角で120°の位相差が与えられ、d相、e相およびf相巻線30d、30e、30fはそれぞれ電気角で120°の位相差が与えられている。
このように構成された固定子8は、口出し線OX、OY、OZが整流器12に接続されて図4に示される回路を構成している。
【0028】
ついで、この実施の形態1による作用効果について説明する。
従来の車両用交流回転電機で問題となっている電磁騒音および振動は、6f(f:基本波周波数)の電磁加振力に起因している。その発生原因は、空間0次、時間±6次の電磁加振力であることが知られている。ここで、時間高調波次数の負符号は、基本波回転磁界の回転方向と反対方向、すなわち基本波回転磁界方向を正相として逆相を意味する。
そこで、この電磁加振力を空隙磁束密度高調波に分離すると、主に以下の高調波の相互作用により発生していると考えられる。
(a)空間5次時間−1次高調波と空間5次時間5次高調波との相互作用
(b)空間7次時間1次高調波と空間7次時間7次高調波との相互作用
(c)空間3次時間3次高調波と空間3次時間−3次高調波との相互作用
(d)空間1次時間1次高調波と空間1次時間−5次高調波との相互作用
【0029】
ここで、空間5次時間−1次高調波あるいは空間7次時間1次高調波は、固定子の起磁力高調波および固定子のスロット高調波である。また、空間5次時間5次高調波および空間7次時間7次高調波は、回転子の起磁力高調波である。そして、回転子がクローポール形状であれば、軸方向に空間5次時間5次高調波は(360/5)°毎に、また空間7次時間7次高調波は(360/7)°毎に位相が反転するため、一般に、この回転子の起磁力高調波は大きくならない。従って、(a)および(b)により発生する電磁加振力は大きくならない。
一方、空間3次時間3次高調波は、(360/3)°毎に位相が反転するが、クローポールのピッチはこの120°の位相が反転するところまでないことが多い。従って、この空間3次時間3次高調波は他と比較して非常に大きくなる。また、空間1次時間1次高調波は基本波であり、やはり大きい。このことから、空間3次時間−3次高調波あるいは空間1次時間−5次高調波の大きさが6fの電磁加振力の大きさを左右することになる、と推考される。
【0030】
上記の内容を考慮した上で、空間3次時間−3次高調波について考えると、この高調波は、固定子の空間5次時間−1次高調波と回転子のスロット高調波(パーミアンス高調波)との相互作用が支配的であることがわかる。即ち、固定子の空間5次時間−1次高調波を低減することにより、6fの電磁加振力を小さくできることがわかる。
また、同様に、空間1次時間−5次高調波について考えると、この高調波も、固定子の空間5次時間−1次高調波と回転子のスロット高調波の2倍調波との相互作用が支配的であると考えられる。従って、この場合も、固定子の空間5次時間−1次高調波を低減することにより、6fの電磁加振力を小さくできることがわかる。
【0031】
ここで、固定子8の不等ピッチ角度(α)を変えた場合において、基本波に対する固定子空間5次時間−1次高調波および空間7次時間1次高調波の含有率を図6および図7に示す。図6および図7において、横軸は不等ピッチ角度(α°)である。また、図6はティース先端幅:スロット開口部幅=2:1の固定子鉄心を用いた場合、図7はティース先端幅:スロット開口部幅=3:1の固定子鉄心を用いた場合である。なお、一般に、固定子鉄心は、ティース先端幅とスロット開口部幅との関係が、2≦(ティース先端幅/スロット開口部幅)≦3の範囲となるように作製されている。
【0032】
図6から、基本波に対する固定子の空間5次時間−1次高調波の含有率は、α°≒32°で極小値をとり、基本波に対する固定子の空間7次時間1次高調波の含有率は、α°≒33°で極小値をとる。そして、固定子の空間5次時間−1次高調波の含有率は、30°<α°<34°で、等角ピッチ(α°=30°)の固定子の空間5次時間−1次高調波の含有率より低くなっている。また、固定子の空間7次時間1次高調波の含有率は、30°<α°<36.5°で、等角ピッチ(α°=30°)での固定子の空間7次時間1次高調波の含有率より低くなっている。
そして、α°=34°における固定子の空間5次時間−1次高調波の含有率はα°=30°における固定子の空間5次時間−1次高調波の含有率と同等であるが、α°=34°における固定子の空間7次時間1次高調波の含有率がα°=30°における固定子の空間7次時間1次高調波の含有率より大幅に低くなっているので、α°=34°における6fの電磁加振力は、α°=30°における6fの電磁加振力より低減できる。
【0033】
一方、図7から、基本波に対する固定子の空間5次時間−1次高調波の含有率は、α°≒32.5°で極小値をとり、基本波に対する固定子の空間7次時間1次高調波の含有率は、α°≒35.5°で極小値をとる。そして、固定子の空間5次時間−1次高調波の含有率は、30°<α°<35°で、等角ピッチ(α°=30°)の固定子の空間5次時間−1次高調波の含有率より低くなっている。また、固定子の空間7次時間1次高調波の含有率は、30°<α°≦40°で、等角ピッチ(α°=30°)の固定子の空間7次時間1次高調波の含有率より低くなっている。
そして、α°=35°における固定子の空間5次時間−1次高調波の含有率はα°=30°における固定子の空間5次時間−1次高調波の含有率と同等であるが、α°=35°における固定子の空間7次時間1次高調波の含有率がα°=30°における固定子の空間7次時間1次高調波の含有率より大幅に低くなっているので、α°=35°における6fの電磁加振力は、α°=30°における6fの電磁加振力より低減できる。
【0034】
このことから、2≦(ティース先端幅/スロット開口部幅)≦3の範囲となるように作製されている固定子鉄心において、α°を31°≦α°≦34°に設定することで、α°=30°における6fの電磁加振力より確実に低減できることがわかる。
【0035】
この実施の形態1によれば、α°を34°に設定しているので、6fの電磁加振力が従来技術に比べて低減され、低電磁騒音で、かつ、低振動の車両用交流回転電機が得られる。そこで、本車両用交流回転電機を搭載した車両においては、乗客に不快感を与えることもなく、ベルト寿命を長くすることができる。
また、X相巻線16X、Y相巻線16YおよびY相巻線16Yが、それぞれ電気角で34°の位相差を有する2つの巻線を直列に接続して構成されている。そこで、2つの巻線が電気角で34°を有する隣接するスロット15a間で直列に接続されるので、2つの巻線を直列に接続する結線スペースが広くなり、結線作業性が向上される。
【0036】
なお、上記実施の形態1では、図4に示されるように、3つのダイオードブリッジを備えた整流器12を用い、固定子巻線16の口出し線OX、OY、OZを各ダイオードブリッジの中点に結線するものとしているが、4つのダイオードブリッジを備えた整流器を用い、固定子巻線16の口出し線OX、OY、OZを各ダイオードブリッジの中点に結線し、さらに中性点Nを残る1つのダイオードブリッジの中点に結線するようにしても良い。この場合、車両用交流回転電機の高回転域において、固定子巻線11の中性点電圧から効率的に出力を取り出すことができ、高出力化が図られる。
【0037】
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子を示す斜視図、図9はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子巻線を構成する1相分の巻線の巻装状態を説明するリヤ側端面図、図10および図11はそれぞれこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子巻線における1相分の巻線の構造を説明する要部斜視図、図12はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子における固定子巻線の結線状態を説明するリヤ側端面図である。
なお、図9において、実線はリヤ側の配線を示し、点線はフロント側の配線を示し、黒丸は接合部を示している。
【0038】
図8において、固定子40は、磁性鋼板の積層体を円筒状に成形された固定子鉄心41と、固定子鉄心41に巻装された固定子巻線42とから構成されている。
固定子鉄心41には、スロット41aが内周側に開口するように周方向に、電気角で32.5°と27.5°とを交互に採る不等ピッチで96個形成されている。この固定子40は16極の磁極を有する回転子を装備する車両用交流回転電機に搭載されるもので、スロット41aが毎極毎相当たり2個の割合で形成されている。
固定子巻線42は、後述するように、互いに電気角で32.5°の位相差をもつ第1および第2固定子巻線としてのa相巻線とd相巻線とが接合部49a−dで直列に接続されたX相巻線42Xと、互いに電気角で32.5°の位相差をもつ第1および第2固定子巻線としてのb相巻線とe相巻線とが接合部49b−eで直列に接続されたY相巻線42Yと、互いに電気角で32.5°の位相差をもつ第1および第2固定子巻線としてのc相巻線とf相巻線とが接合部49c−fで直列に接続されたZ相巻線42ZとをY結線(交流結線)して形成された三相交流巻線に構成されている。
【0039】
ついで、固定子巻線42を構成する1相分の巻線構造について図9乃至図11を参照しつつ説明する。
大導体セグメント45は、絶縁被覆された短尺の矩形断面の銅線を略U字状に折り曲げ成形されたもので、一対のスロット収容部45aが略V字状のターン部45bにより連結されて構成されている。
また、小導体セグメント46は、絶縁被覆された短尺の矩形断面の銅線を略U字状に折り曲げ成形されたもので、一対のスロット収容部46aが略V字状のターン部46bにより連結されて構成されている。
なお、説明の便宜上、各スロット41aには、図9に示されるように、1番から96番のスロット番号を付し、各スロット41a内の導体セグメント45、46のスロット収容部45a、46aの収容位置を内周側から1番地、2番地、3番地および4番地とする。
【0040】
そして、小導体セグメント46が、固定子鉄心41のリヤ側から1磁極ピッチに相当する6スロット離れた各スロット対(スロット番号n番と(n+6)番とのスロット対)に挿入される。この時、各スロット対において、小導体セグメント46が、n番のスロット41a内の2番地と、(n+6)番のスロット41a内の3番地とに挿入される。ついで、大導体セグメント45が、固定子鉄心41のリヤ側から6スロット離れた各スロット対(スロット番号n番と(n+6)番とのスロット対)に挿入される。この時、各スロット対において、大導体セグメント45が、n番のスロット41a内の1番地と、(n+6)番のスロット41a内の4番地とに挿入される。
そして、各スロット対の2番地と4番地とからフロント側に延出する大導体セグメント45および導体セグメント46の開放端部側が図9中時計回り方向に曲げられ、各スロット対の1番地と3番地とからフロント側に延出する大導体セグメント45および小導体セグメント46の開放端部側が図9中反時計回り方向に曲げられる。ここで、4本のスロット収容部45a、46aが径方向に1列に並んで各スロット41a内に収容されている。
【0041】
ついで、n番のスロット41a内の2番地からフロント側に延出する小導体セグメント46の開放端部46cと(n+6)番のスロット41a内の1番地からフロント側に延出する大導体セグメント45の開放端部45cとを径方向に重ねてTIG溶接により接合する。同様に、n番のスロット41a内の4番地からフロント側に延出する大導体セグメント45の開放端部45cと(n+6)番のスロット41a内の3番地からフロント側に延出する小導体セグメント46の開放端部46cとを径方向に重ねてTIG溶接により接合する。これにより、図9に示されるように、6スロット毎のスロット41aに巻回された2ターンの重ね巻き巻線が2つ形成される。この2つの重ね巻き巻線が1相分の巻線に相当する。
【0042】
ここで、固定子鉄心41のリヤ側においては、図10に示されるように、ターン部45bがターン部46bを取り囲むように2層に構成されたコイルエンド部が6スロットピッチ(6P)で周方向に配列されている。一方、固定子鉄心41のフロント側においては、図10に示されるように、開放端部45c、46cの接合部43(コイルエンド部)が離間して径方向に1列に並んで、2列となって6スロットピッチで周方向に配列されている。
また、矩形断面の異形導体セグメント47、48が、図11に示されるように、1番および7番のスロット41aにのみ挿入されている。この異形導体セグメント47は、後述する相巻線の結線用および中性点結線用に用いられ、異形セグメント48は口出し線用として用いられる。
【0043】
なお、図9では、1相分の巻線のみが固定子鉄心41に巻装されているが、実際には、このように巻装された1相分の巻線が、挿入するスロット41aを1スロットづつずらして、6相分巻装されている。つまり、a相巻線が1番、7番・・・91番のスロット群に巻装され、d相巻線が2番、8番・・・92番のスロット群に巻装され、c相巻線が3番、9番・・・93番のスロット群に巻装され、f相巻線が4番、10番・・・94番のスロット群に巻装され、b相巻線が5番、11番・・・95番のスロット群に巻装され、e相巻線が6番、12番・・・96番のスロット群に巻装されている。
そして、a相巻線、b相巻線およびc相巻線が互いに電気角で120°の位相差を有し、d相巻線、e相巻線およびf相巻線が互いに電気角で120°の位相差を有している。また、d相巻線、e相巻線およびf相巻線が、a相巻線、b相巻線およびc相巻線に対してそれぞれ電気角で32.5°の位相差を有している。
【0044】
そして、1番のスロット41aの1番地および2番地からリヤ側に延出する異形セグメント47の端部と、7番のスロット41aの3番地および4番地からリヤ側に延出する異形セグメント48の端部とがa相巻線の巻線端を構成している。また、8番のスロット41aの1番地および2番地からリヤ側に延出する異形セグメント47の端部と、14番のスロット41aの3番地および4番地からリヤ側に延出する異形セグメント47の端部とがd相巻線の巻線端を構成している。また、11番のスロット41aの1番地および2番地からリヤ側に延出する異形セグメント47の端部と、17番のスロット41aの3番地および4番地からリヤ側に延出する異形セグメント48の端部とがb相巻線の巻線端を構成している。また、18番のスロット41aの1番地および2番地からリヤ側に延出する異形セグメント47の端部と、24番のスロット41aの3番地および4番地からリヤ側に延出する異形セグメント47の端部とがe相巻線の巻線端を構成している。また、21番のスロット41aの1番地および2番地からリヤ側に延出する異形セグメント47の端部と、27番のスロット41aの3番地および4番地からリヤ側に延出する異形セグメント48の端部とがc相巻線の巻線端を構成している。さらに、28番のスロット41aの1番地および2番地からリヤ側に延出する異形セグメント47の端部と、34番のスロット41aの3番地および4番地からリヤ側に延出する異形セグメント47の端部とがf相巻線の巻線端を構成している。
【0045】
ついで、図12に示されるように、1番のスロット41aの1番地および2番地からリヤ側に延出する異形導体セグメント47と、8番のスロット41aの1番地および2番地からリヤ側に延出する異形導体セグメント47とが、コイルエンド部(ターン部45b、46b)の上部を引き回されて、異形導体セグメント47の端部同士を突き合わされ、TIG溶接により接合され、接合部49a−dを構成している。これにより、a相巻線とd相巻線とを直列に接続したX相巻線42Xが形成される。つまり、a相巻線とd相巻線とは、電気角で32.5°の千鳥接続されている。また、異形導体セグメント47の端部は、矩形断面の長辺で構成される側面を互いに突き合わせて溶接されている。
【0046】
また、11番のスロット41aの1番地および2番地からリヤ側に延出する異形導体セグメント47と、18番のスロット41aの1番地および2番地からリヤ側に延出する異形導体セグメント47とが、コイルエンド部(ターン部45b、46b)の上部を引き回されて、異形導体セグメント47の端部同士を突き合わされ、TIG溶接により接合され、接合部49b−eを構成している。これにより、b相巻線とe相巻線とを直列に接続したY相巻線42Yが形成される。つまり、b相巻線とe相巻線とは、電気角で32.5°の千鳥接続されている。また、異形導体セグメント47の端部は、矩形断面の長辺で構成される側面を互いに突き合わせて溶接されている。
【0047】
また、21番のスロット41aの1番地および2番地からリヤ側に延出する異形導体セグメント47と、28番のスロット41aの1番地および2番地からリヤ側に延出する異形導体セグメント47とが、コイルエンド部(ターン部45b、46b)の上部を引き回されて、異形導体セグメント47の端部同士を突き合わされ、TIG溶接により接合され、接合部49c−fを構成している。これにより、c相巻線とf相巻線とを直列に接続したZ相巻線42Zが形成される。つまり、c相巻線とf相巻線とは、電気角で32.5°の千鳥接続されている。また、異形導体セグメント47の端部は、矩形断面の長辺で構成される側面を互いに突き合わせて溶接されている。
【0048】
さらに、14番のスロット41aの3番地および4番地からリヤ側に延出する異形導体セグメント47と、24番のスロット41aの3番地および4番地からリヤ側に延出する異形導体セグメント47と、34番のスロット41aの3番地および4番地からリヤ側に延出する異形導体セグメント47とが、コイルエンド部(ターン部45b、46b)の上部を引き回されて、異形導体セグメント47の端部同士を突き合わされ、TIG溶接により接合され、中性点Nを構成している。これにより、X相巻線42X、Y相巻線42YおよびZ相巻線42ZをY結線してなる三相交流巻線からなる固定子巻線42が得られる。また、異形導体セグメント47の端部は、矩形断面の長辺で構成される側面を互いに突き合わせて溶接されている。
【0049】
そして、7番のスロット41aの3番地および4番地からリヤ側に延出する異形セグメント48がX相巻線42Xの口出し線OXとなる。また、17番のスロット41aの3番地および4番地からリヤ側に延出する異形セグメント48がY相巻線42Yの口出し線OYとなる。さらに、27番のスロット41aの3番地および4番地からリヤ側に延出する異形セグメント48がZ相巻線42Zの口出し線OZとなる。
このように作製された固定子40は、車両用交流回転電機に搭載され、口出し線OX、OY、OZが整流器12に接続されて、図4と等価の電気回路を構成する。
【0050】
この実施の形態2においては、スロット41aが毎極毎相当たり2個の割合で形成され、隣り合うスロット群に巻装された巻線同士、即ち電気角で32.5°の位相差を有する巻線同士を直列に接続してX相巻線42X、X相巻線42YおよびX相巻線42Zを構成しているので、固定子の空間5次時間−1次高調波および空間7次時間1次高調波がさらに低減でき、低電磁騒音で、かつ、低振動の車両用交流回転電機が得られる。
また、2つの巻線が電気角で32.5°を有する隣接するスロット41a間で直列に接続されるので、従来技術に比べて、2つの巻線を直列に接続する結線スペースが広くなり、結線作業性が向上される。
【0051】
ここで、不等ピッチ角度(α°)を27.5°、30.0°、32.5°、35°とした固定子鉄心を用いた固定子の磁界解析検討結果を図13および図14に示す。
図13および図14から、α°=32.5°における6fの電磁加振力が、α°=30°における6fの電磁加振力の67%に低減できることがわかる。また、α°>35°の場合には、6fの電磁加振力の低減効果がないことがわかる。
【0052】
実施の形態3.
図15はこの発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機の固定子を示す斜視図、図16はこの発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機の固定子巻線を構成する1相分の巻線の巻装状態を説明するリヤ側端面図である。なお、図16において、実線はリヤ側の配線を示し、点線はフロント側の配線を示し、黒丸は接合部を示している。また、固定子鉄心41は、スロット41aが毎極毎相当たり2個の割合で、電気角で32.5°と27.5°とを交互に採る不等ピッチで形成されている。
【0053】
この実施の形態3による固定子巻線54を構成する1相分の巻線構造について図16を参照しつつ説明する。
a相巻線54aは、それぞれ絶縁被覆された矩形断面の連続銅線からなる1本の導体線55からなる第1乃至第6巻線61〜66から構成されている。そして、第1巻線61は、1本の導体線55をスロット番号1番から91番まで6スロット毎のスロット41aに、1番地と2番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。また、第2巻線62は、1本の導体線55をスロット番号1番から91番まで6スロット毎のスロット41aに、2番地と1番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。また、第3巻線63は、1本の導体線55をスロット番号1番から91番まで6スロット毎のスロット41aに、3番地と4番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。また、第4巻線64は、1本の導体線55をスロット番号1番から91番まで6スロット毎のスロット41aに、4番地と3番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。また、第5巻線65は、1本の導体線55をスロット番号1番から91番まで6スロット毎のスロット41aに、5番地と6番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。また、第6巻線66は、1本の導体線55をスロット番号1番から91番まで6スロット毎のスロット41aに、6番地と5番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。そして、各スロット41a内には、導体線55が矩形断面の長手方向を径方向に揃えて径方向に1列に6本並んで配列されている。
なお、第1乃至第6巻線61〜66はそれぞれ導体線55の両端をTIG溶接により接合して1ターンの波巻き巻線となっている。また、第2巻線62、第4巻線64および第6巻線66は、第1巻線61、第3巻線63および第5巻線65に対してそれぞれ電気角で180°ずらして反転巻装されている。
【0054】
そして、固定子鉄心41のリヤ側において、91番と1番とのスロット41aから延出する第1、第3および第5巻線61、63、65の導体線55の部位を切断し、1番と7番とのスロット41aから延出する第2、第4および第6巻線62、64、66の導体線55の部位を切断する。ついで、91番のスロット41aの4番地から延出する第3巻線63の切断端と、1番のスロット41aの1番地から延出する第1巻線61の切断端とをTIG溶接により接合する。また、91番のスロット41aの6番地から延出する第5巻線65の切断端と、1番のスロット41aの3番地から延出する第3巻線63の切断端とをTIG溶接により接合する。また、1番のスロット41aの4番地から延出する第4巻線64の切断端と、7番のスロット41aの1番地から延出する第2巻線62の切断端とをTIG溶接により接合する。また、1番のスロット41aの6番地から延出する第6巻線66の切断端と、7番のスロット41aの3番地から延出する第4巻線64の切断端とをTIG溶接により接合する。さらに、91番のスロット41aの2番地から延出する第1巻線61の切断端と、1番のスロット41aの2番地から延出する第2巻線62の切断端とをTIG溶接により接合する。これにより、第1乃至第6巻線61〜66が直列に接続された6ターンの波巻き巻線(a相巻線54a)が形成される。そして、1番のスロット41aの5番地から延出する第5巻線65の切断端と、7番のスロット41aの5番地から延出する第6巻線66の切断端とが、このa相巻線54aの両端部となる。
【0055】
同様にして、導体線55が巻装されるスロット41aを1スロットづつずらしてd相巻線、c相巻線、f相巻線、b相巻線およびe相巻線が形成される。
なお、a相巻線54aが1番、7番・・・91番のスロット群に巻装され、d相巻線が2番、8番・・・92番のスロット群に巻装され、c相巻線が3番、9番・・・93番のスロット群に巻装され、f相巻線が4番、10番・・・94番のスロット群に巻装され、b相巻線が5番、11番・・・95番のスロット群に巻装され、e相巻線が6番、12番・・・96番のスロット群に巻装されている。また、d相巻線、e相巻線およびf相巻線は、a相巻線54a、b相巻線およびc相巻線に対してそれぞれ電気角で32.5°の位相差を有している。
【0056】
ここで、2番のスロット41aの5番地から延出する第5巻線65の切断端と、8番のスロット41aの5番地から延出する第6巻線66の切断端とが、b相巻線の両端部となる。11番のスロット41aの5番地から延出する第5巻線65の切断端と、17番のスロット41aの5番地から延出する第6巻線66の切断端とが、b相巻線の両端部となる。12番のスロット41aの5番地から延出する第5巻線65の切断端と、18番のスロット41aの5番地から延出する第6巻線66の切断端とが、e相巻線の両端部となる。21番のスロット41aの5番地から延出する第5巻線65の切断端と、27番のスロット41aの5番地から延出する第6巻線66の切断端とが、c相巻線の両端部となる。22番のスロット41aの5番地から延出する第5巻線65の切断端と、28番のスロット41aの5番地から延出する第6巻線66の切断端とが、f相巻線の両端部となる。
【0057】
ついで、2番のスロット41aの5番地から延出する第5巻線65の切断端と、7番のスロット41aの5番地から延出する第6巻線66の切断端とが、コイルエンド部の上部を引き回され、端部同士を突き合わされ、TIG溶接により接合され、接合部57a−dを構成している。これにより、a相巻線とd相巻線とを直列に接続したX相巻線54Xが形成される。つまり、第1および第2固定子巻線としてのa相巻線とd相巻線とが、電気角で32.5°の千鳥接続されている。
【0058】
また、12番のスロット41aの5番地から延出する第5巻線65の切断端と、17番のスロット41aの5番地から延出する第6巻線66の切断端とが、コイルエンド部の上部を引き回され、端部同士を突き合わされ、TIG溶接により接合され、接合部57b−eを構成している。これにより、b相巻線とe相巻線とを直列に接続したY相巻線54Yが形成される。つまり、第1および第2固定子巻線としてのb相巻線とe相巻線とが、電気角で32.5°の千鳥接続されている。
【0059】
また、22番のスロット41aの5番地から延出する第5巻線65の切断端と、27番のスロット41aの5番地から延出する第6巻線66の切断端とが、コイルエンド部の上部を引き回され、端部同士を突き合わされ、TIG溶接により接合され、接合部57c−fを構成している。これにより、c相巻線とf相巻線とを直列に接続したZ相巻線54Zが形成される。つまり、第1および第2固定子巻線としてのc相巻線とf相巻線とが、電気角で32.5°の千鳥接続されている。
【0060】
そして、8番のスロット41aの5番地から延出する第6巻線66の切断端と、18番のスロット41aの5番地から延出する第6巻線66の切断端と、28番のスロット41aの5番地から延出する第6巻線66の切断端とが、コイルエンド部の上部を引き回され、端部同士を突き合わされ、TIG溶接により接合され、中性点Nを構成している。これにより、X相巻線54X、Y相巻線54YおよびZ相巻線54ZをY結線してなる三相交流巻線からなる固定子巻線54が得られる。
【0061】
そして、1番のスロット41aの5番地から延出する第5巻線65の切断端がX相巻線54Xの口出し線OXとなる。また、11番のスロット41aの5番地から延出する第5巻線65の切断端がY相巻線54Yの口出し線OYとなる。また、21番のスロット41aの5番地から延出する第5巻線65の切断端がZ相巻線54Zの口出し線OZとなる。
このように作製された固定子50は、車両用交流回転電機に搭載され、口出し線OX、OY、OZが整流器12に接続されて、図4と等価の電気回路を構成する。
【0062】
ここで、固定子巻線54は図17に示される巻線アッセンブリ56を用いて構成することができる。
この巻線アッセンブリ56は、1スロットピッチで平行に配列された12本の導体線55を、同時に同一平面上で雷状に折り畳んで作製される。
雷状に折り畳まれた各導体線55は、図18に示されるように、ターン部55bで連結された直線状のスロット収容部55aが6スロットピッチ(6P)で配列された平面上パターンに折り曲げ成形されている。そして、隣り合うスロット収容部55aが、ターン部55bにより、導体線55の幅(w)分ずらされている。
巻線アッセンブリ56は、このように折り曲げ成形された2本の導体線55を図19に示されるように6スロットピッチずらしてスロット収容部55aを重ねられて配列された導体線55の対が、1スロットピッチづつずらして6対配列されて構成されている。
このように構成された巻線アッセンブリ56が3層に重ねられて固定子鉄心41に装着される。各導体線55は6スロット数毎にスロット41a内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採るように巻装され、図16における第1乃至第6巻線61〜66を構成する。そして、図16に示される結線方法に基づいて結線され、第1乃至第6巻線61〜66を直列に接続してなる6ターンの巻き巻き巻線からなるa相巻線、b相巻線、c相巻線、d相巻線、e相巻線、f相巻線が構成される。
【0063】
この実施の形態3においても、スロット41aが毎極毎相当たり2個の割合で形成され、電気角で32.5°の位相差を有する巻線同士を直列に接続してX相巻線54X、X相巻線54YおよびX相巻線54Zを構成しているので、固定子の空間5次時間−1次高調波および空間7次時間1次高調波がさらに低減でき、低電磁騒音で、かつ、低振動の車両用交流回転電機が得られる。
また、2つの巻線が電気角で32.5°を有する隣接するスロット41a間で直列に接続されるので、従来技術に比べて、2つの巻線を直列に接続する結線スペースが広くなり、結線作業性が向上される。
【0064】
また、固定子巻線54が巻線アッセンブリ56で構成されているので、固定子鉄心41の両端側で、同一形状に形成されたターン部55b(コイルエンド部)が径方向および周方向に互いに離間して、径方向に1列に重なって、1スロットピッチで周方向に3列となって整然と配列されて、整列状態のフロント側およびリヤ側のコイルエンド54f、54rを構成している。従って、固定子50の剛性が高められ、電磁騒音および振動がさらに低減される。
【0065】
実施の形態4.
図20はこの発明の実施の形態4に係る車両用交流回転電機を示す縦断面図、図21はこの発明の実施の形態4に係る車両用交流回転電機における電気回路を示す回路図、図22はこの発明の実施の形態4に係る車両用交流回転電機の発電出力特性を示す図である。
【0066】
図20および図21において、車両用交流回転電機70は、ベルト駆動式回転電機であり、回転子7がシャフト6に固着されてフロントブラケット1とリヤブラケット2とに回転自在に支持され、固定子50が回転子7を囲繞するようにフロントブラケット1とリヤブラケット2とに挟持されて取り付けられている。一対のスリップリング9がシャフト6のリヤ側に装着され、ブラシホルダ11がシャフト6のリヤ側外周に位置するようにリラブラケット2の内壁面に取り付けられ、さらに一対のブラシ10がスリップリング9に摺接するようにブラシホルダ11内に配設されている。この車両用交流回転電機70は、プーリ4およびベルト(図示せず)を介してエンジン69に連結されている。
【0067】
インバータユニット71は、シャフト6のリヤ側端部外周に位置するようにリヤブラケット2の外壁面に取り付けられている。このインバータユニット71は、6個のスイッチング素子73と各スイッチング素子73に並列に接続されたダイオード74とからなるインバータモジュール72と、インバータモジュール72に並列に接続されたコンデンサ75と、スイッチング素子73をON/OFF制御するための電子部品が実装された制御装置としての制御回路基板76とを備えている。このコンデンサ75は、インバータモジュール72を流れる電流を平滑する役割を有する。
【0068】
インバータモジュール72は、並列に接続されたスイッチング素子73およびダイオード74の2組を直列に接続したものを、並列に3つ配置してヒートシンク77上に実装されて構成されている。また、制御回路基板76が絶縁性樹脂によりヒートシンク77に一体に成型された樹脂成型部78内に収納されている。そして、固定子巻線54の各口出し線OX、OY、OZが、直列に接続されたスイッチング素子73の中間点にそれぞれ接続されている。
【0069】
このインバータモジュール72は、スイッチング素子73のスイッチング動作が制御回路基板76により制御される。そして、車両用交流回転電機70は、電力が供給されて始動電動機として動作し、エンジン69を始動させる。また、車両用交流回転電機70は、エンジン69の始動後、エンジン69により駆動されて、交流発電機として動作し、三相交流電圧を発生する。
さらに、車両用交流回転電機70の駆動用電源である36V系の第1バッテリ80がインバータモジュール72に並列に接続されている。車両用交流回転電機70は、第1バッテリ80により高電圧(36V)で運転される。また、車両に搭載される電気負荷は一般的に12Vを定格としているため、12V系の第2バッテリ81が搭載されている。そこで、第2バッテリ81を充電できるように、DC/DCコンバータ82がインバータモジュール72に並列に接続されている。
【0070】
この実施の形態4では、制御回路基板76に実装された制御回路が、各スイッチング素子73をON/OFF制御し、第1バッテリ80の直流電力から三相交流電力を発生させる。この三相交流電力が固定子巻線54に供給され、回転子7の界磁巻線13に回転磁界が与えられ、回転子7が回転駆動される。そして、回転子7の回転力がプーリ4およびベルトを介してエンジン69に伝達され、エンジン69が回転駆動、即ち始動される。
そして、エンジン69が始動されると、エンジン69の回転力がベルトおよびプーリ4を介してシャフト6に伝達される。これにより、回転子7が回転駆動され、固定子巻線54に三相交流電圧が誘起される。制御回路は、回転信号(f)に基づいて回転子7の回転速度をモニターしており、図22に示されるように、回転速度が2500r/min未満の時に、各スイッチング素子73をON/OFF制御し、インバータモードにより車両用交流回転電機70を発電させる。そして、図22に示されるように、回転速度が2500r/minとなった時に、各スイッチング素子73をOFFとし、オルタネータモードにより車両用交流回転電機70を発電させる。この発電状態において、インバータモジュール72は直列接続された2つのダイオード74の組が並列に3組接続された三相全波整流回路となり、固定子巻線54に誘起された三相交流電圧がインバータユニット71により直流に整流される。そして、インバータユニット71で整流された直流電力により、第1バッテリ80が充電される。また、インバータユニット71で整流された直流電力が、DC/DCコンバータ82により12Vに変換されて第2バッテリ81に供給される。
【0071】
ここで、トルク伝達プーリ比は2.5程度であり、一般的なエンジン機関常用回転数を700〜1000r/minとすると、車両用交流回転電機70の常用回転速度は1750〜2500r/minとなる。
そこで、車両用交流回転電機70は、固定子50の共振点がある低速回転側でインバータモード発電で運転されることになり、電磁騒音を悪化させ、かつ、電磁振動を励起させることになる。
しかし、スロット41aが毎極毎相当たり2個の割合で形成され、電気角で32.5°の位相差を有する巻線同士を直列に接続してX相巻線54X、X相巻線54YおよびX相巻線54Zを構成しているので、固定子50の空間5次時間−1次高調波および空間7次時間1次高調波が低減され、電磁騒音および振動を低減させることができる。その結果、不快な騒音の発生を抑え、ベルトの長寿命化が図られる車両用交流回転電機が得られる。
【0072】
なお、上記実施の形態4では、上記実施の形態3による固定子50を用いるものとしているが、上記実施の形態1、2により固定子8、40を用いても同様の効果が得られる。
【0073】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0074】
この発明によれば、スロットが毎極毎相当たり2の割合で設けられた環状の固定子鉄心、および、上記固定子鉄心に装着された3相固定子巻線を有する固定子と、この固定子の内側に回転自在に設けられ、磁束を発生する回転子とを備えた車両用交流回転電機において、上記3相固定子巻線を構成するX相巻線、Y相巻線およびZ相巻線は、それぞれ隣り合うスロット群に巻装された第1および第2固定子巻線を直列に接続して構成され、上記スロットは、スロット開口部の中心線間の間隔が電気角でα°と(60−α)°とを交互に採る不等ピッチ(30°<α°<35°)に形成され、直列に接続される上記第1および第2固定子巻線は、上記スロット開口部の中心線間の間隔をα°とする隣り合う上記スロット群に巻装されているので、固定子の空間5次高調波および空間7次高調波を低減でき、不快な騒音および振動の発生要因である6fの電磁加振力を低減できる車両用交流回転電機が得られる。さらに、6fの電磁加振力を低減できるとともに、第1および第2固定子巻線を直列に接続する結線スペースが広くなり、結線作業性が向上される。
【0077】
また、直列に接続される上記第1固定子巻線と第2固定子巻線との位相差α°は、電気角で略32.5°であるので、6fの電磁加振力をさらに低減できる。
【0078】
また、プーリおよびベルトを介してエンジンに連結され、該エンジンを始動させる始動電動機および該エンジンにより駆動されて発電する発電機として動作するように構成されているので、6fの電磁加振力に起因する電磁騒音および電磁振動が低減される。
【0079】
また、上記プーリおよびベルトを介して上記エンジンにより駆動される発電動作時に、低速回転速度域でインバータにより制御されて発電する発電モードを有するように構成されているので、インバータ発電モード時における6fの電磁加振力の増大を抑えて、ベルトの長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る車両用交流回転電機を示す縦断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る車両用交流回転電機に適用される固定子を示す斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る車両用交流回転電機に適用される固定子鉄心の要部を示す端面図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る車両用交流回転電機における電気回路を示す回路図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る車両用交流回転電機に適用される固定子巻線を構成する星形巻線ユニットの製造方法を説明する図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る車両用交流回転電機における基本波に対する固定子空間5次時間−1次高調波および空間7次時間1次高調波の含有率を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係る車両用交流回転電機における基本波に対する固定子空間5次時間−1次高調波および空間7次時間1次高調波の含有率を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子を示す斜視図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子巻線を構成する1相分の巻線の巻装状態を説明するリヤ側端面図である。
【図10】この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子巻線における1相分の巻線の構造を説明する要部斜視図である。
【図11】この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子巻線における1相分の巻線の構造を説明する要部斜視図である。
【図12】この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子における固定子巻線の結線状態を説明するリヤ側端面図である。
【図13】この発明の実施の形態2に係る車両用交流回転電機における6fの電磁加振力と不等ピッチ角度との関係を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態2に係る車両用交流回転電機における6fの電磁加振力と不等ピッチ角度との関係を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機の固定子を示す斜視図である。
【図16】この発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機の固定子巻線を構成する1相分の巻線の巻装状態を説明するリヤ側端面図である。
【図17】この発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機の固定子巻線を構成する巻装アッセンブリを示す側面図である。
【図18】図17に示される巻線アッセンブリを構成する導体線の要部を説明する斜視図である。
【図19】図17に示される巻線アッセンブリを構成する導体線の配列を説明する斜視図である。
【図20】この発明の実施の形態4に係る車両用交流発電機を示す縦断面図である。
【図21】この発明の実施の形態4に係る車両用交流回転電機における電気回路を示す回路図である。
【図22】この発明の実施の形態4に係る車両用交流回転電機の発電出力特性を示す図である。
【図23】従来の車両用交流回転電機における固定子巻線の結線構造を説明する図である。
【符号の説明】
4 プーリ、7 回転子、8、40、50 固定子、15、41 固定子鉄心、15a、41a スロット、16、42、54 固定子巻線(3相固定子巻線)、16X、42X、54X X相巻線、16Y、42Y、54Z Y相巻線、16Z、42Y、54Z Z相巻線、69 エンジン、72 インバータモジュール。
Claims (4)
- スロットが毎極毎相当たり2の割合で設けられた環状の固定子鉄心、および、上記固定子鉄心に装着された3相固定子巻線を有する固定子と、この固定子の内側に回転自在に設けられ、磁束を発生する回転子とを備えた車両用交流回転電機において、
上記3相固定子巻線を構成するX相巻線、Y相巻線およびZ相巻線は、それぞれ隣り合うスロット群に巻装された第1および第2固定子巻線を直列に接続して構成され、上記スロットは、スロット開口部の中心線間の間隔が電気角でα°と(60−α)°とを交互に採る不等ピッチ(30°<α°<35°)に形成され、直列に接続される上記第1および第2固定子巻線は、上記スロット開口部の中心線間の間隔をα°とする隣り合う上記スロット群に巻装されていることを特徴とする車両用交流回転電機。 - 直列に接続される上記第1固定子巻線と第2固定子巻線との位相差α°は、電気角で略32.5°であることを特徴とする請求項1記載の車両用交流回転電機。
- プーリおよびベルトを介してエンジンに連結され、該エンジンを始動させる始動電動機および該エンジンにより駆動されて発電する発電機として動作するように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用交流回転電機。
- 上記プーリおよびベルトを介して上記エンジンにより駆動される発電動作時に、低速回転速度域でインバータにより制御されて発電する発電モードを有するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の車両用交流回転電機。
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