JP3589923B2 - 電極パターン検査装置および電極パターン検査方法 - Google Patents

電極パターン検査装置および電極パターン検査方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に形成されたストライプ状の電極パターンに生じている欠陥を検査する電極パターン検査装置、および電極パターン検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高精細な文字や図形を表示可能とする大型の液晶表示素子では、液晶表示素子を構成する一対の透光性基板の一方に、複数のストライプ状の透明電極が非常に細かいピッチの電極パターンとなるように形成されている。
【0003】
このような透明電極付きの透光性基板の製造工程で、上記電極パターンの欠陥を検査するための技術として、▲1▼特開平5−333357号公報に開示されている方法や、▲2▼特開平2−230188号公報に開示されている方法が一般的に用いられている。
【0004】
上記▲1▼の方法では、図6に示すように、第一電圧検査用端子102、電圧印加用端子103、第二電圧検査用端子104、検査電圧印加回路105、欠陥検出回路106、およびショート・断線記憶回路107を備える検査装置101を用いる。上記電圧印加用端子103は検査電圧印加回路105に接続されており、第一・第二電圧検査用端子102・104は欠陥検出回路106に接続されている。また、欠陥検出回路106はショート・断線記憶回路107に接続されているとともにアースされている。
【0005】
透光性基板120上には上述したように複数のストライプ状の透明電極(電極パターン)121…が形成されており、そのうちの1つである透明電極121aの一端に上記電圧印加用端子103を接触させ、他端に第一電圧検査用端子102を接触させる。同時に、透明電極121aに隣り合う透明電極121bの他端に第二電圧検査用端子104を接触させる。上記検査電圧印加回路105により電圧を供給した際に、電圧印加用端子103と第一電圧検査用端子102との間で導通が見られなければ、欠陥検出回路106が透明電極121aに断線の欠陥があると検出する。また、電圧印加用端子103と第二電圧検査用端子104との間で導通が見られれば、欠陥検出回路106が透明電極121a・121b間にショートの欠陥があると検出する。検出した上記各欠陥情報はショート・断線記憶回路107に出力され記憶される。
【0006】
電圧印加用端子103、第一・第二電圧印加用端子102・104の3本の端子を、ストライプ状の透明電極121…に直交する方向に走査することによって、透光性基板120上の全ての透明電極121…について断線およびショートの有無を検査することができる。
【0007】
これに対して▲2▼の方法では、図7に示すように、ストライプ状の透明電極(電極パターン)123の周囲に形成され、該透明電極123と1本おきに接続されている共通電極124を有する透光性基板122を用いている。すなわち、▲2▼の方法に用いられる透光性基板122は、共通電極124に接続された透明電極123aと接続されていない透明電極123bとを1本おきに交互に設けている構成となっている。また、図7に示すように、この方法で用いられる検査装置110の構成は、2本の電圧検査用端子を用いずに、1本の電圧検査用端子108を用いている以外は、上記▲1▼の方法で用いられる検査装置101の構成とほぼ同一である。
【0008】
上記電圧印加用端子103を上記共通電極124に接触させる一方、電圧検査用端子108を透明電極123の一端に接触させて透明電極123に直交する方向に走査する。共通電極124に接続されていない透明電極123aの場合、ショートがなければ欠陥検出回路106は電圧検査用端子108から電圧を検出せず、ショートがあれば電圧を検出する。これに対して共通電極124に接続されている透明電極123bの場合、断線がなければ欠陥検出回路106は電圧検査用端子108から電圧を検出するが、断線があれば電圧を検出しない。
【0009】
したがって、透明電極123に断線やショートの異常がなければ、透明電極123…を走査していくと、電圧を検出する透明電極123(共通電極124と接続されている透明電極123b)と検出しない透明電極123(共通電極124と接続されていない透明電極123a)とが交互に見られるが、断線あるいはショートがあれば、電圧を検出する透明電極123あるいは検出しない透明電極123が連続して見られることになる。
【0010】
そこで、電圧を検出する、あるいはしない透明電極123が連続して存在することを断線またはショートの欠陥として欠陥検出回路106で検出し、欠陥情報としてショート・断線記憶回路107に出力し、ショート・断線記憶回路107では該欠陥情報を記憶する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来の検査方法には、下記のような問題点がある。
まず、▲1▼の方法では、検査可能な透明電極121が完全なストライプ状のものに限定されてしまう。これは、▲1▼の方法で用いられる電圧印加用端子103と第一・第二電圧検出用端子102・104とは透明電極121の端部に対して点接触するため、透明電極121の何れかの端部のピッチが異なると正しい電気回路が形成されず、検査ができなくなるためである。
【0012】
また、▲1▼の方法は、各端子の位置と透光性基板120上に形成された複数の透明電極121…との間に高い位置精度が必要となる。つまり、各端子の平行状態が正確かつ精度よく設定されないと、透明電極121…との間に正しい電気回路が形成されなくなる。同様に、透光性基板120上で透明電極121…の位置が正確かつ精度よく形成されないと、検査する透光性基板120毎に各端子の平行状態を設定しなければならなくなる。このような高い位置精度を実現するためには、高精度の位置決め機構が必要になり、コストの増大を招来する。
【0013】
さらに、▲1▼の方法では、透明電極121の一端が上述した共通電極124に全て接続されている電極パターンの検査ができない。つまり、▲1▼の方法では、電圧印加用端子103および第一電圧検出用端子102を同じ透明電極121aの両端に接触させ、隣接する透明電極121bに第二電圧検出用端子104を接触させるが、透光性基板120に透明電極121…全てと接続される共通電極124が設けられているとすると(図示せず)、検査電圧印加回路105による電圧の印加によって共通電極124を介して隣接する透明電極121a・121bの両方に同じように電圧がかかることになる。そのため、第一・第二電圧検出用端子102・104から同じ値の電圧が検出されることになる。
【0014】
この場合、電圧印加用端子103と第一電圧検出用端子102とが接触している透明電極121aでは、断線は検出できるが、第二電圧検出用端子104が接触している透明電極121bでは、第一電圧検出用端子102と接触している透明電極121aと共通電極124を介して電気的に接続されるため、ショートの検出ができなくなる。
【0015】
同様に、上記▲2▼の方法でも、透明電極123…の一端が上述した共通電極124に全て接続されているような電極パターン(図示せず)の検査ができない。この▲2▼の方法は、ストライプ状の透明電極123…が1本おきに共通電極124と接続されている電極パターンに対する検査方法である。そのため、透明電極123…の全てが共通電極124と接続されている電極パターンの場合では、上記▲1▼の方法と同様に断線の検出は可能となるものの、隣接する透明電極123a・123bから同じように電圧が検出されるため、これら透明電極123a・123b間のショートを検出できなくなる。
【0016】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、その一端が共通電極と接続されているストライプ状の電極パターンの検査を、電極パターンの位置精度などに影響を受けることなく確実に実行することができる電極パターン検査装置およびその方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の電極パターン検査装置は、上記の課題を解決するために、基板上に、ストライプ状に等間隔で複数形成されており、該基板の外周部に形成される共通電極にその一端が接続されている電極パターンに対し、電流を印加することによって、該電極パターンの断線およびショートを検出する電極パターン検査装置において、被検査対象となる電極パターンの共通電極に対向する側の端に接触し、該電極パターンに直流定電流を印加する定電流印加用端子と、上記電極パターンに隣り合う電極パターンの、共通電極に対向する側の端に接触し、電圧を測定する電圧検知用端子と、アースと接続されており、上記電極パターンの近傍の共通電極に接触するアース端子と、上記定電流印加用端子に直流定電流を供給するとともに、この直流定電流の供給にともなう電圧の変化を検知する電流印加手段と、上記電圧検知用端子によって測定された電圧の変化を検知する電圧検知手段と、上記電流印加手段および電圧検知手段で検知された電圧の変化を欠陥情報として記憶し、この欠陥情報に基づいて、電極パターンに生じている断線およびショートを検出する記憶判定手段とを備えていることを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、電極パターンが正常であれば、電流印加手段により供給される直流定電流は、定電流印加用端子から電極パターンに沿って流れ、共通電極を介してアース端子に吸収され逃がされる。そのため、隣り合う電極パターンに直流定電流が流れず、隣り合う電極パターンに接触している電圧検知用端子は電圧を測定しない。
【0019】
また、電極パターンに断線が生じておれば、直流定電流が断線部位で止められるので抵抗が無限大となり、これに応じて電流印加手段は抵抗に応じた電流を供給しようと電圧を上げるため電圧が飽和状態となる。
【0020】
一方、電極パターンにショートが生じておれば、直流定電流の全てがアース端子まで到達せず、一部がショート部位を介して隣り合う電極パターンに流れ込む。そのため、隣り合う電極パターンに接触している電圧検知用端子は、電極パターンの抵抗に応じた電圧を測定する。
【0021】
このように、正常な状態の電極パターンと比較すれば、断線があれば電圧飽和状態が生じ、ショートがあれば所定の電圧が測定される。したがって、電極パターンに異常があれば、電圧の変化が検知されるとともに、この電圧の変化の状態により断線とショートとの区別が可能となる。
【0022】
それゆえ、ストライプ状の電極パターンの一端が共通電極と接続されている基板に対して、正常・断線・ショートを容易かつ確実に区別する検査を実施することができる。
【0023】
本発明の電極パターン検査装置は、上記構成に加えて、上記定電流印加用端子、電圧検知用端子、およびアース端子を所定方向に走査するとともに、これら各端子の走査により電圧の変化が検知された電極パターンの基板上の位置を検知する走査手段を備え、上記記憶判定手段は、電圧の変化に加えて電極パターンの位置を欠陥情報として記憶し、この欠陥情報に基づいて、断線およびショートの少なくとも何れか一方が生じている電極パターンを検出し、その位置を特定することを特徴としている。
【0024】
上記構成によれば、走査手段が上記各端子を基板上で走査し、電圧の変化が生じている電極パターンの位置を検知するので、記憶判定手段により欠陥の生じている電極パターンを具体的に特定することができる。
【0025】
本発明の電極パターン検査装置は、上記構成に加えて、上記定電流印加用端子および電圧検知用端子は電極パターンと点接触する形状を有しているとともに、上記アース端子は、共通電極と面状に接触する形状を有していることを特徴としている。
【0026】
上記構成によれば、アース端子が共通電極と面状に接触するため、検査の際にずれが生じても、そのずれをアース端子で吸収することができる。そのため、検査時に厳密な位置合わせを行わなくても検査を実行することができるので、高精度の位置合わせ装置などを使用が回避される。また、共通電極の幅が十分とれなくても検査が可能となるので、電極パターンの設計の制約が小さくなり、設計の自由度をより向上することができる。
【0027】
さらに、アース端子と共通電極との接触面積が大きいことから、各端子の走査時の接触抵抗を小さく維持することもできる。そのため、より円滑な走査が可能となり、高速かつ安定した検査を実現することができる。
【0028】
本発明の他の電極パターン検査装置は、上記の課題を解決するために、一方の端部が共通電極により互いに接続された複数の電極のうち、検査対象の電極に対して定電流を印加し、該定電流による電圧の変化を検知する電流印加手段と、上記の検査対象の電極に隣接する電極の電圧を測定し、該電圧の変化を検知する電圧検知手段と、上記共通電極を接地する接地手段とを含んでいることを特徴としている。
【0029】
上記構成によれば、共通電極を接地しながら、電流印加手段から検査対象の電極に定電流を印加するとともに、電圧検知手段により隣接する電極の電圧を測定すると、断線があれば電圧飽和状態が生じ、ショートがあれば所定の電圧が測定されることになる。したがって、電極に異常があれば、電圧の変化が検知されるとともに、この電圧の変化の状態により断線とショートとの区別が可能となる。それゆえ、一方の端部が共通電極により互いに接続された複数の電極が形成されている基板に対して、正常・断線・ショートを容易かつ確実に区別する検査を実施することができる。
【0030】
本発明の電極パターン検査方法は、上記の課題を解決するために、基板上に、ストライプ状に等間隔で複数形成されており、該基板の外周部に形成される共通電極にその一端が接続されている電極パターンに対し、電流を印加することによって、該電極パターンの断線およびショートを検出する電極パターン検査方法において、被検査対象となる電極パターン近傍の共通電極をアースし、かつ、該電極パターンの共通電極に対向する側の端から直流定電流を印加するとともに、この電極パターンに隣り合う電極パターンの共通電極に対向する側の端での電圧の変化と、直流定電流の印加にともなう電圧の変化とを検知する電圧検知工程と、さらに、上記電圧検知工程を、複数の電極パターンに対して連続して実施し、上記電圧の変化および該電圧の変化が検知された電極パターンの基板上の位置を欠陥情報として、これに基づいて電極パターンに生じている断線およびショートを検出するとともに、該電極パターンの位置を特定する欠陥検出工程とを有することを特徴としている。
【0031】
上記方法によれば、電極パターンに電流を印加して単に導通を確認するのではなく、電圧の変化を検知して欠陥の検出に用いているので、断線とショートとの区別がより容易かつ確実となる。また、電圧の変化が検知された電極パターンの位置も検知するので、欠陥が生じている電極パターンを容易かつ確実に特定することができる。その結果、従来よりも効率的な電極パターンの検査が可能となる。
【0032】
本発明の電極パターン検査方法は、上記の課題を解決するために、複数の電極の一方の端部を互いに接続する共通電極を接地するステップと、上記複数の電極のうち、検査対象の電極に対して定電流を印加し、該定電流による電圧の変化を検知するステップと、上記の検査対象の電極に隣接する電極の電圧を測定し、該電圧の変化を検知するステップとを含むことを特徴としている。
【0033】
上記方法によれば、共通電極を接地しながら、検査対象の電極に定電流を印加するとともに、隣接する電極の電圧を測定する。そのため、断線があれば電圧飽和状態が生じ、ショートがあれば所定の電圧が測定されるので、電圧の変化の状態により断線とショートとの区別が可能となる。それゆえ、一方の端部が共通電極により互いに接続された複数の電極が形成されている基板に対して、正常・断線・ショートを容易かつ確実に区別する検査を実施することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図5、および図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
【0035】
本発明にかかる電極パターン検査装置および電極パターン検査方法は、たとえば、ドットマトリクス表示型の液晶表示素子に用いられる透光性基板上に形成されているストライプ状の透明電極において、断線あるいはショートの存在を検知するために好適に用いられるものである。
【0036】
図1に示すように、上記検査装置1は、定電流印加用端子2、ブラシ状アース端子(アース端子)3、電圧検知用端子4、直流定電流印加回路(電流印加手段)5、直流電圧検知回路(電圧検知手段)6、ショート・断線記憶回路(記憶判定手段)7を備えている。
【0037】
上記定電流印加用端子2は直流定電流印加回路5と接続されている。また、ブラシ状アース端子3はアースされている。さらに、電圧検知用端子4は直流電圧検知回路6に接続されているとともにアースされている。直流定電流印加回路5および直流電圧検知回路6はショート・断線記憶回路7に接続されている。
【0038】
上記検査装置1によって欠陥が検出される透光性基板(基板)20は、図1に示すように、その表面上に、たとえば幅0.1mmとなっている複数本のストライプ状の透明電極(電極パターン、ストライプ状電極)21…が、たとえば0.11mmの等間隔のピッチとなるように形成されている。これら複数の透明電極21…が形成されている周囲には、長方形状の透明電極21…の長手方向に直交する方向、すなわち透明電極21…が配列している方向に沿う方向に沿って1本の共通電極22が形成されている。
【0039】
この共通電極22はショートリングとして機能するものであり、透明電極21…の静電気障害を防止することができる。そのため液晶表示素子の製造に際して、静電気による不良の発生を回避し、良品率を向上することができる。図1では、共通電極22は透明電極21…と同様長方形状であり、上記複数の透明電極21…全ての一端と個々に接続されている。この共通電極22はショートリングとして機能するとともに、本発明にかかる電極パターン検査方法を阻害しないものであれば、その形状は特に限定されるものではない。
【0040】
上記共通電極22と透明電極21…とを接続する接続部の構成は特に限定されるものではないが、本実施の形態では、たとえば図1に示すように、透明電極21…を9本毎にまとめ、各透明電極21の電極幅を狭めて共通電極22と接続させている引廻し部23となっている構成を挙げることができる。
【0041】
上記定電流印加用端子2は、被検査対象となる透明電極21における共通電極22に対向する側の端(引廻し部23とは反対側となる端)と接触しており、直流定電流印加回路5から供給される定電流を透明電極21に印加する。図1では、被検査対象となる透明電極21は、最も透光性基板20の端に位置する透明電極21aであり、この透明電極21aの独立端に定電流印加用端子2が接触している。なお、以下の説明では、透明電極21における引廻し部23とは反対側となる端を独立端とする。
【0042】
電圧検知用端子4は、定電流印加用端子2が接触している透明電極21に隣り合う透明電極21(1ピッチ間隔を有して配置している透明電極21)の独立端と接触しており、透明電極21の抵抗の変化による所定値以上の電圧値の有無を検知する。この電圧検知用端子4は、図1では、上記透明電極21aに隣り合う透明電極21bと接触している。
【0043】
上記定電流印加用端子2および電圧検知用端子4の具体的な構成としては特に限定されるものではなく、従来の電極パターン検査装置に用いられている端子を好適に用いることができる。
【0044】
ブラシ状アース端子3は被検査対象となる透明電極21(図1では透明電極21a)近傍の共通電極22と接触しており、透明電極21に断線やショートの欠陥がない場合に、印加した直流定電流を隣りの透明電極21に流さないように該直流定電流を吸収してアースへ逃がす。上記定電流印加用端子2および電圧検知用端子4は透明電極21…と点接触しているが、このブラシ状アース端子3は共通電極22とは点接触せず、より広い面状で接触している。
【0045】
ブラシ状アース端子3の具体的な構成としては特に限定されるものではなく、電気導電性を有する毛状の材質からなっており、共通電極22を傷つけないようなものであればよい。なお、共通電極22と接触するアース端子の形状は、印加された直流定電流を逃がすことができるものであれば特に限定されるものではないが、後述する上記各端子の走査をより高速かつ確実に行うためには、上記ブラシ状アース端子3のように共通電極22と面状に接触できる形状であることが特に好ましい。
【0046】
上記定電流印加用端子2、ブラシ状アース端子3、および電圧検知用端子4は後述するように、透明電極21…の配列している方向、すなわち共通電極22の長手方向に沿って走査手段により走査されるようになっている。これら3端子を走査する走査手段の構成は特に限定されるものではなく、たとえば、3端子を駆動モータを用いた走査手段によって一定速度で走査するような構成を挙げることができる。
【0047】
上記走査手段は、透光性基板20上にて、上記3端子が接触している透明電極21の位置を特定できる構成を備えていることが非常に好ましい。たとえば、走査手段が上述した駆動モータを用いた構成であれば、該駆動モータから応答信号を発するようにすることで、透光性基板20上で3端子をどの程度走査したかが容易にわかるため、透明電極21…の位置を容易に特定することができる。
【0048】
直流定電流印加回路5は定電流印加用端子2に直流定電流を供給するとともに、この直流定電流の供給にともなう電圧の変化を検知する。直流電圧検知回路6は、電圧検知用端子4により測定された、透明電極21に印加された直流定電流により該透明電極21の抵抗値に応じた電圧の変化を検知する。ショート・断線記憶回路7は、検知された上記電圧の変化を欠陥情報として記憶し、この欠陥情報に基づいて、透明電極21に生じている断線またはショートを検出する。
【0049】
次に、上記検査装置1を用いた断線およびショートの検出方法(本発明にかかる電極パターン検査方法)について説明する。本発明では、直流定電流の印加によって生じる電圧の変化を検知する電圧検知工程を実施した後に、得られる欠陥情報に基づいて、透明電極21に断線またはショートがあるか検出する欠陥検出工程を実施する。なお、本発明の検査方法には上記以外のその他の工程を含んでいてもよい。
【0050】
上述したように、定電流印加用端子2を透明電極21aの独立端と接触させ、ブラシ状アース端子3を共通電極22と接触させ、さらに電圧検知用端子4を、隣接する透明電極21bの独立端と接触させる。そして、定電流印加用端子2に直流定電流印加回路5から直流定電流を印加する。本実施の形態では、たとえば0.5mAの直流定電流を印加する。
【0051】
上記直流定電流は、透明電極21aを介してブラシ状アース端子3に流れる。ここで、ブラシ状アース端子3はアースされているので、透明電極21a・21bに断線やショートがなければ、印加された直流定電流はブラシ状アース端子3に吸収され逃がされる。したがって透明電極21a・21bに欠陥がなければ、電圧検知用端子4に電圧が検知されない。
【0052】
これに対して、透明電極21aあるいは21bに断線が存在すると、断線部位で直流定電流の流れが止められるので、透明電極21a・21bの抵抗が無限大となる。直流定電流印加回路5はこの抵抗に応じて電圧を上昇させようとするため電圧飽和状態が発生する。直流定電流印加回路5は、この電圧飽和状態を電圧の変化として検知し、ショート・断線記憶回路7へ出力する。
【0053】
同様に透明電極21a・21bの間にショートが存在すると、定電流印加用端子2から流れた直流定電流は、透明電極21aからショート部位を経由して透明電極21bに流れる。すなわち直流定電流は、透明電極21aと透明電極21bとに分配されてブラシ状アース端子3に達する。その結果、電圧検知用端子4は上記透明電極21bに分配される直流定電流の流れにおける抵抗に相当する電圧を測定し、直流電圧検知回路6は、この測定された電圧の変化を検知して、ショート・断線記憶回路7へ出力する。ここまでのプロセスが電圧検知工程に相当する。
【0054】
さらに、定電流印加用端子2、ブラシ状アース端子3、および電圧検知用端子4の3端子を接触させた状態で、透明電極21…の配列方向、すなわち長方形状の透明電極21…と直交する方向に走査しながら上述した電圧の変化の検知、すなわち電圧検知工程を繰り返す。
【0055】
このとき上記3端子の走査は図示しない走査手段によってなされるが、該走査手段は透光性基板20上での3端子の位置を情報として出力可能になっている。つまり、走査手段は、上記3端子が透光性基板20上のどの透明電極21に接触しているかを情報として出力することができる。そのため、電圧の変化が検知された透明電極21の位置が、走査手段からショート・断線記憶回路7に出力されることになる。
【0056】
ショート・断線記憶回路7はこれら電圧の変化および該電圧の変化が検知された透明電極21の位置を欠陥情報として記憶する。そして、この欠陥情報に基づいて、透明電極21に生じている断線またはショートを検出するとともに、この透明電極21の透光性基板20上の位置も特定する。その結果、欠陥がある透明電極21を容易に限定することができる。
【0057】
上述した検査方法を実行する本発明にかかる検査装置1では、図2に示すように、直流定電流印加回路5、直流電圧検知回路6、および走査手段8からショート・断線記憶回路7へ情報が出力されるようになっている。この場合、直流定電流印加回路5および直流電圧検知回路6からは、電圧の変化が情報として出力され、走査手段8からは上記3端子の位置、すなわち透光性基板20上の透明電極21の位置が情報として出力される。
【0058】
ショート・断線記憶回路7では、これら情報を欠陥情報として記憶し、さらにこの欠陥情報に基づいて、断線またはショートが生じている透明電極21を限定する。このとき、図2に示すように、検査装置1は表示手段9を備えていることが非常に好ましい。この表示手段9は、ショート・断線記憶回路7が限定した透明電極21に関する情報を表示し、使用者に報知するためのものである。
【0059】
表示手段9としては、具体的にはCRT表示装置や液晶表示装置などの表示装置を挙げることができる。また、表示される情報は特に限定されるものではないが、電圧の変化の状況や、検出された欠陥の種類(断線かショートか)、欠陥が検出された透明電極21の具体的な位置などを挙げることができる。これによって、使用者は透光性基板20上に生じている欠陥の内容を容易かつ確実に把握することができる。
【0060】
本実施の形態におけるショート・断線記憶回路7は記憶判定手段であり、上記欠陥情報を記憶するとともに、欠陥情報に基づいて欠陥を判定(欠陥の種類や欠陥が生じている透明電極21の特定)している。しかしながら、本発明では、記憶と判定とを別個の構成で行ってもよい。すなわち、記憶手段と判定手段がそれぞれ独立した別個の構成であってもよい。
【0061】
上記ショートの検出についてさらに詳細に説明する。
【0062】
図3(a)に示すように、ストライプ状の透明電極21…のうち、隣接する透明電極21c・21d間にショート部位24があるとする。
【0063】
定電流印加用端子2は透明電極21cの独立端である位置Aに点接触しており、電圧検知用端子4は隣接する透明電極21dの独立端である位置Bに点接触している(図3(a)には図示せず)。さらにブラシ状アース端子3は共通電極22における透明電極21c・21d近傍である位置Eに面状に接触している。また、ショート部位24は、透明電極21c・21dにおける位置Cおよび位置Dを架橋するように存在しているとする。
【0064】
なお、図3(a)では、ショート部位24は、長方形状の透明電極21c・21dにおける中央部よりも、独立端側に偏った位置に存在している場合を例に挙げている。
【0065】
本実施の形態にかかる検査装置1によって位置Aから図3(a)には図示しない定電流印加用端子2から直流定電流が印加されると、ショート部位24を経由して、透明電極21cから透明電極21dに上記直流定電流の一部が分配され流れる。図3(a)では位置A−C−EとA−C−D−Eの二つの順路で直流定電流が流れる。ここで、位置Aから位置Cまでの透明電極21cの抵抗と、位置Cから位置D(ショート部位24)の抵抗と、位置Cから位置Eまでの透明電極21cの抵抗とを合成して得られる合成抵抗値に対して、直流定電流による電圧が電圧検知用端子4により測定される。
【0066】
具体的には、図3(a)に示すショート部位24を有する隣接する透明電極21c・21dを等価回路図に置き換えると図3(b)に示すような5つの抵抗からなる回路図となる。図3(b)では、図3(a)におけるA−C間の透明電極21cの抵抗をRとし、C−E間の透明電極21cの抵抗をRとする。一方、B−D間の透明電極21dの抵抗をRとし、D−E間の透明電極21dの抵抗をRとし、C−D間(ショート部位24)の抵抗をrとすると、図3(b)に示すように、A−E間のR・Rの抵抗とB−E間のR・Rの抵抗との間にrの抵抗がブリッジ状に設けられている構成となる。
【0067】
本実施の形態における検査装置1では、上記のように、透明電極21c・21d間にショート部位24が存在し、図3(b)に示すような構成の電気回路が成立していると、直流電圧検知回路6の内部抵抗が十分に大きいため、該直流電圧検知回路6内には電流が流れない。それゆえ、上述したように、図3(a)における位置A−C−EとA−C−D−Eの二つの順路で直流定電流が流れる。
【0068】
この点をより具体的に説明すると、図8(a)に示すように、位置Aから定電流印加用端子2により透明電極21cに導入される直流定電流をIとすると、該直流定電流Iは、ショート箇所(位置C)にて、そのまま透明電極21cに流れて位置Eに達する電流iと、ショート位置を介して、隣りの透明電極21dに流れ込む電流iとに分配される。ここで、電圧検知用端子4を介して位置Bに接続される直流電圧検知回路6内には電流が流れないので、電流iは、位置D−B間には流れず、位置D−E間を流れ、最終的にブラシ状アース端子3に達してアースに落とされることになる。
【0069】
このように、直流定電流が流れる経路には、図8(a)に示すように、位置A−Cの透明電極21cに対応するR、位置C−Dのショート位置に対応するr、位置C−Eの透明電極21cに対応するR、および位置D−E透明電極21dに対応するRの4つの抵抗が存在することになるので、これら各抵抗の合成抵抗値と直流定電流とに基づいて電圧が決定される。
【0070】
ここで、上記電流i、電流i、抵抗R、抵抗r、および抵抗Rから、次の関係式が成立し、電流iが、r、R、Rおよびiの式として得られる。
【0071】
×i=(r+R)×i
={R/(r+R)}×i
ここで、R≒Rであることから、
≒{R/(r+R)}×i
が成立し、さらに、上記電流I=i+iであることから、
≒{R/(r+R)}×(I−i
が成立するため、次の関係式(a)が得られる。
【0072】
≒{R/(r+2R)}×I ・・・(a)
さらに、上述したように位置B−D間には電流が流れないため、したがって位置B−D間には電位降下が生じない。それゆえ、位置Bで測定される電圧Vは位置Dの電位と等価となり、図8(a)の等価回路が成立するため、上記電圧V=R×i≒R×iとなる。これを上記の式(a)に導入すると、最終的に次式(1)が導き出される。
【0073】
V/R≒{R/(r+2R)}×I
V={(R/(r+2R)}×I ・・・(1)
すなわち、位置Bに接触する電圧検知用端子4は、上記合成抵抗値および直流電流に基づく式(1)で表される電圧Vを測定する。
【0074】
なお、図1に示すように、直流電圧検知回路6はアースされているので、位置Bの基準電位を透光性基板20と同じ基準電位とすることができる(ともに基準電位を0Vとする)。それゆえ、上記電圧Vの測定値を安定化させることができる。
【0075】
電圧検知用端子4で測定された、上記式(1)で表される電圧Vは、図示しないアンプによって増幅され、直流電圧検知回路6で認識される。直流電圧検知回路6は、電圧0Vの状態からこの電圧Vが測定されることによって、電圧の変化を検知する。
【0076】
上記ショート部位24が存在すれば式(1)で表される電圧Vが検知されるが、ショート部位24が存在せず正常な透明電極21においては、図3(b)に示すような電気回路が形成されないため、上記電圧Vも検知されない。また、断線がある場合にも図3(b)に示すような電気回路は形成されないため上記電圧Vが形成されない上に、正常な透明電極21とは異なる電圧(電圧飽和状態)が検知される。したがって、共通電極22を有する透光性基板20上の透明電極21…を検査するに当たって、電圧の変化を検知することにより正常・断線・ショートの区別が明瞭となり、従来よりも容易かつ確実な欠陥の検査方法を実現することができる。
【0077】
なお、透明電極21c・21d間に存在するショート部位24の存在位置によっては、図3(b)におけるR、r、RおよびRの合成抵抗値は変化するので、上記電圧Vの大きさも変化する。
【0078】
また、直流電圧検知回路6の内部抵抗Rが十分大きく設定されているということは、該内部抵抗Rに対する電圧検知用端子4で測定される上記電圧Vの比V/Rがほぼ0となる程度に、内部抵抗Rが大きく設定されていることになる。この場合、上記電圧Vの大きさに対する内部抵抗Rの大きさの範囲としては、印加電流や透明電極21の抵抗などを鑑みた上で、上記比V/R≒0と見なせれば特に限定されるものではないが、10〜10Ωの範囲内であることが好ましい。
【0079】
上述した本発明の電極パターン検査方法をステップ化して説明すると、まず、ステップa(以下ステップをSと略す)として、複数の電極の一方の端部を互いに接続する共通電極を接地し、次にSbとして、上記複数の電極のうち、検査対象の電極に対して定電流を印加し、該定電流による電圧の変化を検知し、次に、Scとして、上記の検査対象の電極に隣接する電極の電圧を測定し、該電圧の変化を検知する。
【0080】
その後、Sdとして、上記複数の電極における検査対象の電極の位置を特定する。さらに、Seとして、上記SbおよびScにおいて検知された電圧の変化、および上記Sdにおいて特定された検査対象の電極の位置を記憶するとともに、該電極の欠陥を判定し、このSeにおいて記憶された該電極の位置、および判定された該電極の欠陥を、Sfにて表示することになる。
【0081】
本発明にかかる検査方法で検知される電圧の変化は、具体的には、図4(a)〜(c)のグラフに示すような波形となる。これらグラフでは、縦軸が検知される電圧の大きさを、横軸が検査時間(透光性基板20上の透明電極21…を3端子が走査する時間)を表している。
【0082】
まず、透明電極21が正常であれば、上述したように、定電流印加用端子2から印加される直流定電流はブラシ状アース端子3から逃がされ、隣りの透明電極21へ流れ込まない。したがって、電圧検知用端子4より検知される電圧は0Vとなる。それゆえ、図4(a)に示すように、透明電極21の構成が正常であれば、測定される電圧の波形はほぼ0Vの直線状となり、電圧の変化がほとんどみられない。
【0083】
なお、図4(a)に示すように、欠陥のない透明電極21であっても、定電流印加用端子2から直流定電流が印加されていれば、定電流印加用端子2および電圧検知用端子4で測定される電圧には多少のばらつきが見られる。そこで、断線またはショートにおける電圧の変化と上記電圧のばらつきとを区別するために、図4(a)〜(c)に破線で示している検出閾値を設定しておく。この検出閾値は、透明電極21の構成や印加される直流定電流などによって適宜変化するものであって、その具体的な数値は特に限定されるものではない。
【0084】
この検出閾値を超える値の電圧が測定された場合、直流定電流印加回路5および直流電圧検知回路6は断線またはショートであることを認識し、電圧の変化を情報としてショート・断線記憶回路7に出力することになる。
【0085】
次に、透明電極21に断線が存在すると、上述したように断線部位で直流定電流の流れが止められるので、透明電極21の抵抗が無限大となる。その結果直流定電流印加回路5における電圧は飽和状態になるので、図4(b)に示すように上記検出閾値を大幅に上回る波形が現れる。直流定電流印加回路5はこれを電圧の変化として検知し、ショート・断線記憶回路7に情報として出力する。
【0086】
一方、透明電極21に図3(a)に示すようなショート部位24が存在すると、上述したように、ショート部位24を含む図3(b)に示すような電気回路が形成される。そのため電圧検知用端子4は、R、r、RおよびRの抵抗を合成して得られる合成抵抗値および直流定電流に応じた電圧V(式(1)参照)を検知する。このときも図4(c)に示すような、上記検出閾値を超える電圧の波形が現れる。直流電圧検知回路6はこれを電圧の変化として検知し、ショート・断線記憶回路7に情報として出力する。
【0087】
定電流印加用端子2および電圧検知用端子4は所定の速度で透明電極21…の独立端を連続して走査し、これにともなってブラシ状アース端子3も共通電極22上を走査する。そのため、図4(a)〜(c)に示すような電圧の波形は、上記各端子が走査した透明電極21…の数量、すなわち走査した透明電極21…の幅に相応して得られる。したがって、図4(b)・(c)に示すような電圧の波形が得られた場合には、該波形の幅は、上記各端子が走査した透明電極21…の数量に対応することになる。
【0088】
それゆえ、上記波形の幅から、たとえば連続して透明電極21…に断線が存在することも判定できる。この判定結果もショート・断線記憶回路7が情報として記憶する。
【0089】
ここで、従来の検査装置では、共通電極22と端子とは点で接触していた。つまり、共通電極22と端子との接触状態は、定電流印加用端子2や電圧検知用端子4と透明電極21…との独立端と接触状態と同様であった。これに対して本発明にかかる検査装置1では、ブラシ状アース端子3は共通電極22と点ではなく面状に接触しており、従来の場合よりも接触面積が大きくなっている。
【0090】
従来のように、共通電極22および透明電極21の独立端と各端子とが何れも点接触していれば、各端子の位置と透明電極21…との間に高い位置精度が必要となる。具体的には、透光性基板20に対する各端子の走査方向の平行性や、透光性基板20上に形成されている透明電極21…の配置の精度などに高精度が必要となる。
【0091】
たとえば、図5(c)に示すように、第一の端子11および第二の端子12が共通電極22および透明電極21の独立端とそれぞれ点接触しているとする。ここで、各端子11・12の位置関係にずれが生じたり、形成されている透明電極21の位置にずれが生じたりすると、図5(d)に示すように、第二の端子12は透明電極21上での位置がずれるだけであるが、共通電極22の幅が狭いため、第一の端子11は共通電極22上から脱線して共通電極22と接触できなくなる。この現象は、透光性基板20の設計上、共通電極22の幅を十分確保できない場合には、より一層顕著となる。
【0092】
これに対して本発明にかかる検査装置1では、共通電極22に接触している第一の端子11がブラシ状アース端子3である。したがって、図5(a)に示すように、透明電極21の独立端と第二の端子12(本実施の形態では、定電流印加用端子2あるいは電圧検知用端子4)が点接触するとともに、ブラシ状アース端子3は共通電極22と面状に接触する。
【0093】
その結果、ブラシ状アース端子3および第二の端子12の位置関係にずれが生じたり、形成されている透明電極21の位置にずれが生じたりしても、図5(b)に示すように、ブラシ状アース端子3が共通電極22と面状に接触しているので、上記各ずれを吸収することが可能となる。それゆえ、ブラシ状アース端子3は確実に共通電極22と接触し、第二の端子12も確実に独立端に接触することができる。
【0094】
したがって、本発明にかかる検査装置1では、検査時に厳密な位置合わせを行わなくても検査を実行することができるので、高精度の位置合わせ装置などを用いる必要がない。そのため、透光性基板20の端面をピンなどに押し当てて位置固定するだけで検査を実行することができる。しかも、透光性基板20上における共通電極22の幅が十分とれなくても検査が可能となるので、電極パターンの設計の制約が小さくなり、設計の自由度をより向上することができる。
【0095】
さらに、ブラシ状アース端子3と共通電極22との接触面積が大きいことから、共通電極22上でブラシ状アース端子3を走査する際に、接触抵抗を小さく維持することもできる。そのため、3端子をより円滑に走査することが可能となるので、高速かつ安定した検査を実現することができる。
【0096】
なお、アース端子としては、上記ブラシ状アース端子3に限定されるものではなく、共通電極22と面状に接触でき、走査時にずれが生じてもそのずれを吸収できるような構成であればよい。
【0097】
また、アース端子以外の端子(定電流印加用端子2および電圧検知用端子4)は透明電極21と点接触するような、たとえば針状(プローブ状)の形状であることが非常に好ましい。アース端子以外の端子がたとえばブラシ状であれば、該端子は、微細なストライプ状の透明電極21複数にまたがって接触することになるので、確実な検査ができなくなる。
【0098】
以上のように、本発明にかかる電極パターン検査方法および装置は、3本の端子を用いて、一端が共通電極に接続された複数の透明電極の独立端を走査するとともに、該透明電極近傍の共通電極も走査して電圧を検知することで、透明電極における断線およびショートを容易に検出することができる。
【0099】
さらに、本発明にかかる検査方法および検査装置では、LSIを接続する透明電極の形状や引廻し部の位置にかかわらず、LSI接続部位も含めた検査が可能となる。そのため、検査が必要な領域全てを確実に検査することができる。
【0100】
なお、本実施の形態では、液晶表示素子に用いられる透光性基板上に形成されている透明電極の欠陥の検査を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、ストライプ状の電極パターンを有するフラットディスプレイ基板やプリント配線基板などに対しても適用することができる。
【0101】
〔実施の形態2〕
本発明の実施の他の形態について図3および図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。また、説明の便宜上、前記実施の形態1で使用した部材と同じ機能を有する部材には同一の番号を付記し、その説明を省略する。
【0102】
前記実施の形態1では、直流電圧検知回路6の内部抵抗を大きくしているために、該直流電圧検知回路6に電流が流れず、図3(a)・(b)におけるB点の電位を測定しているが、本実施の形態では、直流電圧検知回路6の内部抵抗を、透明電極21の抵抗と同程度にすることで、実質的にD−B間の電流を測定する。
【0103】
すなわち、前記実施の形態1で説明したように、図3(a)に示すように、隣接する透明電極21c(位置A−C−E)と透明電極21d(位置B−D−E)との間にショート部位24(位置C−D)があるとし、定電流印加用端子2が位置Aに、電圧検知用端子4が位置Bに、ブラシ状アース端子3が位置Eに接触しているとする。
【0104】
本実施の形態では、検査装置1の定電流印加用端子2から位置Aに対して直流定電流が印加されると、ショート部位24を経由して、透明電極21cから透明電極21dに上記直流定電流の一部が分配され流れ、さらに透明電極21dから電圧検知用端子4(直流電圧検知回路6)に直流定電流の一部が流れる。
【0105】
つまり、本実施の形態における検査装置1では、上記のように、透明電極21c・21d間にショート部位24が存在し、図3(b)に示すような構成の電気回路が成立していると、直流電圧検知回路6の内部抵抗が透明電極21とほぼ同じであるため、該直流電圧検知回路6内に電流が流れ込む。それゆえ、図3(a)における位置A−C−E、A−C−D−E、およびA−C−D−Bの三つの順路で直流定電流が流れる。
【0106】
この点をより具体的に説明すると、図8(b)に示すように、位置Aから定電流印加用端子2により透明電極21cに印加された直流定電流Iは、ショート箇所(位置C)にて、そのまま透明電極21cに流れて位置Eに達する電流iと、ショート位置を介して、隣りの透明電極21dに流れ込む電流iとに分配される。ここで、電圧検知用端子4を介して位置Bに接続される直流電圧検知回路6内に電流が流れ込むので、電流iは、さらに位置Dから位置Eに流れる電流iと、位置Dから位置Bに流れる電流iとに分配される。
【0107】
位置D−E間を流れる電流iは、最終的にブラシ状アース端子3に達してアースに落とされる。一方、位置D−B間を流れる電流iは、さらに直流電圧検知回路6内を流れ込み、該直流電圧検知回路6に接続されているアースに落とされる。なお、直流電圧検知回路6内の内部抵抗をRとし、直流電圧検知回路6がアースと接続されている位置を位置Fとする。
【0108】
このように、直流定電流が流れる経路には、図8(b)に示すように、位置A−Cの透明電極21cに対応するR、位置C−Dのショート位置に対応するr、位置−Bの透明電極21dに対応するR、位置C−Eの透明電極21cに対応するR、位置D−Eの透明電極21dに対応するR、および位置B−F間に対応する直流電圧検知回路6内の内部抵抗Rの6つの抵抗が存在することになるので、これら各抵抗の合成抵抗値と直流定電流とに基づいて電圧が決定される。
【0109】
ここで、上記電流I、電流i、電流i、電流i、および電流iの間には、次の関係式(b)が成立する。
【0110】
I=i+i=i+i+i ・・・(b)
また、上記電流i、電流i、および電流iと、抵抗r、抵抗R、および抵抗Rから、次の関係式が成立する。
【0111】
×i=r×i+R×i
ここで、R・Rに比べてrは小さく無視できるため、
×i≒R×i
が成立し、この関係式より、iを、R、R、iで表す次式(c)が成立する。
【0112】
=(R/R)×i ・・・(c)
また、電流i、電流i、抵抗R、抵抗R、および抵抗Rから、次の関係式が成立する。
【0113】
×i=(R+R)×i
この関係式より、iを、R、R、R、iで表す次式(d)が成立する。
【0114】
={(R+R)/R}×i ・・・(d)
さらに、式(b)に、式(c)および式(d)を代入すると、
Figure 0003589923
となる。ここで、R≒R、およびR≒Rが成立することから、
Figure 0003589923
が成立するため、次式(e)が得られる。
【0115】
={R/(2R+2R+R)}×I ・・・(e)
さらに、上述したように位置D−B−F間に電流が流れるため、測定される電圧VはV=R×iとなる。これを上記式(e)に導入すると、最終的に次式(2)が導き出される。
【0116】
V=R×{R/(2R+2R+R)}×I
V={R/(2R+2R+R)}×I ・・・(2)
すなわち、位置Bに接触する電圧検知用端子4は、透明電極21cにおける抵抗RおよびRと、直流電圧検知回路6内の内部抵抗をRとで決定される式(2)で表される電圧Vを測定する。
【0117】
電圧検知用端子4で測定された、上記式(2)で表される電圧Vは、図示しないアンプによって増幅され、直流電圧検知回路6で認識される。直流電圧検知回路6は、電圧0Vの状態からこの電圧Vが測定されることによって、電圧の変化を検知する。
【0118】
上記ショート部位24が存在すれば式(2)で表される電圧Vが検知されるが、ショート部位24が存在せず正常な透明電極21においては、図8(b)に示すような電気回路が形成されないため、上記電圧Vも検知されない。また、断線がある場合にも図8(b)に示すような電気回路は形成されないため上記電圧Vが形成されない上に、正常な透明電極21とは異なる電圧(電圧飽和状態)が検知される。したがって、共通電極22を有する透光性基板20上の透明電極21…を検査するに当たって、電圧の変化を検知することにより正常・断線・ショートの区別が明瞭となり、従来よりも容易かつ確実な欠陥の検査方法を実現することができる。
【0119】
なお、透明電極21c・21d間に存在するショート部位24の存在位置によっては、図8(b)におけるRおよびRの各抵抗値は変化するので、上記電圧Vの大きさも変化する。
【0120】
また、上記直流電圧検知回路6の内部抵抗Rは、数〜数100Ω(10〜10Ω)程度の範囲内(透明電極21の抵抗とほぼ同じ)であるので、本実施の形態にかかる検査装置1は、実質的には、電圧検知用端子4で測定した上記電圧Vから、図8(b)における位置D−B−F間を流れる電流iを検知していることになる。
【0121】
そのため、本実施の形態において上述した「電圧(の変化)を検知する」という表現、並びに「電圧検知手段(直流電圧検知回路6)」およびという構成は、「電流を検知する」という表現、並びに「直流電流検知回路6」とする方が好ましいとも言えるが、本実施の形態にかかる検査装置1の構成は、上記内部抵抗Rの違い以外、前記実施の形態1における検査装置1の構成と略同一であるため、説明の便宜上、上記表現や構成を実施の形態1と同一にしておく。
【0122】
以上のように、本発明にかかる電極パターン検査方法および装置では、電極パターンが正常であれば、電流印加手段により供給される直流定電流は、定電流印加用端子から電極パターンに沿って流れ、共通電極を介してアース端子に吸収され逃がされる。
【0123】
そのため、隣り合う電極パターンに接触している電圧検知用端子に電流が流れ込まないため、電圧を測定しない。また、電極パターンに断線が生じておれば、直流定電流が断線部位で止められるので抵抗が無限大となり、これに応じて電流印加手段は抵抗に応じた電流を供給しようと電圧を上げるため電圧が飽和状態となる。
【0124】
一方、電極パターンにショートが生じておれば、直流定電流の全てがアース端子まで到達せず、一部がショート部位を介して隣り合う電極パターンに流れ込み電圧検知用端子に至る。そのため、隣り合う電極パターンに接触している電圧検知用端子は、電極パターンと線圧検知回路の内部抵抗に応じた電圧を測定することになる。
【0125】
つまり、本実施の形態では、上記電圧検知手段の内部抵抗が、電極パターンの抵抗とほぼ同じ値に設定されている。そのため、電極パターン間でショートしている位置から電圧検知手段に対して電流が流れ、このときの電圧を電圧検知手段が測定することになる。それゆえ該電圧検知手段は、実質的にはショート位置から電圧検知手段に対して流れる電流を検知することになる。その結果、前記実施の形態1とは異なり、ショート欠陥の発生を電流の変化として確実に検知することができる。
【0126】
【発明の効果】
本発明の電極パターン検査装置は、以上のように、被検査対象となる電極パターンの共通電極に対向する側の端に接触し、該電極パターンに直流定電流を印加する定電流印加用端子と、上記電極パターンに隣り合う電極パターンの、共通電極に対向する側の端に接触し、電圧を測定する電圧検知用端子と、アースと接続されており、上記電極パターンの近傍の共通電極に接触するアース端子と、上記定電流印加用端子に直流定電流を供給するとともに、この直流定電流の供給にともなう電圧の変化を検知する電流印加手段と、上記電圧検知用端子によって測定された電圧の変化を検知する電圧検知手段と、上記電流印加手段および電圧検知手段で検知された電圧の変化を欠陥情報として記憶し、この欠陥情報に基づいて、電極パターンに生じている断線およびショートを検出する記憶判定手段とを備えている構成である。
【0127】
それゆえ、上記構成では、ストライプ状の電極パターンの一端が共通電極と接続されている基板に対して、正常・断線・ショートを容易かつ確実に区別する検査を実施することができるという効果を奏する。
【0128】
本発明の電極パターン検査装置は、以上のように、上記構成に加えて、上記定電流印加用端子、電圧検知用端子、およびアース端子を所定方向に走査するとともに、これら各端子の走査により電圧の変化が検知された電極パターンの基板上の位置を検知する走査手段を備え、上記記憶判定手段は、電圧の変化に加えて電極パターンの位置を欠陥情報として記憶し、この欠陥情報に基づいて、断線およびショートの少なくとも何れか一方が生じている電極パターンを検出し、その位置を特定する構成である。
【0129】
それゆえ、上記構成では、記憶判定手段により欠陥の生じている電極パターンを具体的に特定することができるという効果を奏する。
【0130】
本発明の電極パターン検査装置は、以上のように、上記構成に加えて、上記定電流印加用端子および電圧検知用端子は電極パターンと点接触する形状を有しているとともに、上記アース端子は、共通電極と面状に接触する形状を有している構成である。
【0131】
それゆえ、上記構成では、検査時に厳密な位置合わせを行わなくても検査を実行することができるとともに、電極パターンの設計の自由度をより向上することができるという効果を奏する。さらに、高速かつ安定した検査を実現することができるという効果も併せて奏する。
【0132】
本発明の他の電極パターン検査装置は、以上のように、一方の端部が共通電極により互いに接続された複数の電極のうち、検査対象の電極に対して定電流を印加し、該定電流による電圧の変化を検知する電流印加手段と、上記の検査対象の電極に隣接する電極の電圧を測定し、該電圧の変化を検知する電圧検知手段と、上記共通電極を接地する接地手段とを含んでいる構成である。
【0133】
それゆえ、上記構成では、電極に異常があれば、電圧の変化が検知されるとともに、この電圧の変化の状態により断線とショートとの区別が可能となる。それゆえ、一方の端部が共通電極により互いに接続された複数の電極が形成されている基板に対して、正常・断線・ショートを容易かつ確実に区別する検査を実施することができるという効果を奏する。
【0134】
本発明の電極パターン検査方法は、以上のように、被検査対象となる電極パターン近傍の共通電極をアースし、かつ、該電極パターンの共通電極に対向する側の端から直流定電流を印加するとともに、この電極パターンに隣り合う電極パターンの共通電極に対向する側の端での電圧の変化と、直流定電流の印加にともなう電圧の変化とを検知する電圧検知工程と、さらに、上記電圧検知工程を、複数の電極パターンに対して連続して実施し、上記電圧の変化および該電圧の変化が検知された電極パターンの基板上の位置を欠陥情報として、これに基づいて電極パターンに生じている断線およびショートを検出するとともに、該電極パターンの位置を特定する欠陥検出工程とを有する方法である。
【0135】
それゆえ、上記方法では、断線とショートとの区別がより容易かつ確実となるという効果を奏する。また、欠陥が生じている電極パターンを容易かつ確実に特定することができるという効果も併せて奏する。
【0136】
本発明の電極パターン検査方法は、以上のように、複数の電極の一方の端部を互いに接続する共通電極を接地するステップと、上記複数の電極のうち、検査対象の電極に対して定電流を印加し、該定電流による電圧の変化を検知するステップと、上記の検査対象の電極に隣接する電極の電圧を測定し、該電圧の変化を検知するステップとを含む方法である。
【0137】
それゆえ、上記方法では、電圧の変化の状態により断線とショートとの区別が可能となるため、一方の端部が共通電極により互いに接続された複数の電極が形成されている基板に対して、正常・断線・ショートを容易かつ確実に区別する検査を実施することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる電極パターン検査方法を実行する検査装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す検査装置の情報伝達経路を含む構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は、図1に示す検査装置により検査される透光性基板上の透明電極に発生したショートを示す説明図であり、(b)は、(a)に示すショートを有する透明電極の等価回路を示す図である。
【図4】(a)は、図1に示す検査装置で検知した、透明電極に欠陥がない場合の電圧の波形を示すグラフであり、(b)は、断線がある場合の電圧の波形を示すグラフであり、(c)は、ショートがある場合の電圧の波形を示すグラフである。
【図5】(a)・(b)は、図1に示す検査装置において、端子と透明電極および共通電極との接触状態を示す説明図であり、(c)・(d)は、従来の検査装置において、端子と透明電極および共通電極との接触状態を示す説明図である。
【図6】従来の電極パターン検査装置の一例を示す模式図である。
【図7】従来の電極パターン検査装置の他の例を示す模式図である。
【図8】(a)は、直流電圧検知回路の内部抵抗が十分大きい場合に、図3(b)に示す透明電極の等価回路に電流が流れる状態を示す説明図であり、(b)は、直流電圧検知回路の内部抵抗が透明電極とほぼ同じである場合に、図3(b)に示す透明電極の等価回路に電流が流れる状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 検査装置
2 定電流印加用端子
3 ブラシ状アース端子(アース端子)
4 電圧検知用端子
5 直流定電流印加回路(電流印加手段)
6 直流電圧検知回路(電圧検知手段)
7 ショート・断線記憶回路(記憶判定手段)
8 走査手段
20 透光性基板(基板)
21 透明電極(電極パターン)
22 共通電極

Claims (6)

  1. 基板上に、ストライプ状に等間隔で複数形成されており、該基板の外周部に形成される共通電極にその一端が接続されている電極パターンに対し、電流を印加することによって、該電極パターンの断線およびショートを検出する電極パターン検査装置において、
    被検査対象となる電極パターンの共通電極に対向する側の端に接触し、該電極パターンに直流定電流を印加する定電流印加用端子と、
    上記電極パターンに隣り合う電極パターンの、共通電極に対向する側の端に接触し、電圧を測定する電圧検知用端子と、
    アースと接続されており、上記電極パターンの近傍の共通電極に接触するアース端子と、
    上記定電流印加用端子に直流定電流を供給するとともに、この直流定電流の供給にともなう電圧の変化を検知する電流印加手段と、
    上記電圧検知用端子によって測定された電圧の変化を検知する電圧検知手段と、
    上記電流印加手段および電圧検知手段で検知された電圧の変化を欠陥情報として記憶し、この欠陥情報に基づいて、電極パターンに生じている断線およびショートを検出する記憶判定手段とを備え、
    上記電流印加手段は、被検査対象となる電極パターンに直流定電流を印加する一方、当該電極パターンに隣り合う電極パターンには、直流定電流を印加しないことを特徴とする電極パターン検査装置。
  2. 上記定電流印加用端子、電圧検知用端子、およびアース端子を所定方向に走査するとともに、これら各端子の走査により電圧の変化が検知された電極パターンの基板上の位置を検知する走査手段を備え、
    上記記憶判定手段は、電圧の変化に加えて電極パターンの位置を欠陥情報として記憶し、この欠陥情報に基づいて、断線およびショートの少なくとも何れか一方が生じている電極パターンを検出し、その位置を特定することを特徴とする請求項1記載の電極パターン検査装置。
  3. 上記定電流印加用端子および電圧検知用端子は電極パターンと点接触する形状を有しているとともに、上記アース端子は、共通電極と面状に接触する形状を有していることを特徴とする請求項1または2記載の電極パターン検査装置。
  4. 一方の端部が共通電極により互いに接続された複数の電極のうち、検査対象の電極に対して定電流を印加し、該定電流による電圧の変化を検知する電流印加手段と、
    上記の検査対象の電極に隣接する電極の電圧を測定し、該電圧の変化を検知する電圧検知手段と、
    上記共通電極を接地する接地手段とを含んでおり、
    上記電流印加手段は、被検査対象となる電極パターンに直流定電流を印加する一方、当該電極パターンに隣り合う電極パターンには、直流定電流を印加しないことを特徴とする電極パターン検査装置。
  5. 基板上に、ストライプ状に等間隔で複数形成されており、該基板の外周部に形成される共通電極にその一端が接続されている電極パターンに対し、電流を印加することによって、該電極パターンの断線およびショートを検出する電極パターン検査方法において、
    被検査対象となる電極パターン近傍の共通電極をアースし、かつ、該電極パターンの共通電極に対向する側の端から直流定電流を印加する一方、この電極パターンに隣り合う電極パターンの共通電極に対向する側の端には直流定電流を印加せずに、当該隣り合う電極パターンの共通電極に対向する側の端での電圧の変化と、直流定電流の印加にともなう電圧の変化とを検知する電圧検知工程と、
    さらに、上記電圧検知工程を、複数の電極パターンに対して連続して実施し、上記電圧の変化および該電圧の変化が検知された電極パターンの基板上の位置を欠陥情報として、これに基づいて電極パターンに生じている断線およびショートを検出するとともに、該電極パターンの位置を特定する欠陥検出工程とを有することを特徴とする電極パターン検査方法。
  6. 複数の電極の一方の端部を互いに接続する共通電極を接地するステップと、
    上記複数の電極のうち、検査対象の電極に対して定電流を印加する一方、上記の検査対象の電極に隣接する電極に対して定電流を印加せずに、該定電流による電圧の変化を検知するステップと、
    上記の検査対象の電極に隣接する電極の電圧を測定し、該電圧の変化を検知するステップとを含むことを特徴とする電極パターン検査方法。
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