JP4676218B2 - 回路配線検査方法および回路配線検査装置 - Google Patents

回路配線検査方法および回路配線検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、幹配線から分岐されている複数の枝配線の断線および枝配線間の短絡の有無を検査する回路配線検査方法および回路配線検査装置に関するものである。
出願人は、この種の回路配線検査方法の一つを特開2003−255007号公報に開示している。この回路配線検査方法では、図3に示すように、幹配線Mとこの幹配線Mから引き出されている複数の枝配線P1〜PN(同図では枝配線P1〜P2を図示する)とを含む回路配線に対して、まず、幹配線M上の所定箇所に電圧測定基準点Xを設定し、この電圧測定基準点Xと1つの枝配線P1の反幹配線側端点P1yとの間に電圧発生器50からプローブQ1,Q4を介して電圧を印加する。次いで、この状態において、電圧計51を使用して、枝配線P1に隣接する他方の枝配線P2の反幹配線側端点P2yと電圧測定基準点Xとの間の電圧V1をプローブQ2,Q4を介して測定すると共に、電圧計52を使用して、枝配線P2の幹配線側端点P2xと電圧測定基準点Xとの間の電圧V2をプローブQ3,Q4を介して測定し、各電圧V1,V2に基づいて短絡・断線の有無を判断する。
この回路配線検査方法によれば、各枝配線P1,P2の各端点P1y,P2yに対する各プローブQ1,Q2のプロービング位置によって検査精度が左右されることなく、高精度で検査することができる。また、予め良品基板から判定基準となるデータを収集する必要がないため、作製された回路基板の1枚目から回路配線に対する各枝配線の断線、および隣接する各枝配線間の短絡を検査することができる。さらには、各プローブQ1〜Q4の接触抵抗による影響を受けないため、通常の安価な測定プローブを使用することができる。
特開2003−255007号公報(第4頁、第1図)
ところが、上記した回路配線検査方法には、以下の改善すべき課題がある。すなわち、図3において一点鎖線で示すように、幹配線Mの表面全体がレジスト膜(絶縁被膜)で覆われている回路配線が形成された回路基板も多く存在しており、このような回路基板では、レジスト膜で覆われた幹配線Mにプロービングすることができない。このため、幹配線Mに各プローブQ3,Q4をプロービングする必要のある上記の回路配線検査方法では、各枝配線の短絡・断線を検査するのが困難となる。
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、幹配線から複数の枝配線が引き出されている回路配線に対して、幹配線がレジスト膜で覆われているときであっても回路配線の断線・短絡を検査し得る回路配線検査方法および回路配線検査装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の回路配線検査方法は、幹配線と当該幹配線から枝状に引き出されている複数の枝配線とを含むと共に当該複数の枝配線の各々に2つの端点が設けられている回路配線を検査対象とし、前記回路配線の断線の有無、および隣接する第1、第2の2つの前記枝配線のうちの当該第1枝配線の前記2つの端点間と当該第2枝配線の前記2つの端点間との間の短絡の有無をそれぞれ検査する回路配線検査方法であって、前記第1の枝配線の前記2つの端点のうちの反幹配線側端点と前記第2の枝配線の前記2つの端点のうちの幹配線側端点に第1のプローブおよび第2のプローブを接触させて、信号出力検出部を含む検査信号出力手段を当該第1のプローブおよび当該第2のプローブを介して当該反幹配線側端点と当該幹配線側端点との間に接続して検査信号を出力させると共に、前記第2の枝配線の前記2つの端点に第3のプローブおよび第4のプローブを接触させて、検査信号検出手段を当該第3のプローブおよび当該第4のプローブを介して当該2つの端点間に接続し、前記第1の枝配線の前記反幹配線側端点と前記第2の枝配線の前記幹配線側端点との間に出力されている前記検査信号が前記信号出力検出部で検出されないときには前記第1の枝配線の前記反幹配線側端点と前記第2の枝配線の前記幹配線側端点との間に断線有りと判定し、前記検査信号が前記検査信号検出手段で検出されたときには前記第1の枝配線の前記2つの端点間と前記第2の枝配線の前記2つの端点間との間に短絡有りと判定する。
請求項2記載の回路配線検査方法は、請求項1記載の回路配線検査方法において、前記検査信号出力手段として電流発生器を用い、前記検査信号検出手段として電圧測定器を用いる。
請求項3記載の回路配線検査方法は、請求項1記載の回路配線検査方法において、前記検査信号出力手段として電圧発生器を用い、前記検査信号検出手段として電圧測定器を用いる。
請求項4記載の回路配線検査方法は、請求項1から3のいずれかに記載の回路配線検査方法において、前記信号出力検出部は電流検出抵抗を備えて構成されている。
請求項5記載の回路配線検査装置は、幹配線と当該幹配線から枝状に引き出されている複数の枝配線とを含むと共に当該複数の枝配線の各々に2つの端点が設けられている回路配線を検査対象とし、前記回路配線の断線の有無、および隣接する第1、第2の2つの前記枝配線のうちの当該第1枝配線の前記2つの端点間と当該第2枝配線の前記2つの端点間との間の短絡の有無をそれぞれ検査する回路配線検査装置であって、第1から第4のプローブと、信号出力検出部を含んで構成されると共に前記第1の枝配線の前記2つの端点のうちの反幹配線側端点と前記第2の枝配線の前記2つの端点のうちの幹配線側端点に前記第1のプローブおよび前記第2のプローブを接触させた状態において当該第1のプローブおよび当該第2のプローブを介して当該反幹配線側端点と当該幹配線側端点との間に検査信号を出力する検査信号出力手段と、前記第2の枝配線の前記2つの端点に前記第3のプローブおよび前記第4のプローブを接触させた状態において当該2つの端点間への前記検査信号の出力の有無を検出する検査信号検出手段と、前記信号出力検出部が前記第1の枝配線の前記反幹配線側端点と前記第2の枝配線の前記幹配線側端点との間に出力されている前記検査信号を検出しないときには前記第1の枝配線の前記反幹配線側端点と前記第2の枝配線の前記幹配線側端点との間に断線有りと判定し、前記検査信号検出手段が前記検査信号を検出したときには前記第1の枝配線の前記2つの端点間と前記第2の枝配線の前記2つの端点間との間に短絡有りと判定する判定手段とを備えている。
請求項6記載の回路配線検査装置は、請求項5記載の回路配線検査装置において、前記検査信号出力手段は電流発生器を備えて構成され、前記検査信号検出手段は電圧測定器を備えて構成されている。
請求項7記載の回路配線検査装置は、請求項5記載の回路配線検査装置において、前記検査信号出力手段は電圧発生器を備えて構成され、前記検査信号検出手段は電圧測定器を備えて構成されている。
請求項8記載の回路配線検査装置は、請求項5から7のいずれかに記載の回路配線検査装置において、前記信号出力検出部は電流検出抵抗を備えて構成されている。
請求項1記載の回路配線検査方法および請求項5記載の回路配線検査装置では、信号出力検出部を含む検査信号出力手段を第1の枝配線の2つの端点のうちの反幹配線側端点と第2の枝配線の2つの端点のうちの幹配線側端点との間に第1のプローブおよび第2のプローブを介して接続して検査信号を出力させると共に、検査信号検出手段を第2の枝配線の2つの端点間に第3のプローブおよび第4のプローブを介して接続し、この状態において、第1の枝配線の反幹配線側端点と第2の枝配線の幹配線側端点との間に出力されている検査信号が信号出力検出部で検出されないときには第1の枝配線の反幹配線側端点と第2の枝配線の幹配線側端点との間に断線有りと判定し、検査信号が検査信号検出手段で検出されたときには第1の枝配線の2つの端点間と第2の枝配線の2つの端点間との間に短絡有りと判定することにより、幹配線へのプロービングを不要としつつ断線および短絡の有無を判定することができる。したがって、この回路配線検査方法および回路配線検査装置によれば、回路配線における幹配線の表面全体がレジスト膜で覆われていたとしても、各枝配線の各端点に対するプロービング位置によって検査精度が左右されることなく、十分に高い精度で、この回路配線の断線の有無、および隣接する2つの枝配線におけるそれぞれの2つの端点間での短絡の有無を検査することができる。
請求項2記載の回路配線検査方法および請求項6記載の回路配線検査装置によれば、一般的な計測機器である電流発生器を検査信号出力手段として用い、一般的な計測機器である電圧測定器を検査信号検出手段として用いて回路配線を検査することができる。したがって、特殊な計測機器を使用する構成と比較して、検査に要するコストを低減することができる。
請求項3記載の回路配線検査方法および請求項7記載の回路配線検査装置によれば、一般的な計測機器である電圧発生器を検査信号出力手段として用い、一般的な計測機器である電圧測定器を検査信号検出手段として用いて回路配線を検査することができる。したがって、特殊な計測機器を使用する構成と比較して、検査に要するコストを低減することができる。
請求項4記載の回路配線検査方法および請求項8記載の回路配線検査装置によれば、電流検出抵抗を備えて構成された安価な信号出力検出部を用いることにより、カレントトランスなどで構成された比較的高価な信号出力検出部を用いる構成と比較して、検査に要するコストをさらに低減することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る回路配線検査方法および回路配線検査装置の最良の形態について説明する。
最初に、回路配線検査装置1の構成について、図面を参照して説明する。
回路配線検査装置1は、図1に示すように、検査信号出力手段としての電流発生器10と、検査信号検出手段としての電圧測定器20と、判定手段としてのCPU30と、表示部40とを備え、図2に示す構成の回路基板100に形成されている回路配線110に対する断線・短絡の有無を検査し得るように構成されている。この場合、電流発生器10は、電流発生源11、信号出力検出部としての電流検出抵抗12、および一対のプローブ13(第1のプローブ),14(第2のプローブ)を備え、電流発生源11で発生させている検査信号としての電流(交流電流、直流電流のいずれでもよい)Iを、電流検出抵抗12を介して各プローブ13,14から出力可能に構成されている。また、電流発生器10は、電流検出抵抗12に電流Iが流れているときに検出信号S1を生成してCPU30に出力する。電圧測定器20は、一対のプローブ21(第3のプローブ),22(第4のプローブ)を介して、各プローブ21,22が接触している部位間の電位差を測定し、測定した電位差V(実効値、平均値およびピーク値のいずれでもよく、以下、「電圧値V」ともいう)をCPU30に出力する。CPU30は、電流発生器10による検出信号S1の出力状況と、電圧測定器20からの電圧値Vとに基づいて回路配線110についての検査処理を実行する。また、CPU30は、検査処理の結果を表示部40に表示させる。表示部40は、例えば、液晶パネルなどで構成されたディスプレイ装置や、プリンタ装置で構成されている。
次に、検査対象である回路配線110が形成されている回路基板100について説明する。
回路基板100は、図2に示すように、一例として両面基板で構成されて、回路配線110は、回路基板100の表面および裏面に亘って形成されている。具体的には、回路配線110は、幹配線Mと、幹配線Mから枝状に引き出されている複数の枝配線とを含んで構成されている。また、各枝配線は、良品の回路基板100では、幹配線Mのみを介して互いに電気的に接続されている。なお、同図では、説明の理解を容易にするために、隣接する2本の枝配線P1,P2と、これらが引き出されている幹配線Mの一部とを示している。
幹配線Mは、回路基板100の表面(同図中の上面)に、表面全体がレジスト膜101(斜線を付した部分)で覆われた状態で形成されている。一方、各枝配線P1,P2は、図2に示すように、回路基板100の表面から回路基板100の内層および裏面(同図中の下面)に亘ってそれぞれ形成されている。この場合、各枝配線P1,P2における回路基板100の内層に位置する部位は、内面が導電性金属でめっき処理されたスルーホールで形成されている。また、枝配線P1にはその一部を幅広に(ランド状に)形成することによって2つの端点P1x,P1yが設けられ、この2つの端点P1x,P1yのうちの一方の端点(本発明における幹配線側端点)P1xは、回路基板100の表面側に形成されている枝配線P1における幹配線Mの近傍に設けられ、他方の端点(本発明における反幹配線側端点)P1yは、回路基板100の裏面側に形成されている枝配線P1の先端に設けられている。同様にして、枝配線P2にもその一部を幅広に(ランド状に)形成することによって2つの端点P2x,P2yが設けられ、この2つの端点P2x,P2yのうちの一方の端点(本発明における幹配線側端点)P2xは、回路基板100の表面側に形成されている枝配線P2における幹配線Mの近傍に設けられ、他方の端点(本発明における反幹配線側端点)P2yは、回路基板100の裏面側に形成されている枝配線P2の先端に設けられている。また、各端点P1x,P1y,P2x,P2yは、レジスト膜101の非形成領域に設けられている。
続いて、回路配線検査装置1を使用して回路配線110の各枝配線P1,P2についての断線・短絡を検査する方法を、回路配線検査装置1の動作と併せて説明する。
まず、電流発生器10の各プローブ13,14を、枝配線P1(本発明における第1の枝配線)の反幹配線側端点P1yと枝配線P2(本発明における第2の枝配線)の幹配線側端点P2xとにそれぞれ接触させる。また、電圧測定器20の各プローブ21,22を、枝配線P2の反幹配線側端点P2yと枝配線P2の幹配線側端点P2xとにそれぞれ接触させる。
次いで、回路配線検査装置1を作動させる。回路配線検査装置1の作動状態では、電流発生器10が、各プローブ13,14を介して枝配線P1の反幹配線側端点P1yと枝配線P2の幹配線側端点P2xとの間に電流Iを出力する。また、電流発生器10は、電流検出抵抗12に電流Iが流れているか否かを常時検出すると共に、電流Iが流れているときに検出信号S1をCPU30に出力する。また、電圧測定器20は、各プローブ21,22を介して枝配線P2の2つの端点P2x,P2y間に発生する電位差Vを連続して測定すると共に、測定した端点P2x,P2y間の電位差V(電圧値V)をCPU30に出力する。また、CPU30は、電流発生器10からの検出信号S1の出力の有無と、電圧測定器20からの電圧値Vとに基づいて、回路配線110についての検査処理を実行する。
この状態において、枝配線P1の反幹配線側端点P1yと枝配線P2の幹配線側端点P2xとの間に断線が発生しておらず、かつ枝配線P1における2つの端点P1x,P1y間の部位と枝配線P2における2つの端点P2x,P2y間の部位との間に短絡が発生していないときには、電流発生器10から電流Iが回路配線110に出力(供給)される。この場合、この電流Iは、図1において実線で示すように、プローブ13、枝配線P1の全体、幹配線M、枝配線P2における幹配線Mとの接続端部から幹配線側端点P2xまでの部位、およびプローブ14を経由して電流発生器10に至る経路Aを流れることになる。このため、電流検出抵抗12にも電流Iが流れる結果、電流発生器10は、検出信号S1を生成してCPU30に出力する。一方、経路Aに含まれない枝配線P2における2つの各端点P2x,P2y間には電流Iは流れず、かつ枝配線P2の2つの端点P2x,P2y間に断線が発生していないため、端点P2x,P2yの各電位が同電位となる結果、電圧測定器20から出力される電圧値Vはゼロボルトになる。したがって、CPU30は、検査処理において、電流発生器10から検出信号S1が出力されており、かつ電圧測定器20から出力される電圧値Vがゼロボルトのときには、枝配線P1の反幹配線側端点P1yと枝配線P2の幹配線側端点P2xとの間、および枝配線P2の2つの端点P2x,P2y間に断線が発生しておらず、かつ枝配線P1の2つの端点P1x,P1y間と枝配線P2の2つの端点P2x,P2y間とが短絡していないと判別する。
これに対して、枝配線P1の反幹配線側端点P1yと枝配線P2の幹配線側端点P2xとの間のいずれかの部位で断線しているときには、プローブ13側がオープン状態になるため、電流Iは経路Aには流れない。この結果、電流Iが電流検出抵抗12にも流れないため、電流発生器10は、検出信号S1を生成しない。したがって、CPU30は、検査処理において、電流発生器10から検出信号S1が出力されていないときには、枝配線P1の反幹配線側端点P1yと枝配線P2の幹配線側端点P2xとの間のいずれかの部位で断線が発生していると判別する。
他方、枝配線P2が2つの端点P2x,P2y間で断線しているときには、電圧測定器20の各プローブ21,22間がオープン状態になるため、電圧測定器20から出力される電圧値Vは不定な値を示す。したがって、CPU30は、検査処理において、入力した電圧値Vが不定な値のときには、枝配線P2の2つの端点P2x,P2y間に断線が発生していると判別する。
また、枝配線P1における2つの端点P1x,P1y間の部位と、枝配線P2における2つの端点P2x,P2y間の部位との間が、図1において一点鎖線で示す不良配線Peによって短絡されているときには、電流発生器10から出力されている電流Iは、図1において破線で示すように、プローブ13、枝配線P1における反幹配線側端点P1yから不良配線Peとの接点までの部位、不良配線Pe、枝配線P2における不良配線Peとの接点から幹配線側端点P2xまでの部位、およびプローブ14を経由して電流発生器10に至る経路Bを流れる。このため、電流検出抵抗12に電流Iが流れる結果、電流発生器10は、検出信号S1を生成してCPU30に出力する。一方、枝配線P2では、その不良配線Peとの接点Cと幹配線側端点P2xとの間に電流Iが流れる。このため、枝配線P2における不良配線Peとの接点Cと、枝配線P2の幹配線側端点P2xとの間に電位差Vが発生する。この結果、電圧測定器20から出力される電圧値Vは、枝配線P2における不良配線Peとの接点Cと幹配線側端点P2xとの間の抵抗値と電流Iとによって決まるゼロボルトではない所定値になる(つまり、本発明でいうところの検査信号(電流I)が電圧測定器20で検出された状態になる)。したがって、CPU30は、検査処理において、電流発生器10から検出信号S1が出力されており、かつ電圧測定器20から出力される電圧値Vがゼロボルトではない所定値のときには、枝配線P1の反幹配線側端点P1yと枝配線P2の幹配線側端点P2xとの間、および枝配線P2の2つの端点P2x,P2y間に共に断線が発生しておらず、かつ枝配線P1の2つの端点P1x,P1y間と枝配線P2の2つの端点P2x,P2y間との間に短絡が発生していると判別する。
以上のようにして、互いに隣接する各枝配線P1,P2に対する断線・短絡の検査処理を実行した後、CPU30は、検査処理における判別結果を表示部40に表示させる。これにより、回路配線検査装置1による各枝配線P1,P2に対する断線・短絡の検査が完了する。引き続き、枝配線P2と、この枝配線P2に隣接する他の枝配線P3とに対して、上記した各枝配線P1,P2に対する断線・短絡の検査方法を適用して、断線・短絡の検査を実行する。次いで、この作業を幹配線Mから引き出されたすべての枝配線に対して実行する。
このように、この回路配線検査方法および回路配線検査装置1によれば、電流発生器10を枝配線P1の反幹配線側端点P1yと枝配線P2の幹配線側端点P2xとの間に接続して電流Iを出力させると共に、電圧測定器20を枝配線P2の2つの端点P2x,P2y間に接続することにより、この状態において、電流Iが電圧測定器20で検出されないときには枝配線P1の反幹配線側端点P1yと枝配線P2の幹配線側端点P2xとの間が断線していると判定でき、電流Iが電圧測定器20で検出されたときには枝配線P1の端点P1x,P1y間と枝配線P2の端点P2x,P2y間との間が短絡していると判定することができる。このため、各枝配線の各端点に対するプロービング位置によって検査精度が左右されることなく、高い精度で、しかも従来の検査方法とは異なり、幹配線Mへのプロービングを行うことなく、回路配線110を検査することができる。したがって、回路配線110における幹配線Mの表面全体がレジスト膜101で覆われていたとしても、隣接する2つの枝配線(上記の例では枝配線P1,P2など)に対する断線・短絡を含む回路配線110に対する断線・短絡の検査を十分に高い精度で実施することができる。
また、この回路配線検査方法および回路配線検査装置1によれば、一般的な計測機器である電流発生器10および電圧測定器20を使用して回路配線110を検査することにより、特殊な計測機器を使用する構成と比較して、検査に要するコストを低減することができる。また、電流発生器10において安価な電流検出抵抗12を使用して電流Iの出力の有無を検出することにより、カレントトランスなどを使用する構成と比較して、検査に要するコストをさらに低減することができる。一方、本発明は、信号出力検出部として電流検出抵抗12だけでなく、カレントトランスなどを適宜使用することができるのは勿論である。
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、電流発生器10のプローブ14と電圧測定器20のプローブ22とを共に枝配線P2の幹配線側端点P2xに接触させる構成について説明したが、これらのプローブ14,22を枝配線P1の幹配線側端点P1xや幹配線Mに接触させる構成を採用することもできる。一方、プローブ14,22を枝配線P1の幹配線側端点P1xや幹配線Mに接触させる構成では、枝配線P1および枝配線P2間に不良配線Peが形成されたときに電流Iが流れる経路が、上記した経路Bと比較して長くなるため、経路全体の抵抗値が上昇する。この結果、枝配線P2における不良配線Peとの接点Cと幹配線側端点P2xとの間において、プローブ14,22を枝配線P2の幹配線側端点P2xに接触させる構成のときと同じ電位差を発生させるためには、経路全体の抵抗値が上昇する分だけ、電流発生器10として電流供給能力の高い電流発生器を使用する必要があり、コストアップになるおそれが生じる。このため、プローブ14,22を枝配線P2の幹配線側端点P2xに接触させる構成を採用するのが好ましい。
また、検査信号出力手段として電流発生器10を用いた構成について説明したが、電圧発生器を検査信号出力手段として用いることもできる。この構成においても、信号出力検出部として電流検出抵抗12を使用することができる。また、図2に示すように、回路基板100の両面に亘って各枝配線P1,P2が形成されている回路配線110を検査対象とする例について上記したが、片面だけに各枝配線が形成されている回路配線を検査対象とすることができるのは勿論である。
回路配線検査装置1の構成を示す構成図である。 回路配線110の構成を説明するために、模式的に示した回路基板100の斜視図である。 従来の回路配線検査方法を説明するための構成図である。
符号の説明
1 回路配線検査装置
10 電流発生器
12 電流検出抵抗
20 電圧測定器
30 CPU
100 回路基板
110 回路配線
I 電流
M 幹配線
P1,P2 枝配線
P1x,P2x 幹配線側端点
P1y,P2y 反幹配線側端点

Claims (8)

  1. 幹配線と当該幹配線から枝状に引き出されている複数の枝配線とを含むと共に当該複数の枝配線の各々に2つの端点が設けられている回路配線を検査対象とし、前記回路配線の断線の有無、および隣接する第1、第2の2つの前記枝配線のうちの当該第1枝配線の前記2つの端点間と当該第2枝配線の前記2つの端点間との間の短絡の有無をそれぞれ検査する回路配線検査方法であって、
    前記第1の枝配線の前記2つの端点のうちの反幹配線側端点と前記第2の枝配線の前記2つの端点のうちの幹配線側端点に第1のプローブおよび第2のプローブを接触させて、信号出力検出部を含む検査信号出力手段を当該第1のプローブおよび当該第2のプローブを介して当該反幹配線側端点と当該幹配線側端点との間に接続して検査信号を出力させると共に、前記第2の枝配線の前記2つの端点に第3のプローブおよび第4のプローブを接触させて、検査信号検出手段を当該第3のプローブおよび当該第4のプローブを介して当該2つの端点間に接続し、
    前記第1の枝配線の前記反幹配線側端点と前記第2の枝配線の前記幹配線側端点との間に出力されている前記検査信号が前記信号出力検出部で検出されないときには前記第1の枝配線の前記反幹配線側端点と前記第2の枝配線の前記幹配線側端点との間に断線有りと判定し、前記検査信号が前記検査信号検出手段で検出されたときには前記第1の枝配線の前記2つの端点間と前記第2の枝配線の前記2つの端点間との間に短絡有りと判定する回路配線検査方法。
  2. 前記検査信号出力手段として電流発生器を用い、前記検査信号検出手段として電圧測定器を用いる請求項1記載の回路配線検査方法。
  3. 前記検査信号出力手段として電圧発生器を用い、前記検査信号検出手段として電圧測定器を用いる請求項1記載の回路配線検査方法。
  4. 前記信号出力検出部は電流検出抵抗を備えて構成されている請求項1から3のいずれかに記載の回路配線検査方法。
  5. 幹配線と当該幹配線から枝状に引き出されている複数の枝配線とを含むと共に当該複数の枝配線の各々に2つの端点が設けられている回路配線を検査対象とし、前記回路配線の断線の有無、および隣接する第1、第2の2つの前記枝配線のうちの当該第1枝配線の前記2つの端点間と当該第2枝配線の前記2つの端点間との間の短絡の有無をそれぞれ検査する回路配線検査装置であって、
    第1から第4のプローブと、
    信号出力検出部を含んで構成されると共に前記第1の枝配線の前記2つの端点のうちの反幹配線側端点と前記第2の枝配線の前記2つの端点のうちの幹配線側端点に前記第1のプローブおよび前記第2のプローブを接触させた状態において当該第1のプローブおよび当該第2のプローブを介して当該反幹配線側端点と当該幹配線側端点との間に検査信号を出力する検査信号出力手段と、
    前記第2の枝配線の前記2つの端点に前記第3のプローブおよび前記第4のプローブを接触させた状態において当該2つの端点間への前記検査信号の出力の有無を検出する検査信号検出手段と、
    前記信号出力検出部が前記第1の枝配線の前記反幹配線側端点と前記第2の枝配線の前記幹配線側端点との間に出力されている前記検査信号を検出しないときには前記第1の枝配線の前記反幹配線側端点と前記第2の枝配線の前記幹配線側端点との間に断線有りと判定し、前記検査信号検出手段が前記検査信号を検出したときには前記第1の枝配線の前記2つの端点間と前記第2の枝配線の前記2つの端点間との間に短絡有りと判定する判定手段とを備えている回路配線検査装置。
  6. 前記検査信号出力手段は電流発生器を備えて構成され、前記検査信号検出手段は電圧測定器を備えて構成されている請求項5記載の回路配線検査装置。
  7. 前記検査信号出力手段は電圧発生器を備えて構成され、前記検査信号検出手段は電圧測定器を備えて構成されている請求項5記載の回路配線検査装置。
  8. 前記信号出力検出部は電流検出抵抗を備えて構成されている請求項5から7のいずれかに記載の回路配線検査装置。
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