JP4292877B2 - 車両用交流発電機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関によって駆動されて発電し、車載電気負荷や車載電源に電力を供給する車両用交流発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用交流発電機としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載されたものでは、回転子のNS磁極ピッチに対応して離間する複数の第1スロット群に収容された電気導体を電気的に直列接続して第1巻線を構成し、第1スロット群に隣接する複数の第2スロット群に収容された電気導体を電気的に直列接続して第2巻線を構成している。そして、特許文献1に記載されたものでは、第1巻線と第2巻線とを電気的に直列接続して固定子巻線を構成している。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−155270号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載されたものでは、電気的に位相がずれた第1巻線と第2巻線とを電気的に直列接続して起磁脈動力を低減し、磁気騒音を低減している。しかしながら、特許文献1に記載されたものでは、同一のスロット内における電気導体を電気的に直列接続して第1巻線及び第2巻線を構成している。このような構成では、固定子巻線の起磁力分布に多くの高調波成分を含むことになる。高調波成分は、磁気騒音の増加の要因になる。しかし、特許文献1に記載されたものではその点について考慮していない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、磁気騒音を低減できる車両用交流発電機を提供する。また、本発明は、固定子巻線の起磁力分布を滑らかにして磁気騒音を低減する車両用交流発電機を提供する。さらに、本発明は、回転子の磁極の極数と固定子鉄心のスロットの個数から決定されるトルクリップルの次数を増加させて磁気騒音を低減する車両用交流発電機を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記車両用交流発電機は、複数のスロットが形成された固定子鉄心を有すると共に、複数のスロットのそれぞれに収納された複数の導体で固定子巻線が構成された固定子と、回転方向に極性が交互に異なるように配置された複数の磁極を有すると共に、固定子に空隙を介して設けられた回転子とを有し、隣接する3つのスロットに渡って配置されると共に、複数の磁極に対応するように複数のスロットを跨いで配置された複数の導体が電気的に接続されて1相分の相巻線が構成され、この相巻線がいくつか構成されて1つの多相巻線が構成され、この多相巻線の巻数はそれぞれ同一の巻数を有しており、この多相巻線を互いに電気的に並列接続して構成された前記固定子巻線を有することによって達成できる。
【0007】
上記車両用交流発電機では、相巻線を構成する導体を、隣接する複数のスロットに渡って配置したので、固定子巻線の起磁力分布を滑らかにできる。すなわち上記車両用交流発電機では、ステップ状の起磁力分布において、そのステップ数が増加するので、起磁力分布のステップがより小刻みになる。従って、上記車両用交流発電機では、起磁力分布に含まれる高調波成分を低減でき、磁気騒音を低減できる。
【0008】
また、上記車両用交流発電機は、固定子巻線の相数、スロットの個数及び回転子の磁極の極数から決定される毎極毎相スロット数を2.5 とすることにより達成できる。すなわち磁極の1極当たり5本の導体で相巻線を構成することにより達成できる。
【0009】
上記車両用交流発電機では、毎極毎相スロット数を2や3の整数にした場合と比較して、回転子の磁極の極数と固定子鉄心のスロットの個数(或いはティースの個数)から決定されるトルクリップルの次数(回転子が1回転する間に生じるコギングトルクに相当し、回転子の磁極の極数と固定子鉄心のスロットの個数との最小公倍数で示される)が約2倍程度増加する。従って、上記車両用交流発電機では、磁気騒音の周波数を高くできると共に、トルクリップルの波高値を小さくでき、磁気騒音を低減できる。
【0010】
特に回転子の磁極の極数を12、スロットの個数を90、固定子巻線の相数を3にして毎極毎相スロット数2.5 を達成する車両用交流発電機では、スロットの数を100以下に抑制できる。また、トルクリップルの次数を、同じ磁極の極数及び同じ固定子巻線の相数で毎極毎相スロット数が5になるように構成した車両用交流発電機と同じにできる。従って、上記車両用交流発電機では、固定子鉄心のティース幅を大きくし、固定子巻線3の組み込み作業性を向上させ、固定子を製造し易くできる。また、上記車両用交流発電機では、トルクリップルの次数を大きくでき、磁気騒音を低減できる。
【0011】
上記車両用交流発電機において、複数の多相巻線は同相の相巻線同士の電気的な位相がずれている。このような構成では、複数の多相巻線における同相の相巻線同士を電気的に直列接続した場合、固定子巻線の起磁力分布をさらに滑らかにでき、起磁力分布に含まれる高調波成分をさらに低減できる。従って、上記車両用交流発電機では、さらに磁気騒音を低減できる。また、複数の多相巻線を電気的に独立して構成した場合、それぞれの出力を個別に整流したとのきの整流リップル(電流リップル)に電気的な位相差が生じ、それらを合成した時に波形の基本波次数を減少でき、その次数を分散できる。すなわち整流リップルの振幅(時間的変動)を小さくできる。従って、上記車両用交流発電機では、さらに磁気騒音を低減できる。
【0012】
上記車両用交流発電機において、複数の多相巻線は電気的に独立して構成されおり、それぞれを構成する導体の1部は、他の多相巻線を構成する導体の1部とスロットにおける配置位置が入れ替わっている。このような構成では、スロットにおける導体の配置位置に起因する複数の多相巻線の出力電流のアンバランスを抑制できる。また、上記車両用交流発電機では、同相の相巻線同士の電気的な位相の中心がずれるように、複数の多相巻線のそれぞれを構成する導体の配置が工夫されている。このような構成では、複数の多相巻線のそれぞれの出力を整流して合成した場合、整流リップルの振幅(時間的変動)を小さくでき、さらに磁気騒音を低減ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施例を図1乃至図6に基づいて説明する。図1乃至図4は本実施例の車両用交流発電機の構成を示す。車両用交流発電機100は自動車に搭載され、内燃機関(エンジン)によって駆動されて発電し、車載電源であるバッテリ40や電気負荷50に電力を供給する。
【0014】
図において1は固定子である。固定子1は、固定子鉄心2と、これに装着された固定子巻線3とを有する。固定子鉄心2は、薄い珪素鋼板を打ち抜いて得られた円環状の鉄心板が複数積層されて形成された円筒状の積層鉄心である。積層鉄心の軸方向両端部に積層された鉄心板の厚みは、軸方向中央部分に積層された鉄心板の厚みよりも厚い。固定子鉄心2の外周部にはコアバック(ヨーク)2aが形成されている。コアバック2aは、周方向に連続して形成された円筒状の鉄心部分であり、外周表面が外部に露出するように、軸方向両側からフロントブラケット9とリアブラケット10によって挟持されている。これにより、固定子1はブラケットの内側に支持される。
【0015】
固定子鉄心2の内周部であるコアバック2aの内周側には複数のティース2bが形成されている。ティース2bは、コアバック2aの内周面から径方向向心側に突出するように形成された歯状の鉄心部分であって、コアバック2aの内周面に沿って軸方向に連続して形成され、コアバック2aの内周面に沿って周方向に所定の間隔をもって複数配置されたものである。隣接するティース2b間にはティース2bと同じ数だけスロット2cが形成される。スロット2cは、固定子巻線3を構成する巻線導体34が収納される空間部分であり、ティース部2bと同様に軸方向に連続して形成され、周方向に所定の間隔をもって複数配置されたものである。また、スロット2cはコアバック2a側とは反対側が開口し、軸方向両端も開口している。
【0016】
スロット2cのそれぞれには複数の巻線導体34が収納されている。巻線導体34のそれぞれは平角線から形成されたものであり、固定子鉄心2の軸方向両端から外方に突出し、所定の結線が得られるように他の巻線導体34と電気的に接続されている。尚、固定子巻線3の詳細な構成については図面を用いて後述することにする。
【0017】
固定子1の内周側には、空隙を介して回転子4が対向するように設けられている。回転子4の中心軸上には回転軸7が配置されている。回転軸7は、フロントブラケット9の中心部分に設けられた軸受20によって軸方向一端側が、リアブラッケット10の中心部分に設けられた軸受13によって軸方向他端側がそれぞれ回転可能に支持されている。
【0018】
固定子1の内周側と対向する回転軸7の部位には回転子鉄心5が嵌合されている。回転子鉄心5は、対をなす爪状磁極鉄心5a,5bが軸方向に対向するように設けられたものである。爪状磁極鉄心5a,5bは、円筒状の鉄心部分から径方向遠心側に延び、三角形状或いは台形状の先端部がそれらの対向方向に直角に折れ曲がった複数の爪状磁極を有する。爪状磁極は回転方向に所定の間隔をもって配置されていると共に、爪状磁極鉄心5a,5bが軸方向に対向するように設けられた場合、対向する爪状磁極鉄心の爪状磁極間に配置される。爪状磁極鉄心5aはN極とS極のいずれか一方の磁極を形成している。爪状磁極鉄心5bはN極とS極のいずれか他方の磁極を形成している。これにより、回転子4には、回転方向に極性が交互に異なるように、すなわちN極とS極とが交互になるように複数の磁極が形成される。
【0019】
爪状磁極の先端部の内周側と対向する鉄心部分の外周には界磁巻線6が装着されている。回転軸7の軸方向一端部(フロントブラケット9側端部)は軸受12よりもさらに軸方向外側に延びている。回転軸7の軸方向一端部の軸受12よりもさらに軸方向外側に延びた部分にはプーリ8が設けられている。プーリ8はベルト(図示省略)を介して内燃機関のプーリに接続されている。これにより、回転子4は、内燃機関のプーリからベルトを介してプーリ8に伝達された内燃機関の回転駆動力によって回転する。回転軸7の軸方向他端部(リアブラケット10側端部)は軸受13よりもさらに軸方向外側に延びている。回転軸7の軸方向他端部の軸受13よりもさらに軸方向外側に延びた部分の外周表面にはスリップリング18が設けられている。スリップリング18は界磁巻線6と電気的に接続されている。スリップリング18にはブラシ17が摺動可能に接触している。ブラシ17は、界磁巻線6に供給される界磁電流をスリップリング18に供給している。
【0020】
爪状磁極鉄心5aの軸方向一端部(フロントブラケット9側端部)にはフロントファン14が取り付けられている。爪状磁極鉄心5bの軸方向他端部(リアブラケット10側端部)にはリアファン15が取り付けられている。フロントファン14及びリアファン15は回転子4の回転と共に回転し、冷却媒体である外気を機外から機内に導入して機内を循環させると共に、冷却し終えた外気を機内から機外へ排出する。このため、フロントブラケット9及びリアブラケット10には、外気を機外から機内に導入したり、外気を機内から機外に排出したりするための貫通孔が複数設けられている。
【0021】
リアブラケット10の側面の一方側(フロントブラケット9側とは反対側)はリアカバー11によって覆われている。リアブラケット10の側面の一方側とリアカバー11との間には空間が形成されている。この空間には、ブラシ17を保持したブラシホルダ,ICレギュレータ(図示省略),整流器19が配置されている。リアカバー11には貫通孔が複数設けられており、リアブラケット10の側面の一方側とリアカバー11との間の空間に機外から外気を導入できるようになっている。
【0022】
整流器19は、固定子巻線3で発生した交流電圧を全波整流して直流電圧を出力するものであり、整流素子である6個のダイオードによって3相のブリッジ回路を構成している。整流器19のブリッジ回路には固定子巻線3の各相巻線が電気的に接続されている。整流器19によって得られた直流電圧はターミナル16を介してバッテリ40や電気負荷50に供給される。ICレギュレータ(図示せず)は、ターミナル6の端子電圧が常に一定電圧となるように、界磁巻線6に供給される界磁電流を制御するものである。
【0023】
車両用交流発電機100では、内燃機関のプーリからベルトを介してプーリ8に伝達された内燃機関の回転駆動力によって回転子4が回転すると共に、ICレギュレータ(図示省略)によって制御された界磁電流がブラシ17からスリップリング18を介して界磁巻線6に供給される。これにより、界磁巻線6は磁束を発生する。界磁巻線6に磁束が発生すると、爪状磁極鉄心5a,5bの一方がN極の磁極、他方がS極の磁極になり、界磁巻線6に発生した磁束を、N極の磁極を形成する爪状磁極から空隙を介して固定子鉄心2に流し、固定子鉄心2から空隙を介してS極の磁極を形成する爪状磁極に戻す磁気回路が形成される。磁気回路によって固定子鉄心2に流れた磁束は固定子巻線3の各相巻線と鎖交する。これにより、固定子巻線3には3相の誘起電圧が発生する。3相の誘起電圧は整流器19によって全波整流されて直流電圧に変換される。整流器19によって得られた直流電圧は、ターミナル16に電気的に接続されたバッテリ40や電気負荷50に出力される。この時、ターミナル16から出力される直流電圧は、ICレギュレータ(図示省略)の界磁電流制御によって約14.3V 程度の一定電圧に制御される。
【0024】
近年、車両用交流発電機には、電気負荷の増加による高出力化,高効率化,車室内の静粛性向上による低騒音化が要求されている。高効率化を図るためには各種損失を低減すればよい。特に損失の大きい銅損を低減することが好ましい。このため、本実施例では、固定子巻線3を構成する巻線導体34をこれまでの丸線から平角線に替え、スロットに対する巻線導体34の占める割合、すなわち占積率を向上させている。
【0025】
ところで、車両用交流発電機においては所望の発電特性が得られるように設計する必要がある。図5は、横軸に車両用交流発電機の回転数、縦軸に発電電流をとり、回転子の磁極数を12極、磁極1極当たりの固定子巻線1相分のターン数を4,5,6のそれぞれとし、固定子巻線をY(スター)結線方式で構成したときの発電特性を示す。図中黒点で示したポイントは、車両用交流発電機に要求される発電特性である。すなわち車両用交流発電機は、内燃機関のアイドル回転数に相当する回転数n1のとき発電電流I1を出力し、内燃機関の通常走行回転数に相当する回転数n2のとき発電電流I2を出力するような発電特性を満足しなけばならない。
【0026】
ここで、回転子の磁極数が12極、磁極1極当たりの固定子巻線1相分のターン数が5の場合に上記2つのポイントを満足するとしたとき、固定子巻線を構成する巻線導体を丸線から平角線にすると、スロット1個にて5本(5ターン)の巻線導体を収納することになる。しかし、平角線の場合、周期性の問題があるので、スロット1個に収納される巻線導体の本数は偶数としなければならない。このため、回転子の磁極数が12極、固定子巻線3を構成する巻線導体34に平角線を用いる場合は、磁極1極当たりの固定子巻線1相分のターン数を4又は6にしなければならない。
【0027】
しかし、図5に示す発電特性から明らかなようにターン数が4の場合、内燃機関のアイドル回転数に相当する回転数n1のときの発電電流I1は低下する。これはターン数の減少によって誘起電圧が低下したためである。また、内燃機関の通常走行回転数に相当する回転数n2のときの発電電流I2は増加する。これはターン数の減少によって巻線のインダクタンスが低下したためである。ターン数が6の場合には、ターン数が4の場合とは逆の特性を示す。従って、ターン数4又は6では要求値を満足できない。
【0028】
これを解決する一手段としては、回転子の磁極数を12極から16極に増加させることが考えられえる。回転子の磁極数が16極の場合、12極の場合と同じ回転数で回転させた場合、基本波の周波数は1.33倍(=16極/12極)になる。すなわち5000r/min で回転させた場合、回転子の磁極数が12極の場合では基本周波数が500Hzとなるのに対し、16極の場合では1.33倍 の666Hzになる。従って、回転子の磁極数が16極の場合では周波数が高くなった分、固定子巻線1相分のターン数を減らせる。すなわち回転子の磁極の極数が12極の場合ではターン数が5であったのに対し、16極の場合ではターン数を3.75(=5ターン/1.33倍)にできる。実際には整数で決定されるので、回転子の磁極の極数が16極の場合では固定子巻線1相分のターン数を4になる。
【0029】
ところが、回転子の磁極の極数を16極にすると鉄損が増加する。鉄損は一般的に渦電流損失とヒステリシス損失との総和で求められる。渦電流損失は、固定子鉄心を構成する鉄心板の板厚に大きく影響するので、鉄心板に薄い板を用いれば低減可能である。しかし、ヒステリシス損は周波数に比例して増加する。従って、回転子の磁極数が増加することで鉄損が増加する。鉄損の増加は効率の低下となる。このため、回転子の磁極の極数を12極から16極に変更することは効率の低下を招く。
【0030】
そこで、本実施例では、回転子4の磁極の極数を12、磁極1極当たりの固定子巻線1相分のターン数を5、固定子巻線3の相数を3とし、平角線からなる巻線導体34で固定子巻線3を構成することにした。また、スロット2cの1個における巻線導体34(平角線)の数を偶数としなければならないことから、回転子4の磁極の極数、スロット2cの個数及び固定子巻線3の相数から決定される毎極毎相スロット数、すなわち磁極1極当たりの固定子巻線3の1相分の巻線導体34が配置されるスロット数を2.5 としている。そして、上記関係からスロット2cの個数を90としている。これにより、本実施例では、高効率で低騒音化を図っている。また、本実施例では、固定子巻線3を2つの3相巻線から構成し、高出力化を図っている。
【0031】
また、車両用交流発電機の高効率化は、回転子4に設けられたフロントファン14及びリアファン15の径並びにファンブレードの高さを抑え、機械損を低減するで達成できる。また、車両用交流発電機の高効率化は、整流器19の整流素子としてMOSタイプのものを採用し、ダイオード損を低減することで達成できる。
【0032】
次に、図1乃至図3に基づいて固定子巻線3の構成を詳細に説明する。前述したように固定子鉄心2には90個のスロット2cが形成され、それぞれに巻線導体34が4本の収納されている。スロット2cのそれぞれにおいて、コアバック2a側に配置された2本の巻線導体34は第1の3相巻線31を構成し、回転子4側(スロット開口側)に配置された2本の巻線導体34は第2の3相巻線32を構成している。第1の3相巻線31と第2の3相巻線32は電気的に独立して構成されている。このため、第1の3相巻線31の出力は整流器19aによってで整流され、第2の3相巻線32の出力は整流器19bによって整流される。整流後、整流器19a,19bの出力は合成されてバッテリ40や電気負荷50に供給される。
【0033】
第1の3相巻線31及び第2の3相巻線32はそれぞれ3つの相巻線によって構成されている。第1の3相巻線31はU1相巻線31U,V1相巻線31V及びW1相巻線31Wによって構成されている。第2の3相巻線32はU2相巻線32U,V2相巻線32V及びW2相巻線32Wによって構成されている。前述したように各相巻線は、回転子4の磁極1極当たり5本の巻線導体34によって構成されている。また、毎極毎相スロット数が2.5 である。このため、各相巻線を構成する5本の巻線導体34は、隣接する3つのスロット2cに渡って連続して配置されている。また、各相巻線を構成する巻線導体34は回転子4の各磁極に対応して配置されている。このため、各相巻線を構成する巻線導体34は複数のスロット2cを跨ぎ、次の隣接する3つのスロット2cに渡って連続して配置されている。本実施例では、このような巻線導体34の配置が回転子4の磁極に対応して12回繰り返されると共に、このように配置された巻線導体34が電気的に接続され各相巻線が構成される。
【0034】
次に、U1相巻線31Uを例に挙げ、U1相巻線31Uの構成をさらに具体的に説明する。U11+〜U15+,U11−〜U15−はU1相巻線31Uを構成する巻線導体34を示す。ここで、U1は、U1相巻線31Uを構成する巻線導体34であることを示す。左から3番目の数字は何本目の巻線導体34であるかを示す(後述する巻線の組み込み順序を示すものではない)。左から4番目の記号+は、スロット2cの手前からスロット2cの奥に向かって電流が流れる巻線導体34であることを示す。また、左から4番目の記号−は、スロット2cの奥からスロット2cの手前に向かって電流が流れる巻線導体34であることを示す。
【0035】
U1相巻線31Uは、隣接する3つのスロット2cに渡って連続して配置されたU11+〜U15+からなるU1+相巻線導体群31U+と、隣接する3つのスロット2cに渡って連続して配置されたU11−〜U15−からなるU1−相巻線導体群31U−とが、回転子4の磁極に対応するようにスロット2cのいくつかを跨いで交互に配置され、各巻線導体34が電気的に直列に接続されて構成されている。
【0036】
具体的には第1スロットにはU11+,U12+が、第1スロットに隣接する第2スロットにはU13+,U14+が、第2スロットに隣接する第3スロットにU15+がそれぞれ配置されている。次に、第1スロットからスロットを6つ跨いだ第8スロット(第1スロットから7番目のスロット)にはU11−が、第8スロットに隣接し、第2スロットからスロットを6つ跨いだ第9スロット(第2スロットから7番目のスロット)にはU12−,U13−が、第9スロットに隣接し、第3スロットからスロットを6つ跨いだ第10スロット(第3スロットから7番目のスロット)にはU14−,U15−が配置されている。次に、第8スロットからスロットを7つ跨いだ第16スロット(第8スロットから8番目のスロット)にはU11+,U12+が、第16スロットに隣接し、第9スロットからスロットを7つ跨いだ第17スロット(第9スロットから8番目のスロット)にはU13+,U14+が、第17スロットに隣接し、第10スロットからスロットを7つ跨いだ第18スロット(第10スロットから8番目のスロット)にはU15+がそれぞれ配置されている。次に、第16スロットからスロットを6つ跨いだ第23スロットにはU11−が、第23スロットに隣接し、第17スロットからスロットを6つ跨いだ第24スロットにはU12−,U13−が、第24スロットに隣接し、第18スロットからスロットを6つ跨いだ第25スロットにはU14−,U15−がそれぞれ配置されている。この後、上記配列パターンを回転子4の磁極に対応して繰り返す。
【0037】
すなわち隣接する3つのスロットにU11+〜U15+が配置され、次に、それらからスロットを6つ跨いだところにある隣接する3つのスロットにU11−〜U15−が配置され、次に、それらからスロットを7つ跨いだところにある隣接する3つのスロットにU11+〜U15+が配置され、次に、それらからスロットを6つ跨いだところにある隣接する3つのスロットにU11−〜U15−が配置され、というように、U11+〜U15+とU11−〜U15−とが交互に配置されている。しかも、U11+〜U15+からU11−〜U15−に跨ぐ場合は7スロットピッチで、U11−〜U15−からU11+〜U15+に跨ぐ場合は8スロットピッチで行われる。つまり、回転子4の磁極2極(極性の異なるN極とS極の磁極一対)当たりにスロット2cが15個配置されていることになる。言い換えれば、回転子の磁極ピッチ(極性の異なるN極とS極との間隔)が7.5スロットである。
【0038】
U1+相巻線導体群31U+においてU11+、U13+、U15+は、対応するスロット内の最もコアバック2a側(1段目)に配置されている。U12+はU11+のスロット開口側(2段目)に配置されている。U14+はU13+のスロット開口側(2段目)に配置されている。U1−相巻線導体群31U−においてU12−,U14−は、対応するスロット内の最もコアバック2a側(1段目)に配置されている。U11−は2段目(V15+のスロット開口側)に配置されている。U13−はU12−のスロット開口側(2段目)に配置さrている。U15−はU14−のスロット開口側(2段目)に配置されている。このように、U11+が1段目に配置されれば、これに接続されるU11−は2段目に配置される。このような配置関係によれば、固定子鉄心2の軸方向端部においてなされる巻線導体34間の接続を他の巻線導体34間の接続に干渉されることなく行うことができる。従って、固定子巻線3のコイルエンドは規則正しい配列になり、冷却風が通り易くなる。
【0039】
以上のように、U1相巻線31Uの構成について詳細に説明したが、V1相巻線31V,W1相巻線31Wにおいても同様に構成されている。また、U2相巻線32U,V2相巻線32V、W2相巻線32Wについても同様に構成されている。尚、U2相巻線32Uは電気的な位相がU1相巻線31Uと同相になるように、同じスロット(第1乃至第3スロット,第8乃至第10スロット…)の3段目,4段目に配置されたU21+〜U25+,U21−〜U25−によってU1相巻線31Uと同様に構成されている。V2相巻線32V,W2相巻線32Wについても同様に構成されている。
【0040】
尚、本実施例では、図1において各巻線導体がどの相巻線を構成するものか明確になるように、U1相巻線31U,U2相巻線32Uを構成する巻線導体34を点線で囲んでいる。V1相巻線31V,V2相巻線32Vを構成する巻線導体34は一点鎖線で囲んでいる。W1相巻線31W,W2相巻線32Wを構成する巻線導体34は二点鎖線で囲んでいる。
【0041】
U1相巻線31U,V1相巻線31V,W1相巻線31WはY(スター)結線によって電気的に接続されている。これにより、第1の3相巻線31が構成されている。尚、図3に示す結線図では、各相巻線の+相側を示し、各相巻線の−相側は省略している。U1相巻線31Uを基準とすると、V1相巻線31VはU1相巻線31Uに対して電気角で120°ずれて接続されている。すなわちスロット2cの数が90である。従って、1スロットピッチの電気角は24°(=6×360/90)である。そして、V1相巻線31VがU1相巻線31Uに対して5スロットピッチずれて配置されているので、V1相巻線31VはU1相巻線
31Uに対して電気角で120°ずれて接続されることになる。W1相巻線31WはV1相巻線31Vに対して電気角で120°ずれて接続されている(V1相巻線31Vに対して5スロットピッチずれて配置されている)。一方、U2相巻線32U,V2相巻線32V、W2相巻線32WもY(スター)結線によって電気的に接続されている。これにより、第2の3相巻線32が構成されている。各相巻線は電気角で120°ずれている。
【0042】
U1相巻線31Uは、U11+〜U15+が電気的に直列に接続されて構成されている。U11+を基準とすると、U12+はU11+と同じ第1スロットに配置されているので、電気的なずれは生じない。U13+,U14+は、第1スロットに隣接する第2ストットに配置されているので、U11+,U12+に対して電気角で24°ずれている。U15+は、第2スロットに隣接する第3スロットに配置されているので、U13+,U14+に対して電気角で24°ずれており、U11+,U12+に対しては電気角で48°ずれている。尚、参考までに図示省略したU11−はU11+に対して電気角で168°ずれ、U12−はU12+に対して電気角で192°ずれ、U13−はU13+に対して電気角で168°ずれ、U14−はU14+に対して電気角で192°ずれ、U15−はU15+に対して電気角で168°ずれている。このようは接続関係は、V1相巻線31V,W1相巻線31Wにおいても同様の関係になっている。また、U2相巻線32U,V2相巻線32V,W2相巻線32Wにおいても同様の関係になっている。
【0043】
次に、U1相巻線31U、U2相巻線32Uを例に挙げ、固定子巻線3のスロット2cへの組み込み方について説明する。図2は、U1相巻線31U,U2相巻線32Uのスロット2cへの組み込み方を示す。図上段の固定子鉄心2は、スロット2cのスロット開口側の2段に組み込まれる巻線を示すためのもので、図下段の固定子鉄心2は、スロット2cのコアバック2a側の2段に組み込まれる巻線を示すためのものである。また、図中実線は右回りの巻線、点線は左回りの巻線を示す。
【0044】
まず、U1相巻線31Uは、巻始め31USから始まり、第1スロットの1段目(U11+)→第8スロットの2段目(U11−)→…→第2スロットの1段目(U13+)→第9スロットの2段目(U13−)→…→第3スロットの1段目(U15+)→第10スロットの2段目(U15−)→…というように順次に組み込まれ、接続線35を介して組み込み方向が反転され、第2スロットの2段目(U14+)→…→第10スロットの1段目(U14−)→第1スロットの2段目(U13+)→…→第9スロットの2段目(U13−)というように順次に組み込まれ、巻終わり(中性点)31UEで終了する。U2相巻線32UにおいてもU1相巻線31Uと同様に、巻始め32USから始まり、U1相巻線31Uと同様に順次に組み込まれ、接続線36を介して組み込み方向が反転され、U1相巻線31Uと同様に順次に組み込まれ、巻終わり(中性点)32UEで終了する。これにより、固定子鉄心2のコアバック2a側にはU1相巻線31Uが構成される。また、固定子鉄心2のスロット開口側にはU2相巻線32Uが構成される。そして、U1相巻線31Uと同様にV1相巻線31V、W1相巻線31Wについて構成することにより、固定子鉄心2のコアバック2a側には第1の3相巻線31が構成される。また、U2相巻線32Uと同様にV2相巻線32V,W2相巻線32Wについて構成することにより、固定子鉄心2のスロット開口側にはには第2の3相巻線32が構成される。
【0045】
実際の固定子巻線3の組み込み作業では、まず、1本の平角線を折り曲げ、U字状或いはV字状の巻線導体34を形成する。巻線導体34は、2つのスロット2cに固定子鉄心2の軸方向一方端側から挿入できるように、2本の直線部が延びる方向の一方端が開放している。また、巻線導体34は、2つのスロット2cに挿入された際、2本の直線部に固定子鉄心2の径方向に段差が付くように、折り曲げられている。次に、巻線導体34を、前述の巻線の組み込み順序にしたがって、固定子鉄心2の軸方向一方端から、いくつかのスロット2cを跨ぐように2つのスロット2cに挿入する。挿入後、固定子鉄心2の軸方向他方端から突出した巻線導体34の部分をスロット2cの跨り方向とは反対の方向(外側)に折り曲げる。そして、前述の巻線の構成にしたがって、他の対応する巻線導体34と接続する。接続にあたってはかしめる或いは溶接を用いる。尚、巻線導体34をスロット2cに挿入後、巻線導体34を折り曲げた際、固定子鉄心2の軸方向端部にそれによる応力がかかる。しかし、本実施例では、固定子鉄心2の軸方向両端部の珪素鋼板の板厚が他の珪素鋼板よりも厚く形成されているので、巻線導体34を折り曲げた際にかかる応力に起因した珪素鋼板の変形を抑えることができる。
【0046】
前述したように、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32は電気的に独立している。このため、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32のそれぞれの出力は整流された後、合成され、バッテリ40や電気負荷50に供給される。しかしながら、スロット2cのそれぞれにおける第1の3相巻線31と第2の3相巻線32の配置が異なっているので、それぞれにおける出力電流が異なる。すなわち第1の3相巻線31はコアバック2a側(固定子鉄心2の外周部寄り)に配置され、第2の3相巻線32はスロット開口側(固定子鉄心2の内周部寄り)に配置されている。このため、第1の3相巻線31は、コアバック2aに対する距離が短くなることに起因して磁気抵抗が小さくなり、そのインダクタンスが大きくなる。一方、第2の3相巻線32は、コアバック2aに対する距離が大きくなることに起因して磁気抵抗が大きくなり、そのインダクタンスが小さくなる。これにより、第1の3相巻線31の出力電流に対して第2の3相巻線32の出力電流が大きくなる。従って、本実施例では、両者のインダクタンスが同じになるように巻線の長さを調整している。巻線の長さを短くするのには限界があるので、本実施例では、第2の3相巻線32の長さを長くし、そのインダクタンスを大きくしている。尚、この調整により、両者の長さが変わり、固定子鉄心2の軸方向端部から外方に突出する固定子巻線3の部分、すなわちコイルエンド部の長さが変わる。すなわち第2の3相巻線32のコイルエンド部の長さ(固定子鉄心2の軸方向端部から突出している長さ)が第1の3相巻線31のコイルエンド部の長さよりも大きくなる。尚、両者の差分は、巻線の成型などによって縮めることができる。
【0047】
本実施例では、回転子4の磁極に対応するように複数のスロット2cに跨いで配置された各相巻線の複数の巻線導体34を、隣接する複数のスロット2cに渡って配置したので、固定子巻線3の起磁力分布(ステップ状の波形)を滑らかにできる。すなわち図1に示すように、第1の3相巻線31の起磁力分布のステップ数と第2の3相巻線32の起磁力分布のステップの数を、各相巻線の巻線導体が1つのスロットに配置された従来の起磁力分布よりも増加でき、従来の起磁力分布(方形波)よりも小刻みな起磁力分布(正弦波に近似するもの)にでき、起磁力分布に含まれる高調波成分を低減できる。従って、本実施例では、磁気騒音を低減できる。
【0048】
尚、図1では、U相巻線の起磁力分布を示す。U1相巻線31Uの+相側では初めU11+,U12+で2段上、次いでU13+,U14+で2段上がり、最後にU15+で1段上がる。U1相巻線31Uの−相側では初めU21−で1段下がり、次いでU23−,U22−で2段階下がり、最後にU15−,U14−で2段階下がる。U2相巻線32Uも同様の分布になる。V相巻線及びW相巻線もU相巻線と同様の起磁力分布になる。
【0049】
また、本実施例では、固定子巻線3の相数、スロット2cの個数及び回転子4の磁極の極数から決定される毎極毎相スロット数を2.5 としたので、毎極毎相スロット数を2或いは3の整数とした場合と比較し、回転子4の磁極の極数とスロット2cの個数(或いはティース2bの個数)から決定されるトルクリップルの次数(回転子4が1回転する間に生じるコギングトルクに相当するものであって、回転子4の磁極の極数とスロット2cの個数との最小公倍数を示す)を約2倍程度に増加できる。従って、本実施例では、磁気騒音の周波数を高くでき、トルクリップルの波高値を小さくできる。これにより、本実施例では、磁気騒音を低減できる。
【0050】
また、本実施例では、毎極毎相スロット数が2.5 となるように、回転子4の磁極の極数を12、スロット2cの個数を90、固定子巻線3の相数を3としたので、スロット2cの個数を100以下に抑えれる。また、本実施例では、トルクリップルの次数を、同じ磁極の極数及び同じ固定子巻線の相数で毎極毎相スロット数が5のときと同じにできる。尚、図6は、回転子4の磁極の極数、毎極毎相スロット数、スロット2cの個数及びトルクリップルの次数の関係を示す。固定子巻線3の相数は3である。図6から明らかなように、回転子4の磁極の極数が12、毎極毎相スロット数が2.5 のとき、トルクリップルの次数は180となり、スロット2cの個数は90(=12極×2.5 個×3相)となる。これにより、本実施例では、スロット2cの個数を100以下に抑えれる。また、本実施例では、トルクリップルの次数を毎極毎相スロット数が5のときと同じにできる。従って、本実施例では、ティース2bの幅を大きくし、固定子巻線3の組み込み作業性を向上させ、固定子1を製造し易くできる。また、本実施例では、磁気騒音を低減できる。
【0051】
また、本実施例では、回転子4の磁極の極数を12としたので、現行の12極機で使用されている回転子,整流器などをそのまま採用できる。また、本実施例では、固定子鉄心2の材質や板厚なども変更する必要がない。さらに、本実施例では、16極に比べて鉄損を少なくし、車両交流発電機を高効率にできる。さらにまた、本実施例では、固定子巻線3の接続処理に溶接を用いる場合、その接続箇所を少なくできる。このように本実施例では、高出力,高効率,低騒音の車両用交流発電機を低コストで提供できる。
【0052】
本発明の第2実施例を図7及び図8に基づいて説明する。本実施例は第1実施例の変形例である。本実施例では、各相巻線を構成する巻線導体34の配置構成を第1実施例と同様にし、第1の3相巻線31及び第2の3相巻線32の同相の相巻線同士を(U1相巻線31UとU2相巻線32Uとを、V1相巻線31VとV2相巻線32Vとを、W1相巻線31WとW2相巻線32Wとをそれぞれ)電気的に直列接続し、固定子巻線3を1つのY(スター)結線で構成している。図8の結線図では各相巻線の−相側を省略している。これ以降の実施例おいても各相巻線の−相側は省略する。
【0053】
図8に示すように、U相巻線,V相巻線及びW相巻線は電気角で120°ずつずれて接続されている。U相巻線は、U11+を基準として、これに電気的に同じ関係にある(電気的にずれがない)U12+,U21+,U22+が接続されている。次いでU13+,U14+,U23+,U24+が電気角で24°ずれて接続されている。次いでU15+,U25+が電気角で24°ずれて接続されている。V相巻線及びW相巻線もU相巻線と同様の接続関係にある。また、図7に示すように、U相巻線の起磁力分布は+相側では初め4段上がり、次いで4段上がり、最後に2段上がる。また、−相側では初め2段下がり、次いで4段下がり、最後に4段下がる。V相巻線及びW相巻線もU相巻線と同様の起磁力分布になる。
【0054】
本実施例では、回転子4の磁極に対応するように複数のスロット2cに跨って配置された各相巻線の巻線導体34を、隣接する複数のスロット2cに渡って配置したので、第1実施例と同様に、固定子巻線3の起磁力分布を滑らかでき、起磁力分布に含まれる高調波成分を低減できる。従って、本実施例では、磁気騒音を低減できる。
【0055】
尚、本実施例では、起磁力分布の波形を周波数分析した結果を表にまとめ、これを起磁力分布の右端に載せている。この表には、基本波の波高値を100%としたとき、基本波に含まれる各次の波高値を%で表示した。磁気騒音を効果的に低減するには3次の波高値を小さくすることが好ましい。表示したように、本実施例では3次の波高値が21.4%であった。これに対して各相巻線を構成する巻線導体を1つのスロットに収納して2つの3相巻線を構成し、2つの3相巻線の同相の相巻線同士を電気的に接続した固定子巻線の起磁力分布の周波数分析では3次の波高値が24.3%であった。従って、本実施例の構成の方が磁気騒音の低減に効果的である。
【0056】
また、本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32の同相の相巻線同士を電気的に接続したので、車両用交流発電機を3相交流電動機として外部からインバータ駆動できる。この場合、インバータ素子数を最低限の3相にできるので、車両用交流発電機がアイドルストップ車に搭載された場合、車両用交流発電機による内燃機関の始動に対応し易い。また、この場合、電圧を上げれるので、高電圧化にも容易に対応できる。
【0057】
この他の構成は第1実施例と同様である。従って、本実施例では第1実施例と同様の効果を達成できる。
【0058】
本発明の第3実施例を図9及び図10に基づいて説明する。本実施例は第1実施例の改良例である。本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32の同相の相巻線同士の電気的な位相をずらしている。例えばU1相巻線31Uを構成するU11+〜U15+,U11−〜U15−は第1実施例と同様に構成されている。一方、U2相巻線32Uを構成するU21+〜U25+は、U1相巻線31Uを構成するU11+〜U15+に対してスロット1個分後側に(電気角で24°)ずれている。U2相巻線32Uの−相側も同様で、U1相巻線31Uの−相側に対してスロット1個分後側にずれている。V相巻線及びW相巻線も同様の配置関係にある。
【0059】
図10に示すように、第1の3相巻線31のY(スター)結線に対して第2の3相巻線32のY(スター)結線は全体的に電気角で24°ずれている。各相巻線における巻線導体34の接続関係は第1実施例と同様である。また、図9に示すように、U1相巻線31Uの起磁力分布に対してU2相巻線32Uの起磁力分布もスロット1個分ずれている。尚、各起磁力分布の波形の構成自体は第1実施例と同様である。V相巻線の起磁力分布及びW相巻線の起磁力分布も同様の関係にある。
【0060】
本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32の同相の相巻線同士の電気的な位相をずらしたので、第1の3相巻線31を整流したときの整流リップル(電流リップル)と第2の3相巻線32を整流したときの整流リップル(電流リップル)に電気的な位相差が生じ、第1の3相巻線31の整流出力と第2の3相巻線32の整流出力との合成時、整流リップルの波形の基本波次数を減少でき、その次数を分散できる。すなわち整流リップル(電流リップル)の振幅(時間的変動)を小さくできる。従って、本実施例では、さらに磁気騒音を低減できる。
【0061】
本発明の第4実施例を図11乃至図13に基づいて説明する。本実施例は第2実施例の改良例である。本実施例では、各相巻線を構成する巻線導体34の配置構成を第3実施例と同様にし、第1の3相巻線31及び第2の3相巻線32の同相の相巻線同士を電気的に直列接続し、固定子巻線3を1つのY(スター)結線で構成している。
【0062】
図12に示すように、U相巻線,V相巻線及びW相巻線の接続関係は第2実施例と同様である。U相巻線は、U11+を基準として、これに電気的に同じ関係にあるU12+が接続され、次いでU13+,U14+,U21+,U22+が電気角で24°ずれて接続されている。次いでU15+,U23+,U24+が電気角で24°ずれて接続され、次いでU25+が電気角で24°ずれて接続されている。V相巻線及びW相巻線もU相巻線と同様の接続関係にある。また、図11に示すように、U相巻線の起磁力分布は、+相側では初め4段上がり、次いで4段上がり、最後に2段上がる。また、−相側では初め2段下がり、次いで4段下がり、最後に4段下がる。V相巻線及びW相巻線もU相巻線と同様の起磁力分布になる。
【0063】
本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32の同相の相巻線同士の電気的な位相をずらしたので、固定子巻線3の起磁力分布が第2実施例のものよりもさらに滑らかにできる。すなわち図11に示すように、ステップ状の起磁力分布におけるステップが1つ増える。従って、本実施例では、3次の波高値が17.7% になり、さらに磁気騒音を低減できる。尚、本実施例の構成が効果的であることが判るように、本実施例の構成による騒音レベルと第2実施例の構成による騒音レベルを比較した結果を図13に示す。車両用交流発電機の回転数が2100r/min あたり(低速域)の騒音レベルを比較すると、本実施例の構成における騒音レベルが8dBA程度低い。従って、本実施例では、さらに磁気騒音を低減できる。
【0064】
尚、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32の同相の相巻線同士を電気的に直列接続する場合、同相の相巻線同士の電気的な位相をずらし過ぎると、有効磁束が減り、車両用交流発電機の出力が低下する。従って、同相の相巻線同士の電気的な位相をずらす場合は、1スロットピッチ又は2スロットピッチで行うことが好ましい。第1の3相巻線31と第2の3相巻線32が電気的に独立して構成されている場合はこの限りではない。
【0065】
本発明の第5実施例を図14乃至図15に基づいて説明する。本実施例は第3実施例の改良例である。本実施例では第3実施例と比較し、第2の3相巻線32の各相巻線の配置構成が異なっている。第1の3相巻線31の各相巻線の配置構成は第3実施例と同様である。U2相巻線32Uの+相側では、第2スロットにU21+が収納され、第3スロットにU22+,U23+が収納され、第4スロットにU24+,U25+が収納されている。すなわち巻線導体34が1個ずつ後側のスロットにずれている(第3実施例では、第2スロット及び第3スロットに巻線導体34が2個、第4スロットに巻線導体34が1個それぞれ収納されていた。一方、本実施例では、第2スロットに巻線導体34が1個、第3スロット及び第4スロットに巻線導体34が2個それぞれ収納さている)。一方、U2相巻線32Uの−相側では、第10スロットにU21−,U22−が収納され、第11スロットにU23−,U24−が収納され、第12スロットにU25−が収納されている。すなわち巻線導体34が1個ずつ前側のスロットにずれていると共に、全体でスロット1個分後側にずれている(第3実施例では、第9スロットに巻線導体34が1個、第10スロット及び第11スロットに巻線導体34が2個それぞれ収納されていた。一方、本実施例では、第10スロット及び第11スロットに巻線導体34が2個、第12スロットに巻線導体34が1個それぞれ収納されている)。V2相巻線32V及びW2相巻線32Wの配置構成もU2相巻線32Uと同様である。
【0066】
図15に示すように、第2の3相巻線32は第1の3相巻線31に対して電気角で24°ずれている。同相の相巻線同士も巻線導体34の接続関係が異なっている。U2相巻線32Uは、U21+を基準として、これにU22+,U23+が電気角で24°すれて接続されている。次いでU24+,U25+が電気角で24°ずれている。V2相巻線32V及びW2相巻線32Wの接続関係もU2相巻線32Uと同様である。また、図14に示すように、U1相巻線31Uの起磁力分布(第3実施例と同様)に対してU2相巻線32Uの起磁力分布は+相側ではスロット1個分ずれ、−相側ではスロット2個分ずれている。また、U2相巻線32Uの起磁力分布は、+相側では初め1段上がり、次いで2段上がり、最後に2段上がる。−相側では初め2段下がり、次いで2段下がり、最後に1段下がる。V2相巻線32V及びW2相巻線32WもU2相巻線32Uと同様の起磁力分布になる。
【0067】
本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32の同相の相巻線同士の電気的な位相をずらしたので、第3実施例と同様に、整流リップル(電流リップル)の振幅(時間的変動)を小さくできる。従って、本実施例では、さらに磁気騒音を低減できる。
【0068】
本発明の第6実施例を図16及び図17に基づいて説明する。本実施例は第4実施例の改良例である。本実施例では、各相巻線を構成する巻線導体34の配置構成を第5実施例と同様にし、第1の3相巻線31及び第2の3相巻線32の同相の相巻線同士を電気的に直列接続し、固定子巻線3を1つのY(スター)結線で構成している。
【0069】
図17に示すように、U相巻線,V相巻線及びW相巻線の接続関係は第4実施例と同様である。U相巻線は、U11+を基準として、これに電気的に同じ関係にあるU12+が接続されている。次いでU13+,U14+,U21+が電気角で24°ずれて接続されている。次いでU15+,U22+,U23+が電気角で24°ずれて接続され、次いでU24+,U25+が電気角で24°ずれて接続されている。V相巻線及びW相巻線もU相巻線と同様の接続関係にある。また、図16に示すように、U相巻線の起磁力分布は+相側と−相側とではステップ数が異なっている。+相側では初め2段上がり、次いで3段上がり、次いで3段上がり、最後に2段上がる。また、−相側では初め1段下がり、次いで2段下がり、次いで4段下がり、次いで2段下がり、最後に1段下がる。V相巻線及びW相巻線もU相巻線と同様の起磁力分布になる。
【0070】
本実施例では、同相の相巻線同士の巻線導体34の配置を、対角線の中心に垂直に交わる線を軸として180°回転させた関係としたので、起磁力分布の立ち上がりと立ち下がりのステップ数が異なり、立ち下がりのステップ数を1段増加できると共に、波高値の中心を基準に上下の形状を対称にでき、直流分を低減できる。従って、本実施例では、3次の波高値が13.1% になり、さらに磁気騒音を低減できる。
【0071】
以上の実施例においては、毎極毎相スロット数が2.5 、スロット2cの個数が90、固定子巻線3の相数が3、回転子4の磁極の極数が12を前提とする車両用交流発電機で磁気騒音を低減するための構成について説明した。以下の実施例においては、それらの条件がいろいろ変わった場合の例、さらなる変形例などについて説明する。
【0072】
本発明の第7実施例を図18及び図19に基づいて説明する。本実施例は、回転子4の磁極の極数が12、スロット2cの個数が72、固定子巻線3の相数が3、毎極毎相スロット数が2の車両用交流発電機である。本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32が電気的に独立して構成され、2つのY(スター)結線が構成されている。各相巻線を構成する巻線導体34は4本で、隣接する2つのスロット2cに渡って配置されている。同相の相巻線同士の電気的な位相のずれはない。第1の3相巻線31を構成する巻線導体34と第2の3相巻線32を構成する巻線導体34のスロット2c内における配置は前例と同様である。
【0073】
また、本実施例では、1スロットピッチは電気角で30°である。各相巻線の+相側から−相側へのスロットピッチと、−相側から+相側へのスロットピッチは同じスロットピッチであり、6スロットピッチである(スロット2cを5個を跨いでいる)。
【0074】
図19に示すように、第1の3相巻線31における各相巻線の接続関係及び第2の3相巻線32における各相巻線の接続関係は前例と同様である。U1相巻線31Uは、U11+を基準として、これに電気的に同じ関係にあるU12+が接続されている。次いでU13+,U14+が電気角で30°ずれて接続されている。V1相巻線31V、W1相巻線31W及びU2相側の各相巻線もU1相巻線31Uと同様の接続関係になる。また、図18に示すように、U1相巻線31Uの起磁力分布は、+相側では初め2段上がり、最後に2段上がる。−相側では初め2段下がり、最後に2段下がる。V1相巻線31V,W1相巻線31W及び
U2相側の各相巻線もU1相巻線31Uと同様の起磁力分布になる。
【0075】
本実施例では、回転子4の磁極に対応するように複数のスロット2cに跨って配置された各相巻線の巻線導体34を、隣接する複数のスロット2cに渡って配置したので、前例と同様に、固定子巻線3の起磁力分布を滑らかでき、起磁力分布に含まれる高調波成分を低減できる。従って、本実施例では、磁気騒音を低減できる。
【0076】
本発明の第8実施例を図20及び図21に基づいて説明する。本実施例は第7実施例の改良例である。本実施例は、第3実施例に倣って、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32の同相の相巻線同士の電気的な位相をずらしている。例えばU1相巻線31Uを構成するU11+〜U14+,U11−〜U14−は第7実施例と同様に構成されている。一方、U2相巻線32Uを構成するU21+〜U24+は、U1相巻線31Uを構成するU11+〜U14+に対してスロット1個分後側に(電気角で30°)ずれている。U2相巻線32Uの−相側も同様で、U1相巻線31Uの−相側に対してスロット1個分後側にずれている。V相巻線及びW相巻線も同様の配置関係にある。
【0077】
図21に示すように、第1の3相巻線31のY(スター)結線に対して第2の3相巻線32のY(スター)結線は全体的に電気角で30°ずれている。各相巻線における巻線導体34の接続関係は第7実施例と同様である。また、図20に示すように、U1相巻線31Uの起磁力分布に対してU2相巻線32Uの起磁力分布もスロット1個分ずれている。尚、各起磁力分布の波形の構成自体は第7実施例と同様である。V相巻線の起磁力分布及びW相巻線の起磁力分布も同様の関係にある。
【0078】
本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32の同相の相巻線同士の電気的な位相をずらしたので、前例と同様に、整流リップル(電流リップル)の振幅(時間的変動)を小さくできる。従って、本実施例では、さらに磁気騒音を低減できる。
【0079】
本発明の第9実施例を図22及び図23に基づいて説明する。本実施例は第8実施例の変形例である。本実施例では、各相巻線を構成する巻線導体34の配置構成を第8実施例と同様にし、第1の3相巻線31及び第2の3相巻線32の同相の相巻線同士を電気的に直列接続し、固定子巻線3を1つのY(スター)結線で構成している。
【0080】
図23に示すように、U相巻線,V相巻線及びW相巻線は前例と同様の接続関係にある。U相巻線は、U11+を基準として、これに電気的に同様の関係にあるU12+が接続されている。次いでU13+,U14+,U21+,U22+が電気角で30°ずれて接続されている。次いでU23+,U24+が電気角で30°ずれて接続されている。V相巻線及びW相巻線もU相巻線と同様の接続関係にある。また、図22に示すように、U相巻線の起磁力分布は、+相側では初め2段上がり、次いで4段上がり、最後に2段上がる。また、−相側では初め2段下がり、次いで4段下がり、最後に2段下がる。V相巻線及びW相巻線もU相巻線と同様の起磁力分布になる。
【0081】
本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32の同相の相巻線同士の電気的な位相をずらしたので、第7実施例と同様の構成において、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32の同相の相巻線同士の電気的に直列接続したものと比較して固定子巻線3の起磁力分布をさらに滑らかにできる。すなわち本実施例では、そのもと比較してステップ状の起磁力分布におけるステップが1つ増える。従って、本実施例では、3次の波高値が17.7% になり、さらに磁気騒音を低減できる。
【0082】
本発明の第10実施例を図24及び図25に基づいて説明する。本実施例は第7実施例の変形例である。本実施例では、各相巻線を構成する巻線導体34を2本としたものである。本実施例でも、各相巻線を構成する巻線導体34は、隣接する2つのスロット2cに渡って配置されている。また、本実施例でも、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32が電気的に独立して構成され、2つのY(スター)結線が構成されている。また、本実施例でも、第3実施例に倣って、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32の同相の相巻線同士の電気的な位相をずらしている。
【0083】
図25に示すように、第1の3相巻線31のY(スター)結線に対して第2の3相巻線32のY(スター)結線は全体的に電気角で30°ずれている。第1の3相巻線31における各相巻線の接続関係及び第2の3相巻線32における各相巻線の接続関係は前例と同様である。U1相巻線31Uは、U11+にU12+が電気角で30°ずれて接続されている。V1相巻線31V、W1相巻線31W及びU2相側の各相巻線もU1相巻線31Uと同様の接続関係になる。また、図24に示すように、U1相巻線31Uの起磁力分布は、+相側では初め1段上がり、最後に1段上がる。−相側では初め1段下がり、最後に1段下がる。V1相巻線31V、W1相巻線31W及びU2相側の各相巻線もU1相巻線31Uと同様の起磁力分布になる。また、U1相巻線31Uの起磁力分布に対してU2相巻線32Uの起磁力分布はスロット1個分ずれている。
【0084】
本実施例では、回転子4の磁極に対応するように複数のスロット2cに跨って配置された各相巻線の巻線導体34を、隣接する複数のスロット2cに渡って配置したので、前例と同様に、固定子巻線3の起磁力分布を滑らかでき、起磁力分布に含まれる高調波成分を低減できる。従って、本実施例では、磁気騒音を低減できる。
【0085】
また、本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32の同相の相巻線同士の電気的な位相をずらしたので、前例と同様に、整流リップル(電流リップル)の振幅(時間的変動)を小さくできる。従って、本実施例では、さらに磁気騒音を低減できる。
【0086】
また、本実施例では、スロット2cの形状をオープンスロットとし、1つの3相巻線を治具を用いて固定子鉄心2の内周側からスロット2cの内部に挿入することにより、固定子巻線3を構成できる。このような構成では、固定子鉄心2の軸方向一端側からU字状の巻線導体34を挿入し、固定子鉄心2の軸方向他端側で他の巻線導体34と溶接などで接続することがないので、固定子巻線3の組み込み作業性を向上できる。また、本実施例では、固定子巻線3の形状が一体型の柵状であるので、一旦縮めてスロット2cに挿入すれば、特にスロット2cの開口部にライナーなどを設けなくとも固定子巻線3のスロット2cからの飛び出しを防止できる。また、固定子巻線3はワニスによってスロット2c内に固着されているので、振動などによって動くこともない。このような構成は、他の実施例においても適用できる。
【0087】
本発明の第11実施例について図26及び図27を基づいて説明する。本実施例は、回転子4の磁極の極数が12、スロット2cの個数が108、固定子巻線3の相数が3、毎極毎相スロット数が3の車両用交流発電機である。本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32が電気的に独立して構成され、2つのY(スター)結線が構成されている。各相巻線を構成する巻線導体34は6本で、隣接する3つのスロット2cに渡って配置されている。同相の相巻線同士は電気的な位相がずれている(スロット1個分)。第1の3相巻線31を構成する巻線導体34と第2の3相巻線32を構成する巻線導体34のスロット2c内における配置は前例と同様である。
【0088】
また、本実施例では、1スロットピッチは電気角で20°である。各相巻線の+相側から−相側へのスロットピッチと、−相側から+相側へのスロットピッチは同じスロットピッチであり、9スロットピッチである(スロット2cを8個を跨いでいる)。
【0089】
図27に示すように、第1の3相巻線31のY(スター)結線に対して第2の3相巻線32のY(スター)結線は全体的に電気角で30°ずれている。第1の3相巻線31における各相巻線の接続関係及び第2の3相巻線32における各相巻線の接続関係は前例と同様である。U1相巻線31Uは、U11+を基準として、これに電気的に同じ関係にあるU12+が接続されている。次いでU13+,U14+が電気角で20°ずれて接続されている。次いでU15+,U16+が電気角で20°ずれて接続されている。V1相巻線31V、W1相巻線31W及びU2相側の各相巻線もU1相巻線31Uと同様の接続関係になる。また、図26に示すように、U1相巻線31Uの起磁力分布は、+相側では初め2段上がり、次いで2段上がり、最後に2段上がる。−相側では初め2段下がり、次いで2段下がり、最後に2段下がる。V1相巻線31V,W1相巻線31W及びU2相側の各相巻線もU1相巻線31Uと同様の起磁力分布になる。また、U1相巻線31Uの起磁力分布に対してU2相巻線32Uの起磁力分布はスロット1個分ずれている。
【0090】
本実施例では、回転子4の磁極に対応するように複数のスロット2cに跨って配置された各相巻線の巻線導体34を、隣接する複数のスロット2cに渡って配置したので、前例と同様に、固定子巻線3の起磁力分布を滑らかでき、起磁力分布に含まれる高調波成分を低減できる。従って、本実施例では、磁気騒音を低減できる。
【0091】
また、本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32の同相の相巻線同士の電気的な位相をずらしたので、前例と同様に、整流リップル(電流リップル)の振幅(時間的変動)を小さくできる。従って、本実施例では、さらに磁気騒音を低減できる。尚、本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32の同相の相巻線同士の電気的な位相をストット1個分ずらしたが、これをスロット2個分としてもよい。
【0092】
本発明の第12実施例を図28及び図29に基づいて説明する。本実施例は第3実施例の変形例である。本実施例では、第3実施例の構成に対して第3の3相巻線33を追加したものであり、第1の3相巻線31乃至第3の3相巻線33が電気的に独立して構成され、3つのY(スター)結線が構成されている。U3相巻線33Uは、U2相巻線32Uに対してスロット1個(電気角で24°)ずれており、U1相巻線31Uに対してはスロット2個(電気角で48°)ずれている。V相巻線及びW相巻線もU相巻線と同様の配置構成である。また、第3の3相巻線33の各相巻線における巻線導体34の配置構成は、他の巻線の各相巻線における巻線導体34と同様である。
【0093】
図29に示すように、第1の3相巻線31のY(スター)結線に対して第2の3相巻線32のY(スター)結線は全体的に電気角で24°ずれている。第2の3相巻線32のY(スター)結線に対して第3の3相巻線33のY(スター)結線は全体的に電気角で24°ずれている。第1の3相巻線31における各相巻線の接続関係、第2の3相巻線32における各相巻線の接続関係及び第3の3相巻線33における各相巻線の接続関係は第3実施例と同様である。また、図28に示すように、U1相巻線31Uの起磁力分布に対してU2相巻線32Uの起磁力分布もスロット1個分ずれている。U2相巻線32Uの起磁力分布に対してU3相巻線33Uの起磁力分布もスロット1個分ずれている。尚、各起磁力分布の波形の構成自体は第3実施例と同様である。V相巻線の起磁力分布及びW相巻線の起磁力分布も同様の関係にある。
【0094】
第1の3相巻線31のY(スター)結線,第2の3相巻線32のY(スター)結線及び第3の3相巻線33のY(スター)結線の出力はそれぞれ整流され、合成されている。
【0095】
本実施例では、第1の3相巻線31乃至第3の3相巻線33の同相の相巻線同士の電気的な位相をずらしたので、整流リップル(電流リップル)が基本波の周期の18倍となり、第3実施例よりもさらに整流リップル(電流リップル)の振幅(時間的変動)を小さくできる。従って、本実施例では、さらに磁気騒音を低減できる。
【0096】
本発明の第13実施例を図30及び図31に基づいて説明する。本実施例は第3実施例の変形例である。本実施例では、第1の3相巻線31を第3実施例と同様に構成して1つのY(スター)結線を構成し、第2の3相巻線32の各相巻線における巻線導体34の本数を10本としてもう1つのY(スター)結線を構成している。例えばU2相巻線32Uの+相側はU21+〜U210+から構成されている。U21+〜U210+は、隣接する3つのスロット(第2スロットから第4スロット)に渡って配置されている。すなわち第2スロットにはU21+〜U24+が収納され、第3スロットにはU25+〜U28+が収納され、第4スロットにはU29+,U210+が収納されている。U2相巻線32Uの−相側はU21−〜U210−から構成されている。U21−〜U210−は、隣接する3つのスロット(第9スロットから第11スロット)に渡って配置されている。すなわち第9スロットにはU21−,U22−が収納され、第10スロットにはU23−〜U26−が収納され、第11スロットにはU27−〜U210−が収納されている。U2相巻線32UはU1相巻線31Uに対してスロット1個分(電気角で24°)ずれている。V相巻線及びW相巻線もU相巻線と同様の配置構成になる。
【0097】
図31に示すように、第1の3相巻線31のY(スター)結線に対して第2の3相巻線32のY(スター)結線は全体的に電気角で24°ずれている。第1の3相巻線31における各相巻線の接続関係は第3実施例と同様である。U2相巻線32Uは、U21+を基準として、これに電気的に同じ関係にあるU22+〜U24+が接続されている。次いでU25+〜U28+が電気角で24°ずれて接続されている。次いでU29+,U210+が電気角で24°ずれて接続されている。V2相巻線32V及びW2相巻線32WもU2相巻線32Uと同様の接続関係になる。
【0098】
また、図30に示すように、U1相巻線31Uの起磁力分布は第3実施例と同様になる。U2相巻線32Uの起磁力分布はU1相巻線31Uの起磁力分布に対してスロット1個分ずれている。U2相巻線32Uの起磁力分布の+相側では初め4段上がり、次いで4段上がり、最後に2段上がる。U2相巻線32Uの起磁力分布の−相側では初め2段下がり、次いで4段下がり、最後に4段下がる。
V2相巻線32V及びW2相巻線32WもU2相巻線32Uと同様の起磁力分布になる。
【0099】
第1の3相巻線31の出力は整流器19aによって整流され、バッテリ40aや電気負荷50aに供給される。第2の3相巻線32の出力は整流器19bによって整流され、バッテリ40bや電気負荷50bに出力される。すなわちこのような構成は、出力電圧12Vのバッテリとその出力で駆動される電気負荷、出力電圧36Vのバッテリとその出力で駆動される電気負荷を両方備えた自動車において、車両用交流発電機を1個とする場合に有効である。また、バッテリとその出力で駆動される電気負荷を有すると共に、車両用交流発電機の出力を直接受けて電動機を駆動して車両を駆動する自動車において、車両用交流発電機を1個とする場合に有効である。
【0100】
本実施例では、回転子4の磁極に対応するように複数のスロット2cに跨って配置された各相巻線の巻線導体34を、隣接する複数のスロット2cに渡って配置したので、前例と同様に、固定子巻線3の起磁力分布を滑らかでき、起磁力分布に含まれる高調波成分を低減できる。従って、本実施例では、磁気騒音を低減できる。
【0101】
尚、本実施例の構成は、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32或いは第1の3相巻線31乃至第3の3相巻線33を電気的に独立して構成する他の実施例にも適用できる。また、本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32Uの同相の相巻線同士の電気的な位相をずらしたが、電気的に同相としてもよい。
【0102】
本発明の第14実施例を図32及び図33に基づいて説明する。本実施例は第1実施例の改良例である。第1実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32を電気的に独立して構成し、第1の3相巻線31を構成する巻線導体34をスロット2c内のコアバック2a側、第2の3相巻線32を構成する巻線導体34をスロット2c内のスロット開口部側にそれぞれ配置したことによる出力電流のアンバランスを、巻線の長さを調節して解消した。これに対して本実施例では、第1の3相巻線31を構成する巻線導体34の1部と第2の3相巻線32を構成する巻線導体34の1部のスロット2c内における配置位置を変え、出力電流のバランスを調整している。第1の3相巻線31及び第2の3相巻線32のそれぞれの出力は個別に整流され、合成される。
【0103】
ここで、U1相巻線31U,U2相巻線32Uを例に挙げ、それぞれを構成する巻線導体34のスロット2c内における配置位置を説明する。まず、U1相巻線31Uの+相側ではU11+が第1スロットの2段目に配置されている。第2スロットの1段目,2段目にはU12+,U13+が配置され、第4スロットの3段目,4段目にはU14+,U15+が配置されている。U2相巻線32Uの+相側ではU21+が第2スロットの4段目に配置されている。第3スロットの1段目〜4段目にはU22+〜U25+が配置されている。このように、U相巻線の+相側においては、U14+,U15+の配置とU22+,U23+の配置が入れ替っている。
【0104】
一方、U1相巻線31Uの−相側ではU11−,U12−が第9スロットの1段目,2段目に配置されている。第10スロットの1段目にはU13−が配置されている。第11スロットの4段目にはU14−が配置されれている。第12スロットの3段目にはU15−が配置されている。U2相巻線32Uの−相側では第10スロットの2段目,3段目,4段目にU22−,U21−,U24−が配置されている。第11スロットの1段目,3段目にはU23−,U25−が配置されている。このように、U相巻線の−相側においては、U14−,U15−の配置とU22−,U23−の配置が入れ替っている。V相巻線及びW相巻線もU相巻線と同様の配置構成になる。
【0105】
図33に示すように、U1相巻線31Uの起磁力分布は+相側では初め1段上がり、次いで2段上がり、スロット1個分平行移動して最後に2段上がる。−相側では初め2段下がり、次いで1段下がり、次いで1段下がり、最後に1段下がる。一方、U2相巻線32Uの起磁力分布は+相側では初め1段上がり、最後に4段上がる。−相側では初め3段下がり、最後に2段下がる。V相巻線及びW相巻線もU相巻線と同様の起磁力分布になる。
【0106】
次に、固定子巻線3のスロット2cへの組み込み方を図32に基づいて説明する。図32は、U1相巻線31U、U2相巻線32Uのスロット2cへの組み込み方を示す。図上段の固定子鉄心2は、スロット2cのスロット開口側の2段に組み込まれる巻線を示すためのものである。図下段の固定子鉄心2は、スロット2cのコアバック2a側の2段に組み込まれる巻線を示すためのものである。また、図中実線は右回りの巻線、点線は左回りの巻線を示す。
【0107】
まず、U1相巻線31Uは、巻始め31USから始まり、第1スロットの2段目(U11+)→第9スロットの1段目(U11−)→…→第2スロットの2段目(U13+)→第10スロットの1段目(U13−)→…→第4スロットの4段目(U15+)→第12スロットの3段目(U15−)→…というように順次に組み込まれ、接続線36を介して組み込み方向が反転され、第4スロットの3段目(U14+)→…→第11スロットの4段目(U14−)→第2スロットの1段目(U12+)→…→第9スロットの2段目(U12−)というように順次に組み込まれ、巻終わり(中性点)31UEで終了する。
【0108】
次に、U2相巻線32Uは、巻始め32USから始まり、第2スロットの4段目(U21+)→第10スロットの3段目(U21−)→…→第3スロットの4段目(U25+)→第11スロットの3段目(U25−)→…→第3スロットの2段目(U23+)→第11スロットの1段目(U23−)→…というように順次に組み込まれ、接続線35を介して組み込み方向が反転され、第3スロットの1段目(U22+)→…→第10スロットの2段目(U22−)→第3スロットの3段目(U24+)→…→第10スロットの4段目(U24−)というように順次に組み込まれ、巻終わり(中性点)32UEで終了する。V相巻線及びW相巻線もU相巻線と同様に組み込まれる。
【0109】
本実施例では、回転子4の磁極に対応するように複数のスロット2cに跨って配置された各相巻線の巻線導体34を、隣接する複数のスロット2cに渡って配置したので、前例と同様に、固定子巻線3の起磁力分布を滑らかでき、起磁力分布に含まれる高調波成分を低減できる。従って、本実施例では、磁気騒音を低減できる。
【0110】
また、本実施例では、第1の3相巻線31を構成する巻線導体34の1部と第2の3相巻線32を構成する巻線導体34の1部のスロット2c内における配置位置を変えたので、第1の3相巻線31及び第2の3相巻線32のそれぞれの出力電流を平均化できる。
【0111】
本発明の第15実施例を図34及び図35に基づいて説明する。本実施例は第14実施例の改良例である。本実施例では、第1の3相巻線31を構成する巻線導体34の1部と第2の3相巻線32を構成する巻線導体34の1部のスロット2c内における配置位置を変え、第14実施例と同様に出力電流のバランスを調整している。また、本実施例では、同相の相巻線同士の電気的な位相の中心がずれるように、第1の3相巻線31及び第2の3相巻線32のそれぞれを構成する巻線導体34の配置構成を変更している。
【0112】
ここで、U1相巻線31U、U2相巻線32Uを例に挙げ、それぞれを構成する巻線導体34のスロット2c内における配置位置を説明する。まず、U1相巻線31Uの+相側ではU11+が第1スロットの2段目に配置されている。第2スロットの1段目,2段目にはU12+,U13+が配置されされている。第4スロットの3段目,4段目にはU14+,U15+が配置されている。U2相巻線32Uの+相側ではU21+,U21+が第3スロットの1段目,2段目に配置されている。第4スロットの3段目,4段目にはU23+,U24+が配置され、第5スロットの4段目にはU25+が配置されている。このように、U相巻線の+相側においては、U14+,U15+の配置とU21+,U22+の配置が入れ替っている。
【0113】
一方、U1相巻線31Uの−相側ではU11−,U12−が第9スロットの1段目,2段目に配置されている。第10スロットの1段目にはU13−が配置され、第10スロットの3段目にはU15−が配置されている。第11スロットの4段目にはU14−が配置されれている。U2相巻線32Uの−相側では第10スロットの2段目にU21−が配置されている。第11スロットの1段目,3段目にはU22−,U24−が配置されている。第12スロットの3段目,4段目にはU25−,U23−が配置されている。このように、U相巻線の−相側においては、U14−,U15−の配置とU21−,U22−の配置が入れ替っている。V相巻線及びW相巻線もU相巻線と同様の配置構成になる。
【0114】
図35に示すように、U1相巻線31Uの起磁力分布は+相側では初め1段上がり、次いで2段上がり、最後に2段上がる。−相側では初め2段下がり、次いで2段下がり、最後に1段下がる。一方、U2相巻線32Uの起磁力分布は+相側では初め2段上がり、次いで2段上がり、最後に1段上がる。−相側では初め1段下がり、次いで2段下がり、最後に2段下がる。U1相巻線31Uの起磁力分布とU2相巻線32Uの起磁力分布は+相側ではスロット2個分ずれ、−相側ではスロット1個分ずれている。V相巻線及びW相巻線もU相巻線と同様の起磁力分布になる。
【0115】
次に、固定子巻線3のスロット2cへの組み込み方を図34に基づいて説明する。図34は、U1相巻線31U,U2相巻線32Uのスロット2cへの組み込み方を示す。図上段の固定子鉄心2は、スロット2cのスロット開口側の2段に組み込まれる巻線を示すためのものである。図下段の固定子鉄心2は、スロット2cのコアバック2a側の2段に組み込まれる巻線を示すためのものである。また、図中実線は右回りの巻線、点線は左回りの巻線を示す。
【0116】
まず、U1相巻線31Uは、巻始め31USから始まり、第1スロットの2段目(U11+)→第9スロットの1段目(U11−)→…→第2スロットの2段目(U13+)→第10スロットの1段目(U13−)→…→第3スロットの4段目(U15+)→第10スロットの3段目(U15−)→…というように順次に組み込まれ、接続線36を介して組み込み方向が反転され、第3スロットの3段目(U14+)→…→第11スロットの4段目(U14−)→第2スロットの1段目(U12+)→…→第9スロットの2段目(U12−)というように順次に組み込まれ、巻終わり(中性点)31UEで終了する。
【0117】
次に、U2相巻線32Uは、巻始め32USから始まり、第5スロットの4段目(U25+)→第12スロットの3段目(U25−)→…→第4スロットの4段目(U24+)→第11スロットの3段目(U24−)→…→第3スロットの2段目(U22+)→第11スロットの1段目(U22−)→…というように順次に組み込まれ、接続線35を介して組み込み方向が反転され、第3スロットの1段目(U21+)→…→第10スロットの2段目(U21−)→第4スロットの3段目(U23+)→…→第12スロットの4段目(U23−)というように順次に組み込まれ、巻終わり(中性点)32UEで終了する。V相巻線及びW相巻線もU相巻線と同様に組み込まれる。
【0118】
本実施例では、回転子4の磁極に対応するように複数のスロット2cに跨って配置された各相巻線の巻線導体34を、隣接する複数のスロット2cに渡って配置したので、前例と同様に、固定子巻線3の起磁力分布を滑らかでき、起磁力分布に含まれる高調波成分を低減できる。従って、本実施例では、磁気騒音を低減できる。
【0119】
また、本実施例では、第1の3相巻線31を構成する巻線導体34の1部と第2の3相巻線32を構成する巻線導体34の1部のスロット2c内における配置位置を変えたので、第1の3相巻線31及び第2の3相巻線32のそれぞれの出力電流を平均化できる。
【0120】
また、本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32の同相の相巻線同士の電気的な位相をずらしたので、前例と同様に、整流リップル(電流リップル)の振幅(時間的変動)を小さくできる。従って、本実施例では、さらに磁気騒音を低減できる。
【0121】
【発明の効果】
以上本発明では、固定子巻線の起磁力分布を滑らかにできる。また、本発明では、回転子の磁極の極数と固定子鉄心のスロットの個数から決定されるトルクリップルの次数を増加できる。従って、本発明では、磁気騒音を低減できる車両用交流発電機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である車両用交流発電機の固定子巻線における巻線導体の配置と、固定子巻線の起磁力分布特性を示す図。
【図2】本発明の第1実施例である車両用交流発電機の固定子巻線のスロット組み込み順序を示す結線図。
【図3】本発明の第1実施例である車両用交流発電機の固定子巻線の回路構成を示す回路図。
【図4】本発明の第1実施例である車両用交流発電機の全体構成を示す断面図。
【図5】回転子の磁極1極当たりの1相分の巻線の本数を4,5,6とした場合における、車両用交流発電機の回転数に対する車両交流発電機の発電電流の変化を示す特性図である。
【図6】回転子の磁極の極数と固定子のスロットの個数から決定されるトルクリップルの次数(最小公倍数)と、回転子の磁極の極数、固定子のスロットの個数及び固定子巻線の相数によって決定される毎極毎相スロット数との関係を示す図。
【図7】本発明の第2実施例である車両用交流発電機の固定子巻線における巻線導体の配置と、固定子巻線の起磁力分布特性を示す図。
【図8】本発明の第2実施例である車両用交流発電機の固定子巻線の回路構成を示す回路図。
【図9】本発明の第3実施例である車両用交流発電機の固定子巻線における巻線導体の配置と、固定子巻線の起磁力分布特性を示す図。
【図10】本発明の第3実施例である車両用交流発電機の固定子巻線の回路構成を示す回路図。
【図11】本発明の第4実施例である車両用交流発電機の固定子巻線における巻線導体の配置と、固定子巻線の起磁力分布特性を示す図。
【図12】本発明の第4実施例である車両用交流発電機の固定子巻線の回路構成を示す回路図。
【図13】車両用交流発電機の回転数に対する車両交流発電機の騒音レベルの変化を示す特性図であり、第2実施例における騒音レベルと第4実施例における騒音レベルの比較を示す。
【図14】本発明の第5実施例である車両用交流発電機の固定子巻線における巻線導体の配置と、固定子巻線の起磁力分布特性を示す図。
【図15】本発明の第5実施例である車両用交流発電機の固定子巻線の回路構成を示す回路図。
【図16】本発明の第6実施例である車両用交流発電機の固定子巻線における巻線導体の配置と、固定子巻線の起磁力分布特性を示す図。
【図17】本発明の第6実施例である車両用交流発電機の固定子巻線の回路構成を示す回路図。
【図18】本発明の第7実施例である車両用交流発電機の固定子巻線における巻線導体の配置と、固定子巻線の起磁力分布特性を示す図。
【図19】本発明の第7実施例である車両用交流発電機の固定子巻線の回路構成を示す回路図。
【図20】本発明の第8実施例である車両用交流発電機の固定子巻線における巻線導体の配置と、固定子巻線の起磁力分布特性を示す図。
【図21】本発明の第8実施例である車両用交流発電機の固定子巻線の回路構成を示す回路図。
【図22】本発明の第9実施例である車両用交流発電機の固定子巻線における巻線導体の配置と、固定子巻線の起磁力分布特性を示す図。
【図23】本発明の第9実施例である車両用交流発電機の固定子巻線の回路構成を示す回路図。
【図24】本発明の第10実施例である車両用交流発電機の固定子巻線における巻線導体の配置と、固定子巻線の起磁力分布特性を示す図。
【図25】本発明の第10実施例である車両用交流発電機の固定子巻線の回路構成を示す回路図。
【図26】本発明の第11実施例である車両用交流発電機の固定子巻線における巻線導体の配置と、固定子巻線の起磁力分布特性を示す図。
【図27】本発明の第11実施例である車両用交流発電機の固定子巻線の回路構成を示す回路図。
【図28】本発明の第12実施例である車両用交流発電機の固定子巻線における巻線導体の配置と、固定子巻線の起磁力分布特性を示す図。
【図29】本発明の第12実施例である車両用交流発電機の固定子巻線の回路構成を示す回路図。
【図30】本発明の第13実施例である車両用交流発電機の固定子巻線における巻線導体の配置と、固定子巻線の起磁力分布特性を示す図。
【図31】本発明の第13実施例である車両用交流発電機の固定子巻線の回路構成を示す回路図。
【図32】本発明の第14実施例である車両用交流発電機の固定子巻線のスロット組み込み順序を示す結線図。
【図33】本発明の第14実施例である車両用交流発電機の固定子巻線における巻線導体の配置と、固定子巻線の起磁力分布特性を示す図。
【図34】本発明の第15実施例である車両用交流発電機の固定子巻線のスロット組み込み順序を示す結線図。
【図35】本発明の第15実施例である車両用交流発電機の固定子巻線における巻線導体の配置と、固定子巻線の起磁力分布特性を示す図。
【符号の説明】
1…固定子、2…固定子鉄心、2c…スロット、3…固定子巻線、4…回転子、31…第1の3相巻線、32…第2の3相巻線、33…第3の3相巻線、34…巻線導体、31U…U1相巻線、31V…V1相巻線、31W…W1相巻線、32U…U2相巻線、32V…V2相巻線、32W…W2相巻線、33U…U3相巻線、33V…V3相巻線、33W…W3相巻線、100…車両用交流発電機。

Claims (21)

  1. 複数のスロットが形成された固定子鉄心を有すると共に、前記複数のスロットのそれぞれに収納された複数の導体で固定子巻線が構成された固定子と、
    回転方向に極性が交互に異なるように配置された複数の磁極を有すると共に、前記固定子に空隙を介して設けられた回転子とを有し、
    隣接する3つの前記スロットに渡って配置されると共に、前記複数の磁極に対応するように複数の前記スロットを跨いで配置された複数の前記導体が電気的に接続されて1相分の相巻線が構成され、
    該相巻線がいくつか構成されて1つの多相巻線が構成され、
    該多相巻線の巻数はそれぞれ同一の巻数を有しており、
    該多相巻線を互いに電気的に並列接続して構成され
    前記相巻線は、前記磁極の1極当たり5本の前記導体で構成されていることを特徴とする車両用交流発電機。
  2. 複数のスロットが形成された固定子鉄心を有すると共に、前記複数のスロットのそれぞれに収納された複数の導体で固定子巻線が構成された固定子と、
    回転方向に極性が交互に異なるように配置された複数の磁極を有すると共に、前記固定子に空隙を介して設けられた回転子とを有し、
    隣接する3つの前記スロットに渡って配置されると共に、前記複数の磁極に対応するように複数の前記スロットを跨いで配置された複数の前記導体が電気的に接続されて1相分の相巻線が構成され、
    該相巻線がいくつか構成されて1つの多相巻線が構成され、
    該多相巻線の巻数はそれぞれ同一の巻数を有しており、
    該多相巻線を互いに電気的に並列接続して構成され
    前記磁極の極数が12、前記スロットの個数が90、前記固定子巻線の相数が3であることを特徴とする車両用交流発電機。
  3. 複数のスロットが形成された固定子鉄心を有すると共に、前記複数のスロットのそれぞれに収納された複数の導体で固定子巻線が構成された固定子と、
    回転方向に極性が交互に異なるように配置された複数の磁極を有すると共に、前記固定子に空隙を介して設けられた回転子とを有し、
    隣接する3つの前記スロットに渡って配置されると共に、前記複数の磁極に対応するように複数の前記スロットを跨いで配置された複数の前記導体が電気的に接続されて1相分の相巻線が構成され、
    該相巻線がいくつか構成されて1つの多相巻線が構成され、
    該多相巻線の巻数はそれぞれ同一の巻数を有しており、
    該多相巻線を互いに電気的に並列接続して構成され
    前記磁極の極数が16、前記スロットの個数が120、前記固定子巻線の相数が3であることを特徴とする車両用交流発電機。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用交流発電機において、
    前記複数の多相巻線は、同相の前記相巻線同士が電気的に接続されていることを特徴とする車両用交流発電機。
  5. 請求項に記載の車両用交流発電機において、
    前記複数の多相巻線における同相の前記相巻線同士は電気的な位相がずれていることを特徴とする車両用交流発電機。
  6. 請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用交流発電機において、
    前記複数の多相巻線は電気的に独立して構成されていることを特徴とする車両交流発電機。
  7. 請求項に記載の車両用交流発電機において、
    前記複数の多相巻線における同相の前記相巻線同士は電気的な位相がずれていることを特徴とする車両用交流発電機。
  8. 請求項に記載の車両用交流発電機において、
    前記複数の多相巻線は、それぞれから出力される電力値が異なることを特徴とする車両用交流発電機。
  9. 請求項に記載の車両用交流発電機において、
    前記相巻線を構成する前記導体の個数が前記複数の多相巻線のそれぞれで異なることを特徴とする車両用交流発電機。
  10. 請求項に記載の車両用交流発電機において、
    前記複数の多相巻線のそれぞれを構成する前記導体の1部は、前記スロットにおける配置位置が、他の前記多相巻線を構成する前記導体の1部と入れ替っていることを特徴とする車両用交流発電機。
  11. 請求項に記載の車両用交流発電機において、複数の多相巻線のそれぞれを構成する前記導体は、同相の前記相巻線同士の電気的な位相の中心がずれるように配置されていることを特徴とする車両用交流発電機。
  12. 複数のスロットが形成された固定子鉄心を有すると共に、前記複数のスロットのそれぞれに収納された複数の導体で固定子巻線が構成された固定子と、
    回転方向に極性が交互に異なるように配置された複数の磁極を有すると共に、前記固定子に空隙を介して設けられた回転子とを有し、
    前記固定子巻線の相数,前記スロットの個数及び前記磁極の極数から決定される毎極毎相スロット数が2.5になるように複数の前記スロットに配置された複数の前記導体が電気的に接続されて1相分の相巻線が構成され、
    該相巻線がいくつか構成されて1つの多相巻線が構成され、
    該多相巻線の巻数はそれぞれ同一の巻数を有しており、
    該多相巻線を互いに電気的に並列接続して構成され
    前記磁極の極数が12、前記スロットの個数が90、前記固定子巻線の相数が3であることを特徴とする車両用交流発電機。
  13. 複数のスロットが形成された固定子鉄心を有すると共に、前記複数のスロットのそれぞれに収納された複数の導体で固定子巻線が構成された固定子と、
    回転方向に極性が交互に異なるように配置された複数の磁極を有すると共に、前記固定子に空隙を介して設けられた回転子とを有し、
    前記固定子巻線の相数,前記スロットの個数及び前記磁極の極数から決定される毎極毎相スロット数が2.5になるように複数の前記スロットに配置された複数の前記導体が電気的に接続されて1相分の相巻線が構成され、
    該相巻線がいくつか構成されて1つの多相巻線が構成され、
    該多相巻線の巻数はそれぞれ同一の巻数を有しており、
    該多相巻線を互いに電気的に並列接続して構成され
    前記磁極の極数が16、前記スロットの個数が120、前記固定子巻線の相数が3であることを特徴とする車両用交流発電機。
  14. 請求項12又は13に記載の車両用交流発電機において、
    前記複数の多相巻線は、同相の前記相巻線同士が電気的に接続されていることを特徴とする車両用交流発電機。
  15. 請求項1に記載の車両用交流発電機において、
    前記複数の多相巻線における同相の前記相巻線同士は電気的な位相がずれていることを特徴とする車両用交流発電機。
  16. 請求項12又は13に記載の車両用交流発電機において、
    前記複数の多相巻線は電気的に独立して構成されていることを特徴とする車両交流発電機。
  17. 請求項1に記載の車両用交流発電機において、
    前記複数の多相巻線における同相の前記相巻線同士は電気的な位相がずれていることを特徴とする車両用交流発電機。
  18. 請求項12又は13に記載の車両用交流発電機において、
    前記複数の多相巻線は、それぞれから出力される電力値が異なることを特徴とする車両用交流発電機。
  19. 請求項1に記載の車両用交流発電機において、
    前記相巻線を構成する前記導体の個数が前記複数の多相巻線のそれぞれで異なることを特徴とする車両用交流発電機。
  20. 請求項12又は13に記載の車両用交流発電機において、
    前記複数の多相巻線のそれぞれを構成する前記導体の1部は、前記スロットにおける配置位置が、他の前記多相巻線を構成する前記導体の1部と入れ替っていることを特徴とする車両用交流発電機。
  21. 請求項18に記載の車両用交流発電機において、
    前記複数の多相巻線のそれぞれを構成する前記導体は、同相の前記相巻線同士の電気的な位相の中心がずれるように配置されていることを特徴とする車両用交流発電機。
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